JP3743966B2 - 手切れ性を有する伸縮包帯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な手切れ性と風合を有する伸縮包帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
伸縮包帯は、長さ方向に伸縮するように形成されているので、これを手で引き裂こうとすると、経糸が長さ方向に伸びると共に手に摘ままれた緯糸が経糸に対して滑り出しこの緯糸のずれ動きによって力がうまく作用せず手切れ性を悪くしていた。しかも切断時にその緯糸がずれ動かないように緯糸と経糸を接着するようにした場合は、風合が悪くなるという新たな問題が生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、手切れ性と風合の良好な包帯を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、経糸と緯糸で基布を織成しその緯糸の引張強さを経糸よりも強く形成し、上記基布にガラス転移点が−4℃以下のエマルジョンタイプの天然ゴム若しくは合成ゴム又はこれらの混合物を付着するものであり、又付着の際に上記エマルジョンタイプのゴムを基布に噴霧塗布する。
【0005】
【発明の実施の形態】
包帯(1)は、経糸(2)と緯糸(3)で織成され基布(4)が形成されている。
経糸(2)は、弾性芯糸の表面に綿若しくは化学繊維、合成繊維その他適宜の繊維を被覆したものその他の弾性糸(5)と、綿糸若しくは綿混紡糸等の非弾性糸(6)を用い、この弾性糸と非弾性糸の糸の本数を通常約1:1〜1:6程度の比率とし、両糸を均質的に配置して包帯の長さ方向に伸縮性をもたせている。図示のものは、この比率を1:2の割合、即ち弾性糸と弾性糸の間に非弾性糸を2本挟み込むように配置しており、その布の両側端部に弾性糸がくるようになっているが、弾性糸と非弾性糸の比率は上記以外のものを用いることができる。
【0006】
こうした経糸(2)列の密度は用途に応じて適当なものにすることができるが、通常、巾1cm当り3〜30本程度にするのが良好で、図示のものでは21本になっている。
【0007】
この経糸(2)列に、上記緯糸(3)を打ち込んでおり、この緯糸には、綿糸、化学繊維、合成繊維、混紡繊維等適宜の非弾性繊維を用いることができ、通例、通気性、吸湿性等を考慮すると綿糸を用いると好ましいことが多い。この緯糸は、上記弾性糸を伸長し、非弾性糸を引っ張り弛まないようにして引き揃えた経糸列に打ち込んで織るようにするとよい。
【0008】
図に示すものは、2本の緯糸で織成したかのように隣り合う緯糸の間隔が広い部分(7)と狭い部分(8)に形成されており、上記弾性糸が縮む際に非弾性糸の弛んだ部分が主としてその広い部分に位置するようになる。
緯糸列の広い部分(7)は、通例、経糸列の間隔の約1〜3倍に、狭い部分(8)は経糸列の間隔の約 1/2〜 1/6に形成されるが、この間隔はこれに限定されるものではない。
【0009】
上記緯糸(3)は引張強さが経糸(2)よりも強く形成されていて、経糸が緯糸よりも切れ易くなっている。図のものでは緯糸(3)を約210〜260gf程度とし、経糸(2)を約150〜220gf程度としている。
【0010】
上記基布(4)の両側端部には、耳部(9)が形成されている。該耳部は、布の一方の側端部(10)において経糸(2)に緯糸(3)を掛け渡すようにして、ミシン縫いの単環縫い方式で織成し、又他方の側端部(11)では緯糸(3)でル−プ(12)を形成しこのル−プに次に折り返す緯糸をくぐらして形成している。なおその際両耳部を共に経糸に緯糸を掛け渡したり、ル−プを形成しこれに緯糸をくぐらしたりその他適宜のものとすることができる。
【0011】
このようにして形成した基布(4)の表面に、ガラス転移点が−4℃以下のエマルジョンタイプの天然ゴム(13)若しくはブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,イソプレンゴム,クロロプレンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム),アクリルゴムその他の合成ゴム又はこれらの混合物を噴霧塗布等によって付着させる。
【0012】
この付着量は、通例、布の織り目を封鎖して通気性を悪くしてしまわない程度のもので、5〜25g/m2 (伸長時、ドライ)程度が好ましい。
