JP3756125B2 - 耳小骨可動性検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳の外科手術で行われている鼓室形成術や人工中耳植込み手術などにおいて、耳小骨の可動性のレベルを確認するのに用いる耳小骨可動性検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耳小骨の可動性を知るために実際に行われている方法としては、術者がアブミ骨またはアブミ骨底板に振動子で直接振動を与え、患者の聞こえ具合を検査することにより、内耳を通した耳小骨の可動性を確認する方法である。ここで、聞こえ具合の検査方法は、局所麻酔手術の場合には直接患者との問診であり、全身麻酔手術の場合は聴性脳幹反応(ABR)検査である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、局所麻酔手術の場合は、全身麻酔手術と比較して、短時間で手術を完了させなければならないため、術者により高い熟練とより多くの経験を必要とする。一方、全身麻酔手術の場合の聴性脳幹反応検査は他覚的検査方法であるが、信号が微弱なため、通常500〜2000回程度の加算が必要である。このため、アブミ骨またはアブミ骨底板に振動子で振動を加えて、聴性脳幹反応をみる場合、振動子を何らかの方法でしっかり固定して振動を加えなければならない。
従って、医者からは、より簡便かつ他覚的な方法で耳小骨の可動性を検出する方法が要望されている。
【0004】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、振動子を固定すること無く、術者が手で持ってアブミ骨またはアブミ骨底板に押し当てるだけで、瞬時に耳小骨の可動性のレベルを検出することができる耳小骨可動性検出装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、所望の電気信号を出力する駆動部と、この駆動部の電気信号により機械振動を発生する加振器と、この加振器による機械振動を耳小骨に伝えると共に、その反作用力を捉えるプローブと、このプローブが捉えた反作用力を電気信号に変換する力検出器と、この力検出器が出力する電気信号を演算処理して耳小骨の可動性のレベルを判定する検出・判定部と、この検出・判定部による判定結果を表示する表示部を備え、前記プローブが耳小骨に伝える機械振動として前記加振器の共振周波数近傍の周波数を用い、前記プローブの先端が耳小骨等に接触した時の前記力検出器の出力変化から耳小骨の可動性のレベルを判定するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る耳小骨可動性検出装置のブロック構成図、図2はトランスデューサ部と耳小骨の模式図、図3はトランスデューサ部の等価回路図、図4はトランスデューサ部の簡易等価回路図、図5は力検出器の出力変化を示す図、図6はトランスデューサ部の構成説明図、図7は駆動部のブロック構成図、図8は検出・判定部と表示部のブロック構成図である。
【0007】
本発明に係る耳小骨可動性検出装置は、図1に示すように、正弦波電気信号を出力する駆動部1と、駆動部1の正弦波電気信号により正弦波振動をする加振器2と、加振器2による正弦波振動を耳小骨に伝えると共に、その反作用力を捉えるプローブ3と、プローブ3が捉えた反作用力を電気信号に変換する力検出器4と、力検出器4が出力する電気信号を演算処理して耳小骨の可動性のレベルを判定する検出・判定部5、検出・判定部5による判定結果を聴覚に訴えて提示する表示部6からなり、耳小骨の機械インピーダンスを検出する装置である。なお、表示部6は聴覚だけではなく、他の視覚や触覚など五感で判断できるものも含まれる。
【0008】
蝸牛の機械入力インピーダンスを含めたアブミ骨の機械インピーダンスは、人の側頭骨を使った実験から、正常な耳の場合、約0.4Ns/m(100〜5,000Hzの周波数範囲でほぼ一定の値)である。これを1,000Hzでの質量に換算すると、約60mgに相当する。このような機械インピーダンスを検出するためにはプローブの機械出力インピーダンスを同程度にすることが有効であるが、これは難しい。
【0009】
また、機械インピーダンスを検出する対象物に加える振動を大きくすれば、検出される反作用力の出力も大きくなり、検出が有利になる。しかし、生体の耳小骨の場合、大きな振動を加えると生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、加えられる振動には限界がある。通常、120から130dBの音圧レベルで人は不快感を感じる。短時間でも130dBを越える音を聞かせると耳を損なう危険がある、といわれている。
【0010】
これを考慮すると、生体の耳小骨の機械インピーダンスを検出する場合、周波数1,000Hzでは、アブミ骨における振動変位が1μmを越える振動を加えるべきではなく、安全をみて、0.3μm以下の振動で検出することが必要である。このときのアブミ骨からの反作用力は約8×10-4Nの大きさである。
