JP3744673B2 - 二重包装体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二重構造を有する包装体の製造方法に関し、より詳しくはある内容物が充填された大きな包装体の中に、別の内容物が充填された小さな包装体が挿入、一体化され、医薬品や食品等の用途に適した二重包装体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品や食品等の分野では、複数の原料物質を予め別々に包装して用意し、使用直前にそれらを混合する方法がとられることがある。特に、原料物質を混合してから保存すると、保管中に光や熱等の影響で経時変化を起こしたり、或いは混合時に細菌等の汚染を受ける虞のある場合には、このような包装方法は有効である。
【0003】
その一つの具体的な方法として、特開平2−4671号公報に記載されている二つの内容物入りの容器を直列形式に接続し、使用時にその接続部分を連通させる包装体が知られている。この方法は、両方の容器がほぼ同じ大きさであれば好ましい包装方法となるが、時には一方の包装容器が他方と比べて極端に小さくせざるを得ないこともあり、その場合にはバランスに欠けて使用しにくいので採用し難い。
【0004】
この点を改良した別の包装方法として、大きい包装体の中に小さな包装体を封入する二重包装体がある。使用に際して小さな包装体中の内容物が大きな包装体中へ流入するように操作し、大きな包装体の中で両方の内容物を混合し、それから混合物を取り出して使用する方法である。混合物が経時変化を起こし易い物質であったり、使用直前まで細菌等による汚染を避けたい場合には、この方法による包装形態は好都合である。
【0005】
しかし、この二重包装体の製造に際して、封入される小さい包装体の外面を予め滅菌処理せねばならず、また両包装体の一体化に際しては効率的なシール技術が必要になる等、製造上難しい点も多々ある。
【0006】
例えば、プラスチックスのシール方法としてのヒートシール技術は、きわめて簡単な操作で確実なシールが実現できるが、効率よく作業を進めるためには、低温でシール出来ることおよびシール治具(シールバー)に溶融樹脂が付着しないことが作業面から要請される。そこでプラスチックスとして、ヒートシール層となる低融点樹脂層とシールバーにそのシール層が付着しない高融点樹脂層とからなる二層のプラスチックフィルムがよく使われる。しかしこの二層プラスチックフィルムの高融点樹脂側に更に別のフィルムをヒートシールする際には、もっと高融点のプラスチックフィルムを配置することが必要になる。その時には既にシールされている低融点樹脂層が再び高いヒートシール温度で溶融して剥離することもあるので、シール漏れが発生し易く、難しいヒートシール成形技術となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、二重構造の包装体を製造するに際して、製造効率を高めかつシールを確実に行うために、小さな包装体を大きな包装体の中に封入し一体化する時の、小さな包装体外面の汚染防止と一体化する時のヒートシール方法の改良を目的として種々の検討を重ね、本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、二層フィルムからなる包装容器を準備し、そのフィルムの内層は外層樹脂よりも低融点かつ外層樹脂とは相溶性に乏しい樹脂で形成されており、次いでその包装容器に内容物を充填すると共に内層樹脂のみが溶融する条件下で開口部をヒートシールすることによって密封された包装体となし、その後外層フィルムを引き剥して内層フィルムのみからなる単層の内挿包装体へと変え、一方前記の内挿包装体とヒートシール可能な樹脂からなる包装容器を準備して前記とは別の内容物を充填して外部包装体となし、外部包装体中に少なくとも1個の内挿包装体を挿入し、外部包装体の開口部に内挿包装体の端部を重ね合わせてヒートシールすることによって両者を一体化しかつ外部包装体を密封することを特徴とする二重包装体の製造方法に関する。
【0009】
【発明の具体的な説明】
内挿包装体の製造方法
二重包装体の内部に封入される内挿包装体は、次の工程を経て製造される。
まず二層フィルムを用意し、内容物を充填するために包装容器を製造する。ここで使用する二層フィルムは、包装容器となった時に内側に配置される内層樹脂層と外側に配置される外層樹脂層とからなっており、内層を形成する樹脂は、外層樹脂よりも低融点であり、かつ外層樹脂との相溶性に乏しい樹脂が選ばれる。
【0010】
ここで言う低融点および高融点の関係は、二層フィルムをある温度条件の下でヒートシールする際に、内層樹脂どうしは溶融して互いに接着し、外層樹脂はその時には溶融せず、従ってシールバーに付着することがない、そのような温度関係を言う。内層および外層を形成する樹脂を選択する時、前記のヒートシールの関係を満たす樹脂の中からまず選ばれる。通常のヒートシール条件であれば、内層樹脂としては外層樹脂よりも融点が10℃以上、好ましくは15℃以上、更に好ましくは17℃以上低い融点を持つ樹脂が使用される。
