JP3756250B2 - 紙葉類の真偽判別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣等の紙葉類を光学的に読み取って該紙葉類の真偽を判別する真偽判別装置に関し、特に紙幣に印刷されたマイクロコード領域等の微小領域を利用して効率良く紙葉類の真偽を判別する真偽判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の複写技術の高度化に伴い、紙幣及び小切手等の各種紙葉類を不正に複写する偽造紙幣等が大きな社会問題となっている。このため、かかる偽造紙幣等の流通を防止すべく、光学的に紙葉類を読み取った画像イメージに各種画像処理技術を適用して該紙葉類の真偽を判別することが多い。
【0003】
例えば、ヨーロッパ特許EP0691632A1公報には、入力画像に対してフーリエ変換を適用することにより、カラーコピーやオフセットリトグラフ印刷等を用いて作成した偽造券を判別する装置及び方法が開示されている。
【0004】
すなわち、この従来技術では、本物の紙幣に存在する近接したドット又はラインが偽造紙幣上に存在しない点に着目し、かかる差異をフーリエ変換によって顕在化するよう構成されている。
【0005】
このように、この従来技術に代表される従来の真偽判別技術では、紙葉類を光学的に読み取った入力画像自体に画像処理技術を適用して、該紙葉類の真偽を判別している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今の偽造技術の進展に伴い、極めて高精度な偽造紙幣を作成することが可能となってきたため、単に入力画像全体に対して基本的な画像処理技術を適用しただけでは、紙葉類の真偽を正確に判別できないのが実情である。
【0007】
例えば、上記従来技術によると、近接したドット又はラインの存在の有無をフーリエ変換を用いて検出しているが、このフーリエ変換を行った画像の高周波成分には画像の線や境界線などの濃度が急激に変化する部分の情報が含まれ、また低周波成分には画像の大まかな概形に関する部分の情報が含まれる。
【0008】
このため、紙幣全体の線分や輪郭線がある程度尖鋭化された偽造紙幣が登場すると、かかる高周波成分を用いたとしても判別が困難となり、かえって紙幣を光学的に読み取る際の量子化誤差やノイズなどの影響が大きくなる。
【0009】
そこで、本発明では、上記問題点を解決し、高精度な偽造紙幣等を効率良く正確に判別することができる紙葉類の真偽判別装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明は、紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、複数枚の紙葉類の各離散フーリエ変換画像に含まれる所定の周波数範囲にある周波数成分の数に基づいてあらかじめ決定した所定のしきい値を記憶する記憶手段と、前記フーリエ変換手段が作成した前記入力画像に対応する離散フーリエ変換画像に含まれる前記所定の周波数範囲にある周波数成分の数を計数する計数手段と、前記計数手段が計数した周波数成分の数を前記記憶手段に記憶したしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別処理手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、第の発明は、第1の発明において、複数枚の紙葉類の各離散フーリエ変換画像ごとに前記所定の周波数範囲にある所定の振幅以上の周波数成分の数を計数し、その計数値と紙葉類の枚数との対応関係を示すヒストグラムに基づいて所定のしきい値を決定する決定手段を更に具備し、前記記憶手段は、前記決定手段が決定した所定のしきい値を記憶することを特徴とする。
【0013】
また、第の発明は、紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段が作成した離散フーリエ変換画像の前記所定の周波数での振幅の平均値を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した振幅の平均値を所定のしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、第の発明は、紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段が作成した離散フーリエ変換画像の前記微小領域に対応する第1の周波数における振幅の平均値と、該微小領域以外の領域に対応する第2の周波数における振幅の平均値とをそれぞれ算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段が算出した第2の周波数に対応する振幅の平均値と前記第1の周波数に対応する振幅の平均値との振幅比を算出する振幅比算出手段と、前記振幅比算出手段が算出した振幅比を所定のしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施の形態では、紙幣の一部に印刷されたマイクロコードに基づいて紙幣の真偽を判断する場合について説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態で用いる紙幣判別装置の構成を示す図である。
【0017】
図1に示す紙幣判別装置1は、紙幣の所定の微小領域に印刷されたマイクロコードを読み取って入力画像を取得し、この入力画像のマイクロコード部分にフーリエ変換を行ったフーリエ変換画像を作成する。マイクロコードは一定周期を持ち、フーリエ変換するとマイクロコード特有の周波数が得られる。このフーリエ変換画像に含まれるマイクロコードに対応する所定の周波数(以下「マイクロコード周波数」と言う。)に基づいて、紙葉類の真偽を判別する。
【0018】
具体的には、あらかじめ複数枚の紙幣の所定領域をフーリエ変換し、各フーリエ変換画像からマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数し、その計数値とそれに該当する紙葉類の枚数との対応関係を示すヒストグラムを作成する。そして、作成したヒストグラムに基づいて真偽判別のしきい値を特定する。
【0019】
その後、判別対象となる紙幣に対応するフーリエ変換画像を得たならば、このフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数し、その計数値をしきい値と比較して紙幣の真偽を判別する。
