JP3753719B2 - コンクリート建築物の通気性外断熱外壁 - Google Patents

コンクリート建築物の通気性外断熱外壁 Download PDF

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Description

本発明は、外壁下端の腰水切から外壁上端の笠木まで、外気が外壁断熱複合パネル内を貫通可能としたコンクリート外断熱建築物の外壁に関するものであり、より詳しくは、成形セメント外装板に断熱層を一体化層着し、層着界面に通気層を備えた密着層型の断熱複合パネルを、腰水切及び笠木と共に、コンクリート躯体に取付けた外断熱外壁に関するものであり、建築の技術分野に属するものである。
密着層型の断熱複合パネルをコンクリート躯体に張着して外断熱建築物とする技術は、図13に示す従来例1、及び図14に示す従来例2がある。
従来例1は、非特許文献1及び非特許文献2に開示されたものであり、図13に示す如く、内面に条溝を備え、適所にあと施工アンカー用の孔を配設したセメント板に断熱層を一体化層着した密着層型の外断熱複合パネルの断熱層を、接着剤でコンクリート躯体に接着し、アンカーをセメント板からコンクリート躯体に打ち付けて張着する。
そして、断熱複合パネルの外壁下端は、コンクリート躯体に打込んだ、あと施工アンカーボルトに締着した重量受けアングルで支承すると共に、外壁上端では、コンクリート躯体(パラペット)上端面に笠木取付下地をあと施工アンカーで固定し、笠木を取付下地に係止してパネル上端前面と笠木間、及びコンクリート躯体上面と笠木後端との間をシーリングするものであり、コンクリート建築物を外断熱に改修する技術である。
また、従来例2は、非特許文献3に開示されたものであり、図14に示す如く、GFPC系外装材(厚さ13mmの両面ガラス繊維混入火山礫サンドアッシュフェノール樹脂板)と、断熱材とを接着一体化した密着層型の断熱複合パネル(岩倉化学工業(株)商品名:オーマルYB−R)を外装材とし、外装材には、あと施工アンカー用の孔を適所に配設すると共に、断熱層表面にはだんご状の接着剤を適宜間隔に配設し、だんご状接着剤でパネルの断熱層をコンクリート躯体表面に貼着し、あと施工アンカーを外装材表面からコンクリート躯体へ打ち込んで張着するものである。
そして、複合パネルの外壁下端は、図14(D)に示す如く、コンクリート躯体に取付けたアングル鋼の水切取付下地材を介してアルミ水切を取付け、断熱複合パネル下端と水切との前面隙間にシーリングを施し、断熱複合パネルの外壁上端は、外装材を貼着して断熱層を保護し、その上に防水層を付設し、防水層上にアングル笠木を止着するものであり、コンクリート建築物を外断熱に改修するものである。
株式会社、建築技術発行、「建築技術」2001年2月号第123頁、アキレスKDパネルの項 三菱マテリアル建材(株)のカタログ「メースガイドブックvol.5」の164頁 岩倉化学工業(株)のパンフレット「オーマルYB−R」の後貼施工要領書
既存建物の改修に於いて、従来例1や従来例2の乾式被覆改修外断熱構工法は、既存建物の外壁に取付金物によってパネルを乾式に取付けるもので、既存外壁の仕上材に剥離や剥落の恐れのあるコンクリート建築物や、汚れやデザインの陳腐化したコンクリート建築物の改修に多用されており、新築の外断熱コンクリート建築物と同様に、結露が防止出来て健康的な外断熱コンクリート建物に改修出来、省エネルギー、且つ耐久性のあるコンクリート建物に改修出来る。
しかし、日本建築学会編、「建築工事標準仕様書、同解説(JASS5)鉄筋コンクリート工事」1997年版では、外壁面の不陸は、タイルの圧着張りでは、3mにつき10mm以下、モルタル塗では1mにつき10mm以下、打放しコンクリートでは、3mにつき7mm以下となっているが、建築後15〜20年経過したコンクリート建築物にあっては、建築時の型枠精度等の問題から1mにつき10mm位の不陸の存在は普通である。
従来例1(図13)の乾式被覆改修構工法にあっては、既存建物の外壁のコンクリート躯体表面に断熱複合パネルを面接着するため、コンクリート躯体外面に不陸(面の不平坦)があっても、断熱複合パネルのコンクリート躯体外面に対する前後方向調整が不可能であるため、断熱複合パネルの外壁面もコンクリート躯体の不陸に追従して不陸となる。
従って、外壁面をなるべく面一にするために、断熱複合パネルの張着に先立って、コンクリート躯体外面の突出面を斫る面一化作業が必要であり、斫り作業は作業性が悪く、しかも、コンクリート躯体表面の面一化は困難である。
また、該断熱複合パネルは、当初、該セメント板がコンクリート一体化用型枠として開発され、一体化コンクリートとの付着性向上のために条溝を付設したものであったが、コンクリート建築物に対する外断熱施工への関心の高まりと共に、該セメント板に断熱材を層着一体化して断熱複合パネル(商品名:アキレスKDパネル)とされたものであり、該条溝は、該パネルにあってはセメント板の軽量化の意義しかないものである。
そして、従来例1の断熱複合パネルによる外壁は、重量受けアングルがパネル下端面を面当接で支承していること、及び笠木とパネル上端前面との間、笠木とパラペットとの間にシーリングを施していることからも明らかな如く、内面の条溝群は密閉空気層としての断熱機能を奏するだけであり、密着層型のパネル内に通気層が存在しない。
従って、該パネルの外壁は、セメント板が日射による高温化に伴うヒートストレスにより劣下し、且つ、断熱層とセメント板間には、密着層型外断熱複合パネル特有の界面結露による断熱材の機能低下の問題を有する。
また、従来例2(図14)の乾式被覆改修構工法にあっても、断熱複合パネルのコンクリート躯体表面への張着は、接着剤のだんごを点在配置してパネルを押圧接着するため、だんご状接着剤の押圧変形がコンクリート躯体表面の不陸に若干対応出来るものの、不陸調整寸法が小であるため、やはり、パネルの張着に先立って、コンクリート躯体表面の突出面を斫る作業も必要であり、斫り作業を伴う断熱複合パネルの張着は作業性が悪く、しかも、外壁面の面一化張着は困難である。
そして、該断熱複合パネルは、GFPC系外装材と断熱層との密着層型パネルであるが、該パネル自体は通気層が存在せず、断熱層と外装材間には、密着層型の外断熱複合パネル特有の界面結露を生ずるものである。
本発明は、密着層型の断熱複合パネルでありながら、パネル内通気が可能な外壁となり、しかも、断熱複合パネルのコンクリート躯体表面への張着は、コンクリート躯体表面の不陸に関係なく外壁表面を面一に、且つ、作業性良く施工出来る新規な外壁構造を提供し、しかも、密着層型断熱複合パネルでありながら、外壁下端の腰水切から上下連設パネル内を貫通して上端の笠木への通気も可能となる外壁構造を提供するものであり、上述の如き、従来例1、従来例2の問題点を一挙に解決するものである。
本発明は、例えば、図2に示す如く、内面に条溝aを上下方向に並設したセメント板Paと断熱層Pbとを層着した密着層型の断熱複合パネルPと、図3に示す如き、各水平片と垂直片のアングル形態の、下端一次ファスナー6及び中間一次ファスナー7と、図5に示す如き、各水平片形態の片面に突出片12aを備えた片面二次ファスナー10及び両面に突出片12a,12bを備えた両面二次ファスナー21とを含み、各一次ファスナー6,7は、垂直片をコンクリート躯体Cwの前面Scに固定し、片面二次ファスナー10は外壁の下端又は上端で、両面二次ファスナー21は外壁の上下のパネル接続部d4で、断熱複合パネルP端面のセメント板の条溝aに突出片12a,12bを介して係止すると共に、各二次ファスナー10,21の水平片10F,10F´,21Fを各一次ファスナー6,7の水平片6F,7Fに前後左右位置調整して止着し、該パネル断熱層Pbとコンクリート躯体前面Scとの界面隙間asを閉塞して空気流通を阻止すると共に、該パネルP内の条溝a群の外壁下端から上端までの空気流通Afを保証したものである。
