JP3750513B2 - 内燃機関始動用電動機兼用発電機 - Google Patents

内燃機関始動用電動機兼用発電機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の始動時には始動用電動機及び発電機として働き、内燃機関の始動後は発電機として働く内燃機関始動用電動機兼用発電機(内燃機関用スタータ・ジェネレータ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には、内燃機関用点火装置のような機関を運転するために必須の電装品を駆動したり、ランプ負荷やバッテリなどに電力を供給したりするために磁石発電機が取り付けられる。
【0003】
内燃機関に取り付けられる磁石発電機は、機関のクランク軸に取り付けられるフライホイール磁石回転子と、該回転子の磁極に対向する磁極部を有する鉄心に発電コイルを巻回してなる固定子とにより構成され、固定子は、機関のケースやカバー等に設けられた固定子取り付け部に取り付けられる。
【0004】
内燃機関が搭載される機器にバッテリが設けられている場合、磁石発電機の固定子に設けられる発電コイルの大部分は多相結線されたバッテリ充電コイル(バッテリ充電用の発電コイル)であるが、機関の構成や用途によっては固定子に更に他の負荷駆動コイル(他の負荷を駆動するための発電コイル)を設けることが必要になる。
【0005】
例えば、内燃機関用点火装置してコンデンサ放電式の点火装置が用いられる場合には、発電機の固定子にコンデンサ充電用電源としてエキサイタコイルを設ける必要がある。
【0006】
また燃料噴射装置により燃料を供給する内燃機関において、バッテリが過放電状態になった場合でも機関を運転することができるようにするためには、磁石発電機の出力で燃料噴射装置のインジェクタや燃料ポンプを駆動するようにしておく必要があるが、この場合には、磁石発電機の固定子に、バッテリ充電コイルの外に、インジェクタ駆動コイルや、燃料ポンプ駆動コイルを更に設ける必要がある。
【0007】
また内燃機関の始動を電動機により行う場合には、磁石発電機の回転子ヨークを構成するフライホイールの外周にリングギアを取り付け、始動用電動機により駆動されるピニオンギアを該リングギアに噛み合わせることによりクランク軸を回転させて機関を始動するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の内燃機関では、機関を始動するためにフライホイールの外周にリングギアを取り付けるとともに、始動用電動機を設ける必要があったため、機関の構造が複雑になるのを避けられなかった。
【0009】
そこで、機関に取り付けられる磁石発電機のバッテリ充電コイルを電動機用のコイルとして用いて、機関の始動時に磁石発電機をブラシレス直流電動機として動作させることにより、リングギアや始動用電動機を省略することが提案されている。
【0010】
ところが、前述のように、磁石発電機の固定子にバッテリ充電コイルの外に、インジェクタ駆動コイルや、ポンプ駆動コイル等の負荷駆動コイルが設けられる場合には、バッテリ充電コイルを巻くためのスペースが少なくなるのを避けられない。特に最近では、インジェクタから機関のシリンダ内に直接燃料を噴射する直噴式の燃料噴射装置が用いられるようになっているが、直噴式の燃料噴射装置が用いられる場合には、高い燃圧を必要とするため、インジェクタ駆動コイルやポンプ駆動コイルとして出力が大きいものを用いることが必要になり、バッテリ充電コイルを設けるスペースが少なくなりがちである。
【0011】
このように、発電コイル全体に対してバッテリ充電コイルが占める割合が少なくなっている磁石発電機において、バッテリ充電コイルのみを電動機用のコイルとして用いた場合には、始動トルクが不足し、機関の始動性が悪くなるのを避けられない。バッテリ充電コイルのみを電動機用コイルとして用いて始動用電動機としての特性を満足させようとすると、発電機全体がかなり大形になり、機関の重量が重くなるのを避けられない。特に最近では、燃費の節約を図るために、機関の重量をできるだけ軽くすることが要請されるため、磁石発電機の重量を増加させることは極力避ける必要がある。
【0012】
なおバッテリ充電コイルのみを電動機用コイルとして用いて、始動用電動機としての特性を満足させるために、断面積が大きい導体を用いてバッテリ充電コイルを巻回して、磁石発電機を始動用電動機として動作させる際に、バッテリ充電コイルに大きな駆動電流を流し得るようにすることが考えられる。しかしながら、このように構成した場合には、バッテリ充電コイルの短絡電流が大きくなるため、バッテリーの充電時にバッテリー発電コイルが過熱するおそれがある。即ち、磁石発電機の出力により整流回路を通してバッテリーを充電する場合には、バッテリの過充電を防ぐために、バッテリの端子電圧が設定値を超えたときにバッテリ充電コイルを短絡する制御を行っているが、バッテリー充電コイルの短絡電流が大きいと、電圧制御時にバッテリ充電コイルから生じる発熱が多くなって、コイルが過熱するおそれがある。また、電圧制御時にバッテリ充電コイルに大きな短絡電流がれると、発電機が機関にとって大きな負荷となるため、燃料消費量が多くなったり、機関の加速性能が損なわれたりするという問題が生じる。
【0013】
本発明の目的は、固定子側に、多相のバッテリー充電コイルの外に、インジェクタ駆動コイルや、ポンプ駆動コイル等の負荷駆動コイルが設けられる内燃機関始動用電動機兼用磁石発電機において、発電機を大形にすることなく、発電機としての特性と、始動用電動機としての特性との双方を満足させることができるようすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる内燃機関駆動用電動機兼用発電機は、多極の磁石界磁を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心を備えて該電機子鉄心の歯部にn相(nは2以上の整数)のバッテリ充電コイルが巻回されるとともに、該電機子鉄心の一部の歯部または歯部群に、少なくとも1つの単相または多相の負荷駆動コイルが巻回された固定子と、ダイオードブリッジ全波整流回路からなっていてバッテリ充電コイルの誘起電圧を整流してバッテリに供給するバッテリ充電用整流回路と、バッテリとバッテリ充電コイルとの間に設けられて前記バッテリからバッテリ充電コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するバッテリ充電コイル用スイッチ回路とを備えたバッテリ充電コイル用ドライバ回路と、負荷駆動コイルの誘起電圧を整流して負荷に与える負荷駆動用整流回路と、バッテリと負荷駆動コイルとの間に設けられてバッテリから負荷駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有する負荷駆動コイル用スイッチ回路とを有する負荷駆動コイル用ドライバ回路と、内燃機関の始動時にバッテリ充電コイルと負荷駆動コイルとの双方を電動機用コイルとして機能させて、磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、バッテリからバッテリ充電コイル用スイッチ回路を通してn相のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、バッテリから負荷駆動コイル用スイッチ回路を通して負荷駆動コイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時にバッテリ充電コイル及び負荷駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するようにバッテリ充電コイル用スイッチ回路及び負荷駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段を有するコントローラとを備えている。
【0015】
上記のように構成すると、機関を始動する際に、バッテリー充電コイルと負荷駆動コイルとの双方を電動機用コイルとして機能させることができるため、発電機を大形にすることなく、機関の始動時に大きな始動トルクを得ることができる。
【0016】