【0011】
また、内層樹脂と外層樹脂とは互いに相溶性に乏しいことが必要である。ここで互いに相溶性に乏しいとは、二層フィルムの製造時に、また前記のヒートシール条件下でも、内層と外層とは完全には接着しないで、後述する工程において、外層が内層から容易に引き剥されるか、或いは引き剥され易い程度の関係を持つ、その様な樹脂相互間の相溶性を意味している。
【0012】
二層フィルムの製造に使用される樹脂としては、内挿包装体に要求される諸物性、例えば衛生性、成形性、機械強度、透明性、柔軟性等の性能を満たす限り広い範囲のプラスチックスから選ばれる。その様なプラスチックスとしてポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル系樹脂(例えば商品名バレックス)等が挙げられる。それらの中から内層樹脂および外層樹脂に適した種類が選定されるが、特にポリオレフィン樹脂は前記の性能を満たすことからいずれの層にも好適に選択される。特に容器に充填される内容物と接する内層側の樹脂層には、低融点のポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0013】
ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、分岐を有する線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニ−ル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が好ましく用いられ、またこれらのブレンド体であってもよい。
【0014】
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィン単位を0.1〜20モル%含有するエチレン共重合体が好ましく、チーグラー触媒やメタロセン触媒を用いて低密度から高密度の範囲で製造出来る。プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン、1−ブテン等のα−オレフィン単位を0.1〜20モル%含有するプロピレンン共重合体が前記の触媒系を用いて製造することが出来る。
【0015】
内層樹脂および外層樹脂の好ましい組み合わせ例として、ポリエチレンを内層樹脂として使用した場合、外層樹脂としてはポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ナイロン−6樹脂、ナイロン−66樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が各々の融点および相溶性の観点から選定される。
【0016】
具体的な二層フィルムの構成として、エチレンと4−メチル−1−ペンテンとの共重合体、エチレンと1−ブテンとの共重合体、あるいはエチレンと1−ヘキセンとの共重合体である線状低密度ポリエチレンを内層樹脂として選び、外層樹脂としてプロピレン単独重合体またはポリ4−メチル−1−ペンテンを選ぶと、内層樹脂間のヒートシールは例えば115〜140℃程度の低い温度で互いに強固に接着され、シールバーに外層樹脂が付着することもなく、また内挿包装体を製造する時に包装容器から外層樹脂層が容易に引き剥せる。
【0017】
内層樹脂層は、内挿包装体の容器部分となるものであるから、ヒートシール性とは別に、容器としての柔軟性、耐衝撃性、あるいは透明性が求められる。従って、例えばポリエチレンを内層樹脂として用いる場合、そのポリエチレンはフィルム成形するに十分な分子量を有し、そして適度な柔軟性、耐衝撃性、あるいは透明性を与える密度や結晶化度を有することが望まれる。その様なポリエチレンとしては、ASTM D−1238(190℃、2.16kg)で測定されるメルトフローレートが0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分であり、またASTM D−1505で測定される密度が0.90〜0.95g/cm3、好ましくは0.91〜0.94g/cm3の範囲から選ばれる。内層樹脂がその様な物性を有するためには、1種類のポリエチレンであっても、2種類以上のポリエチレンのブレンド系によってもよい。例えば線状低密度のエチレン−α−オレフィン共重合体に高密度ポリエチレン或いは高圧法低密度ポリエチレンを混合し、前記のメルトフローレートおよび密度範囲に調整することもできる。
【0018】
