JP3750159B2 - エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム - Google Patents
エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3750159B2 JP3750159B2 JP23485395A JP23485395A JP3750159B2 JP 3750159 B2 JP3750159 B2 JP 3750159B2 JP 23485395 A JP23485395 A JP 23485395A JP 23485395 A JP23485395 A JP 23485395A JP 3750159 B2 JP3750159 B2 JP 3750159B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- atom
- ethylene
- cyclopentadienyl
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物共重合体が、次の一連の先行文献に提案されている。すなわち、特開平3−250007号公報には特定の遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒系を用いて、アイソタクチック構造を有するエチレンとスチレンの交互共重合体を製造する方法が示されている。また、特開平3ー163088号公報には拘束幾何形状錯体とアルミノキサンからなる触媒を使用し、エチレン/α−オレフィン/スチレン共重合体を高活性で製造する方法が示されている。同様に、特開平5−194641号公報には拘束幾何形状錯体とルイス酸を接触させてなる触媒を用いて、エチレン/プロピレン/スチレン共重合体の合成例が例示されている。さらに特開平6−49132号公報には特定の遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒を用いて、エチレン/スチレン共重合体を製造する方法が示されている。
【0003】
また、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体は、オレフィン系のゴム(EPDM)の原料として知られている。EPDMは耐熱性、耐候性、耐オゾン性および耐寒性に優れ、各方面で使用されているものの、ロール加工性、低温セット性に劣ることが知られている。
【0004】
現在、EPDMはバナジウム系触媒あるいはチタン系触媒を使用して工業的に生産されている。ここ数年、メタロセン系触媒を使用したEPDMの製造法も示されている。例えば、特開昭62−121711号公報にはメタロセン化合物とアルミノキサンからなる触媒を使用し、分子量分布および組成分布が狭く、かつ透明性、非粘着性および力学物性に優れたEPDMの製造方法が例示されている。
【0005】
以上述べたように、現在までにエチレン/α−オレフィン/非共役ジエンおよびエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物のような三元共重合体については報告されているものの、エチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエンのような四元共重合体については未だ報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記EPDMの問題点であるロール加工性、低温セット性を改良し、力学特性に優れる架橋ゴム等への応用が可能なエチレン系共重合体の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、▲1▼架橋ゴムなどへの応用が可能なエチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、非共役ジエンからなるランダム共重合体であって、エチレンとα−オレフィンのモル比が30/70〜90/10の範囲にあり、芳香族ビニル化合物含量が0.01〜30モル%の範囲にあり、非共役ジエンの含有量が0.1〜30モル%の範囲にあるエチレン系ランダム共重合体、▲2▼このエチレン系共重合体と硫黄および/または有機過酸化物からなるエチレン系共重合体組成物、▲3▼このエチレン系共重合体を硫黄および/または有機過酸化物によって架橋したエチレン系共重合体架橋ゴムを要旨とするものである。
【0008】
以下に、その詳細について説明する。
【0009】
本発明の共重合体を構成するα−オレフィンは炭素数3以上のものであり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコデセン等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ましい。
【0010】
また、本発明の共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0011】
また、本発明の共重合体を構成する非共役ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、1,6−シクロオクタジエン、1,7−オクタジエン、トリシクロペンタジエンおよびジハイドロジシクロペンタジエニルオキシエチレンとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸とのエステルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
本発明のエチレン系共重合体は、以下のような組成および特性を有する。
【0013】
(a)エチレンとα−オレフィンのモル比は30/70〜90/10の範囲にあり、特に45/55〜85/15の範囲にあることがゴム的性能および耐寒性向上の観点から好ましい。
【0014】
(b)芳香族ビニル化合物含量が0.01〜30モル%の範囲にあり、特に0.1〜15モル%の範囲にあることが好ましい。芳香族ビニル化合物含量が0.01モル%より少なくなると表面非粘着性およびロール加工性に劣り、30モル%より多くなるとガラス転移点が上昇し、低温特性の悪化を招くとともに、触媒活性が低下し、合成面で不利となる。
【0015】
(c)非共役ジエン含量が0.1〜30モル%の範囲にあり、特に0.1〜10モル%の範囲にあることが望ましい。非共役ジエンの含量が0.1モル%より少なくなると架橋速度が遅くなり、30モル%より多くなるとガラス転移点が上昇し、低温特性の悪化を招く。
【0016】
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエン系共重合体の100℃におけるムーニー粘度は、15〜150の範囲であることが好ましい。このムーニー粘度が150を越えると力学特性が小さくなり、一方、ムーニー粘度が15未満では流動性が低下し、成形加工が困難となるおそれがある。
【0017】
また、これを分子量に置き換えると、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した数平均分子量がポリエチレン換算で5000〜1000000であり、この数平均分子量が5000未満では力学特性が小さくなり、一方、数平均分子量が1000000を越えると流動性が低下し、成形加工が困難となるおそれがある。
