JP3752711B2 - 水中油中水型エマルシヨンの調製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中油中水型エマルシヨンの調製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中油中水型や油中水中油型のような複合エマルシヨンは、従来より、水中油型エマルシヨンが油中水型に、油中水型エマルシヨンが水中油型に、それぞれ、転相する際に生じる一過性の状態であると理解されていた。ところが、近年、乳化技術が進歩するにしたがつて、上記のような複合エマルシヨンの調製が積極的に試みられるようになつてきている。
【0003】
その中でも、水中油中水型エマルシヨンは、さまざまな分野において、多くのすぐれた特性を有すると考えられているが、複合エマルシヨンとしての安定性に問題があるため、一般には、そのほとんどの用途で単純な水中油型エマルシヨンや油中水型エマルシヨンが用いられている。
【0004】
たとえば、化粧料では、皮膚呼吸を防げない、水や汗に対して流れ落ちにくいなどの特徴がある油中水型エマルシヨンと、べたつきが少なく、さつぱりとした使用感が得られやすい水中油型エマルシヨンとの両方の長所をともに有するエマルシヨンとして、有用な製品が得られることが期待されているが、実際には、安定性が低いなどのため、現在の日本のスキンケア製品において、水中油中水型エマルシヨンを安定に形成している例はほとんどみられない。また、医薬品では、薬物を内水相に包含させることにより、その放出を制御する、ドラツグ・デリバリ―・システムへの応用が考えられるが、この場合も内包率を維持できない点や安定性の点から、複合エマルシヨンの利用が制限されている。とくに、化粧料や医薬品では、1〜2年という長期の保証期間があるため、安定な乳化物が得られにくい処方では、明らかに実用化が困難となる。
【0005】
このような問題に対し、これまでに多くの検討がなされている。たとえば、特開昭63−33311号公報では、デキストリン脂肪酸エステルを中間層の油相成分中に配合し、特定のベントナイトを外水相成分中に配合することにより、特公平5−37962号公報では、乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いることにより、特公平3−16173号公報では、HLB9以下の親油性界面活性剤と水とからゲルを形成させ、このゲルを油相中に分散させて油中水型エマルシヨンを調製し、これを外水相と混合乳化することにより、特公平6−76315号公報では、乳化剤としてレシチンを用い、かつ内水相の浸透圧を外水相より高く調整した油中水型エマルシヨンを、浸透圧を内相より低く調整した外水相に添加し、乳化することにより、それぞれ、安定な水中油中水型エマルシヨンが得られることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記のいずれの方法も、水中油中水型エマルシヨンとしての安定性を維持するという面では、必ずしも満足できるものではなかつた。安定なエマルシヨンを調製する際には、使用する油分の種類に対して、最も適切な乳化剤処方を選択することが必要であるが、とくに、エマルシヨン状態を維持させにくい水中油中水型の複合エマルシヨンにおいては、適当な乳化剤処方を用いても、安定性の高いエマルシヨンを調製することは困難であつた。
【0007】
本発明は、安定性の問題のために利用が制限されていた水中油中水型エマルシヨンに関し、それらの問題点を解決するものであり、その目的とするところは、特定の乳化剤を組み合わせて使用することにより、高い安定性を維持しうる水中油中水型エマルシヨンを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、油分に対し、特定の乳化剤とともに、親油性である特定の非イオン系界面活性剤と、アミノ酸またはその塩および特定の糖アルコ―ルを含有する水溶液との混合物を、組み合わせて用いることにより、安定な油中水型エマルシヨンを調製し、ついで、このエマルシヨンを、親水性である特定の非イオン系界面活性剤を含む水中に分散、乳化させることにより、高い安定性を有する水中油中水型エマルシヨンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至つた。
【0009】
すなわち、本発明は、常温で液状を呈する油分に、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物と、A)3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪酸との部分エステルからなる常温で液状を呈する非イオン系界面活性剤と、B)アミノ酸またはその塩を1〜40重量%および分子内に少なくとも5個以上の水酸基を有する非還元性の糖アルコ―ルを1〜20重量%含有する水溶液とを、A成分の非イオン系界面活性剤:B成分の水溶液が重量比で1:1から1:20となるように混合、攪拌したものとを、添加したのち、水を加えて、油中水型エマルシヨン(以下、WOエマルシヨンという)を調製し、これを、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から選ばれる少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を含有する水に添加し、乳化することを特徴とする水中油中水型エマルシヨン(以下、WOWエマルシヨンという)の調製方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるA成分は、3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪酸との部分エステルからなる、常温で液状を呈する親油性の非イオン系界面活性剤である。上記の部分エステルは、多価アルコ―ルの種類によつて異なるが、たとえば、水酸基が3個のグリセロ―ルの場合、主にモノエステルとジエステルと少量のトリエステルとの混合物であり、水酸基が4個のジグリセロ―ルやソルビタンの場合、モノエステル、ジエステルと少量のトリエステルおよびテトラエステルとの混合物である。これら部分エステルのうち、乳化剤として良好な性能を発揮させるため、部分エステルの単品またはそれらの混合物が常温で液状を呈し、かつ親油性であるものの中から、選択、使用される。
【0011】
