JP3748498B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜像を顕像化する方法やトナージェット方式記録方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は米国特許第2,297,691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る。また、トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】
従来、これらの目的に用いるトナーとして、一般に熱可塑性樹脂中に染料及び顔料の如き着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0004】
この製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。ところが、こういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、実際に高速で微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれるという問題が生ずる。さらに、このように脆性の高い材料は、複写機等現像用に使用する際、さらなる微粉砕ないしは粉化を受け易い。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、その分散の度合によっては、カブリの増大、画像濃度の低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散に注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0005】
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号、同43−10799号及び同51−14895号公報等により懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0006】
この方法は、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、軟質の材料を使用することができ、また、分級工程の省略をも可能にするため、エネルギーの節約、時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。
【0007】
また、近年の複写機やプリンターの高画質化、フルカラー化、省エネルギー化等トナー自体の多機能化が要求されている。例えば、高画質化にともない高解像度・デジタル方式に対応するトナー粒子の微小粒径化、フルカラー化にともなうOHP画像の透明性の向上、省エネルギー化にともなう低温定着化に対応するためトナー中に低軟化点物質の含有、転写材への転写効率の向上に有効であるトナー粒子の形状化等が要求されており、これらの要求を実現する手段として重合法によるトナーが挙げられる。
【0008】
一方、懸濁重合法は、懸濁重合法トナーも含めてその反応形態は重合が進むにつれて重合反応系の粘度が上がり、ラジカル及び重合性単量体の移動が困難になるため重合体中に重合性単量体成分が多く残留しがちである。特に懸濁重合法トナーの場合には、重合性単量体系中に染料、顔料(特にカーボンブラック)、荷電制御剤及び磁性体の如き重合反応を抑制する可能性のある成分が重合性単量体以外に多量に存在するために、なおさら未反応の重合性単量体が残存しやすい。
【0009】
そして、これらトナー粒子中に重合性単量体に限らず結着樹脂に対して溶媒として働く成分が多く存在すると、トナーの流動性を低下させ画質を悪くするほか、耐ブロッキング性の低下を招く。トナーとして直接関わりあう性能のほかにも、特に感光体として有機半導体を使用した場合には感光体ドラムヘのトナーの融着現象以外にもメモリーゴーストや画像のボケといった感光体の劣化現象に伴う問題点を生じることがある。こうした製品の性能に係わる事項以外にも、定着時に重合性単量体成分が揮発して悪臭を発したりするという問題点がある。
【0010】
以上のようなことを改良するために、特開平7−92736号公報の如く、トナー粒子中に存在する重合性単量体の残存量を500ppm以下に減少させることによって画質により一層の向上効果を生み出すことが提案されている。
【0011】
さらに、複写機、プリンター等の小型化、パーソナル化に伴い、装置上の制約が増し、前述の問題点に対する負荷が増し、また、環境に対する関心も高まっており、トナー粒子中に存在する重合性単量体の残存量を200ppm以下に減少させることが好ましく、さらには、100ppm以下に減少させることがより好ましい。
【0012】
トナー粒子中の重合性単量体の残存量を200ppm以下にする方法としては、結着樹脂を懸濁重合法で製造する際に用いられる公知の重合性単量体消費促進手段を使用することができる。例えば、未反応の重合性単量体を除去する方法としては、トナー結着樹脂は溶解しないが重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分は溶解する高揮発性の有機溶媒で洗浄する方法;酸やアルカリで洗浄する方法;発泡剤や重合体を溶解しない溶媒成分を重合体系に入れ、得られるトナーを多孔化することにより内部の重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分の揮散面積を増やす方法;及び乾燥条件下で主合成単量体及び/あるいは有機溶媒成分を揮散させる方法があげられるが、トナーカプセル性低下によるトナー構成成分の溶出、その溶媒の残留性等溶媒の選択が難しいので、乾燥条件下で重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分を揮散させる方法が最も好ましい。
【0013】
従来より、重合反応が終了した懸濁液を固液分離した後のトナー粒子の乾燥方法について改良がなされている。例えば、特開昭63−124055号公報には、トナー粒子を気体により浮遊懸濁させ流動層を形成しつつ乾燥させる方法が提案されている。また、特開平4−311966号公報、特開平8−179562号公報等に流動層乾燥機を使用したトナー粒子の乾燥方法が提案されている。
【0014】
上記流動層乾燥機によるトナー粒子の乾燥方法は、効率良くトナーの乾燥が行える。しかしながら、前述した未反応の重合性単量体は、一般的に沸点が水よりも高温であるため水分の除去がほぼ完了した後でないと有効に除去できない、つまり、水分の恒率乾燥期間を過ぎ、減率乾燥を十分に行わないと有効に除去できない。ところが、水分が除去されてしまうと、トナー粒子のように帯電性を伴う粒子では、流動室の壁面に付着を起こし、さらには流動室の壁面に付着した粒子が、塊の状態で剥離し、全体として、未反応の重合性単量体の除去が不均一なものになってしまったり、トナー粒子の収率が低下してしまう等の問題を生ずる。
【0015】
また、特開平6−324517号公報には、重合反応が終了した懸濁液を固液分離した後のトナー粒子または、懸濁液をそのまま熱気流中で粉粒状に分散させ、熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する乾燥させる方法が提案されている。
【0016】
この熱気流によるトナー粒子の乾燥方法は、効率良く、連続的に水分の除去が行える。しかしながら、前述した未反応の重合性単量体は、瞬間的な乾燥では、ほとんど除去することができない。
【0017】
また、特開平8−160662号公報等には、真空式乾燥装置による乾燥させる方法が提案されている。
【0018】
ところが、この乾燥方法では、水分を蒸発除去した後、さらに未反応の重合性単量体の除去を行うには、非常に長い乾燥時間を要するばかりでなく、水分の除去の際に装置内の真空状態に起因するトナーの締まり及び凝集が起きて圧密状態が形成される。この圧密状態の形成は、含水率が5wt%以下になると粉温上昇から粉同士の凝集力が急激に上昇を始めるため顕著になる。この圧密状態が形成されると、装置壁面、装置内撹拌翼等に付着・融着を起こし、装置の安定な運転が阻害される。また、トナー粒子同士の凝集によるダマが生じ、後工程でトナー粒子に外添を行う際トナー表面に外添剤が均一に付着しないため、現像剤としての性能に問題を生じる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決したトナーの製造方法を提供することにある。
【0020】
詳しくは、本発明の目的は、直接重合法によって得られたトナー粒子を、均一に未反応の重合性単量体の除去をするとともに効率良く乾燥させる、トナーの製造方法を提供することにある。
【0021】
また、本発明の目的は、残留する未反応の重合性単量体が原因となる画像欠陥のない高画質の画像が得られるトナーの製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して着色重合体粒子を生成した後、着色重合体粒子を洗浄、脱水し、湿潤着色重合体粒子を製造する工程;得られた湿潤着色重合体粒子に対し、熱風を用いた乾燥機で、湿潤着色重合体粒子の保有する水分を湿潤着色重合体粒子の含水率が0.1乃至0.5wt%になるまで除去し、トナー粒子を得る工程;更に真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量を200ppm以下になるように減圧乾燥を行なう工程;を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0023】
