JP3755996B2 - ポリウレタンエラストマー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシーリング材、防水材、壁材、床材、塗料、接着剤、或いは靴底として使用するポリウレタン樹脂組成物に関するものであり、特にホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造した生成モノオールの少ない高分子量ポリオキシアルキレンポリオールを用いることにより、硬化物の早期物性発現性を備えたポリウレタンエラストマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタンエラストマーを製造するにあたり、ポリオールとしてポリオキシアルキレンポリオールを用いる場合、一般的な製造法としては、アルカリ金属水酸化物が触媒として使用されている。
一般的には、上記の触媒の存在下に、通常用いる開始剤とアルキレンオキシド化合物として最も広く使用されているプロピレンオキシドを用いる場合、KOH触媒ではポリオキシアルキレンポリオールの分子量の増加と共に分子片末端に不飽和基を有するモノオールが副生する事が知られている。このモノオールは、主反応により生成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる。
従って、モノオール含有量の高いポリオキシアルキレンポリオールを使用した場合、ヒステリシスの増大、硬度の低下、伸長性の低下、キュア性の低下等、諸物性の低下を招く原因となっていた。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
従来、ポリウレタンエラストマーの原料として用いられてきたポリオキシアルキレンポリオール、特に水酸基価60以下のポリオールにおいては、副生物として不飽和モノオールを含んでおり、これらは上記したように、ポリウレタンエラストマーの強度、弾性率、硬度、耐摩耗性、硬化性等を低下させる要因となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改良すべく鋭意研究した結果、ポリイソシアネート化合物と、ポリオールとして水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化13]
【0005】
【化13】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール、との反応より得られるポリウレタンエラストマーが、その原料であるポリオキシアルキレンポリオールの不飽和モノオールの含有量を低減させることによって早期物性発現性を向上しうることを見い出した。
さらに、本発明者らは、ポリオールとして、ホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造されたポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオールであると、原料中のポリオキシアルキレンポリオールの不飽和モノオールの含有量を低減させることができるので、得られるポリウレタンエラストマーが早期物性発現性を向上しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて、ポリウレタンエラストマーを製造する方法において、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、総不飽和度USV(meq/g)が上記式(3)を満足するポリオキシアルキレンポリオールを必須成分として用いること、またはホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造されたポリオキシアルキレンポリオールを必須成分として用いることを特徴とするポリウレタンエラストマー及びその製造方法である。
【0007】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供するものである。
(1) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応せしめてなるポリウレタンエラストマーであって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化14]、又は一般式(2)[化15]
【0008】
【化14】
Figure 0003755996
【0009】
【化15】
Figure 0003755996
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【0010】
(2) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応せしめてなるポリウレタンエラストマーであって、該ポリオールが、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化16]を満足するポリオキシアルキレンポリオール
【0011】
【化16】
USV≦1.2/OHV (3)
を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【0012】
(3) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応せしめてなるポリウレタンエラストマーであって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化17]、又は一般式(2)[化18]
【0013】
【化17】
Figure 0003755996
【0014】
【化18】
Figure 0003755996
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールであり、該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化19]を満足するポリオキシアルキレンポリオール
【0015】
【化19】
USV≦1.2/OHV (3)
を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【0016】