本発明は、機器を著しく小形化することなく、耳小骨のような小さな機械インピーダンスを検出することを可能にする手段を提供する。その原理の概略は以下の通りである。
【0011】
振動する検出器をこの検出器の機械出力インピーダンスより著しく小さい機械インピーダンスをもった耳小骨等の対象物に接触した場合、振動はほとんど変化しない。このとき検出される力の大きさは、(対象物の機械インピーダンス)×(振動速度)の程度である。振動周波数が検出器の共振周波数の場合、検出器の機械インピーダンスの実効質量分とスティフネス分が相殺して抵抗分のみとなり、検出器の機械出力インピーダンスが著しく小さくなる。
【0012】
この状態で振動している検出器を耳小骨等の対象物に接触した場合、もとの振動が変化する。この振動の変化に起因して出力される力の大きさは、上述した(対象物の機械インピーダンス)×(振動速度)より、ずっと大きくすることが可能である。このようにして検出感度を著しく大きくすることにより、耳小骨等の小さな機械インピーダンスの検出を可能にする。
【0013】
次に、本発明の原理を詳細に説明する。図2の模式図に示す加振器2、力検出器4およびプローブ3からなるトランスデューサ部10の等価回路モデルは、図3に示すようになる。ここで、F0は加振力、m1とr1はそれぞれ力検出素子左側の振動部の実効質量と抵抗、s1は振動部を保持するばねのスティフネス、s2は力検出素子のスティフネス、m2とr2はそれぞれ力検出素子右側の振動部の実効質量と抵抗、s3はプローブのスティフネス、zxは検出対象である耳小骨8の機械インピーダンスである。
【0014】
s3が|zx|より十分大きいと仮定すると、プローブ3が耳小骨8に接触していない場合の等価回路は図4(a)となり、プローブ3が耳小骨8に接触している場合の等価回路図は4(b)となる。ここで、F1とv1およびFとvは、それぞれプローブ3が耳小骨8に接触していない場合および接触している場合の力検出器4で検出される力とプローブ3を伝わる振動速度である。
実際上、力検出部4のスティフネスs2は十分大きいから、F1とv1およびFとvは、次に示す式(1)〜式(4)となる。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、fは加振周波数である。加振周波数fが共振周波数f0近傍でない場合は、次に示す式(6)が成り立つ。
【0017】
【数2】
【0018】
式(6)より、v≒v1(7)が成り立つ。式(7)が成り立つ共振周波数近傍でない加振周波数をfaと表すことにすると、プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔF(fa)は、次に示す式(8)となる。
【0019】
【数3】
【0020】
一方、加振周波数fが共振周波数f0の場合は、次に示す式(9),(10)となる。
【0021】
【数4】
【0022】
プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔF(f0)は、次に示す式(11)となる。
【0023】
【数5】
【0024】
いま、アブミ骨の機械インピーダンスのようにzx(f0) ≒zx(fa)であり、加振の振動速度が一定でv1(f0) ≒v1(fa)である場合を考える。加振周波数が共振周波数の場合とそうでない場合とでは、式(8)と式(11)を比較することにより、共振周波数f0での力検出出力は、次式(13)に示すように、共振周波数でないfaの場合のA倍となる。
【0025】
【数6】
【0026】
実際、式(13)において、│r1−jω0m2│>ω0m2であり、適当にm2を大きくすれば、次に示す式(14)を満足し、Aは1より十分大きくすることができる。
【0027】
【数7】
【0028】
通常の加振器では、加振力F0が一定となる。この場合には、式(1)と式(9)より、│v1(f0)│≫│v1(fa)│なり、上述の議論よりもさらに式(11)の方が式(8)より著しく大きくなる。即ち、プローブ先端に接触させた耳小骨等の小さな機械インピーダンスを、加振器の共振周波数近傍の周波数を用いて検出することにより、十分な検出感度を得ることができる。
【0029】
次に、加振力F0が一定の場合に、図4の等価回路に基づいて、プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔFを共振周波数f0付近の周波数に対して、耳小骨8の機械インピーダンスzxをパラメータとして計算した結果の一例を図5に示す。図5において、横軸は加振器の共振周波数f0で規格化した周波数fn(=f/f0)、縦軸は力の変化量の大きさΔFである。
【0030】