更に、本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して着色重合体粒子を生成し、得られた着色重合体粒子を洗浄し、洗浄された着色重合体粒子を含むスラリーを作成する工程;熱風を用いた乾燥機で、該スラリーに含まれる湿潤着色重合体粒子の保有する水分を湿潤着色重合体粒子の含水率が0.1乃至0.5wt%になるまで除去し、トナー粒子を得る工程;更に真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量を200ppm以下になるように減圧乾燥を行なう工程;を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、鋭意検討の結果、湿潤着色重合体粒子を熱風を用いた乾燥機で、水系分散媒体を除去した後、真空式乾燥機にて乾燥を行うことにより、トナー粒子中に残存している未反応の重合性単量体の残存量を200ppm以下に除去したトナーが効率良く得られることを見い出した。
【0025】
従来の重合トナーの製造方法で使用された流動層乾燥機では、未反応の重合性単量体の残存量を200ppm以下に除去するには、水分が(含水率として)0.1wt%以下に除去された後も、乾燥を継続する必要があり、前述のように、水分が除去されてしまうと、トナー粒子のように帯電性を伴う粒子では、流動室の壁面に付着を起こし、さらには流動室の壁面に付着した粒子が、塊の状態で剥離し、全体として、未反応の重合性単量体の除去が不均一なものになり、現像剤としての性能の低下及び作業性の低下の問題を生じた。
【0026】
また、真空式の乾燥方法を初期から用いて乾燥を行う場合、非常に長い乾燥時間を要し、また、水分が除去される際にトナー同士の凝集によるダマが生じる。ダマが発生すると、後工程でトナー粒子に外添を行う際トナー粒子表面に外添剤が均一に付着しないため、現像剤としての性能に問題を生じる。また、凝集したダマの内部から粒子中に残存している未反応の重合性単量体を除去することは難しく、不均一なものになり、上述したような問題を生じる。
【0027】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
本発明のトナーの製造方法においては、重合性単量体組成物を重合して得られる湿潤着色重合体粒子、又は湿潤着色重合体粒子を含むスラリーを被乾燥物として用いるが、このような乾燥前の湿潤着色重合体粒子は、粉体としての流動性の点から含水率40wt%以下であることが好ましい。また、更には30wt%以下がより好ましい。ここでいう「含水率」とは、重量基準含水率、すなわち、全重量(乾燥トナー粒子重量と水分重量との和)に対する水分重量の比率をいい、105℃における加熱減量法によって求めた。
【0029】
このような含水率を有するトナー粒子は、通常の固液分離手段(例えば、濾過)により容易に得られるが、このような含水率を得るために予備的に乾燥を行っても良い。
【0030】
本発明においては、まず熱風を用いた乾燥機を用いて、被乾燥物の乾燥を行う。この工程は、被乾燥物の保有している水分を実質的になくすことを目的とした工程であり、被乾燥物の含水率が0.1〜0.5wt%の状態となるまで乾燥を行うことが好ましく、0.1〜0.3wt%とすることがより好ましい。被乾燥物の含水率を0.1〜0.5wt%となるように乾燥を行なった場合には、粒子の凝集及び乾燥機の壁面に対する付着が抑えられる。更に、本工程の後に行われる真空式乾燥機を用いた工程に要する時間が短くなり、効率的なトナーの製造が行なわれるようになる。
【0031】
このような熱風を用いた乾燥機として、湿潤状態の粒子を浮遊懸濁させて流動層を形成しつつ乾燥を行なう乾燥機や、被乾燥物を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する装置などを用いることができる。
【0032】
流動層を形成しつつ乾燥を行う装置としては図6に示す様な装置が挙げられる。
【0033】
図6のような乾燥装置は、その全体が円筒形状を有し、気体の流通経路に沿って、熱風取入口61を具えた流動風吹き込み室51と、気体を整流する目皿52、粒子と気体との流動層が形成される流動室53,54、粒子を捕捉するフィルター56、排気口64を具えた排気室55から構成される。排気口64は、排気ブロアに接続し排気を行う。
【0034】
乾燥原料は、乾燥室上部の投入口63より供給され、乾燥品は、乾燥室下部の排出口64から排出される。
【0035】
この乾燥装置を用いる乾燥操作は、たとえば以下のように行われる。すなわち、流動室に投入された被乾燥粒子は、流動風吹込み室から投入され、目皿板を介して導入された温風により、吹き上げられ、気体とともに流動化する。乾燥室内に浮遊して流動層を形成した被乾燥粒子は、この流動層内部において、気体と均一に混合され乾燥される。
【0036】
流動室の上部54に吹き上げられた被乾燥粒子は、フィルター56に捕捉されるが、例えばこのフィルターに逆洗パルスを与えることにより、被乾燥粒子はフィルターから払い落とされて下方に戻される。
【0037】
被乾燥物(スラリーまたは湿潤粒子)を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する装置としては、例えば、図1に示すようなループタイプの乾燥管2を有する気流乾燥機等が挙げられるが、特に制限されるものではない。
【0038】
図1に示す熱気流乾燥機は、熱風発生器1において所定の温度に加熱した圧縮空気は気流分散部3で超音速で吐出され、スラリーまたは湿潤粒子供給装置6から供給された被乾燥物を分散し、ループ型の気流乾燥管2中で瞬時(0.5〜10秒)に乾燥される。気流抜き出し口4は、ループ型の気流乾燥管の内側にすることにより、乾燥品と未乾燥品をコアンダ効果により分級し、乾燥品はサイクロン5により気流と分離され取出し口7より系外に出すことができる。
【0039】
また、上記乾燥管2から出た粒子中の粗粒を別途分級機で分級して被乾燥物供給装置6に返し、一定の粒度範囲の粒子のみをサイクロン5に供給して所望のトナー粒子を得ることにより分級と乾燥を連続して行うこともできる。尚、気流乾燥機の乾燥管の形式は、上記のループタイプの他、直管式、滞留時間増加のために中胴を拡大したもの、粒子に渦流運動を与えて水平管底部に堆積するのを防ぐ型式など各種の形の乾燥管を用いることができるが、図1に示すようなループタイプの乾燥管を有する気流乾燥機が特に好ましい。
【0040】
被乾燥物と高速熱気流とを並流に送りながら乾燥を行う装置において熱気流としては、40〜150℃、好ましくは60〜120℃に加熱した圧縮空気を用いるのが好ましい。加熱温度が40℃より低いと乾燥効率が低下し、150℃より高いとトナーの融着を起こすため好ましくない。
【0041】
本発明において好ましく用いられるこのような被乾燥物(スラリーまたは湿潤粒子)を高速熱気流中で粉粒状に分散させ、熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する装置としては、具体的にはフラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)やフラッシュドライヤー(ホソカワミクロン社製)などがあげられる。
【0042】
次に、本発明に用いられる実質的に水系分散媒体を除去した後に用いる真空式乾燥機は、真空又は減圧の状態で着色重合体粒子を乾燥できる装置であれば、特に制限なく用いることが可能である。このような装置を用いて重合体粒子の乾燥を行った場合には、水分と同時に、重合体粒子中に残存している重合性単量体を好適に除去することができる。例えば、図2及び図3に模式側面図を示すような態様の真空式乾燥機が好ましく用いられる。この減圧(真空)乾燥において、圧力が高いと揮発物が少なくなり、乾燥効率が低くなるため、13kPa以下で行うことが好ましい。
【0043】
本願発明においては、トナー粒子中に残存している重合性単量体の量は、200ppm以下であるが、好ましくは150ppm以下であり、更に100ppm以下であることが特に好ましい。
【0044】
真空式乾燥機を単独で用いて重合性単量体の乾燥を行なった場合には、前述した如く、粒子の凝集が問題となるが、本発明においては、最初に熱風を用いた乾燥機により重合体粒子の保有している水分を除去しているため、粒子の凝集が抑制される。
【0045】
図2及び図3に示した態様の撹拌真空式乾燥機について詳しく説明する。
【0046】
図2に示した乾燥機は、逆円錐形状の乾燥容器32内に被乾燥粒子が供給されて乾燥されるが、乾燥容器32内には、該容器32の上部に配置された駆動装置33に駆動アーム34を介して連結されたスクリュー式の撹拌部材35が設けられており、該撹拌部材35が回転しながら容器32の内周面に沿って旋回するように構成されている。このため、図2に示した乾燥機では、容器32内の被乾燥粒子が下方から上方に持ち上げられながら撹拌と分散とが繰り返されるため、被乾燥粒子が容器32内全体にわたって効率よく撹拌混合される。
【0047】
