JP3738052B2 - ニッケル電極用活物質とこれを用いたニッケル電極及びニッケルアルカリ蓄電池並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はニッケル電極用活物質及びこれを用いたニッケル電極並びにニッケルアルカリ蓄電池、更にはこれらの製造方法に関し、詳しくはニッケルアルカリ蓄電池に使用するニッケル活物質等の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用機器の急速な普及により従来に増して高性能な蓄電池が要請されている。
このような背景にあって、ニッケルアルカリ蓄電池においても、蓄電池の一層の高性能化のため、ニッケル正極の改良が種々なされている。このうち特公平6−38336号公報では、ニッケル正極の活物質である水酸化ニッケル粉末の作製に際し、半径30Å以上の内部遷移孔の発達を阻止することによって、その空孔容積を0.05ml/g以下にする技術が提案されている。この技術によれば、水酸化ニッケルを高密度な水酸化ニッケル粉末となすことができ、この高密度水酸化ニッケル粉末を活物質とした場合、電極基板への充填密度を増大させることができ、電極のエネルギー密度を向上させることができる。また、この高密度水酸化ニッケル粉末を充填した水酸化ニッケル電極では、充放電サイクルの進行に伴うγ−NiOOH(高次酸化物)の生成が少ない。よって、ニッケル活物質の不働態化が抑制され、その利用率が向上する。つまり、前記充填密度の向上と活物質利用率の向上により、上記技術によると、ニッケルアルカリ蓄電池の電池容量を向上させることができる。
【0003】
しかし、上記技術は、活物質粒子個々に対する工夫が不充分であり、活物質利用率や過放電特性の点に改善の余地を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、活物質粒子の個々が電極反応に確実に寄与できるような好都合な構造のニッケル活物質粒子、及びそのような構造の活物質粒子を製造する方法を提供することにより、ニッケルアルカリ蓄電池の更なる高エネルギー密度化、高性能化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質であって、前記粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成され、前記コバルト化合物が、結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物である、粒状ニッケル電極用活物質であることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を備える、粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成された粒状ニッケル電極用活物質の製造方法であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質であって、前記粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成され、前記コバルト化合物が、結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物である、粒状ニッケル電極用活物質と、
前記粒状ニッケル電極用活物質に対し、1以上5重量%以下の金属亜鉛粉末又は金属亜鉛換算で1以上5重量%以下の亜鉛化合物粉末と、
を有してなるアルカリ蓄電池用ニッケル正極であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質を主成分とするニッケル電極と、
7規定以上8.5規定以下の濃度のアルカリ金属の水酸化物と水酸化リチウムとを含有するアルカリ電解液と、
負極と、
を有してなるニッケルアルカリ蓄電池であることを特徴とする。
【0012】
【作用】
(1)請求項1の発明にかかる粒状水酸化ニッケル電極用活物質は、水酸化ニッケルを核とし、その表面に電子導電性の良いコバルト化合物が偏在した構造をしている。このような構造であると、粒表面に偏在したコバルトが活物質粒子相互の導電性を高めるように作用するので、少ないコバルト量により効果的に粒子の導電性を高めることができる。加えて、活物質の導電性を改善するために配合するコバルトの量が少なくて済むのでその分、水酸化ニッケルの割合を大きくできる。よってよりエネルギー密度の高いニッケル電極用活物質とできる。