図5(a)は、zxがすべて抵抗成分だけとして計算した結果で、上の曲線から順に│zx│の値がそれぞれ1.6,0.8,0.4,0.2,0.1Ns/mの場合である。同様に図5(b)は、zxがすべて質量成分だけとして計算した結果で、上の曲線から順に共振周波数f0での│zx│の値がそれぞれ1.6,0.8,0.4,0.2,0.1Ns/mの場合である。計算で使用したその他の図4における等価回路の素子の値は、m1=3.3×10-3kg、r1=6.5Ns/m、s1=1.5×106N/m、m2=1×10-3kg、r2=1.6Ns/m、F0=7.2×10-3 Nである。
【0031】
トランスデューサ部10は、図6に示すように、動電形の電気機械変換器である加振器2と、圧電形の機械電気変換器である力検出器4を使用している。
加振器2は、マグネット11と、ヨーク12と、プレート13と、ギャップ14とで磁気回路を構成し、この磁気回路のギャップ14の中に置かれるコイル15と、コイル15と一体に固定される振動子16と、振動子16を矢印B方向のみに振動させるように支えると共に、振動子16が矢印B方向に変位したとき振動子16に復元力を与えるばね17a,17bと、ばね17a,17bの周囲およびヨーク12を固定するケース18と、コイル15に電流を流すためのコイル端子19a,19bとから構成される。
【0032】
力検出器4は、圧電素子20と、振動子16と、プローブ基部3bおよび圧電素子20の両端に発生した電気出力を取出すための出力端子21a,21bとから構成される。
圧電素子20およびプローブ3は、振動子16とほとんど一体に振動するように振動子16に取付けられる。圧電素子20は、圧電素子20に働く矢印B方向の力に対して、電荷を出力する変換素子である。振動子16およびプローブ基部3bは、圧電素子20を挟み圧電素子20に矢印B方向の力を作用させる。出力端子21a,21bは、必要なら、それぞれプローブ3、振動子16と電気的に絶縁される。プローブ3は、耳小骨8等の検出対象物にその先端3aを押し当てて、耳小骨8に振動を与え、そのときの反作用力を圧電素子20に伝える。
【0033】
駆動部1は、図7に示すように、発振器31と定電流駆動回路32で構成され、駆動信号を加振器2のコイル端子19a,19bに入力する。発振器31は、加振器2の共振周波数f0の周波数で正弦波を出力し、周波数および出力振幅が安定していることが必要である。定電流駆動回路32は、動電形の加振器2の負荷が多少変化しても、駆動力を一定に保持する。
【0034】
駆動部1は、コイル端子19a,19bに周波数fの正弦波電気信号を入力し、コイル15に電流を流すと、ギャップ14内の磁場との相互作用により振動子16、圧電素子20およびプローブ3は矢印B方向の正弦波振動をする。この時、圧電素子20には、(プローブ3の機械インピーダンス)×(振動速度)の力が作用し、出力端子21a,21bからこの力に比例した電気信号が出力される。
【0035】
次に、プローブ先端3aを耳小骨8等の検出対象物に接触した場合は、(検出対象物の機械インピーダンス)×(プローブ先端3aの振動速度)に相当した反作用力がプローブ先端3aに働く。この力はプローブ3を通して圧電素子20に加わり、この力に比例した電気信号が上述の電気信号に加算(ベクトル加算)されて出力端子21a,21bに出力される。そして、出力端子21a,21bから出力される電気信号が検出・判定部5に入力される。
【0036】
検出・判定部5は、図8に示すように、力検出器4の出力信号を増幅する増幅器51と、増幅器51が出力するアナログ信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器52と、A/D変換器52が出力するデジタル信号の適当な数のサンプリングデータから周波数f0成分の振幅値を十分な精度で検出する振幅検出器53と、振幅検出器53の出力信号をホールドタイミング信号の真偽により出力する入力値ホールド回路54と、振幅検出器53の出力信号と入力値ホールド回路54の出力信号との差を演算する減算器55と、減算器55の出力信号と3種の設定値(設定値1,設定値2,設定値3)を比較してどの範囲に存在するかによって耳小骨8の可動性のレベルを判定する可動性判定器56を備える。なお、57は減算器55の出力をモニターするためのメータである。
【0037】
表示部6は、図8に示すように、可動性判定器56による3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)に対応した3種類の電気信号を出力する音声信号発生器58と、音声信号発生器58が出力する3種類の電気信号を電気音響変換して3種類の音色を発するスピーカ59からなる。
【0038】
以上のように構成した本発明に係る耳小骨可動性検出装置の動作について説明する。
先ず、術者がトランスデューサ部10を手に持ち、フットスイッチ等によりホールドタイミング信号を入力値ホールド回路54に適当に入れ、プローブ3に何も接触していない状態でメータ57の出力がほぼゼロになるようにする。このとき本装置のスピーカ59から音は出力されない。
【0039】
