JP3756482B2 - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸と、3個の遊星歯車組と、3つのクラッチと、2つのブレーキと、出力軸とを有して構成され、変速要素である3つのクラッチと2つのブレーキを適宜締結・解放することで、少なくとも前進6速・後退1速を得る自動変速機用歯車変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、入力軸と、1個のシングルピニオン型遊星歯車組と、2個のシングルピニオン型遊星歯車組の組み合わせに成るシンプソン型遊星歯車列と、3つのクラッチと、2つのブレーキと、出力軸とを有して構成され、変速要素である3つのクラッチと2つのブレーキを適宜締結・解放することで前進6速・後退1速を得る自動変速機用歯車変速装置が知られている(例えば、特許文献1。)。
【0003】
このように1個のシングルピニオン型遊星歯車組とシンプソン型遊星歯車列とにより構成された自動変速機用歯車変速装置は、下記に列挙する特徴を有する。(1)シンプソン型遊星歯車列の最大トルクとなる1速でのトルク伝達の流れが、全メンバを介して分担するので、強度的に有利である。
(2)シンプソン型遊星歯車列がリングギヤ入力であるため、サンギヤ入力に比較して、接線力が半分程度になり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で有利である。
【0004】
ところで、上記のごとく1個のシングルピニオン型遊星歯車組とシンプソン型遊星歯車列とより成る従来の歯車変速装置は、上記利点を有する反面、
(3)オーバードライブの変速段を得るには、シンプソン型遊星歯車列へのキャリア入力が必要であり、入力軸と出力軸とを同軸に設けると、回転メンバが3メンバに限られるシングルピニオン型の遊星歯車組でキャリアへの入力経路が不成立となり、
(4)よって、キャリアへの入力経路を成立させるため、入力軸と出力軸とを異なる軸線上に平行軸配置で設ける必要が発生し、その結果として自動変速機の径方向への大型化を招く、という問題があった。
上記(3),(4)の問題を解消するため、シンプソン型遊星歯車列に代えてラビニョオ型複合遊星歯車列(ダブルピニオンにそれぞれサンギヤを噛み合わせた複合遊星歯車列)を用いた歯車変速装置も提案されている(例えば、特許文献2。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−219553号公報(図7)
【特許文献2】
特開平4−219553号公報(図13,図14,図15)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このラビニョオ型複合遊星歯車列を採用した歯車変速装置は、全ての構成要素を同軸上に配置し得て上記並行軸配置を回避し得るものの、下記に列挙する問題点を有する。
(5)歯車列の(1速での)最大トルクを、ラビニョオ型複合遊星歯車列の片側のダブルピニオン型遊星歯車組で受け持つので、強度的に不利である。
(6)減速装置としての一個のシングルピニオン型遊星歯車組で増大したトルクを、ラビニョオ型複合遊星歯車列のサンギヤに入力するため、リングギヤ入力に比較して、接線力が大きくなり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で不利である。
(7)1速におけるラビニョオ型複合遊星歯車列の強度(歯車強度や歯車寿命)の確保やキャリア剛性等の向上とが共に要求されることで、ラビニョオ型複合遊星歯車列を大型化する必要があり、この結果、自動変速機の大型化を招く。
(8)変速段によってはラビニオ型複合遊星歯車列にてトルク循環が発生し、トルク循環が発生する変速段では、伝達効率の低下により、燃費が悪化する。
【0007】
換言すれば、上記したごとく1個のシングルピニオン型遊星歯車組およびラビニョオ型複合遊星歯車列の組み合わせに成る歯車変速装置は、1個のシングルピニオン型遊星歯車組とシンプソン型遊星歯車列との組み合わせに成る歯車変速装置の長所である上記(1),(2)の利点が何れも損なわれるし、上記(3),(4)の大型化についてもラビニョオ型複合遊星歯車列が大型化するという別の理由により、結果的に自動変速機の大型化を避けることができないことから、当該大型化の問題を解消し得ない。
【0008】
本発明は上記の実情に鑑み、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いないで入力部と出力部の同軸配置を実現することにより、シンプソン型遊星歯車列を用いた場合における前記(1),(2)の利点はそのまま維持しつつ、つまり歯車列の強度的有利性(車強度や歯車寿命等)を保ちつつ、上記(3),(4)の大型化に関する問題を解消し得るようにすると共に、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合におけるトルク循環に関した(8)の問題をも解消して燃費の悪化を回避することができるようにし、又、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合に比べてギヤ比の選択自由度を高めることができる自動変速機用歯車変速装置を提供することを主たる目的とする。
【0009】
本発明は更に、フロントエンジン・リヤドライブ型の車両に適用する自動変速機用歯車変速装置において遊星歯車組を取り囲む入力回転メンバや出力メンバをできるだけ少なくして、潤滑油の油の滞留を少なくすることで引きずりトルクの発生を最小限にして、もって、前記の利点を具えるほかに燃費の向上にも寄与する自動変速機用歯車変速装置を提供することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置は、動力源からの回転が一方側から入力される入力部と、この入力軸に同軸に配置され、他方側から出力する出力軸と、これら入出力軸間に多数の伝動経路を提供可能な3個の遊星歯車組と、これら3個の遊星歯車組が該伝動経路のうちの1つを選択して対応変速比で前記入力軸からの回転を変速し、前記出力軸へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な3つのクラッチおよび2つのブレーキとを具え、これらクラッチおよびブレーキの締結・解放の組み合わせにより少なくとも前進6速・後退1速を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置において、前記3個の遊星歯車組のうち1個の遊星歯車組は、前記入力回転を減速して出力する減速用遊星歯車組とし、残りの2個の遊星歯車組のうち、一方の遊星歯車組を2個のサンギヤと、これら2個のサンギヤに噛み合う共通なピニオンと、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤと、該ピニオンを回転自在に支持するサイドメンバに結合されたセンターメンバを経て前記2個のサンギヤ間より回転を入出力可能なキャリアとより成るダブルサンギヤ型遊星歯車組とし、他方の遊星歯車組を1個のサンギヤと、このサンギヤに噛み合うピニオンと、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤと、該ピニオンを回転自在に支持するキャリアとから成るシングルピニオン型遊星歯車組とし、前記3個の遊星歯車組を前記入力軸の側から、前記減速用遊星歯車組、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組、前記シングルピニオン型遊星歯車組の順に並置するとともに、前記2つのブレーキは、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組およびシングルピニオン型遊星歯車組よりなる変速用遊星歯車組の回転メンバを固定可能な第1および第2ブレーキとし、前記回転メンバは、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組と前記減速用遊星歯車組との間から延在して前記第1および第2ブレーキに連結している。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、前記第1ブレーキを前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の外周に配置し、前記第2ブレーキを前記減速用遊星歯車組の外周に配置している。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置において、前記3つのクラッチのうち、前記減速用遊星歯車組からの減速回転を、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組および前記シングルピニオン型遊星歯車組よりなる変速用遊星歯車組に振り分けるための第1および第2クラッチを、前記シングルピニオン型遊星歯車組よりも前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組とは反対側に配置している。