【0020】
なお、この真偽判別用しきい値の作成処理と、該しきい値に基づく紙幣判別処理とは、必ずしも一連の処理として行われる必要はなく、実際には、あらかじめ複数枚の紙幣を用いてしきい値を学習しておき、学習したしきい値をROMに書き込んだ紙幣判別装置を用いて紙幣の判別を迅速に行うことになる。
【0021】
図1に示すように、この紙幣識別装置1は、紙幣の所定の位置に印刷されたマイクロコードを撮像するマイクロコード撮像部10と、入力画像のマイクロコード領域を切り出して前処理及びフーリエ変換を行うフーリエ変換処理部11と、紙幣の真偽を判別する判別処理部12と、しきい値を記憶する記憶部13とからなる。
【0022】
マイクロコード撮像部10は、搬送された紙幣を所定のパスセンサで検出した時点でLEDを点灯し、該紙幣のマイクロコードの印刷部分を2次元CCDセンサで読み取る。そして、この2次元CCDセンサで読み取った画像は、フーリエ変換処理部11に出力される。なお、このマイクロコード撮像部10の詳細な説明については後述する。
【0023】
フーリエ変換処理部11は、マイクロコード撮像部10から受け取った入力画像に対してシェーディング補正、細線化処理、マイクロコード領域の切り出しを行った後に、切り出した領域に対して2次元離散フーリエ変換(two-dimentional discrete Fourier transformation)を行う処理部であり、これら一連の処理により得られたフーリエ変換画像は、判別処理部12に出力される。
【0024】
ここで、シェーディング補正とは、CCDセンサの画素ごとのばらつきやレンズの特性による光量むらを補正するものであり、白紙のデータをWijとし、LEDをオフにした際の黒紙のデータをBijとし、取得したデータをDijとすると、補正後のデータをRijは、
Rij=(Dij−Bij)/(Wij−Bij)
の算定式から得られる。
【0025】
また、細線化処理は、フーリエ変換による比較を容易にするために、マイクロコードの線分の太さを一様なものとする処理であり、各種細線化技法を適用することができる。
【0026】
例えば、2×2の1次微分のマスクオペレータを用いて細線化処理を行う場合には、このマスクオペレータの左上部、右上部、左下部及び右下部の係数を、それぞれc1、c2、c3及びc4とし、また、対応する画素データをそれぞれd1、d2、d3及びd4とすると、
Figure 0003756250
を算定し、このZの値を左上部の画素の画素値とする。なお、SQRT(X)は、Xの平方根を示すものとする。
【0027】
また、マイクロコード領域の切出処理は、紙幣のマイクロコード部分からさらに不必要な部分を除去するためのものである。
【0028】
例えば、日本の1万円札の場合には、紙幣の表面の左右上部及び裏面の中央部にマイクロコードが印刷されるため、マイクロコード撮像部10がこれらの部分を撮像し、さらにフーリエ変換処理部11がマイクロコード領域を切り出す。また千円札の場合には、肖像画の右下部及び裏面の右上部及び左下部にマイクロコードが印刷されるため、かかる領域からマイクロコードの切り出しを行う。
【0029】
また、2次元離散フーリエ変換は、スペクトル領域でのフィルタ操作をフーリエスペクトル領域で行う1次元離散フーリエ変換を拡張したものであり、2次元情報である画像データに適用することにより、水平方向(x方向)及び垂直方向(y方向)に対する周波数成分と該周波数における振幅成分が算出される。
【0030】
そして、この2次元離散フーリエ変換は、1次元の場合と同様に低周波成分が大まかな画像の特徴を有し、高周波成分が急激な濃度変化部分の情報を含むという特性を有し、また高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)を利用できるという利点を有する。
【0031】
なお、本実施の形態では、まず最初に水平方向にフーリエ変換を行った後に、垂直方向にフーリエ変換を行うことにより、2次元離散フーリエ変換を実現している。
【0032】
判別処理部12は、取得したフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数し、計数した画素数をしきい値と比較して紙幣の真偽を判別する。
【0033】
なお、このしきい値は、判別対象となる紙幣が入力される前にあらかじめ複数枚の紙幣から算出されるものである。
【0034】
具体的には、これらの紙幣をそれぞれフーリエ変換し、各フーリエ変換画像からマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数してヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムに基づいてしきい値を特定する。
【0035】
記憶部13は、上記ヒストグラムに基づいて特定したしきい値を記憶する記憶部であり、記憶したしきい値は後述する判別部12cによってアクセスされる。
【0036】
次に、上記判別処理部12の具体的構成について説明する。
【0037】
図1に示すように、この判別処理部13は、ヒストグラム作成部12aと、計数部12bと、判別部12cとからなる。
【0038】
ヒストグラム作成部12aは、あらかじめ真偽判別用のしきい値を特定するために、複数枚の紙幣に対応するフーリエ変換画像からヒストグラムを作成する処理部である。
【0039】
具体的には、各フーリエ変換画像からマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数し、その計数値ととそれに該当する紙葉類の枚数との対応関係を示すヒストグラムを作成する。
【0040】
このため、このヒストグラム作成部12aが作成したヒストグラムは、マイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を横軸とし、この計数値を持つフーリエ変換画像すなわち紙幣の枚数を縦軸としたグラフで表すことができる。
【0041】
そして、このヒストグラム作成部12aは、作成したヒストグラムに基づいて判別用のしきい値を特定し、特定したしきい値を判別部12cに出力する。なお、このしきい値を受け取った判別部12cは、当該しきい値を記憶部13に記憶する。
【0042】
計数部12bは、判別対象となる紙幣に対応するフーリエ変換画像からマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数する処理部であり、計数結果を判別部に出力する。
