JP3738048B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は積層型電子写真感光体、特に、有機系電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体として、光導電性顔料を電気絶縁性の結着樹脂中に分散させた組成物の層を導電性支持体上に設けたもの、導電性支持体上に電荷発生層その上に電荷輸送物質を含む樹脂層を設けたもの、又、導電性支持体上に電荷輸送物質を含む樹脂層その上に電荷発生層を設けたもの、更に、上記電荷輸送層中に電荷発生物質を分散させた組成物を導電性支持体上に設けたもの等が知られている。
これらの電子写真感光体は光疲労を受けやすく、特に紫外線を含む光に対して弱い。例えば、蛍光灯下にさらされた感光体を帯電、露光、現像、転写、クリーニングなどからなるプロセスに入れ画像出しを行うと、画像濃度が低くカブリのある画像が得られる。これらの現象は前露光疲労による帯電性の劣化が原因であり、特に残留電位が上昇しやすくなる。また、繰り返し使用した場合も光疲労、オゾン劣化などにより同様な現象が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繰り返し使用による光疲労、オゾン劣化、及び前露光疲労、それに伴う帯電電位の低下、残留電位の上昇が少なく、更に、油、指紋等の感光体表面への付着によるクラック発生を抑える電子写真感光体を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の構成は、導電性支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、上記電荷輸送層がフェノール系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを含有し、両成分の配合比が20/1〜1/5重量比で、且つ両成分の組成比は電荷輸送物質に対して1〜50重量%含有することを特徴とする電子写真感光体である。
即ち、本発明はフェノール系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤をそれぞれ単独で所定量混合した場合に比較して、上記酸化防止剤と紫外線吸収剤を一定量比で併用した方が繰り返し使用による光疲労、オゾン劣化、及び前露光疲労による帯電電位の低下、残留電位の上昇の抑制効果が相乗的に改善されるという発見に基づくものである。
【0005】
本発明で用いる上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プヒロネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−tert−ブチルクロマン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,5−ジ−tert−ハイドロキノン等の様々なフェノール系化合物を包含するヒンダード置換フェノールは特に有効である。
【0006】
また、本発明で用いるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等を用いることができる。
【0007】
フェノール系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の配合比は20/1〜1/5重量比で、好ましくは3/1〜3/9である。
また、これら両成分の含有量は電荷輸送物質に対して5〜50重量%が適当であり、好ましくは5〜25重量%である。
【0008】
電荷発生物質としては下記一般式〔I〕で表されるアゾ顔料
【化3】
【0009】
(式中、Xは水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示す。
Yは −CONH−Ar 〔II〕
−CONHN=CH−Ar 〔III〕
からなる基を表し、Arは置換基を有しても良い芳香族炭素環基、又は芳香族複素環基を示す。なお、式〔I〕のビスアゾ顔料の具体例を上げると表1の通りである。)
【0010】
【表1】
【0011】
下記一般式〔IV〕で表されるフタロシアニン顔料
【化4】
(式中、Mは金属、又は金属酸化物であり、好ましくはTiOである)
【0012】
下記一般式〔V〕で表されるチオインジゴ顔料
【化5】
(式中、Xはハロゲン、好ましくは塩素である)
【0013】
下記一般式〔VI〕で表されるペリレン顔料
【化6】
(式中、Rはアルキル基、好ましくはメチル基である)
【0014】
下記一般式〔VII〕で表されるスレン系顔料(アントラキノン系顔料)
【化7】
(式中、Xはハロゲン、好ましくは臭素である)
【0015】
などを単独、もしくは、数種類組み合わせて使用する。
これらの電荷発生物質の中でも上記一般式〔I〕で示されるビスアゾ顔料が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、各種セルロース等が使用されている。
電荷発生層としては、電荷発生物質を必要ならば結着剤とともに溶剤に分散し、塗布、浸漬等の方法で支持体上に設けたものを用いることができる。また、電荷発生物質を蒸着により支持体上へ設けることもできる。
結着剤は電荷発生物質100重量部当たり、5〜150重量部程度用いることが適当である。
電荷発生層の厚さは0.05〜20μm、好ましくは0.1〜2μm程度が適当である。
【0016】
電荷輸送層については電荷輸送物質、及び結着剤を含有する。
電荷輸送物質は公知の電子供与性化合物が使用できるが、中でも電子供与性化合物である下記一般式〔A〕で表されるヒドラゾン化合物が好ましい。
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、X、及びR1 〜R4 は各々水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換アミノ基、もしくは無置換のアリール基を示す。
上記一般式〔A〕のR1 、R2 、R3 、及びR4 におけるアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、、ブトキシ基、ペンチルオキシ基など、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子など、置換アミノ基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基などのアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などで置換された置換アミノ基、無置換のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)
なお、本発明に用いられるヒドラゾン化合物の見本例を挙げると表2の通りである。
【0019】
【表2】
【0020】
更に、下記に示す公知の電子供与性化合物も好ましい。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
更に、下記に示すジアミノジフェニル化合物も好ましい。
【化15】
【0028】
(式中、R1 はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、フェニル基、あるいは低級アルキル基、又は低級アルコキシ基を置換基として有すフェニル基を表し、R2 はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、あるいは低級アルキル基、又は低級アルコキシ基を置換基として有すフェニル基を表し、R3 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、あるいはアラルキル基を表し、R4 は水素原子、クロル原子、メチル基、あるいはメトキシ基を表す。)
なお、本発明に用いられるジアミノジフェニル化合物の具体例を挙げると表3の通りである。
【0029】
【表3】
【0030】
また、上記ヒドラゾン化合物中、化合物〔A〕と化合物〔C〕の配合比を100/100〜100/1重量比で、好ましくは100/20〜100/5で更に光疲労が低減される。
また、上記ヒドラゾン化合物中、化合物〔E〕と化合物〔M〕の配合比を10/1〜1/10重量比で、好ましくは6/4〜4/6で更に光疲労が低減される。
【0031】
電荷輸送層に用いられる結着剤としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。使用量は電荷輸送物質との重量比で10/1〜1/10、好ましくは1/2〜2/1の範囲である。
電荷輸送層の厚さは2〜200μm、好ましくは5〜35μmである。
【0032】
導電性支持体としては導電性が付与されればどのようなものでも良い。具体的には、アルミニウム、ニッケル、クロム、酸化錫、酸化インジウム等を蒸着したプラスチックのフィルム、又は円筒(プラスチックとしてはポリエステル、ポリプロピレン、酢酸セルロース等が挙げられる)、アルミ箔のような導電性薄膜を貼り合わせた紙、又はプラスチックフィルム、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、銅、鉄等の金属からなる板、又は円筒等が挙げられる。
下引き層は帯電性の向上、接着剤の改善、モアレ発生の防止などの目的として設けられるものであり、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アルコール可溶性ナイロン、ポリビニルブチラール、水溶性ポリビニルブチラール等の樹脂を主成分とし、酸化アルミニウム、酸化錫、導電性カーボン、酸化亜鉛等を分散させることもできる。
下引き層の膜厚は0.01〜10μm程度が適当であり、好ましくは0.01〜5μmである。
【0033】
【実施例】
以下、本発明について実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、部、%はいずれも重量基準である。
〔実施例1〕
アルミニウムドラム基板上に表1に例示したビスアゾ顔料〔I〕−(3)とポリビニルブチラール(積水化学社製BH−3)を2/1の割合で乾式混練した後、サンドミルにて1,4ジオキサンとアセトン8/2を溶媒として、固形分5%、2時間10分分散し、塗工液Aとしてこれを浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷発生層を形成した。この時の膜厚は0.5μmであった。
次に、前記表2に例示したヒドラゾン化合物〔A〕−(1)とポリカーボネート(三菱ガス化学社製E−2000F)を1/1の割合でジクロロメタンに溶解し、固形分25%とし、更に、フェノール系酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを4%(電荷輸送剤に対して)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを6%(電荷輸送剤に対して)、それぞれヒドラゾン化合物に対して溶解させ、塗工液Bとして電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は20μmであった。
【0034】
〔比較例1〕
実施例1の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを6%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例2〕
実施例1の処方から2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを除く以外は全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例3〕
実施例1の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを10%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例4〕
実施例1の処方から2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを25%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
【0035】
〔実施例2〕
実施例1で用いたヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔H〕を用い、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを2%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを10%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例5〕
比較例1で用いたヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔H〕を用い、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを6%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例6〕
比較例2で用いたヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔H〕を用いた他は全て同様な方法で感光体を作成した。
〔比較例7〕
実施例1の処方からヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔H〕を用い、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを20%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例8〕
比較例7の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを22%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
【0036】
〔実施例3〕
実施例1で用いたヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔J〕を用い、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを3%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを9%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例9〕
実施例3の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを除く以外は、全て同様にして感光体を作成した。
〔比較例10〕
実施例3の処方から、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを除く以外は全て同様にして感光体を作成した。
〔比較例11〕
実施例3の処方から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを1%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを12%ヒドラゾンに対して溶解させ、全て同様にして感光体を作成した。
〔比較例12〕
実施例3の処方から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを13%ヒドラゾンに対して溶解させ、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを0.5%ヒドラゾンに対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
