JP3739178B2 - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリオキシアルキレンポリオール重合触媒の回収方法およびポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関する。詳しくは、本発明はポリオキシアルキレンポリオールの重合触媒として用いた特定の構造を有するホスファゼニウム化合物のポリオキシアルキレンポリオールからの回収方法、および回収されたホスファゼニウム化合物を触媒としたアルキレンオキサイドの付加重合によるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関するものである。ポリオキシアルキレンポリオールはポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマー等の原料または界面活性剤、作動油、潤滑油、あるいはポリウレタン以外の合成樹脂の原料として広く用いられている。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシアルキレンポリオールは、通常、水酸化カリウム触媒の存在下、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合して工業規模で製造されている。水酸化カリウム触媒と重合開始剤である活性水素化合物を仕込んだ反応機にアルキレンオキサイドを連続的にあるいは一括で装入し、反応温度105〜150℃、最大反応圧力5〜6kgf/cm2 (490〜588kPa)の条件で、所定の分子量が得られるまで反応させ、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得る。次いで、粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のカリウムアルコラートを無機酸等の酸で中和後、脱水、乾燥し、析出したカリウム塩の濾過による後処理精製工程を経て製造されている。
【0003】
ポリオキシアルキレンポリオールの生産性を高めるため、従来から種々の方法が検討されている。モノマーであるアルキレンオキサイドの反応速度を高めるため、反応時のアルキレンオキサイド濃度や、反応温度を高めたり、触媒の量を増やす方法が知られている。
しかし、このような方法によると、アルキレンオキサイドとして最も広く使用されているプロピレンオキサイドを用いる場合、水酸化カリウム触媒ではポリオキシアルキレンポリオールの分子量の増加と共に、分子末端に不飽和基を有するモノオールが副生することが知られている。このモノオールは製造されたポリオキシアルキレンポリオールの品質悪化を招き、ポリウレタン樹脂の物性低下等好ましくない結果をもたらす。
【0004】
副生モノオールの生成を抑制し、かつ、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性の向上が可能な重合触媒につき従来より種々検討されている。EP0763555にはアルキレンオキサイドの重合触媒としてホスファゼン化合物あるいは活性水素化合物とホスファゼン化合物からなるホスファゼニウム塩を用いる方法が開示されている。本発明者らが調べた結果、EP0763555に開示されているホスファゼンあるいは活性水素化合物とホスファゼン化合物からなるホスファゼニウム塩は水酸化カリウムや水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物と比較してプロピレンオキサイドの重合活性が高く、USP5,144,093に例示されている複金属シアン化物錯体触媒で得られた高分子量ポリプロピレングリコールの副生モノオール含有量とほぼ同等であり、さらにはエチレンオキサイドとの共重合化も可能な触媒であることがわかった。しかし、EP0763555には、ポリアルキレンオキシドからホスファゼン化合物を回収し、それらを再度アルキレンオキサイドの重合に供する方法については開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特定の構造を有するホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下にアルキレンオキサイドを付加重合して得られる粗製ポリオキシアルキレンポリオールから、ポリオキシアルキレンポリオール重合触媒であるホスファゼニウム化合物を効率良く回収する方法を提供し、さらに回収されたホスファゼニウム化合物を再使用してポリオキシアルキレンポリオールを製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、活性水素化合物に特定の構造を有するホスファゼニウム化合物を触媒とし、特定の反応条件下でアルキレンオキサイドを付加重合した粗製ポリオキシアルキレンポリオールを水と無機酸あるいは有機酸からなる少なくとも1種の中和剤により得られたホスファゼニウム塩水溶液をバイポーラ膜による電気透析により回収したホスファゼニウム化合物が再度ポリオキシアルキレンポリオールの重合触媒として利用可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明の第一の目的は、
(工程1)化学式(1)
【0007】
【化3】
Figure 0003739178
(化学式(1)中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。rは1〜3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表し、Tr-は価数rの無機アニオンを表す。)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造する工程、
または、化学式(2)
【0008】
【化4】
Figure 0003739178
(化学式(2)中のa、b、cおよびdは、0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。Q- はヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下にアルキレンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造する工程、
(工程2)工程1で得られた粗製ポリオキシアルキレンポリオールに水と無機酸または有機酸から選ばれる少なくとも1種の中和剤を加える中和工程、
(工程3)工程2で得られた液を脱水乾燥後、析出したホスファゼニウム塩とポリオキシアルキレンポリオールを分離するホスファゼニウム塩の脱塩工程、
(工程4)工程3で得られたホスファゼニウム塩をホスファゼニウム塩水溶液とし、バイポーラ膜電気透析槽に通液することによるホスファゼニウム化合物の回収工程、および
(工程5)工程4で回収したホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造工程、
からなることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法である。