【0013】
また、この活物質粒子は、全細孔の空間総和体積を1とするとき、空間総和体積の0.2以上が直径60Å以上の大口径の細孔によって形成されているので、電極活物質として使用したときに電解液が活物質粒子の内部まで浸入できる。よって、このような活物質粒子は電気化学反応に寄与し得る比表面積が大きいので、上記の作用効果と相まって高エネルギー密度化を図るのに好適なニッケル活物質となる。
【0014】
つまり、請求項1の発明によれば、活物質利用率の高いニッケル電極用活物質となし得、電極の高エネルギー密度化に資する。加えて、請求項1の発明では、粒表面に偏在した水酸化コバルトを、結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物としたので、上記の作用効果が一層顕著に発揮される。
【0015】
即ち、高次のコバルト酸化物は、低次のコバルト酸化物に比べ電子導電性が高く、このような高次コバルト酸化物が粒表面に偏在した活物質粒子であると、コバルトの導電性向上効果が一層顕著に発揮されることになる。加えて、結晶構造に乱れが生じたコバルト酸化物は、秩序性ある緻密な結晶構造のコバルト酸化物に比べ隙間が多いので、電解液の内部への通過を邪魔しない状態で粒表面に偏在する。更に、結晶構造に乱れのあるものは分子の配向がより多方向的でありかつ隙間が多いので、このような結晶構造の高次コバルト化合物は、粒子本体との境界では水酸化ニッケルと分子レベルで混ざり合い、接触が密な状態になっている。よって、このようなニッケル活物質を使用した電極では、電気化学反応における電子の授受が円滑に進むため、高性能の電極と成すことができる。
【0018】
(2)請求項2の発明では、粒状水酸化ニッケル析出工程で、少なくともニッケル化合物を溶解した液に、攪拌しながら所定量のアルカリを加えることにより、60Å以上の細孔により形成される空間体積が20%以上40.4%以下の粒状水酸化ニッケルの析出物を得る方法としたが、このような方法であると、アルカリの添加速度や攪拌強度、溶液PHを適当に調節すれば、容易に60Å以上の細孔の空間体積が20%以上40.4%以下の粒状水酸化ニッケルを得ることができる。また、前記粒状水酸化ニッケルと溶解したコバルト化合物とを含む液に、攪拌しながら所定量のアルカリを加え、粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出せしめる(コバルト偏在形成工程)と、水酸化コバルトが粒状水酸化ニッケルの表面を取り巻くようにして析出する。他方、アルカリ添加前の粒状水酸化ニッケルの内部には少量の溶解ニッケル化合物が浸透しているが、この溶解ニッケル化合物はアルカリ添加により粒子表面に析出する水酸化コバルトと連続一体的に粒子内部で析出する。よって、請求項2の製造方法により、粒状水酸化ニッケルの表面に厚く、内部に薄い状態に水酸化コバルトを偏在形成できることになる。なお、既に説明したようにこのようにニッケル活物質の表面に偏在形成された水酸化コバルトは、極めて効果的に導電性改善効果を発揮する。さらに、請求項2の発明では、前記コバルト偏在形成工程の後に、アルカリ含浸工程とコバルト高次化工程を付加した。アルカリ含浸工程で粒状ニッケル活物質にアルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させたのち、このアルカリ含浸粒状ニッケル活物質を酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱すると、粒子を構成する各成分の結晶構造の全部又は一部が破壊され結晶構造に乱れを生じるとともに、粒子中に存在するコバルト化合物の酸化が強力に促進されて2価より大なる高次のコバルト酸化物となる。よって、請求項2の発明によれば、前記請求項1の発明の作用の部に記載したような作用効果を得ることのできる粒状ニッケル電極用活物質を作製できる。
【0019】
ここで、第2の高次化工程で、加熱温度を50℃未満とした場合には、酸化が充分に進行せず、また結晶構造に充分な乱れを生じさせることができない。他方、加熱温度が150℃を超過した場合には、活物質の結晶性が変化し利用率の低下を招く等の不都合が生じる。よって、高次化処理温度は50℃〜150℃の範囲が好ましい。