また内層樹脂層同士の層間接着部分(ヒートシール部分)にイージーピール性を付与しておくと、二重包装体の使用時に内挿包装体に力が加わるとその層間接着部分から内容物が流れ出て外部包装体中へ移っていくので、両内容物を混合するに適している。この様な使い方をする場合には、内層樹脂として、ポリエチレンにポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリアミド等を所定量ブレンドしておくと、イージーピール性が現れるので好都合である。
【0019】
外層樹脂層を構成する樹脂は、フィルム成形性を有する分子量を有している。ポリプロピレンを使用する場合には、そのメルトフローレートはASTM D−1238(230℃、2.16kg)に準拠して測定して0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にあることが望ましい。ポリ4−メチル−1−ペンテンを使用する場合にも、メルトフローレートは0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分の範囲にあることが望ましい。その他、一時的に容器の形状となり、また内容物を充填することから、それに耐え得る機械物性と、内層樹脂層から引き剥す際に破れない程度の引張強度を有する。
【0020】
この二層フィルムは共押出インフレーション成形、共押出Tダイ成形、或いは押し出しラミネート加工、フィルム同士の圧着加工等によって製造される。フィルムの厚さは、20〜150μm、好ましくは40〜100μmとし、内層は全体の厚さの40〜90%、好ましくは50〜80%であることが望ましい。
【0021】
この様な二層フィルムは、底辺部および必要な周辺部をヒートシールして袋状、チューブ状、ボトル状等の容器形状に形成し、その後内容物を充填し、開口部をヒートシールして内容物を密封し包装体とする。或いは二層フィルムをヒートシールしながら袋状等の容器形状とし、同時に内容物の充填を行い、包装体とすることも出来る。更にブロー成形法によって一挙に包装容器を製造し、内容物を充填し、密封包装体とすることもできる。
【0022】
次にこの包装体から外層部分を引き剥し、内層フィルムのみからなる、いわば単層の内挿包装体へと変える。二層フィルムから内容物を充填した包装体が連続して製造されてくる場合には、剥離すべき外層の端部を連続的に巻き取っていくことで容易に引き剥すことが出来る。
【0023】
前記した二層フィルムを共押出し成形によって製造すると、別々の押出機内で溶融した2種類の樹脂が、外気に触れることなく、ダイ内で直接積層されることから、その後包装体の外層を引き剥した時の内層外表面はそのままで無菌状態にある。またラミネート加工においても、ラミネート樹脂は溶融状態で他方のフィルム上に押し出され、かつ両者の界面は気密状態にあるため、同様に無菌状態に保たれている。
【0024】
外部包装体の製造方法
次に外部包装体の製造方法について説明する。
外部包装体用の包装容器は、前記した内挿包装体とヒートシール可能な樹脂からフィルムを成形し、底部および必要な周辺部をヒートシール等の操作で袋状、チューブ状、ボトル状等の容器形状にする。ブロー成形法で直接容器としてもよい。 この外部包装容器は、後の工程で内挿包装体とヒートシールによって一体化されるので、両方の包装体を構成する樹脂が一つのシール条件の下で互いに強固に接着する必要がある。そのためには双方の樹脂の融点が接近し、また化学構造が類似していることが望ましい。それ故双方が実質的に類似した樹脂であることが好ましく、必ずしも同一の樹脂に限定されるものではない。
【0025】
この外部包装容器と内挿包装体とのヒートシール操作が、緩やかな条件でかつ低速で行われるならば、外部包装容器は前記の条件に合った樹脂を選択して、それから直接容器を製造すればよい。しかし、シールバーへの付着を防止しつつ高速成形を続けていく等の厳しい条件下で製造作業を進めねばならない場合には、前記の条件に合った樹脂をシーラント層に持つ積層フィルムの使用がより好都合である。
【0026】
内挿包装体がポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂の包装容器から製造されている時には、外部包装体もエチレンまたはプロピレンの単独重合体、共重合体、それらのブレンド体等のポリオレフィン樹脂の範囲から選んで製造するか、或いはその様なポリオレフィン樹脂をシーラント層として有する積層フィルムから製造すればよい。
【0027】
その積層フィルムは、前記のシーラント層が、他のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等からなる少なくとも一つの基材層に直接、または接着層を介して接合した二層以上のフィルムである。
【0028】