【0018】
以上述べたエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエン共重合体の製造方法は共重合性に優れたメタロセン触媒を用い、以下の方法により製造することが好ましい。この方法により、分子量分布および組成分布の狭い共重合体を得ることが可能である。
【0019】
すなわち、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物成分、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、さらに必要に応じて有機金属成分からなる触媒の存在下でエチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物および非共役ジエンを共重合することにより、エチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエン共重合体を製造することができる。
【0020】
ここで、触媒のシクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物成分としては、下記一般式(1)または(2)
【0021】
【化1】
【0022】
(式中、Cpはシクロペンタジエニル基またはその置換体であり、Zはアルキレン基またはシランジイル基であり、Yは窒素、リン、酸素または硫黄を含む配位子であり、R,R’は各々独立してハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であり、Mはチタン原子またはジルコニウム原子である)
【0023】
【化2】
【0024】
(式中Cp1,Cp2は各々独立してシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはそれらの置換体であり、R1,R2は各々独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基もしくはアリーロキシ基であり、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、R3はCp1およびCp2を架橋するように作用しているアルキレン基またはシランジイル基である)
で示される化合物を例示することができる。
【0025】
式(1)で示される化合物の具体例としては、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドジルコニウム、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルジルコニウム、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジメチルチタン、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)ジメチルジルコニウム、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)ジベンジルチタン、((メチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)ジベンズヒドリルジルコニウム、((メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)ジネオペンチルチタン、((フェニルホスフィド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチタン、(ジベンジル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルジルコニウム、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、(ジメチル(フェニルホスフィド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルジルコニウム、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルハフニウム、((テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)ジベンジルチタン、(2−η5−(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1−メチル−エタノレート(2−))ジベンジルチタン、(2−η5−(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1−メチル−エタノレート(2−))ジメチルチタン、(2−η5−(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1−メチル−エタノレート(2−))ジベンジルジルコニウム、(2−η5−(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1−メチル−エタノレート(2−))ジメチルジルコニウム、(2−((4a,4b,8a,9,9a、−η)−9H−フルオレン−9−イル)シクロヘキサノレート(2−))ジメチルチタン、(2−((4a,4b,8a,9,9a、−η)−9H−フルオレン−9−イル)シクロヘキサノレート(2−))ジベンジルチタン、(2−((4a,4b,8a,9,9a、−η)−9H−フルオレン−9−イル)シクロヘキサノレート(2−))ジメチルジルコニウム、および(2−((4a,4b,8a,9,9a、−η)−9H−フルオレン−9−イル)シクロヘキサノレート(2−))ジベンジルジルコニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
また、式(2)で示される化合物の具体例としては、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル,2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル,2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド等およびジルコニウムをチタンまたはハフニウムに置換した有機遷移金属化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
また、上記有機遷移金属化合物成分と反応してイオン性の錯体を形成する化合物としては、イオン性の錯体を形成するものであればいずれでもよく、特に非配位性の嵩高いアニオンを有する一般式(3)で示されるイオン化イオン性化合物が好ましく用いられる。
【0028】
[C+][A-] (3)