本発明の第二の目的は、本発明の第一の(工程2)中和工程、(工程3)脱塩工程、(工程4)回収工程からなることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールからのホスファゼニウム化合物の回収方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
先ず、工程1について説明する。本発明における化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のホスファゼニウムカチオンはその正電荷が中心のリン原子上に局在する極限構造式で代表されているが、これ以外に無数の無限構造式が描かれ実際にはその正電荷は全体に非局在化している。
【0010】
本発明における化学式(1)や化学式(2)で表されるホスファゼニウムカチオン中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数である。好ましくは0〜2の整数である。ただし、いずれの場合も全てが同時に0ではない。より好ましくはa、b、cおよびdの順序に関わらず、(2,1,1,1)、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合わせ中の数である。さらに好ましくは、(1,1,1,1)、(0,1,1,1)、(0,0,1,1)または(0,0,0,1)の組み合わせ中の数である。
【0011】
本発明における化学式(1)や化学式(2)で表されるホスファゼニウムカチオン中のRは同種または異種の、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、tert−オクチル、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−ペンチル、1−オクチルまたはtert−オクチル等の炭素数1〜10個の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0012】
また、ホスファゼニウムカチオン中の同一窒素原子上の2個のRが結合して環構造を形成する場合の該窒素原子上の2価の炭化水素基は、4〜6個の炭素原子からなる主鎖を有する2価の炭化水素基であり(環は窒素原子を含んだ5〜7員環となる)、好ましくは例えばテトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン等であり、また、それらの主鎖にメチルまたはエチル等のアルキル基が置換したものである。より好ましくは、テトラメチレンまたはペンタメチレン基である。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこのような環構造をとっていても構わず、一部であってもよい。
【0013】
本発明における化学式(1)中のTr-は価数rの無機アニオンを表す。そして、rは1〜3の整数である。このような無機アニオンとしては、例えばホウ酸、テトラフルオロホウ酸、シアン化水素酸、チオシアン酸、フッ化水素酸、塩酸またはシュウ化水素酸などのハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、ヘキサフルオロリン酸、炭酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロタリウム酸および過塩素酸などの無機アニオンが挙げられる。また、無機アニオンとしてHSO4 - 、HCO3 - もある。
【0014】
場合によっては、これらの無機アニオンはイオン交換反応により互いに交換することができる。これらの無機アニオンのうち、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、ハロゲン化水素酸、リン酸、ヘキサフルオロリン酸および過塩素酸等の無機酸のアニオンが好ましく、塩素アニオンがより好ましい。
本発明の化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の合成については、その一般的な例として次のような方法が挙げられる。
(a)五塩化リン1当量と3当量の二置換アミン(HNR2 )を反応させ、さらに1当量のアンモニアを反応させた後、これを塩基で処理して化学式(3)
【0015】
【化5】
Figure 0003739178
で表される2,2,2−トリス(二置換アミノ)−2λ5 −ホスファゼンを合成する。
(b) このホスファゼン化合物(化学式(3))とビス(二置換アミノ)ホスフォロクロリデート{(R2 N)2 P(O)Cl}を反応させて得られるビス(二置換アミノ)トリス(二置換アミノ)ホスフォラニリデンアミノホスフィンオキシドをオキシ塩化リンでクロル化し、次いで、これをアンモニアと反応させた後、塩基で処理して、化学式(4)
【0016】
【化6】
Figure 0003739178
で表される2,2,4,4−ペンタキス(二置換アミノ)−2λ5 、4λ5 −ホスファゼンを得る。
(c)このホスファゼン化合物(化学式(4))を(b)で用いたホスファゼン化合物(化学式3))の代わりに用い、(b)と同様の操作で反応させることにより、化学式(5)
【0017】
【化7】
Figure 0003739178
(式中、qは0および1〜3の整数を表す。qが0の場合は二置換アミンであり、1の場合は化学式(3)の化合物、2の場合は化学式(4)の化合物そして3の場合は(c)で得られたオリゴホスファゼンを表す。)
で表される化合物のうちのqが3であるオリゴホスファゼンを得る。
(d)異なるqおよび/またはRの化学式(5)の化合物を順次に、または同一のqおよびRの化学式(5)の化合物を同時に、五塩化リンと4当量反応させることにより、化学式(1)でr=1、Tr-=Cl-である所望のホスファゼニウムカチオンと塩素アニオンとの塩が得られる。塩素アニオン以外の無機アニオンの塩を得たい場合には、通常の方法、例えば、アルカリ金属カチオンと所望の無機アニオンとの塩等で処理する方法やイオン交換樹脂を利用する方法等でイオン交換することができる。このようにして化学式(1)で表される一般的なホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩が得られる。
【0018】
化学式(1)とともに共存させる活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩とは、活性水素化合物の活性水素が水素イオンとして解離してアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオンと置き換わった形の塩である。そのような塩を与える活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール化合物、ポリアミン、アルカノールアミンなどがある。例えばメタノール、エタノール、ブタノール等の1価アルコール、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類またはその誘導体、エチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪酸アミン類、トルイレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族アミン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、レゾール、レゾルシン等のフェノール化合物等が挙げられる。これらの活性水素化合物は2種以上併用して使用することもできる。さらにこれらの活性水素化合物に従来公知の方法でアルキレンオキサイドを活性水素基1当量あたり約2〜8モル付加重合して得られる化合物も使用できる。