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置において、前記入力軸からの等速回転を伝達する等速回転メンバを前記センターメンバに連結し、前記変速用遊星歯車組からの出力回転を伝達する出力メンバの一方端を、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の前記シングルピニオン型遊星歯車組側に連結し、少なくとも前記シングルピニオン型遊星歯車組および前記第1および第2クラッチの外周を通って、他方端を前記出力軸に連結している。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、減速用遊星歯車組と、シングルピニオン型遊星歯車組と、ダブルサンギヤ型遊星歯車組との組み合わせに成るから、最大トルクとなる第1速で減速用遊星歯車組からのトルク伝達の流れがシングルピニオン型遊星歯車組およびダブルサンギヤ型遊星歯車組の全メンバを介したものとなって強度的に有利であるほか、減速用遊星歯車組からトルクを入力される回転メンバがシングルピニオン型遊星歯車組およびダブルサンギヤ型遊星歯車組のサンギヤになることがなく、リングギヤ入力やキャリア入力となって接線力が半減し、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性の点で有利である。
【0015】
つまり、シンプソン型遊星歯車組を用いた場合の前記(1),(2)の利点を維持することができる。
また、減速用遊星歯車組からのトルクを入力されて変速する変速用遊星歯車組を成す2個の遊星歯車組のうち、一方の遊星歯車組を2個のサンギヤが存在する前記特異なダブルサンギヤ型遊星歯車組とし、更にダブルサンギヤ型遊星歯車組のキャリアに対し回転を入出力するためのメンバを、上記2個のサンギヤ間に配置してキャリアのサイドメンバに結合したセンターメンバとしたから、オーバードライブ変速段を実現するために変速用遊星歯車組内のキャリアに入力回転を伝達する必要が生じた場合においても、ダブルサンギヤ型遊星歯車組の両サンギヤ間における上記センターメンバを経て当該入力回転のキャリアへの伝達が可能であり、入出力部を平行軸配置にしなくても、つまり入出力部を同軸配置にしてオーバードライブ変速段を実現することができ、シンプソン型遊星歯車組を用いた場合に不可避だった径方向の大型化に関する前記(3),(4)の問題を解消することができる。
【0016】
また、当該問題解決をラビニョオ型複合遊星歯車列に頼らずダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いて実現したから、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合に生ずる強度上の問題、つまりこの場合、歯車列の(第1速での)最大トルクをラビニョオ型複合遊星歯車列の片側のダブルピニオン型遊星歯車組のみにより受け持つことで強度上の不利益を被るところながら、上記したところからも明らかなようにこのような弊害を伴うことなく前記(3),(4)の問題を解消することができる。
【0017】
また、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いる場合、減速用遊星歯車組で増大したトルクをラビニョオ型複合遊星歯車列のサンギヤに入力するため、リングギヤ入力やキャリア入力に比較して接線力が大きくなり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で不利であるが、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いた本発明の解決策によれば、上記したところから明らかなように当該不利益を伴うことなく前記(3),(4)の問題を解消することができる。
【0018】
また、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いる場合、変速段によってはラビニオ型複合遊星歯車列でトルク循環が発生し、トルク循環が発生する変速段で伝達効率の低下により燃費が悪化するが、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いた本発明の歯車変速装置によればトルク循環の発生がなくて燃費の悪化を回避することができる。
【0019】
また、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いているので、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合に比べギヤ比の選択自由度を高めることができる。
さらにまた、請求項1記載の発明によると、3個の遊星歯車組を入力軸の側から出力軸の方向に、減速用遊星歯車組、ダブルサンギヤ型遊星歯車組、シングルピニオン型遊星歯車組の順に並置したから、以下の作用効果が得られる。
【0020】
つまり、(サンギヤから2つのメンバ)+(リングギヤから1つのメンバ)+(キャリアから軸方向と径方向に2つのメンバ)=5つのメンバというように、取り出すメンバ数が多いダブルサンギヤ型遊星歯車組を減速用遊星歯車組に隣接させて配置させることで、ダブルサンギヤの入力軸側から入力し、出力軸側のシングルピニオン型遊星歯車組との間から出力軸側へ出力することが可能となり、特にFR型車両へ搭載する自動変速機の場合、遊星歯車組を取り囲む回転部材を少なくすることができる。
【0021】
このため、本発明による歯車変速装置では、遊星歯車組を潤滑した油が回転部材に阻害されて遊星歯車組周辺に滞留して引きずりトルクが増加するのを防止でき、上記各種の利点を備えるほかに燃費の向上に寄与することができる。
ところで本発明においては請求項1に記載のごとく、2つのブレーキを前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の回転メンバを固定可能なものとするとともに、この回転メンバと2つのブレーキとを、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組と前記減速用遊星歯車組との間から延在して連結するのが良い。
上記連結構造によれば、これらが大きな反力が必要で強度を必要とするブレーキ部材と回転メンバとの間の長さを短縮することができ、短縮化、小型化、軽量化、単純化を実現することもできる。
【0022】
なお第1および第2クラッチを上記の配置にする場合、請求項3に記載のごとく、前記第1ブレーキを前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の外周に配置し、前記第2ブレーキを前記減速用遊星歯車組の外周に配置するのが良い。この場合、ブレーキが外周に配置されることで、全長の短縮化できる。
ところで、請求項3に記載のごとく、3つのクラッチのうち、減速用遊星歯車組からの出力回転を、ダブルサンギヤ型遊星歯車組およびシングルピニオン型遊星歯車組よりなる変速用遊星歯車組に振り分けるための第1および第2クラッチを、前記シングルピニオン型遊星歯車組よりも前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組とは反対側にまとめて配置するのが良い。
【0023】
すなわち、減速用遊星歯車組からシングルピニオン型遊星歯車組へ第1及び第2クラッチを介した2系統入力する必要があるが、まとめて配置することで、第1及び第2クラッチの配置をクラッチのシングルピニオン型遊星歯車組近傍までの動力伝達部材を1系統にまとめることができ。入力経路を単純化することができ、部品を簡素化できる。更に、第1および第2クラッチの横並び配置によりこれらの作動ピストンをダブルピストン化することができ、その分コンパクト化も可能である。
【0024】
さらに、等速回転メンバをセンターメンバに連結し、出力回転を伝達する出力メンバは、請求項4に記載のごとく、前記シングルピニオン型遊星歯車組及び前記第1及び第2クラッチの外周を通って前記出力軸に連結することが好ましい。すなわち、等速回転メンバや出力メンバがダブルサンギヤ型遊星歯車組の外周を取り囲むことがなくなり、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を潤滑した油の滞留を低下させることができると共に、大きなトルクを伝達する出力部材を大径とすることで、出力部材の肉厚を薄くできて、軽量化を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態になる自動変速機用歯車変速装置を模式的に示し、G1は第1遊星歯車組、G2は第2遊星歯車組、G3は第3遊星歯車組、M1は第1連結メンバ、M2は第2連結メンバ、C1は第1クラッチ、C2は第2クラッチ、C3は第3クラッチ、B1は第1ブレーキ、B2は第2ブレーキ、Inputは入力部(入力軸1)、Outputは出力部(出力軸2)である。
【0026】
