JP2011032230A - リポソーム含有組成物、並びに該組成物を配合してなる皮膚用化粧料 - Google Patents

リポソーム含有組成物、並びに該組成物を配合してなる皮膚用化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】リポソーム膜の柔軟性を高めることができるとともに、リポソームの保存安定性に優れるリポソーム含有組成物、並びに該組成物を配合してなる皮膚用化粧料の提供。
【解決手段】皮膚用化粧料に配合される組成物であって、(A)リン脂質、(B)セラミド類および(C)分岐型アルコールを含有することを特徴とするリポソーム含有組成物とする。所望により、(D)不飽和アルコール、1,2−アルカンジオールおよびグリセリルモノアルキルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リポソーム含有組成物、並びに該組成物を配合してなる皮膚用化粧料に関する。
リポソームとは、生体膜の主要構成成分であるリン脂質からなる脂質二重膜で構成された閉鎖小胞体である。従来から、皮膚バリア機能を改善する薬剤などをリポソームに内包させて皮膚用化粧料に配合し、皮膚への経皮吸収性を高める試みがなされている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
しかしながら、リポソームは製剤中でリポソーム膜構造が壊れて「リポソームの形状が崩壊する」、「ミセル化する」などの問題があり、非常に不安定なものであることが知られている。そのため、リポソーム自体の保存安定性を高め、リポソームの製剤中での問題点を改善する試みもなされている。例えば、特定の多鎖多親水基型化合物、水を含有するリポソーム(例えば、特許文献4を参照)、リン脂質、ステロール、特定のHLBのポリオキシエチレンステロールエーテル、多価アルコールおよび水を含有するリポソーム(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。
これら試みに拠って、ある程度、リポソーム自体の保存安定性を高めることができる反面、リポソーム膜が硬くなるために、本来のリポソームの機能、即ち、経皮吸収性を高める効果を十分に発揮させることに劣るといった問題がある。よって、リポソームの機能を十分に発揮させるためには、リポソーム膜を柔軟にして経皮吸収性を高めなければならない。しかしながら、リポソーム膜の柔軟性を高めると、リポソーム自体の保存安定性に劣るといった問題がある。そのため、リポソーム膜が柔軟であるリポソームを製剤中に配合することは困難であった。
特開2006−328026号公報 特開2008−94809号公報 特開2009−102257号公報 特開2006−290894号公報 特開2007−291035号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、リポソーム膜の柔軟性を高めることができるとともに、リポソームの保存安定性に優れるリポソーム含有組成物、並びに該組成物を配合してなる皮膚用化粧料を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、
〔1〕皮膚用化粧料に配合される組成物であって、(A)リン脂質、(B)セラミド類および(C)分岐型アルコールを含有することを特徴とするリポソーム含有組成物、
〔2〕(A)成分が、水素添加リン脂質である前記〔1〕に記載のリポソーム含有組成物、
〔3〕(C)成分が、炭素数20〜24の分岐型アルコールである前記〔1〕又は〔2〕に記載のリポソーム含有組成物、
〔4〕更に、(D)不飽和アルコール、1,2−アルカンジオールおよびグリセリルモノアルキルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のリポソーム含有組成物、並びに
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載のリポソーム含有組成物を配合してなる皮膚用化粧料
に関する。
本発明のリポソーム含有組成物は、リポソーム膜の柔軟性を高めることができるという効果を奏する。また、リポソーム含有組成物を配合した皮膚用化粧料は、リポソーム膜が柔軟であるにもかかわらず、リポソームの形態が崩壊することなく維持し続けることから、保存安定性に格段に優れた効果を奏する。
リポソーム膜の柔軟性試験における示差走査熱量測定(DSC)結果を表すチャートである。 リポソーム膜の柔軟性試験における示差走査熱量測定(DSC)結果を表すチャートである。 本発明の皮膚用化粧料を40℃6週間保存した後に透過型電子顕微鏡でリポソームを撮影したときの図面代用写真である。
本発明の皮膚用化粧料に配合されるリポソーム含有組成物は、(A)リン脂質、(B)セラミド類およびステロール類の群から選ばれる少なくとも1種、並びに(C)分岐型アルコールを含有する。
(A)成分のリン脂質とは、リン酸残基を含む複合脂質であって、本発明においてはリポソームを形成する成分である。用いられる(A)成分としては、天然リン脂質、合成リン脂質、天然由来のリン脂質の不飽和炭素鎖を水素により飽和とした水素添加リン脂質などが挙げられる。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチンなどの天然リン脂質;ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイル・オレオイルホスファチジルコリンなどの合成リン脂質;水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリンなどの水素添加リン脂質などを例示することができる。これら(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(A)成分としては、保存安定性に優れる観点から、水素添加リン脂質を用いることが好ましく、中でも、水素添加大豆レシチンを用いることがより好ましい。