【0043】
判別部12cは、計数部12bから受け取った計数値、すなわち判別対象となる紙幣に対応するフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数と、記憶部13に記憶したしきい値とを比較して、紙幣の真偽を判別する処理部である。
【0044】
具体的には、この計数値がしきい値以上である場合には、判別対象となる紙幣を本物であると判別し、該計数値がしきい値未満である場合には、当該紙幣を偽造であると判別する。
【0045】
なお、このようにヒストグラムを用いてしきい値を特定した理由は、本物の紙幣の場合には、紙幣に印刷されたマイクロコードの影響を受けて、そのフーリエ変換画像内にマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分が登場し、偽造紙幣の場合には、偽造紙幣上のマイクロコードに潰れが生じるため、そのフーリエ変換画像内にマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分が登場しないためである。
【0046】
すなわち、このヒストグラムを観察すると、本物の紙幣が高域部分に主として分布し、偽造紙幣が低域部分に主として分布するため、かかる分布特性を利用してしきい値を設定するのである。
【0047】
上記構成を有する紙幣判別装置1を用いることにより、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分に基づいて、その分布から紙幣の真偽判別を行うことができる。
【0048】
次に、上記マイクロコード撮像部10を具体的に説明する。
【0049】
図2は、図1に示すマイクロコード撮像部10の外観構成を示す図である。
【0050】
図2に示すように、このマイクロコード撮像部10は、判別対象となる紙幣を挿入するための紙幣挿入口10aと、挿入された紙幣のマイクロコード領域を2次元CCDセンサ10cを用いて光学的に読み取る撮像部本体10bと、読み取ったデータを画像データとする画像入力ボード10dとからなる。
【0051】
そして、真偽判別対象となる紙幣20が紙幣挿入口10aに挿入されると、この紙幣は撮像部本体10bに搬送され、そのマイクロコード部分が2次元CCDセンサ10cで読み取られる。そして、読み取られたデータは、ケーブルを介して画像入力ボード10dに出力され、該画像入力ボード10dが2次元画像データとする。
【0052】
図3は、上記撮像部本体10bの搬送及び撮像タイミングを示す図である。
【0053】
図3(a)に示すように、紙幣の搬送路上には3対のパスセンサp1、p2及びp3が配置されており、また、パスセンサp2とp3の間には2次元CCDセンサ10cが配置されている。なお、各パスセンサの近傍位置には、パスセンサの紙幣検出時点すなわち紙幣の先端から所定のマイクロコードの位置までの距離を計測するロータリーエンコーダ30が設けられている。
【0054】
そして、パスセンサp1が搬送中の紙幣を検知したならばモータをオンにし、パスセンサp2が搬送中の紙幣を検知したならばクロックのカウントを開始し、所定カウント後にLEDの点灯及び撮像を実行する。なお、パスセンサp3が搬送中の紙幣を検知したならば、モータをオフにする。
【0055】
具体的には、図3(b)に示すように、搬送中の紙幣がパスセンサp2を通過した時点で、このパスセンサp2が紙幣による遮光を検出し、メカクロックのカウントを開始する。そして、このメカクロックのカウント値が所定の値に達したならば、LEDを点灯した後約10マイクロ秒程度の間に2次元CCDセンサ10cによる撮像を実行する。なお、LEDの点灯を開始するカウント値は、マイクロコードが印刷される紙幣上の位置に基づいてあらかじめ設定される。
【0056】
図4は、上記撮像部本体10bの搬送及び撮像手順を示す図である。
【0057】
図4に示すように、搬送される紙幣がパスセンサp1を遮光すると(ステップ401)、モータがオンとなり(ステップ402)、この紙幣がさらにパスセンサp2を遮光すると(ステップ403)、メカクロックのカウントが開始される(ステップ404)。
【0058】
そして、あらかじめ設定された値までメカクロックのカウントが続行されたならば(ステップ405〜406)、LEDを点灯した後(ステップ407)、紙幣に印刷されたマイクロコード部分を撮像する(ステップ408)。
【0059】
そして、搬送される紙幣がパスセンサp3を遮光したならば(ステップ409)、モータをオフにして撮像処理が終了する(ステップ410)。
【0060】
図5は、上記2次元CCDセンサが撮像するマイクロコードの位置の一例を示す図である。
【0061】
図5(a)に示すように、米国ドル紙幣の場合には、各金種とも肖像画の左上部及び右上部にマイクロコードが印刷されている。
【0062】
具体的には、肖像画の左上部に印刷されたマイクロコードは、紙幣の右端から96mmで紙幣の上端から33mmの位置にあり、また肖像画の右上部に印刷されたマイクロコードは、紙幣の右端から60mmで紙幣の上端から33mmの位置にある。
【0063】
図5(b)に示すように、ドイツマルクの場合には肖像画の右側部にマイクロコードが印刷されており、金種ごとにそのマイクロコードの印刷位置が若干異なっている。
【0064】
具体的には、10マルク、20マルク及び100マルクについては、紙幣の右端から22mmで紙幣の下端から33mmの位置にマイクロコードが印刷され、また50マルクについては、紙幣の右端から22mmで紙幣の下端から62mmの位置にマイクロコードが印刷されている。さらに、200マルクの場合には、紙幣の右端から25mmで紙幣の下端から33mmの位置にマイクロコードが印刷されている。
【0065】
図5(c)に示すように、日本の1万円札については、紙幣の表面の右上部及び左上部と、裏面の中央下部にマイクロコードが印刷されている。
【0066】
具体的には、表面については、紙幣の上端から14mmで紙幣の左端から10mmの位置と、紙幣の上端から14mmで紙幣の右端から10mmの位置にマイクロコードが印刷され、裏面については、紙幣の下端から5mmで紙幣の右端から80mmの位置にマイクロコードが印刷されている。
【0067】
図5(d)に示すように、日本の千円札については、紙幣の表面の右下部と、裏面の右上部及び左下部にマイクロコードが印刷されている。
【0068】