また、上記のように構成すると、バッテリ充電コイルの出力特性を短絡電流が大きい特性とする必要がないので、バッテリー充電時にバッテリー充電コイルを短絡する制御を行った場合に、バッテリー充電コイルから生じる発熱が多くなってコイルが過熱したり、大きな短絡電流により磁石発電機が機関にとって大きな負荷となったりするのを防ぐことができる。
【0017】
インジェクタにより燃料を供給する内燃機関に取り付ける磁石発電機においては、上記負荷駆動コイルとしてインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)に駆動電圧を与えるインジェクタ駆動コイルと、インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプに駆動電力を与えるポンプ駆動コイルとが設けられる。この場合、電機子鉄心の一部の歯部群にn相(nは2以上の整数)のバッテリ充電コイルが巻回され、電機子鉄心の他の一部の歯部または歯部群にインジェクタ駆動コイルが、また電機子鉄心の更に他の一部の歯部または歯部群にポンプ駆動コイルがそれぞれ巻回される。
【0018】
このように負荷駆動コイルとして、インジェクタ駆動コイルとポンプ駆動コイルとが設けられる場合には、負荷駆動コイル用ドライバ回路として、インジェクタ駆動コイル用ドライバ回路と、ポンプ駆動コイル用ドライバ回路とが設けられる。
【0019】
この場合、インジェクタ駆動コイル用ドライバ回路は、インジェクタ駆動コイルの誘起電圧を整流してインジェクタ駆動回路に与えるインジェクタ駆動用整流回路と、バッテリとインジェクタ駆動コイルとの間に設けられてバッテリからインジェクタ駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路とにより構成される。
【0020】
またポンプ駆動コイル用ドライバ回路は、ポンプ駆動コイルの誘起電圧を整流して燃料ポンプに与えるポンプ駆動用整流回路と、バッテリとポンプ駆動コイルとの間に設けられてバッテリからポンプ駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するポンプ駆動コイル用スイッチ回路とにより構成される。
【0021】
上記のように、負荷駆動コイルとしてインジェクタ駆動コイルとポンプ駆動コイルとを設ける場合、コントローラは、内燃機関の始動時にバッテリ充電コイルとインジェクタ駆動コイルとポンプ駆動コイルとを電動機用コイルとして機能させて磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、バッテリからバッテリ充電コイル用スイッチ回路を通してn相のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、バッテリからインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及び前記ポンプ駆動コイル用スイッチ回路を通してインジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルにそれぞれ所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時にバッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するように、バッテリ充電コイル用スイッチ回路、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及びポンプ駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段を備えた構成とする。
【0022】
固定子の電機子鉄心に、上記バッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルに加えて更に内燃機関用点火装置を駆動するエキサイタコイルが巻回される場合には、エキサイタコイルの誘起電圧を整流して内燃機関用点火装置に与える点火装置駆動用整流回路と、バッテリとエキサイタコイルとの間に設けられてバッテリからエキサイタコイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するエキサイタコイル用スイッチ回路とを有するエキサイタコイル用ドライバ回路を更に設ける。
【0023】
この場合、コントローラは、上記の構成に加えて、内燃機関の始動時にエキサイタコイルをも電動機用コイルとして機能させるべく、バッテリからエキサイタコイル用スイッチ回路を通してエキサイタコイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数よりも充分に低く設定された設定回転数に達した時にエキサイタコイルへの駆動電流の供給を停止するようにエキサイタコイル用スイッチ回路を制御するエキサイタコイル用スイッチ回路制御手段を更に備えた構成とする。
【0024】
ここで、エキサイタコイルへの駆動電流の供給を停止する設定回転数は、機関のクランク軸が回転を開始したことを確認するために必要な程度の充分に低い回転数に設定すればよい。
【0025】
機関を始動する際に、最も大きなトルクを必要とするのは、停止しているピストンの移動を開始する際であり、いったんピストンが動き始めると、必要トルクは減少していくので、始動操作開始時直後の期間だけ始動用電動機のトルクを増大させるだけでも、機関の始動性は大幅に向上する。したがって、上記のように機関の回転数が設定回転数に達するまでの間、エキサイタコイルに駆動転流を流して出力トルクを増大させるようにすると、機関の始動時に、バッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルだけに駆動電流を流す場合に比べて、機関の始動性を更に向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1(A)及び(B)は本発明に係わる始動用電動機兼用発電機の構成を示したもので、これらの図において101は周壁部101aと該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部101bと該底壁部の中央に設けられたボス部101cとを有するカップ状のフライホイールである。フライホイール101の周壁部101aの内周には、等角度間隔で配置された16個の円弧状の永久磁石M1〜M16が接着などにより固定され、フライホイール101と永久磁石M1〜M16とにより16極の磁石回転子102が構成されている。磁石M1〜M16はそれぞれの内周側に現れる磁極が交互にN極とS極とになるように磁化の方向を交互に異ならせてフライホイールの径方向に着磁され、ヨークを構成するフライホイール101の周壁部101aと磁石M1〜M6とにより16極の磁石界磁が構成されている。磁石回転子102は、フライホイール101のボス部101cを図示しない機関の出力軸(通常はクランク軸)に嵌着することにより機関に取り付けられる。
【0027】
磁石回転子102の内側には固定子103が配置されている。固定子103は、環状の継鉄部104aから21個のバッテリ充電コイル巻回用の歯部P1 〜P18と、2個の点火装置駆動コイル巻回用の歯部Pe1及びPe2と、インジェクタ駆動コイル巻回用歯部Pi と、ポンプ駆動コイル巻回用歯部Pp とが放射状に突出した構造を有する多極星形電機子鉄心104と、該電機子鉄心の歯部P1 〜P18にそれぞれ巻回されたコイルW1 〜W18と、歯部Pe1,Pe2,Pi 及びPP にそれぞれ巻回されたコイルWe1,We2,Wi 及びWp とからなっている。この固定子103は、電機子鉄心104を内燃機関のケースなどに設けられた固定子取付け部に適宜の手段により固定することにより機関に取り付けられる。
【0028】
歯部P1 〜P9 及びP10〜P18は、通常の24極の星形電機子鉄心の極間隔に相当する角度間隔(360/24度)をもって配置され、歯部Pe1及びPe2は、歯部P18と歯部P1 との間に形成された星形鉄心の歯部3個分の(歯部を3つ配置し得る)スペースに配置されている。また歯部Pi 及びPp は歯部P9 とP10との間に形成された星形鉄心の歯部3個分のスペースに配置されている。歯部Pe1,Pe2及びPi ,Pp は、それぞれの後端部に鳩尾状の突起(蟻)105を備えていて、該突起105を継鉄部104aに形成された蟻溝に嵌合させることにより継鉄部104aに固定される。