(4) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーの製造方法であって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化20]、又は一般式(2)[化21]
【0017】
【化20】
Figure 0003755996
【0018】
【化21】
Figure 0003755996
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【0019】
(5) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーの製造方法であって、該ポリオールが、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化22]を満足するポリオキシアルキレンポリオール
【0020】
【化22】
USV≦1.2/OHV (3)
を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマー。
【0021】
(6) ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーの製造方法であって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化23]、又は一般式(2)[化24]
【0022】
【化23】
Figure 0003755996
【0023】
【化24】
Figure 0003755996
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールであり、該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化25]を満足するポリオキシアルキレンポリオール
【0024】
【化25】
USV≦1.2/OHV (3)
を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】
本発明において使用するポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、1)トリレンジイソシアネート(異性体の各種混合物を含む)、ジフェニルメタンジイソシアネート(異性体の各種混合物を含む)、3・3’−ジメチル−4・4’−ビフェニレンジイソシアネート、1・4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4・4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシジレンジイソシアネート、1・4−シクロヘキシルジイソシアネート、1−メチル−2・4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、2・4・4−トリメチル−1・6−ジイソシアナト−ヘキサン、等のジイソシアネート、
【0027】
2)4・4’・4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアナト)チオフォスフェート、等のトリイソシアネート、
3)前記イソシアネート類のウレタン化変性品、イソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビューレット化変性品、粗製トリレンジイソシアネート、ポリメチレン・ポリフェニルイソシアネート、等の多官能性イソシアネートである。
【0028】
本発明において使用するポリオールとしては、特に以下に詳述するポリオキシアルキレンポリオールポリオールを含有することが必須である。即ち、一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールであるか、または該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化26]を満足するポリオキシアルキレンポリオールである。
【0029】
【化26】
USV≦1.2/OHV (3)
【0030】
ここで、ポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度(C=C)とは、ポリオキシアルキレンポリオールを合成する際に、主としてプロピレンオキサイドの副反応により生成する分子末端に不飽和基を有するモノオール量の指標となるものである。上記モノオールは、主反応により生成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる。従って、モノオール含有量の高いポリオキシアルキレンポリオールを使用すると、ヒステリシスの増大、硬度の低下、伸長性の低下等、諸物性の低下を招く原因となる。従って、モノオール(C=C)は、できれば全くないことが好ましいが、可能な限り少量とする必要がある。
【0031】
上記したポリオキシアルキレンポリオールは、例えば特公昭44−551号公報に記載されているようなZn3[Co(CN)62の如き金属シアン化物錯体、特開平7−278289号公報に記載されているような水酸化セシウム、或いはホスファゼニウム化合物等を触媒に用いて、活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加させて得られる。
【0032】
特に、ホスファゼニウム化合物を触媒として使用した場合には、ポリウレタンエラストマーの物性等に悪影響を与える金属成分等が、生成したポリオキシアルキレンポリオール中に残存しない為、より好ましい。尚、通常用いられているKOH等の触媒を用いた場合には、総不飽和度が高くなる為、好ましくない。
【0033】
ここで、本発明において使用するホスファゼニウム化合物を触媒に用いて得られるポリオキシアルキレンポリオールとは、一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオールである。
【0034】
本発明における該ホスファゼニウム化合物とは、下記一般式(1)[化27]、又は一般式(2)[化28]で表される構造を有するホスファゼニウムカチオンと活性水素化合物アニオンとの塩であり、該ホスファゼニウムカチオンはその電荷が中心の燐原子上に極在する極限構造式で代表しているが、これ以外に無数の極限構造式が描かれ、実際にはその電荷は全体に非極在化している。
【0035】
【化27】