具体的には、その表面については、紙幣の下端から5mmで紙幣の右端から25mmの位置にマイクロコードが印刷され、裏面については、紙幣の下端から45mmで紙幣の左端から45mmの位置と、紙幣の上端から14mmで紙幣の右端から79mmの位置にマイクロコードが印刷されている。
【0069】
このように、紙幣に印刷されるマイクロコードの位置は、紙幣の種別ごとに異なっているため、真偽判断対象となる紙幣に応じてマイクロコード撮像部10の取り付け位置とメカクロックのカウント値をあらかじめ設定する必要がある。
【0070】
次に、上記紙幣判別装置1のハードウエア構成について説明する。
【0071】
図6は、図1に示す紙幣判別装置1のハードウエア構成を示す図である。
【0072】
図6に示すように、この紙幣判別装置1は、CPU60と、メモリ61と、表示部62と、駆動回路64bと、CCD制御回路65bと、波形整形回路66b及び67bと、駆動部68とが、それぞれバス63に接続される構成となる。
【0073】
まず、CPU60は、各回路の全体制御、フーリエ変換、ヒストグラム作成処理及び判別処理等を行う中央処理装置であり、具体的には、図1に示すフーリエ変換処理部11及び判別処理部12に対応する。
【0074】
また、バス63の左側に位置する各部は、図1に示すマイクロコード撮像部10の構成要素である。
【0075】
すなわち、駆動回路64bは、紙幣が所定のパスセンサを通過した後にLED64aを駆動する回路であり、CCD制御回路65bは、タイミング制御回路65fが出力するタイミングパルスに基づいてCCDセンサ65aを制御する回路であり。具体的には、制御回路65eの制御の下に、A/Dコンバータ65cが変換したデータを順次メモリ65dに記憶する。
【0076】
また、波形整形回路66b及び67bは、それぞれパスセンサ66a及びロータリーエンコーダ67aの波形整形を行う回路であり、駆動部68は紙幣搬送系等の駆動を行う。
【0077】
次に、図1に示す紙幣判別装置1が行う判別処理手順及びしきい値作成処理手順について説明する。
【0078】
図7は、図1に示す紙幣判別装置1の判別処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
図7に示すように、この紙幣搬送装置1は、マイクロコード撮像部10による撮像によって入力画像を得たならば(ステップ701)、フーリエ変換処理部11がシェーディング補正、細線化処理及びマイクロコード領域の切り出しを前処理として行う(ステップ702)。この前処理は省略可能である。
【0080】
そして、フーリエ変換処理部11は、切り出した領域に対して2次元高速フーリエ変換(FFT)を行ってフーリエ変換画像を作成し(ステップ703)、マイクロコード周波数において本物の紙幣は振幅が大きく偽造紙幣は振幅が小さいことから、計数部12aがこのフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数する(ステップ704)。
【0081】
そして、判別部12cは、この計数結果を記憶部13に記憶したしきい値と比較することにより、紙幣の真偽を判別し(ステップ705)、その判別結果を出力して(ステップ706)、処理を終了する。
【0082】
なお、この記憶部13に記憶したしきい値は、後述するしきい値作成手順に従ってあらかじめ学習したものである。
【0083】
次に、図1に示す紙幣判別装置1が行うしきい値作成処理手順について説明する。
【0084】
図8は、図1に示す紙幣判別装置1のしきい値作成処理手順を示すフローチャートである。
【0085】
このしきい値を作成する場合には、サンプルとなる同種紙幣をあらかじめ複数枚準備しておき、マイクロコード撮像部10による紙幣の撮像を開始する(ステップ801)。
【0086】
そして、この撮像によって入力画像を得たならば、フーリエ変換処理部11がシェーディング補正、細線化処理及びマイクロコード領域の切り出しを前処理として行う(ステップ802)。この前処理は省略可能である。
【0087】
そして、フーリエ変換処理部11は、切り出した領域に対して2次元高速フーリエ変換(FFT)を行ってフーリエ変換画像を作成し(ステップ803)、ヒストグラム作成部12aがフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数する(ステップ804)。
【0088】
そして、このフーリエ変換画像が有する周波数成分の数に対応する箇所をインクリメントしたヒストグラムを作成し(ステップ805)、他の紙幣が存在する場合にはステップ801に移行する。
【0089】
そして、サンプルの紙幣全てについてヒストグラムの作成処理を終えたならば(ステップ806)、このヒストグラムの分布に基づいて判別用のしきい値を特定する(ステップ807)。
【0090】
次に、図1に示すフーリエ変換処理部11を用いる理由について説明する。
【0091】
図9(a)は、マイクロコードの一例を示す図であり、ここではマイクロコードが「MICROMICRO」という10文字からなる場合を示している。
【0092】
ここで、紙幣に印刷されるマイクロコードは、約100μm〜250μm程度の幅があり、またCCDセンサのセルサイズは約7×10μm程度であるため、等倍の場合におけるマイクロコードの1文字は、10〜25画素で表現される。
【0093】
図9(b)は、図9(a)に示すマイクロコードの第l番目のラインを読み取った時点でのマイクロコード波形を示している。ただし、CCDセンサの走査方向をtとし、そのときの濃度をx(t)としている。
【0094】
このように、マイクロコードは、一定周期Tを持つ波形を示すという特性を有する。ただし、この周期Tは、レンズの倍率及びCCDセルサイズに依存して定まるものである。
【0095】
図9(c)は、図9(b)に示すマイクロコードをフーリエ変換した際のパワースペクトルを示す図である。ただし、図中に示すωはマイクロコード周波数を示し、
ωn = n×2π/T
の関係にある。
【0096】
具体的には、n=1、T=10とした場合には、
ω1 = 2π/10 = 0.628
となり、例えばその倍率が等倍すなわちn=10のときには、
ω10 = 62.8
となり、このω10 = 62.8における周波数成分が他の周波数における周波数成分に比して特徴が顕著なものとなる。
【0097】
このように、マイクロコードを明瞭に読み取れるほど、マイクロコード周波数ωn において鋭いピークが得られる。
【0098】