次いで、術者は顕微鏡で見ながら周波数f0で正弦波振動しているプローブ3の先端3aをアブミ骨に接触させる。すると、力検出器4の出力端子21a,21bから出力される電気信号が増幅器51に入力され、適当に増幅された後にA/D変換器52に入力され、適当なサンプリング周波数でサンプリングされたデジタル信号に変換される。
【0040】
この信号の適当な数のサンプリングデータから振幅検出器53が周波数f0成分の振幅値を十分な精度で検出する。振幅検出器53の出力信号は入力値ホールド回路54と減算器55のa入力端子に入力される。入力値ホールド回路54では、ホールドタイミング信号が真(True)のとき、入力値が出力され、一方ホールドタイミング信号が偽(False)のときは、出力が変化せず保持される。
【0041】
入力値ホールド回路54の出力信号は減算器55のb入力端子に入力される。通常、ホールドタイミング信号は偽(False)であり、本装置の使用者がアブミ骨にプローブ3を接触させる前の状態で少なくとも1度はスイッチ等の入力手段によって真(True)にする。
【0042】
減算器55では、単にa入力端子に入力される信号とb入力端子に入力される信号の差を演算して出力する。この出力は、プローブ3をアブミ骨に接触させたことによる力検出器4の出力信号の変化に比例する。この変化は、アブミ骨の可動性が大きいときは小さく、可動性が無いときは大きい。
【0043】
減算器55の出力信号を可動性判定器56により、その大きさが設定値(設定値1,設定値2,設定値3)のどの範囲にあるかを判定し、判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)を出力する。なお、設定値1,設定値2,設定値3の値は、アブミ骨の機械インピーダンスzxの実測値に基づいて、本装置使用前に設定される。
【0044】
可動性判定器56への入力値が、設定値1以下の場合にはノイズレベルと判断し、3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)はすべて偽(False)、設定値1と設定値2の間の場合には可動性OK1信号のみ真(True)、設定値2と設定値3の間の場合には可動性OK2信号のみ真(True)、設定値3以上の場合には可動性NG信号のみ真(True)となる。
【0045】
可動性判定器56による3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)を音声信号発生器58に入力すると、音声信号発生器58は3種類の判定結果に対応した3種類の電気信号を出力する。スピーカ59は、音声信号発生器58が出力する3種類の電気信号を電気音響変換して3種類の音色を発する。
【0046】
アブミ骨の可動性が正常ならば、可動性OK1信号または可動性OK2信号に相当した音色の音響信号がスピーカ59から発せられるので、術者はプローブ3の先端3aとアブミ骨の接触状況を確認しながら、アブミ骨の可動性のレベルをスピーカ59が発する音色から判断することができる。
【0047】
なお、力検出器4で検出される力の変化量の位相情報を使うことにより、検出対象物の機械インピーダンスの位相を知ることができ、この位相から検出対象物が質量性か抵抗性かスティフネス性かを判定することに応用することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、振動子を固定すること無く、術者が手で持ってアブミ骨またはアブミ骨底板に押し当てるだけで、瞬時に耳小骨の可動性を検出することができる。
また、術者はプローブの先端とアブミ骨の接触状況を確認しながら、アブミ骨の可動性を表示部が発する信号から判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耳小骨可動性検出装置のブロック構成図
【図2】トランスデューサ部と耳小骨の模式図
【図3】プローブを耳小骨に接触させた状態のトランスデューサ部の等価回路図
【図4】トランスデューサ部の簡易等価回路図で、(a)はプローブを耳小骨に接触させない状態、(b)はプローブを耳小骨に接触させた状態
【図5】力検出器の出力変化を示す図で、(a)は耳小骨の機械インピーダンスzxすべて抵抗成分だけの場合、(b)は耳小骨の機械インピーダンスzxすべて質量成分だけの場合
【図6】トランスデューサ部の構成説明図
【図7】駆動部のブロック構成図
【図8】検出・判定部と表示部のブロック構成図
【符号の説明】