Figure 0003755996
【0036】
【化28】
Figure 0003755996
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
【0037】
一般式(1)で表されるホスファゼニウム化合物中のa、bおよびcは、それぞれ0又は3以下の正の整数であり、好ましくは0又は2以下の正の整数である。より好ましくは、a、bおよびcの順序に関わらず、(2、1、1)、(1、1、1)、(0、1、1)又は(0、0、1)の組み合わせの中の数である。一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のd、e、fおよびgは、それぞれ0または3以下の正の整数であり、好ましくは0又は2以下の正の整数である。より好ましくはd、e、fおよびgの順序に関わらず、(2、1、1、1)、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)又は(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。さらに好ましくは、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)又は(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。
【0038】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のRは同種又は異種の、炭素原子数1ないし10個の脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、アリル、ノルマル−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、ノルマル−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(通称、tert−オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族又は芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−ペンチルもしくは1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル等の炭素数1ないし10個の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0039】
又、一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中の同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合の該窒素原子上の二価の基(R−R)は、炭素原子数4ないし6の主鎖を有する二価の炭化水素基であり(環は窒素原子を含んだ5ないし7員環となる)、例えばテトラメチレン、ペンタメチレン又はヘキサメチレン等であり、それらの主鎖にメチル又はエチル等のアルキル基が置換したものである。好ましくは、テトラメチレン又はペンタメチレンである。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこのような環構造をとっていても構わないし、一部であってもよい。
【0040】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のxは活性水素化合物の種類により一様ではないが、通常1ないし8であり、好ましくは1である。
【0041】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物は、例えば、一般式(1)又は一般式(2)中のホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を反応させる方法、又は一般式(1)又は一般式(2)中のホスファゼニウムカチオンと別種の活性水素化合物のアニオンとの塩および活性水素化合物を反応させる方法などにより得ることができる。
【0042】
又、一般式(1)で表されるホスファゼニウム化合物は、例えば下記一般式(4)[化29]
【0043】
【化29】
Figure 0003755996
(但し、式中、a、bおよびcはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。)で表されるホスファゼン化合物と活性水素化合物を反応させることによっても合成できる。
【0044】
その他、一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物を得る方法であれば如何なる方法でも構わない。
【0045】
本発明における活性水素化合物とは、酸素原子上に活性水素原子を有する化合物であり、例えば水であり、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒドロ桂皮酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、パラメチル安息香酸または2−カルボキシナフタレン等の炭素数1ないし20個のカルボン酸であり、例えば蓚酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸等の炭素数2ないし20個の2ないし6個のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類であり、例えばN,N−ジエチルカルバミン酸、N−カルボキシピロリドン、N−カルボキシアニリン、N,N’−ジカルボキシ−2,4−トルエンジアミン等のカルバミン酸類であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数1ないし20個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2ないし20個の2ないし8個の水酸基を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばフェノール、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナフタレンまたはビスフェノールA等の炭素数6ないし20個の1ないし3個の水酸基を有する芳香族化合物類であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって2ないし8個の末端を有しその末端に1ないし8個の水酸基を有するポリアルキレンオキシド類である。