すなわち、このマイクロコードのパワースペクトルを参照すると、マイクロコード部分に潰れが生じる偽造紙幣と、マイクロコードを明瞭に読み取れる本物の紙幣との判別をすることが可能であるため、本実施の形態では、フーリエ変換を処理の前提としている。
【0099】
なお、マイクロコードは、紙幣に対して縦方向、横方向、斜め方向等の各種の方向に印刷されているため、本実施の形態では2次元フーリエ変換を用いることにより、方向に依存することなく繰り返し周期によって判別できるようにしている。
【0100】
次に、図1に示すヒストグラム作成部12aの作成処理について説明する。
【0101】
図10(a)は、2次元フーリエ変換を行った場合の周波数領域を示す図である。なお、ここではフーリエ変換画像の中心0からのマイクロコード周波数をωとし、その時の振幅をAωi (i=1〜m)とする。なお、mはマイクロコード周波数ωにおけるデータ数を示すものとする。
【0102】
同図に示すように、この2次元フーリエ変換画像は、水平方向及び垂直方向の2次元空間からなる周波数領域を有しており、中心0に近い程周波数が低く、中心0から離隔する程周波数が大きくなる。
【0103】
本実施の形態では、この2次元周波数領域を、所定の基準周波数以下の低周波領域と、該基準周波数以上の高周波数領域に区分する。
【0104】
ここで、この低周波数領域にはノイズ成分が多く含まれ、高周波数領域においてマイクロコードの成分のほとんどが含まれることから、該高周波数領域のみに着目し、低周波数領域を除外する。
【0105】
そして、例えばマイクロ周波数が、ポイント90及び91に対応するとした場合には、フーリエ変換画像の各周波数成分がこのポイント90及び91を持つ周波数成分の数を計数する。
【0106】
ただし、このポイント90及び91における振幅が所定のレベル以下である場合には、その画素がマイクロコード部分である可能性が低いため、所定の振幅以下の場合には計数対象外とする。
【0107】
図10(b)は、マイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を横軸とし、この周波数成分数を持つフーリエ変換画像すなわち紙幣の枚数を縦軸としたヒストグラムを示す図である。
【0108】
例えば、あるフーリエ変換画像について図10(a)のポイント90及び91において条件を満たす周波数成分の数がnである場合には、横軸のn部分を縦軸方向に1枚分インクリメントする。
【0109】
そして、かかる処理を各フーリエ変換画像について行うと、図10(b)に示すヒストグラムが得られることになる。
【0110】
ここで、本物の紙幣に対応するフーリエ変換画像の場合には、マイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分が多く存在し、また偽造紙幣に対応するフーリエ変換画像の場合には、マイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分があまり存在しない。
【0111】
このため、かかるヒストグラムを作成すると、マイクロコードが存在する場合とマイクロコードが存在しない場合の分布が2分化されるため、その境界部分をしきい値として選択できる。
【0112】
次に、ドイツのマルク紙幣に対して実際に本実施の形態を適用した場合のヒストグラムについて説明する。ただし、サンプルとして用いた偽造紙幣は、高精度複写機等によるものである。
【0113】
図11は、ドイツのマルク紙幣について本実施の形態を適用した場合のヒストグラムの一例を示す図である。
【0114】
図11(a)は、50マルク又は200マルクの真券及びコピー券についてマイクロコード部分を読取り、その入力画像にフーリエ変換を行った各フーリエ変換画像について作成したヒストグラムである。なお、ここではマイクロコードに対応するマイクロコード周波数を64Hzとしている。
【0115】
同図に示すように、具体的には誤差を含めマイクロコード周波数63〜70Hzにおいて振幅40以上の条件を満たす周波数成分は、コピー券については、データ数60以下の領域に分布し、真券についてはデータ数60以上の領域に分布している。
【0116】
このため、かかる場合のしきい値はデータ数60とし、判別対象となる紙幣に対応するフーリエ変換画像のうちマイクロコード周波数64Hzを持つ周波数成分の数が60個以上である場合には該紙幣を真券とみなし、60個未満である場合にはコピー券とみなすことができる。
【0117】
図11(b)は、10マルク、20マルク又は100マルクの真券及びコピー券についてマイクロコード部分を読取り、その入力画像にフーリエ変換を行った各フーリエ変換画像について作成したヒストグラムである。
【0118】
同図に示すように、コピー券については、データ数90以下の領域に分布し、真券については90以上の領域に分布している。
【0119】
このため、かかる場合のしきい値は90とし、判別対象となる紙幣に対応するフーリエ変換画像のうちマイクロコード周波数64Hzを持つ周波数成分の数が90以上である場合には該紙幣を真券とみなし、90未満である場合にはコピー券とみなすことができる。
【0120】
上述してきたように、第1の実施の形態では、マイクロコード撮像部10が紙幣の所定の微小領域に印刷されたマイクロコードを読み取って入力画像を取得し、フーリエ変換処理部11がこの入力画像のマイクロコード部分にフーリエ変換を行ったフーリエ変換画像を作成した後、判別処理部12がこのフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数と記憶部13に記憶したしきい値とを比較して紙幣の判別を行うよう構成したので、高精度な偽造紙幣等を効率良く正確に判別することができる。
【0121】
また、ヒストグラム作成部12aが、複数枚の紙幣に対応する各フーリエ変換画像からマイクロコード周波数において所定の振幅を持つ周波数成分の数を計数し、計数した画素数と各フーリエ変換画像の分布との対応関係を示すヒストグラムに基づいて真偽判別のしきい値を特定するよう構成したので、紙幣識別のためのしきい値を容易に設定することができる。
【0122】
以上、第1の実施の形態について説明した。
【0123】
ところで、この第1の実施の形態では、フーリエ変換画像の周波数成分を用いて紙幣の真偽判断を行うこととしたが、フーリエ変換画像には振幅成分も含まれるため、この振幅成分を紙幣の真偽判別に用いることもできる。
【0124】
このため、次にフーリエ変換画像の振幅成分を用いて紙幣の真偽を判断する第2の実施の形態について説明する。