尚、本発明でコンクリート躯体Cwとは、コンクリート基礎からパラペットまでを含むものである。
また、本発明にあっては、コンクリート躯体Cw前面Scに垂直片で強固に固定した一次ファスナー6,7に対し、断熱複合パネルPを、外壁前面が面一となるように、二次ファスナー10,21を前後位置も、左右位置も調整して一次ファスナー6,7に止着するため、コンクリート躯体前面Scの最大突出部とパネルPの断熱層Pbとは当接形態とするが、コンクリート躯体前面Scの不陸に対応した界面隙間asが、大なり小なり各パネルPの内面(断熱層)とコンクリート躯体表面Sc間に生ずる。
しかし、界面隙間asに対しては、図10(A),(B)の如く、上下のパネル断熱層Pb間への現場発泡断熱材9の注入による閉塞によっても、図9(A),(B)の如く、パネル下端面でのシーリング19及び隙間追従シート23による閉塞によっても、図11(A),(B)の如く、パネル上端面へのアスファルトのルーフコーティング9cによる閉塞によっても空気流通阻止が達成されるが、界面隙間asの空気流通阻止は、パネルPの上端又は下端の界面隙間asを閉塞するだけでも良い。
また、各二次ファスナー10,21の一次ファスナー6,7への前後左右位置調整の下での止着は、二次ファスナー10,21を一次ファスナー6,7の水平片上への、摺動形態での載置とするため、前後左右調整が容易であり、一次ファスナーと二次ファスナーの止着は、慣用の、ボルト締着、ねじ止着、溶接等の採用が可能である。
また、二次ファスナー10,21のパネルP上端及び下端の条溝aへの係止は、図10(A)の如く、条溝a内へ嵌入適合した突出片12a,12bをセメント板Pa外面からねじ26で止着しても良く、或いは、条溝aと嵌入突出片12a,12bとの適切な対応断面形状の設定によってパネルPを二次ファスナー10,21に確保しても良い。
勿論、係止状態でパネルPと二次ファスナー10,21とにガタツキが生じる場合は、セメント板Paと二次ファスナー突出片12a,12bとをねじ締着すれば良い。
また、本発明にあっては、断熱複合パネルPは、図2の如く、セメント板Paが少なくとも両側端に断面台形の条溝a1を含む上下方向条溝a1,a2群を備え、断熱層Pbが各条溝a1,a2面上に成形発泡断熱材を積層一体化したものが好ましい。
断面台形の条溝a1は、二次ファスナー10,21の有する断面台形の突出片12bを嵌入するだけで二次ファスナー10,21によるパネルPの係止が達成出来る。
そして、二次ファスナー10,21によるパネルPの係止保持がパネルの左右両端となるため、各パネルPの面一化調整作業も容易となる。
また、本発明にあっては、断熱複合パネルPの断熱層Pbには、図2(A)に示す如く、上端及び内表面上部の全幅に亘って、切欠C1を一次ファスナーの水平片板厚に対応して配置し、且つ、該パネルP両端部では、該切欠C1上に、更に二次ファスナー止着用の切欠C2を配置するのが好ましい。
該切欠C1,C2の付与は、工場等、別の場所での作業となって均質付与が容易であると共に、パネル断熱層Pb上端に配置する一次ファスナー7の水平片及び垂直片が断熱層Pbと面一に配置出来、図11(B)に示す如く、外壁上部施工時の断熱層Pbの切欠C1に対する石綿セメント板等の板材18での後処理等、切欠C1に対する補修作業が均斉、且つ容易に実施出来る。
また、深い部分切欠C2の存在により、二次ファスナー10,21締着ボルトの突出部の受け入れも可能となり、図10(A)、図11(A)の如く、下面に突出する自在ナット金具8を供えた一次ファスナー7の断熱複合パネルPへの配置もスムーズに実施出来、断熱層Pbの欠損が最少に抑制出来ると共に、作業性も向上する。
また、本発明にあっては、一次ファスナー6,7は、図3(A),(B)に示す如く、各水平片6F,7Fに長孔H6,H7を、垂直片6W,7Wにボルト挿入用孔H60,H70を有するアングル鋼材であって、コンクリート躯体前面Scに打込んだアンカーボルト7aに対し、垂直片6W,7Wに配置したアンカーボルト7aの径より大径のボルト挿入用孔H60,H70を介してアンカーボルト7aに位置調整の下でボルト締着するのが好ましい。
この場合、アンカーボルト7aは、コンクリート躯体構築時に、コンクリート躯体に埋設しても良く、既存建物のコンクリート躯体へボルト孔を穿設して、あと施工アンカーボルト7aを打込んでも良い。
従って、本発明は、コンクリート建築物の新築にも、既存コンクリート建築物の外断熱改修にも適用出来る実用性の高い発明である。
また、乾式被覆外断熱構工法でのアンカーボルト7aは、典型的には径10mmのあと施工アンカーボルトであり、オールアンカー(サンコーテクノ(株)商品名)か、ネールアンカー(岡部建材(株)商品名)であって、アンカーボルト7a1本当り890kgfの引張荷重強度を発揮するものである。
そして、垂直片7Wのボルト挿入用孔H70は径が20mm位として、アンカーボルト径10mmより大とするため、アンカーボルト7aに対する一次ファスナー7の上下左右方向の位置調整機能が発揮出来る。
この場合、パネルP1枚当りの荷重は40kg弱であるので、アンカーボルト7aに対する垂直片7Wのボルト締着は、二次ファスナー10の十分な支持強度を発揮する。
また、水平片7Fの長孔H7は、一次ファスナー7上での二次ファスナー10のボルト止着の位置調整に有効である。
また、本発明にあっては、中間一次ファスナー7の水平片7Fが、図3(B)、図4の如く、長孔H7の下面に自在ナット金具8を備え、自在ナット金具8内には、ナット8Aを固定した座金8Bを摺動自在、且つ、共回り不能に保持させるのが好ましい。
この場合、摺動自在のナット8Aは、図4の如く、平面長方形の座金8Bが両側板8Sの規制を受けてナット8Aの共回りを抑制するため、中間一次ファスナー7に対する二次ファスナー10,21の位置調整の下でのボルト締着が可能となり、ナット8Aが自在ナット金具8内に保持されているため、断熱層Pb上面には、図2(A)の切欠C2の如き自在ナット金具8のみの凹欠を施すことにより、パネルPに対して、少ない断熱層欠損で、且つ、きれいに、一次ファスナー7のパネルP上端への取付けが出来る。
また、本発明にあっては、片面二次ファスナー10は、図5(A)の如く、長孔H10を有する水平片10Fの前端片面に断面台形の突出片12aを突出し、外壁下端、又は上端で、断熱複合パネルPの断面台形の条溝a1に二次ファスナー10の突出片12aを係止するのが好ましい。
片面二次ファスナー10は、外壁下端、又は外壁上端でのパネル端面を係止保持するものであるが、この場合、二次ファスナーの突出片12aは、セメント板条溝a1の断面形態と対応形態で係合し、且つ両者間にガタツキの生じない嵌合となるため、二次ファスナー10によるパネル下端、又は上端の係止が合理的に実施出来る。
そして、片面二次ファスナー10の長孔H10を一次ファスナー6,7の長孔H6,H7と交差形態で設ければ、両ファスナー相互の位置調整の下でのボルト締着が合理的に実施出来る。
また、本発明にあっては、両面二次ファスナー21は、図5(B)に示す如く、長孔H21を有する水平片21Fの前端上下面に断面台形の突出片12a,12bを突出し、上下パネル間に配置して、上方及び下方の断熱複合パネルPの断面台形の条溝a1に上下面の突出片12a,12bを係止するのが好ましい。