1…駆動部、2…加振器、3…プローブ、3a…プローブ先端、4…力検出器、5…検出・判定部、6…表示部、8…耳小骨、10…トランスデューサ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳の外科手術で行われている鼓室形成術や人工中耳植込み手術などにおいて、耳小骨の可動性のレベルを確認するのに用いる耳小骨可動性検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耳小骨の可動性を知るために実際に行われている方法としては、術者がアブミ骨またはアブミ骨底板に振動子で直接振動を与え、患者の聞こえ具合を検査することにより、内耳を通した耳小骨の可動性を確認する方法である。ここで、聞こえ具合の検査方法は、局所麻酔手術の場合には直接患者との問診であり、全身麻酔手術の場合は聴性脳幹反応(ABR)検査である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、局所麻酔手術の場合は、全身麻酔手術と比較して、短時間で手術を完了させなければならないため、術者により高い熟練とより多くの経験を必要とする。一方、全身麻酔手術の場合の聴性脳幹反応検査は他覚的検査方法であるが、信号が微弱なため、通常500〜2000回程度の加算が必要である。このため、アブミ骨またはアブミ骨底板に振動子で振動を加えて、聴性脳幹反応をみる場合、振動子を何らかの方法でしっかり固定して振動を加えなければならない。
従って、医者からは、より簡便かつ他覚的な方法で耳小骨の可動性を検出する方法が要望されている。
【0004】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、振動子を固定すること無く、術者が手で持ってアブミ骨またはアブミ骨底板に押し当てるだけで、瞬時に耳小骨の可動性のレベルを検出することができる耳小骨可動性検出装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、所望の電気信号を出力する駆動部と、この駆動部の電気信号により機械振動を発生する加振器と、この加振器による機械振動を耳小骨に伝えると共に、その反作用力を捉えるプローブと、このプローブが捉えた反作用力を電気信号に変換する力検出器と、この力検出器が出力する電気信号を演算処理して耳小骨の可動性のレベルを判定する検出・判定部と、この検出・判定部による判定結果を表示する表示部を備え、前記プローブが耳小骨に伝える機械振動として前記加振器の共振周波数近傍の周波数を用い、前記プローブの先端が耳小骨等に接触した時の前記力検出器の出力変化から耳小骨の可動性のレベルを判定するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る耳小骨可動性検出装置のブロック構成図、図2はトランスデューサ部と耳小骨の模式図、図3はトランスデューサ部の等価回路図、図4はトランスデューサ部の簡易等価回路図、図5は力検出器の出力変化を示す図、図6はトランスデューサ部の構成説明図、図7は駆動部のブロック構成図、図8は検出・判定部と表示部のブロック構成図である。
【0007】
本発明に係る耳小骨可動性検出装置は、図1に示すように、正弦波電気信号を出力する駆動部1と、駆動部1の正弦波電気信号により正弦波振動をする加振器2と、加振器2による正弦波振動を耳小骨に伝えると共に、その反作用力を捉えるプローブ3と、プローブ3が捉えた反作用力を電気信号に変換する力検出器4と、力検出器4が出力する電気信号を演算処理して耳小骨の可動性のレベルを判定する検出・判定部5、検出・判定部5による判定結果を聴覚に訴えて提示する表示部6からなり、耳小骨の機械インピーダンスを検出する装置である。なお、表示部6は聴覚だけではなく、他の視覚や触覚など五感で判断できるものも含まれる。
【0008】
蝸牛の機械入力インピーダンスを含めたアブミ骨の機械インピーダンスは、人の側頭骨を使った実験から、正常な耳の場合、約0.4Ns/m(100〜5,000Hzの周波数範囲でほぼ一定の値)である。これを1,000Hzでの質量に換算すると、約60mgに相当する。このような機械インピーダンスを検出するためにはプローブの機械出力インピーダンスを同程度にすることが有効であるが、これは難しい。
【0009】
また、機械インピーダンスを検出する対象物に加える振動を大きくすれば、検出される反作用力の出力も大きくなり、検出が有利になる。しかし、生体の耳小骨の場合、大きな振動を加えると生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、加えられる振動には限界がある。通常、120から130dBの音圧レベルで人は不快感を感じる。短時間でも130dBを越える音を聞かせると耳を損なう危険がある、といわれている。
【0010】
これを考慮すると、生体の耳小骨の機械インピーダンスを検出する場合、周波数1,000Hzでは、アブミ骨における振動変位が1μmを越える振動を加えるべきではなく、安全をみて、0.3μm以下の振動で検出することが必要である。このときのアブミ骨からの反作用力は約8×10-4Nの大きさである。
本発明は、機器を著しく小形化することなく、耳小骨のような小さな機械インピーダンスを検出することを可能にする手段を提供する。その原理の概略は以下の通りである。
【0011】