【0125】
図12は、第2の実施の形態で用いる紙幣識別装置2の構成を示す図である。
【0126】
図12に示す紙幣識別装置2は、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の振幅の平均値(以下「平均振幅」と言う。)を求め、この平均振幅を所定のしきい値と比較して紙幣の真偽を判断する装置である。
【0127】
図12に示すように、この紙幣識別装置2は、マイクロコード撮像部10と、フーリエ変換処理部11と、判別処理部120と、記憶部13とからなる。なお、マイクロコード撮像部10、フーリエ変換処理部11及び記憶部13については図1に示すものと同様の構成となるため、その細部の説明を省略する。
【0128】
判別処理部120は、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の振幅成分を平均化し、この平均振幅をあらかじめ設定したしきい値と比較して紙幣の真偽を判断する処理部であり、平均振幅算出部120aと、判別部120bとからなる。
【0129】
平均振幅算出部120aは、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の振幅成分を順次調べ、この振幅成分をデータ数で除算することにより平均振幅を算出する。なお、かかる平均化を行う理由は、画像の傾きの影響を低減するためである。
【0130】
具体的には、フーリエ変換画像のマイクロコード周波数ωiを持つデータがm個存在し、その振幅がそれぞれAωij(j=1,2,…,m)とすると、その平均振幅Avr(Aωi )は、
Figure 0003756250
の算定式により算出される。
【0131】
ただし、この平均振幅Avr(Aωi )は、紙幣の色彩によって変動するという特性がある。
【0132】
例えば、図13(a)に示すように、図13(b)に比して入力画像の濃度が薄い場合には、薄い部分においてマイクロコード情報に欠けが生じるため、欠けが生じた分だけフーリエ変換の振幅値に影響を及ぼす。
【0133】
このため、紙幣の色彩を考慮して記憶部13に記憶するしきい値を特定する必要がある。
【0134】
判別部120bは、平均振幅算出部120aが算出した平均振幅と、記憶部13に記憶したしきい値とを比較して、紙幣の真偽を判別する処理部である。
【0135】
上記構成を有する紙幣判別装置2を用いることにより、フーリエ変換画像のマイクロコード周波数のみならず、該マイクロコード周波数における平均振幅を利用して紙幣の真偽を判別することができる。
【0136】
次に、図12に示す紙幣判別装置2の処理手順について説明する。ただし、しきい値については、あらかじめ設定されているものとする。
【0137】
図14は、図12に示す紙幣判別装置2の処理手順を示すフローチャートである。
【0138】
図14に示すように、この紙幣搬送装置2は、マイクロコード撮像部10によって入力画像を得たならば(ステップ1401)、フーリエ変換処理部11がシェーディング補正、細線化処理及びマイクロコード領域の切り出しを前処理として行う(ステップ1402)。この前処理は省略可能である。
【0139】
そして、フーリエ変換処理部11は、切り出した領域に対して2次元高速フーリエ変換(FFT)を行ってフーリエ変換画像を作成し(ステップ1403)、平均振幅算出部120aがこのフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の振幅成分を抽出する(ステップ1404)。
【0140】
そして、この振幅成分を平均化して平均振幅を算定した後に(ステップ1405)、判別部120bが平均振幅を記憶部13内のしきい値と比較することにより、紙幣の真偽を判別し(ステップ1406)、その判別結果を出力して(ステップ1407)、処理を終了する。
【0141】
上述してきたように、第2の実施の形態では、マイクロコード撮像部10が紙幣の所定の微小領域に印刷されたマイクロコードを読み取って入力画像を取得し、フーリエ変換処理部11がこの入力画像のマイクロコード部分にフーリエ変換を行ったフーリエ変換画像を作成した後、判別処理部120がこのフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅と記憶部13に記憶したしきい値とを比較して紙幣の判別を行うよう構成したので、高精度な偽造紙幣等を効率良く正確に判別することができる。
【0142】
以上、第2の実施の形態について説明した。
【0143】
次に、マイクロコード周波数の振幅成分と、該マイクロコード周波数以外の所定の周波数の振幅成分との比を用いて紙幣の真偽を判別する第3の実施の形態について説明する。
【0144】
図15は、第3の実施の形態で用いる紙幣判別装置3の構成を示す図である。
【0145】
図15に示す紙幣判別装置3は、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅とマイクロコード周波数以外の所定の周波数の平均振幅との比を求め、この振幅比を所定のしきい値と比較して紙幣の真偽を判断する装置である。
【0146】
図15に示すように、この紙幣識別装置3は、マイクロコード撮像部10と、フーリエ変換処理部11と、判別処理部150と、記憶部13とからなる。なお、マイクロコード撮像部10、フーリエ変換処理部11及び記憶部13については図1のものと同様の構成となるため、その細部の説明を省略する。
【0147】
判別処理部150は、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅と、マイクロコード周波数以外の平均振幅との振幅比を求め、この振幅比をあらかじめ設定したしきい値と比較して紙幣の真偽を判断する処理部であり、平均振幅算出部150aと、振幅比算出部150bと、判別部150cとからなる。
【0148】
平均振幅算出部150aは、フーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅と、マイクロコード周波数以外の所定の周波数の平均振幅を算出する処理部である。
【0149】
振幅比算出部150bは、マイクロコード周波数以外の所定の周波数の平均振幅をフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅で除算して、その振幅比を算出する処理部である。
【0150】