両面二次ファスナー21は、下方の突出片12aを下方パネル上端のセメント板条溝a1に係止して一次ファスナー7に止着後、上方パネル下端を上方の突出片12bに係合すれば、図10(A)の如く、上下パネル接続部d4での、上下両パネルの断面台形条溝a1と、断面台形突出片12a,12bとにより、ガタツキの生じない係止保持が出来る。
この場合、上方の突出片12bは、図5(B)に示す如く、水平片21F上に配置した目地用の台板21a上に突出配置するのが好ましい。
上方突出片12bが台板21上に存在すれば、上方パネルPのセメント板Paの下端は、図10(A),(B)の如く、リブR(図2)下端の台板21上への載置形態となり、二次ファスナー水平片21Fの厚さに関係なく、台板21によって接続部d4に所定の目地寸法が確保出来、接続部d4からの現場発泡断熱材9の所定の注入施工作業が容易となる。
また、本発明にあっては、各一次ファスナー6,7が、図3(A),(B)の如く、水平片6F,7Fに前後方向の長孔H6,H7を備え、各二次ファスナー10,21が、図5(A),(B)の如く、水平片10F,21Fに左右方向の長孔H10,H21を備え、前後方向長孔H6,H7と左右方向長孔H10,H21を介して二次ファスナー10,21を一次ファスナー6,7上に位置調整してボルト締着するのが好ましい。
断熱複合パネルPの外面を面一とする張設は、コンクリート躯体表面Scの不陸突出の最も大な部分でパネル断熱層Pb表面とコンクリート躯体表面Scとを当接形態とするのが両表面間での界面隙間asの発生を最少に抑えるために必要である。
そして、各一次ファスナー6,7のそれぞれは、必ず垂直片6W,7Wをコンクリート躯体表面Scに当接固定するのが強度保持上必要であり、コンクリート躯体表面Scの不陸対応により、各二次ファスナー10,21それぞれは、パネルPの面一化基準に沿って異なる前後位置調整量が必要となる。
そして、二次ファスナー10,21は、片面の突出片12aか、両面の突出片12a,12bを備えているため、十分な長さの前後長孔の配置は困難であるが、一次ファスナー6,7への前後長孔の配置は、かなり大寸の長孔まで配置可能となり、各二次ファスナー10,21の、それぞれの前後動調整の計測配置を容易にする。
そして、パネルPの面一化配置作業は、作業性からも、不陸対応の前後位置調整の後に、必要量の左右位置微調整をするのが好ましい。
従って、一次ファスナー7の強固な固着、及びパネルPの必要前後動調整の下での面一化配置が合理的に実施出来る。
また、本発明にあっては、図3(A),(B)に示す如く、各長孔H6,H7を左右に設けた各一次ファスナー6,7を、断熱複合パネルPの左右接続部d3(図12)に配置し、各長孔H6,H7に個々に対応した、各二次ファスナー10,21の2個を1個の一次ファスナー6,7上の左右に配置するのが好ましい。
この場合、1個の二次ファスナー10,21が、1枚のパネルPの一端部毎の対応となるため、一次ファスナー上への二次ファスナーの位置決めの自由度が増し、パネルP毎の面一化調整が容易となると共に、各パネルPの二次ファスナー上への載置係合作業も容易となる。
しかも、外壁上端部にあっては、図11(A)、図12(A)の如く、中間一次ファスナー7上に載置止着した各片面二次ファスナー10間で、笠木3係止用のブラケット4を一次ファスナー水平片7Fにねじ26aによって固定出来、ブラケット4の所定位置への取付作業も容易となる。
また、図9(A)に示す如く、外壁下端では、下端一次ファスナー6の水平片6F上面と、断熱複合パネルPの断熱層Pb下面との隙間G1に、隙間追従シート23をコンクリート躯体前面Scに当接形態で配置するのが好ましい。
この場合、隙間追従シート23は、該隙間G1を空密的に閉止出来るものであれば良く、典型的には、断熱性、機密性、防湿性、非吸水性に優れた、幅20mm、厚さ2mmのポリエチレン製形状回復発泡体のソフトロン(積水化学(株)商品名)である。
該ソフトロンは、張着後1日経過でシートが発泡し、下端一次ファスナー6、断熱層Pb下端、及びコンクリート躯体前面Scに当接充填形態で隙間を閉止する。
従って、図9(B)の如く、下端一次ファスナー6の存在しない部所でも、パネル断熱層Pb下端とコンクリート躯体前面Sc間の界面隙間asにシーリング19を施せば、シーリング19と隙間追従シート23とによって、断熱複合パネルPの断熱層Pbとコンクリート躯体Cw間に例え界面隙間asが生じても、外壁下端で完全に閉塞出来、該界面隙間asは、密閉空気層となって空気断熱層としての断熱性を発揮する。
また、パネルPの上下接続部d4では、図10の如く、上下パネルの、断熱層Pb間には条溝aを閉止しないように、現場発泡断熱材9を充填すると共に、セメント板Pa間には、シーリング19を付与するのが好ましい。
この場合、吹付工具としてディスペンサー(日本ヒルティ(株)商品名)に一液性ポリウレタンのフォーム管(容量:750ml)をアダプターを介して取付け、ディスペンサーの吐出調整ノブの調整の下に接続部d4の空隙からウレタンを吐出すれば、セメント板条溝aを閉塞することなく、断熱層Pb間スペースへの適量のウレタン注入が可能である。
そして、接続部d4の内部でのウレタン充填と前部でのシーリング19とにより、接続部d4での断熱機能低下は抑制出来る。
また、本発明にあっては、図9に示す如く、外壁下端では、底板2Dに空気孔H2を備えた腰水切2を、前部上方は前部取付板15を介して二次ファスナー下面に止着し、後部は底板2D後端を後部取付板16を介して一次ファスナー垂直片6Wに止着し、空気孔H2からセメント板条溝a内へ空気流入可能とするのが好ましい。
腰水切2は、前部と後部の2点支持で強固に保持出来ると共に、後部取付板16と底板の止着位置選定により、二次ファスナー10の前後位置調整に伴うパネル下端の前後位置調整にも適切に追従出来、均斉な外観を呈する取付けとなる。
この場合、図9(A)の如く、腰水切底板2Dと後部取付板16とを、アングル形態の化粧板17を挟着して止着すれば、腰水切立下り板2Wと化粧板17の垂直片17Wとの間隔寸法Wbが一定になるように止着出来、且つ、化粧板17が一次ファスナー6の垂直片6W下端を隠蔽出来るため、腰水切2下端の均斉、且つ、きれいな仕上げに有利である。
更に、化粧板垂直片17Wとコンクリート躯体前面Scとの間にシーリング19を付与することにより、腰水切2内部への空気の流出入は、底板2Dの空気孔H2とセメント板条溝aのみとなり、断熱複合パネルP内への空気孔H2からの上昇空気流がスムーズに発生する。
また、本発明にあっては、外壁上端では、図11に示す如く、アングル形態の笠木3の前部を、パネルPの上端部に止着したブラケット4で係止し、該笠木3の後部をコンクリート躯体上端面Fcに止着し、コンクリート躯体上端面の防水層9a前端からパネル上端面に亘ってルーフコーティング9cを配置するのが好ましい。
ルーフコーティング9cは、典型的にはアスファルトであり、ルーフコーティング9cは屋上防水層9aの端末処理と共に、コンクリート躯体前面Scとパネル断熱層Pb間の界面隙間asも閉塞し、コンクリート躯体前面Scに対する断熱層Pbの断熱機能低下を防止する。
また、本発明にあっては、断熱複合パネルPの左右接続部d3では、図12に示す如く、断熱層Pb相互の当接界面Bbをセメント板Pa面上とし、セメント板Pa間の接続部d3間隔に目地シーリングするのが好ましい。