【0037】
〔実施例4〕
アルミ基板上に一般式〔IV〕に示したフタロシアニン顔料の中心金属をTiOにした顔料と、ポリビニルブチラール(積水化学社製BH−1)を2/1の割合でサンドミルにて1,4ジオキサンとアセトン8/2を溶媒として固形分5%2時間分散し、塗工液Cとしてこれを浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、電荷発生層を形成した。この時の膜厚は0.5μmであった。
次に、実施例1で用いたヒドラゾン化合物〔A〕−(1)に代えて、公知の電荷輸送剤化合物〔E〕と公知の電荷輸送剤化合物〔M〕を6/4で配合し用い、更に、フェノール系酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールを13%(電荷輸送剤全体に対して)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを12%用いた他は全て同様な方法で感光体を作成した。
【0038】
〔比較例13〕
実施例4で用いたヒドラゾン化合物〔E〕,〔M〕に代えて、〔M〕単独で用いた他は全て同様な方法で感光体を作成した。
〔比較例14〕
実施例4で用いたヒドラゾン化合物〔E〕,〔M〕に代えて、〔E〕単独で用いた他は全て同様な方法で感光体を作成した。
〔比較例15〕
実施例4の処方から2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを除く以外は全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例16〕
実施例4の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールを1%、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾールを12%電荷輸送剤に対して用いた他は、全て同様にして感光体を作成した。
【0039】
〔実施例5〕
アルミニウムドラム基板上に〔V〕に例示したインジゴ顔料とポリビニルブチラール(積水化学社製BM−1)を3/1の割合で乾式混練した後、サンドミルにて1,4ジオキサンとシクロヘキサノン8/2を溶媒とし、固形分5%、2時間10分分散し、塗工液Dとしてこれを浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷発生層を形成した。この時の膜厚は0.8μmであった。
次に、前記表3に例示したジアミノジフェニル化合物〔P〕−(1)とポリカーボネート(出光社製A−2700)を1/1の割合でジクロロメタンに溶解し固形分25%とし、更に、フェノール系酸化防止剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを10%(電荷輸送剤に対して)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを15%、それぞれジアミノジフェニル化合物に対して溶解させ、塗工液Dとして電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は20μmであった。
【0040】
〔比較例17〕
実施例5の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを除く以外は全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例18〕
実施例5の処方から2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを除く以外は全く同様にして感光体を作成した。
〔比較例19〕
実施例5の処方から2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを除き、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを25%ジアミノジフェニル化合物に対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
【0041】
〔比較例20〕
実施例5の処方から2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを除き、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを25%ジアミノジフェニル化合物に対して溶解させ、全く同様にして感光体を作成した。
以上のように作成した電子写真感光体を、感光ドラム評価装置(山梨電子工業社製)を使用し以下の条件で電子写真特性を評価した(ダイナミックモード特性)。まず−5kvのコロナ放電を5秒間行って帯電せしめ、10秒間暗所に放置した後、100Luxの白色タングステン光を照射し、再度−5kvのコロナ放電を20秒間行った後の表面電位Vo を測定し初期表面電位とした。更に、白色光を50Lux照射しながら帯電−除電を繰り返し、100サイクル後の除電後を残留電位VR とした。
【0042】
その後、繰り返し疲労加速試験器に移し、回転させながら1000Luxの白色タングステン光を照射した状態で感光層を流れる電流が50μAになる様に帯電器の放電電流を調整し、60分間連続して光照射、放電を行った。疲労後直ちに感光体を前述の感光ドラム評価装置に移し、VO ,VR を測定し疲労特性とした。測定結果は表4及び表5に示す。(疲労試験は光疲労とオゾン劣化の複合試験になる。)
また、前露光疲労試験は上記のように初期(疲労前)特性を測定し、回転させながら2000Luxの白色光を10分間照射し、その後直ちに感光体を前述の感光ドラム評価装置に移し、VO ,VR を測定し前露光疲労特性とした。測定結果は表4及び表5に示す。
油、指紋等の感光体表面への付着によるクラック試験は、感光体表面へ指紋を付着させ、7日後その表面状態を確認した。結果は表4及び表5に示す。
【0043】
以上の測定結果に基づき、作成した感光体について総合評価を行った。クラックの有無、疲労前後の電位の変化に基づき評価の基準を以下のように定めた。
この総合評価の結果についても表4及び表5に示した。
【0044】
【表4】
【表5】
【0045】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、以上説明したように、繰り返し使用による光疲労、オゾン劣化、及び前露光疲労それにともなう帯電電位の低下、残留電位の上昇が少なく、更に、指紋等の感光体表面への付着によるクラック発生を抑え、耐キズ性に優れたものであるから、本発明は極めて有用であるといえよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を示す断面図(概念図)である。
【符号の説明】
1 導電性基板
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 電荷発生剤
5 電荷輸送剤
6 フェノール系酸化防止剤
7 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
Claims (3)
- 導電性支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、上記電荷輸送層が2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル酸化防止剤と2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル紫外線吸収剤とを含有し、両成分の配合比が20/1〜1/5重量比で、且つ両成分の含有量は電荷輸送物質に対して5〜50重量%であることを特徴とする電子写真感光体。
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