具体的には、フーリエ変換画像のマイクロコード周波数ω1の平均振幅をAvr(Aω1 )とし、マイクロコード周波数以外の周波数ω2の平均振幅をAvr(Aω2 )とすると、その振幅比rは、
r= Avr(Aω2)/Avr(Aω1)
の算定式により算出される。
【0151】
判別部150cは、振幅比算出部150bが算出した振幅比と、記憶部13に記憶したしきい値とを比較して、紙幣の真偽を判別する処理部である。
【0152】
上記構成を有する紙幣判別装置3を用いることにより、フーリエ変換画像のマイクロコード周波数のみならず、該マイクロコード周波数における振幅比を利用して紙幣の真偽を判別することができる。
【0153】
なお本実施の形態が、かかる振幅比を採用する理由は、マイクロコード周波数の振幅とマイクロコード周波数以外の所定の周波数の振幅は、その振幅の大きさが異なっているためである。そして、かかる振幅比のヒストグラムを作成すると、真券とコピー券の振幅比の分布は離隔する。
【0154】
図16は、米国ドル紙幣に対して本実施の形態を適用した場合のヒストグラムを示す図である。ここではマイクロコード周波数は68Hz、マイクロコード以外の周波数は10Hzとしている。振幅はω1=68、ω2=10のときそれぞれA68、A10となるから、振幅比はr=Avr(A10)/Avr(A68)となる。 図16に示すように、この振幅比の分布を参照すると、コピー券の振幅比は大きくなり、真券の振幅比は小さくなる。
【0155】
このことから、両分布の間にしきい値を設定し、該しきい値を記憶部13に記憶しておくことにより、紙幣の真偽判断を行うことが可能となる。
【0156】
次に、図15に示す紙幣判別装置3の処理手順について説明する。ただし、判別用のしきい値は、あらかじめ設定されているものとする。
【0157】
図17は、図15に示す紙幣判別装置3の処理手順を示すフローチャートである。
【0158】
図17に示すように、この紙幣搬送装置3は、マイクロコード撮像部10による撮像によって入力画像を得たならば(ステップ1701)、フーリエ変換処理部11がシェーディング補正、細線化処理及びマイクロコード領域の切り出しを前処理として行う(ステップ1702)。
【0159】
そして、フーリエ変換処理部11は、切り出した領域に対して2次元高速フーリエ変換(FFT)を行ってフーリエ変換画像を作成し(ステップ1703)、平均振幅算出部150aが、このフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数の平均振幅及びマイクロコード周波数以外の周波数の平均振幅を算出する(ステップ1704)。
【0160】
そして、振幅比算出部150bが両平均振幅の振幅比を算出し(ステップ1705)、判別部150cがこの振幅比を記憶部13に記憶したしきい値と比較することにより、紙幣の真偽を判別し(ステップ1706)、その判別結果を出力して(ステップ1707)、処理を終了する。
【0161】
上述してきたように、第3の実施の形態では、マイクロコード撮像部10が紙幣の所定の微小領域に印刷されたマイクロコードを読み取って入力画像を取得し、フーリエ変換処理部11がこの入力画像のマイクロコード部分にフーリエ変換を行ったフーリエ変換画像を作成した後、判別処理部150がこのフーリエ変換画像に含まれるマイクロコード周波数と該マイクロコード周波数以外の所定の周波数の振幅比を求め、求めた振幅比と記憶部13に記憶したしきい値とを比較して紙幣の判別を行うよう構成したので、高精度な偽造紙幣等を効率良く正確に判別することができる。
【0162】
以上、第3の実施の形態について説明した。
【0163】
なおここでは、フーリエ変換画像の周波数成分を用いた紙幣の真偽判別を行う第1の実施の形態と、フーリエ変換画像の振幅成分を用いた紙幣の真偽判別を行う第2及び第3の実施の形態を別個に示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各実施の形態を組み合わせて構成することもできる。
【0164】
また、上記第1〜第3の実施の形態では、紙幣に印刷されたマイクロコードに基づいて紙幣の真偽を判別する場合について説明したが、各種紙葉類に付される網目模様部分等の微小領域に基づいてその真偽を判別する場合に適用することも可能である。
【0165】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1の発明では、紙葉類の所定の微小領域を光学的に読み取り、読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成し、予め記憶した離散フーリエ変換画像に含まれる所定の周波数範囲にある周波数成分の数に基づき決定したしきい値を作成された離散フーリエ変換画像に含まれる所定の周波数範囲にある周波数成分の数と比較することで紙葉類の真偽を判別するよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【0166】
1)高精度な偽造紙幣等を効率良く正確に判別することが可能となる。
【0167】
2)高速に紙幣の真偽を判別することが可能となる。
【0168】
)紙幣の色彩により影響を受け易い振幅成分を考慮することなく、微小領域に対応する周波数分布のみに基づいて紙幣の真偽判断を行うことが可能となる。
【0169】
)真偽判別に必要となるしきい値を容易に特定することが可能となる。
【0171】
また、第の発明では、複数枚の紙葉類の各離散フーリエ変換画像ごとに所定の周波数範囲にある所定の振幅以上の周波数成分の数を計数し、その計数値と紙葉類の枚数との対応関係を示すヒストグラムに基づいて所定のしきい値を決定する決定手段を設けるよう構成したので、真偽判別に用いる適切なしきい値をあらかじめ決定して記憶手段に記憶することが可能となる。
【0172】
また、第の発明では、紙葉類の所定の微小領域を光学的に読み取り、読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成し、該離散フーリエ変換画像の所定の周波数での振幅の平均値を算出し、算出した振幅の平均値を所定のしきい値と比較して紙葉類の真偽を判別するよう構成したので、微小領域に対応する周波数及びその振幅成分の両者に基づいて正確な真偽判断を行うことが可能となる。
【0173】