本実施形態になる自動変速機用歯車変速装置(減速ダブルピニオンタイプという)は、図1の左端部(入力部Inputに近い端部)より順次、シングルピニオン型遊星歯車組で構成した減速装置としての第1遊星歯車組G1、ダブルサンギヤ型の第3遊星歯車組G3、シングルピニオン型の第2遊星歯車組G2を同軸に配置し、第1遊星歯車組G1により減速用遊星歯車組を構成し、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3により変速用遊星歯車組(これを以下では、イシマル型遊星歯車列とも言う)を構成する。
【0027】
第1遊星歯車組G1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、これらギヤS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を回転自在に支持した第1キャリアPC1とを有したシングルピニオン型遊星歯車組(減速用遊星歯車組)とする。第2遊星歯車組G2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、これらギヤS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を回転自在に支持した第2キャリアPC2とを有したシングルピニオン型遊星歯車組とする。
【0028】
第3遊星歯車組G3は、入力部Inputに近い側における第4サンギヤS4および入力部Inputから遠い側における第3サンギヤS3と、これらサンギヤS3,S4の各々に噛み合う共通な第3ピニオンP3と、この第3ピニオンP3を回転自在に支持した第3キャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う1個の第3リングギヤR3とを有したダブルサンギヤ型遊星歯車組とする。
【0029】
第3サンギヤS3および第4サンギヤS4は同軸に配置するが、歯数を必ずしも同じにする必要はない。また、第3キャリアPC3には、これに結合されてサンギヤS3,S4の間から径方向内方へ延在するセンターメンバCMと、第3キャリアPC3から径方向外方へ延在するサイドメンバSMとを設けている。
なおセンターメンバCMは、第3キャリアPC3と一体で、且つ、第3ピニオンP3の配列ピッチ円上にあって隣り合う第3ピニオンP3間に存在する空間を貫通するよう、また、サンギヤS3,S4の間から径方向内方へ延在するよう配置する。
【0030】
入力部Inputは入力軸1で構成し、この入力軸1を第1キャリアPC1に結合すると共に、動力源としての図示せざるエンジンに同じく図示しなかったトルクコンバータを経て結合し、エンジン回転が入力軸1から第1キャリアPC1に入力されるようになす。
出力軸2は、第2キャリアPC2および第3リングギヤR3の結合に供されてこれらの結合体を成す第2連結メンバM2に結合し、出力軸2からの変速機出力回転を、図示せざるファイナルギヤ組およびディファレンシャルギヤ装置を介して車両の駆動輪に伝達するようになす。
【0031】
なお第1連結メンバM1は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体的に結合する連結メンバで、これらサンギヤの結合体を構成する。
減速用遊星歯車組G1における第1サンギヤS1は、変速機ケース3に結合して常時固定とし、第1リングギヤR1は第1クラッチC1により第2リングギヤR2に適宜結合可能とするほか、第2クラッチC2により第2サンギヤS2に適宜結合可能とする。
【0032】
第3キャリアPC3のセンターメンバCMは、第3クラッチC3により入力軸1に適宜結合し得るようにする。
ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3における第3キャリアPC3のサイドメンバSMは、第1ブレーキB1により適宜変速機ケース3に結合可能にして第3キャリアPC3を適宜固定可能とし、第4サンギヤS4は、第2ブレーキB2により適宜変速機ケース3に結合可能にして第4サンギヤS4を適宜固定可能とする。
【0033】
上記の構成とした歯車変速装置は、クラッチC1,C2,C3およびブレーキB1,B2を図2に示す組み合わせにより締結(○印で示す)させたり、開放(無印)させることにより、対応する変速段(前進第1速〜第6速、および後退)を選択することができ、これらクラッチおよびブレーキには、当該変速用の締結論理を実現する変速制御用のコントロールバルブボディー(図示せず)を接続する。
【0034】
変速制御用のコントロールバルブボディーとしては、油圧制御タイプ、電子制御タイプ、およびこれらを組み合わせた併用式のものが採用される。
以下に、上記歯車変速装置の変速作用を図2〜図6に基づいて説明する。
図2は、上記した歯車変速装置における変速要素の締結論理を示し、図3は、該歯車変速装置における回転メンバの変速段ごとの回転状態を示す共線図、図4〜図6は該歯車変速装置の各変速段でのトルク伝達経路を示す説明図である。
【0035】
図3において、最も太い線は第1遊星歯車組G1の共線図、次に太い線は第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3よりなる変速用遊星歯車組(イシマル型遊星歯車列)の共線図である。
図4〜図6においては、クラッチ・ブレーキ・メンバのトルク伝達経路を太線で示し、トルク伝達を行うギヤにハッチングを付して示した。
(第1速)
前進第1速(1st)は図2に示すように、第1クラッチC1と第1 ブレーキB1の締結により得られる。
【0036】
この第1速では、第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。
一方、第3遊星歯車組G3においては、第1ブレーキB1の締結により、第3キャリアPC3が変速機ケース3に固定されるため、第3リングギヤR3からの出力回転に対し、第3サンギヤS3の回転は、回転方向が逆方向の減速回転となる。そして、この第3サンギヤS3の回転は、第1連結メンバM1を介し、第2遊星歯車組G2の第2サンギヤS2に伝達される。
【0037】
よって、第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から正方向の減速回転が入力され、第2サンギヤS2から逆方向の減速回転が入力されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転をさらに減速した回転が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
すなわち第1速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第3キャリアPC3の回転を停止する第1ブレーキB1の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速して出力軸2から出力する。
【0038】
この第1速でのトルク伝達経路は、図4(a)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第1ブレーキB1、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2、および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)にトルクが作用することになる。
つまり第1速では、第1遊星歯車組G1と、イシマル型遊星歯車列を構成する第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3とがトルク伝達に関与する。
(第2速)
第2速(2nd)は図2に示すように、第1速で締結されていた第1ブレーキB1を解放し、第2ブレーキB2を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第2ブレーキB2の締結により得ることができる。
【0039】
この第2速では、第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。
一方、第3遊星歯車組G3においては、第2ブレーキB2の締結により、第4サンギヤS4がケースに固定されるため、第3ピニオンP3により連結されている第3サンギヤS3が固定される。そして、第1連結メンバM1を介し第3サンギヤS3と連結されている第2サンギヤS2が変速機ケース3に固定される。
【0040】
よって第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から正方向の減速回転が入力され、第2サンギヤS2が固定されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転を更に減速した回転が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