また、図2に示したように、容器32の上部には、被乾燥粒子を供給するための原料供給口36と、容器内を減圧にする場合、及びガスを供給しながら減圧乾燥する場合に容器32内のガスを排気するための排気口37が設けられている。そして、原料供給口36には気密な蓋16が取付けられており、排気口37にはバッグフィルタ10が接続されている。更に、乾燥機の下方には、乾燥された製品を取り出すための取出口38が、取出用バルブ39を連結させて設けられている。容器32内を減圧にする場合は、真空ポンプ28により排気口37からバッグフィルタ10、コールドトラップ20を介して容器32内のガスを排気することによって行なう。
【0048】
更に、図2に示したように、上記した乾燥容器32の周囲には、乾燥容器32内の温度を適宜に制御し、所望の温度で乾燥することを可能とするためのジャケット11が付設されている。このため、乾燥容器32の外壁とジャケット11の内壁との間には隙間が形成されており、この隙間に加熱蒸気や冷却水を通すことができるように、ジャケット11には、蒸気供給口12、冷却水供給口13、及び蒸気や冷却水の排出口14が設けられている。そして、蒸気供給口12には不図示の蒸気発生用ボイラが接続されており、冷却水供給口13には、冷却水ポンプ15が接続されている。
【0049】
また、乾燥容器32には、容器32の上方と下方位置の二カ所に、蒸気注入口17が設けられており、下方側の蒸気注入口17からの蒸気の供給量を多くすることによって、蒸気注入時に原料の撹拌効果が得られるように構成されている。これらの蒸気注入口17はいずれも、アキュムレータ18を介して蒸気発生用ボイラ19に接続されている。このアキュムレータ18は、容器32内に、飽和又は過熱蒸気を素早く送り込むためのもので、容器32内の原料の加熱を短時間で終了させ、原料を最適な乾燥温度にするために効果を発揮する。
【0050】
先に述べたように、容器2内の減圧は、真空ポンプ28により排気口37からバッグフィルタ10、コールドトラップ20を介して容器2内のガスを排気することによって行われるが、図2に示したように、バッグフィルタ10内は、仕切板21によって上下二つの室に区画されている。そして、仕切板21の下方側には筒状の濾布22が吊下られており、仕切板21の上方側にはコールドトラップ20に接続される排気口23と、濾布22の中心上方位置に洗浄用ノズル24が配設されている。該洗浄用ノズル24は、コンプレッサ25からの高圧空気を間欠的に噴射して、濾布22を逆圧洗浄するためのものである。また、濾過器26と洗浄用ノズル24との間にはアキュムレータ27が付設されている。このアキュムレータ27は、コンプレッサ25側の高圧空気の供給量不足を補い、圧力変動の少ない安定した状態で一定量の高圧空気を洗浄用ノズル24に送り込むと共に、濾過器26を通過する空気の流量及び通過速度を略一定に保たせて、濾過器26による濾過効果を安定させるために設けられている。
【0051】
また、ガスを供給しながら減圧乾燥する場合の容器32内へのガスの供給は、装置の下部に設けられたガス投入口30から行なわれる。このようにしてガスを供給しながら減圧乾燥することによって、装置内の下部で生じ易いトナーのブロッキングが抑制され、且つ原料粒子表面からの付着水分或いは残留重合性単量体等の蒸発を効率よくするためのキャリアーガスとして働く。従って、ガス供給を行なうことが、効率向上の面からは好ましい。
【0052】
乾燥容器32内に供給されたガスは、原料粒子からの水分及び残留重合性単量体等を含んだ加湿ガスとなって、バッグフィルタ10から排気口23を介して排気される。そして、排気された加湿ガスは、コールドトラップ20に送り込まれ、凝縮されてた水分等の液体は、コールドトラップ20からドレンとして排出される一方、ガス分は、コールドトラップ20に接続されている真空ポンプ28によって外部へと排気される。尚、コールドトラップ20には、冷却水を送り込むためのポンプ29が接続されており、加湿ガスを冷却して気液分離を効率よく行なえる構成となっている。
【0053】
一方、図3に示した乾燥機は、逆円錐形状の乾燥容器32の上部に配置された駆動装置33に、二重螺旋構造をしたリボン翼40が回転するように構成されたものである。このような構成とすることによって、容器32内に供給された被乾燥物を下方から上方に持ち上げながら撹拌と分散とを繰り返し付与できるので、容器32内の原料を全体にわたって効率よく撹拌混合させることができる。図3に示した乾燥機のその他の部分の構成については、図2の減圧乾燥装置と共通であるので、この部分の説明は省略する。
【0054】
本発明に好ましく用いられる実質的に水系分散媒体を除去した後に用いる減圧式乾燥機として、具体的にはナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、リボコーン(大川原製作所社製)、SVミキサー(神鋼パンテック社製)などが挙げられる。
【0055】
本発明に用いられるトナーとしては、高画質化のためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、トナーもより微小粒径の、具体的にはコールターカウンターにより測定された重量平均粒径が4〜8μmであり、個数分布の変動係数が35%以下であるトナーが好ましい。重量平均粒径が4μm未満のトナーにおいては、転写効率の悪さから感光体や中間転写体上に転写残トナーが多く発生し、カブリ,転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり本発明で使用するトナーとしては好ましくない。また、トナーの重量平均粒径が8μmを超える場合には、部材への融着が起きやすく、トナーの個数分布の変動係数が35%を超えると更にその傾向が強まる。
【0056】
トナーの個数分布の変動係数は下記式により計算される。
【0057】
【外1】
Figure 0003748498
【0058】
本発明のトナーの製造方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いることが可能である。
【0059】
本発明においては、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0060】
また、本発明においては、定着性の観点から多量の低軟化点物質をトナー粒子に含有せしめる必要性から、必然的に低軟化点物質を外殻樹脂中に内包化せしめる必要がある。低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した所謂コア−シェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件、例えばローターの周速,パス回数,撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより行うことができる。
【0061】
トナー粒子がコア−シェル構造を有しているということは、トナー粒子の断層面を観察することにより確認できるが、トナー粒子の断層面の観察は具体的には以下の様にして行われる。常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナー粒子の断層形態を測定した。本発明においては、用いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。代表的な一例を図5に示す。後述する実施例において製造されたトナーは、低軟化点物質が外殻樹脂で内包化されている構造を有していることが観測された。
【0062】
上記重合トナーに使用できる重合性単量体としては、スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きビニル系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0063】
本発明においては、外殻樹脂中に低軟化点物質を内包化せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。不飽和基を有する極性樹脂を用いた場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と極性樹脂の間において架橋反応が起きフルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色性が不利となるため好ましくない。
【0064】
本発明において用いられる低軟化点物質としては、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなりフルカラートナーには好ましくない。一方極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難となり混色性の点から好ましくない。更に直接重合方法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒,重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0065】
上記の極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で測定を行う。
【0066】
具体的にはパラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物が利用できる。下記一般構造式で示す炭素数が10以上の長鎖エステル部分を1個以上有するエステルワックスが、OHPの透明性を阻害せずに高温オフセット性に効果を有するので本発明においては特に好ましい。本発明に好ましい具体的なエステルワックスの代表的化合物の構造式を以下に一般構造式▲1▼,一般構造式▲2▼及び一般構造式▲3▼として示す。