また、第の発明では、紙葉類の所定の微小領域を光学的に読み取り、読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成し、該離散フーリエ変換画像の微小領域に対応する第1の周波数における振幅の平均値と、該微小領域以外の領域に対応する第2の周波数における振幅の平均値とをそれぞれ算出し、算出した第2の周波数に対応する振幅の平均値と第1の周波数に対応する振幅の平均値との振幅比を算出し、算出した振幅比を所定のしきい値と比較して紙葉類の真偽を判別するよう構成したので、微小領域に対応する周波数及び該微小領域以外に対応する周波数の両者に基づいて正確な真偽判断を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で用いる紙幣判別装置の構成を示す図。
【図2】図1に示すマイクロコード撮像部の外観構成を示す図。
【図3】図2に示す撮像部本体の搬送及び撮像タイミングを示す図。
【図4】図2に示す撮像部本体の搬送及び撮像手順を示す図。
【図5】2次元CCDセンサが撮像するマイクロコードの位置の一例を示す図。
【図6】図1に示す紙幣判別装置のハードウエア構成を示す図。
【図7】図1に示す紙幣判別装置の判別処理手順を示すフローチャート。
【図8】図1に示す紙幣判別装置のしきい値作成処理手順を示すフローチャート。
【図9】図1に示すフーリエ変換部の説明図。
【図10】図1に示すヒストグラム作成部の説明図。
【図11】ドイツのマルク紙幣について第1の実施の形態を適用した場合のヒストグラムの一例を示す図。
【図12】第2の実施の形態で用いる紙幣識別装置の構成を示す図。
【図13】紙幣の色彩の差異による入力画像の濃淡の一例を示す図。
【図14】図12に示す紙幣判別装置の処理手順を示すフローチャート。
【図15】第3の実施の形態で用いる紙幣判別装置の構成を示す図。
【図16】米国ドル紙幣に対して第3の実施の形態を適用した場合のヒストグラムを示す図。
【図17】図15に示す紙幣判別装置の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…紙幣判別装置、 10…マイクロコード撮像部、
11…フーリエ変換処理部、 12…判別処理部、
12a…ヒストグラム作成部、 12b…計数部、 12c…判別部、
13…記憶部、 10a…紙幣挿入口、 10b…撮像部本体、
10c…2次元CCDセンサ、 10d…画像入力ボード、
30…ロータリーエンコーダ、
60…CPU、 61…メモリ、 62…表示部、 63…バス、
64a…LED、 64b…駆動回路、 65a…CCDセンサ、
65b…CCD制御回路、 65c…A/Dコンバータ、
65d…メモリ、 65e…制御回路、 65f…タイミング制御回路、
66a…パスセンサ、 66b,67b…波形整形回路、
67a…ロータリーエンコーダ、 68…駆動部、
2…紙幣識別装置、 120…判別処理部、
120a…平均振幅算出部、 120b…判別部、
3…紙幣識別装置、 150…判別処理部、 150a…平均振幅算出部、
150b…振幅比算出部、 150c…判別部

Claims (4)

  1. 紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、
    前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、
    前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、
    複数枚の紙葉類の各離散フーリエ変換画像に含まれる所定の周波数範囲にある周波数成分の数に基づいてあらかじめ決定した所定のしきい値を記憶する記憶手段と、
    前記フーリエ変換手段が作成した前記入力画像に対応する離散フーリエ変換画像に含まれる前記所定の周波数範囲にある周波数成分の数を計数する計数手段と、
    前記計数手段が計数した周波数成分の数を前記記憶手段に記憶したしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別処理手段と
    を具備することを特徴とする紙葉類の真偽判別装置。
  2. 複数枚の紙葉類の各離散フーリエ変換画像ごとに前記所定の周波数範囲にある所定の振幅以上の周波数成分の数を計数し、その計数値と紙葉類の枚数との対応関係を示すヒストグラムに基づいて所定のしきい値を決定する決定手段
    を更に具備し、
    前記記憶手段は、
    前記決定手段が決定した所定のしきい値を記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類の真偽判別装置。
  3. 紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、
    前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、
    前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段が作成した離散フーリエ変換画像の前記所定の周波数での振幅の平均値を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した振幅の平均値を所定のしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別手段と
    を具備することを特徴とする紙葉類の真偽判別装置。
  4. 紙葉類を光学的に読み取り、読み取った入力画像に基づいて前記紙葉類の真偽を判別する紙葉類の真偽判別装置において、
    前記紙葉類に印字された所定の情報の微小領域を光学的に読み取る読取り手段と、
    前記読取り手段が読み取った画像に対して離散フーリエ変換を行って離散フーリエ変換画像を作成するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段が作成した離散フーリエ変換画像の前記微小領域に対応する第1の周波数における振幅の平均値と、該微小領域以外の領域に対応する第2の周波数における振幅の平均値とをそれぞれ算出する平均値算出手段と、
    前記平均値算出手段が算出した第2の周波数に対応する振幅の平均値と前記第1の周波数に対応する振幅の平均値との振幅比を算出する振幅比算出手段と、
    前記振幅比算出手段が算出した振幅比を所定のしきい値と比較して前記紙葉類の真偽を判別する判別手段と
    を具備することを特徴とする紙葉類の真偽判別装置。
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