【0029】
歯部P1 〜P18にそれぞれ巻回されたコイルW1 〜W18は、バッテリ充電コイルで、これらのコイルのうち、同位相の電圧を誘起する2つ置きの同相のコイル同士が直列または並列に接続されて3相のバッテリ充電コイルが構成され、該3相のバッテリ充電コイルが星形結線されている。
【0030】
また歯部Pe1及びPe2にそれぞれ巻回されたコイルWe1及びWe2は、コンデンサ放電式点火装置の点火用コンデンサを充電するために用いられるエキサイタコイルWeを構成する低速用コイル及び高速用コイルで、これらのコイルは、180度位相が異なる電圧を誘起する。エキサイタコイルWeを構成する低速用コイルWe1及び高速用コイルWe2は、バッテリ充電コイルを構成するコイルW1 〜W18を構成するコイル導体よりも線径が小さいコイル導体を用いて巻回されている。低速用コイルWe1は機関の低速時に十分に高い電圧を発生し得るように十分多くの巻数をもって巻回され、高速用コイルWe2は機関の高速時に十分に高い電圧を発生するように比較的少ない巻数をもって巻回されている。
【0031】
歯部Pi 及びPp にそれぞれ巻回されたコイルWi 及びWp はインジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルで、これらのコイルも、互いに180度位相が異なる交流電圧を誘起する。インジェクタ駆動コイルWi 及びポンプ駆動コイルWp の出力はそれぞれインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)及び燃料ポンプを駆動するために用いられる。
【0032】
低速用コイルWe1、高速用コイルWe2、インジェクタ駆動コイルWi 及びポンプ駆動コイルWp は、コイルW1 〜W18を巻回する工程とは別の工程で、継鉄部104aから外された歯部Pe1,Pe2,Pi 及びPp にそれぞれ巻回され、これらのコイルが巻回された後に歯部Pe1,Pe2,Pi 及びPp が継鉄部104aに取り付けられる。
【0033】
図示の始動用電動機兼用発電機では、機関の始動時に、基本的には、3相のバッテリ充電コイルW1 〜W18を電動機用コイルとして用いて、これらのコイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すことにより、発電機を3相のブラシレス直流電動機として動作させる。一般に3相のブラシレス直流電動機においては、固定子側が2m極(mは1以上の整数)に構成され、回転子の磁石界磁が3m極に構成される。図示の例は、m=8とした場合で、固定子103が24極に構成されてそのうちの18極にコイルW1 〜W18が巻回され、残りの6極分のスペースにコイルWe1,We2,Wi 及びWp が配置されている。また回転子102は16極に構成されている。
【0034】
図1(B)に示したように、フライホイール101のボス部101cの基部外周には、永久磁石M1〜M16の磁極にそれぞれ対応した磁極を有するように16極に着磁されたリング状磁石106が取り付けられ、リング状磁石106の16個の磁極はそれぞれ磁石界磁の16個の磁極に同じ周方向位置で1対1で対応するように設けられている。
【0035】
電機子鉄心104の継鉄部の内周には、3相のバッテリ充電コイルのそれぞれに対応する位置検出器hu〜hw(図1BにU相の位置検出器huのみが示されている。)が120度の角度間隔をもって取り付けられている。各相の位置検出器はホールICからなっていて、検出している磁極の極性がN極のときとS極のときとで異なるレベルの電圧信号を出力する。この例では、内燃機関の始動時に、バッテリBからドライバ回路を通して3相のバッテリ充電コイルに駆動電流を流して発電機をブラシレス直流電動機として動作させる際に、各相のバッテリ充電コイルに流す駆動電流の通電角を電気角で180度とする180度スイッチング制御を行うものとしている。そのため、図示の例では、180度スイッチング制御を行う場合の位置検出器の普通の配置の仕方に倣って、各相の位置検出器は、対応する相のバッテリ充電コイルが巻回された電機子鉄心の複数の歯部のうちのいずれか1つの歯部の先端の磁極の中心位置よりも電気角で90度位相が進んだ位置に配置されて、リング状磁石106の磁極の極性を検出することにより、各相のバッテリ充電コイルが巻かれた歯部の磁極部の中心位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致した状態になる位置を各相の基準励磁相切替位置として検出する。
【0036】
位置検出器hu〜hwが発生する位置検出信号は、基準励磁相切替位置の情報を含む波形の信号であればよいが、位置検出器としてホールICを用いた場合、該ホールICは、検出している磁極の極性がN極のときとS極のときとで異なるレベルの信号を発生するので、位置検出信号の波形は矩形波状の波形になり、該矩形波状の位置検出信号の立上り位置及び立下がり位置がそれぞれ基準励磁相切替位置になる。
【0037】
図2は、発電機を3相ブラシレス直流電動機として動作させるために、バッテリ充電コイルW1 〜W18に接続される電気回路の構成例を示したものである。図2においては、理解を容易にするために、コイルW1 〜W18を3相星形結線して構成した3相のバッテリ充電コイルを符号Lu〜Lwで表し、m=1として、3相のバッテリ充電コイルLu〜Lwが120度間隔で配置された電機子鉄心104の3つの歯部Pu〜Pwに集中巻されているものとしている。また磁石回転子102の磁石界磁は永久磁石M1 及びM2 により2極に構成されているとしている。
【0038】
また図2においては、位置検出器hu〜hwをそれぞれ構成するホールICが回転子の磁石界磁の位置を検出するために設けられたリング磁石でなく、磁石界磁の磁極を直接検出するように図示されている。この例では、各相のバッテリ充電コイルに流す駆動電流の通電角を電気角で180度とするため、位置検出器hu〜hwはそれぞれU相ないしW相のバッテリ充電コイルが巻回された歯部Pu〜Pwの磁極の中心位置に対して電気角で90度進んだ位置に配置されて、磁石界磁の磁極の極性を検出する。
【0039】
図2において200は、3相のブラシレス直流電動機を駆動するために用いられるバッテリ充電コイル用ドライバ回路で、このドライバ回路は、3相ブリッジ接続された6個のダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzからなっていてバッテリ充電コイルLu〜Lwの誘起電圧を整流してバッテリB1 に供給するバッテリ充電用整流回路と、3相ブリッジ接続された6個のオンオフ制御が可能なスイッチ素子(図示の例ではMOSFET)Fu〜Fw及びFx〜Fzからなっていて、バッテリB1 からバッテリ充電コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と駆動電流の極性とを切り換える機能を有するスイッチ回路(バッテリ充電コイル用スイッチ回路)とからなっている。
【0040】
図示の例では、スイッチ回路を構成する6個のスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzがそれぞれ6個のダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzに逆並列接続されているが、ドライバ回路200は必ずしもこのような構成でなくてもよく、該ドライバ回路を構成するバッテリ充電用整流回路とバッテリ充電コイル用スイッチ回路とが独立に設けられていてもよい。
【0041】
このドライバ回路200においては、スイッチ回路のブリッジの上辺のスイッチ素子Fu〜Fwを構成するMOSFETのドレインの共通接続点(整流回路のブリッジの上辺を構成するダイオードDu〜Dwのカソードの共通接続点)及びスイッチ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子Fx〜Fzを構成するMOSFETのソースの共通接続点(整流回路のブリッジの下辺を構成するダイオードDx〜Dzのアノードの共通接続点)からそれぞれ導出された端子ta及びtbがスイッチ回路の直流入力端子及び整流回路の直流出力端子となっていて、これらの端子ta,tb間に直流電源300を構成するバッテリB1 が接続されている。