【0067】
【外2】
Figure 0003748498
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR1とR2との炭素数の差が10以上である。n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0068】
【外3】
Figure 0003748498
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1は炭素数が10〜40の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0069】
【外4】
Figure 0003748498
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR1とR2との炭素数の差が10以上である。R3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0070】
本発明で好ましく用いられるエステルワックスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。エステルワックスの硬度は、直径20mmφで厚さが5mmの円筒形状のサンプルを作製した後、例えば島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いビッカース硬度を測定した値である。測定条件は、0.5gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条件で10μm変位させた後15秒間保持し、得られた打痕形状を測定しビッカース硬度を求める。エステルワックスの硬度が0.5未満では定着器の圧力依存性及びプロセススピード依存性が大きくなり、耐高温オフセット効果の発現が不十分となりやすく、他方硬度が5.0を超える場合ではトナーの保存安定性に乏しく、ワックス自身の自己凝集力も小さいため同様に耐高温オフセットが不十分となりやすい。具体的化合物としては、下記化合物が挙げられる。
【0071】
【外5】
Figure 0003748498
【0072】
【外6】
Figure 0003748498
【0073】
【外7】
Figure 0003748498
【0074】
【外8】
Figure 0003748498
【0075】
近年フルカラー両面画像の必要性も増してきており、両面画像を形成せしめる際においては、最初に表面に形成された転写紙上のトナー像が次に裏面に画像を形成する時にも定着器の加熱部を再度通過する可能性があり、よりトナーの耐高温オフセット性を十分に考慮する必要がある。その為にも本発明においては、多量の低軟化点物質の添加が必須となる。具体的には、低軟化点物質をトナー中に5〜40重量%添加することが好ましい。5重量%未満の添加では十分な耐高温オフセット性を示さず、更に両面画像の定着時において裏面の画像がオフセット現象を示す傾向がある。また40重量%を超える場合は、造粒時にトナー粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすく、本発明には不適当であった。
【0076】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
【0077】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168が好適に用いられる。
【0078】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0079】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用できる。
【0080】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0081】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40〜150重量部添加して用いられる。
【0082】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸,ナフトエ酸,ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸,カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーンが利用できる。ポジ系として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することもできるため、トナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0083】
本発明に係る重合トナーに使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0084】
重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0085】
本発明に係る重合トナーにおいて、分散剤を用いた懸濁重合を利用する場合用いる分散剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナが挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリアクリル酸及びその塩,デンプンを水相に分散させて使用できる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0086】
これら分散剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
【0087】
また、これら分散剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散剤の所期の作用を促進する為のものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウムが挙げられる。
【0088】
本発明のトナー製造方法においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。
【0089】
即ち、重合性単量体中に低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度,時間を調整し、造粒する。その後は分散剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、本発明に係る乾燥方法によって乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0090】
本発明のトナー粒子の含水率の測定は、105℃における加熱減量法によって求めた。
【0091】
トナー粒子中に残存する重合性単量体の残存量の定量は、トナー0.2gをテトラヒドロフラン(THF)4mlに溶解したものを用い、それぞれガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
【0092】
Figure 0003748498
【0093】
また、トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行った。
【0094】
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続して、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
【0095】
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。
【0096】
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、それから各種値を求める。
【0097】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。但し、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0098】
<実施例1>
イオン交換水710重量部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を投入し60℃に加温した後、クリアミキサー(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0099】
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 170重量部
・n−ブチルアクリレート 30重量部
・グラフト化カーボンブラック 10重量部
・飽和ポリエステル 10重量部
・サリチル酸金属化合物 3重量部
・前記化合物(1) 25重量部
(DSCにおけるピーク温度59.4℃,ビッカース硬度1.5)
上記処方のうち、グラフト化カーボンブラック、サリチル酸金属化合物とスチレン単量体100重量部をアトライター(三井三池化工機製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0100】
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗を行い、含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子を得た。得られた重合体粒子の重合平均粒径は6.2μmであった。