上記一般式(3)中、[C+]はカチオンであり、具体的には、活性プロトンを含有するものとしてプロトンそれ自身あるいはトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ(o−トリル)ホスホニウム、トリ(p−トリル)ホスホニウム、トリ(メシチル)ホスホニウム等で表されるようなブレンステッド酸、あるいは活性プロトンを含有しないカルボニウム、オキソニウムまたはスルホニウムカチオンであり、具体的にはトリフェニルカルベニウム、トロピリウムイオン、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリフェニルオキソニウム等で表されるような化合物、さらに金属原子や有機金属の陽イオンであるリチウムイオン、マグネシウムイオン、パラジウムイオン、白金イオン、銅イオン、銀イオン、金イオン、水銀イオンおよびこれらにエーテルなどの塩基が配位したエーテラート化合物、フェロセニウムイオン、ジメチルフェロセニウムイオンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
また、[A-]はアニオンであり、特に限定はないが、上記した有機遷移金属化合物成分とは反応せずに弱く配位し得るアニオンが用いられ、例えば電荷を有するマグネシウム、アルミニウムなどの金属あるいはハロゲン、ホウ素、リンなどのような非金属を含み、嵩高く、非求核性であるアニオンが好ましい。具体的には[AlR4 -]、[BR4 -]、[PR6 -]または[ClO4 -]で示されるアニオンであり、さらに具体的にはテトラフェニルボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、テトラ(2,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(1,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(1,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(o−トリル)ボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、テトラ(2,5−ジメチルフェニル)ボレート、テトラ(1,5−ジメチルフェニル)ボレート、テトラフェニルアルミネート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(o−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(p−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(m−フルオロフェニル)アルミネート、テトラ(2,5−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(1,5−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(1,6−ジフルオロフェニル)アルミネート、テトラ(o−トリル)アルミネート、テトラ(p−トリル)アルミネート、テトラ(2,5−ジメチルフェニル)アルミネート、テトラ(1,5−ジメチルフェニル)アルミネート、オクタデカボレート、ドデカボレート、1−カルバウンデカボレート、1−カルバドデカボレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
イオン化イオン性化合物としては,具体的にはリチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トロピニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、トロピニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
さらに、イオン化イオン性化合物例としてアルミニウムと酸素の結合を有するものを挙げることができ、具体的な例として、下記一般式(4)または(5)
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】
で表されるアルミノオキサンが挙げられる。上記式中R4は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基または炭化水素基であり、具体的な例として塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、トリル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。qは0〜100の整数である。
【0035】
この種の化合物の製法は公知であり、(1)吸着水を有する化合物、結晶水を含有する塩類(硫酸マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物など)の炭化水素媒体懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添加して反応させる方法、あるいは(2)直接水を炭化水素媒体中のトリアルキルアルミニウムと作用させる方法を例示することができる。
【0036】
以上、有機遷移金属化合物成分と反応してイオン性の錯体を形成する化合物を例示したが、有機遷移金属化合物成分をイオン性の錯体にする化合物であれば特に限定はなく、いずれも使用することができ、さらに2種類以上の成分を組み合わせて用いることもできる。
【0037】
また、上記触媒では必要に応じて有機金属成分を用いることができる。その有機金属化合物として、周期表I、IA、II、IIA、IIB、IIIまたはIIIB族の金属化合物であり、少なくとも1つ以上のアルキル基を有するものが挙げられる。好ましくはリチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛化合物であり、金属原子は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素で金属に結合したアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基、酸素で金属に結合したアルコキシドまたはハロゲンなどの置換基を有し、置換基のうち少なくとも1つ以上がアルキル基である化合物が挙げられる。
【0038】
使用される有機金属化合物の具体的な例としてメチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、トリエチルボランなどのアルキルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムフルオライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどのアルキルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、臭化ブチルマグンネシウムなどのグリニャール化合物、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などのアルキル亜鉛などを挙げることができるが、これらに限られるものではない。これらの有機金属化合物は目的に応じて単独でも、2種類以上を組合わせて用いても良いが、単独で用いる際には、好ましくはアルミニウムを有する化合物が用いられる。
【0039】
ここで、触媒調整の際の有機遷移金属化合物(a)とこの化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物(b)の比は特に制限はないが、好ましくは(a)と(b)のモル比が(a):(b)=100:1〜1:1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜1:100000の範囲である。