【0042】
またスイッチ素子Fu〜Fwをそれぞれ構成するMOSFETのソースとスイッチ素子Fx〜Fzをそれぞれ構成するMOSFETのドレインとの接続点から引き出された端子tu〜twがスイッチ回路の交流出力端子及び整流回路の交流入力端子となっていて、これらの端子tu〜twがそれぞれバッテリ充電コイルLu〜Lwの中性点と反対側の端子に接続されている。
【0043】
直流電源300を構成するバッテリBの両端には平滑用コンデンサC1 が接続されている。
【0044】
400はマイクロコンピュータを用いて構成されるコントローラで、このコントローラは、位置検出器hu〜hwがそれぞれ出力する位置検出信号Hu〜Hwが入力される入力端子とスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzのそれぞれの制御端子(図示の例ではMOSFETのゲート)に与える駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szを出力する出力端子とを有していて、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、内燃機関の始動時にバッテリ充電コイルを電動機用コイルとして機能させて磁石回転子102を内燃機関の回転方向に回転させるように、スイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzを制御するバッテリ充電コイル用スイッチ回路制御手段を実現する。
【0045】
このバッテリ充電コイル用スイッチ回路制御手段は、内燃機関の始動時に磁石回転子102を内燃機関を始動させる方向に回転せるために必要な極性の駆動電流を直流電源300からドライバ回路200のスイッチ回路部を通してバッテリ充電コイルLu〜Lwに流すべく、位置検出器hu〜hwにより3相のバッテリ充電コイルに対して検出された基準励磁相切替位置を基にして決定した励磁相切替位置で、スイッチ回路の所定のMOSFET(スイッチ素子)に駆動信号を与え、内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時にバッテリ充電コイルへの駆動電流の供給を停止する。
【0046】
図2のように3相の位置検出器hu〜hwがそれぞれU相ないしW相のバッテリ充電コイルが巻回された歯部Pu〜Pwの磁極部の中心位置に対して電気角で90度進んだ位置に取り付けられている場合、位置検出器がN極を検出したときに高レベルの信号を出力するものとすると、位置検出器hu〜hwがそれぞれ発生する位置検出信号Hu〜Hwの波形は、図3(A)〜(C)のように電気角で120度の位相差をもって順次発生する矩形波状の波形になる。この場合、位置検出信号Hu〜Hwのそれぞれの立上り位置及び立下がり位置がそれぞれU相ないしW相の基準励磁相切替位置となる。
【0047】
図示の例では、磁石回転子が2極に構成されているため、バッテリ充電コイルに鎖交する磁束及びバッテリ充電コイルの誘起電圧の電気角(磁束波形及び誘起電圧波形上の位相角)は機械角(回転子の回転角度で表した位相角)に一致している。
【0048】
また図示の例では、位置検出器hu〜hwがそれぞれ固定子のU相ないしW相の磁極の中心に対して90度位相が進んだ位置に配置されているため、位置検出信号Hu〜Hwが低レベルになっている期間及び高レベルになっている期間がそれぞれ磁石回転子が機関により駆動されて発電機として動作するときにU相ないしW相のバッテリ充電コイルLu〜Lwに誘起する誘起電圧の一方の半サイクルの期間及び他方の半サイクルの期間に一致している。例えば位置検出信号Huが低レベルになっている期間がU相のバッテリ充電コイルLuの誘起電圧の正の半サイクルの期間に一致し、Huが高レベルになっている期間がU相のバッテリ充電コイルLuの誘起電圧の負の半サイクルの期間に一致している。
【0049】
この例では、スイッチ回路を構成する各スイッチ素子を電気角で180度の期間オン状態にし、残りの180度の期間をオフ状態にするように各スイッチ素子のオンオフ制御(180度スイッチング制御)を行わせる。この場合、例えば図3(D)ないし(I)のように、スイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの基準のスイッチングパターンを定める。
【0050】
図3(D)ないし(I)はスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの基準スイッチパターンをそれぞれのスイッチ素子に与えられる駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szの波形で示したもので、図3(D)ないし(I)にそれぞれ示された高レベルの矩形波信号が駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szである。これらの駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szが発生している期間がスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの駆動期間であり、駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szが発生していない期間がスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの非駆動期間である。
【0051】
図3に示した180度スイッチング制御の基準スイッチパターンにおいては、U相ないしW相のバッテリ充電コイルLuないしLwに対してそれぞれ磁石回転子の回転角度位置を検出する位置検出器huないしhwから得られる位置検出信号HuないしHwがそれぞれ高レベルになっている期間(それぞれの位置検出器が磁石界磁の一方の磁極を検出している期間)をブリッジの上辺の対応するスイッチ素子FuないしFwの非駆動期間とし、位置検出信号HuないしHwがそれぞれ低レベルになっている期間をブリッジの上辺の対応するスイッチ素子FuないしFwの駆動期間とする。またスイッチ回路のブリッジの上辺のスイッチ素子FuないしFwのそれぞれの非駆動期間(位置検出器huないしhwがそれぞれ磁石界磁の他方の磁極を検出している期間)をブリッジの下辺の対応するスイッチ素子FxないしFzの駆動期間とし、ブリッジの上辺のスイッチ素子FuないしFwの駆動期間をそれぞれブリッジの下辺の対応するスイッチ素子FxないしFzの非駆動期間とする。
【0052】
図3(D)ないし(I)に示したような基準スイッチパターンでスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzをオンオフさせると、磁石回転子が外部から駆動されて発電機として動作しているときにバッテリ充電コイルLu〜Lwに誘起させられる電圧(発電機としての誘起電圧)と同位相の交流電圧がバッテリBからスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzにより構成されたスイッチ回路を通してバッテリ充電コイルLu〜Lwに印加される。
【0053】
図1に示した発電機では、バッテリB側からバッテリ充電コイルLu〜Lwに駆動電流を流す際に、図3に示した基準スイッチパターンを基準にして、スイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの実際のスイッチパターンの位相を変化させると、バッテリ充電コイルLu〜Lwに鎖交する磁束の量を増加または減少させて、発電機としての出力特性を変化させることができる。スイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzの実際のスイッチパターンの位相と基準スイッチパターンとの位相差γを制御進み角と呼ぶ。
【0054】
図1の始動用電動機兼用発電機では、内燃機関の始動時に、コントローラ400が、所定の基準励磁相切替位置または該基準励磁相切替位置に対して制御進み角γを有する所定の励磁相切替位置でスイッチ回路を構成するスイッチ素子Fu〜Fw及びFx〜Fzにそれぞれ駆動信号Su〜Sw及びSx〜Szを与えて、バッテリ充電コイルLu〜Lwに所定の相順で転流する駆動電流を流す。これにより磁石発電機をブラシレス直流電動機として動作させて磁石回転子102を回転させ、機関の出力軸を始動方向に回転させる。