【0019】
これらの活性水素化合物からそれらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を得るには、該活性水素化合物とアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物とを反応させる通常の方法が用いられる。アルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属としては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属セシウム、金属ルビジウム、金属マグネシウム、金属カルシウム、金属ストロンチウムまたは金属バリウム等が挙げられ、塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物としては、ナトリウムアミド、カリウムアミド、マグネシウムアミドまたはバリウムアミド等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアミド類であり、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、ビニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム、エチニルナトリウム、n−ブチルナトリウム、フェニルナトリウム、シクロペンタジエニルナトリウム、エチルカリウム、シクロペンタジエニルカリウム、フェニルカリウム、ベンジルカリウム、ジエチルマグネシウム、エチルイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、臭化ビニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、ジシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、カリウムアセチリド、臭化エチルストロンチウム、ヨウ化フェニルバリウム等の有機アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物であり、ナトリウムヒドリド、カリウムヒドリド、カルシウムヒドリド等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のヒドリド化合物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物であり、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムまたは炭酸バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩であり、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウムなどの炭酸水素塩等である。
【0020】
これらのアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物は、活性水素化合物の酸性の強さに応じて選ばれる。また、このようにして得られた活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩が塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物として作用し、他の活性水素化合物をそのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩となし得る場合もある。
【0021】
複数の活性水素を有する活性水素化合物においては、それらの活性水素の全てが離脱してアルカリ金属類もしくはアルカリ土類金属類から選ばれた金属または塩基性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物によってアニオンに導かれる場合もあるが、その一部だけが離脱してアニオンとなる場合もある。
これらの活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩のうち、活性水素化合物のアルカリ金属塩が好ましく、その活性水素化合物のアルカリ金属塩のカチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムから選ばれるカチオンがより好ましい。
【0022】
化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下にアルキレンオキサイドを付加重合させる。この際、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオンと無機アニオンとの塩が副生するが、この副生塩が重合反応を阻害する場合は、重合反応に先立ちこれを濾過等の方法で除去しておくこともできる。また、化学式(1)で表される塩と活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩から導かれれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩を予め単離し、これの存在下にアルキレンオキサイドを重合させることもできる。
【0023】
予めこの活性水素化合物のホスファゼニウム塩を得る方法としては、化学式(1)で表される塩と活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩とを反応させるが、その2種類の塩の使用比については目的の塩が生成する限り特に制限はなく、何れかの塩が過剰にあっても特に問題がない。通常、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の使用量は、ホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩の1当量に対して、0.2〜5当量であり、好ましくは0.5〜3当量であり、より好ましくは0.7〜1.5当量の範囲である。
【0024】