なお、このエマルジョンタイプのゴムは、実施例では基布(4)の表面全体に塗布しているが、その基布の端部に塗布するようにしてもよい。
【0013】
ここに上記基布に各種のエマルジョンタイプのゴムを塗布した包帯を試料として用意し、これらの手切れ性, 風合等について実験した。その結果を下記の表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
塗布の際には、塗布用のエアガンを用い、そのエア圧を4.0Kgf/cm2 として行った。なおエマルジョンが高粘度の場合は適宜水で希釈して噴霧するようにした。
上記表中、ガラス転移点はカタログ値を示すが、アンダ−ラインを付したものはJISK6301低温ねじり試験による実測値を示している。
【0016】
実験の結果、上記表より明らかなように、ガラス転移点が−4℃以下の場合において手切れ性と風合が良くなっている。
なお、品名 ボンド CR500,ボンド GXP2,Nipol LX531,JSR 0700の試料の場合は自着性を有している。
【0017】
この包帯(1)は、通常巻芯(14)に巻かれており、これを使用する場合、治療等を行った患部に端部を当て、やや縦方向(長さ方向)に伸ばし気味にして巻いて行く。その際、包帯側部の耳部によって糸のほつれがないので巻き易く巻き上りがきれいである。患部が保護できるように巻いたら、包帯の側端縁の一部を両手で摘んで横方向に引っ張ると、包帯が容易に引き裂かれる。なお緯糸を間隔の狭い部分と間隔の広い部分に交互に形成すると、経糸の弾性糸が縮んだ際に弛んだ非弾性糸が広い部分に納まるのでこの弛んだ非弾性糸によって表面にはみ出したり、しわができたりせず、カサつきがないので痒みを生じることがないし、又その広い部分より切断されるので切断の際に緯糸が邪魔にならずスム−ズにできる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、上記のように包帯の基布を織成する緯糸においてその引張強さを経糸よりも強く形成すると共に、その基布にガラス転移点が−4℃以下のエマルジョンタイプのゴムを付着したものであるから、緯糸に沿って経糸を切ることができ、その切断時に緯糸がずれ動くことがないので、切断がし易くなり手切れ性が良いと共に、包帯を巻回したとき、しなやかであってゴワゴワせず、巻き易く皮膚によくフイットして風合が良好である。又基布に上記エマルジョンタイプのゴムを噴霧塗布した場合は、点状に塗布される状態になるから、全面に塗布した場合と違って基布の風合の低下を押えることができる。更に、上記エマルジョンタイプのゴムに抗菌剤を混入すると、抗菌作用を得ることができ、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜面図である。
【図2】包帯を経糸方向に引張った状態で一部拡大して示す概略平面図である。
【符号の説明】
2 経糸
3 緯糸
4 基布
13 エマルジョンタイプの天然ゴム
Claims (3)
- 包帯の長さ方向に向う経糸と幅方向に向う緯糸で基布を織成した伸縮包帯において、上記経糸は弾性糸と非弾性糸を1:1〜1:6の比率で一定間隔を置いて均質的に配置し、上記緯糸を非弾性糸とし隣接する緯糸間を間隔の広い部分と狭い部分を交互に形成し、該緯糸の引張強さを経糸よりも強くし、その基布にガラス転移点が−4℃以下のエマルジョンタイプの天然ゴム若しくは合成ゴム又はこれらの混合物を付着した手切れ性を有する伸縮包帯。
- 上記緯糸の間隔の広い部分が上記経糸間の間隔の1〜3倍であり、間隔の狭い部分が上記経糸間の間隔の1/2〜1/6倍である請求項1記載の手切れ性を有する伸縮包帯。
- 上記緯糸をミシン縫いの単環縫い方式で織成した請求項1または2記載の手切れ性を有する伸縮包帯。
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JP31747095A JP3743966B2 (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | 手切れ性を有する伸縮包帯 |
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1995
- 1995-11-10 JP JP31747095A patent/JP3743966B2/ja not_active Expired - Lifetime
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