部分エステルを構成する3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルとしては、たとえば、グリセロ―ル、ジグリセロ―ル、トリグリセロ―ル、テトラグリセロ―ル、ヘキサグリセロ―ル、オクタグリセロ―ル、デカグリセロ―ル、キシリト―ル、ソルビト―ル、マンニト―ル、ソルビタン、トリメチロ―ルプロパン、ペンタエリスリト―ルなどが挙げられる。
【0012】
部分エステルを構成する脂肪酸としては、たとえば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノ―ル酸など、上記の多価アルコ―ルとの部分エステルが液状を呈するものである限り、公知の種々の脂肪酸を使用することができる。これらの脂肪酸の中でも、とくにシス−Δ9−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン酸が好ましい。
【0013】
A成分の部分エステルとして、とくに好適なものは、上記の高純度オレイン酸から誘導される、グリセロ―ルモノオレ―ト、ソルビタンモノオレ―ト、ソルビタンジオレ―ト、ジグリセロ―ルモノオレ―ト、ジグリセロ―ルジオレ―トなどである。これらの部分エステルは、アシル基として非常に高純度なオレイン酸が導入されているため、酸化安定性にすぐれ、また界面活性剤分子間の配向性が高まる結果、皮膚への浸透性や乳化安定性などの機能性にすぐれるといつた特徴があり、現在、一般に市販されているオレイン酸誘導体と比べて、最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性に著しく寄与させることができる。
【0014】
本発明で用いるB成分は、アミノ酸またはその塩と、分子内に少なくとも5個以上の水酸基を有する非還元性の糖アルコ―ルとを含有する水溶液である。アミノ酸またはその塩としては、一般的な食品添加物、日本薬局方外医薬品として知られているものの中から選択使用できる。また、上記の非還元性の糖アルコ―ルとしては、食品や日本薬局方外医薬品として一般的に用いられているものの中から選択使用でき、とくにキシリト―ル、ソルビト―ル、マンニト―ル、マルチト―ル、ラクチト―ルなどが好ましく用いられる。
【0015】
アミノ酸には、グリシン、アラニン、アルギニン塩酸塩、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、ハイドロキシプロリン、セリン、スレオニン、バリン、フエニルアラニンなどがあり、これらの中でも、中性のアミノ酸、とくにアラニンとセリンが好ましい。これらのアミノ酸は、通常L−体であるが、その異性体であるD−体、またそれらの混合物であるDL−体であつても、同様に使用できる。アミノ酸の塩には、ナトリウム塩やカリウム塩などの1価の金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などの2価の金属塩があり、とくにアスパラギン酸ナトリウム1水和物、アスパラギン酸カリウム2水和物、グルタミン酸ナトリウム1水和物、グルタミン酸カリウム1水和物などが好ましく用いられる。
【0016】
水溶液中のアミノ酸またはその塩の濃度は、1〜40重量%である。1重量%より低いと、最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性が低下する。アミノ酸またはその塩の濃度が高いほど、上記の安定性が向上してくるが、40重量%よりも高くなると、結晶が析出しやすくなる。本発明においては、併用する糖アルコ―ルがアミノ酸またはその塩の結晶析出を防ぎ、高濃度でも安定な水溶液とすることができるが、実用上は、過飽和状態を与えない濃度範囲とすべきであり、この過飽和状態を与えない濃度はアミノ酸またはその塩の溶解度によつて異なるため、選択したアミノ酸またはその塩の溶解度に応じて、上記範囲内において、適当な濃度を設定するのがよい。
【0017】
また、水溶液中の非還元性の糖アルコ―ルの濃度は、1〜20重量%である。1重量%より低いと、最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性に問題を生じる場合がある。また、20重量%より高くなると、アミノ酸またはその塩の溶解性に問題を生じやすくなり、結果として、安定なWOWエマルシヨンを得ることが困難となる。
【0018】
本発明においては、上記A成分の部分エステルからなる常温で液状を呈する親油性の非イオン系界面活性剤と、上記B成分の水溶液とを、前者:後者が重量比で1:1から1:20となるように混合し、これを強固なゲル状になるまで撹拌することにより、通常、ゲル状の混合物として、得ることができる。ここで、撹拌は強いほど良好なゲル状態を得ることができるが、その際、撹拌機によつてその混合物が高温になる場合には、常温以下に保つために冷却しながら撹拌を行うようにするのがよい。
【0019】
なお、A成分とB成分との混合比率は、B成分中のアミノ酸またはその塩、非還元性の糖アルコ―ルの種類とその濃度に応じて、適宜最適な比率が選ばれる。たとえば、B成分がL−グルタミン酸ナトリウム1水和物5重量%およびラクチト―ル5重量%の水溶液の場合、A成分:B成分の重量比が1:2〜1:10の範囲となるようにするのがよい。また、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物40重量%およびラクチト―ル20重量%の水溶液の場合、A成分:B成分の重量比が1:2〜1:15の範囲となるようにするのがよい。
【0020】
本発明においては、まず、上記のゲル状の混合物を用いて、WOWエマルシヨンの内相となるWOエマルシヨンを調製する。この方法は、常温で液状を呈する油分に、ヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエチレンオキサイド付加物からなる乳化剤と、上記のゲル状の混合物を添加して分散させ、しかるのち水を加えて撹拌混合して乳化させるものであり、この方法により、低粘度な領域でも安定性の高いWOエマルシヨンを調製することができる。
【0021】
油分としては、従来より化粧品などに広く用いられているエステル系油性基剤や、同じく化粧品に多く用いられている非エステル系油性基剤のうちから、常温で液状を呈するものを広く使用できる。従来より化粧品などに広く用いられているエステル系油性基剤のうち、常温で液状を呈するものとしては、たとえば、大豆油、ひまわり油、ホホバ油などの天然由来の植物油などのほか、グリセロ―ルトリオレ―ト、エチルオレ―ト、エチルリノレ―ト、デシルオレ―ト、オレイルオレ―トやイソプロピルミリステ―トなどが挙げられる。また、同じく化粧品に多く用いられている非エステル系油性基剤としては、オレイルアルコ―ル、スクアラン、スクアレン、流動パラフイン、ポリブテンなどが挙げられ、これらのエステル系および非エステル系の油性基剤のうちから、目的に応じて1種または2種以上の混合物を用いることができる。
【0022】
これらの中でも、好ましくは、シス−Δ9−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン酸のエステル化物、たとえばグリセロ―ルトリオレ―ト、ジグリセロ―ルテトラオレ―ト、エチルオレ―ト、デシルオレ―ト、オレイルオレ―ト、プロピレングリコ―ルモノオレ―ト、プロピレングリコ―ルジオレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリオレ―トなどを用いるのがよい。すなわち、これらの高純度オレイン酸からなるエステル系油性基剤の使用により、WOWエマルシヨンの安定性や皮膚刺激性を改善できるから、このエステル系油性基剤を単独で、あるいはこれと前記の油性基剤との混合物を用いるのが望ましい。
【0023】
乳化剤であるヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエチレンオキサイド付加物において、ヒドロキシ脂肪酸トリグセライドとしては、ヒマシ油や硬化ヒマシ油などがあり、そのエチレンオキサイドの平均付加モル数が20〜60モルであるものを用いるのが好ましい。上記の平均付加モル数が20モル未満では、低粘度な領域でのWOエマルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加モル数が60モルを超えると、WOエマルシヨンが転相しやすくなり、結果として、WOエマルシヨンの安定性がやはり低下する。
【0024】
このヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエチレンオキサイド付加物からなる乳化剤の使用量としては、WOエマルシヨンの全体量中、0.5〜10重量%程度であるのがよい。また、この乳化剤と前記の油分のほかに、WOエマルシヨン中、0.5〜20重量%の割合で、3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪酸との部分エステルを添加してもよく、これにより最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性をさらに高めることができる。
【0025】
上記の部分エステルとしては、前記ゲル状の混合物を構成するA成分と同じ、常温で液状を呈する親油性の非イオン系界面活性剤であつて、A成分と同種のものを使用することができる。とくに好ましくは、シス−Δ9−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン酸から誘導される、グリセロ―ルモノオレ―ト、グリセロ―ルジオレ―ト、ジグリセロ―ルモノオレ―ト、ジグリセロ―ルジオレ―ト、ソルビタンモノオレ―ト、ソルビタンセスキオレ―ト、ソルビタントリオレ―ト、マンニト―ルモノオレ―ト、マンニト―ルジオレ―ト、マンニト―ルトリオレ―トなどを用いるのがよい。
【0026】
WOエマルシヨンの調製において、油分および水相(内水相)の使用比率は、エマルシヨンの用途目的に応じて、適宜選択される。一般的には、油分:水相が重量比で90:10から10:90となるようにすればよい。また、このエマルシヨンの調製に際し、前記のゲル状混合物の添加量は、WOエマルシヨン中の1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合とするのが好ましい。
【0027】
本発明においては、上記の方法で調製したWOエマルシヨンを用いて、WOWエマルシヨンを調製する。この方法は、上記のWOエマルシヨンを、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から選ばれる少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を含有する水に添加し、乳化させるものであり、これにより安定性の高いWOWエマルシヨンを調製できる。
【0028】
水に含有させる乳化剤は、上記4種の乳化剤の中から、その1種または2種以上が選択されるが、このうち、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物としては、前記のWOエマルシヨンの調製に用いたものと同様のもの、つまり、ヒマシ油や硬化ヒマシ油などからなるヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエチレンオキサイド付加物であつて、その平均付加モル数が20〜60モルであるものを用いるのが好ましい。上記の平均付加モル数が20モル未満では、WOエマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加モル数が60モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの安定性がやはり低下する。
【0029】
また、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物としては、脂肪酸部分が不飽和であるソルビタンオレイン酸エステルのほか、ソルビタンラウリン酸エステルやソルビタンカプリル酸エステルなどの飽和脂肪酸からなるソルビタンエステルのエチレンオキサイド付加物が挙げられ、とくにエチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜40モルであるものを用いるのが好ましい。上記の平均付加モル数が5モル未満では、WOエマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加モル数が40モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの安定性がやはり低下する。
【0030】
これらの中でも、とくにシス−Δ9−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン酸からなるソルビタンオレイン酸エステルのエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンソルビタンオレ―トを用いるのが好ましい。このような高純度オレイン酸誘導体を用いると、WOWエマルシヨンの安定性がさらに高められる。
【0031】
さらに、ポリオキシエチレンアルキルエ―テルとしては、アルキル基が飽和であるポリオキシエチレンドデシルエ―テルやポリオキシエチレンセチルエ―テルのほか、アルキル基が不飽和であるポリオキシエチレンオレイルエ―テルが挙げられ、とくにアルキル基の炭素数が12〜18で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜40モルであるものを用いるのが好ましい。上記の平均付加モル数が5モル未満では、WOエマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加モル数が40モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの安定性がやはり低下する。
【0032】
これらの中でも、とくにシス−Δ9−オクタデシルアルコ―ルを85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽和脂肪族アルコ―ルを90重量%以上含有する高純度オレイルアルコ―ルのエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンオレイルエ―テルを用いるのが好ましい。このような高純度オレイン酸誘導体を用いると、WOWエマルシヨンの安定性がさらに高められる。
【0033】
また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ルとしては、一般的に医薬品や化粧品に用いられているもののうち、エチレンオキサイドの平均モル数が50〜200モル、プロピレンオキサイドの平均モル数が5〜80モルであり、エチレンオキサイドの平均モル数とプロピレンオキサイドの平均モル数の比が2:1以上である、親水性のものから種々選択して使用するのが好ましい。ここで、とくに、エチレンオキサイドの平均モル数とプロピレンオキサイドの平均モル数の比が2:1より低くなると(つまり、エチレンオキサイドの含量が低くなると)、WOエマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が低下する。また、エチレンオキサイドの平均モル数が50モル未満となると、WOエマルシヨンの分散性が上記同様に低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が低下する。さらに、エチレンオキサイドの平均モル数が200モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの安定性がやはり低下する。
【0034】
本発明においては、外水相に用いる乳化剤として、上記4種の乳化剤のほか、グリセロリン脂質を併用することにより、WOWエマルシヨンの安定性をさらに高めることができる。グリセロリン脂質としては、大豆由来のリン脂質(大豆レシチン、大豆水添レシチンなど)や、卵黄由来のリン脂質(卵黄リン脂質、卵黄水添リン脂質など)など、天然由来のもののほか、高度に精製された種々の高純度リン脂質(ホスフアチジルコリン、ホスフアチジルエタノ―ルアミンなど)やリゾリン脂質などの中から種々選択して使用できる。これらは単独で用いても、2種以上を選択、混合して使用してもよい。
【0035】
このようなグリセロリン脂質を併用する場合、上記4種の乳化剤:グリセロリン脂質が重量比で20:1〜1:2となる割合で使用するのがよい。また、上記4種の乳化剤とグリセロリン脂質との合計量が、外水相中0.2〜20重量%の範囲を超えないように使用するのが望ましい。
【0036】
本発明において、WOWエマルシヨンの調製に際し、ホモミキサ―、ホモジナイザ―、クレアミツクスなどの一般的な乳化装置のほか、多孔質膜を利用した膜乳化装置など、一般的に乳化が可能な手段であれば、どのような装置でも使用できる。また、このような装置を用いたエマルシヨンの調製にあたり、内相となるWOエマルシヨンと外水相の混合比は、目的に応じて、内相:外相が2:1から1:10になるように適宜設定すればよい。
【0037】
本発明の方法により調製されるWOWエマルシヨンは、従来では困難であつた低粘度な領域でも、安定性にすぐれるといつた特徴があり、たとえば、内相を形成するWOエマルシヨンの油相に油溶性の有効成分、同エマルシヨンの水相やWOWエマルシヨンの外水相に水溶性の有効成分を添加することにより、皮膚に対する浸透性、柔軟性さらには使用感にすぐれた化粧料や皮膚上で用いる医薬品や注射剤、あるいは農薬などに利用することができる。
【0038】
【実施例】
つぎに、本発明を、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0039】
実施例1
<WOエマルシヨンの調製>
A成分として、ジグリセロ―ルモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE PGO−9021L」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量94重量%〕10部を用いた。また、B成分として、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物3部およびマンニト―ル1部を精製水6部に溶解させた水溶液を用いた。このA成分およびB成分を、常温にて、クレアミツクスCLM−0.8S〔(株)エムテクニツク製〕を用いて、10,000回転で10分間撹拌混合して、ゲル状混合物を得た。
【0040】
つぎに、油分として、グリセロ―ルトリオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE GO−903」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕6部と、スクアレン6部とを用い、これらの油分に、50℃に加温したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〔日本油脂(株)製「ユニオツクス HC−40」、エチレンオキサイド平均付加モル数40〕0.5部と上記のゲル状混合物2部を混合して、油相中に十分に分散させたのち、攪拌しながら精製水6部を徐々に加え、常温にて、クレアミツクスCLM−0.8S〔(株)エムテクニツク製〕を用いて、8,000回転で10分間撹拌混合して、25℃の粘度が72センチポイズのWOエマルシヨンY1を調製した。
【0041】
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水10部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ル(エチレンオキサイド平均付加モル数160、プロピレンオキサイド平均付加モル数30)0.5部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を撹拌しながら、これに上記のWOエマルシヨンY1:10部を徐々に加え、常温にて、クレアミツクスCLM−0.8S〔(株)エムテクニツク製〕を用いて、8,000回転で5分間攪拌混合して、WOWエマルシヨンを調製した。
【0042】
実施例2
<WOエマルシヨンの調製>
A成分として、グリセロ―ルモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE GO−991」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量99重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量99重量%〕3部と、ソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−901」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量94重量%〕6部を用いた。また、B成分として、L−アスパラギン酸ナトリウム1水和物3部およびキシリト―ル1部を精製水14部に溶解させた水溶液を用いた。このA成分およびB成分を、実施例1と同様に撹拌混合して、ゲル状混合物を得た。
【0043】
つぎに、油分として、デシルオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE
DO−90」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕12部を用い、この油分に、ソルビタンセスキオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−902」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕1.6部と、50℃に加温したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数40)0.4部と、上記のゲル状混合物1部を混合して、油相中に十分に分散させたのち、攪拌しながら精製水8部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に撹拌混合して、25℃の粘度が40センチポイズのWOエマルシヨンY2を調製した。
【0044】
<WOWエマルシヨンの調製>
実施例1のWOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨンY1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンY2:10部を用いた以外は、実施例1と同様に攪拌混合して、WOWエマルシヨンを調製した。
【0045】
実施例3
<WOエマルシヨンの調製>
A成分として、ソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「ノニオン OP−80R」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量55重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量78重量%〕5部を用いた。また、B成分として、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物3部およびマルチト―ル1部を精製水6部に溶解させた水溶液を用いた。このA成分およびB成分を、実施例1と同様に撹拌混合して、ゲル状混合物を得た。
【0046】
つぎに、油分として、オレイルオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLEOO−9080」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕4部と、ポリブテン〔日本油脂(株)製「パ―ルリ―ムEX」〕8部とを用い、これらの油分に、ソルビタントリオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−903」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕1.0部と、ソルビタンセスキオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−992」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:99重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:99重量%〕0.5部と、50℃に加温したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数40)0.5部と、上記のゲル状混合物1部を混合して、油相中に十分に分散させたのち、攪拌しながら精製水8部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に撹拌混合して、25℃の粘度が166センチポイズのWOエマルシヨンY3を調製した。
【0047】
<WOWエマルシヨンの調製>
実施例1のWOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨンY1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンY3:10部を用いた以外は、実施例1と同様に攪拌混合して、WOWエマルシヨンを調製した。
【0048】
実施例4〜6
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水10部に、乳化剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE ESO−9020」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.2部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、実施例1〜3で調製したWOエマルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、3種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0049】
実施例7〜9
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水12部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数60〕0.2部と、さらに、大豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ―トソ―ムNC−21」〕0.1部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、実施例1〜3で調製したWOエマルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、3種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0050】
実施例10〜12
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水10部に、乳化剤として、ポリオキシエチレンオレイルエ―テル〔日本油脂(株)製「NOFABLE EAO−9020」、アルコ―ル基組成:シス−Δ9−オクタデセノ―ル含量86重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪族アルコ―ル含量94重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.2部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、実施例1〜3で調製したWOエマルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、3種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0051】
比較例1
<WOエマルシヨンの調製>
油分として、グリセロ―ルトリオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLEGO−903」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕12部を用い、この油分に、実施例1で得たゲル状混合物1部を混合して、油相中に分散させた。これを攪拌しながら、あらかじめ精製水6部にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数40〕0.4部を50℃で溶解したのち常温に冷却したものを、徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、25℃の粘度が202センチポイズのWOエマルシヨンZ1を調製した。
【0052】
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水10部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数60〕0.2部を加え、均一に分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、上記のWOエマルシヨンZ1:10部を徐々に加え、実施例1と同様に攪拌混合して、WOWエマルシヨンを調製した。
【0053】
比較例2
<WOエマルシヨンの調製>
ソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−901」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量94重量%〕5部と精製水5部とを、実施例1と同様に撹拌して、ゲル状混合物を得た。
【0054】
つぎに、油分として、オレイルオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLEOO−9080」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕12部を用い、この油分に、ソルビタンセスキオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−902」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕1部と、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「ノニオン OT−221」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:55重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:78重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.5部と、上記のゲル状混合物1部を混合して、油相中に分散させたのち、攪拌しながら、精製水8部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に撹拌混合して、25℃の粘度が836センチポイズのWOエマルシヨンZ2を調製した。
【0055】
<WOWエマルシヨンの調製>
比較例1のWOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨンZ1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンZ2:10部を用いた以外は、比較例1と同様に攪拌混合して、WOWエマルシヨンを調製した。
【0056】
比較例3,4
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水10部に、乳化剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「ノニオン OT−221」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:55重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:78重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.1部と、さらに、大豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ―トソ―ムNC−21」〕0.1部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、比較例1,2で調製したWOエマルシヨンZ1〜Z2:10部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、2種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0057】
比較例5,6
<WOWエマルシヨンの調製>
精製水15部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ル(エチレンオキサイド平均付加モル数160、プロピレンオキサイド平均付加モル数30)0.1部と、さらに、大豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ―トソ―ムNC−21」〕0.1部を加え、均一に分散させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、比較例1,2で調製したWOエマルシヨンZ1〜Z2:10部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、2種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0058】
以上の実施例1〜12および比較例1〜6で調製した各WOWエマルシヨンについて、コントラバス社のレオマツト115を用いて、常温(25℃)での粘度を測定した。その結果を、内相に用いたWOエマルシヨンの種類とともに、下記の表1に示した。
【0059】
【0060】
つぎに、上記の実施例1〜12および比較例1〜6で調製した各WOWエマルシヨンについて、エマルシヨンの調製後、速やかに下記の要領により、安定性および使用性の評価を行つた。これらの結果は、後記の表2(安定性)および表3(使用性)に示されるとおりであつた。
【0061】
<安定性>
WOWエマルシヨン10mlを、20mlのふた付きのガラス製スクリユ―管(滅菌済)に入れ、各温度での安定性の評価を行つた。調製1日後、10日後、1ケ月後に肉眼判定の後、位相差顕微鏡(1,000倍)を用いて、各サンプルについてそれぞれ5視野ずつの観察を行い、下記の基準で評価した。
◎:エマルシヨンの状態と粒子径の両面でほとんど変化が認められない
○:エマルシヨンの状態に変化は認められないが、粒子径に若干の変化が認められる
△:水中油中水型を保持しているが、粒子の合一が明らかに認められる
×:エマルシヨン粒子が大きな液滴となり、良好な水中油中水型が一切認められない
××:水中油中水型が全く保持されておらず、明らかに相分離が認められる
【0062】
<使用性>
健常な男女20名をパネラ―とし、WOWエマルシヨンを手の甲に塗布した際の皮膚上での、のび、さつぱり感および全体的な使用感を、下記の基準にしたがつて評価した。
◎:良いと答えた人数が16人以上
○:良いと答えた人数が12〜15人
△:良いと答えた人数が7〜11人
×:良いと答えた人数が6人以下
【0063】
【0064】
【0065】
上記の表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜12の調製方法によれば、常温で500センチポイズ以下の低粘度な領域においても、比較例1〜6の調製方法に比べて、安定性および使用性ともにすぐれる水中油中水型エマルシヨンを調製できるものであることがわかる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、油分に対し、特定の乳化剤とともに、親油性である特定の非イオン系界面活性剤と、アミノ酸またはその塩および特定の糖アルコ―ルを含有する水溶液との混合物を、組み合わせて用いることにより、安定な油中水型エマルシヨンを調製し、ついで、このエマルシヨンを、親水性である特定の非イオン系界面活性剤を含む水中に分散、乳化させるようにしたことにより、低粘度な領域においても、高い安定性を示す、また使用感にもすぐれたWOWエマルシヨンを調製することができる。
Claims (1)
- 常温で液状を呈する油分に、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物と、A)3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪酸との部分エステルからなる常温で液状を呈する非イオン系界面活性剤と、B)アミノ酸またはその塩を1〜40重量%および分子内に少なくとも5個以上の水酸基を有する非還元性の糖アルコ―ルを1〜20重量%含有する水溶液とを、A成分の非イオン系界面活性剤:B成分の水溶液が重量比で1:1から1:20となるように混合、攪拌したものとを、添加したのち、水を加えて、油中水型エマルシヨンを調製し、これを、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から選ばれる少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を含有する水に添加し、乳化することを特徴とする水中油中水型エマルシヨンの調製方法。
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