【0101】
得られた湿潤着色重合体粒子約40kgを解砕後、図6の如き構成を有する流動層乾燥機(FBS−5型:大川原製作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、50℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、2時間後にトナー粒子を取り出し含水率を測定したところ、0.3wt%であった。また、この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は450ppmであった。トナー粒子の凝集によるダマの発生もなく、目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。ここでいう「通過率」とは以下のようにして求めた。
【0102】
【外9】
Figure 0003748498
【0103】
次に、取り出した一次乾燥トナー粒子約30kgを、図2の如き構成を有する容量100リットルのナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPaで4時間乾操を行った。この時点で含水率は0.1wt%であり、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、50ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は95%であった。
【0104】
得られたトナー粒子の断層写真の模式図を図5に示す。低軟化点物質である化合物(1)が外殻樹脂で覆われた構造を有している。
【0105】
得られたトナー粒子中の粗粉を分級により除去し、除去後のトナー粒子100重量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.5重量部を外添して、トナーを得た。
【0106】
このトナーを用いて、キヤノン製カラーレーザージェットプリンター カラーレーザーショット−2030改造機を用いて23℃/65%RHの環境下で画出し試験を行ったところ、5,000枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化がなく、中抜けのない高画質の画像が得られた。また、有機半導体である感光体に、トナー融着、メモリーゴーストのような問題を生じなかった。さらに両面画像を形成させたが、転写材の表裏面共にオフセットの発生は認められなかった。
【0107】
また、30℃/80%RHの環境下で同様な画出し試験を行ったところ、同様に良好な結果が得られた。
【0108】
<実施例2>
実施例1の流動層乾燥機による乾燥時間を、1.5時間にする以外は同様にして、一次乾操トナー粒子を得た。トナー粒子のの含水率を測定したところ、0.7wt%であり、粒子中に残存している重合性単量体の量は610ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は97%であった。
【0109】
次に、得られた一次乾燥トナー粒子約30kgを、乾燥時間を5時間にする以外は実施例1と同様にして、ナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥し、トナー粒子を製造した。この時点での含水率は0.1wt%であり、トナー粒子中に残存している重合性単量体の含有量は90ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は95%であった。
【0110】
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様にしてシリカを外添し、トナーを調製した。
【0111】
該トナーを用いて実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0112】
<実施例3>
実施例1の流動層乾燥機で2時間乾燥し取り出して得た一次乾燥トナー粒子約20kgを、図3の如き構成を有する容量50リットルのリボコーン真空乾燥機(RD−50型:大川原製作所社製)に投入し、50℃,真空度0.7〜2kPaで真空乾燥を行った。4時間後の含水率を測定したところ、0.1wt%であり、目開き149μmの篩いの通過率は90%であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、120ppmであった。
【0113】
さらに実施例1と同様にしてトナーを調製し、画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0114】
<実施例4>
まず、実施例1と同じ水系分散媒を用意した。
【0115】
一方、分散質系として
・スチレン単量体 180重量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 20重量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 10重量部
・飽和ポリエステル 10重量部
・サリチル酸金属化合物 5重量部
・前記化合物(1) 25重量部
上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3、サリチル酸金属化合物とスチレン単量体100重量部をアトライター(三井三池化工機社製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0116】
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗を行い、含水率23wt%の湿潤着色重合体粒子を得た。得られた重合体粒子の重量平均粒径は6.5μmであった。
【0117】
次に、得た含水率23%の湿潤着色重合体粒子を、図4にあるような円筒縦長形状の振動流動層乾燥機内に投入し乾燥を行った。
【0118】
図4のような乾燥装置は、その全体が円筒形状を有し、気体の流通経路に沿って、気体流入口72と、気体を整流する目皿板73、粒子と気体との流動層が形成される乾燥室74、粒子を捕捉するフィルター75、排気口76から構成される。排気口76は、排気ブロアに接続し排気を行う。
【0119】
また、乾燥室底部の架台の相対向する側壁面に2基の振動モータ(バイブレータ)80が取付けられており、乾燥室全体に振動を与えることができる。振動の振幅は、振動モータの軸の両端に取付けられているアンバランスウエイト間の取付け角度により調整でき、振動数は、インバータにより任意に設定できる。
【0120】
乾燥原料は、乾燥室上部の投入口78より供給され、乾燥品は、乾燥室下部の排出口79から排出される。
【0121】
この乾燥装置を用いる乾燥操作は、たとえば以下のように行われる。すなわち、乾燥室に投入された被乾燥粒子は、振動モータにより与えられた機械的振動と、気体流入口から投入され、目皿板を介して導入された温風により、吹き上げられ、気体とともに流動化する。乾燥室内に浮遊して流動層を形成した被乾燥粒子は、この流動層内部において、気体と均一に混合され乾燥される。
【0122】
乾燥室74の上部(排気口76側)に吹き上げられた被乾燥粒子は、フィルター75に捕捉されるが、例えばこのフィルターに逆洗パルスを与えることにより、被乾燥粒子はフィルターから払い落とされて下方に戻される。
【0123】
本実施例においては、乾燥条件として、振動数25Hz,振幅2.5mmの振動を与え、下部より50℃の空気を線速度0.2m/秒で吹き込んだ。2時間後にトナーを取り出し含水率を測定したところ、0.3wt%であった。また、この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の量は、400ppmであった。トナー凝集によるダマの発生も少なく、目開き149μmの篩いの通過率は94%であった。
【0124】
次に、取り出した一次乾燥トナー粒子約30kgを、実施例1と同様にして、ナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥し、トナー粒子を製造した。この時点での含水率は0.1wt%であり、トナー粒子中に残存している重合性単量体の含有量は40ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は93%であった。
【0125】
さらに実施例1と同様にしてトナー調製し、画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。また、OHPシートへの画像形成を行ったところ、透明性の良好な画像が得られた。
【0126】
<実施例5>
実施例1における流動層乾燥機による乾燥時間を3時間にする以外は同様にして、一次乾燥トナー粒子を得た。トナー粒子の含水率を測定したところ、0.1wt%であり、粒子中に残存している重合性単量体の量は310ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は92%であった。
【0127】
次に、得られた一次乾燥トナー粒子約30kgを実施例1と同様にして、ナウター型の真空乾燥機を用いて4時間乾燥し、トナー粒子を製造した。この時点での含水率は0.1wt%であり、トナー粒子中に残存している重合性単量体の含有量は40ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は91%であった。