両者の接触を効果的にするために溶媒を使用することも可能である。それらの溶媒としては、反応を阻害しなければいかなる溶媒でも構わないが、例えば、水、メタノール、エタノールまたはプロパノール等のアルコール類、アセトンまたはメチルエチルケトン等のケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の脂肪族または芳香族の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、プロピオン酸メチルまたは安息香酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルまたはトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリルまたはプロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、反応に用いる原料の塩の化学的安定性に応じて選ばれる。好ましくは、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類であり、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類であり、アセトニトリル等のニトリル類であり、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性非プロトン溶媒等である。溶媒は、単独でも2種以上混合して使用しても良い。原料の塩が溶解していることが好ましいが、懸濁状態でも構わない。この反応の温度は用いる塩の種類、量および濃度等により一様ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは−78〜80℃、より好ましくは0〜50℃の範囲である。反応圧力は減圧、常圧および加圧の何れでも実施できるが、好ましくは0.1〜10kgf/cm2 (絶対圧、以下同様 9.8〜980kPa)であり、より好ましくは1〜3kgf/cm2 (98〜294kPa)の範囲である。反応時間は、通常1分〜24時間の範囲であり、好ましくは1分〜10時間、より好ましくは5分〜6時間である。
【0025】
この反応液から、目的の活性水素化合物のホスファゼニウム塩を単離する場合には、常套の手段を組み合わせた常用の方法が用いられる。目的の塩の種類、用いた2種の原料の塩の種類や過剰率、用いた溶媒の種類や量などにより、その方法は一様ではない。通常、副生するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカチオンと無機アニオンとの塩は固体として析出しているので、そのままあるいは若干の濃縮を行った後、濾過や遠心分離等の方法で固液分離してこれを除き、液を濃縮乾固して目的の塩を得ることができる。副生する塩が濃縮してもなお溶解している場合には、そのままあるいは濃縮後に貧溶媒を加え副生塩または目的の塩の何れかを析出させたり、または濃縮乾固後、一方を抽出する等の方法で分離することができる。過剰に使用した方の原料の塩が目的の塩に多量に混入している場合には、そのままあるいは再溶解後に好適な他の溶媒で抽出し、これらを分離することができる。さらに、必要であれば再結晶またはカラムクロマトグラフィー等で精製することもできる。目的の塩は通常中、高粘度の液体または固体として得られる。
【0026】
化学式(1)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下に、アルキレンオキサイドを付加重合させる。この時、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩またはそれから導かれる活性水素化合物のホスファゼニウム塩を構成する活性水素化合物と同種または異種の活性水素化合物を反応系に存在させてもよい。塩を存在させる場合のその量は、特に制限がないが、アルキレンオキサイド1モルに対して、1×10-15 〜5×10-1モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-1モルの範囲である。
【0027】
本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法のもう1つの場合、すなわち、化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させてポリオキシアルキレンポリオールを製造する場合について述べる。化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のQ- は、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンおよびカルボキシアニオンよりなる群から選ばれるアニオンである。
【0028】
これらのQ- のうち、好ましくは、ヒドロキシアニオンであり、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族アルコール類から導かれるアルコキシアニオンであり、例えばフェノール、クレゾール等の芳香族ヒドロキシ化合物から導かれるアリールオキシアニオンであり、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸等から導かれるカルボキシアニオンである。
【0029】
これらのうち、より好ましくは、ヒドロキシアニオン、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールなどの低沸点アルキルアルコールから導かれるアルコキシアニオン、またはギ酸、酢酸等のカルボン酸から導かれるカルボキシアニオンである。さらに好ましくは、ヒドロキシアニオン、メトキシアニオン、エトキシアニオンおよび酢酸アニオンである。これらのホスファゼニウム化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の一般的合成法としては、まず前述した化学式(1)で表される塩を合成する方法と同様にして、化学式(1)でr=1、Tr-=Cl- であるホスファゼニウムクロライドを合成する。次いでこのホスファゼニウムクロライドを例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、アリールオキシドまたはカルボキシドで処理する方法やイオン交換樹脂を利用する方法等によりその塩素アニオンを所望のアニオンQ-に置き換えることができる。このようにして化学式(2)で表される一般的なホスファゼニウム化合物が得られる。
【0031】
化学式(2)と共存させる活性水素化合物は、活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を与える活性水素化合物として先に詳細に述べたものと同一である。
【0032】
化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させる本発明の方法においては、通常過剰に用いられる活性水素化合物の過剰分はそのまま残存するが、この他に、水、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物またはカルボン酸はホスファゼニウム化合物の種類に応じて副生する。必要であれば、これらの副生物をアルキレンオキサイドの付加重合反応に先だって除去しておく。その方法としては、それらの副生物の物性に応じて、加熱もしくは減圧で留去する方法、不活性気体を通ずる方法または吸着剤を用いる方法などの常用の方法が用いられる。
【0033】
ホスファゼニウム化合物の存在下、活性水素化合物へ付加重合させるアルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。これらのうち、好ましくはプロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドである。特に好ましくはプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドである。