すなわち第2速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2 リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第4サンギヤS4の回転を停止する第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速(但し、第1速よりも高速)として出力軸2から出力する。
【0041】
この第2速でのトルク伝達経路は図4(b)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第2ブレーキB2、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第2 遊星歯車組G2とにトルクが作用することになる。なお、第3遊星歯車組G3については、固定である両サンギヤS3,S4の回りを、非拘束の第3ピニオンP3が第3リングギヤR3の出力回転に伴って公転するだけであり、回転メンバとして機能してもトルク伝達には関与しない。
(第3速)
第3速(3rd)は図2に示すように、第2速で締結されていた第2ブレーキB2を解放し、第2クラッチC2を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第2クラッチC2の締結により得ることができる。
【0042】
この第3速では第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。同時に、第2クラッチC2の締結により、この減速回転が第2遊星歯車組G2の第2サンギヤS2に入力される。
よって第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2と第2サンギヤS2とから同一の減速回転が入力されることで、両ギヤR2,S2と一体に回転する第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ減速回転(第1遊星歯車組G1の減速回転に同じ)が出力される。
【0043】
すなわち第3速は図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2 リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2サンギヤS2への入力回転とする第2クラッチC2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速(=第1遊星歯車組G1の減速比)して出力軸2から出力する。
【0044】
この第3速でのトルク伝達経路は図5(a)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第2クラッチC2、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第2遊星歯車組G2とにトルクが作用することになる。すなわち、第3遊星歯車組G3はトルク伝達に何ら関与しない。
(第4速)
第4速(4th)は図2に示すように、第3速で締結されていた第2クラッチC2を解放し第3クラッチC3を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第3クラッチC3の締結により得られる。
【0045】
この第4速では、第2遊星歯車組G2において第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。
一方、第3遊星歯車組G3においては、第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転がセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。
【0046】
このため、第3サンギヤS3の回転は、第3リングギヤR3の出力回転よりも増速され、この第3サンギヤS3の増速回転は、第1連結メンバM1を介して第2サンギヤS2に伝達される。
よって、第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から減速回転が入力され、第2サンギヤS2から増速回転が入力されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転を増速した回転(但し、入力回転よりも低回転)が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
【0047】
すなわち第4速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を僅かに減速して出力歯車2から出力する。
【0048】
この第4速でのトルク伝達経路は図5(b)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第3クラッチC3、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2、および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)とにトルクが作用することになる。
(第5速)
第5速(5th)は図2に示すように、第4速で締結されていた第1クラッチC1を解放し、第2クラッチC2を締結する掛け替えにより、従って第2クラッチC2および第3クラッチC3の締結により得られる。
【0049】
この第5速では第2クラッチC2の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2 サンギヤS2および第1連結メンバM1を介して第3サンギヤS3に入力される。同時に、第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転がセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。
よって第3遊星歯車組G3においては、第3キャリアPC3に入力回転が入力され、第3サンギヤS3に第1遊星歯車組G1からの減速回転が入力されることになり、入力回転よりも増速した回転が、第3リングギヤR3から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
【0050】
すなわち第5速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第3サンギヤS3への入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を僅かに増速して出力軸2から出力する。
【0051】
この第5速でのトルク伝達経路は図5(c)に示す通りであり、太線で示す第2クラッチC2、第3クラッチC3、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)にトルクが作用することになる。
(第6速)
第6速(6th)は図2に示すように、第5速で締結されていた第2クラッチC2を解放し、第2ブレーキB2を締結する掛け替えにより、従って第3クラッチC3および第2ブレーキB2の締結により得られる。
【0052】
この第6速では第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転が第3遊星歯車組G3のセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。
また第2ブレーキB2の締結により、第3遊星歯車組G3の第4サンギヤS4が変速機ケース3に固定される。
【0053】
よって第3遊星歯車組G3においては、第3キャリアPC3に入力回転が入力され、第4 サンギヤS4が変速機ケース3に固定されることになり、入力回転よりも増速した回転が、第3リングギヤR3から第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
すなわち第6速は、図3の共線図に示すように、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点と、第4サンギヤS4を変速機ケース3に固定とする第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を増速して出力軸2から出力する。
【0054】
この第6速でのトルク伝達経路は図6(a)に示す通りであり、太線で示す第3クラッチC3 、第2ブレーキB2、および各メンバと、ハッチングで示す第3遊星歯車組G3(但し、第3サンギヤS3を除く)とにトルクが作用することになる。
(後退)
後退(Rev)の変速段は図2に示すように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1を締結することにより得られる。
【0055】
この後退変速段では、第2クラッチC2の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2サンギヤS2および第1連結メンバM1を介して第3サンギヤS3に入力される。一方第1ブレーキB1の締結により、第3キャリアPC3が変速機ケース3に固定される。