【0055】
図1の始動用電動機兼用発電機では、上記のように、基本的には、機関の始動時に3相結線されたバッテリ充電コイルLu〜Lw(図1の例ではコイルW1 〜W18からなる)を電動機用のコイルとして用いて、これらのコイルに駆動電流を流すことによりブラシレス直流電動機として動作させるが、図示のようにインジェクタ駆動コイルWi やポンプ駆動コイルWp などの負荷駆動コイルが設けられる場合には、バッテリ充電コイルを構成するコイルの数が少なくなり、バッテリ充電コイルのみを電動機用コイルとして用いたのでは、始動トルクが不足するおそれがある。
【0056】
そこで、本発明においては、機関の始動時にバッテリ充電コイルに駆動電流を流すと同時に、インジェクタ駆動コイルWi 及びポンプ駆動コイルWp にも駆動電流を流すことにより、始動トルクを増大させる。
【0057】
本実施形態では、機関の始動時にインジェクタ駆動コイルWi とポンプ駆動コイルWp とに駆動電流を流すために、図4に示したように、インジェクタ駆動コイルWi とバッテリB1 との間にインジェクタ駆動コイル用ドライバ回路201を接続し、ポンプ駆動コイルWp とバッテリB1 との間にポンプ駆動コイル用ドライバ回路202を接続する。またエキサイタコイルWeにはコンデンサ放電式の点火装置500を接続する。
【0058】
インジェクタ駆動コイル用ドライバ回路201は、単相ブリッジ接続された4個のダイオードDui,Dvi及びDxi,Dyiからなっていてインジェクタ駆動コイルWi の誘起電圧を整流してインジェクタの励磁コイルINJに供給するインジェクタ駆動用整流回路と、単相ブリッジ接続された4個のオンオフ制御が可能なスイッチ素子(図示の例ではMOSFET)Fui,Fvi及びFxi,Fyiからなるスイッチ回路(インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路)とを備えている。
【0059】
なお図示の例では、コンデンサ充電コイル用ドライバ回路と同様に、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路を構成する4個のスイッチ素子Fui,Fvi,Fxi及びFyiがそれぞれインジェクタ駆動用整流回路を構成する4個のダイオードDui,Dvi及びDxi,Dyiに逆並列接続されているが、インジェクタ駆動用整流回路とインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路とをそれぞれ独立に設けるようにしてもよい。
【0060】
図示のインジェクタ駆動コイル用ドライバ回路201においては、スイッチ回路のブリッジの上辺のスイッチ素子Fui,Fviを構成するMOSFETのドレインの共通接続点(整流回路のブリッジの上辺を構成するダイオードDui,Dviのカソードの共通接続点)から引き出された端子tai及びスイッチ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子Fxi,Fyiを構成するMOSFETのソースの共通接続点(整流回路のブリッジの下辺を構成するダイオードDxi,Dyiのアノードの共通接続点)から導出された端子tbiがスイッチ回路の直流入力端子及び整流回路の直流出力端子となっている。
【0061】
端子taiは、NPNトランジスタTR1 のエミッタに接続され、該トランジスタTR1 のコレクタが、機関のシリンダ内に燃料を噴射するように設けられたインジェクタの励磁コイルINJの一端に接続されている。インジェクタの励磁コイルINJの他端はNPNトランジスタTR2 のコレクタに接続され、トランジスタTR2 のエミッタは、ドライバ回路の端子tbiとともに接地されている。
【0062】
インジェクタの励磁コイルINJの一端には、バッテリB1 の正極端子にアノードが接続されたダイオードD2 のカソードが接続され、ドライバ回路の端子tbiにバッテリB1 の負極端子が接続されている。
【0063】
またスイッチ素子Fui及びFviをそれぞれ構成するMOSFETのソースとスイッチ素子Fxi及びFyiをそれぞれ構成するMOSFETのドレインとの接続点から引き出された端子tui及びtviがインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路の交流出力端子及びインジェクタ駆動用整流回路の交流入力端子となっていて、これらの端子tui及びtyiがそれぞれインジェクタ駆動コイルWi の一端及び他端に接続されている。
【0064】
磁石発電機が機関により駆動されていて、インジェクタ駆動コイルWi が交流電圧を誘起しているときには、該交流電圧がインジェクタ駆動コイル用ドライバ回路201内のダイオードDui,Dvi,Dxi及びDyiにより構成された全波整流回路とダイオードD1 とトランジスタTR2 とを通してインジェクタの励磁コイルINJに印加される。
【0065】
ここでトランジスタTR1 は、バッテリB1 の電圧でインジェクタを駆動しているときに、ドライバ回路201をインジェクタから切り離すために設けられている。トランジスタTR1 のベースにはコントローラ400から駆動信号が与えられるようになっていて、機関の回転数が始動完了回転数未満のときにトランジスタTR1 がオン状態になってバッテリB1 からドライバ回路201を通してインジェクタ駆動コイルWi に駆動電流が流れるのを許容する。また機関の回転数が始動完了回転数以上になったときには、トランジスタTR1 がオフ状態になって、バッテリB1 からドライバ回路201を通してインジェクタ駆動コイルWi 側に駆動電流が流れるのを禁止する。
【0066】
トランジスタTR2 のベースにはコントローラ400から噴射指令信号Vjが与えられ、該駆動信号が与えられている間だけトランジスタTR2 が導通してインジェクタの励磁コイルINJに励磁電流が与えられる。励磁コイルINJに励磁電流が与えられると、インジェクタのバルブが開くため、該インジェクタから機関のシリンダ内に燃料が噴射する。
【0067】
コントローラ400は、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、内燃機関の始動時にバッテリ充電コイルとともに上記インジェクタ駆動コイルをも電動機用コイルとして機能させるべく、スイッチ素子Fui,Fvi,Fxi及びFyiにより構成されたインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路を制御するインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段を実現する。
【0068】
コントローラ400が実現するインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段は、機関の回転数を検出する回転速度検出手段401の出力信号と、位置検出器hu〜hw(図4には図示せず。)の出力信号Hu〜Hwとを入力として、機関の回転数が始動完了回転数よりも低いときに、対角位置にあるスイッチ素子Fui,Fyiを導通させる状態と、スイッチ素子Fvi,Fxiを導通させる状態とを所定のタイミングで交互に生じさせて、インジェクタ駆動コイルWi に駆動電流Ii が流れる状態と、駆動電流Ii と逆極性の駆動電流Ii ´が流れる状態とを所定のタイミングで生じさせることにより、磁石回転子102に生じるトルクを増大させる。
【0069】
即ち、コントローラ400が実現するインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段は、インジェクタ駆動コイルWi が巻回された電機子鉄心の歯部Pi に磁石回転子のN極が近付いてくるときに歯部Pi の先端の磁極部をS極とするようにインジェクタ駆動コイルWi に駆動電流Ii (またはIi ´)を流し、歯部Pi に磁石回転子のS極が近付いてくるときに歯部Pi の先端の磁極部をN極とするようにインジェクタ駆動コイルWi に駆動電流Ii ´(またはIi )を流すように、回転子の回転角度位置に応じて、スイッチ素子Fui,Fvi,Fxi及びFyiを制御する。インジェクタ駆動コイルWi に流す駆動電流の極性を切換えるタイミングは、位置検出器hu〜hwの出力信号Hu〜Hwにより与えられる回転子の回転角度位置情報から演算により求めることができる。