【0020】
(3)請求項3の発明では、請求項1の発明に係る粒状ニッケル電極用活物質と、この粒状ニッケル電極用活物質に対し1〜5重量%の金属亜鉛又は金属亜鉛換算で1〜5重量%の亜鉛化合物と、でニッケル正極を構成した。このようなニッケル正極であると、粒状ニッケル電極用活物質が既に説明したような作用効果を発揮し、亜鉛がγ−オキシ水酸化ニッケルの生成を抑制するので、高容量でかつサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル正極となし得る。
【0021】
ここで、金属亜鉛等の添加量を1〜5重量%としたのは、1重量%未満であると、γ−オキシ水酸化ニッケルの生成を抑制する効果が不十分であるため、電池の性能の低下を招き、他方、5重量%を超過すると、相対的に水酸化ニッケル量が減少するので、単位活物質量当たりの容量が低下する点で好ましくないからである。
【0022】
加えて、請求項3の発明では、前記ニッケル正極において、コバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物が偏在形成された粒状水酸化ニッケル電極用活物質を用いた。このような高次コバルト酸化物の形成されたニッケル活物質は、既に説明したように導電性に優れる等の特性を有するので、一層エネルギー密度の高いニッケル正極とできる。
【0023】
(4)請求項4の発明では、前記請求項1の発明に係る粒状ニッケル電極用活物質を主成分とした正極と、負極と、7〜8.5規定のアルカリ金属の水酸化物及び水酸化リチウムとを含有するアルカリ電解液とで蓄電池を構成した。このような蓄電池であると、請求項1の発明に係る粒状ニッケル電極用活物質の優れた特性を充分に発揮させることができ、かつ水酸化リチウムを含むアルカリ電解液が高温での充電受入れ性を向上させる作用を奏するので、電池容量及びサイクル特性に優れたニッケルアルカリ蓄電池とできる。
【0024】
ここで、アルカリ金属の水酸化物の濃度を7〜8.5規定としたのは、前記水酸化物の濃度が7規定未満であると活物質の利用率が低下し、他方、前記水酸化物の濃度が8.5規定を超過した場合、電解液の浸透性が低下するので好ましくないからである。加えて、請求項4の発明では、正極を構成する活物質を、2価より大なる高次コバルト酸化物が表面に偏在したものとした。したがって、正極の性能が一層向上し、これにより更に電池容量及びサイクル特性に優れたニッケルアルカリ蓄電池とできる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、参考例1及び実施例1は粒状ニッケル活物質、参考例2、実施例2及び3はニッケル電極、参考例3、実施例4〜6はニッケルアルカリ蓄電池における例である。また、比較例1〜4はニッケル活物質、比較例5〜8はニッケル電極、比較例9はニッケルアルカリ蓄電池における比較例である。
【0026】
〔参考例1〕
モル比でニッケル1に対して、亜鉛0.02、コバルト0.05となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応中PHを13〜14に安定させ水酸化ニッケルを析出させた。
【0027】
次にこの水酸化ニッケルの析出した溶液に、反応中PHを9〜10に維持するように比重1.30の硫酸コバルト水溶液と25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、前記水酸化ニッケル析出物を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させる。この析出物を採取し水洗、乾燥して、全細孔空間に対して直径60Å以上の細孔空間の総和が20%以上である粒状のニッケル−亜鉛−コバルト系ニッケル活物質を作製した。この粒状ニッケル活物質を参考例ニッケル活物質A1とする。
【0028】
〔実施例1〕
上記参考例1と同様にして作製した粒状ニッケル活物質に対し、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下して水酸化ナトリウム液含浸ニッケル活物質粒子とした。次いでこの活物質粒子を100℃の加熱空気中で0.5時間加熱した。このようにして作製したニッケル活物質を、本発明ニッケル活物質A2とする。
【0029】
なお、上記のようにアルカリを滴下して含浸させて加熱処理する方法を以下、高次化処理という。