よって第3遊星歯車組G3においては、第3サンギヤS3に正方向の減速回転が入力され、第3キャリアPC3が変速機ケース3に固定となり、第3リングギヤR3からは減速した逆回転が、第2連結メンバM2を経由して出力軸2へ出力される。
【0056】
すなわち後退変速段は図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第3サンギヤS3への入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、第3キャリアPC3の回転を停止する第1ブレーキB1の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を逆方向に減速して出力軸2から出力する。
【0057】
この後退変速段でのトルク伝達経路は図6(b)に示す通りであり、太線で示す第2クラッチC2 、第1ブレーキB1、および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第3遊星歯車組G3(但し、第4サンギヤS4を除く)とにトルクが作用することになる。
[従来技術からの優位点]
本実施形態になる歯車変速装置の基本的な考え方は、3 つのクラッチと2つのブレーキにより前進6 速を成立させると共に、減速用遊星歯車組およびシンプソン型遊星歯車列の組み合わせを基本としながらも、シンプソン型遊星歯車列の前記問題点(3),(4)を解消し、更に、減速用遊星歯車組およびラビニョオ型複合遊星歯車列の組み合わせになる歯車変速装置を用いた場合に不可避な新たな問題を生ずることなく当該問題解決を実現した歯車変速装置を提供しようとするものである。
【0058】
以下、シンプソン型遊星歯車列やラビニョオ型複合遊星歯車列を採用した歯車変速装置と対比しながら、本実施形態になる歯車変速装置の優位性を詳述する。*シンプソン型遊星歯車列の特徴
(イ)シンプソン型遊星歯車列では、最大トルクが作用する第1 速でのトルク伝達の流れが図8(a)に示すように、全メンバを介して分担するので、強度的に有利である。
(ロ)シンプソン型遊星歯車列はリングギヤ入力であるため、サンギヤ入力と比較して、接線力が半分程度になり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で有利である。すなわち図9に示すように、遊星歯車組に同じトルクが入力した場合、リングギヤ入力fはサンギヤ入力Fに比較して接線力が1/2〜1/2.5に減少する。
(ハ)オーバードライブ(O/D)の変速段を得るには、シンプソン型遊星歯車列へのキャリア入力が必要であるが、入力軸と出力軸とを同軸に設けると、シングルピニオン型の遊星歯車組では、図10(a)に示すように回転メンバが3メンバに限られるため、図10(b)に破線で示すようなキャリアへの入力経路が不成立となる。
【0059】
よって、オーバードライブ(O/D)変速段の実現用にキャリアへの入力経路を成立させるためには、入力軸と出力軸とを異なる軸線上に配置するいわゆる平行軸配置が必要となり、その結果、自動変速機の径方向における大型化を招くという問題点を有する。
*ラビニョオ型複合遊星歯車列の問題点
上記(ハ)の問題を解消するため、シンプソン型遊星歯車列に代えてラビニョオ型複合遊星歯車列を採用した歯車変速装置にすると、入力軸と出力軸との同軸配置が可能になるものの、下記に列挙する問題点を有する。
(ホ)歯車列の最大トルク(第1速でのトルク)を図8(b)に示すように、ラビニョオ型複合遊星歯車列の片側のダブルピニオン型遊星歯車組で受け持つので、強度的に不利である。
(ヘ)減速用遊星歯車組としての一組のシングルピニオン型遊星歯車組で増大したトルクを図7に示すように、ラビニョオ型複合遊星歯車列のサンギヤへ入力するため、上記(ロ)の理由により、リングギヤ入力に比較して接線力が大きくなり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で不利である。
(ト)第1速選択時におけるラビニョオ型複合遊星歯車列の強度(歯車強度や歯車寿命)の確保やキャリア剛性等の向上が要求されることで、ラビニョオ型複合遊星歯車列を大型化する必要があり、この結果自動変速機の大型化を招く。
(チ)第2速で図7に示すように、ラビニョオ型複合遊星歯車列にてトルク循環が発生し、トルク循環が発生する第2速では伝達効率の低下により燃費が悪化する。ここでトルク循環とは、図7に示すように第3リングギヤR3から出力トルク(2.362)と循環トルク(1.77)とが分岐して発生し、このうち循環トルクは、第2速の選択中に第3リングギヤR3と第2ピニオンP2とを内部循環する。
*本実施形態になる遊星歯車列の特徴
本実施形態において採用したシングルピニオン型遊星歯車組G2とダブルサンギヤ型遊星歯車組G3との組み合わせになるイシマル型遊星歯車列の特徴は以下の通りである。
(a)オーバードライブ(O/D)変速段を得るにはキャリア入力が必要であるが、イシマル型遊星歯車列ではキャリア入力を達成しながら、ラビニョオ型複合遊星歯車列と同様に入力部と出力部とを同軸に配置することができる。
【0060】
すなわち図10(c)に示すように、イシマル型遊星歯車列を構成するダブルサンギヤ型遊星歯車組は、(サンギヤから2つのメンバ)+(リングギヤから1つのメンバ)+(キャリアから軸方向と径方向に2 つのメンバ)=5つのメンバというように、メンバ数が多くなり、特に、センターメンバにより2つのサンギヤの間から径方向に入力が取れることで、オーバードライブを含む高変速段(上記実施形態では第4速〜第6速)を実現するキャリア入力が可能となる。
(b)歯車列の最大トルク(第1速での伝達トルク)を図4(a)に示すように、イシマル型遊星歯車列を成す第2 遊星歯車組G2およびと第3遊星歯車組G3の両方で受け持ち、第1速でのトルクが全メンバを介して分担され得るため強度的に有利である。
(c)減速用遊星歯車組としての一組の第1遊星歯車組G1で増大したトルクを、例えば、伝達トルクが大きい第1速と第2速において、図4(a)と図4(b)に示すように、イシマル型遊星歯車列の第2リングギヤR2から入力するため、サンギヤ入力であるラビニョオ型複合遊星歯車列に比較して接線力が小さくなり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で有利(小型化可能)である。
(d)ラビニョオ型複合遊星歯車列に比べ、イシマル型遊星歯車列は、強度的に有利で、かつ、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で有利であると共に、ラビニョオ型複合遊星歯車列と同様に、入力部と出力部とを同軸配置にすることができるため、歯車変速装置がコンパクトとなり、自動変速機の小型化を達成することができる。
(e)イシマル型遊星歯車列の第2速では、図4(b)に示すように、トルク循環の発生が無く、トルク循環が発生するラビニョオ型複合遊星歯車列の2速に比べて伝達効率が向上し、燃費が向上する。
【0061】
すなわち図11に、一般的に適用可能なギヤ比α(=サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の範囲(α=0.35〜0.65)で、且つ、好ましいといわれている条件、つまり高速段になるほど段間比が小さいという条件を考慮した場合のラビニョオ型複合遊星歯車列とイシマル型遊星歯車列の対比を示すが、第2速での伝達効率をみると、ラビニョオ型複合遊星歯車列の伝達効率が0.950または0.952であるのに対し、イシマル型遊星歯車列の伝達効率は、第3遊星歯車組G3がダブルピニオン型であるため0.968である。
(f)ラビニョオ型複合遊星歯車列は、ギヤ比αの設定に際しリングギヤ歯数が一定であるという規制があるため、一般的に適用可能なギヤ比範囲(α=0.35〜0.65)で、且つ、好ましいといわれている高速段になるほど段間比が小さいという条件を考慮した場合、適用できる変速比幅であるレシオカバレージ(=1速ギヤ比/6速ギヤ比)は、図11に示すように、最小4.81〜最大7.20である。
【0062】
これに対し、二組の遊星歯車組G2,G3のギヤ比α2,α3を互いに独立に設定できるイシマル型遊星歯車列は、ラビニョオ型複合遊星歯車列に比べ、適用できるレシオカバレージが、図11に示すように、第3遊星歯車組G3がダブルピニオン型であるため最小5.08〜最大9.02へと拡大し、例えば、図2の数値(なお、最上段の数値5.5〜7.0はレシオカバレージ)に示すように、ギヤ比の選択自由度を高めることができる。
【0063】
以上説明ところから明らかなように本実施形態になる歯車変速装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(A)動力源(エンジン)からの回転を入力される入力部Input(入力軸1)と、この入力部に同軸に配置された出力部Output(出力歯車2)と、これら入出力部間に多数の伝動経路を提供可能な3個の遊星歯車組G1,G2,G3と、これら3個の遊星歯車組が該伝動経路のうちの1つを選択して対応変速比で入力部からの回転を変速し、出力部へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な3つのクラッチC1,C2,C3および2つのブレーキB1,B2とを具え、これらクラッチおよびブレーキの締結・解放の組み合わせにより少なくとも前進6速・後退1速を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置において、