【0070】
202はポンプ駆動コイルWp に対して設けられたポンプ駆動コイル用ドライバ回路で、このドライバ回路は、単相ブリッジ接続された4個のダイオードDup,Dvp及びDxp,Dypからなるポンプ駆動用整流回路と、単相ブリッジ接続された4個のオンオフ制御が可能なスイッチ素子(図示の例ではMOSFET)Fup,Fvp及びFxp,Fypからなるポンプ駆動コイル用スイッチ回路とからなっている。
【0071】
このドライバ回路においても、ポンプ駆動コイル用スイッチ回路を構成する4個のスイッチ素子Fup,Fvp,Fxp及びFypがそれぞれポンプ駆動用整流回路を構成する4個のダイオードDup,Dvp及びDxp,Dypに逆並列接続されているが、ポンプ駆動用整流回路とポンプ駆動コイル用スイッチ回路とをそれぞれ独立に設けるようにしてもよい。
【0072】
図示のポンプ駆動コイル用ドライバ回路202においては、スイッチ回路のブリッジの上辺のスイッチ素子Fup,Fvpを構成するMOSFETのドレインの共通接続点(整流回路のブリッジの上辺を構成するダイオードDup,Dvpのカソードの共通接続点)から引き出された端子tap及びスイッチ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子Fxp,Fypを構成するMOSFETのソースの共通接続点(整流回路のブリッジの下辺を構成するダイオードDxp,Dypのアノードの共通接続点)からそれぞれ導出された端子tbpがスイッチ回路の直流入力端子及び整流回路の直流出力端子となっていて、これらの端子間に燃料ポンプPを駆動するポンプ駆動回路203が接続されている。また端子tap,tbp間には、バッテリB1 の電圧がダイオードD3 を通して印加されている。
【0073】
またスイッチ素子Fup,Fvpをそれぞれ構成するMOSFETのソースとスイッチ素子Fxp,Fypをそれぞれ構成するMOSFETのドレインとの接続点から引き出された端子tup,tvpがポンプ駆動コイル用スイッチ回路の交流出力端子及びポンプ駆動用整流回路の交流入力端子となっていて、これらの端子tup及びtvpがそれぞれポンプ駆動コイルWp の一端及び他端に接続されている。
【0074】
上記のようにポンプ駆動コイルWp が設けられている場合、コントローラ400は、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、機関の始動時にこのポンプ駆動コイルWp をも電動機用コイルとして機能させるように、スイッチ素子Fup,Fvp,Fxp及びFypを制御するポンプ駆動コイル用スイッチ回路制御手段を実現する。
【0075】
このスイッチ制御手段は、機関の回転数が始動完了回転数よりも低く設定された設定回転数以下の時に、対角位置にあるスイッチ素子Fup,Fypを導通させる状態と、スイッチ素子Fvp,Fxpを導通させる状態とを所定のタイミングで交互に生じさせて、ポンプ駆動コイルWp に駆動電流Ip が流れる状態と、駆動電流Ip と逆極性の駆動電流Ip ´が流れる状態とを所定のタイミングで生じさせることにより、磁石回転子102に生じるトルクを、バッテリ充電コイルに流れる電流のみにより生じるトルクよりも増大させる。
【0076】
即ち、コントローラ400が実現するポンプ駆動コイル用スイッチ回路制御手段は、ポンプ駆動コイルWp が巻回された電機子鉄心の歯部Pp に磁石回転子のN極が近付いてくるときに歯部Pp の先端の磁極部をS極とするようにポンプ駆動コイルWp に駆動電流Ip (またはIp ´)を流し、歯部Pp に磁石回転子のS極が近付いてくるときに歯部Pp の先端の磁極部をN極とするようにポンプ駆動コイルWp に駆動電流Ip ´(またはIp )を流すように、回転子の回転角度位置に応じてスイッチ素子Fup,Fvp,Fxp及びFypをオンオフ制御する。
【0077】
この実施形態では、上記バッテリ充電コイル用スイッチ回路制御手段と、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段と、ポンプ駆動コイル用スイッチ回路制御手段とにより、バッテリ充電コイルとインジェクタ駆動コイルとポンプ駆動コイルとを電動機用コイルとして機能させて磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、バッテリからバッテリ充電コイル用スイッチ回路を通してn相(上記の例では3相)のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、バッテリからインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及びポンプ駆動コイル用スイッチ回路を通してインジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルにそれぞれ所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時にバッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するようにバッテリ充電コイル用スイッチ回路、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及びポンプ駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段が構成されている。
【0078】
なおポンプ駆動コイルが省略される場合(ポンプをバッテリにより駆動する場合)には、バッテリ充電コイル用スイッチ回路制御手段と、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段とにより、内燃機関の始動時にバッテリ充電コイルと負荷駆動コイル(この場合はインジェクタ駆動コイル)との双方を電動機用コイルとして機能させて、磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、バッテリからバッテリ充電コイル用スイッチ回路を通してn相のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、バッテリから負荷駆動コイル用スイッチ回路を通して負荷駆動コイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時にバッテリ充電コイル及び負荷駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するようにバッテリ充電コイル用スイッチ回路及び負荷駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段が構成される。
【0079】
エキサイタコイルWeにより駆動されるコンデンサ放電式の点火装置は、一般に、点火コイルと、該点火コイルの一次側に設けられてエキサイタコイルの一方の半サイクルの電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、内燃機関の点火時期に点火信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えている。
【0080】
図4に示された例では、一次コイル及び二次コイルの一端が接地された点火コイルIGと、点火コイルIGの一次コイルの非接地側端子に一端が接続された点火用コンデンサCaと、コンデンサCaの他端と接地間にカソードを接地側に向けて接続された放電用スイッチとしてのサイリスタTh と、点火用コンデンサCaの他端にカソードが接続されたダイオードDaと、点火コイルIGの一次コイルの両端にカソードを接地側に向けて接続されたダイオードDbと、図示しない内燃機関の気筒に取り付けられて非接地側の端子が点火コイルの二次コイルの非接地側端子に接続された点火プラグPLとによりコンデンサ放電式の点火装置500が構成されている。
【0081】