【0128】
さらに実施例1と同様にしてトナーを調製し、画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0129】
<実施例6>
実施例1の流動層乾燥機で2時間乾燥し、取り出した一次乾燥トナー粒子約30kgを、実施例1で用いたナウター型の真空乾燥機を用いて以下の条件で乾燥を行った。ジャケット加熱温度50℃、真空度2〜5kPa、下部より窒素ガスを0.5Nリットル/minで供給し3時間乾燥を行った。この時点での含水率は0.1wt%であり、トナー粒子中に残存している重合性単量体の含有量は30ppmであった。また目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。
【0130】
さらに実施例1と同様にしてトナーを調製し、画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。
【0131】
<比較例1>
実施例1で得た含水率22%の湿潤着色重合体粒子約40kgを解砕後、流動層乾燥機(FBS−5型:大川原製作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、50℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、4時間後にトナーを取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%未満であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体含有量は、180ppmであったが、トナー凝集によるダマの発生があり、目開き149μmの篩いの通過率は85%であった。また、乾燥機内壁部には、トナーの付着層がみられた。このトナーの付着層を取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%未満であり、付着層中のトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、310ppmであった。
【0132】
得られたトナーに対し実施例1と同様の操作を行いトナーとした。
【0133】
同様の画出し試験を行ったところ、耐久1,500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、さらに、30℃/80%RHの環境下4,500枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0134】
<比較例2>
実施例1で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子をアルミパット上に分散し、50℃,真空度3kPaで真空乾燥を行った。2時間後の含水率を測定したところ、12wt%であった。含水率が0.1wt%以下になるまでにさらに16時間乾燥を行い、乾燥トナーを得た。得られたトナー粒子は一部凝集しており、目開き149μmの篩いの通過率は70%であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体含有量は、180ppmであった。
【0135】
得られたトナー粒子を解砕し、以下実施例1と同様の操作を行いトナーとした。実施例 1と同様の画出し評価を行ったところ、耐久500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生した。
【0136】
<比較例3>
実施例1で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子約30kgを解砕後、容量100リットルのナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPaで4時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子の含水率を測定したところ0.3%wtであり、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、520ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は75%であった。
【0137】
得られたトナー粒子を解砕し、以下実施例1と同様の操作を行いトナーとした。実施例1と同様の画出し試験の結果、1,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが発生し、さらに、30℃/80%RHの環境下2,000枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0138】
<比較例4>
実施例1で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子約30kgを解砕後、容量100リットルのナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPaで7時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子の含水率を測定したところ0.1wt%であり、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、190ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は70%であった。
【0139】
得られたトナー粒子を解砕し、以下実施例1と同様の操作を行いトナーとした。実施例1と同様の画出し試験の結果、500枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが発生した。
【0140】
<比較例5>
実施例1で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子約40kgを解砕後、流動層乾燥機(FBS−5型:大川原製作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、50℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、6時間後にトナーを取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%未満であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体含有量は、70ppmであったが、トナー凝集によるダマの発生があり、目開き149μmの篩いの通過率は75%であった。また、乾燥機内壁部には、トナーの付着層がみられた。このトナーの付着層を取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%未満であり、付着層中のトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、280ppmであった。
【0141】
得られたトナー粒子を解砕し、以下実施例1と同様の操作を行いトナーとした。実施例1と同様の画出し試験の結果、1,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが発生し、さらに、30℃/80%RHの環境下2,000枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0142】
実施例及び比較例における測定結果、評価結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
Figure 0003748498
<実施例7>
イオン交換水710重量部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を投入し60℃に加温した後、クリアミキサー(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0144】
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 170重量部
・n−ブチルアクリレート 30重量部
・C.I.ピグメントレッド122 10重量部
・飽和ポリエステル 20重量部
・サリチル酸金属化合物 3重量部
・前記化合物(1) 25重量部
(DSCにおけるピーク温度59.4℃,ビッカース硬度1.5)
上記処方のうち、C.I.ピグメントレッド122、サリチル酸金属化合物とスチレン単量体100重量部をアトライター(三井三池化工機社製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0145】
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗を行い、含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子を得た。得られた重合体粒子の重量平均粒径は、6.5μmであった。
【0146】