【0034】
本発明における粗製ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際しては以下の条件を選んで行う必要がある。すなわち、活性水素化合物1モルに対する化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物は5×10-5〜5モル、好ましくは1×10-4〜5×10-1モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルの範囲である。ポリオキシアルキレンポリオールを高分子量化する際には、活性水素化合物に対するホスファゼニウム化合物の濃度を上記範囲内で高めることが好ましい。活性水素化合物1モルに対して化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物が5×10-5モルより低い場合には、アルキレンオキサイドの重合速度が低下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。活性水素化合物1モルに対して化学式(1)または化学式(2)で表されるホスファゼニウム化合物が5モルより多くなると、活性水素化合物とホスファゼニウム化合物との混合物の粘度が上昇し、攪拌混合が困難になる。
【0035】
また、アルキレンオキサイドの反応温度は15〜130℃、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは50〜110℃の範囲である。アルキレンオキサイドの反応温度を上記範囲内で低い温度で行う場合は、活性水素化合物に対するホスファゼニウム化合物の濃度を先に述べた範囲内で高めることが好ましい。耐圧反応機に仕込んだホスファゼニウム化合物を触媒とする活性水素化合物へのアルキレンオキサイド供給方法は、必要量のアルキレンオキサイドの一部を一括して供給する方法、または連続的にもしくは間欠的にアルキレンオキサイドを供給する方法が用いられる。必要量のアルキレンオキサイドの一部を一括して供給する方法においては、アルキレンオキサイド重合反応初期の反応温度は上記範囲内でより低温側とし、アルキレンオキサイド装入後に次第に反応温度を上昇する方法が好ましい。反応温度が15℃より低い場合には、アルキレンオキサイドの重合速度が低下し、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。反応温度が130℃を越えるとアルキレンオキサイドとしてプロピレンオキサイドを用いた場合、副生モノオール含有量が高くなる。
【0036】
アルキレンオキサイドの反応時の最大圧力は9kgf/cm2 (882kPa、絶対圧、以下同様)が好適である。通常、耐圧反応機によりアルキレンオキサイドの反応が行われる。アルキレンオキサイドの反応は減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から反応を開始する場合には、窒素またはヘリウム等の不活性気体存在下で行うことが望ましい。アルキレンオキサイドの最大反応圧力が9kgf/cm2 (882kPa)を越えると副生モノオール量が増加する。最大反応圧力として好ましくは7kgf/cm2 (686kPa)、より好ましくは5kgf/cm2 (490kPa)である。アルキレンオキサイドとして、プロピレンオキサイドを用いる場合には、最大反応圧力は5kgf/cm2 (490kPa)が好ましい。
【0037】
アルキレンオキサイド付加重合反応に際して、必要ならば溶媒を使用することもできる。使用する場合の溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類またはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等である。溶媒を使用する場合には、ポリオキシアルキレンポリオールの製造コストを上げないためにも、製造後に溶媒を回収し再利用する方法が望ましい。
【0038】
次に、工程2について説明する。粗製ポリオキシアルキレンポリオールの中和方法としては、40〜120℃の条件下で水、無機酸または有機酸から選ばれる少なくとも1種の中和剤を添加することにより行う。水は市水、イオン交換水、蒸留水等が目的に応じて使用される。添加量としては、粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して1〜40重量部用いる。好ましくは1〜30重量部、より好ましくは1.2〜20重量部である。
【0039】
この時に、ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な有機溶剤を水と併用できる。ポリオキシアルキレンポリオールに不活性な有機溶媒とは、炭化水素系溶媒の中でトルエン、ヘキサン類、ペンタン類、ヘプタン類、ブタン類、低級アルコール類、シクロヘキサン、シクロペンタン、キシレン類などが挙げられる。これらの有機溶媒をポリオキシアルキレンポリオールから留去するには加熱減圧操作により実施する方法が挙げられる。温度は100〜140℃で減圧度を10mmHgabs.(1330Pa)以下にする方法が好ましい。
【0040】
ホスファゼニウム化合物を中和する際の酸として無機酸または有機酸を使用する。無機酸としては、例えば、リン酸、亜リン酸、塩酸、硫酸、亜硫酸およびそれらの水溶液が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、マレイン酸、フタル酸、サリチル酸、リンゴ酸およびそれらの水溶液が挙げられる。特に、好ましくは硫酸、リン酸、塩酸、マレイン酸、シュウ酸であり、水溶液の形態で用いることが良い。これらの中和剤は、単独使用する事もできるが2種以上混合使用してもよく、その使用量は粗製ポリオキシアルキレンポリオール中に含まれるホスファゼニウム化合物1モルに対して0.5〜2.5モルである。好ましくは、0.7〜2.4モル、より好ましくは0.9〜2.3モルである。中和時間は反応スケールにもよるが、0.5〜3時間である。
【0041】
また、目的に応じて前述した中和処理後に、吸着剤を用いてポリオキシアルキレンポリオールの精製を行うこともできる。酸およびアルカリ成分を吸着する吸着剤の使用量は粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して0.005〜1.5重量部である。好ましくは、0.02〜1.2重量部、より好ましくは0.03〜1.1重量部である。吸着剤としては、例えば合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、活性白土、酸性白土が用いられる。吸着剤を製造する工程で水酸化ナトリウムによる処理を行っていることから、ナトリウム溶出分が少ない吸着剤が好ましい。具体的な吸着剤としては、トミックスAD−600、トミックスAD−700(富田製薬(株)製)、キョーワード400、キョーワード500、キョーワード600、キョーワード700(協和化学工業(株)製)等各種の商品名で市販されている。さらに、中和処理後に酸化防止剤であるt−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤は粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して200〜5000ppm用いる。好ましくは300〜4000ppm、より好ましくは350〜2000ppmである。