〔参考例2、実施例2〕
上記参考例1及び実施例1で作製したニッケル活物質A1、A2を、それぞれ用いて本発明ニッケル電極EA1、EA2をそれぞれ作製した。作製方法は以下の通りである。
【0030】
粒状ニッケル電極用活物質A1 ないしA 2 を100重量部と、0.2重量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を50重量部と、を混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを多孔度95%、厚み1.6mmの発泡ニッケルに充填し、乾燥した後、厚み0.6mmに圧延して参考例ニッケル電極EA1 及び本発明ニッケル電極EA2を作成した。
【0031】
なお、この電極EA1 と電極EA2 とは、電極活物質粒子が高次化処理されているか否かに違いがあり、後者のみが高次化処理されている。
〔実施例3〕
前記粒状ニッケル電極用活物質A2と、この粒状ニッケル活物質に対し2重量%の金属亜鉛とを混合した混合粉末を、電極活物質として用いたこと以外は、参考例2と同様にして本発明ニッケル電極EA3を作製した。なお、前記金属亜鉛の添加量は1〜5重量%の範囲であればよく、またこの金属亜鉛を同一モル数の亜鉛化合物としてもよい。
【0032】
この電極EA3は、亜鉛が添加されている点で前記電極EA2と異なる。
〔参考例3、実施例4、5〕
上記参考例2、実施例2、3で作製したニッケル電極EA1〜EA3を正極とし、水素吸蔵合金を活物質とする電極を負極として、それぞれニッケル−水素アルカリ蓄電池X−EA1、X−EA2、X−EA3を作製した。
【0033】
負極の作製方法及び電池組立方法等の詳細は以下の通りである。
(負極の作製)
ミッシュメタル(Mm;希土類元素の混合物)、ニッケル、コバルト、アルミニウム及びマンガンを、1:3.6:0.6:0.2:0.6の比率で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱し合金溶湯となす。この合金溶湯を公知の方法で冷却し、組成式Mm1.0 Ni3.6 Co0.6 Al0.2 Mn0.6 で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粉砕し、平均粒子径が約100μmの水素吸蔵合金粉末となし、この水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド等の結着剤と、適量の水を加え混合して水素吸蔵合金ペーストを作製し、このペーストをパンチングメタルに塗布し、乾燥したのち、このパンチングメタルを厚み約0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極と成した。
(電池の組立)
前記ニッケル電極( EA1 、EA2 、EA3)それぞれと前記負極とを公知のセパレータを介して巻回して電池缶に挿入し、この電池缶に電解液として7〜8.5規定の水酸化カリウム溶液を注入した後、前記電池缶を密閉した。密閉後この電池に対し、充放電による活性化処理を行って、密閉式ニッケル−水素蓄電池(AAサイズ、公称容量1200mAh)と成した。
【0034】
このようにして作製した蓄電池を、各々使用した正極に対応させ、それぞれ参考例蓄電池X−EA1、本発明蓄電池X−EA2、X−EA3とする。
〔実施例6〕
電解液を15モル%濃度の水酸化リチウムを含有した7〜8.5規定の水酸化カリウム溶液としたこと以外は、前記実施例4(X−EA2)と同様にして、ニッケル−水素アルカリ蓄電池を作製した。
【0035】
この蓄電池を、本発明蓄電池X−EA4 とする。
〔比較例1〕
モル比でニッケル1に対し、亜鉛0.02となるような硫酸ニッケルと硫酸亜鉛の混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応中PHを10〜11に安定させ水酸化ニッケルを析出させた。この水酸化ニッケルの析出物を水洗、乾燥して図1のR1 に示す細孔分布の粒状ニッケル電極用活物質を得た。
【0036】
以下、この粒状のニッケル−亜鉛系粒状活物質を比較例ニッケル活物質R1 とする。なお、この比較例ニッケル活物質R1 は直径60Å以上の空隙の形成が促進されていない。
〔比較例2〕