【0046】
また更に、本発明における活性水素化合物とは、窒素原子上に活性水素原子を有する化合物であり、例えばメチルアミン、エチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジンまたはp−トルイジン等の炭素数1ないし20個の脂肪族または芳香族一級アミン類であり、例えばジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ−ノルマル−プロピルアミン、エチル−ノルマル−ブチルアミン、メチル−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリンまたはジフェニルアミン等の炭素数2ないし20個の脂肪族または芳香族二級アミン類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし20個の飽和環状二級アミン類であり、3−ピロリン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまたはプリン等の炭素数4ないし20個の不飽和環状二級アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類であり、例えばアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチル安息香酸アミドまたはN−エチルステアリン酸アミド等の炭素数2ないし20個の無置換またはN−一置換の酸アミド類であり、例えば2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の5ないし7員環の環状アミド類であり、例えばこはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタルイミド等の炭素数4ないし10個のジカルボン酸のイミド類である。
【0047】
これらの活性水素化合物のうち、好ましくは、水であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数1ないし20個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2ないし20個の2ないし8個の水酸基を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって2ないし8個の末端を有しその末端に1ないし8個の水酸基を有する分子量100ないし50,000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし20個の飽和環状二級アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0048】
これらの活性水素化合物のうち、より好ましくは、水であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール等の炭素数1ないし10個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、もしくはペンタエリスリトール等の炭素数2ないし10個の2ないし4個の水酸基を有する多価アルコール類であり、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって2ないし6個の末端を有しその末端に2ないし6個の水酸基を有する分子量100ないし10,000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばN,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0049】
これらの活性水素化合物のうち、さらに好ましくは、水であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、もしくはペンタエリスリトール等の炭素数2ないし10個の2ないし4個の水酸基を有する多価アルコール類であり、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって2ないし6個の末端を有しその末端に2ないし6個の水酸基を有する分子量100ないし10,000のポリアルキレンオキシド類である。
【0050】
本発明におけるアルキレンオキシド化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたはフェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物である。これらは2種以上を併用してもよい。併用する場合には、複数のアルキレンオキシド化合物を同時に併用する方法、順次に併用する方法または順次を繰り返して行なう方法などが取り得る。
これらのアルキレンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドはより好ましい。
【0051】
アルキレンオキシド化合物の重合反応に供する、ホスファゼニウム化合物の使用量は、特に制限はないが、アルキレンオキシド化合物1モルに対して、通常1×10-15〜5×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モルの範囲である。
【0052】
また、重合反応の反応温度は、使用するアルキレンオキシド化合物やその他の成分の種類や量により一様ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは10〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。また反応時の圧力は、用いるアルキレンオキシド化合物やその他の成分の種類もしくは量または重合温度に依存して一様ではないが、通常重合反応時の圧力として30kg/cm2(絶対圧、以下同様)以下であり、好ましくは0.1〜15kg/cm2、より好ましくは1〜10kg/cm2の範囲である。
【0053】