上記3個の遊星歯車組G1,G2,G3のうち1個の遊星歯車組G1は、入力回転を減速して出力する減速用遊星歯車組とし、
残りの2個の遊星歯車組のうち、一方の遊星歯車組G3を2個のサンギヤS3,S4と、これら2 個のサンギヤに噛み合う共通なピニオンP3と、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤR3と、該ピニオンを回転自在に支持するキャリアPC3とより成るダブルサンギヤ型遊星歯車組とし、他方の遊星歯車組G2を1個のサンギヤS2と、このサンギヤに噛み合うピニオンP2と、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤR2と、該ピニオンを回転自在に支持するキャリアPC2とから成るシングルピニオン型遊星歯車組とし、ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3のキャリアPC3に対し回転を入出力するためのメンバを、上記2個のサンギヤS3,S4間に配置してキャリアPC3に結合したセンターメンバCMとしたため、下記に列挙する効果を有する。
(i)上記2個の遊星歯車組G2,G3により変速用遊星歯車組をイシマル型歯車列として構成したため、前記した理由により変速用遊星歯車組の歯車強度や歯車寿命等の強度的有利性が得られる。
(ii)第2速でのトルク循環を無くすことで燃費の向上が図られる。
(iii)入力軸1と出力軸2とを同軸配置にして変速機の径方向寸法を減ずることができる。
(iv)変速用遊星歯車組をイシマル型歯車列として構成したため、前記した理由により強度要求を低下させて変速用遊星歯車組の小型化が可能となり、上記した入力軸1および出力軸2の同軸配置と相まって自動変速機のコンパクト化が可能となる。
(v)ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合に比べて、前記した理由によりギヤ比の選択自由度を高めることができる。
(vi)1個の遊星歯車組G1を、入力回転を減速する減速用遊星歯車組としたため、減速用遊星歯車組の小型化を達成でき、これによっても自動変速機のコンパクト化が可能である。
(B)個々の作用効果について更に付言するに、本実施形態になる歯車変速装置は、減速用遊星歯車組G1と、シングルピニオン型遊星歯車組G2と、ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3との組み合わせに成るから、最大トルクとなる第1速で減速用遊星歯車組G1からのトルク伝達の流れがシングルピニオン型遊星歯車組G2およびダブルサンギヤ型遊星歯車組G3の全メンバを介したものとなって強度的に有利であるほか、減速用遊星歯車組G1からトルクを入力される回転メンバがシングルピニオン型遊星歯車組G2およびダブルサンギヤ型遊星歯車組G3のサンギヤになることがなく、リングギヤ入力やキャリア入力となって接線力が半減し、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性の点で有利である。
【0064】
つまり、シンプソン型遊星歯車組を用いた場合の前記(1),(2)の利点を維持することができる。
(C)更に本実施形態になる歯車変速装置によれば、減速用遊星歯車組G1からのトルクを入力されて変速する変速用遊星歯車組を成す2個の遊星歯車組G2,G3のうち、一方の遊星歯車組G3を2個のサンギヤS3,S4が存在するダブルサンギヤ型遊星歯車組とし、更にダブルサンギヤ型遊星歯車組のキャリアPC3に対し回転を入出力するためのメンバを、上記2個のサンギヤS3,S4間に配置してキャリアPC3に結合したセンターメンバCMとしたから、オーバードライブ(O/D)変速段を実現するため変速用遊星歯車組内のキャリアPC3に入力回転を伝達するにしても、ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3の両サンギヤS3,S4間における上記センターメンバCMを経て当該入力回転のキャリアPC3への伝達が可能であり、入力軸1および出力軸2を平行軸配置にしなくても、つまりこれら入出力軸1,2を同軸配置にしてオーバードライブ(O/D)変速段を実現することができ、シンプソン型遊星歯車組を用いた場合に不可避だった径方向の大型化に関する前記(3),(4)の問題を解消することができる。
(D)しかも上記の問題解決をラビニョオ型複合遊星歯車列に頼らずダブルサンギヤ型遊星歯車組G3を用いて実現したから、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた場合に生ずる強度上の問題、つまりこの場合、歯車列の(第1速での)最大トルクをラビニョオ型複合遊星歯車列の片側のダブルピニオン型遊星歯車組のみにより受け持つことで強度上の不利益を被るところながら、このような弊害を伴うことなく前記(3),(4)の問題を解消することができる。
(E)また、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いる場合、減速用遊星歯車組で増大したトルクをラビニョオ型複合遊星歯車列のサンギヤに入力するため、リングギヤ入力やキャリア入力に比較して接線力が大きくなり、歯車強度や歯車寿命やキャリア剛性等の点で不利であるが、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いた本実施形態の解決策によれば、当該不利益を伴うことなく前記(3),(4)の問題を解消することができる。
(F)更に、ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いる場合、第2速においてラビニオ型複合遊星歯車列でトルク循環が発生し、トルク循環が発生する第2速で伝達効率の低下により燃費が悪化するが、ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3を用いた本実施形態になる歯車変速装置によればトルク循環の発生がなくて燃費の悪化を回避することができる。
【0065】
次に、上述した歯車変速装置について、図12を参照して詳述する。なお、この図において左側を前方、右側を後方とする。
本実施形態は、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)車用の装置であり、変速機ケース3内に、入力軸1、中間軸4及び出力軸2が同軸相対回転可能な突合せ状態にして、変速機ケース3に対して個々に回転自在に支持されている。
【0066】
入力軸1に近い変速機ケース3の前端開口は、ポンプカバー6により塞ぎ、このポンプカバー6に入力軸1を貫通して軸承すると共に入力軸1の突出端にトルクコンバータ(図示せず)を介して動力源であるエンジン(図示せず)を駆動結合している。
入力軸1に対して中間軸4を介して同軸に配置されている出力軸2は、変速機ケース3の後端壁3aに回転自在に支持されている。なお、出力軸2に結合している部材は、パーキングギヤ40である。
【0067】
そして、変速機ケース3の軸方向の中程には中間壁8が結合されており、この中間壁8とポンプカバー6との間に画成された前方空所に、第1遊星歯車組G1が配置されていると共に、この第1遊星歯車組G1の外周に第3クラッチC3、第2ブレーキB2が配置されている。
第1遊星歯車組G1は、サンギヤS1をポンプカバー6のボス部6a外周に設け常時回転不能とし、第1リングギヤR1を中間軸4から径方向外方へ延在するフランジ10に結合している。
【0068】
また、第1キャリアPC1に結合して径方向外方へ延在するクラッチドラム11を設け、第1リングギヤR1及びフランジ10を包囲して中間軸4の外周まで延在し、後述するセンターメンバCMにスプライン嵌合する第1コネクティングプレート12を設け、クラッチドラム11の内周および第1コネクティングプレート12の前方側の外周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック13を設けて第3クラッチC3を構成している。
【0069】
第3クラッチC3のクラッチピストン14は、第1遊星歯車組G1と対面するクラッチドラム11の端壁に嵌合し、ポンプカバー6に穿った油路からの作動油圧を受けてストロークすることで第3クラッチC3を締結し得るものとする。なお、変速機ケース3には、第3クラッチC3のクラッチドラム11の外周に対向配置してタービンセンサ38が設けられている。
【0070】
また、第2コネクティングプレート12を包囲して中間軸4の外周側まで延在するブレーキハブ15の前方側の外周および変速機ケース3の内周にスプライン嵌合したブレーキプレートの交互配置になるブレーキパック16を設けることで第2ブレーキB2を構成しており、この第2ブレーキB2は、ブレーキパック16の後方において中間壁8内に嵌合したブレーキピストン17により適宜締結可能とされている。