【0040】
これらの成分(a)と成分(b)から触媒を調整する方法に関して特に制限はなく、調整の方法の例として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として混合させることが挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても特に制限はない。この反応の温度も時間も特に制限はない。
【0041】
触媒調整の際の有機金属化合物(c)の比は特に制限はないが、好ましくは(a)と(c)のモル比が(a):(c)=100:0〜1:1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜100000の範囲である。
【0042】
また、本発明で用いられるエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル/非共役ジエン共重合体の製造は液相中で行うことができ、その場合の溶媒としては一般に用いられる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン等が挙げられ、または芳香族ビニル化合物、α−オレフィンそれら自身を溶媒として用いることもできる。
【0043】
さらに、上記した触媒系を用いた本発明の共重合体の製造における重合温度は特に制限はないが、−100〜300℃の範囲で行うことが好ましく、また重合圧力は特に制限はないが、通常、常圧〜150kgf/cm2で行われ、常圧〜50kgf/cm2の範囲で行うことが好ましい。
【0044】
重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られる共重合体は、従来公知の方法により重合溶液から分離回収され、乾燥して固体状の共重合体を得る。
【0045】
本発明のエチレン系共重合体架橋ゴムにおける架橋剤としては、硫黄および/または有機過酸化物が使用されるが、有機過酸化物としてはベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの有機過酸化物は単一でも、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0046】
この架橋剤の添加量は、本発明のエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエン共重合体100重量部当たり0.1−10重量部用いられる。0.1重量部未満では架橋が充分に行われない可能性があり、10重量部を越えると臭気が残ることがある。
【0047】
また、必要に応じて架橋促進剤等を加え、架橋を行うことも可能である。
【0048】
本発明で使用される架橋促進剤としては、N,N−ジフェニルグアニジン、N,N−ジ−o−トリルグアニジンなどのようなグアニジン誘導体;N,N−ジブチルチオ尿素、、2−メルカプトイミダゾリン、テトラメチルチオ尿素などのようなチオ尿素;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのようなキサントゲル酸塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などのようなジチオ酸塩;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアニリン、ブチルアルデヒドアニリンなどのようなアルデヒドアンモニア系化合物;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのようなチアゾール系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのようなチウラムサルファイド;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛などのようなチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのようなスルフェンアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの架橋促進剤は単一でも、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0049】
架橋促進剤を用いる場合は、その使用量は共重合体100重量部当たり10重量部以下であり、好ましくは5重量部以下である。10重量部を越えると得られる架橋ゴムの物性が低下する恐れがある。
【0050】
また、架橋の際に亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、リサージおよび酸化マグネシウムなどに代表される架橋促進助剤および分散剤を併用することも可能である。
【0051】
さらに、本発明において共架橋剤を使用すると架橋効果が向上するので有効である。
【0052】
共架橋剤としては例えば、P・キノンジオキシム、P・Pジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロソアニリン、ジニトロソベンゼン、ラウリルメタアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ジアリールフマレート、ジアリールフタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリールシアヌレート、アリールメタアクリレート、マレイミド、フェニールマレイミド、N,N’m−フェニレンビスマレイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジアリールメラミン、ジフェニルグアニジン、ジビニルアジペート、ビニルトルエン、1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、メルカプトベンズチアゾール、硫黄等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上が必要に応じて使用される。
【0053】
また、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、ニトロソ化合物に代表されるスコーチ防止剤、クマロン樹脂、テルペン樹脂、石油系炭化水素化合物、ロジン誘導体に代表される粘着付与剤、パラフィン系軟化剤、ナフテン系軟化剤、アロマ系軟化剤、アスファルト、ワセリン、オゾケライト等に代表される軟化剤などを必要に応じて添加することが可能である。
【0054】
さらに、必要に応じて炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、カーボンブラック、石膏、石英などの無機充填剤や補強剤、さらには有機,無機顔料を配合することもできる。また、離型剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、滑剤、耐熱安定剤、光安定剤、UV吸収剤、耐候性安定剤、発泡剤、消泡剤、防錆剤、防黴剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0055】