【0042】
工程3について説明する。吸着剤装入後は水または、水と有機溶剤とを減圧条件下で留去する。反応スケールにもよるが、100〜140℃、10mmHgabs.(1330Pa)の条件で3〜12時間行う。その後、ろ過操作、遠心分離操作等により、ポリオキシアルキレンポリオールからホスファゼニウム塩の脱塩を行う。
【0043】
しかし、このホスファゼニウム塩には通常少量のポリオキシアルキレンポリオールが付着している。ホスファゼニウム塩の回収効率をさらに高めるため、分離して得たホスファゼニウム塩に水とホスファゼニウム塩の貧溶媒である有機溶媒の混合物を添加し、10〜100℃で攪拌混合した後、静置分液するのが好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール相とホスファゼニウム塩水溶液相に分液した後、ホスファゼニウム塩水溶液相を分離し、所望の濃度に濃縮あるいは脱水乾燥を行う。この際、ホスファゼニウム塩の貧溶媒として用いられる有機溶媒は、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類あるいは、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類を例示することができる。特に、好ましくはジエチルエーテル、ヘキサンである。
【0044】
また、前述した方法で分液したポリオキシアルキレンポリオール相を重合後の粗製ポリオキシアルキレンポリオール等に混合使用することにより、ポリオキシアルキレンポリオール精製工程でのロスも低減する。
【0045】
続いて、工程4について説明する。工程3で得られたホスファゼニウム塩を水溶液に調整する。使用する水は、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水などが用いられるが、蒸留水、イオン交換水が好ましい。ホスファゼニウム塩水溶液の濃度は、特に限定するものではないが、通常、0.01重量%〜50重量%程度のものが好ましく用いられる。この範囲外のホスファゼニウム塩水溶液を用いた場合でも、本発明の主旨を損なうものではない。
【0046】
本発明で使用するバイポーラ膜は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とが張り合わさった構造をした複合イオン交換膜である。本発明で使用されるバイポーラ膜としては、特に制限されず公知の膜を使用することができる。バイポーラ膜の製造は、特開平2−131125号公報に例示されている方法あるいは、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体にポリプロピレンの織布で補強された4級アンモニウム基を有する陰イオン交換膜とテトラフルオロエチレン(CF2 =CF2 )とパーフルオロオレフィンのスルホン酸化合物(CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF2 2 SO3 H)の共重合体からなる陽イオン膜を10重量%の塩化クロム水溶液中に65℃、5時間浸漬し、これらの両者の膜を水洗した後、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に室温で1時間浸漬、水洗、乾燥後、熱圧着する方法などが挙げられる。なお、特開平2−131125号公報記載の方法として、テトラフルオロエチレン(CF2 =CF2 )とパーフルオロオレフィンの弗化物(CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF2 2 SO3 F)の共重合体を膜厚180μmにフィルム化し、該膜をアルカリ性水溶液中で加水分解を行い、さらに塩酸水溶液で酸型に変換したスルホン酸型パーフルオロ陽イオン交換膜を調製する。次いで、テトラフルオロエチレン(CF2 =CF2 )とパーフルオロオレフィンの弗化物(CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF2 2 SO3 F)の共重合体のフィルムをジメチルアミノプロピルアミン等の3級アミンと反応させ、アルカリ性水溶液等で洗浄し、含フッ素陰イオン交換膜を得る。このようにして得られた陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを水中で重ね合わせ、バイポーラ膜を調製する方法が例示されている。
【0047】
バイポーラ膜電気透析槽としては、例えば、陰イオン交換膜をA、バイポーラ膜をB、および陽イオン交換膜をCとすると、各々順に、陽極−(C−B−A)n−C−陰極の三室型あるいは陽極−(C−B−)n−C−陰極で示される二室型に配列させた構造のものが挙げられる。ここで、陽イオン交換膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜で構成される最小単位をセルと称する。nはセルの積層数である。また、バイポーラ膜電気透析槽は、塩室に塩の水溶液を供給して、アルカリ室および酸室からアルカリおよび酸を各々取り出す装置であれば、特開平2−131125号公報に例示されている公知の透析槽を使用できる。さらに、陽極および陰極は水電解、食塩電解など電気化学工業で用いられている電極が使用できる。陽極材料は、ニッケル、鉄、鉛、白金または黒鉛等が用いられる。一方、陰極材料はニッケル、鉄、ステンレススチールまたは白金等が好適である。
【0048】
本発明で用いる陽イオン交換膜は特に限定されず、いずれの陽イオン交換膜も用いることができるが、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、パーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好ましい。陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、硫酸エステル基を有するものが挙げられるが、低い電気抵抗を有するスルホン酸基が好ましい。
【0049】
陰イオン交換膜についてもいずれの陰イオン交換膜を使用しても構わない。陰イオン交換基としては、例えば、4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基などが挙げられるが、陰イオン交換膜による酸の回収率を高めるため、4級アンモニウム基のような弱塩基性の陰イオン交換基を有する陰イオン交換膜が好ましい。
【0050】
電気透析の操作条件としては、電流密度が1〜100A/dm2 、液の温度が20〜90℃である。さらに好ましくは電流密度5〜30A/dm2 、液の温度が25〜70℃である。電流密度が1A/dm2 未満であると電解面積が大きくなり、電解設備が過大なものとなる。電流密度が100A/dm2 より大きくなると電解電圧が高くなり、電力費が過大となる。液の温度は20℃未満だと電解電圧が高くなり、90℃より高くなると電解液の沸騰が生じるため好ましくない。
【0051】