シーラント層は、少なくとも内挿包装体との接着層を形成するものであり、時には強度の一部を負担することもある。その様なシーラント樹脂として、内挿包装体の製造方法の項で説明したポリオレフィン、特にポリエチレン樹脂が好適に使用できる。ポリエチレンの物性としては、ASTM D−1238(190℃、2.16kg)で測定されるメルトフローレートが0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分であり、またASTM D−1505で測定される密度が0.88〜0.95g/cm3、好ましくは0.90〜0.94g/cm3の範囲から選ばれる。このポリエチレンは、1種類のポリエチレンであっても、2種類以上のポリエチレン、さらには他のポリオレフィンや他のポリマーとのブレンド系であってもよい。例えば線状低密度のエチレン−α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを混合し、或いは非晶性のエチレンとプロピレンまたは1−ブテンとの共重合体を混合し、好ましい前記のメルトフローレートおよび密度範囲に調整することも出来る。
【0029】
基材層は、容器としての性能を満たさねばならないので、基材層を構成する樹脂はフィルム成形できる分子量と、透明性、柔軟性、耐衝撃性等の物性を有している。その様な樹脂としてポリプロピレン樹脂を代表例として挙げることができる。シーラント層とこの基材層との接着性が不十分な時には、中間に接着層を設けることが望ましく、極性基含有ポリオレフィン、例えばアクリル酸、メタクリル酸、或いは無水マレイン酸等でグラフト共重合変性したポリエチレンの様なカルボン酸変性ポリオレフィンを接着層に使用すればよい。
【0030】
外部包装容器は、内容物の重量を支え、外部からの衝撃に耐えるために、層厚を30〜300μm、好ましくは50〜200μmとすることが望ましい。積層フィルムを使用した時のシーラント層は、全体の10〜90、好ましくは20〜80%の厚さであることが望ましい。
この包装容器中に内挿包装体中の内容物とは別の内容物を所定量充填した後、或いは包装容器を成形しつつ内容物を充填し、それを外部包装体とする。
【0031】
二重包装体の製造方法
さてこの様にして製造された外部包装体の中に、先に作製した内層包装体を少なくとも1個挿入する。その際、外部包装体の開口部の内側に内挿包装体の端部、例えば内挿包装体の開口ヒートシール部を重ね合わせ、あらためて外層包装体の外側からヒートシールを施す。このヒートシール操作によって、外部包装容器が単層構造であればその樹脂が、また積層フィルムから製造されていればシーラント層が溶融し、内挿包装体と強固に接着する。そして内挿包装体は外部包装体中に固定され、両者は一体化し、同時に外部包装体が密封され二重包装体が製造される。外部包装体中に固定される内挿包装体が複数であっても同様に行うことが出来る。
【0032】
なお内挿および外部包装体に充填する内容物は、医薬、食品等の種類によって様々であり、例えばハイカロリーの輸液バッグが目的であれば、ブドウ糖、アミノ酸、その他の薬剤が所定量ずつ組み合わされて、別々に充填されればよい。この二重包装体を使用するに当たり、内挿包装体の中の内容物を外部包装体中へ移動させるが、その方法は任意でよい。例えば内挿包装体に外部から力を加えて破袋させてもよい。内挿包装体を製造した時の内層樹脂がイージーピール性を有していれば、同様に内挿包装体に力を加えて、ヒートシール部分から外部包装体中へ内容物を移動させることもできる。
【0033】
次に図面を参照して本発明に係わる二重包装体の一実施例の製造方法を説明する。
図1は、内挿包装体が製造される直前の状態を示す概略的な断面図である。まず内層樹脂層2および外層樹脂層3とからなる二層インフレーションフィルムの底部をヒートシールして、シール部4を有する包装容器5が製造される。次に、この包装容器5中に内容物(A)6が充填され、残された開口部7をヒートシールして包装体が形成される。その後、図1に示すように包装容器5から外層樹脂層3を引き剥して行き、すべての外層樹脂層が除かれると内挿包装体1が製造される。
【0034】
図2は、二重包装体の概略断面図を示している。シーラント層8および基材層9からなる二層インフレーションフィルムの底部10をヒートシールして外部包装容器とする。この容器中に内容物(B)11を充填して外部包装体12が製造される。次に、この外部包装体12中に内挿包装体1を挿入し、その際外部包装体の開口部13の内側内面に内挿包装体1の開口ヒートシール部7の外面を重ね合わせ、外部包装体開口部13の外側よりヒートシールを施す。その結果、内挿包装体の開口ヒートシール部7と外部包装体の開口部13とが接着され、内挿包装体1は、外部包装体12の開口部13で固定され、両者は一体化する。また同時に外部包装体12は密封され、二重包装体14が完成する。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、内挿包装体を製造するために使用した二層フィルムは、内層樹脂が外層樹脂よりもその融点が低いことから、ヒートシールに際して内層樹脂のみが溶融して接着し、確実なシール部を形成して密封体となり、一方外層樹脂は溶融することがないのでヒートシールバーに付着することがない。従って、高速度でのヒートシール成形、および内容物の高速充填が可能となる。