また、本発明のエチレン系共重合体架橋ゴムの製造方法も特に限定を受けず、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどのバッチ式混練機やスクリュー押出機、ローター型連続混練機などの連続混練機などを用いて素練り、混合、ブレンドなどを行い、さらに、得られたコンパウンドを押出、射出、カレンダー、圧縮、ブロー、発泡およびトランスファー成形など任意の成形法で賦形し、架橋される。
【0056】
本発明のエチレン系共重合体の架橋条件は特に限定されないが、80〜280℃の温度で、0.5〜40分間行うのが好ましい。
【0057】
また、本発明のエチレン系共重合体架橋ゴムは、タイヤ、自動車部品、工業用品や絶縁体などへの利用が可能である。
【0058】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは例示的なものであって、限定的なものではない。実施例中の各種測定は下記の方法により行った。
【0059】
(エチレン/プロピレン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体中のプロピレン、スチレンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネン含量の測定)
1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒として400MHz、1H−NMRスペクトル(日本電子(株)製 JNMGX400)測定により算出した。
【0060】
(分子量,分子量分布の測定)
溶媒にo−ジクロロベンゼンを用いて、140℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ミリポア(株)製 150C型GPC)を用いてポリエチレン換算で求めた。
【0061】
(引張試験)
JIS K6301に準じ、引張試験を行った。温度は23℃、ダンベルは3号、速度50mm/分にて実施した。
【0062】
実施例1
エチレン/プロピレン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の合成(1)
5lのオートクレーブにトルエン2400ml、スチレン150ml、5−エチリデン−2−ノルボルネン 45ml、プロピレン250mlを加え、撹拌しながら内温を80℃まで上昇させた。この時内圧は4kg/cm2であり、ここにエチレンを導入し、全圧を16kg/cm2まで上昇させた。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルアルミノキサン15ミリモル、公知の方法にて合成した(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン 15マイクロモルを加え、この混合溶液を20分撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を16kg/cm2に保ち、80℃で40分間行った。
【0063】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、100℃で8時間減圧乾燥を行った。その結果、エチレン:プロピレン=68:32(モル比)、スチレン含量1.1モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量0.6モル%のエチレン/プロピレン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体を42g得た。この共重合体の数平均分子量は50000、Mw/Mn=2.2であった。また、公知の方法によって測定したヨウ素価は8.8mg/g、ムーニー粘度(100℃)は59であった。
【0064】
実施例2
エチレン/プロピレン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の合成(2)
5lのオートクレーブにトルエン2100ml、スチレン450ml、5−エチリデン−2−ノルボルネン 60ml、プロピレン240mlを加え、撹拌しながら内温を85℃まで上昇させた。この時内圧は4kg/cm2であり、ここにエチレンを導入し、全圧を16kg/cm2まで上昇させた。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルアルミノキサン21ミリモル、公知の方法にて合成した(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン 10.5マイクロモルを加え、この混合溶液を20分撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を16kg/cm2に保ち、85℃で25分間行った。
【0065】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、100℃で8時間減圧乾燥を行った。その結果、エチレン:プロピレン=58:42(モル比)、スチレン含量4.5モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量1.6モル%のエチレン/プロピレン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体を48g得た。また、公知の方法によって測定したヨウ素価は17.7mg/g、ムーニー粘度(100℃)は60であった。
【0066】
実施例3
エチレン/1−ヘキセン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の合成
5lのオートクレーブにトルエン1750ml、スチレン375ml、5−エチリデン−2−ノルボルネン 50ml、1−ヘキセン375mlを加え、撹拌しながら内温を80℃まで上昇させた。この時内圧は1kg/cm2であり、ここにエチレンを導入し、全圧を9kg/cm2まで上昇させた。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチルアルミノキサン30ミリモル、公知の方法にて合成した(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン 15マイクロモルを加え、この混合溶液を20分撹拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。この重合は、エチレンを連続的に導入することで全圧を9kg/cm2に保ち、80℃で30分間行った。
【0067】
重合終了後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、100℃で8時間減圧乾燥を行った。その結果、エチレン:1−ヘキセン=74:26(モル比)、スチレン含量4.6モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量1.4モル%のエチレン/1−ヘキセン/スチレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体を48g得た。また、公知の方法によって測定したヨウ素価は13.4mg/g、ムーニー粘度(100℃)は31であった。