尚、(A)成分は、市販品をそのまま用いることもできる。水素添加大豆レシチンの市販品としては、例えば、COATSOME NC−61(商品名,日油社製)、NIKKOL レシノールS−10M(商品名,日光ケミカルズ社製)、ベイシス LS−60HR(商品名,日清オイリオグループ社製)などを例示することができる。
(A)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、リポソームを形成する観点から、組成物中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上である。また、保存安定性の観点から、10質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
(B)成分のセラミド類は、上記(A)成分により形成されるリポソームに内包される成分である。用いられるセラミド類の具体例としては、例えば、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6、セラミド6I、セラミド6IIなどの天然セラミド類;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンのリン脂質誘導体であるスフィンゴミエリン、フィトスフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質およびフィトスフィンゴリン脂質;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの配糖体であるセレブロシド、ガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質およびフィトスフィンゴ糖脂質などを例示することができる。本発明においては、上記したセラミド類の他に化学合成で得られたセラミド類似化合物も好適に用いることができる。これら(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
(B)成分の含有量は、リポソームに内包されて所望の効果が充分に発揮される量であれば特に限定されないが、(A)成分との質量含有比が、(B)成分/(A)成分=0.01〜1の範囲となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.5である。質量含有比が0.01未満の場合、所望の効果が充分に発揮されないために好ましくない。また、質量含有比が1よりも多い場合、保存安定性に劣るために好ましくない。
(C)成分の分岐型アルコールとしては、炭素数14〜30の分岐型アルコールが挙げられる。具体的には、例えば、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどを例示することができる。これら(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(C)成分としては、リポソーム膜を柔軟にする観点から、炭素数20〜24の分岐型アルコールを用いることが好ましく、中でも、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールを用いることがより好ましい。
尚、(C)成分は、市販品をそのまま用いることもできる。オクチルドデカノールの市販品としては、例えば、カルコール200GD(商品名,花王社製)などを例示することができる。デシルテトラデカノールの市販品としては、例えば、リソノール 24SP(商品名,高級アルコール工業社製)などを例示することができる。
(C)成分の含有量は、リポソームに配向されてリポソーム膜が柔軟となる量であれば特に限定されないが、(A)成分との質量含有比が、(C)成分/(A)成分=0.01〜1の範囲となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5である。質量含有比が0.01未満の場合、リポソーム膜の柔軟性に劣るために好ましくない。また、質量含有比が1よりも多い場合、リポソームの形態が崩壊するために好ましくない。
上記(A)〜(C)成分により形成されるリポソームの平均粒子径は、特に限定されないが、リポソームの保存安定性の観点から、20〜300nmの範囲内とすることが好ましく、より好ましくは30〜200nmである。尚、本発明のリポソームの平均粒子径とは、ELS−8000(大塚電子社製)を用いて、積算回数100回で測定したときの値であるが、これら測定条件のみに限定されるものでない。
また、上記した(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量は、リポソームの保存安定性を高める観点から、下記含有質量比、
(C)成分/((A)成分+(B)成分)=0.01〜0.7
の範囲を満たすことが好ましく、0.02〜0.5の範囲を満たすことがより好ましい。含有質量比が0.01未満の場合、リポソーム膜の柔軟性に劣るために好ましくない。また、0.7よりも大きい場合、リポソームの形態が崩壊するために好ましくない。
本発明のリポソーム含有組成物には、リポソームの二分子膜に配向させることで更に柔軟性を高める観点から、(D)不飽和アルコール、1,2−アルカンジオールおよびグリセリルモノアルキルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。用いられる不飽和アルコールとしては、炭素数16〜22の不飽和アルコールが挙げられ、具体的には、例えば、パルミトオレイルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イコセニルアルコール、エルシルアルコールなどを例示することができる。
用いられる1,2−アルカンジオールの具体例としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどを例示することができる。