水酸化ナトリウム水溶液の濃度、及び攪拌強度を変化させたこと以外は、上記比較例1と同様方法で直径60Å以上の空隙の発達を促進させた図1のR2 に示す細孔分布の粒状ニッケル電極用活物質を得た。
【0037】
以下、この直径60Å以上の空隙の形成を促進した、ニッケル−亜鉛系活物質を、比較例ニッケル活物質R2 と称する。なお、R2 と上記R1 とは直径60Å以上の細孔の割合が異なる。
〔比較例3〕
モル比でニッケル1に対して、亜鉛0.02、コバルト0.05となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応中PHを13〜14に安定させ水酸化ニッケルを析出させた。
【0038】
この水酸化ニッケルの析出物を水洗、乾燥して粒状ニッケル−亜鉛−コバルト系ニッケル活物質を得た。
以下、この粒状ニッケル−亜鉛−コバルト系ニッケル活物質を比較例ニッケル活物質R3 とする。なお、このR3 はコバルトが表面に偏在化されていない点で、実施例1のA1 と異なる。
【0039】
〔比較例4〕
モル比でニッケル1に対し、亜鉛0.02、コバルト0.05となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応中、PHを10〜11に安定させ水酸化ニッケルを析出させた。
【0040】
この水酸化ニッケルを水洗、乾燥して粒状のニッケル−亜鉛−コバルト系ニッケルを得、これに硫酸コバルトと水酸化ナトリウムを添加して、前記水酸化ニッケル析出物を結晶核とし、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させる。この析出物を採取し水洗、乾燥して粒状のニッケル−亜鉛−コバルト系粒状活物質を得た。
【0041】
以下、この粒状のニッケル−亜鉛−コバルト系ニッケル活物質を比較例ニッケル活物質R4 とする。なお、このR4 は直径60Åの細孔が20%未満である点で前記実施例1のA1 と異なる。
〔比較例5〜8〕
ニッケル活物質として前記R1 、R2 、R3 、R4 、を使用した以外は、実施例3と同様にして、各種比較例電極を作製した。
【0042】
以下、使用したニッケル活物質の種類に対応させ、それぞれ比較例電極ER1 、ER2 ER3 、ER4 とする。
表1に、上記で作製したA1 〜A2 及びR1 〜R4 における直径60Å以上の細孔の割合(%)の一覧を示す。
【0043】
【表1】
〔実験〕
(実験1)
水酸化コバルト結晶標準品を用い、高次化処理が水酸化コバルトの結晶構造に及ぼす影響をX線回折分析により調べた。
【0044】
その結果を図2に示す。図2中、(a)は水酸化コバルト結晶標準品のX線回折チャートであり、(b)は前記A 1 に対し約100℃で高次化処理を施した高次コバルト化合物のX線回折チャートである。図2から明らかなように、(b)のX線回折ピークは、水酸化コバルト結晶標準品のX線回折ピーク(a)に比較して、各ピークが殆ど消失している。このことから、高次化処理により水酸化コバルトが結晶構造の乱れたコバルト化合物に変化したことが確認できる。
【0045】
次に、高次化処理(100℃)により水酸化コバルトが2価より大なる酸化数を有するコバルト酸化物に変化するか否かについて調べた。2価より大なる酸化数のコバルト酸化物の測定法は、3価のコバルト酸化物が硝酸に溶け難いことを利用した。即ち、先ず所定量の水酸化コバルト結晶標準品に対し高次化処理を施し、その後この高次化処理済コバルト酸化物を硝酸溶液で洗浄する。そして、前記洗浄液に溶出したコバルト量(2価以下のもの)を原子吸光分析法により測定し、高次化処理済コバルト酸化物中に占める2価以下のコバルトの割合から逆に3価以上のコバルト量を求めた。
【0046】
表2に高次化処理後のコバルトの平均酸化数を示す。
【0047】
【表2】
表1から、高次化処理により2価のコバルトの大半が3価のコバルトに変化したことが判る。
(実験2)
実験2では、各種ニッケル電極(本発明 EA1 、EA2 、及び比較例 ER1、 ER2、 ER3、 ER4)について、対極をニッケル板として、約25重量%のKOH水溶液とを用いて、開放系の簡易セルを作製し、0.1C(120mA)で24時間充電し、1/3C(400mA)の電流で、前記ニッケル板に対して放電終止電圧が−0.8Vになるまで放電して放電容量を測定した。そして、理論容量に対する前記放電容量の比率から活物質の利用率を求めた。
【0048】