【0071】
一方、中間壁8と後端壁3aの間に画成された後部空所には、第2遊星歯車組G2及び第3遊星歯車組G3と、第1クラッチC1及び第2クラッチC2と、第1ブレーキB1とを以下のように配置している。
すなわち、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3は中間軸4上に配置するが、第3遊星歯車組G3は、第2遊星歯車組G2よりも入力軸1に近い側、即ち前方に配置し、この第3遊星歯車組G3の外周に第1ブレーキB1を配置している。
【0072】
第3遊星歯車組G3の第4サンギヤS4として、前述したブレーキハブ15の後端側の外周に外歯が形成されており、該外歯は、第3ピニオンP3に噛み合っている。また、第3遊星歯車組G3の第3サンギヤS3は、第1連結メンバM1を介して第2遊星歯車組G2の第2サンギヤS2と一体化されており、中間軸4上に回転自在に支持されている。つまり、第1連結メンバM1は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体的に結合する連結メンバで、これらサンギヤの結合体を構成する。
【0073】
第3キャリアPC3のサイドメンバSMに、第3及び第4サンギヤS3,S4の間を経て径方向内方へ延在するセンターメンバCMを結合し、このセンターメンバCMは、前述した第1コネクティングプレート12の後方側の外周にスプライン結合している。
また、第3キャリアPC3の前方側のサイドメンバSMの外周にブレーキハブ18を結合し、このブレーキハブ18の外周および変速機ケース3の内周にスプライン嵌合したブレーキプレートの交互配置になるブレーキパック19を設けて第1ブレーキB1を構成し、ブレーキパック19の前方において中間壁8内に嵌合したブレーキピストン20により適宜締結可能とされている。
【0074】
第2遊星歯車組G3の第2キャリアPC2は、第3遊星歯車組G2の第3リングギヤR3とともに径方向外方に延在する第2連結メンバM2に一体化し、この第2連結メンバM2の外周端部に、筒状の第2コネクティングプレート22の一端側が結合している。この第2コネクティングプレート22は、第1クラッチC2、第2クラッチC2の外周を通るように変速機ケース3に沿って後方に延在し、その他端側が出力軸2に結合している。そして、出力軸2から図示しないファイナルギヤ組およびディファレンシャルギヤ装置を介して車両の駆動輪に伝達するようになす。
【0075】
また、第2コネクティングプレート22の内周側に、クラッチドラム23を後方に延在して配置し、このクラッチドラム23の径方向内方に延在している後方端を、出力軸2の前方端部を内挿した中空軸24に結合する。この中空軸24は、中間軸4にスプライン結合している。
また、クラッチドラム23の内周及び第2遊星歯車組G2の第2リングギヤR2の外周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック25を設けることで第1クラッチC1を構成している。この第1クラッチC1は、クラッチドラム23と中空軸24との空間に嵌合したクラッチピストン26が所定の作動油圧を受けてストロークすることで締結し得るものである。
【0076】
そして、第2サンギヤS2の外縁に径方向外方へ延在する第2クラッチC2のクラッチハブ27を結合し、前述した第1クラッチC1のクラッチピストン26を第2クラッチC2のクラッチドラムとしている。つまり、クラッチハブ27の外周とクラッチピストン26の内周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック28を設けることで、第2クラッチC2を構成している。
【0077】
第2クラッチC2のクラッチピストン29は、第1クラッチC1のクラッチピストン26の内側に嵌め込まれてダブルピストンとして第1クラッチC1から遠い側にまとめて配置しており、所定の作動油圧を受けてストロークすることで、第2クラッチC2を締結し得るものである。
これにより、第1クラッチC1及び第2クラッチC2は、第2遊星歯車組G2よりも第3遊星歯車組G3とは反対側、すなわち後方側に並べて配置されている。
【0078】
なお、図1、図4〜6のスケルトン図では省略したが、第1ブレーキB1を構成するサイドメンバSMと中間壁8の内周側との間にワンウェイクラッチOWCを設け、第1ブレーキB1の解放状態でこのワンウェイクラッチOWCによる第3キャリアPC3の一方向回転阻止で前進第1速状態が得られるようにする。
但し、このワンウェイクラッチOWCによる第1速では、エンジンブレーキ時における第3キャリアPC3の逆方向回転をワンウェイクラッチOWCが許容するためエンジンブレーキが得られず、エンジンブレーキ要求時は第1ブレーキB1を締結して第3キャリアPC3の当該逆方向回転を阻止する。
【0079】
さらに、入力軸1、中間軸4、出力軸2には、それぞれ径方向油穴hが形成されており、これら油穴hから潤滑油が供給され、装置内の潤滑必要部、例えばベアリングやワッシャーなどが潤滑される。
次に、図12で示した歯車変速装置の効果について、以下に説明する。
先ず、3個の遊星歯車組G1,G2,G3を入力軸1側から、第1遊星歯車組(減速用遊星歯車組)、第3遊星歯車組(ダブルサンギヤ型遊星歯車組)G3、第2遊星歯車組(シングルピニオン型遊星歯車組)G2の順に並置したことによる作用効果について述べる。
【0080】
第3遊星歯車組G3に連結する回転メンバは、第3、第4サンギヤS3、S4から2つの回転メンバ(第1連結メンバM1、ブレーキハブ15)、第3リングギヤR3から第1つの回転メンバ(第2連結メンバM2)、第3キャリアPC3から2つの回転メンバ(センターメンバCM、サイドメンバSM)、合計で5つのメンバである。このように、第3遊星歯車組G3に連結するメンバは多いが、第1遊星歯車組G1からの出力回転は、第3遊星歯車組G3の内径側(中間軸4側)、第2遊星歯車組G2の内径側を介して出力軸2に出力される構造となっており、特にフロントエンジン・リヤドライブ(FR)型車両へ搭載する装置の場合、第3遊星歯車組G3を外周から取り囲む回転部材を少なくすることができる。
【0081】
このように、第3遊星歯車組G3を外周から取り囲む回転部材が少なくなると、第3遊星歯車組G3を潤滑した潤滑油が径方向外方に流れる際の障害物が無くなり、潤滑油が第3遊星歯車組G3の周辺に滞留しないので、引きずりトルクの問題が発生せず、燃費の向上を図ることができる。
第2の効果として、第1ブレーキB1,第2ブレーキB2は、第2及び第3遊星歯車組G2,G3の回転メンバを固定するブレーキであり、前記回転メンバは、第4サンギヤS4及びこれと一体に回転するブレーキハブ15と、第3キャリアPC3とこれと一体に回転するブレーキハブ18であるが、これら回転メンバが第1遊星歯車組G1と第3遊星歯車組G3との間から延在していることから、大きな反力が加わることで強度が必要なブレーキ部材と回転メンバとの間の長さを短縮することができ、回転メンバの短縮化、小型化、軽量化、単純化を実現することができる。
【0082】
第3の効果として、第1ブレーキB1を第3遊星歯車組G3の外周に配置し、第2ブレーキB2を第1遊星歯車組G1の外周に配置して軸方向にオーバーラップさせたことから、装置の径方向寸法を短縮でき、車両搭載性を大幅に向上させることができる。
第4の効果として、第1遊星歯車組G1から第2遊星歯車組G2への回転経路は、第1及び第2クラッチC1,C2を介した2系統の回転経路が必要であるが、第1及び第2クラッチC1,C2を第2遊星歯車組G2より後方側に並べて配置したことで、これらクラッチの第2遊星歯車組G2近傍までの減速回転伝達部材を、中間軸4、中空軸24、クラッチドラム23の共通の減速回転伝達部材とすることができ、第1及び第2クラッチC1,C2の回転経路の単純化を図り、部品の簡素化も図ることができる。また、第1及び第2クラッチC1,C2の横並び(軸方向)配置により、これらのクラッチピストン26,29をダブルピストン化することができ、その軸線方向におけるコンパクト化を図ることができる。
【0083】
さらに、第5の効果として、入力軸1からの等速回転を伝達する等速回転メンバである第1コネクティングプレート12をセンターメンバCMに連結し、出力メンバである第2コネクティングプレート22の一端を、第3遊星歯車組G3の第3リングギヤR3の後方側から径方向外方に延在する第2連結メンバM2に結合し、第2コネクティングプレート22を、第1クラッチC2、第2クラッチC2の外周を通って他方端を出力軸2側と直結したことで、等速回転メンバや出力メンバがダブルサンギヤ型遊星歯車組G3の外周を取り囲むことがなくなり、ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3を潤滑した油の滞留を低下させることができると共に、出力メンバを大径化して大きなトルクに対して高強度の回転伝達部材となる。したがって、肉厚を薄くしても高強度を維持することができるので、軽量な回転伝達部材となり、装置全体の軽量化を図ることができる。