得られた湿潤着色重合体粒子を解砕後、連続瞬間気流乾操機(フラッシュドライヤーFJD−4:セイシン企業社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、90℃の空気を線速度16.5m/秒で吹き込み、湿潤着色重合体粒子を20kg/hrで連続的に供給した。尚、乾燥に要した時間は0.7秒であった。含水率を測定したところ、0.1wt%であった。また、この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の量は、530ppmであった。トナー凝集によるダマの発生もなく、目開き149μmの篩いの通過率は97%であった。
【0147】
次に、取り出した一次乾燥トナー粒子約30kgを、容量100リットルのナウター型の真空乾燥機(NXV−1型:ホソカワミクロン社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPa,下部より窒素ガスを5.0Nリットル/minで供給し3時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、20ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。
【0148】
得られたトナー粒子の断層写真の模式図を図5に示す。低軟化点物質である化合物(1)が外殻樹脂で覆われた構造を示している。
【0149】
得られたトナー粒子中の粗粉を分級により除去し、除去後のトナー粒子100重量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.5重量部を外添してトナーとした。
【0150】
このトナーを用いて、キヤノン製カラーレーザージェットプリンター(カラーレーザーショット−2030)改造機を用いて23℃/65%RHの環境下で画出し試験を行ったところ、5,000枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化がなく、中抜けのない高画質の画が得られた。また、有機半導体である感光体に、トナー融着、メモリーゴーストのような問題を生じなかった。さらに両面画像を形成させたが、転写材の表裏面共にオフセットの発生は認められなかった。また、OHPシートヘの画像形成を行ったところ、透明性の良好な画像が得られた。
【0151】
また、30℃/80%RHの環境下で同様な画出し試験を行ったところ、同様な結果が得られた。
【0152】
<実施例8>
実施例7で得た連続瞬間気流乾燥機で乾燥した一次乾燥トナー粒子約30kgを、実施例7と同じ真空乾燥機(NXV−1型)を用い、下部より窒素ガスを供給せず、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPaという条件で4時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、40ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は95%であった。
【0153】
得られたトナー粒子を、以下実施例7と同様の操作を行いトナーとした。さらに実施例7と同様の画出し評価を行ったところ、実施例7と同様に良好な画像が得られた。
【0154】
<実施例9>
実施例7で得た連続瞬間気流乾燥機で乾燥した一次乾燥トナー粒子約20kgを、容量50リットルのリボコーン真空乾燥機(RD−50型:大川原製作所社製)に投入し、50℃,真空度0.7〜2kPaで4時間乾燥を行った。目開き149μmの篩いの通過率は90%であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、80ppmであった。
【0155】
得られたトナー粒子を、以下実施例7と同様の操作を行いトナーとした。さらに実施例7と同様の画出し評価を行ったところ、実施例7と同様に良好な画像が得られた。
【0156】
<実施例10>
まず、実施例7と同じ水系分散媒体を用意した。
【0157】
一方、分散質系として
・スチレン単量体 180重量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 20重量部
・グラフト化カーボンブラック 10重量部
・飽和ポリエステル 10重量部
・サリチル酸金属化合物 5重量部
・パラフィンワックス(m.p.65℃、ビッカーズ硬度1.6)40重量部
上記処方のうち、グラフト化カーボンブラック、サリチル酸金属化合物とスチレン単量体100重量部をアトライター(三井三池化工機社製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0158】
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗を行い、含水率23wt%の湿潤着色重合体粒子を得た。
【0159】
次に、得た含水率23wt%の湿潤着色重合体粒子を解砕後、実施例7と同様に、連続瞬間気流乾燥機(フラッシュドライヤーFJD−4)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、90℃の空気を線速度16.5m/秒で吹き込み、湿潤着色重合体粒子を35kg/hrで連続的に供給した。含水率を測定したところ、0.1wt%であった。また、この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、650ppmであった。トナー粒子の凝集によるダマの発生もなく、目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。
【0160】
次に、実施例7と同様にナウター型の真空乾燥機(NXV−1型)を用いて、一次乾燥トナー粒子約30kgを乾燥した。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPa,下部より窒素ガスを5.0Nリットル/minで供給し3時間乾燥を行った。得られたトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、30ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は96%であった。また、トナーの重量平均粒径は6.1μmであった。そのトナーの断層写真の模式図を図5に示す。低軟化点物質が外殻樹脂で覆われた構造を示している。
【0161】
得られたトナー粒子中の粗粉を分級により除去し、除去後のトナー粒子100重量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.2重量部を外添してトナーとした。
【0162】
このトナーを用いて、実施例7と同様の画出し評価を行ったところ、5,000枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化がなく、中抜けのない高画質の画が得られた。また、有機半導体である感光体に、トナー融着、メモリーゴーストのような問題を生じなかった。
【0163】
<実施例11>
実施例10で得た重合終了後のスラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗を行い、得られた湿潤している着色重合体粒子を水と混合して着色重合体粒子を25重量%含むスラリー得た。
【0164】
次に、この洗浄後のスラリーを連続瞬間気流乾燥機(フラッシュドライヤーFJD−4)に5kg/hrで連続的に供給し、90℃の空気を線速度16.5m/秒で吹き込み乾燥を行った。含水率を測定したところ、0.1wt%であった。また、この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、680ppmであった。トナー凝集によるダマの発生もなく、目開き149μmの篩いの通過率は95%であった。
【0165】
次に、取り出した一次乾燥トナー粒子約30kgを、実施例10と同様にナウター型の真空乾燥機(NXV−1型)を用いて乾燥を行った。得られたトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、70ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は95%であった。
【0166】
得られたトナー粒子を、以下実施例10と同様の操作を行いトナーとした。さらに実施例10と同様の画出し評価を行ったところ、実施例10と同様に良好な画像が得られた。
【0167】
<比較例6>
実施例7で得た連続瞬間気流乾燥機で乾燥した一次乾燥トナー粒子(含水率0.1wt%、トナー粒子に残留している重合性単量体の量530ppm)100重量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.5重量部を外添してトナーとした。
【0168】
さらに実施例7と同様の画出し試験を行ったところ、500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、2,000枚程度から画像濃度の低下がみられ、さらに、30℃/80%RHの環境下1,500枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0169】
<比較例7>
