JP2004189693A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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昌明 森山
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Abstract

【課題】高級アルコールを配合しながら保存安定性が高く、使用感に優れ、且つ敏感肌の人に対しても皮膚刺激性の少ない水中油型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコール、
(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、
(C)成分(A)及び成分(B)と相溶性を有する液体油、
(D)親水性界面活性剤、及び、
(E)水性媒体、を含有する水中油型乳化化粧料である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高級アルコールを配合しながら保存安定性が高く、使用感に優れ、且つ敏感肌の人に対しても皮膚刺激性の少ない水中油型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
高級アルコールは乳化化粧料の粘度調整剤として非常に有効であり、またその配合により特有の使用感を示すことから、従来から好んで用いられてきた。しかしながら、高級アルコールを用いる場合には、高温でのクリーミング、低温での性状の変化、粘度の上昇、結晶化等の状態変化を引き起こし易いという問題があるため、配合には制限を受けることが多かった。
【0003】
高級アルコールを安定配合する試みとしては、特許文献1には、炭素数18以上の高級アルコールを2種以上、特定の配合比と量で使用すると安定な乳化物が得られることが開示されている。また、特許文献2には、高級アルコール、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び水からなる固形状含水組成物、及びこれを利用した固形状油中水型化粧料が開示されている。しかしながら、これらは固形状含水組成物及び固形状油中水型化粧料であり、固形状である上、油中水型の乳化物に関するものであり、水中油型化粧料についての検討は全くされていない。
【0004】
一方、非特許文献1には、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルによる水中油型乳化物の油相中での結晶化抑制に関して触れられている。しかしながら、油相成分の油脂モデルとして用いたn−ヘキサデカンについて検討したものであり、高級アルコールについての検討や多成分系での検討はされていない。
【特許文献1】
特開平5−262619号公報
【特許文献2】
特開2002−97111号公報
【非特許文献1】
青山知令、外2名,「O/Wエマルション中の油相結晶化に及ぼすポリグリセリン脂肪酸エステルの添加効果」,日本油化学会誌,社団法人日本油化学会,2000年8月,第49巻,第8号,p.809−816
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高級アルコールを配合しながら保存安定性が高く、使用感に優れ、且つ特に敏感肌の人に対しても皮膚刺激性の少ない水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、直鎖飽和脂肪族高級アルコール、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、上記2成分と相溶性を有する液体油、親水性界面活性剤、及び、水性媒体を組み合わせて用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコール、
(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、
(C)成分(A)及び成分(B)と相溶性を有する液体油、
(D)親水性界面活性剤、及び、
(E)水性媒体、
を含有する水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコール、
(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、
(C)成分(A)及び成分(B)と相溶性を有する液体油、
(D)親水性界面活性剤、及び、
(E)水性媒体、を含有する。
【0009】
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(C)〜(E)を含む水中油型乳化物に成分(C)と相溶性を有する(A)高級アルコールを含む系において、成分(B)が成分(A)の結晶成長を調整することにより、高級アルコールの状態の変化を防止する。その結果、高級アルコールを配合しながら保存安定性が高い水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0010】
本発明において(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールは、水中油型乳化化粧料の粘度調整を行う成分であり、化粧料全般に対してのび及びなじみの良さという特有の使用感を付与する。その他にも特に、乳液にした場合には、独特のとろみ感や使用感を付与し、クリーム状にした場合には、指どれの良さを付与するものである。
【0011】
本発明において(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールは、水中油型乳化物中の油性成分の均一性を保つ点から、後述の(C)成分と相溶性を有するものを選択することが好ましい。
【0012】
(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールとしては、炭素数が12以上の直鎖脂肪族アルコール及びそれらのグリセリルエーテル等が含まれる。具体的には、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−エイコサノール、1−ドコサノール、キミルアルコール、バチルアルコール等が挙げられる。中でも、炭素数が16〜22の直鎖脂肪族アルコールが好ましく、1−ヘキサデカノール(一般名セチルアルコール)、1−オクタデカノール(一般名ステアリルアルコール)、1−ドコサノール(一般名ベヘニルアルコール)は、皮膚に塗布したときに敏感肌の人にも刺激が少なく、また、安価で入手しやすい点から特に好適に用いられる。