なお、上記実施形態においては、前進6速を実現する自動変速機用歯車変速装置を説明したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、クラッチ、或いはブレーキを増やすことで7速以上を実現する自動変速機用歯車変速装置にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機用歯車変速装置の一実施形態を模式的に示したスケルトン図である。
【図2】同歯車変速装置における変速用摩擦要素の締結と選択変速段との関係を示す締結論理説明図である。
【図3】同歯車変速装置の選択変速段ごとの変速状態を示す共線図である。
【図4】同歯車変速装置の変速段ごとのトルク伝達経路を示し、(a)は、前進第1速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図、(b)は、前進第2速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図である。
【図5】同歯車変速装置の変速段ごとのトルク伝達経路を示し、(c)は、前進第3速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図、(b)は、前進第4速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図、(c)は、前進第5速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図である。
【図6】同歯車変速装置の変速段ごとのトルク伝達経路を示し、(a)は、前進第6速時のトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図、(b)は、後退変速段選択時におけるトルク伝達経路を示す図1と同様なスケルトン図である。
【図7】ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた自動変速機用歯車変速装置において2速で発生するトルク循環を説明するのに用いた説明図である。
【図8】シンプソン型遊星歯車列およびラビニョオ型複合遊星歯車列の第1速時におけるトルク伝達経路を示し、(a)は、シンプソン型遊星歯車列の第1速時におけるトルク伝達経路を示す模式図、(b)は、ラビニョオ型複合遊星歯車列の第1速時におけるトルク伝達経路を示す模式図である。
【図9】遊星歯車組のキャリア入力時と、リングギヤ入力時とで、接線力の違いを示す説明図である。
【図10】シンプソン型遊星歯車列を用いて歯車変速装置を構成した場合にオーバードライブ変速段を得ようとした時に必要なキャリア入力が実現できないことと、これを実現する本発明の工夫とを説明するための図面で、(a)は、上記のキャリア入力が不能な原因であるシンプソン型遊星歯車列の回転メンバ不足を示すための模式図、(b)は、上記のキャリア入力が不能な状態を示すシンプソン型遊星歯車列の模式図、(c)は、上記のキャリア入力を可能にした本発明の工夫を示すダブルサンギヤ型遊星歯車組を示す模式図である。
【図11】ラビニョオ型複合遊星歯車列を用いた歯車変速装置とイシマル型遊星歯車列を用いた歯車変速装置との性能比較を示す図である。
【図12 】図1〜図6に示した歯車変速装置の実態構成を示す展開断面図である。
【符号の説明】
G1 第1遊星歯車組(減速用遊星歯車組)
G2 第2遊星歯車組(シングルピニオン型遊星歯車組)
G3 第3遊星歯車組(ダブルサンギヤ型遊星歯車組)
M1 第1連結メンバ
M2 第2連結メンバ
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
Input 入力部
Output 出力部
S1 第1サンギヤ
R1 第1リングギヤ
P1 第1ピニオン
PC1 第1キャリア
S2 第2サンギヤ
R2 第2リングギヤ
P2 第2ピニオン
PC2 第2キャリア
S3 第3サンギヤ
S4 第4サンギヤ
P3 第3ピニオン
PC3 第3キャリア
R3 第3リングギヤ
CM センターメンバ
SM サイドメンバ
1 入力軸
2 出力軸
3 変速機ケース
3a 後端壁
4 中間軸
6 ポンプカバー
8 中間壁
12 第1コネクティングプレート(等速回転メンバ)
13 クラッチパック
14 クラッチピストン
15 ブレーキハブ
16 ブレーキパック
17 ブレーキピストン
18 ブレーキハブ
19 ブレーキパック
20 ブレーキピストン
22 第2コネクティングプレート(出力メンバ)
23 クラッチドラム
24 中空軸
25 クラッチパック
26 クラッチピストン
27 クラッチハブ
28 クラッチパック
29 クラッチピストン

Claims (4)

  1. 動力源からの回転が一方側から入力される入力部と、この入力軸に同軸に配置され、他方側から出力する出力軸と、これら入出力軸間に多数の伝動経路を提供可能な3個の遊星歯車組と、これら3個の遊星歯車組が該伝動経路のうちの1つを選択して対応変速比で前記入力軸からの回転を変速し、前記出力軸へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な3つのクラッチおよび2つのブレーキとを具え、これらクラッチおよびブレーキの締結・解放の組み合わせにより少なくとも前進6速・後退1速を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置において、
    前記3個の遊星歯車組のうち1個の遊星歯車組は、前記入力回転を減速して出力する減速用遊星歯車組とし、残りの2個の遊星歯車組のうち、一方の遊星歯車組を2個のサンギヤと、これら2個のサンギヤに噛み合う共通なピニオンと、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤと、該ピニオンを回転自在に支持するサイドメンバに結合されたセンターメンバを経て前記2個のサンギヤ間より回転を入出力可能なキャリアとより成るダブルサンギヤ型遊星歯車組とし、
    他方の遊星歯車組を1個のサンギヤと、このサンギヤに噛み合うピニオンと、該ピニオンに噛み合う1個のリングギヤと、該ピニオンを回転自在に支持するキャリアとから成るシングルピニオン型遊星歯車組とし、
    前記3個の遊星歯車組を前記入力軸の側から、前記減速用遊星歯車組、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組、前記シングルピニオン型遊星歯車組の順に並置するとともに、
    前記2つのブレーキは、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組およびシングルピニオン型遊星歯車組よりなる変速用遊星歯車組の回転メンバを固定可能な第1および第2ブレーキとし、
    前記回転メンバは、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組と前記減速用遊星歯車組との間から延在して前記第1および第2ブレーキに連結することを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機用歯車変速装置において、
    前記第1ブレーキを前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の外周に配置し、前記第2ブレーキを前記減速用遊星歯車組の外周に配置したことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
  3. 請求項2記載の自動変速機用歯車変速装置において、
    前記3つのクラッチのうち、前記減速用遊星歯車組からの減速回転を、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組および前記シングルピニオン型遊星歯車組よりなる変速用遊星歯車組に振り分けるための第1および第2クラッチを、前記シングルピニオン型遊星歯車組よりも前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組とは反対側に配置したことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
  4. 請求項3記載の自動変速機用歯車変速装置において、
    前記入力軸からの等速回転を伝達する等速回転メンバを前記センターメンバに連結し、前記変速用遊星歯車組からの出力回転を伝達する出力メンバの一方端を、前記ダブルサンギヤ型遊星歯車組の前記シングルピニオン型遊星歯車組側に連結し、少なくとも前記シングルピニオン型遊星歯車組および前記第1および第2クラッチの外周を通って、他方端を前記出力軸に連結することを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
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