本発明においては、ポリオールとして、特に上記したポリオキシアルキレンポリオールポリオールを含有することが必須である。従って、上記水酸基価(即ち高分子量)のポリオールのみを(但し水を除く)イソシアネート化合物と反応させることができるが、さらに低分子量のイソシアネート基と反応しうる多官能性化合物を高分子量ポリオールとともに使用することができる。この多官能性化合物は、水酸基、1級アミノ基、あるいは2級アミノ基等のイソシアネート反応性基を2個以上有するイソシアネート反応性基当たりの分子量が600以下、特に300以下の化合物が適当である。
【0054】
このような化合物としては、例えば多価アルコール、アルカノールアミン、糖類、ポリアミン、モノアミン、多価フェノール類等に少量のアルキレンオキサイドを付加して得られる低分子量のポリエーテル系ポリオールが挙げられる。さらに、低分子量のポリエステル系ポリオール等も使用できる。好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、および水酸基価が200以上のポリエーテル系ポリオールが用いられる。この多官能性化合物の使用量は特に制限されないが、上記した高分子量ポリオール100重量部に対して50重量部以下が好ましい。
【0055】
また、本発明においては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数とポリオール中のイソシアネート反応性基の数との比が、0.8〜1.3、特に0.9〜1.1が適当である。
本発明においては、必要に応じて充填材、可塑剤、安定剤、着色剤、難燃剤等の配合剤を使用することも可能である。
【0056】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中、部は重量部を示す。
【0057】
[ポリオールの製造]
使用したポリオールを下記に示す。ポリオールA〜Cはホスファゼニウム化合物触媒を用いて、ポリオールD〜Fは水酸化カリウム触媒を用いて製造したポリオールである。
【0058】
ポリオールA
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した1Lのナスフラスコにジプロピレングリコール484g(3.61mol)を秤り取り、これにジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+ OH-}を27.01g(0.043mol)加えた。これを100℃に加熱し、攪拌しながら、5mmHgに減圧し、更に乾燥窒素を流通させて反応で生成する水を除去した。過剰のジプロピレングリコールとその中に含まれるホスファゼニウム化合物であるジプロピレングリコールのモノ{ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウム}塩{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+ Dpg-}の混合物を得た(Dpg-はジプロピレングリコールの1価のアニオンを表す)。
【0059】
この混合物全量を同様の5Lのオートクレーブに仕込んだ。その後反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、プロピレンオキシド2920g(50.34mol)を反応時圧力3.8kg/cm2(絶対圧、以下同様)前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で12時間反応させた。次いで同温度で10mmHgに減圧し、30分間この圧を保って、残留するプロピレンオキシドを除去した後、乾燥窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷却した(第1段)。分子量を更に高める為に、その内容物の一部である828gを、同様の5Lのオートクレーブに移し、反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、更にプロピレンオキシド1932g(33.30mol)を反応時圧力3.8kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で24時間反応させた(第2段)。次いで同温度で30分間10mmHgに保った。その後、反応器内を乾燥窒素で置換して常圧に戻した。このようにして2段の反応で、プロピレンオキシドの重合体であるポリオキシプロピレンジオール(ポリオールA)を2721g得た。該ポリオールの水酸基価は37.3mgKOH/g、総不飽和度は0.011meq/gであった。
【0060】
ポリオールB
ポリオールAの第1段の重合反応で得られた、触媒を含有するポリオキシプロピレンジオール428gを同様の5Lのオートクレーブに移し、分子量を更に高める為に、プロピレンオキシド2478g(42.73mol)を反応時圧力3.8kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で24時間反応させた。次いで同温度で30分間10mmHgに保った。その後、反応器内を乾燥窒素で置換して常圧に戻し、プロピレンオキシドの重合体であるポリオキシプロピレンジオール(ポリオールB)を2807g得た。該ポリオールの水酸基価は18.7mgKOH/g、総不飽和度は0.021meq/gであった。
【0061】
ポリオールC
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した1Lのナスフラスコにグリセリン355g(3.86mol)を秤り取り、これにテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]4+ OH-}を34.97g(0.046mol)加えた。これを100℃に加熱し攪拌しながら、5mmHgに減圧し、さらに乾燥窒素を流通させて生成する水を除去した。過剰のグリセリンとその中に含まれるホスファゼニウム化合物であるグリセリンのモノ{テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウム}塩{[(Me2N)3P=N]4+ Gly-の混合物を得た。
【0062】
この混合物全量を同様の5Lのオートクレーブに仕込んだ。その後反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、プロピレンオキシド3170g(54.66mol)を反応時圧力3.8kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で12時間反応させた。次いで同温度で30分間10mmHgに保った後、乾燥窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷却し、ポリオキシプロピレントリオールが得られた(第1段)。さらに分子量を高めるために、その内容物の一部である691gを、同様の5Lのオートクレーブに移し、反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、さらにプロピレンオキシド3317g(57.19mol)を反応時圧力3.8kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で24時間反応させた。次いで同温度で30分間10mmHgに保った。その後、反応器内を乾燥窒素で置換して常圧に戻した(第2段)。このようにして2段の反応で、水酸基価33.5mgKOH/gのプロピレンオキシドの重合体であるポリオキシプロピレントリオール(ポリオールC)を3876g得た。このものの総不飽和度は0.012meq/gであった。
【0063】
ポリオールD
水酸化カリウム触媒を用いて公知の方法により、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを反応させて、水酸基価37.1mgKOH/g、総不飽和度0.050meq/gのポリオキシプロピレンジオール(ポリオールD)を得た。
【0064】
ポリオールE
水酸化カリウム触媒を用いて公知の方法により、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを反応させて、水酸基価18.9mgKOH/g、総不飽和度0.110meq/gのポリオキシプロピレンジオール(ポリオールE)を得た。
【0065】
ポリオールF
水酸化カリウム触媒を用いて公知の方法により、グリセリンにプロピレンオキシドを反応させて、水酸基価32.2mgKOH/g、総不飽和度0.053meq/gのポリオキシプロピレントリオール(ポリオールF)を得た。
【0066】
[ポリイソシアネートの製造]
イソシアネート液A
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート 1180.2重量部を三井ポリオール MN−5000(三井東圧化学(株)製;水酸化カリウムを触媒として製造された分子量約5000のポリオキシプロピレントリオール) 235.1重量部、ジプロピレングリコール 84.2重量部で変成し、イソシアネート基含有量22.5重量%の変成ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート液A)を得た。
【0067】
イソシアネート液B
2,4−トリレンジイソシアネート 80重量%、2,6−トリレンジイソシアネート 20重量%を含有するトリレンジイソシアネート 206重量部に三井ポリオール ジオール2000(三井東圧化学(株)製;水酸化カリウムを触媒として製造された分子量約2000のポリオキシプロピレンジオール) 503.6重量部、分子量約5000のポリプロピレントリオール 871.1重量部で変性し、イソシアネート基含有量3.52重量%の変成トリレンジイソシアネート(イソシアネート液B)を得た。
【0068】
実施例1
ポリオールA 40重量部、ポリオールC 40重量部、1,4ブタンジオールを10.4重量部、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)を0.01重量部を加え、均一に混合してポリオール液とし、イソシアネート液Aと混合した後脱泡を行い、モールドに注入し、以下の条件でポリウレタンエラストマーを成型した。なお、イソシアネートとイソシアネート反応性基の数との比は1.05となるように調整した。
・液温;ポリオール液,イソシアネート液共に23℃
・型温及びオーブン温度;60℃
この際、得られた製品の脱型時間(注型後脱型可能となるまでの時間)を測定した。また、厚さ12mmのモールドを用いて硬度測定用サンプルを作製し、脱型後3時間、6時間、12時間、24時間、48時間までの23℃,相対湿度60%雰囲気での硬化物の硬度変化をJIS A硬度計にて測定し、硬度発現性を評価した。
更に、厚さ2mmのモールドを用いて物性測定用のシートを作製し、オーブン内にて24時間キュア後、脱型し、23℃、相対湿度60%雰囲気で7日間熟成しJIS−Kの6301に準拠した引張強度、伸び、硬度の測定を行った。
このポリウレタンエラストマーは表1に示す如く、脱型時間3分、3時間後の硬度発現性80、以後6時間後84、12時間後88、24時間後90、48時間後90であり、JIS−Kの6301に準拠した引張強度、伸び、硬度においても良好な値を示した。
【0069】
実施例2
ポリオールA 40重量部、ポリオールF 40重量部、1,4ブタンジオールを10.4重量部、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)を0.01重量部を加え、均一に混合してポリオール液とし、実施例1と同様の方法に従ってポリウレタンエラストマーを成型した。
このポリウレタンエラストマーは表1に示す如く、脱型時間4分、3時間後の硬度発現性76、以後6時間後80、12時間後84、24時間後88、48時間後88であり、JIS−Kの6301に準拠した引張強度、伸び、硬度においても良好な値を示した。
【0070】
実施例3
ポリオールC 40重量部、ポリオールD 40重量部、1,4ブタンジオールを10.4重量部、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)を0.01重量部を加え、均一に混合してポリオール液とし、実施例1と同様の方法に従ってポリウレタンエラストマーを成型した。
このポリウレタンエラストマーは表1に示す如く、脱型時間4分、3時間後の硬度発現性77、以後6時間後81、12時間後86、24時間後89、48時間後89であり、JIS−Kの6301に準拠した引張強度、伸び、硬度においても良好な値を示した。
【0071】
比較例1