表3に各種ニッケル正極の活物質利用率を、これら正極を構成するニッケル活物質の性状と共に示す。
【0049】
【表3】
表3より、次のことが判る。
1).直径60Åの細孔が全空間の20%以上形成されている場合と形成されていない場合を、他の性状が同様なEA2 とER4 、及びER1 とER2 について比較するとき、直径60Åの細孔が全空間の20%以上形成されている活物質粒子を使用した電極EA2 、ER2 の方が活物質利用率が高い。
【0050】
これは、直径60Åの細孔が多い方が、そうでない粒子より活物質粒子内への電解液の出入りが容易であるため、結果として電極反応面積が大きくなるためと考えられる。
2).コバルト添加の有無と活物質利用率の関係について見ると、コバルトを有しない活物質粒子を使用した電極(ER1 、ER2 )は、何れも活物質利用率が低い。
【0051】
これは、コバルトを有しない活物質粒子は、コバルトを有する活物質粒子に比べて粒子の導電性が悪いためと考えられる。
3).コバルトの存在形態と活物質利用率について見ると、粒子表面にコバルトの偏在したEA1 と、粒子に均一に分散させたER3 とを比較した場合、活物質利用率はEA1 >ER3 であり、粒子表面にコバルトを偏在させたニッケル活物質粒子がより高い活物質利用率を示すことが判る。
【0052】
この理由は、コバルトが活物質粒子表面に存在する場合には、コバルト配合量が少ない場合であっても(水酸化ニッケル1に対し、0.05)、粒子表面に偏在するコバルトが効果的に作用し活物質粒子間の導電ネットワークを形成するためと考えれる。一方、コバルトが活物質粒子全体に分散して存在(ER3 )する場合には、粒子表面に存在するコバルト量が希薄になり、粒子相互間の導電性が低下し、その結果、電気化学反応に寄与し得ない粒子が増加することに起因するものと考えられる。
【0053】
4).粒状ニッケル活物質に対する高次化処理の有無について見ると、高次化処理を行わなかったEA1に比較し、高次化処理を行ったEA2は顕著に活物質利用率が上昇したことが判る。これは、第1には、高次化処理により活物質中のコバルトがより導電性に優れる2価より大なる高次コバルト酸化物となり、活物質粒子間の導電性が一層高まったためと考えられる。第2には、この高次化処理はアルカリ水溶液の存在下で高温加熱する方法であり、この方法によると実験1で示したように、秩序性ある結晶構造を形成し難いために、結晶構造の乱れた高次酸化物が形成されるが、このような結晶構造に乱れの生じた高次コバルト酸化物は、結晶性の高いものに比べ他の物質を取り込んだ状態となり得る。つまり、活物質粒子の表面に偏在するコバルト酸化物は、活物質粒子内部(水酸化ニッケル)との境界において水酸化ニッケルを取り込んだ状態で結晶化し、水酸化ニッケルへの電子の授受が確実に行い得る好都合な状態を形成する。加えて、活物質粒子表面に偏在した結晶構造の乱れた高次コバルト酸化物は空隙の多いものであるので、電解液の出入りを妨げるバリアーにならない。これにより、コバルトの持つ導電性改善効果が充分に発揮され、かつ粒子内部へも電解液が浸透し得るため、高い活物質利用率が実現できたものと考えられる。
(実験3)実験3では、参考例蓄電池X−EA1、本発明蓄電池X−EA2、X−EA3、X−EA4、及び比較例蓄電池X−ER1、X−ER2、X−ER3、X−ER4について、過放電特性を調べた。
【0054】
過放電特性の測定方法は、先ず、室温において1Cの電流(1200mA)で充電を行い、充電電圧が最大値を示してから電圧降下量(−ΔV)が10mVを示したとき充電を終了し、1時間蓄電池を休止させた後、1Cの電流で放電を行い、放電電圧が1Vになった時点で放電を終了し、この間の放電容量測定した。次に、上記充放電後、更に0.05Cで16時間強制的に放電するというサイクルを5サイクル行い、5サイクル目の放電容量を測定し、過放電容量を測定する。そして、前記放電容量と前記過放電容量との比を求め、これを過放電特性とした。
【0055】
表4に、各蓄電池の過放電特性を示す。
【0056】
【表4】