【0068】
実施例4
実施例1で得られた共重合体40g、HAFカーボンブラック32g、ナフテンオイル20g、ステアリン酸0.2g、亜鉛華2gを内容積100cc、設定温度50℃、回転数70rpm.のインターナルミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)で3分30秒混練し、コンパウンドを得た。
【0069】
得られたコンパウンドを表面温度を50℃に設定した8インチロール混練機によって混練し、硫黄0.6g、加硫促進剤2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)0.2g、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)0.6gを添加した。混練時間は5分とした。このときのロール巻き付き性は非常に良好であった。
【0070】
混練シートを160℃で20分間架橋し、1mm厚のプレス片を得、材料試験用の試験片とした。
【0071】
比較例1
エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(JSR製・EP93)40g、HAFカーボンブラック32g、ナフテンオイル20g、ステアリン酸0.2g、亜鉛華2gを内容積100cc、設定温度50℃、回転数70rpm.のインターナルミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)で3分30秒混練し、コンパウンドを得た。
【0072】
得られたコンパウンドを表面温度を50℃に設定した8インチロール混練機によって混練し、硫黄0.6g、加硫促進剤2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)0.2g、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)0.6gを添加した。混練時間は5分とした。
【0073】
混練シートを160℃で20分間架橋し、1mm厚のプレス片を得、材料試験用の試験片とした。
【0074】
実施例5
実施例2で得られた共重合体40g、HAFカーボンブラック20g、ステアリン酸0.4g、亜鉛華1.2gを内容積100cc、設定温度50℃、回転数50rpm.のインターナルミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)で3分30秒混練し、コンパウンドを得た。
【0075】
得られたコンパウンドを表面温度を50℃に設定した8インチロール混練機によって混練し、硫黄0.6g、加硫促進剤N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)0.8gを添加した。混練時間は5分とした。このときのロール巻き付き性は非常に良好であった。
【0076】
混練シートを160℃で30分間架橋し、1mm厚のプレス片を得、材料試験用の試験片とした。
【0077】
比較例2
エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(JSR製・EP24)40g、HAFカーボンブラック20g、ステアリン酸0.4g、亜鉛華1.2gを内容積100cc、設定温度50℃、回転数50rpm.のインターナルミキサー(ラボプラストミル、東洋精機製作所製)で3分30秒混練し、コンパウンドを得た。
【0078】
得られたコンパウンドを表面温度を50℃に設定した8インチロール混練機によって混練し、硫黄0.6g、加硫促進剤N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)0.8gを添加した。混練時間は5分とした。
混練シートを160℃で30分間架橋し、1mm厚のプレス片を得、材料試験用の試験片とした。
【0079】
実施例6
実施例3で得られた共重合体を実施例4と同様にして架橋し、材料試験用の試験片を得た。
【0080】
比較例3
公知の方法にて共重合したエチレン/1−ヘキセン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(エチレン:1−ヘキセン=68:32(モル比)、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量1.4モル%、ムーニー粘度(100℃)37)を比較例1と同様の手法にて架橋し、材料試験用の試験片を得た。
【0081】
以上得られた組成物の物性試験の結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のエチレン/α−オレフィン/芳香族ビニル化合物/非共役ジエン共重合体は、ロール加工性、力学特性等に優れた物性バランスの高いエチレン系架橋ゴムへの応用が可能な新規エチレン系共重合体である。
Claims (4)
- 下記一般式(1)または(2)
- 下記一般式(1)または(2)
- 請求項1又は2に記載のエチレン系共重合体と硫黄および/または有機過酸化物からなることを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
- 請求項1又は2に記載のエチレン系共重合体を硫黄および/または有機過酸化物によって架橋したことを特徴とするエチレン系共重合体架橋ゴム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23485395A JP3750159B2 (ja) | 1994-09-16 | 1995-09-13 | エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-221573 | 1994-09-16 | ||
JP22157394 | 1994-09-16 | ||
JP23485395A JP3750159B2 (ja) | 1994-09-16 | 1995-09-13 | エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134140A JPH08134140A (ja) | 1996-05-28 |
JP3750159B2 true JP3750159B2 (ja) | 2006-03-01 |
Family
ID=26524392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23485395A Expired - Fee Related JP3750159B2 (ja) | 1994-09-16 | 1995-09-13 | エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3750159B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2237009A1 (en) * | 1996-09-18 | 1998-03-26 | Mitsui Chemicals, Incorporated | Composition of .alpha.-olefin/aromatic vinyl compound copolymer and formed product thereof |