用いられるグリセリルモノアルキルエーテルの具体例としては、例えば、1−ブチルグリセリルエーテル、1−ヘキシルグリセリルエーテル、1−ヘプチルグリセリルエーテル、1−(2−エチルヘキシル)グリセリルエーテル、1−(3,5,5−トリメチルヘキシル)グリセリルエーテル、1−オクチルグリセリルエーテル、1−デシルグリセリルエーテル、1−ドデシルグリセリルエーテルなどを例示することができる。
これら(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(D)成分としては、リポソーム膜の柔軟性を更に高める観点から、オレイルアルコール、1,2−オクタンジオール、1−(2−エチルヘキシル)グリセリルエーテルを用いることが好ましい。
(D)成分の含有量は、リポソームに配向されてリポソーム膜の柔軟性を高めることができる量であれば特に限定されないが、(A)成分との質量含有比が、(D)成分/(A)成分=0.01〜1の範囲となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5である。質量含有比が0.01未満の場合、リポソーム膜の柔軟性を更に高めることに好ましくない。また、質量含有比が1よりも多い場合、リポソームの形態が崩壊するために好ましくない。
本発明のリポソームを含有する組成物を調製するためには、溶剤として1,2−アルカンジオール以外の多価アルコールが用いられる。多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
多価アルコールの含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、リポソーム調製時の溶解性の観点から、組成物中、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上である。また、保存安定性の観点から、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下である。これらの観点から、多価アルコールの含有量は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%である。
リポソームを含有する組成物の製造方法は、公知の方法を用いて製造することができれば特に限定されないが、好ましくは以下の製造方法を例示することができる。
始めに、多価アルコールに(A)成分を加え、70〜90℃の温度範囲で均一溶解して混合物(1)を得る。次いで、多価アルコールに(B)成分および(C)成分を加え、70〜95℃の温度範囲で均一溶解した混合物(2)を、先に調製した混合物(1)に80℃以上で加え混合する。均一に混合後、80℃以上に加温した精製水を加え、ホモミキサー(T.K.ロボミックス,特殊機化工業社製)を用いて、6000rpm、5分間攪拌する。このような製造工程により、本発明のリポソームを含有する組成物を調製することができる。尚、(D)成分を含有させる場合は、混合物(1)を調製時に(A)成分とともに多価アルコールに溶解させれば良い。
また、本発明においては、より微細なリポソームとするために、高圧ホモジナイザー((マイクロフルイダイザーM−110−E/H,マイクロフルイディックス社製)又は精密乳化分散機(クレアミックス,エム・テクニック社製)を用いて微細化を施しても良い。
次に、本発明のリポソーム含有組成物が配合される皮膚用化粧料について説明する。皮膚用化粧料を調製する場合、リポソームの保存安定性を損なわない範囲であれば、通常化粧品に用いられる成分、例えば、高級アルコール、脂肪酸、油脂、エステル油、シリコーン油などの油剤、非イオン性界面活性剤、低級アルコール、保湿剤、金属封鎖剤、防腐剤、植物抽出エキス、香料、pH調整剤、精製水などを目的に応じて適宜配合することができる。
用いられる油剤の具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸;ヤシ油、パーム油、水素添加パーム油、アボカド油、ゴマ油、オリーブ油、ククイナッツ油、ブドウ粒子油、サフラワー油、アーモンド油、トウモロコシ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油などの油脂;オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシルなどのエステル油;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどのシリコーン油などを例示することができる。これら油剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
用いられる非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物などの脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤の他、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンなどが挙げられる。これら非イオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
グリセリン肪酸エステルとしては、本発明においては、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルのいずれをも意味し、具体的には、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリルなどの上記したグリセリン脂肪酸エステルの重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルを例示することができる。また、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどを例示することができる。
ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステルなどを例示することができる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルを例示することができる。また、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどを例示することができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどを例示することができる。
また、本発明の皮膚用化粧料の形態は、リポソームが安定に配合されるのであれば特に限定されず、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状などの種々の形態をとり得ることができる。更に、本発明のリポソーム含有組成物は、リポソーム膜が柔軟であるにもかかわらずリポソームの形態が崩壊することなく維持し続けることから、通常、リポソームの配合が困難である乳液状、クリーム状の形態にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。また、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
(試料の調製1)
表1および表2に記した組成に従い、処方例1〜10の各リポソームを常法に準じて調製した。尚、示差走査熱量測定における吸熱ピークの検出限界を考慮して、リポソーム濃度を高くした試料にて下記評価に供した。
(試験例1:リポソーム膜の柔軟性試験)
処方例1〜10の各リポソームをアロジン処理済みアルミニウム製密封容器(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)に適量封入し、示差走査熱量測定(DSC;EXSTAR6000:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて20℃〜80℃の範囲で5℃/minの条件にて測定した。結果を表1および表2に併記する。また、示差走査熱量測定結果のチャートを図1および図2に示す。
本測定は、セラミド2および膜構成成分である水素添加大豆レシチンの疎水基間相互作用における他因子、具体的には、リポソーム含有組成物の調製時に用いる多価アルコールなどの溶剤の影響を取り除くために、溶剤としてクロロホルム−メタノール溶液(2:1)を用い、薄膜法(バンガム法)にて調製したリポソームの示差走査熱量測定を行った。
尚、薄膜法(バンガム法)とは、リポソーム膜構成成分(A)〜(D)をクロロホルム−メタノール溶液(2:1)に溶解後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、脂質フィルムを作成する。そこへ精製水を加え、80℃以上に加温後、振とうしてフィルムをはがし、試料を調製する方法である。
Figure 2011032230
Figure 2011032230
表1および表2、並びに図1および図2に示す通り、示差走査熱量測定結果から、処方例1〜5のリポソームは、処方例6のリポソームと対比して、セラミド2および膜構成成分である水素添加大豆レシチンの疎水基間相互作用を弱め、リポソーム膜の相転移温度(融点)の低下を引き起こし、リポソーム膜を柔らかくする、即ち、リポソーム膜の柔軟性を高めていることが確認された。
これに対して、処方例7〜10のリポソームは、処方例6のリポソームの相転移温度と同等、若しくは相転移温度が上昇していることから、リポソーム膜を硬くする、即ち、リポソーム膜の硬化性を高めていることが確認された。
(試料の調製2)
表3に記した組成に従い、実施例1〜5のリポソーム膜の柔軟性に優れるリポソーム含有組成物を常法に準じて調製した。
Figure 2011032230
(試料の調製3)
表4に記した組成に従い、実施例1〜5の各リポソーム含有組成物を配合した実施例6〜10の皮膚用化粧料を常法に準じて調製し、下記評価に供した。
(試験例2:保存安定性の評価)
実施例6〜10で得られた試料の製造直後のリポソームの形態を透過型電子顕微鏡により観察した。次いで、各試料を50mL容の透明ガラス容器にそれぞれ封入し、40℃の恒温槽に夫々6週間保存した後のリポソームの形態を透過型電子顕微鏡により再度観察し、以下の評価基準に従って評価した。
尚、透過型電子顕微鏡での観察は、ネガティブ染色法で行った。
<保存安定性の評価基準>
○:製造直後と全く変化が認められない(リポソームの形態が崩壊していない)
△:リポソームの形態が一部崩壊しミセル化している
×:リポソームの形態が全崩壊しミセル化している
Figure 2011032230
表4に示された結果から、各実施例で得られた皮膚用化粧料は、リポソーム膜が柔軟であるにもかかわらず、リポソームの形態を崩壊させることなく、安定に配合できていることが分かる。即ち、リポソームの保存安定性に格段に優れた効果を奏していることが分かる。

Claims (5)

  1. 皮膚用化粧料に配合される組成物であって、(A)リン脂質、(B)セラミド類および(C)分岐型アルコールを含有することを特徴とするリポソーム含有組成物。
  2. (A)成分が、水素添加リン脂質である請求項1に記載のリポソーム含有組成物。
  3. (C)成分が、炭素数20〜24の分岐型アルコールである請求項1又は2に記載のリポソーム含有組成物。
  4. 更に、(D)不飽和アルコール、1,2−アルカンジオールおよびグリセリルモノアルキルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる請求項1〜3の何れかに記
    載のリポソーム含有組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のリポソーム含有組成物を配合してなる皮膚用化粧料。
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