【0013】
水中油型乳化化粧料中における(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールの含有量は、使用感、安定性の点から、0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。
【0014】
本発明において(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、水に溶けにくく油脂類に溶けやすいポリグリセリン脂肪酸エステルをいい、(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールの結晶成長を調整する効果を有するものである。
【0015】
(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、(C)液体油との相溶性の点、及び、充分な安定性を得る点から、HLBが7以下であるものが好ましく、HLBが5以下であるものが特に好ましい。ここで、HLBは、次式(Griffinの式):
HLB値=20(1−S/A)
ここで、S:ケン化価、A:脂肪酸の中和価
で求められる。
【0016】
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルは混合物として得られることがあり、この場合、グリセリン重合度及び/又はエステル化度の異なる成分から構成される。
【0017】
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、例えば、重合度が2〜10のグリセリンが縮合したものが挙げられ、好ましいポリグリセリンの例としては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。
【0018】
親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、複数の種類の脂肪酸を混合して用いても良く、飽和の合成脂肪酸、天然由来の動物脂肪酸、植物油脂由来脂肪酸等の脂肪酸混合物を用いても良い。親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、例えば、炭素数12〜22の飽和脂肪酸が用いられ、その中でも直鎖飽和脂肪酸が好ましい。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。中でも特に、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸エステルは、皮膚に適用したときに刺激が低く安全性が高い点から好ましい。
【0019】
好適に用いられる親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体的な例としては、ジグリセリンジ又はトリ脂肪酸エステル;トリグリセリンのジ、トリ、又はテトラ脂肪酸エステル;テトラグリセリンのジ、トリ、テトラ、又はペンタ脂肪酸エステル;ペンタグリセリンのトリ、テトラ、ペンタ、又はヘキサ脂肪酸エステル;ヘキサグリセリンのトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、又はヘプタ脂肪酸エステル;デカグリセリンのトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、デカ、又はウンデカ脂肪酸エステル;等が挙げられる。
【0020】
市販品としては、サンソフトQ−18B(モノ・ジステアリン酸ジグリセリル、HLB6.5)、サンソフトQ−185S(ペンタステアリン酸デカグリセリル、HLB4.5)、サンソフトQ−1810S(デカステアリン酸デカグリセリル、HLB3.0)、サンソフトA−183E(トリステアリン酸ペンタグリセリル、HLB7.0)、サンソフトA−186E(ヘキサステアリン酸ペンタグリセリル、HLB4.0)、サンファットPS−66(ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB4.0)、サンファットPS−68(オクタステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB3.5)(以上太陽化学);TS−500(トリステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB7)、TS−310(トリステアリン酸テトラグリセリル、HLB4)、TS−750(トリステアリン酸デカグリセリル、HLB3)(以上、阪本薬品工業);DS3(デカグリセリンステアリン酸エステル、HLB3)、TS4(テトラグリセリンステアリン酸エステル、HLB4)、B−110D(デカグリセリンベヘン酸エステル、HLB3)(以上、三菱化学);DSMS(モノステアリン酸ジグリセリル、HLB5)、テトラグリン1S(モノステアリン酸テトラグリセリル、HLB6)、ヘキサグリン3S(トリステアリン酸ヘキサグリセリル、HLB2.5)、デカグリン5S(ペンタステアリン酸デカグリセリル、HLB3.5)(以上、日光ケミカルズ);等が挙げられる。
【0021】
これらの親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルは混合物として得られることが多く、この場合、グリセリン重合度及び/又はエステル化度の異なる成分から構成される。
【0022】
水中油型乳化化粧料中における(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、乳化安定性、使用感、テクスチャー(化粧料に触ったときの製剤の性状や皮膚へののび)の点から、0.05〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましい。
【0023】
また、(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールと(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有重量比は、使用感及び安定性の点から、(A):(B)が1:5〜20:1、特に1:2〜10:1であることが好ましい。成分(B)の含有量が多すぎる場合には、成分(A)による特有の使用感が現れにくい場合があり、反対に成分(B)の含有量が少なすぎる場合には、成分(A)の安定化が図れない場合がある。
【0024】