この場合、図2(B)に示す如く、セメント板Paの幅W0(490mm)より断熱層Pbの幅W1(500mm)を目地幅となる分だけ大とし、セメント板Paと断熱層Pbとを、断熱層Pbが一側縁PLではd1(10mm)入り込み、他側縁PRではd2(20mm)突出する形態に層着しておけば、左右パネルの断熱層Pbを衝合当接するだけで、図12(C)の如く、接続部d3では、断熱層Pbの当接界面Bbがセメント板PaのリブR1面上となり、両側のセメント板Pa間には、d2(20mm)−d1(10mm)の目地d3(10mm)が形成出来る。
そして、目地d3には、慣用のシーリング19を施すことにより外部空気の断熱層Pb上への侵入が阻止出来、例え、目地d3から断熱層Pb面上に空気が侵入しても、断熱層Pbの当接界面Bbへの到達が抑制出来、外部空気の当接界面Bbを経由したコンクリート躯体表面Scへの侵入が防止出来る。
従って、パネルPの左右接続部d3でのパネル断熱層Pbのコンクリート躯体前面Scに対する断熱機能低下は阻止出来る。
本発明は、コンクリート躯体前面Scに張設する断熱複合パネルPが二次ファスナー10,21に係止され、且つ、各二次ファスナー10,21が、コンクリート躯体前面Scに固定した各一次ファスナー6,7に対して前後左右の位置調整の下に止着出来るため、コンクリート躯体前面Scの不陸の有無に関わりなく、接続並設する各断熱複合パネルP群の外面、即ち、各セメント板Pa表面、の面一で均斉な取付けが可能となる。
しかも、各パネルPを面一に張設したために生ずるパネル断熱層Pbとコンクリート躯体表面Scとの間に生ずる界面隙間asも、空気流通を阻止したために、該隙間as内の空気層は、流通しない密閉空気層となって空気断熱層の機能を奏し、パネル断熱層Pbと共に、コンクリート躯体Cwに対する外断熱機能を奏する。
そして、一次ファスナー6,7は、コンクリート躯体Cwへのアンカーボルト7aによる強固な固定であれば良いため、アンカーボルト7aは、コンクリート躯体構築時の埋設でも、既存コンクリート躯体Cwへのあと施工での打込みでも可能であり、本発明は、新築建物にも、既存建物の乾式被覆改修外断熱構工法にも好適に適用出来る。
更に、断熱複合パネルPは、密着層型でありながら条溝a群を介したパネルP内の空気流通Afを保証したため、セメント板Paと断熱層Pbとの界面が条溝a群によって下方から上方への通気層となり、従来の密着層型パネル特有のセメント板等の外装材と断熱層との界面での結露を生ずる問題が解決出来る。
従って、断熱層Pbの吸湿による断熱機能低下が阻止出来ると共に、条溝aでの通気によるセメント板Paの日射による高温化も抑制出来て、セメント板Paの耐用時のヒートストレスによる劣下も抑制出来、長期に亘る均質な外断熱機能、及び耐久性を備えた外壁の提供を可能にする。
更に、コンクリート躯体前面Scに当接固定した各一次ファスナー6,7に対して、各二次ファスナー10,21を前後左右位置調整して止着し、各二次ファスナー10,21の突出片12a,12bでのセメント板Paの条溝aへの係合によって断熱複合パネルPを二次ファスナーに係合するため、各パネルPの位置調整の下での張設作業が容易であり、パネルP群の面一化配置作業がコンクリート躯体Cwの前面Scの不陸に関わりなく容易に実施出来る。
また、各一次ファスナー6,7は、アングル形態の鋼材の垂直片6W,7Wの大径のボルト挿入用孔H60,H70を、コンクリート躯体Cwに打込んだ小径のアンカーボルトに嵌合して強固に固定するため、一次ファスナー6,7のコンクリート躯体Cwの表面Scに対する上下左右の位置調整の下での固着が出来、パネルPの張設は、コンクリート躯体Cwの前後左右方向不陸のみならず、上下方向不陸にも対処可能となる。
従って、本発明は、コンクリート躯体前面Scの、不陸の特に多い既存コンクリート建築物の外断熱への改修施工に、特に有効である。
また、中間一次ファスナー7は、水平片7F下面にナット8Aを固定した座金8Bを、摺動自在に保持した自在ナット金具8を有するため、中間一次ファスナー7上での各二次ファスナー10,21の位置調整摺動が、仮止め状態でのボルト13aの自在ナット金具8内での座金8Bの摺動となり、微調整摺動が断熱層Pbを損傷することなくスムーズに実施出来る。
また、各二次ファスナー10,21は、断面台形の突出片12a,12bを、パネルセメント板Paの断面台形の条溝a1内に嵌入係止するため、二次ファスナー10,21による断熱複合パネルPの上端及び下端の係止保持作業が容易となる。
また、各二次ファスナーの各一次ファスナー上での前後左右位置調整は、一次ファスナー6,7の前後方向長孔H6,H7と、二次ファスナー10,21の左右方向長孔H10,H21とに、ボルト13aを挿通して自在ナット金具8内のナット8Aに仮止めして実施するため、パネル断熱層Pbに支障を生ずることなくスムーズに実施出来、自在ナット金具8を収納する断熱層Pb上の切欠C2も、断熱層Pbの内表面からの自在ナット金具8の幅に対応する細幅の切欠と出来、切欠C2の形成も、断熱層Pbの欠損の最少限の下に容易に出来る。
また、1個の一次ファスナーに対して2個の二次ファスナーを分割形態で配置するため、各パネルPのそれぞれが端部で位置調整可能となり、各パネルP群の位置微調整の下での取付作業が容易となって、パネルの適正配置に有利である。
しかも、笠木3係止用のブラケット4も、片面二次ファスナー10間で一次ファスナーに取付可能となり、ブラケット4の取付合理化と、ブラケット4の等間隔配置による笠木3の均斉な保持が可能となる。
〔断熱複合パネル(図2)〕
図2(A)は、パネルPの一部切欠斜視図であり、図2(B)は、(A)のB−B線断面図であり、(C)は(B)の部分拡大図である。
断熱複合パネルPは、セメント、硅酸質原料、及び繊維質原料を混合して押出成形し、オートクレーブ養生した押出成形セメント板Paと、75mm厚の押出法ポリスチレンフォーム断熱材Pbとの接着一体化積層物である。
セメント板Paは、図2(B)の如く、厚さT1が25mm、幅W0が490mmで内面に深さ13mmの条溝a群をリブR(R1,R2)間で上下方向に並設したものであり、条溝a群のうち、両端及び中央の一対の条溝a1は、一方が60°、他方が80°に傾斜した台形断面であり、他の条溝a2は、典型的には矩形断面である。
そして、台形条溝a1と隣接条溝a2との境界のリブR2には、両条溝a1,a2を連通させる横断溝(図示せず)を、セメント板Paの上端及び下端から、50mm位の位置、即ち、二次ファスナー突出片12a,12bの突入長さ(30mm)、プラス20mm前後の位置に配置しておく。
中央に台形条溝a1を2個一対で配置したのは、セメント板Paを中央のリブR上で幅方向2分割して1/2幅サイズでの使用を可能にするためである。
断熱層Pbは、幅W1がセメント板幅W0(490mm)より10mm大な500mmの発泡成形断熱材であり、セメント板Paと断熱材Pbとの接着は、図2(B)の如く、断熱材Pbをセメント板Paの条溝配置面のリブR頂面上に、条溝aをふさがないように、且つ、一方では段差d1(10mm)入り込み、他方では段差d2(20mm)突出した形態に接着剤で一体化する。
また、パネルPの上端では、断熱層Pbは、全幅に亘り一次ファスナー水平片6F,7F載置用の切欠C1を付与し、両端のセメント板台形条溝a1対応位置では自在ナット金具8(図4)嵌入用の切欠C2を付与する。
尚、断熱複合パネルPの長さL0は、各適用建物の階高に応じて設定する。
〔下端一次ファスナー(図3(A))〕
断熱複合パネルPで構築する外壁の下端に採用するものである。
図3(A)に示す如く、下端一次ファスナー6は、長さL6が210mm、厚さが6mmで幅W6が65mmの等辺山形鋼であり、水平片6Fには両端6Sから40mmの位置に幅12mm、長さ30mmの前後方向長孔H6の一対を穿設し、垂直片6W中央部には、径10mmのアンカーボルト7aを位置調整可能に締着するための、径20mmのボルト挿入用の孔H60を穿設する。