振動する検出器をこの検出器の機械出力インピーダンスより著しく小さい機械インピーダンスをもった耳小骨等の対象物に接触した場合、振動はほとんど変化しない。このとき検出される力の大きさは、(対象物の機械インピーダンス)×(振動速度)の程度である。振動周波数が検出器の共振周波数の場合、検出器の機械インピーダンスの実効質量分とスティフネス分が相殺して抵抗分のみとなり、検出器の機械出力インピーダンスが著しく小さくなる。
【0012】
この状態で振動している検出器を耳小骨等の対象物に接触した場合、もとの振動が変化する。この振動の変化に起因して出力される力の大きさは、上述した(対象物の機械インピーダンス)×(振動速度)より、ずっと大きくすることが可能である。このようにして検出感度を著しく大きくすることにより、耳小骨等の小さな機械インピーダンスの検出を可能にする。
【0013】
次に、本発明の原理を詳細に説明する。図2の模式図に示す加振器2、力検出器4およびプローブ3からなるトランスデューサ部10の等価回路モデルは、図3に示すようになる。ここで、F0は加振力、m1とr1はそれぞれ力検出素子左側の振動部の実効質量と抵抗、s1は振動部を保持するばねのスティフネス、s2は力検出素子のスティフネス、m2とr2はそれぞれ力検出素子右側の振動部の実効質量と抵抗、s3はプローブのスティフネス、zxは検出対象である耳小骨8の機械インピーダンスである。
【0014】
s3が|zx|より十分大きいと仮定すると、プローブ3が耳小骨8に接触していない場合の等価回路は図4(a)となり、プローブ3が耳小骨8に接触している場合の等価回路図は4(b)となる。ここで、F1とv1およびFとvは、それぞれプローブ3が耳小骨8に接触していない場合および接触している場合の力検出器4で検出される力とプローブ3を伝わる振動速度である。
実際上、力検出部4のスティフネスs2は十分大きいから、F1とv1およびFとvは、次に示す式(1)〜式(4)となる。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、fは加振周波数である。加振周波数fが共振周波数f0近傍でない場合は、次に示す式(6)が成り立つ。
【0017】
【数2】
【0018】
式(6)より、v≒v1(7)が成り立つ。式(7)が成り立つ共振周波数近傍でない加振周波数をfaと表すことにすると、プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔF(fa)は、次に示す式(8)となる。
【0019】
【数3】
【0020】
一方、加振周波数fが共振周波数f0の場合は、次に示す式(9),(10)となる。
【0021】
【数4】
【0022】
プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔF(f0)は、次に示す式(11)となる。
【0023】
【数5】
【0024】
いま、アブミ骨の機械インピーダンスのようにzx(f0) ≒zx(fa)であり、加振の振動速度が一定でv1(f0) ≒v1(fa)である場合を考える。加振周波数が共振周波数の場合とそうでない場合とでは、式(8)と式(11)を比較することにより、共振周波数f0での力検出出力は、次式(13)に示すように、共振周波数でないfaの場合のA倍となる。
【0025】
【数6】
【0026】
実際、式(13)において、│r1−jω0m2│>ω0m2であり、適当にm2を大きくすれば、次に示す式(14)を満足し、Aは1より十分大きくすることができる。
【0027】
【数7】
【0028】
通常の加振器では、加振力F0が一定となる。この場合には、式(1)と式(9)より、│v1(f0)│≫│v1(fa)│なり、上述の議論よりもさらに式(11)の方が式(8)より著しく大きくなる。即ち、プローブ先端に接触させた耳小骨等の小さな機械インピーダンスを、加振器の共振周波数近傍の周波数を用いて検出することにより、十分な検出感度を得ることができる。
【0029】
次に、加振力F0が一定の場合に、図4の等価回路に基づいて、プローブ3が耳小骨8に接触することによる力検出器4で検出される力の変化量の大きさΔFを共振周波数f0付近の周波数に対して、耳小骨8の機械インピーダンスzxをパラメータとして計算した結果の一例を図5に示す。図5において、横軸は加振器の共振周波数f0で規格化した周波数fn(=f/f0)、縦軸は力の変化量の大きさΔFである。
【0030】
図5(a)は、zxがすべて抵抗成分だけとして計算した結果で、上の曲線から順に│zx│の値がそれぞれ1.6,0.8,0.4,0.2,0.1Ns/mの場合である。同様に図5(b)は、zxがすべて質量成分だけとして計算した結果で、上の曲線から順に共振周波数f0での│zx│の値がそれぞれ1.6,0.8,0.4,0.2,0.1Ns/mの場合である。計算で使用したその他の図4における等価回路の素子の値は、m1=3.3×10-3kg、r1=6.5Ns/m、s1=1.5×106N/m、m2=1×10-3kg、r2=1.6Ns/m、F0=7.2×10-3 Nである。