表4から明らかなように、参考例蓄電池X−EA 1 、本発明蓄電池XEA 2 〜X−EA 4 は、比較例蓄電池X−ER1〜X−ER4に比べ何れも過放電特性に優れていた。また特に、ニッケル電極に遊離状態で酸化亜鉛を添加した蓄電池X−EA3、及び電解液に水酸化リチウムを添加した蓄電池X−EA4では、過放電特性が顕著に改善された。このことから、本発明にかかる粒状水酸化ニッケル活物質に亜鉛粉末を添加すると、一層過放電特性が向上すること、及び本発明にかかる粒状水酸化ニッケル活物質からなるニッケル正極と水酸化リチウムを含有した電解液とを組み合わせてニッケルアルカリ蓄電池を構成すると、更に一層過放電特性に優れた蓄電池とできることが判る。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、少ないコバルト添加量であっても効果的にニッケル活物質の導電性を改善でき、活物質利用率の高い粒状ニッケル電極用活物質、及びニッケル電極が提供できる。また前記ニッケル電極を正極に使用した場合には、高容量かつ過放電特性に優れたニッケルアルカリ蓄電池が提供できる。更に、このような粒状ニッケル電極用活物質に亜鉛粉末を混合した活物質で電極を構成すると、過放電特性をさらに向上させることができ、また、このような粒状ニッケル電極用活物質からなる電極と水酸化リチウムを含有した電解液とを組み合わると、一層過放電特性に優れた蓄電池と成すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】BET吸着法による粒状ニッケル活物質の空隙分布を示す図である。
【図2】水酸化コバルトのX線回折チャートであり、(a)は水酸化コバルト結晶標準品についてのX線回折チャート、(b)は高次化処理後のX線回折チャートを示す図である。
Claims (4)
- 少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質であって、前記粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成され、前記コバルト化合物が、結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物である、ことを特徴とする粒状ニッケル電極用活物質。 - 少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を備える、粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成された粒状ニッケル電極用活物質の製造方法。 - 少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質であって、前記粒状ニッケル活物質内に存在する全細孔の空間総和体積を1とするとき、前記空間総和体積の0.2以上0.404以下が、直径60Å以上の細孔によって形成され、前記コバルト化合物が、結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物である、粒状ニッケル電極用活物質と、
前記粒状ニッケル電極用活物質に対し、1以上5重量%以下の金属亜鉛粉末又は金属亜鉛換算で1以上5重量%以下の亜鉛化合物粉末と、
を有してなるアルカリ蓄電池用ニッケル正極。 - 少なくともニッケル化合物が溶解した液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを加えることによって粒状の水酸化ニッケルを析出させる粒状水酸化ニッケル析出工程と、
前記粒状水酸化ニッケルと、溶解したコバルト化合物とを含む縣濁液に対し、攪拌条件下で所定量のアルカリを徐々に加えて前記粒状水酸化ニッケルを結晶核として水酸化コバルトを析出させることにより、粒状水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトを偏在形成するコバルト偏在形成工程と、
前記コバルト偏在形成工程で作製したコバルト偏在ニッケル粒子に、アルカリ金属の水酸化物溶液を滴下して含浸させるアルカリ含浸工程と、
アルカリ含浸工程でアルカリを含浸させたコバルト偏在ニッケル粒子を、酸素の存在下で50℃〜150℃に加熱し、粒子中に存在するコバルト化合物を結晶構造の乱れた2価より大なる高次コバルト酸化物に変化せしめるコバルト高次化工程と、
を経ることにより製造された粒状ニッケル電極用活物質を主成分とするニッケル電極と、
7規定以上8.5規定以下の濃度のアルカリ金属の水酸化物と水酸化リチウムとを含有するアルカリ電解液と、
負極と、
を有してなるニッケルアルカリ蓄電池。
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