実施例7で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子約40kgを解砕後、流動層乾燥機(FBS−5型:大川原製作所社製)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、50℃の空気を線速度0.4m/秒で吹き込み、4時間後にトナーを取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%であった。また、トナー粒子に残留している重合性単量体含有量は、180ppmであったが、トナー凝集によるダマの発生があり、目開き149μmの篩いの通過率は85%であった。また、乾燥機内壁部には、トナーの付着層がみられた。このトナーの付着層を取り出し含水率を測定したところ、0.1wt%であり、付着層中のトナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、310ppmであった。
【0170】
得られたトナー粒子に対し、以下実施例7と同様の操作を行いトナーとした。
【0171】
さらに実施例7と同様の画出し試験を行ったところ、耐久1,500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、さらに、30℃/80%RHの環境下4,500枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0172】
<比較例8>
実施例7で得た含水率22wt%の湿潤着色重合体粒子約30kgを解砕後、容量100リットルのナウター型の真空乾燥機(NXV−1型)を用いて乾燥を行った。乾燥条件として、ジャケット加熱温度50℃,真空度2〜5kPaで4時間乾燥を行った。この時点でトナー粒子の含水率を測定したところ0.3wt%であり、トナー粒子に残留している重合性単量体の含有量は、290ppmであった。また、目開き149μmの篩いの通過率は75%であった。
【0173】
得られたトナー粒子を解砕し、以下実施例7と同様の操作を行いトナーとした。
【0174】
さらに実施例7と同様の画出し試験の結果、1,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが発生し、4,000枚程度から画像濃度の低下がみられ、さらに、30℃/80%RHの環境下3,000枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0175】
<比較例9>
実施例10で得た連続瞬間気流乾燥機で乾燥した一次乾燥トナー粒子(含水率0.1wt%、トナー粒子に残留している重合性単量体の量650ppm)100重量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.2重量部を外添してトナーとした。
【0176】
さらに実施例10と同様の画出し試験の結果、500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、2,000枚程度から画像濃度の低下がみられ、さらに、30℃/80%RHの環境下2,000枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0177】
実施例及び比較例の乾燥処理条件及び乾燥品のデータを表2に示す。
【0178】
【表2】
Figure 0003748498
【0179】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、直接重合法によって得られたトナー粒子において、トナー粒子を良好に乾燥することができ、トナー粒子中に残存する未反応の重合性単量体を効率よく除去することのできるトナーの製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる被乾燥物(湿潤粒子またはスラリー)を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速熱気流と並流に送りながら瞬間的に乾燥する装置のシステムの一例を示す概略的図である。
【図2】本発明に用いられる真空式乾燥装置及び装置システムの一例を示す概略的断面図である。
【図3】本発明に用いられる真空式乾燥装置及び装置システムの他の一例を示す概略的断面図である。
【図4】実施例4で用いた、機械的振動を加えた流動層乾燥機を示す模式側断面図である。
【図5】低軟化点物質が内包されたトナーの断面を示す模式図である。
【図6】本発明に用いられる流動層を形成しつつ乾燥を行なう乾燥機の模式図である。

Claims (17)

  1. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して着色重合体粒子を生成した後、着色重合体粒子を洗浄、脱水し、湿潤着色重合体粒子を製造する工程;得られた湿潤着色重合体粒子に対し、熱風を用いた乾燥機で、湿潤着色重合体粒子の保有する水分を湿潤着色重合体粒子の含水率が0.1乃至0.5wt%になるまで除去し、トナー粒子を得る工程;更に真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量を200ppm以下になるように減圧乾燥を行なう工程;を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 熱風を用いた乾燥機が、湿潤着色重合体粒子を浮遊懸濁させて流動層を形成しつつ乾燥させる乾燥機であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 熱風を用いた乾燥機が、湿潤着色重合体粒子を熱気流中に粉粒状に分散させ、熱気流と並流に搬送しながら乾燥させる乾燥機であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 湿潤着色重合体粒子が、熱風を用いた乾燥機により、含水率0.1乃至0.3wt%まで乾燥されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 真空式乾燥機を用いる減圧乾燥の工程が、ガスを乾燥機内に供給しながら行われることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 真空式乾燥機を用いる減圧乾燥の工程が、乾燥機内圧力を13kPa以下に保持する量で、ガスを乾燥機内に供給しながら行われることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量が、100ppm以下になるように減圧乾燥されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  8. トナー粒子が、低軟化点物質を5〜40重量%含有しており、該低軟化点物質が外殻樹脂層により内包化されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  9. 低軟化点物質が、炭素数10以上の長鎖アルキル基を1個以上有するエステルワックスであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  10. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して着色重合体粒子を生成し、得られた着色重合体粒子を洗浄し、洗浄された着色重合体粒子を含むスラリーを作成する工程;熱風を用いた乾燥機で、該スラリーに含まれる湿潤着色重合体粒子の保有する水分を湿潤着色重合体粒子の含水率が0.1乃至0.5wt%になるまで除去し、トナー粒子を得る工程;更に真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量を200ppm以下になるように減圧乾燥を行なう工程;を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  11. 熱風を用いた乾燥機が、湿潤着色重合体粒子を含むスラリーを熱気流中に粉粒状に分散させ、熱気流と並流に搬送しながら乾燥させる乾燥機であることを特徴とする請求項10に記載のトナーの製造方法。
  12. 湿潤着色重合体粒子が、熱風を用いた乾燥機により、含水率0.1乃至0.3wt%まで乾燥されることを特徴とする請求項10又は11に記載のトナーの製造方法。
  13. 真空式乾燥機を用いる減圧乾燥の工程が、ガスを乾燥機内に供給しながら行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. 真空式乾燥機を用いる減圧乾燥の工程が、乾燥機内圧力を13kPa以下に保持する量で、ガスを乾燥機内に供給しながら行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  15. 真空式乾燥機にて、トナー粒子中に残存している重合性単量体の残存量が、100ppm以下になるように減圧乾燥されることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  16. トナー粒子が、低軟化点物質を5〜40重量%含有しており、該低軟化点物質が外殻樹脂層により内包化されていることを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  17. 低軟化点物質が、炭素数10以上の長鎖アルキル基を1個以上有するエステルワックスであることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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