成分(C)の液体油は、25℃で液体の油剤であり、成分(A)及び成分(B)と相溶性を有し、水中油型化粧料の油性分散相を形成する主成分である。
【0025】
ここで、「相溶性を有する」とは、成分(A)及び成分(B)がそれぞれ成分(C)に対して完全に溶解し得る性質を有することを意味し、化粧料を調製する温度条件でかかる相溶性を有することを必要とする。化粧料の製造しやすさの点からは、調製する温度条件とは90℃以下であることが好ましい。
【0026】
相溶性は、所定量の成分(A)、(B)、(C)をバイアルに秤量し、特定の温度の水浴中でバイアルを加熱しながら混合物を撹拌し、均一になるか否かを観察することにより確認することができる。上記特定の温度は、製造条件及び組成に応じて適宜選択することができる。
【0027】
成分(C)の液体油としては、馬油、ミンク油、卵黄油、ラノリン、肝油、スクワレン、スクワラン、ダイズ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ホホバ油、ツバキ油、ツキミソウ油、エゴマ油などの動植物油及びそれらの誘導体;ラベンダー油、カモミール油、ユーカリ油などの植物精油;モノ、ジ又はトリ−オレイン酸グリセリル、モノ、ジ又はトリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノ、ジ又はトリ−イソステアリン酸グリセリル等のモノアシルグリセリン、ジアシルグリセリン、トリアシルグリセリン及びそれらの誘導体;イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸とアルコールとからなるエステル油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル等の有機酸と長鎖アルコールからなるエステル油;セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、セチル−2−エチルヘキシルエーテルなどのエーテル油;炭化水素油、流動パラフィンなどの鉱油;ジメチコン、シクロメチコン、アルキル変性シリコーン、エチレンオキシド変性シリコーンなどのシリコーン油;フォンブリン等のフッ素油等が挙げられる。
【0028】
成分(C)としては、液体油を2種以上組み合わせて使用することができる。例えば単独では成分(A)及び成分(B)との相溶性に劣る液体油であっても、他の液体油と混合して併用することにより相溶性を示す場合には、相溶性を示す組合せの混合液体油を、成分(C)として用いることができる。
【0029】
中でも、成分(A)の1−ヘキサデカノールや1−オクタデカノール、及び前記成分(B)のペンタグリセリンのトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ脂肪酸エステルやデカグリセリンのトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、デカ、ウンデカ脂肪酸エステルを組み合わせて用いる場合には、成分(C)としてはオリーブ油、ヒマワリ油等の各種植物油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油等を用いることが好ましく、さらに成分(A)及び成分(B)の溶解性、製品特性、使用感等に合わせて、スクワラン、流動パラフィン等を混合して用いることが好ましい。
【0030】
水中油型乳化化粧料中における(C)液体油の含有量は、成分(A)及び成分(B)が相溶していれば良いが、使用感、テクスチャーの点から通常は、0.05〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%が更に好ましい。
【0031】
本発明の水中油型化粧料において(D)親水性界面活性剤は、前述の(C)液体油と後述の(E)水性媒体の乳化剤として用いられる成分である。(D)親水性界面活性剤とは、比較的水に溶けやすい界面活性剤をいい、一般にHLBが8以上である界面活性剤が相当する。非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを用いても良い。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルカノールエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルホスフォベタイン等が挙げられる。
【0032】
中でも、使用感に優れ、敏感肌の人に対しても刺激が低い点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、及び、N−長鎖アシルグルタミン酸塩、N−長鎖アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩等の弱酸性下で乳化可能な特定の陰イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
【0033】
(D)親水性界面活性剤としては、2種以上組み合わせて使用することができ、水中油型乳化化粧料中における成分(D)の含有量は、使用感の点から、上限が10重量%であることが好ましく、特に0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0034】
成分(E)である水性媒体は、水中油型化粧料の水性連続相を形成する主成分である。(E)水性媒体としては、純水、イオン交換水、アルカリイオン水、深層水、波動水、天然水などの水;エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;グリセリン、1,3ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール等の水と混合可能な水性溶媒を用いることができる。特に経済性、安全性、感触の点から、水を用いることが好ましい。
【0035】
水中油型乳化化粧料中における(E)水性媒体の含有量は、30〜99重量%が好ましく、50〜95重量%が特に好ましい。
【0036】
本発明の化粧料のpHは、特に制限されないが、皮膚に直接塗布する化粧料として用いる場合には、皮膚刺激性が低いという点から4〜7が好ましい。pHを調整するために化粧料に一般的に使用する有機酸、無機酸、及びそれらの塩を含有させることができる。例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸などの多価カルボン酸;リン酸、炭酸、塩酸等を用いることができる。
【0037】
本発明の粘度は、使用感、テクスチャーの点から、1Pa・s〜1,000Pa・sであることが好ましい。ここで、粘度は、B型回転粘度計(例えば、トキメック(株)B8L型、B8R型)で25℃で測定した値をいう。
【0038】
本発明の化粧料には、通常の化粧料に用いられるアルコール類、薬効剤、酸化防止剤、防腐剤、塩類、アミノ酸類、糖類、香料、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、殺菌剤、制汗剤、保湿剤等の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
【0039】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記各材料を用いて常法に従って製造することができ、例えば、乳液、保湿クリーム、美容液、下地クリーム、サンカットクリーム等の化粧料とすることができる。特に、性状、粘度、使用感に関して長期の保存においても変化がなく、含有成分のスキンケア効果が有効に発揮される点から、及び、高級アルコールを含有する油相が水相(水性媒体)中に安定に分散している形態であることから、さっぱり感を有しながら高級アルコールによるのび及びなじみの良さ、使用感が得られる点から、特にスキンケア化粧料として有用であり、中でも、乳液、保湿クリーム、美容液として使用するのが好ましい。
【0040】
【実施例】
(実施例1、比較例1)
表1に示す組成にしたがって、実施例1及び、比較例1の水中油型乳化化粧料を調製した。得られた水中油型乳化化粧料を用いて、粘度、保存安定性、及び使用感を評価した。
【0041】
(製法)
成分(10)、(14)、(15)を均一溶解後、成分(11)を添加しpH4.5に調整した。これを80℃まで昇温した後、成分(12)を添加し均一に溶解させて水相とした。成分(1)〜(5)及び(7)〜(9)を80℃で均一溶解・分散させて油相とした。油相及び水相を80℃で混合し、さらに成分(6)を添加し、80℃に保持しながらホモジナイザーを用いて乳化を行った後、攪拌しながら冷却を行った。50℃まで冷却したところで成分(13)を添加し、さらに撹拌しながら25℃まで冷却して終了とした。
【0042】
(評価方法)
1.粘度
粘度は、B8R型粘度計(トキメック(株))で25℃、回転速度5rpmで1分間測定した。
【0043】
2.保存安定性及び使用感
5℃及び40℃で1ヶ月保存したときの試料の性状及び使用感の変化を、下記基準に従って評価した。
(評価基準)
○:変化が認められない。
△:若干の変化が認められる。
×:明らかな変化が認められる(製品特性上問題のあるレベル)。
【0044】
各水中油型乳化化粧料の評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004189693
【0046】
表1に示された結果から、本発明の化粧料である実施例1は、5℃及び40℃で1ヶ月の保存後も性状及び使用感の変化が小さく、使用感に優れるものであった。一方、(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いず、親水性ポリグリセン脂肪酸エステルのみを用いた比較例1は、低温における保存後に性状及び粘度に明らかな変化が認められ、使用感も悪化した。
【0047】
(実施例2)
表2に示す組成にしたがって、乳液を調製した。
(製法)
成分(13)〜(15)、(19)を均一溶解後、成分(16)を添加しpH4.5に調整した。これを80℃まで昇温した後、成分(18)を添加し均一に溶解させて水相とした。成分(1)〜(11)を80℃で均一溶解・分散させて油相とした。油相及び水相を80℃で混合し、さらに成分(12)を添加し、80℃に保持しながらホモジナイザーを用いて乳化を行った後、攪拌しながら冷却を行った。50℃まで冷却したところで成分(17)を添加し、さらに撹拌しながら25℃まで冷却して終了とした。
【0048】
【表2】
Figure 2004189693
【0049】
得られた乳液は、5℃及び40℃で3ヶ月の保存後も性状及び使用感の変化が小さく、安定性に優れ、良好な使用感を維持していた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の水中油型乳化化粧料は、高級アルコールを配合しながら保存安定性が高く、使用感に優れ、且つ敏感肌の人に対しても皮膚刺激性が少ない。
【0051】
すなわち、本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(C)〜成分(E)を含む水中油型乳化物に、(A)直鎖飽和脂肪族高級アルコールと(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルが組み合わせて用いられるため、成分(B)が成分(A)の結晶成長を調整する効果により、状態の変化を起こし易い高級アルコールを安定して含有することが可能であり、高級アルコールを配合しながら保存安定性が高い。また、高級アルコールが水中油型乳化化粧料の粘度調整剤として働くために、のび及びなじみの良さが付与され、使用感に優れる。さらに、界面活性剤として(B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを主として用いるため、敏感肌の人に対しても皮膚刺激性が少ない。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
    (A)直鎖飽和脂肪族高級アルコール、
    (B)親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、
    (C)成分(A)及び成分(B)と相溶性を有する液体油、
    (D)親水性界面活性剤、及び、
    (E)水性媒体、
    を含有する水中油型乳化化粧料。
  2. 前記成分(B)が、HLBが7以下の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記成分(A)が、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−エイコサノール、1−ドコサノールから選択された1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. 粘度が1〜1,000Pa・sである請求項1乃至3いずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
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