本発明における電気透析は、塩室、酸室、アルカリ室の各々の室に液を供給するタンクを設け、各々の室と液のタンクの間で供給する液を循環させる方法が好適である。また、生成した酸性またはアルカリ性化合物を抜き出すには、以下の2つの方法が好ましい。
a.あらかじめ濃度の低い酸またはアルカリ水溶液を仕込んでおいて、酸性化合物またはアルカリ性化合物を生成させる。次いで、所定の濃度になったときに酸性化合物またはアルカリ性化合物を所定量抜き出して水を補給し、操作初期状態の酸またはアルカリ水溶液濃度にするバッチ方式の電気透析方法。
b.あらかじめ所定濃度の酸またはアルカリ水溶液を仕込んでおいて、通電電気量に応じて連続的に水を補充し、所定濃度の酸またはアルカリ水溶液をオーバーフローさせる連続方式の電気透析方法。
【0052】
工程5について説明する。上述した工程4を経て、ホスファゼニウム塩水溶液は電気透析され、水酸化ホスファゼニウム水溶液に変換される。該水酸化ホスファゼニウム水溶液をそのまま、または所望の濃度に濃縮して水酸化ホスファゼニウム触媒としてアルキレンオキサイドの重合に用いることができる。水酸化ホスファゼニウム水溶液を脱水して固体状の水酸化ホスファゼニウムの形状で前述したポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いることも可能である。アルキレンオキサイドの付加重合を行う前に、活性水素化合物と水酸化ホスファゼニウム水溶液の混合物から減圧乾燥等の方法で水を除去しておくことが好ましい。アルキレンオキサイドの付加重合条件および活性水素化合物に対するホスファゼニウム化合物の使用量は先に詳述した工程1と同じである。このように回収された水酸化ホスファゼニウム触媒はポリオキシアルキレンポリオール重合触媒として使用後、再び回収し、ポリオキシアルキレンポリオール重合触媒として繰り返し使用することができる。
【0053】
本発明におけるポリオキシアルキレンポリオールの製造には回収工程を経て既に使用されたポリオキシアルキレンポリオール重合触媒であるホスファゼニウム化合物が使用できる。さらには、粗製ポリオキシアルキレンポリオールから回収されたホスファゼニウム塩を触媒として、アルキレンオキサイド以外の開環重合性モノマーであるラクトン類、ラクタム類、シロキサン類の重合を行うこともできる。
【0054】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明の態様を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価、総不飽和度、粘度はJIS K 1557記載の方法により求めた。
水酸基価(OHVと略する。:単位mgKOH/g);無水フタル酸のピリジン溶液でポリオキシアルキレンポリオールの水酸基末端をエステル化し、過剰の無水フタル酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定する(JIS K 1557の方法に準ずる)。
粘度(ηと略する。:単位mPa・s/25℃);回転粘度計を用いた25℃での測定値(JIS K 1557の方法に準ずる)。
総不飽和度(C=Cと略する。:単位meq./g);ポリオキシアルキレンポリオール中の不飽和結合に酢酸第二水銀を反応させて、遊離する酢酸を水酸化カリウム溶液で滴定する。
【0056】
ポリオキシアルキレンポリオールの合成において、以下のホスファゼニウム化合物をアルキレンオキサイドの触媒として使用した。
ホスファゼニウム化合物(以下、P5NMe2OHと略する。);Fluka社製のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムクロライド{[ (Me2 N)3 P=N]4+ Cl- }をMILLI−QLabo(日本ミリポア・リミテッド製 小型超純水装置)により比抵抗値16MΩ- cmに調整した水(以降、超純水と略する。)により2.5重量%水溶液に調製した。次いで、1N 水酸化ナトリウム水溶液により交換基を水酸基型にしたイオン交換樹脂レバチットMP−500(バイエル社製)を充填したポリカーボネート製円筒状カラムにテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムクロライドの2.5重量%水溶液を23℃、SV(Space Velocity)0.5(1/hr)でカラム底部より上昇流で通液し、テトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムヒドロキシドにイオン交換を行った。更に、該イオン交換樹脂を充填したカラムに超純水を通液し、カラムに残存しているホスファゼニウム化合物の回収を行った。その後、テトラキス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] ホスホニウムヒドロキシドの水溶液を80℃、減圧度60mmHgabs.(7980Pa)の条件下で2時間、更に80℃、1mmHgabs.(133Pa)の条件で7時間減圧脱水処理を行うことにより、粉末のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[ (Me2 N)3 P=N]4+ OH- }を得た。乾燥後の該化合物の重量測定から求めた収率は97%であった。重ジメチルホルムアミド溶液によるテトラメチルシランを内部標準とした 1H−NMR(日本電子製400MHzNMR)の化学シフトは2.6ppm(d,J=9.9Hz、72H)であった。元素分析値はC 38.28、H 9.82、N 29.43、P 19.94(理論値C 38.09、H 9.72、N 29.61、P 20.46)であった。該ホスファゼニウム化合物は化学式(2)においてa,b,c,dの順に(1,1,1,1)で、Rがメチル基であり、Q- がOH- のヒドロキシアニオンである。
【0057】
用いたバイポーラ膜電気透析槽の仕様について説明する。陽イオン交換膜は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系強酸性陽イオン交換膜(イオン交換基;スルホン基、イオン交換容量1.2meq./g−乾燥樹脂、膜厚140μm)を用い、陰イオン交換膜はスチレン−ジビニルベンゼン共重合体系弱塩基性陰イオン交換膜(イオン交換基;ジメチルアミノプロピル基、イオン交換用量1.2meq./g−乾燥樹脂、膜厚120μm)を使用した。バイポーラ膜は前述した陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を各々10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に室温で1時間浸漬し、イオン交換水による水洗処理を行った。減圧脱水後、熱圧着し、バイポーラ膜とした。バイポーラ膜電気透析槽は有効膜面積0.1dm2の各イオン交換膜を、陽極−(C−B−A)n−C−陰極(ここで、陰イオン交換膜をA、バイポーラ膜をB、および陽イオン交換膜をCと略する。)の組み合わせとし、セルの積層数を5個とした。陽極、陰極にニッケル電極を使用し、電流密度10A/dm2 の直流電流を印加する条件で電気透析を行った。電気透析時の液の温度は55℃に調整した。
【0058】
実施例1