〔中間一次ファスナー(図3(B)、図4)〕
外壁のパネル上下接続部、及び外壁の上端に採用するものである。
図3(B)は、中間一次ファスナー7の斜視図であり、図4(A)は上面図、図4(B)は側面図、図4(C)は背面図である。
該中間一次ファスナー7は、下端一次ファスナー6同等の長さL7(210mm)、厚さ6mm、幅W7(65mm)の等辺山形鋼であって、下端一次ファスナー6と同等の前後方向長孔H7の一対を配置し、更に、図4の如く、水平片7Fの各長孔H7の下面には自在ナット金具8を配置する。
自在ナット金具8は、図4に示す如く、1.6mm厚の鋼製であって、幅L8が36mmの底板8Eと、高さh8が20mmの両側板8Sから成り、側板8Sの上部には突起片8Mを突出長5mmで側板全長に亘って内方に突設し、一次ファスナー水平片7Fの下面と突起片8Mの間に、幅4mm、深さ5mmの係合溝8Gを形成したものである。
そして、係合溝8Gには、3mm厚で幅WWが20mmで長さWLが30mmの短形の座金8Bを、両側の突起片8Mに載置形態で摺動自在に嵌合し、該座金8B下面には、径10mmのボルト13a締着用のナット8A(外径18mm、高さ8mm)を固着一体化し、水平片7Fの上方から長孔H7を介して挿通するボルト13aを、自在ナット金具8内での座金8Bによって共回りの抑制されたナット8Aに対してボルト締着を可能に構成する。
〔片面二次ファスナー(図5(A))〕
片面二次ファスナー10は、水平片10Fの片面でのみ、パネル条溝aを係止するものであり、パネル外壁の最下端では突出片12aを上面にし、最上端では突出片12aを下面にして使用するものである。
図5(A)に示す如く、片面二次ファスナー10は、厚さが6mm、幅(W10)が65mm、長さL10が80mmの平鋼の水平片10Fに、中央部で後端10eより17mmの位置に、幅が12mm、長さが30mmの左右方向長孔H10を穿設し、水平片10Fの前端下面中央部には、セメント板の台形条溝a1に嵌合させるための、鋼製の2.3mm厚で高さh12が30mm、長さL12が30mm、幅W12が12mmの頂面視台形状で、前面を面板12Pで閉塞した箱形状の突出片12aを溶接一体化する。
この場合、突出片12a基端周囲に溶接による盛り上がり肉が発生しないように、突出片12aの基板に溶接用孔を穿設して水平片10F下面と溶接する。
〔両面二次ファスナー(図5(B))〕
両面二次ファスナー21は、パネルセメント板Paの条溝aへの嵌入用突出片を上下両面に備え、上下パネル接続部d4で中間一次ファスナー7と共に用いるものであり、片面二次ファスナー10に於て、突出片12aと同一の付加突出片12bを、突出片12aと反対面の同一位置に配置したものである。
そして、両面二次ファスナー21は、パネルPの上下接続部に配置するため、付加突出片12bは、図5(B)の如く、水平片21F上に、パネル上下接続部d4高さh21形成用の前面板21h及び台板21aを備えたアングル鋼材L形片を、両側の補強片21cを介して強固に溶接固定し、該L形片の水平部の台板21a上に付加突出片12bを溶接固定する。
〔腰水切金具(図7)〕
図7(A)は腰水切2の斜視図であり、図7(B)は腰水切2の(A)図B−B線断面図であり、図7(C)は前部取付板15の斜視図であり、図7(D)は後部取付板16の斜視図であり、図7(E)は化粧板17の斜視図である。
図7(A),(B)に示す如く、腰水切2は、長尺物(標準:4,000mm)であって、断面形状は、高さh2´が15mmの立上り板2Bと幅W2´が32mmで勾配高さ5mmの傾斜天板2Uと、高さh2が15mmの立下り板2Wと、立下り板2Wの下端に5mmの水切片2Cを残した位置から後方に、幅W2が95mmの底板2Dを備えたものであり、底板2Dには、長さ方向50mm間隔で前後一対の空気孔H2を穿設する。
前部の取付板15、化粧板17は、共に長尺物(標準4000mm)であり、前部取付板15は、1.6mm厚の鋼板の山形(直角)折曲材であって、水平片15Fの幅W15が15mm、垂直片15Wの高さh15が20mmである。
後部取付板16は、1.6mm厚の鋼板の山形折曲材であって、水平辺16Fの幅W16が40mmで、垂直片16Wの高さh16が20mmであり、アンカーボルト6aの各締着座金6bに干渉しないサイズの短尺物とする。
また、一次ファスナー6の垂直片6Fを隠蔽するための化粧板17は、1.5mm厚の山形状のアルミ押出成形品であり、水平片17Fの幅W17が40mmで、垂直片17Wの高さh17が30mmである。
〔笠木金具(図8)〕
笠木金具は、笠木3と、笠木取付用のブラケット4とから成り、図8(A)は笠木3の斜視図であり、図8(B)は図8(A)のB−B断面図であり、図8(C)はブラケット4の斜視図である。
笠木3は、外壁上端の複合パネルPの上端辺Ptの上部に配置して、屋上パラペットや屋上床のコンクリート躯体の防水層端部を処理すると共に、外壁と屋上との見切りの効用、及び外壁パネルPの通気層aからの空気流出を保証するものである。
笠木3は、一般厚が2mmのアルミ製で、標準4000mm長の直線部材であり、總幅L3が170mmであって、前端の立下り板3Fの高さh3が45mm、立下り板上端から後方に延びる天端水平板3Uの幅d30が120mm、天端水平板3Uの後端から10mmの位置から高さh30が18mmの立上り片3Bと、立上り片3B下端から後方に幅d31が60mmの底板3Dを備え、前端の立下り板3Fには、下端の7mm幅で斜角45°の水切機能を備えたアンカー片3F´と、アンカー片基部から後方に5mm幅で水平突出し、上昇雨水の水切機能及び立下り板3F補強機能を備えた突起3M´と、天端水平板3Uの前端下面に3.5mm幅の係合溝3Gを形成した5mm幅の後方への突起3Mとを突設する。
また、ブラケット4は、3mm厚のアルミ製の板金屈曲片であって、図8(C)の如く、上段水平片4Uの長さLuが23mm、垂直片4Wの高さh4が25mm、底板4Dの長さLdが52mm、幅W4が40mmの直角屈曲形態物である。
〔外壁の構築〕
本発明を、乾式被覆改修外断熱構工法に適用する。
〔外壁下部の構築(図1、図9)〕
外壁下端でのパネル取付けには下端一次ファスナー6と片面二次ファスナー10とを用いる。
まず、既存建築物のコンクリート躯体Cwに基準墨によりマーク付けし、コンクリート躯体のパネル側端の対応位置に径10.5mmの孔を穿孔し、径10mmのあと施工アンカーボルト7a(サンコーテクノ(株)商品名:オールアンカー、岡部建材(株)商品名:ネールアンカー等)を挿入し、あと施工アンカーボルト7aの径中央の芯棒をハンマーで打込んで、あと施工アンカーボルト先端がコンクリート内で開いた状態とし、アンカーボルト7a1本当り890kgfの引張荷重強度を付与する。
次いで、図9(A)の如く、下端一次ファスナー6の垂直片6Wのボルト挿入用孔H60(孔径:20mm)をアンカーボルト7aの突出部に嵌合し、径12mmのボルト用孔を有する座金7bを介してナット7cを強固に締着する。
この場合、該一次ファスナーの孔H60は径が20mmであり、アンカーボルト径が10mmであるので、アンカーボルト7aと下端一次ファスナー6とを、上下左右の必要位置調整の下に強固に締着する。
パネル1枚当りの負荷重量は45kg前後であり、下端一次ファスナー6は、各パネルPの側端部位置、即ち、接続目地d3(図1)の位置に配置するので、各パネルPの適正支持が可能となる。
次いで、固定された1個の下端一次ファスナー6の水平片6F上に2個の片面二次ファスナー水平片10Fを突出片12aを上方へ突出させた形態で載置し、各片面二次ファスナー10のボルト挿入用孔H10を下端一次ファスナー6のボルト挿入用孔H6と重ねて、径10mmのボルト13aを座金を介して挿通し、各二次ファスナー10を前後方向長孔H6、左右方向長孔H10によって位置調整して下方の座金14bを介したナット14aによって強固に締着する。
そして、図9(A)の如く、下端一次ファスナー水平片6F後方に、且つ、コンクリート躯体Cw前面Scに当接して、幅20mmで2mm厚の隙間追従シート23(積水化学工業(株)商品名:ソフトロン)を載置し、外壁下端に並設する両側の断熱複合パネルPの両端の断面台形条溝a1を、二次ファスナー上方突出片12aに嵌合し、片面二次ファスナー水平片10Fで、両側のパネルPのセメント板Pa下端面を支承する。
そして、片面二次ファスナー10の上方突出片12aとセメント板Paとの係合にガタツキが生じた場合は、上方突出片12aの面板12Pとセメント板Paとをねじ26で止着する。
尚、パネル断熱層Pbの下端には、ボルト13a及び座金13bを嵌入させるための凹部(図示せず)を予め形成しておく。
断熱複合パネルPの片面二次ファスナー10上への載置係止後、下端一次ファスナー6の存在しない領域で、図9(B)の如く、パネル断熱層Pb下端と、コンクリート躯体前面Scとの間に界面隙間asが生じた場合は、バックアップ材19´を介してシーリング19を施し、界面隙間asが生じないか、小さな場合は、断熱層Pb下端とコンクリート躯体前面Scとの境界部に慣用のシーリング(図示せず)を施し、パネル断熱層Pb下端と、コンクリート躯体前面Scとの界面隙間asへの空気侵入を閉止する。
次いで、図9(A)の如く、前部取付板15の水平片15Fを、片面二次ファスナー水平片10F前端下面に、短尺物の後部取付板16の垂直片16Wを、下端一次ファスナー垂直片6W間で、各座金7bに干渉しないように当接して溶接し、腰水切立上り板2Bは、前部取付板垂直片15W前面に、腰水切底板2Dの後部は、化粧板17の水平片17Fを狭持した形態で後部取付板水平片16Fに、それぞれねじSで止着する。
尚、底板2Dと水平片16Fとのねじ止着に先立って、化粧板水平片17Fを、底板2D上面に、水切片2Cと化粧板垂直片17Wとの幅寸法Wbを一定にして予め接着しておく。
また、化粧板垂直片17Wと、コンクリート躯体前面Scとの隙間G2には、バックアップ材19´を介してシーリング19を施す。
また、腰水切2の立上り板2B前面に於て、パネルセメント板Pa下端と腰水切傾斜天板2Uとの間にも、バックアップ材19´を介してシーリング19を施す。
〔上下パネルの接続(図10)〕
また、下方断熱複合パネルPの上端と上方断熱複合パネルPの下端との連結は、図4に示す如き、水平片7F下面に、ナット摺動用の自在ナット金具8を備えた中間一次ファスナー7と、水平片21の上下に突出片12a,12bを、且つ、上方突出片12bは接続目地d4形成用の支持台21a上に配置した両面二次ファスナー21とを用い、中間一次ファスナー7をアンカーボルト7aでコンクリート躯体Cwの前面Scに締着し、両面二次ファスナー21の下方突出片12aを下方のパネルの条溝a1の上端に係止した後、該二次ファスナー21の左右長孔H21と該一次ファスナー7の前後長孔H7とを介して両面二次ファスナー21を中間一次ファスナー7に位置調整して固定し、次いで、上側パネルPの下端の条溝a1を二次ファスナー21の上方突出片12bに係止すれば、上下パネル接合が達成出来る。
また、上下接続部d4には、一液性ポリウレタンフォーム管(容量:750ml)をアダプターを介して取付けたディスペンサー(日本ヒルティ(株)商品名)で、吐出量調整ノブでの調整の下に、接続部d4の隙間からゲル状のウレタンを吐出し、セメント板条溝a群を閉塞しないように、且つ、両面二次ファスナー21の裏側にもウレタンが回り込むように充填して発泡させる。
ゲル状ウレタンは、空気にさらされると即発泡するため、界面隙間as内への流下は支障ない程度である。
そして、接続部d4には、上下パネル条溝a1間に、両側板20S及び仕切板20Wを備えたバッカー20(宇部日東化学(株)商品名:ダンプレート)を、ゲル状ウレタン注入後に介装し、前面にバックアップ材19´を介してシーリング19で目地を閉塞する。
〔外壁上部の構築(図1、図11)〕
外壁上端でのパネル取付けには、中間一次ファスナー7と片面二次ファスナー10とを用いる。
図11(A)に示す如く、アンカーボルト7aをコンクリート躯体Cwに打込み、下面に自在ナット金具8を備えた中間一次ファスナー7の垂直片7Wのボルト挿入用孔H70(孔径:20mm)を、外径10mmのアンカーボルト7aの突出部に嵌合し、中間一次ファスナー7の位置を微調整して径12mmのボルト用孔を有する座金7bを介してナット7cを強固に締着する。
次いで、固定された中間一次ファスナー7の水平片7Fの一方の長孔H7上に、パネルP一側端の条溝a1に下方突出片12aを係止した片面二次ファスナー10の水平片10Fを載置し、両ファスナー7,10のボルト挿入用孔H7,H10を重ね、径10mmのボルト13aを、座金13bを介して中間一次ファスナー7下面の自在ナット金具8内のナット8Aに挿通仮止めし、片面二次ファスナー10を前後方向長孔H7、左右方向長孔H10によって位置調整した後、ボルト13aを一体化座金8Bで回動の制限されたナット8Aに強固に締着する。
同様に、他方のパネル他端の条溝a1に係止した二次ファスナー10を一次ファスナー7の他方の長孔H7にボルト締着し、図12(A)の如く、パネル接続部d3上に配置した1個の一次ファスナー7上には、各パネルP端の上面を係止した二次ファスナー10の2個を締着する。
そして、図11(B)の如く、中間一次ファスナー水平片7F間の断熱層切欠C1には、該一次ファスナー水平片7Fと等厚の石綿セメント板18(JISA5403石綿スレート)を接着して断熱層Pb上面の切欠C1を補修する。
次いで、図11(A)、図12(A)に示す如く、一次ファスナー水平片7F上の両側の二次ファスナー10間には、所定位置にブラケット4の底板4Dをドリルスクリュー(サンコーテクノ(株)商品名)等のねじ26aで一次ファスナー水平片7Fに締着し、ブラケット4を各パネル間隔で配置する。
また、コンクリート躯体上端前面では、既存防水層9a前縁からパネルP上端後部に亘り、アスファルトのルーフコーティング9Cを付与して、図11(A),(B)の如く、コンクリート躯体前面Scとパネル断熱層Pb間の界面隙間asを閉止する。
この場合、界面隙間asの大な部所は、必要に応じてバックアップ材19´を充填してルーフコーティング9cを施工する。
また、必要に応じて、セメント板Paを、ねじ26によって二次ファスナー突出片12bの面板12Pに止着する。
次いで、笠木3は、図11(A)の如く、中間一次ファスナー水平片7F上に固定したブラケット4の水平片4U先端に、天端水平板3U下面前端の係合溝3Gを嵌合係止し、後方に延出した底板3D後部を既存防水層9a上からコンクリート躯体(パラペット)Cw上端面Fcにねじ26bで固定する。
この場合、既存防水層9a上が不陸であれば、必要に応じて底板3Dと防水層9a間にパッキンを介在する。
また、笠木底板3D上には新規防水層9bを立上り片3Bと当接形態で張設し、防水層9bと天端水平板3Uの下面との間にはシーリング19を施す。
尚、図12に示す如く、外壁の下端から上端までの各断熱複合パネルPは、従来例1、2同様に上下方向中間で、且つ、両側端部適所をあと施工アンカー24でセメント板Paをコンクリート躯体Cwに打ち付ける。