エキサイタコイルWeを構成する低速用コイルWe1及び高速用コイルWe2はそれぞれに誘起する電圧の極性を合わせた状態で直列に接続され、高速用コイルWe2の低速用コイルと反対側の端子がダイオードDaのアノードに接続されている。また低速用コイルWe1の高速用コイルWe2と反対側の端子と接地間にアノードを接地側に向けたダイオードD4 が接続され、低速用コイルWe1と高速用コイルWe2との接続点と接地間にアノードを接地側に向けたダイオードD5 が接続されている。
【0082】
図2に示した点火装置500において、エキサイタコイルWeに正の半サイクルの電圧が誘起すると、該エキサイタコイルの誘起電圧によりダイオードDaとダイオードDb及び点火コイルIGの一次コイルとを通して点火用コンデンサCaが図示の極性に充電される。内燃機関の点火時期にサイリスタTh のゲートに点火信号Vt が与えられると、該サイリスタTh が導通するため点火用コンデンサCaの電荷がサイリスタTh と点火コイルIGの一次コイルとを通して放電する。この放電により点火コイルの一次コイルに誘起する高い電圧が更に昇圧されて点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起させられる。点火コイルIGの二次コイルに誘起した高電圧は点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグに火花放電が生じて機関が点火される。
【0083】
機関の低速時には、低速用コイルWe1の出力電圧と高速用コイルWe2の出力電圧との和の電圧により、ダイオードDaとダイオードDb及び点火コイルIGの一次コイルとダイオードD4 とを通して点火用コンデンサCaが充電される。また機関の高速時には、低速用コイルWe1の出力電圧が低下するため、ダイオードDaとダイオードDb及び点火コイルIGの一次コイルとダイオードD5 とを通して、主として高速用コイルWe2の出力により点火用コンデンサCaが充電される。機関の高速時には、低速用コイルWe1のインピーダンスが高くなるが、図4に示した回路では、ダイオードD5 が設けられることにより高速時に高インピーダンスの低速用コイルWe1が高速用コイルWe2の負荷にならないようになっている。
【0084】
図5は、図1に示した始動用電動機兼用発電機において、固定子に設けられた各コイルを電動機用コイルとして用いた場合の出力トルクτ対回転数N[rpm ]特性の一例を示したものである。図5において直線aはバッテリ充電コイルLu〜Lwのみを電動機用コイルとした場合のτ−N特性を示し、直線b及びcはそれぞれインジェクタ駆動コイルWi のみを電動機用コイルとして用いた場合、及びポンプ駆動コイルWp のみを電動機用コイルとして用いた場合のτ−N特性を示している。また折れ線dはバッテリ充電コイルLu〜Lwとインジェクタ駆動コイルWi とポンプ駆動コイルWp とのすべてのコイルを電動機コイルとして用いた場合のτ−N特性を示し、直線eは従来の始動専用の電動機を用いた場合に得られるτ−N特性を示している。
【0085】
図5においてN1 は、機関を始動した後その回転を維持するために必要な最低回転数(始動完了回転数)で、機関の始動時にこの始動完了回転数N1 までクランク軸の回転数を上昇させることができれば、機関の始動に成功する。そのためには、機関の始動時に始動用電動機からトルクτ1 以上のトルクを発生させる必要があるが、上記のように、バッテリ充電コイルW1 〜W18とインジェクタ駆動コイルWi とポンプ駆動コイルWp とのすべてのコイルを電動機コイルとして用いることにより、この条件を満足させることができることが分かる。また機関の始動が完了した後は、始動用電動機としての動作を停止させる必要があるので、回転数が始動完了回転数N1 に達したことが検出されたときに、バッテリ充電コイルLu〜Lw、インジェクタ駆動コイルWi 及びポンプ駆動コイルWp への駆動電流の供給を停止するように、コントローラ400に設けるバッテリ充電コイル用スイッチ回路制御手段と、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路制御手段と、ポンプ駆動コイル用スイッチ回路制御手段とを構成しておく。
【0086】
したがって、機関の回転数が始動完了回転数に達した後は、バッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルが発電コイルとして機能し、バッテリ充電コイルLu〜Lwの出力でバッテリB1 が充電される。またインジェクタ駆動コイルWi の出力電圧がバッテリB1 の出力電圧よりも高いときに、該駆動コイルWi の出力でインジェクタが駆動され、ポンプ駆動コイルWp の出力電圧がバッテリB1 の出力電圧よりも高いときに該ポンプ駆動コイルの出力で燃料ポンプが駆動される。
【0087】
上記の例では、機関の始動時にエキサイタコイルWeを電動機用コイルとして用いないようにしたが、機関の始動時の最初の点火動作は、機関のクランク軸の回転数が所定の値に達したときに行えばよいので、機関の始動操作を開始した後機関の回転数が始動完了回転数よりも充分に低く設定された設定回転数に達するまでの間、バッテリからエキサイタコイルWeに駆動電流を流して、該エキサイタコイルをも電動機コイルとして用いることができる。
【0088】
この場合には、前記のドライバ回路200〜202に加えて更に、エキサイタコイルの誘起電圧を整流して内燃機関用点火装置に与える点火装置駆動用整流回路と、バッテリB1 とエキサイタコイルWeとの間に設けられてバッテリからエキサイタコイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するエキサイタコイル用スイッチ回路とを備えたエキサイタコイル用ドライバ回路を設ける。
【0089】
またコントローラ400は、内燃機関の始動時にバッテリB1 からバッテリ充電コイルLu〜Lwに流れる駆動電流により磁石回転子に生じるトルクを増加させるべく、バッテリB1 からエキサイタコイル用スイッチ回路を通してエキサイタコイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、内燃機関の回転数が始動完了回転数よりも充分に低く設定された設定回転数に達した時にエキサイタコイルへの駆動電流の供給を停止するようにエキサイタコイル用スイッチ回路を制御するエキサイタコイル用スイッチ回路制御手段を更に備えた構成とする。このように機関の始動開始時にエキサイタコイルをも電動機用コイルとして用いるようにすると、機関の始動性を更に向上させることができる。
【0090】
上記の例では、バッテリ充電コイルW1 〜W18が3相のコイルLu〜Lwを構成するように結線されているが、本発明は、一般にバッテリ充電コイルをn相(nは2以上の整数)の回路を構成するように結線する場合に適用することができる。バッテリ充電コイルをn相に結線する場合には、電機子鉄心の歯部の数をn×mとし、磁石回転子の磁石界磁の極数は2×mとする。
【0091】
上記の例では、各ドライバ回路の整流回路部分を構成するためにダイオードを設けているが、これらのダイオードとしては、MOSFETの構造上そのドレインソース間に形成される寄生ダイオードを用いることもできる。
【0092】
また各ドライバ回路のスイッチ回路を構成するスイッチ素子はMOSFETに限られるものではなく、トランジスタやIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などのオンオフ制御が可能な他のスイッチ素子を用いることもできる。
【0093】
上記の例では、コントローラ400をマイクロコンピュータを用いて構成するとしたが、アナログ回路または論理回路を用いてコントローラ400を構成することもできる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内燃機関を始動する際に、バッテリー充電コイルと負荷駆動コイルとの双方を電動機用コイルとして機能させるようにしたため、発電機を大形にすることなく、機関の始動時に大きな始動トルクを得ることができる。
【0095】
また、本発明によれば、バッテリ充電コイルと負荷駆動コイルとの双方に駆動電流を流した状態で機関の始動に必要なトルクを発生させるように、各コイルを設計すればよいので、バッテリ充電コイルのみを電動機用のコイルとして用いて機関を始動させる場合に比べて、バッテリ充電コイルの短絡電流を小さくすることができる。したがって、本発明によれば、バッテリー充電時にバッテリー充電コイルを短絡する制御を行った場合に、バッテリー充電コイルから生じる発熱が多くなってコイルが過熱したり、大きな短絡電流により磁石発電機が機関にとって大きな負荷となったりするのを防ぐことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる始動用電動機兼用発電機の構成例を示したもので、(A)は正面図、(B)は(A)のY−Y線断面図である。
【図2】図1の発電機のバッテリ充電コイルに接続される回路の構成例を示した回路図である。
【図3】図1の発電機の各部の信号波形を示した波形図である。
【図4】図1の発電機の各コイルに接続される電気回路の構成例を示した回路図である。
【図5】図1の発電機の各コイルを電動機用のコイルとして用いて電動機として動作させた場合の出力トルク対回転数特性の一例を示した線図である。
【符号の説明】
101…フライホイール、102…磁石回転子、103…固定子、104…電機子鉄心、P1 〜P18…電機子鉄心のバッテリ充電コイル巻回用歯部、Pi …インジェクタ駆動コイル巻回用歯部、Pp …ポンプ駆動コイル巻回用歯部、Pe1,Pe2…エキサイタコイル巻回用歯部、M1 〜M16…永久磁石、W1 〜W18…バッテリ充電コイル、We1及びWe2 …点火装置駆動コイルを構成する低速コイル及び高速コイル、Wi …インジェクタ駆動コイル、Wp …ポンプ駆動コイル、hu〜hw…位置検出器。

Claims (3)

  1. 多極の磁石界磁を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心を備えて該電機子鉄心の一部の歯部群にn相(nは2以上の整数)のバッテリ充電コイルが巻回されるとともに、該電機子鉄心の他の一部の歯部または歯部群に、少なくとも1つの単相または多相の負荷駆動コイルが巻回された固定子と、
    ダイオードブリッジ全波整流回路からなっていて前記バッテリ充電コイルの誘起電圧を整流してバッテリに供給するバッテリ充電用整流回路と、前記バッテリとバッテリ充電コイルとの間に設けられて前記バッテリから前記バッテリ充電コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するバッテリ充電コイル用スイッチ回路とを備えたバッテリ充電コイル用ドライバ回路と、
    前記負荷駆動コイルの誘起電圧を整流して負荷に与える負荷駆動用整流回路と、前記バッテリと前記負荷駆動コイルとの間に設けられて前記バッテリから前記負荷駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有する負荷駆動コイル用スイッチ回路とを有する負荷駆動コイル用ドライバ回路と、
    前記内燃機関の始動時に前記バッテリ充電コイルと負荷駆動コイルとの双方を電動機用コイルとして機能させて、前記磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、前記バッテリから前記バッテリ充電コイル用スイッチ回路を通して前記n相のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、前記バッテリから前記負荷駆動コイル用スイッチ回路を通して前記負荷駆動コイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、前記内燃機関の回転数が前記始動完了回転数に達した時に前記バッテリ充電コイル及び負荷駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するように前記バッテリ充電コイル用スイッチ回路及び負荷駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段を備えたコントローラと、
    を具備してなる内燃機関始動用電動機兼用発電機。
  2. 多極の磁石界磁を有して内燃機関のクランク軸に取り付けられる磁石回転子と、
    周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と、該電機子鉄心の一部の歯部群に巻回されたn相(nは2以上の整数)のバッテリ充電コイルと、前記電機子鉄心の他の一部の歯部または歯部群に巻回されたインジェクタ駆動コイルと、前記電機子鉄心の更に他の一部の歯部または歯部群に巻回されたポンプ駆動コイルとを有する固定子と、
    ダイオードブリッジ全波整流回路からなっていて前記バッテリ充電コイルの誘起電圧を整流してバッテリに供給するバッテリ充電用整流回路と、前記バッテリとバッテリ充電コイルとの間に設けられて前記バッテリから前記バッテリ充電コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するバッテリ充電コイル用スイッチ回路とを備えたバッテリ充電コイル用ドライバ回路と、
    前記インジェクタ駆動コイルの誘起電圧を整流してインジェクタ駆動回路に与えるインジェクタ駆動用整流回路と、前記バッテリと前記インジェクタ駆動コイルとの間に設けられて前記バッテリから前記インジェクタ駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するインジェクタ駆動コイル用スイッチ回路とを有するインジェクタ駆動コイル用ドライバ回路と、
    前記ポンプ駆動コイルの誘起電圧を整流して燃料ポンプに与えるポンプ駆動用整流回路と、前記バッテリと前記ポンプ駆動コイルとの間に設けられて前記バッテリから前記ポンプ駆動コイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するポンプ駆動コイル用スイッチ回路とを有するポンプ駆動コイル用ドライバ回路と、
    前記内燃機関の始動時には、前記バッテリ充電コイルとインジェクタ駆動コイルとポンプ駆動コイルとを電動機用コイルとして機能させて前記磁石回転子を内燃機関の回転方向に回転させるためのトルクを発生させるべく、前記バッテリから前記バッテリ充電コイル用スイッチ回路を通して前記n相のバッテリ充電コイルに所定の相順で転流する駆動電流を流すとともに、前記バッテリから前記インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及び前記ポンプ駆動コイル用スイッチ回路を通して前記インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルにそれぞれ所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、前記内燃機関の回転数が始動完了回転数に達した時に前記バッテリ充電コイル、インジェクタ駆動コイル及びポンプ駆動コイルへの駆動電流の供給を停止するように前記バッテリ充電コイル用スイッチ回路、インジェクタ駆動コイル用スイッチ回路及びポンプ駆動コイル用スイッチ回路を制御するスイッチ回路制御手段を備えたコントローラと、
    を具備してなる内燃機関始動用電動機兼用発電機。
  3. 前記固定子の電機子鉄心の更に他の一部の歯部または歯部群に内燃機関用点火装置を駆動するエキサイタコイルが巻回され、
    前記エキサイタコイルの誘起電圧を整流して内燃機関用点火装置に与える点火装置駆動用整流回路と、前記バッテリと前記エキサイタコイルとの間に設けられて前記バッテリから前記エキサイタコイルに駆動電流を流す際に該駆動電流を流す相と該駆動電流の極性とを切り換える機能を有するエキサイタコイル用スイッチ回路とを有するエキサイタコイル用ドライバ回路が更に設けられ、
    前記コントローラは、内燃機関の始動時に前記エキサイタコイルをも電動機用コイルとして機能させるべく、前記バッテリから前記エキサイタコイル用スイッチ回路を通して前記エキサイタコイルに所定の極性の駆動電流を所定のタイミングで流し、前記内燃機関の回転数が前記始動完了回転数よりも充分に低く設定された設定回転数に達した時に前記エキサイタコイルへの駆動電流の供給を停止するように前記エキサイタコイル用スイッチ回路を制御するエキサイタコイル用スイッチ回路制御手段を更に備えている請求項2に記載の内燃機関始動用電動機兼用発電機。
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