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した1000mlの4つ口フラスコにグリセリン1モルに対して0.06モルのP5NMe2OHと1モルのトルエン(和光純薬製試薬特級)を加え、窒素をキャピラリー管で導入し、105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下、4時間の減圧脱水、脱トルエン操作を行った。その後、フラスコ内容物をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、大気圧状態から反応温度を80℃とし、反応時の最大圧力が4.0kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV28.0mgKOH/gになるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行った。引き続き、窒素によりゲージ圧1.2kgf/cm2 (219kPa)に調整し、反応温度100℃、反応時の最大圧力が4kgf/cm2 (392kPa)の条件でOHV24.0mgKOH/gになるまでエチレンオキサイドの付加重合を行った。オートクレーブの内圧の変化が無くなった時点で105℃、5mmHgabs.(665Pa)、30分間減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオールを得た。ホスファゼニウム化合物を含んだ状態の粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して4重量部のイオン交換水を加え、次いで粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のホスファゼニウム化合物1モルに対して2.0モルの硫酸(2重量%の硫酸水溶液の形態)を装入し、85℃で3時間の中和反応を行った。中和反応終了後に、t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を粗製ポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して500ppm添加し、減圧下で徐々に脱水を行いながら最終的に105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下で4時間、同操作を行った。その後、窒素により減圧から大気圧状態にした後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ホスファゼニウム塩の回収(以降、回収ホスファゼニウム塩aと略する。)を行った。次いで、分別したポリオキシアルキレンポリオール100重量部に対して吸着剤KW−300(協和化学工業(株)製)を0.2重量部加え、80℃、3時間攪拌を行った後、アドバンテック東洋株式会社製の5Cろ紙(保持粒径1μ)により減圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールの精製を行った。精製処理操作後のポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)は24.1mgKOH/g、総不飽和度(C=C)0.019meq./g、粘度(η)1140mPa・s/25℃であった。
回収ホスファゼニウムa塩10重量部に対してイオン交換水150重量部およびジエチルエーテル(和光純薬製試薬特級)150重量部を加え、攪拌した後、25℃で12時間静置分液を行った。その後、水相を分離し、105℃、10mmHgabs.(1330Pa)以下で4時間減圧脱水を行った。得られたホスファゼニウム塩をイオン交換水により15重量%の水溶液に調整し、前述したバイポーラ膜電気透析槽にて電気透析を行った。その結果、バイポーラ膜電気透析槽のアルカリ室には水酸化ホスファゼニウム水溶液が、酸室には硫酸水溶液が得られた。バイポーラ膜電気透析により、水酸化ホスファゼニウム(P5NMe2OH)とその中和剤として用いた硫酸が回収できた。
次に回収した水酸化ホスファゼニウムを用いてポリオキシアルキレンポリオールの合成を行った。ポリオキシアルキレンポリオールの合成条件は前述した方法に従った。回収した水酸化ホスファゼニウムを触媒として得られたポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(OHV)は24.3mgKOH/g、総不飽和度(C=C)0.021meq./g、粘度(η)1160mPa・s/25℃であり、回収する前のホスファゼニウム化合物を触媒として得られたポリオキシアルキレンポリオールとほぼ同一の物性である。
【0059】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ホスファゼニウム化合物を触媒として合成した粗製ポリオキシアルキレンポリオールからホスファゼニウム化合物を回収し、再利用してもポリオキシアルキレンポリオールの物性を損なうことがない優れた品質のポリオキシアルキレンポリオールを製造することができるうえ、ホスファゼニウム化合物の中和剤も同時に回収することができるため、経済性の向上に寄与するばかりでなく、公害防止においても有用である。

Claims (1)

  1. (工程1)化学式(1)
    Figure 0003739178
    (化学式(1)中のa、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。rは1〜3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表し、Tr-は価数rの無機アニオンを表す。)で表されるホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造する工程、または、化学式(2)
    Figure 0003739178
    (化学式(2)中のa、b、cおよびdは、0〜3の整数であるが、a、b、cおよびdの全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。Q- はヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下にアルキレンオキサイドを付加重合して粗製ポリオキシアルキレンポリオールを製造する工程、(工程2)工程1で得られた粗製ポリオキシアルキレンポリオールに水と無機酸または有機酸から選ばれる少なくとも1種の中和剤を加える中和工程、(工程3)工程2で得られた液を脱水乾燥後、析出したホスファゼニウム塩とポリオキシアルキレンポリオールを分離するホスファゼニウム塩の脱塩工程、(工程4)工程3で得られたホスファゼニウム塩をホスファゼニウム塩水溶液とし、バイポーラ膜電気透析槽に通液することによるホスファゼニウム化合物の回収工程、および(工程5)工程4で回収したホスファゼニウム化合物と活性水素化合物の存在下、アルキレンオキサイドを付加重合させることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造工程、からなることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
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