【0031】
トランスデューサ部10は、図6に示すように、動電形の電気機械変換器である加振器2と、圧電形の機械電気変換器である力検出器4を使用している。
加振器2は、マグネット11と、ヨーク12と、プレート13と、ギャップ14とで磁気回路を構成し、この磁気回路のギャップ14の中に置かれるコイル15と、コイル15と一体に固定される振動子16と、振動子16を矢印B方向のみに振動させるように支えると共に、振動子16が矢印B方向に変位したとき振動子16に復元力を与えるばね17a,17bと、ばね17a,17bの周囲およびヨーク12を固定するケース18と、コイル15に電流を流すためのコイル端子19a,19bとから構成される。
【0032】
力検出器4は、圧電素子20と、振動子16と、プローブ基部3bおよび圧電素子20の両端に発生した電気出力を取出すための出力端子21a,21bとから構成される。
圧電素子20およびプローブ3は、振動子16とほとんど一体に振動するように振動子16に取付けられる。圧電素子20は、圧電素子20に働く矢印B方向の力に対して、電荷を出力する変換素子である。振動子16およびプローブ基部3bは、圧電素子20を挟み圧電素子20に矢印B方向の力を作用させる。出力端子21a,21bは、必要なら、それぞれプローブ3、振動子16と電気的に絶縁される。プローブ3は、耳小骨8等の検出対象物にその先端3aを押し当てて、耳小骨8に振動を与え、そのときの反作用力を圧電素子20に伝える。
【0033】
駆動部1は、図7に示すように、発振器31と定電流駆動回路32で構成され、駆動信号を加振器2のコイル端子19a,19bに入力する。発振器31は、加振器2の共振周波数f0の周波数で正弦波を出力し、周波数および出力振幅が安定していることが必要である。定電流駆動回路32は、動電形の加振器2の負荷が多少変化しても、駆動力を一定に保持する。
【0034】
駆動部1は、コイル端子19a,19bに周波数fの正弦波電気信号を入力し、コイル15に電流を流すと、ギャップ14内の磁場との相互作用により振動子16、圧電素子20およびプローブ3は矢印B方向の正弦波振動をする。この時、圧電素子20には、(プローブ3の機械インピーダンス)×(振動速度)の力が作用し、出力端子21a,21bからこの力に比例した電気信号が出力される。
【0035】
次に、プローブ先端3aを耳小骨8等の検出対象物に接触した場合は、(検出対象物の機械インピーダンス)×(プローブ先端3aの振動速度)に相当した反作用力がプローブ先端3aに働く。この力はプローブ3を通して圧電素子20に加わり、この力に比例した電気信号が上述の電気信号に加算(ベクトル加算)されて出力端子21a,21bに出力される。そして、出力端子21a,21bから出力される電気信号が検出・判定部5に入力される。
【0036】
検出・判定部5は、図8に示すように、力検出器4の出力信号を増幅する増幅器51と、増幅器51が出力するアナログ信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器52と、A/D変換器52が出力するデジタル信号の適当な数のサンプリングデータから周波数f0成分の振幅値を十分な精度で検出する振幅検出器53と、振幅検出器53の出力信号をホールドタイミング信号の真偽により出力する入力値ホールド回路54と、振幅検出器53の出力信号と入力値ホールド回路54の出力信号との差を演算する減算器55と、減算器55の出力信号と3種の設定値(設定値1,設定値2,設定値3)を比較してどの範囲に存在するかによって耳小骨8の可動性のレベルを判定する可動性判定器56を備える。なお、57は減算器55の出力をモニターするためのメータである。
【0037】
表示部6は、図8に示すように、可動性判定器56による3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)に対応した3種類の電気信号を出力する音声信号発生器58と、音声信号発生器58が出力する3種類の電気信号を電気音響変換して3種類の音色を発するスピーカ59からなる。
【0038】
以上のように構成した本発明に係る耳小骨可動性検出装置の動作について説明する。
先ず、術者がトランスデューサ部10を手に持ち、フットスイッチ等によりホールドタイミング信号を入力値ホールド回路54に適当に入れ、プローブ3に何も接触していない状態でメータ57の出力がほぼゼロになるようにする。このとき本装置のスピーカ59から音は出力されない。
【0039】
次いで、術者は顕微鏡で見ながら周波数f0で正弦波振動しているプローブ3の先端3aをアブミ骨に接触させる。すると、力検出器4の出力端子21a,21bから出力される電気信号が増幅器51に入力され、適当に増幅された後にA/D変換器52に入力され、適当なサンプリング周波数でサンプリングされたデジタル信号に変換される。
【0040】