【0036】
また、二層フィルムはその層間が無菌状態で製造され、またその後二層フィルムから製造された包装容器から外層を引き剥すと言う簡単な操作で内挿包装体が得られるので、特別に殺菌操作を行わなくても、そのままで内挿包装体の外表面を無菌状態にすることができる。
【0037】
さらに、外部包装体はそれ自身が、またはシーラント層が内挿包装体とヒートシール可能な樹脂で製造されていることから、両者のヒートシールは低い温度で容易にかつ確実に密封することができ、二重包装体内の内容物を無菌状態に保つことが出来る。
【0038】
【実施例】
次に本発明を実施例を通して説明をするが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ30μmのポリエチレン内層(エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、メルトフローレート2.0g/10分、密度0.920g/cm3、DSCで測定した融点115℃)と、厚さ30μmのポリ4−メチル−1−ペンテン外層(メルトフローレート26.0g/10分、密度0.834g/cm3、融点240℃)とから形成されたインフレーションフィルムを共押出し成形法によって製造し、底部を120℃でヒートシールして袋状とした。この袋にアミノ酸を充填し、口部を同様にしてヒートシールした。その後、外層のポリ4−メチル−1−ペンテン層を引き剥し、ポリエチレン層のみの包装体とした。
【0039】
一方、内層が50μmポリエチレン(シーラント層:エチレン/1−ヘキセン共重合体、メルトフローレート4.0g/10分、密度0.920g/cm3、融点116℃)、中間層が10μm無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(接着層)、外層が30μmプロピレンホモポリマー(基材層:メルトフローレート4.0g/10分、密度0.910g/cm3、融点161℃)からなる厚さ90μm三層共押出しインフレーションフィルムを用い、底部をヒートシールして大きな袋状にした。その中にブドウ糖を充填した。この袋の中へ先にアミノ酸を充填した小さな袋を入れ、両者の口部どうしを重ね合わせ、外部から130℃でヒートシールを行った。小さな袋は大きな袋の口部で固定され、かつ大きな袋も密封された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内挿包装体の一実施例が製造される直前の状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係わる二重包装体の一実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・内挿包装体
2 ・・・内層樹脂層
3 ・・・外層樹脂層
6 ・・・内容物(A)
8 ・・・シーラント層
9 ・・・基材層
11 ・・・内容物(B)
14 ・・・二重包装体

Claims (4)

  1. 二層フィルムからなる包装容器を準備し、そのフィルムの内層は外層樹脂よりも低融点かつ外層樹脂とは相溶性に乏しい樹脂で形成されており、次いでその包装容器に内容物を充填すると共に内層樹脂のみが溶融する条件下で開口部をヒートシールすることによって密封された包装体となし、その後外層フィルムを引き剥して内層フィルムのみからなる単層の内挿包装体へと変え、一方前記の内挿包装体とヒートシール可能な樹脂からなる包装容器を準備して前記とは別の内容物を充填して外部包装体となし、次いで外部包装体中に少なくとも1個の内挿包装体を挿入し、外部包装体の開口部に内挿包装体の端部を重ね合わせてヒートシールすることによって両者を一体化しかつ外部包装体を密封することを特徴とする二重包装体の製造方法。
  2. 前記二層フィルムの内層がポリエチレン樹脂、外層がポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドから選ばれた一つの樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1記載の二重包装体の製造方法。
  3. 前記二層フィルムが共押出法で成形されたことを特徴とする請求項1または2記載の二重包装体の製造方法。
  4. 前記外部包装体用の包装容器が、内挿包装体とヒートシール可能な樹脂からなるシーラント層、および基材層とを含む積層フィルムから形成されていることを特徴とする請求項1記載の二重包装体の製造方法。
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