JP3745522B2 (ja) * | 1997-01-21 | 2006-02-15 | 三井化学株式会社 | 防振材用ゴム組成物 |
ID20166A (id) * | 1997-01-21 | 1998-10-15 | Mitsui Chemicals Inc | Produk cetak yang divulkanisasi yang mempunyai lapisan dekoratif permukaan, produk cetak yang dilapis dari komposisi resin termoplastik dan produk cetak yang dilapis dari komposisi elastomer |
CN1216055A (zh) | 1997-01-21 | 1999-05-05 | 三井化学株式会社 | 轮胎橡胶组合物 |
JP5095047B2 (ja) * | 2000-07-17 | 2012-12-12 | 株式会社フジクラ | ゴムモールド部品 |
JP2009161743A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-07-23 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 後硬化性樹脂組成物及びそれを用いた高周波用電気絶縁材料 |
JP2009185208A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Denki Kagaku Kogyo Kk | オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体を含む樹脂組成物を用いた電線被覆材 |
WO2018139165A1 (ja) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ |
WO2021262838A1 (en) | 2020-06-26 | 2021-12-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Copolymers composed of ethylene, a-olefin, non-conjugated diene, and substituted styrene and articles therefrom |
WO2023218696A1 (ja) * | 2022-05-10 | 2023-11-16 | 株式会社ブリヂストン | 共重合体、ゴム組成物、タイヤ、及び共重合体の製造方法 |
-
1995
- 1995-09-13 JP JP23485395A patent/JP3750159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08134140A (ja) | 1996-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6310164B1 (en) | Unsaturated copolymers, processes for preparing the same, and compositions containing the same | |
ES2255506T3 (es) | Procedimiento para preparar en un reactor unico mezclas de polimeros que tienen una distribucion de pesos moleculares amplia. | |
JP4132672B2 (ja) | オレフィンを重合するための方法、そのためのメタロセン触媒およびメタロセンプロ触媒を活性化するための助触媒 | |
HU223951B1 (hu) | Poliolefinkészítmény az összetétel legnagyobb komonomertartalmú részére eső molekulatömeg maximummal | |
WO2001038410A9 (fr) | Caoutchouc de polymere d'ethylene, procede de production correspondant et utilisation | |
JP3750159B2 (ja) | エチレン系共重合体、その組成物およびその架橋ゴム | |
JP2007197724A (ja) | ポリオレフィン系組成物 | |
JP2000256423A (ja) | エチレン系共重合体ゴムおよびその組成物 | |
JPH07278230A (ja) | エチレン系共重合体およびその製造方法 | |
JP3114632B2 (ja) | エチレン系共重合体、その製造方法およびその組成物 | |
JPH11293046A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3506147B2 (ja) | エチレン/α−オレフィン共重合体及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3644112B2 (ja) | 軟質ポリプロピレン系樹脂組成物及び透明軟質成形体 | |
JP3744087B2 (ja) | シール材用ゴム組成物 | |
JPH08337619A (ja) | エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム | |
JP3945900B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH09151283A (ja) | エチレン系共重合体油展ゴム組成物 | |
JP3876466B2 (ja) | ウェザーストリップ用ゴム組成物 | |
JP3918384B2 (ja) | エチレン系共重合体ゴム、その製造方法および加硫可能なゴム組成物 | |
JP3632251B2 (ja) | 低結晶性エチレン系ランダム共重合体およびその組成物 | |
JPH09132683A (ja) | エチレン系共重合体組成物 | |
JP3973288B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3684626B2 (ja) | エチレン系ランダム共重合体およびその組成物 | |
JPH1036595A (ja) | 低硬度ゴム組成物および振動吸収材 | |
JP3852174B2 (ja) | 防振ゴム用ゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050719 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050908 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051128 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081216 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |