JP3738031B2 - 化学蒸着(CVD)による基板上への共役置換又は共役非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)フィルムの製造方法及びエレクトロルミネセンス(EL)装置の製造方法 - Google Patents

化学蒸着(CVD)による基板上への共役置換又は共役非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)フィルムの製造方法及びエレクトロルミネセンス(EL)装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学蒸着(CVD)により、基体上に、共役、置換又は非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)のフィルムを提供する方法に関する。更に本発明は、かかる共役ポリマーを使用するエレクトロルミネセンス(EL)装置、特に発光ダイオード(LED)の製造方法に関する。
固体LEDは広範囲な用途で使用されており、例えばディスプレイや指示ランプにおいて使用されている。EL構造体中の活性即ち発光層には、従来よりIII-V半導体化合物、例えばドープトGaAs及びGaPが一般的に使用される。LEDの動作は、活性層の片側上に位置する電極から半導体材料中へ注入される電子−正孔対の再結合に基づくものである。かかる再結合により、エネルギーを(可視)光の形態で放出し;かかる現象を通常エレクトロルミネセンスと称す。発光した光の波長及びこれによる色彩は、半導体材料のバンドギャップにより決定される。
上記の無機半導体材料を用いる従来の技術は、例えば数センチメートルの大きさを有するような大きい領域を有するディスプレイを製造することが極めて困難であった。更に、発光した光から得られる色彩は、可視スペクトルの長波長端に限られていた。
半導体有機ポリマーが、EL装置に用いることができる材料として多く使用され、拡大してきている。半導体有機ポリマーは、共役ポリマー鎖を有している。バンドギャップ、電子親和力及びイオン化ポテンシャルは、適切な共役ポリマー鎖及び適切な側鎖を選定することにより調整することができる。更に、かかるポリマーは、可撓性基板に使用することもできる。
EL装置中の活性層として適切に使用することができる共役ポリマーは、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)の誘導体であり、例えばPPVそれ自体及びポリ(2−メトキシ),5−(2′−エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)がある。これらのドープされてない共役ポリマーは半導体であり、特に酸素に対して耐性があり可撓性である。前記誘導体のフィルムを製造する従来方法の多くは、有機溶剤を用いている。前記誘導体中の数種は、溶媒中に、共役ポリマーとして溶解することができ、次いでポリマー層を基体上にスピンコートする。他の誘導体は可溶性非共役ポリマー先駆体を用いることにより形成でき、この先駆体は、先駆体の溶液をスピンコートした後の熱後処理中で共役ポリマーに転化する。かかる方法は、国際特許出願92/16023号に開示されている。
スピンコートの欠点は、形成されたフィルムが、EL装置に用いるには一般的に充分に均一でなく、特に平坦でない基体に用いる場合が顕著であることである。更に従来の方法は、予め決定された厚み及び均一性を有するポリマー層の製造には、ほとんど適さない。
S.Iwatskuらによる文献Chemical Letter,P1071〜1074(1991)には、2個の芳香環を有する化合物である1,9−ジクロロ〔2,2〕パラシクロフェンモノマーを用いて化学蒸着(CVD)によりPPVを製造する方法が開示されている。この提案においては、堆積層が均一であり、正確な層厚みを当該プロセスの間に観察することができ更に得ることができるため、CVD方法は魅力的である。更に、CVD方法は半導体産業において一般的である。かかる従来の方法の欠点は、かなり複雑なモノマーを市場で入手することができず、時間を費やす合成を介して調製しなければならないことである。モノマー内の2個の芳香環の存在により蒸気圧は比較的低く、従ってかかるモノマーはCVD方法において用いるにはほとんど適さない。
本発明の目的は、特に、CVD方法により、置換若しくは非置換PPVの共役ポリマーのフィルムを製造する方法を提供することであり、そのポリマーフィルムはEL装置中の活性層として適切に使用することができ、用いられるモノマーは簡単な方法で調製できるか又は市場で入手することができるものである。更に、本発明の方法は連続的とすべきであり、一般的に不安定である、形成されるポリマー中間生成物の再加工や精製を必要としない。
更に、本発明の目的はLEDの製造方法を提供することであり、その活性層は置換又は非置換PPVの共役ポリマーにより形成される。
これらの目的は、本明細書の最初の欄に記載された方法により達成され、ポリマーは次の一般式
Figure 0003738031
(式中、RはH,C1〜C5アルキル基又はアルコキシ基及びCNから成る群より選ばれ、m=1〜4、n=10〜100,000を示す)で表され、本発明の方法は次の連続工程を含む:
a.次の一般式
Figure 0003738031
(式中、R1及びR2はハロゲン原子を示し、R及びmは上記と同様である)で表される少なくとも1種のモノマー化合物を、第1加熱区域中約50℃〜約250℃の温度で蒸発させ、
b.蒸発させたモノマー化合物を約500℃〜約900℃の温度で第2加熱区域を通過させて移送し、これにより共役先駆体を形成し、
c.工程bの先駆体を、温度500℃より低い温度で基体が設置されている第3加熱区域に移送し、これにより基体上に一般式(I)のポリマーのフィルムを形成する。
一般式(II)で表されるモノマーは十分に揮発性であり、CVDプロセスにおいて用いることができる。分解する前にモノマーを蒸発させることが可能でなければならないので、適切な置換基Rの選択は臨界的である。置換基Rが極めて大きくなる場合には、モノマーの蒸気圧は一般的に低くなる。R=Hの場合は、芳香環は置換されない。
適当なアルキル基Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチル基であり、各々枝分かれ又は枝分かれしていないものがある。適当なアルコキシ基Rはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びペントキシ基であり、各々枝分かれ又は枝分かれしていないものがある。蒸気圧が低いことを理由に、メチル及びメトキシ基が好ましい。
使用するR1及びR2は、第3除去プロセス中における反応性の関点より、臭素原子が好ましい。
本発明の方法において、特に、次のモノマー(II):
α,α′ジクロロ−p−キシレン(図2の式III参照)
α,α′−ジブロモ−p−キシレン(図2の式IV参照)
α,α′−ジブロモ−2−シアノ−p−キシレン(図2の式V参照)
α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−p−キシレン(図2の式VI参照)
α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−5−シアノ−p−キシレン(図2の式VII参照)を適切に用いることができる。
これらのモノマーは市場で入手するか、又は簡単に変形することにより調製することができる。最も適切なモノマーは、α,α′−ジブロモ−2−シアノ−p−キシレン(図2の式V参照)であり、これは四塩化炭素中の2,5−ジメチルベンゾニトリル,N−ブロモスクシンイミド及び過酸化ベンゾイルの混合物を、数時間還流することにより調製することができる。形成された固体を、石油エーテル及びトルエンの混合物を用いてこれにより再結晶し、次いで真空下で乾燥する。他の適切なモノマーは、α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−p−キシレン(図2の式VI参照)であり、これは四塩化炭素中の2,5−ジメチルアニソール,N−ブロモスクシンイミド及び過酸化ベンゾイルの混合物を、窒素雰囲気中数時間還流することにより調製することができる。形成された固体をヘキサンを用いてこれにより再結晶し、次いで真空下で乾燥する。
モノマーを、第1加熱区域中、約50℃〜約250℃の温度で、特に約80℃〜約150℃の温度で蒸発させる。ホットスポットを防止するために、モノマーの温度を所望値までゆっくりと増大させることが好ましい。
第2加熱区域の温度は、蒸発したモノマーが蒸気相中で共役先駆体(図2の式VIII参照、R1=R2=Br及びR=Hの場合)に熱分解される温度によって決定される。この温度は、第3加熱区域中のフィルムの厚みを測定することによる簡単な方法で決定することができる。フィルム形成が行われない場合には、第2加熱区域の温度は低すぎる。基体上又は炉壁上にかなり多量の炭素が形成される場合は、第2加熱区域の温度は高すぎる。
モルマー(II)を、加熱区域を通過させて移送するために、一般的には不活性キャリアガス、例えばアルゴンが使用される。好ましくは、異なる温度区域を有する管状炉が使用され、当該炉は真空下で使用することも可能である。
本発明の方法においては、HCl又はHBrが脱離して、モノマー(II)を共役先駆体(図2の式VIII参照、R1=R2=Br及びR=H)を介して共役ポリマー(I)に転化するが、芳香環上には同じ置換基が保有されたままである。脱離除去プロセスにおいては、モノマー1モルあたり2モルのHCl又はHBrが脱離除去される。
ポリマー(I)の芳香環は、各々1〜4個の置換基Rで置換され得る。芳香環1個についての置換基は異なっていても同じものであってもよい。全体の環には同じ置換基又は異なる置換基を含んでいてもよい。異なる置換基が含まれる場合には、ポリマーはコポリマー又はターポリマーである。共役コポリマー又はターポリマーは、各々2個又は3個の異なるモノマー(II)を用いることにより調製することができる。異なるモノマーを用いた場合には、最終的なポリマー組成物の最適な制御を得るために、これらの全てがほぼ同様の蒸気圧を有することが望ましい。蒸気圧が広く異なる場合には、モノマーは、別々の区域内で適用された温度で蒸発することができ、最終的には第3加熱(基体)区域に別々に移送されることになる。
共役ポリマー(I)の重合度nは10〜100,000の範囲である。
使用する置換基Rに依存して、赤色、緑色、青色又は中間色等の所望する色彩で光を発光するLEDを製造することが可能である。
形成される共役ポリマー(I)のフィルムは、一般的に50〜250nm、特に100〜200nmの層厚みを有する。ポリマーフィルムの成長速度は、キャリアガスの速度と第1加熱区域の温度とに依存し、100nm〜10μm/時の範囲である。
基板として、例えば、ガラス、石英ガラス、セラミック材料又は合成樹脂を使用することができる。ポリマーLEDを製造するにあたり、基板は、例えば、第3加熱区域中で適用される温度に対して耐熱性を有する合成樹脂の透明な可撓性箔により形成され、この上に電極材料(下記に特定する)の層が形成される。合成樹脂基板が用いられる場合には、ポリイミド又はポリテトラフルオロエチレンが耐熱性の点から好ましく用いられる。好ましくは基体は基体ホルダーに設置され、該ホルダーは基体を所望温度まで加熱したり冷却したりすることができる。或いは又、第3加熱区域は基体自体により形成される。
第3加熱区域の温度が約100度より低い場合には、非共役先駆体ポリマーが形成され、これは100℃より高い温度で加熱することにより共役ポリマーに転化することができる。第3加熱区域の温度が約100℃より高い場合には、共役ポリマー(I)フィルムが直接形成される。第3加熱区域の壁自体が、ポリマーフィルムを上部に形成する基体を構成することができるか又は、特定形状の特定基体を第3加熱区域内部に設置することができる。
LEDの製造方法を提供する目的は、次の工程:
a.基板上に第1の透明な導電層を設け、
b.上記第1層に、CVD法により、上記したように、式(II)のモノマーを用いることにより式(I)の共役ポリ(p−フェニレンビニレン)の層を少なくとも1層含む活性層を設け、
c.上記活性層上に第2導電層を設ける
工程により特徴づけられる本発明の方法により達成される。
基板には、上記した無機基板を用いることができるが、好ましくはポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン又はポリエチレンテレフタレートのような透明で可撓性のポリマー基板を使用する。ある種の合成樹脂基板材料に関しては、温度を200℃より低く保持する必要がある。必要な場合には、基板を第3加熱区域中で前記温度より低い温度に冷却する。
ある場合には、種々の層を設ける前に、ポリマー基板をベルベット布を用いて一方向にこすったり、一方向に延伸することが有効である。共役ポリマーを、かかる基板上に堆積する場合、前記ポリマーはこすった方向に平行な一軸配向を示す。その結果、かかる配向をした活性層を有するLEDにより発光した光は偏光し、偏光面はこすった方向と平行に延在する。
基板には、第1の透明な導電層が設けられ、該導電層は、この導電層上に設けられる共役PPVの活性層中への正孔の注入のための電極として作用する。かかる第1層の材料は高い仕事関数を有し、例えば金若しくは銀の薄層により、又は好ましくは酸化インジウム又はインジウム−すず酸化物(ITO)の層により構成される。かかる第1層は、活性層から発光する光のために透明であるべきである。特に、ITOは、良好な導電率と高い透明度を有するため極めて適している。かかる第1層は、例えば蒸着、スパッタリング又は化学蒸着のような既知の方法により基板上に、設けることができる。
次いで、共役PPVの活性層を、上記したCVDプロセスにより前記第1導電層上に設ける。活性層は単一層から成ることもできるが、代わりに異なるタイプの共役PPVの複数の層、例えば、3層から成るものを含有することもできる。第1導電層に隣接する層を、正孔の注入に関して最大限に活用する。該層には、アルコキシ基のような電子供与基を置換された共役PPVを含む。第2導電層に隣接する層を、電子の注入に関して最大限に活用する。該層には、CN基のような電子受容基で置換された共役PPVを含む。例えば、置換されてないPPVの層を、2つの境界層の間に位置させる。活性層を、交互に設けられる2種のタイプの共役PPV(例えば式IX及びX)の多層で、代わりに構成することもできる。前記タイプの各層は、1〜10nmの厚みを有する。本方法においては、いわゆる量子井戸構造が形成され、これにより異なる発光波長を得る。これらの異なるタイプのPPVの多層構造は、炉の第2及び第3加熱区域を連続的に又はかわるがわる通過させる異なるタイプのモノマーを用いることによる、本発明の方法による簡単な方法で得ることができる。本方法において使用される第1加熱区域の数は、異なるタイプのモノマーの数に対応している。この場合、第1加熱区域はバルブにより第2加熱区域に接続されている。
活性層には、活性層中への電子の注入のための電極として作用する第2導電層が設けられる。かかる層の材料は低い仕事関数を有し、例えばインジウム、カルシウム、バリウム又はマグネシウムのような層から成る。かかる第2層についても上記した方法により設けることができる。特に、反応性バリウムを用いた場合には、例えばエポキシ又は不活性金属の保護層で第2導電層を被覆すると有効である。
本出願人による米国特許明細書第4,956,239号には、ガス相中でフェニルアジドを光化学重合することによるポリ−1,2−アゼピンの製造方法が開示されていることに注目すべきである。形成されるポリマーは共役性であり、ヨウ素でドープされた後に導電性となる。しかし、得られるポリマーは、エレクトロルミネセンス特性は示さない。
本発明を添付した図面を参照しながら実施例により詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の方法を実施する装置の概略図である。図1においては、石英ガラスの管状炉1が示されており、該炉内には固体若しくは液体のモノマー化合物2が、加熱素子3により加熱される第1加熱区域内に設置される。使用するモノマーに応じて、温度は約50℃〜250℃の範囲である。アパーチャ4に連結される真空ポンプ(図示せず)は、炉内を10Pa未満の部分真空に維持するために使用される。アパーチャ10は、キャピラリー管を有するニードルバルブ(図示せず)を備える。