この場合、各パネルPの左右両側面は、図2(B)の如く、セメント板Paに対して断熱層Pbが一側PLではd1(10mm)入り込み、他側PRではd2(20mm)突出しているため、パネル左右接続部d3では、図12(C)の如く、両側パネルの断熱層Pb当接界面Bbがセメント板Pa面で閉止出来、且つ、目地d3にバックアップ材19´を介してシーリング19を充填することにより、目地d3→断熱層Pb→コンクリート躯体への空気の流入が完全に防止出来、パネルPの接続部d3での断熱機能低下が抑制出来る。
以上の如く、断熱複合パネルP群をコンクリート躯体前面Scに取付けた外断熱外壁にあっては、パネルPの左右並列接続部d3では、断熱層Pbの当接界面Bbがセメント板Pa面で閉止されて当接界面Bbへの空気侵入が完全阻止され、接続部d3での断熱機能低下が阻止出来、また、パネルPの上下の連結もパネル断熱層Pbとコンクリート躯体前面Scとの界面隙間asが、下端では隙間追従シート23及びシーリング19で、中間のパネル上下接続部d4では現場発泡断熱材9で、上端ではアスファルトのルーフコーティング9cで閉止されて界面隙間as内は密閉空気層として断熱機能を発揮するため、断熱複合パネルPを備えた外壁は、設計値どおりの外断熱機能を発揮する。
そして、上下接続部d4では、下方パネル条溝aから上方パネル条溝aへの空気流通が可能であるため、断熱複合パネルPを張設した外壁は、下端の腰水切2から上端の笠木3を介した外方への空気流通Afが保証される。
また、各一次ファスナー6,7は、全てコンクリート躯体Cwの前面Scに当接固定するため、アンカーボルト7aによって強固に固定出来、各パネルPは、コンクリート躯体前面Scの不陸突出最大部位を基準とし、コンクリート躯体表面Scの不陸凹部では、パネルPとコンクリート躯体表面Sc間に界面隙間asを形成しながら面一に張設するため、建築後15〜20年経過した、コンクリート躯体表面に1mにつき10mm以上の不陸の存在するコンクリート建物であっても、外壁面、即ちパネルセメント板Pa表面がきれいに面一化された高性能外断熱コンクリート建築物に改修出来る。
〔その他〕
図6(A)の二次ファスナー10´は片面二次ファスナー10の変形タイプであり、図6(B)の二次ファスナー21´は両面二次ファスナー21の変形タイプである。
即ち、水平片10F´,21F´を寸法L10´,L20´のみ、一次ファスナー6,7の長さ寸法L6,L7と同一又は近似寸法とし、1枚の水平片10F´,21F´に左右一対の突出片を配置したものである。
該変形例の二次ファスナー10´,21´は、コンクリート躯体表面Scの不陸の少ない建物の改修に採用すれば、作業性良くパネル張設が出来る。
また、上下パネル接続部d4で、界面隙間asが大きい場合は、両面二次ファスナー21への上方パネルPの係合載置に先立って、中間一次ファスナー7上、及び各中間一次ファスナー7間の断熱層Pb上に、隙間追従シート23やバックアップ材等を、コンクリート躯体前面Scに当接形態で配置しておけば、その後の現場発泡断熱材9の注入充填が合理的に実施出来る。
また、セメント板の条溝aを全て均一断面の矩形としておき、側端の二次ファスナー突出片を嵌入する条溝aにのみ、上下端でリブR間を鉄片で閉止すれば、嵌入係合用の二次ファスナーの突出片12a,12bも断面矩形と出来、セメントパネルPaの成形も、二次ファスナー10,21の突出片製作も合理化出来る。
本発明は、コンクリート建築物の新築時には、アンカーボルト7aをコンクリート躯体Cw前面に、コンクリート打設時に埋設すれば、打設コンクリート躯体Cwの前面Scに不陸が生じても、簡単、且つ合理的に断熱複合パネルPの面一張着が出来、コンクリート建物の新築に適用出来るが、建築後15年以上経過した、既存コンクリート建築物にあっては、コンクリート躯体外面に、1mにつき10mm位の不陸が普通であるため、既存コンクリート建築物を乾式被覆改修で外断熱建築物に更生するために適用すれば、特に有効である。
従って、本発明は、特に、コンクリート建築物の改修に極めて有利な、実用性の高い発明である。
本発明外壁の一部切欠斜視図である。 本発明に用いるパネルの説明図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)の部分拡大図である。 本発明一次ファスナーの説明図であって、(A)は下端一次ファスナーの斜視図、(B)は中間一次ファスナーの斜視図である。 中間一次ファスナーの説明図であって、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。 本発明二次ファスナー説明図であって、(A)は片面二次ファスナーの斜視図、(B)は両面二次ファスナーの斜視図である。 変形例図であって、(A)は片面二次ファスナーの変形例斜視図、(B)は両面二次ファスナーの変形例斜視図である。 本発明の腰水切金具の説明図であって、(A)は腰水切斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は前部取付板斜視図、(D)は後部取付板斜視図、(E)は化粧板斜視図である。 本発明の笠木金具説明図であって、(A)は笠木の斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)はブラケットの斜視図である。 本発明外壁の下端部の断面図であって、(A)はパネル係止部を、(B)はパネル係止部以外の部分を示す図である。 本発明外壁のパネル上下接続部の説明図であって、(A)はパネル係止部断面を、(B)はパネル係止部以外の部分の断面を示す図であり、(C)はバッカー材の斜視図である。 本発明外壁の上端部の断面図であって、(A)はパネル係止部を、(B)はパネル係止部以外の部分を示す図である。 本発明外壁のパネル左右接続部説明図であって、(A)は外壁上端での中間一次ファスナー、片面二次ファスナーの配置関係を示す図であり、(B)はパネル中間部でのあと施工アンカーを示す図であり、(C)は(B)のC部拡大図である。 従来例1の説明図であって、(A)は外壁横断面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は外壁上部断面図、(D)は外壁下部断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は外壁横断面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は外壁上部断面図、(D)は外壁下部断面図である。
符号の説明
2 腰水切
2B 立上り板
2C 水切片
2D 底板
2U 傾斜天板
2W 立下り板
3 笠木
3B 立上り片
3D,4D 底板(下段水平板)
3F 立下り板
3F´ アンカー片
3G,8G 係合溝
3M,3M´ 突起
3U 天端水平板
4 ブラケット
4U 上段水平片(水平片)
6 下端一次ファスナー(一次ファスナー)
7 中間一次ファスナー(一次ファスナー)
7a アンカーボルト(あと施工アンカーボルト)
7b,8B,13b,14b 座金
7c,8A,14a ナット
6F,7F,10F,10F´,15F,16F,17F,21F,21F´ 水平片
7S,10S,21S 側端
4W,6W,7W,15W,16W,17W 垂直片
8 自在ナット金具
8E 底板
8M 突起片
8S 側板
9 現場発泡断熱材
9a 既存防水層
9b 防水層(新規防水層)
9c ルーフコーティング
10,10´ 片面二次ファスナー(二次ファスナー)
21,21´ 両面二次ファスナー(二次ファスナー)
12a 突出片
12b 付加突出片(突出片)
12P 面板
13a ボルト
15 前部取付板
16 後部取付板
17 化粧板
18 石綿セメント板(板材)
19 シーリング
19´ バックアップ材
20 バッカー
20S 側板
20W 仕切板
21a 台板
21b 前面板
21c 補強片
24 あと施工アンカー
26,26a,26b,S ねじ
a,a1,a2 条溝(通気層)
as 界面隙間(密閉空気層)
Af 空気流通(空気流)
Bb 当接界面(断熱層界面)
C1,C2 切欠
Cw コンクリート躯体
d1,d2 段差
d3,d4 接続部(接続目地、目地)
Fc コンクリート躯体上端面(上端面)
H2 空気孔
H6,H7 長孔(ボルト挿入用孔)
H60,H70 ボルト挿入用孔(ボルト孔)
P 断熱複合パネル(パネル)
Pa セメント板
Pb 断熱層(断熱板、断熱材)
PL 左端面
PR 右端面
Pt 上端面
R(R1,R2) リブ
Sc 前面(コンクリート躯体前面)

Claims (15)

  1. 内面に条溝(a)を上下方向に並設したセメント板(Pa)と断熱層(Pb)とを層着した密着層型の断熱複合パネル(P)と、各水平片と垂直片のアングル形態の、下端一次ファスナー(6)及び中間一次ファスナー(7)と、各水平片形態の片面に突出片(12a)を備えた片面二次ファスナー(10)及び両面に突出片(12a,12b)を備えた両面二次ファスナー(21)とを含み、各一次ファスナー(6,7)は、垂直片をコンクリート躯体(Cw)の前面(Sc)に固定し、片面二次ファスナー(10)は外壁の下端又は上端で、両面二次ファスナー(21)は外壁の上下のパネル接続部(d4)で、断熱複合パネル(P)端面のセメント板の条溝(a)に突出片(12a,12b)を介して係止すると共に、各二次ファスナー(10,21)の水平片(10F,10F´,21F)を各一次ファスナー(6,7)の水平片(6F,7F)に前後左右位置調整して止着し、該パネル断熱層(Pb)とコンクリート躯体前面(Sc)との界面隙間(as)を閉塞して空気流通を阻止すると共に、該パネル(P)内の条溝(a)群の外壁下端から上端までの空気流通(Af)を保証した、コンクリート建物の通気性外断熱外壁。
  2. 断熱複合パネル(P)は、セメント板(Pa)が少なくとも両側端に断面台形の条溝(a1)を含む上下方向条溝(a1,a2)群を備え、断熱層(Pb)が各条溝(a1,a2)面上に成形発泡断熱材を積層一体化した、請求項1の通気性外断熱外壁。
  3. 断熱複合パネル(P)の断熱層(Pb)には、上端及び内表面上部の全幅に亘って、切欠(C1)を一次ファスナーの水平片板厚に対応して配置すると共に、該パネル(P)両端部では、該切欠(C1)上に、更に二次ファスナー止着用の切欠(C2)を配置した、請求項1又は2の通気性外断熱外壁。
  4. 各一次ファスナー(6,7)は、水平片(6F,7F)に長孔(H6,H7)を、垂直片(6W,7W)にボルト挿入用孔(H60,H70)を有するアングル鋼材であって、コンクリート躯体前面(Sc)に打込んだアンカーボルト(7a)に対し、垂直片(6W,7W)に配置したアンカーボルト(7a)の径より大径のボルト挿入用孔(H60,H70)を介してアンカーボルト(7a)に位置調整の下でボルト締着した、請求項1乃至3のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  5. 中間一次ファスナー(7)の水平片(7F)が、長孔(H7)の下面に自在ナット金具(8)を備え、自在ナット金具(8)内には、ナット(8A)を固定した座金(8B)を摺動自在、且つ、共回り不能に保持した、請求項4の通気性外断熱外壁。
  6. 片面二次ファスナー(10)は、長孔(H10)を有する水平片(10F)の前端片面に断面台形の突出片(12a)を突出し、外壁下端、又は上端で、断熱複合パネル(P)の断面台形の条溝(a1)に突出片(12a)を係止した、請求項1乃至5のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  7. 両面二次ファスナー(21)は、長孔(H21)を有する水平片(21F)の前端上下面に断面台形の突出片(12a,12b)を突出し、上下パネル間に配置して、上方及び下方の断熱複合パネル(P)の断面台形の条溝(a1)に上下面の突出片(12a,12b)を係止した、請求項1乃至6のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  8. 上方の突出片(12b)は、水平片(21F)上に配置した目地用の台板(21a)上に突出配置した請求項7の通気性外断熱外壁。
  9. 各一次ファスナー(6,7)が、水平片(6F,7F)に前後方向の長孔(H6,H7)を備え、各二次ファスナー(10,21)が、水平片(10F,21F)に左右方向の長孔(H10,H21)を備え、前後方向長孔(H6,H7)と左右方向長孔(H10,H21)を介して二次ファスナー(10,21)を一次ファスナー(6,7)上に位置調整してボルト締着した、請求項1乃至8のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  10. 各長孔(H6,H7)を左右に設けた、各一次ファスナー(6,7)を断熱複合パネル(P)の左右接続部(d3)に配置し、各長孔(H6,H7)に個々に対応した、各二次ファスナー(10,21)の2個を1個の一次ファスナー(6,7)上の左右に配置した、請求項1乃至9のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  11. 外壁下端では、下端一次ファスナー(6)の水平片(6F)上面と、断熱複合パネル(P)の断熱層(Pb)下面との隙間(G1)に、隙間追従シート(23)をコンクリート躯体前面(Sc)に当接形態で配置した、請求項1乃至10のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  12. パネル(P)の上下接続部(d4)では、上下パネルの、断熱層(Pb)間には条溝(a)を閉止しないように、現場発泡断熱材(9)を充填すると共に、セメント板(Pa)間には、シーリング19を付与した請求項1乃至11のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  13. 外壁下端では、底板(2D)に空気孔(H2)を備えた腰水切(2)を、前部上方は前部取付板(15)を介して二次ファスナー下面に止着し、後部は底板(2D)後端を後部取付板(16)を介して一次ファスナー垂直片(6W)に止着し、空気孔(H2)からセメント板条溝(a)内へ空気流入可能とした請求項1乃至12のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  14. 外壁上端では、アングル形態の笠木(3)の前部を、パネル(P)の上端部に止着したブラケット(4)で係止し、該笠木(3)の後部をコンクリート躯体上端面(Fc)に止着し、コンクリート躯体上端面の防水層(9a)前端からパネル上端面に亘ってルーフコーティング(9c)を配置した、請求項1乃至13のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
  15. 断熱複合パネル(P)の左右接続部(d3)では、断熱層(Pb)相互の当接界面(Bb)をセメント板(Pa)面上とし、セメント板(Pa)間の接続部(d3)間隔に目地シーリングした、請求項1乃至14のいずれか1項の通気性外断熱外壁。
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