この信号の適当な数のサンプリングデータから振幅検出器53が周波数f0成分の振幅値を十分な精度で検出する。振幅検出器53の出力信号は入力値ホールド回路54と減算器55のa入力端子に入力される。入力値ホールド回路54では、ホールドタイミング信号が真(True)のとき、入力値が出力され、一方ホールドタイミング信号が偽(False)のときは、出力が変化せず保持される。
【0041】
入力値ホールド回路54の出力信号は減算器55のb入力端子に入力される。通常、ホールドタイミング信号は偽(False)であり、本装置の使用者がアブミ骨にプローブ3を接触させる前の状態で少なくとも1度はスイッチ等の入力手段によって真(True)にする。
【0042】
減算器55では、単にa入力端子に入力される信号とb入力端子に入力される信号の差を演算して出力する。この出力は、プローブ3をアブミ骨に接触させたことによる力検出器4の出力信号の変化に比例する。この変化は、アブミ骨の可動性が大きいときは小さく、可動性が無いときは大きい。
【0043】
減算器55の出力信号を可動性判定器56により、その大きさが設定値(設定値1,設定値2,設定値3)のどの範囲にあるかを判定し、判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)を出力する。なお、設定値1,設定値2,設定値3の値は、アブミ骨の機械インピーダンスzxの実測値に基づいて、本装置使用前に設定される。
【0044】
可動性判定器56への入力値が、設定値1以下の場合にはノイズレベルと判断し、3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)はすべて偽(False)、設定値1と設定値2の間の場合には可動性OK1信号のみ真(True)、設定値2と設定値3の間の場合には可動性OK2信号のみ真(True)、設定値3以上の場合には可動性NG信号のみ真(True)となる。
【0045】
可動性判定器56による3種類の判定結果(可動性OK1信号,可動性OK2信号,可動性NG信号)を音声信号発生器58に入力すると、音声信号発生器58は3種類の判定結果に対応した3種類の電気信号を出力する。スピーカ59は、音声信号発生器58が出力する3種類の電気信号を電気音響変換して3種類の音色を発する。
【0046】
アブミ骨の可動性が正常ならば、可動性OK1信号または可動性OK2信号に相当した音色の音響信号がスピーカ59から発せられるので、術者はプローブ3の先端3aとアブミ骨の接触状況を確認しながら、アブミ骨の可動性のレベルをスピーカ59が発する音色から判断することができる。
【0047】
なお、力検出器4で検出される力の変化量の位相情報を使うことにより、検出対象物の機械インピーダンスの位相を知ることができ、この位相から検出対象物が質量性か抵抗性かスティフネス性かを判定することに応用することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、振動子を固定すること無く、術者が手で持ってアブミ骨またはアブミ骨底板に押し当てるだけで、瞬時に耳小骨の可動性を検出することができる。
また、術者はプローブの先端とアブミ骨の接触状況を確認しながら、アブミ骨の可動性を表示部が発する信号から判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耳小骨可動性検出装置のブロック構成図
【図2】トランスデューサ部と耳小骨の模式図
【図3】プローブを耳小骨に接触させた状態のトランスデューサ部の等価回路図
【図4】トランスデューサ部の簡易等価回路図で、(a)はプローブを耳小骨に接触させない状態、(b)はプローブを耳小骨に接触させた状態
【図5】力検出器の出力変化を示す図で、(a)は耳小骨の機械インピーダンスzxすべて抵抗成分だけの場合、(b)は耳小骨の機械インピーダンスzxすべて質量成分だけの場合
【図6】トランスデューサ部の構成説明図
【図7】駆動部のブロック構成図
【図8】検出・判定部と表示部のブロック構成図
【符号の説明】
1…駆動部、2…加振器、3…プローブ、3a…プローブ先端、4…力検出器、5…検出・判定部、6…表示部、8…耳小骨、10…トランスデューサ部。
Claims (1)
- 所望の電気信号を出力する駆動部と、この駆動部の電気信号により機械振動を発生する加振器と、この加振器による機械振動を耳小骨に伝えると共に、その反作用力を捉えるプローブと、このプローブが捉えた反作用力を電気信号に変換する力検出器と、この力検出器が出力する電気信号を演算処理して耳小骨の可動性のレベルを判定する検出・判定部と、この検出・判定部による判定結果を表示する表示部を備え、前記プローブが耳小骨に伝える機械振動として前記加振器の共振周波数近傍の周波数を用い、前記プローブの先端が耳小骨等に接触した時の前記力検出器の出力変化から耳小骨の可動性のレベルを判定することを特徴とする耳小骨可動性検出装置。
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