ポリオールD 40重量部、ポリオールF 40重量部、1,4ブタンジオールを10.4重量部、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)を0.01重量部を加え、均一に混合してポリオール液とし、実施例1と同様の方法に従ってポリウレタンエラストマーを成型した。
このポリウレタンエラストマーは表1に示す如く、脱型時間5分、3時間後の硬度発現性67、以後6時間後69、12時間後73、24時間後80、48時間後85であり、JIS−Kの6301に準拠した引張強度、伸び、硬度においても実施例1〜3に及ばないものであった。
【0072】
【表1】
Figure 0003755996
【0073】
実施例4
ポリオールB 66.57重量部にジフェニルメタンジアミン 5.3重量部、有機鉛触媒LL−690D(三共有機合成(株)製) 0.05部を加え、均一に混合してポリオール液とし、イソシアネート液B100重量部と均一混合した後脱泡を行い、厚み2mmのオープンモールドに注型し23℃、相対湿度60%雰囲気で7日間熟成し、ポリウレタンエラストマーを成型した。
ポリオール液とイソシアネート液を混合して得られた液の粘度が100000cpsに達するまでの時間を可使時間とし、B8M型回転粘度計を用いて、液温25℃での測定を行った。また、JIS−Kの6301に準拠した引張試験、伸びの測定を行った。
更に、JIS−Aの1415に準拠した100時間、150時間、200時間、250時間の150%伸長時の促進暴露を行い、その表面状態を8倍の拡大鏡を用いて観察した。
このポリウレタンエラストマーは表2に示す如く、可使時間6分、引張強度32.1kg/cm2、伸び480%であり、100時間、150時間、200時間における促進暴露試験では表面状態に何等変化はみられず、250時間において表面に微細なひび割れが発生した。
【0074】
比較例2
ポリオールE 65.87重量部にジフェニルメタンジアミン 5.3重量部、有機鉛触媒LL−690D(三共有機合成(株)製) 0.1部を加え均一に混合してポリオール液とし、実施例4と同様の方法に従ってポリウレタンエラストマーを成型した。
このポリウレタンエラストマーは表2に示す如く、可使時間6分、引張強度18.3kg/cm2、伸び420%であり100時間、150時間における促進暴露試験で表面状態に変化はみられず、200時間において表面にひび割れが発生し、250時間において破断した。
【0075】
【表2】
Figure 0003755996
【0076】
実施例1〜3と比較例1との比較により、本発明のポリウレタンエラストマーは水酸化カリウム系触媒で合成したポリオキシアルキレンポリオールで製造したポリウレタンエラストマーに比較してキュア性が高く、優れた硬度発現性を有し、早期物性発現性に優れることがわかる。
また、本発明によるポリウレタンエラストマーは水酸化カリウム系触媒で合成したポリオキシアルキレンポリオールを用いて製造したポリウレタンエラストマーに比較して早期物性発現性に優れるため、脱型時間が短くて済み、成型性にも優れる。
さらに、JIS−K6301に準拠した引張強度、伸びにおいても優れている。
【0077】
実施例4と比較例2との比較により、少ない触媒添加量で同等の可使時間を得ることができ、キュア性が高く早期物性発現性に優れることがわかる。
また、JIS−K6301に準拠した引張強度、伸びにおいても優れている。
さらに、促進暴露試験において、本発明のウレタンエラストマーは水酸化カリウム系触媒で合成したポリオキシアルキレンポリオールを用いて製造したポリウレタンエラストマーに比較して触媒添加量を制限できるため、促進暴露試験に悪影響を及ばす硬化物中の触媒含有量が少なく、優れた耐促進暴露性能を有する。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマー及びその製造方法において、ポリオキシアルキレンポリオールが、ホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造されたポリオキシアルキレンポリオール、または水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、総不飽和度USV(meq/g)が式(3)USV≦1.2/OHVを満足するポリオキシアルキレンポリオールを使用することにより、早期物性発現性に優れ、かつ機械強度に優れたポリウレタンエラストマーを得ることが出来る。 即ち、従来品と比較して、キュア性が高く、優れた硬度発現性を有し、早期物性発現性に優れ、脱型時間が短くて済み、成型性にも優れる。さらに、少ない触媒添加量で従来と同等の可使時間を得ることができ、かつ促進暴露試験に悪影響を及ばす硬化物中の触媒含有量が少なく、優れた耐促進暴露性能を有する。

Claims (2)

  1. ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーの製造方法であって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化7]、又は一般式(2)[化8]
    Figure 0003755996
    Figure 0003755996
    (但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法
  2. ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンエラストマーの製造方法であって、該ポリオールが、下記一般式(1)[化10]、又は一般式(2)[化11]
    Figure 0003755996
    Figure 0003755996
    (但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールであり、該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化12]を満足するポリオキシアルキレンポリオール
    【化12】
    USV≦1.2/OHV (3)
    を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
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