矢印5は、アルゴンキャリヤーガス流を示し、該アルゴンキャリヤーガス流はモノマー2を蒸気の状態で、加熱素子6により加熱される第2加熱区域に移送する。これにより共役先駆体(図2の式VIII)を形成する。第2加熱区域内の温度は、約500℃〜900℃の範囲である。キャリアガス及び共役先駆体を、温度が500℃より低い第3加熱区域7に導く。当該第3加熱区域中には基体8が設置されている。ポリマーフィルム9を基体8上に形成する。得られた層9は、極めて均一な層厚みを有する。第3温度区域7内の温度が約100℃より低い場合には、非共役性の先駆体ポリマーが形成される。該温度が100℃を超える場合には、式(I)で表わされる共役PPVが形成される。ポリマーフィルム9を堆積する間、その厚みを、基体8の近傍に設置された石英結晶オシレーターにより監視することができる。
[実施例2]
実施例1に記載された装置において、0.79gのα,α′−ジブロモ−p−キシレン(図2中の式IV;Aldrichにより提供)を参照番号2(図1)により示された位置に設置する。加熱素子3をゆっくりと加熱して150℃にした。第2加熱区域を加熱素子6により710℃に加熱し、一方第3加熱区域を200℃に加熱する。平坦なガラス基板を含む基体を、参照番号8で示される位置に設置する。装置全体を、圧力が10-3Paとなるまで排気し、その後窒素流を参照番号10でのニードルバルブにより0.1Paの圧力を得るように調整した。200nmの層厚みを有する共役PPV(図2の式IX)の透明フィルム9を、基体8上に堆積する。該フィルムは緑色スペクトル範囲中でエレクトロルミネセンスを示し、約550nm付近で最大発光を示す。
[実施例3]
第3加熱区域7を加熱せず基体を室温で保持した以外は、実施例2を繰り返す。モノマー単位あたり1個の臭素原子を含む非共役性の先駆体ポリマーのフィルムを基体上に堆積する。基体を圧力0.1Paで1.5時間220℃に加熱した後、共役PPV(図2の式IX)のフィルムを形成する。これは実施例2で得られたフィルムと同等である。
[実施例4]
α−α′−ジブロモ−2−シアノ−p−キシレン(図2の式V)をモノマーとして用いた以外は、実施例1を繰り返す。2,5−ジメチルベンゾニトリル(Aldrichにより提供)を出発物質として使用する。かかるモノマーは、J. Org. Chem,45,4496〜4498(1980)中のM. Hilbertらにより開示された方法に類似した方法により製造される。モノマーは約80℃で蒸発を開始する。第2加熱区域内の温度は640℃である。CN基で置換された共役PPV(図2の式X)の透明フィルム9を基体8上に層厚み200nmで堆積する。該フィルムは緑色スペクトル範囲中でエレクトロルミネセンスを示し、約540nm付近で最大発光を示す。
[実施例5]
α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−p−キシレン(図2の式VI)をモノマーとして用いた以外は、実施例1を繰り返す。かかるモノマーは、J. Org Chem,45,4496〜4498(1980)中のM. Hilbertらにより開示された方法により、2,5−ジメチルアニゾール(Aldrichにより提供)から出発して製造される。メトキシ基で置換された共役PPV(図2の式XI)の透明フィルム9を基体8上に層厚み200nmで堆積する。該フィルムは黄色スペクトル範囲中でエレクトロルミネセンスを示し、約610nm付近で最大発光を示す。
[実施例6]
図3において、参照番号1はポリマーLED構造体の断面図を概略的に表わしたものである。20Ω/□より低い表面抵抗を有する、透明なインジウム−すず酸化物層(ITO)15を、ガラス基板13上にスパッターする。当該層15は、次いで堆積されるべき共役PPV(図2の式IX)の活性層9中への正孔を注入するための電極層として作用する。かかる活性層9は150nmの厚みを有し、実施例2に記載された方法で製造される。カルシウム層19を、かかる活性層9上に、圧力2×10-4Pa未満で蒸着する。カルシウム層19は250nmの層厚みを有し、活性層9内に電子を注入するための電極として作用する。ポリマーLEDの大きさは1cm2である。
電極層15及び19の双方をDC源に接続する。共役PPVのポリマーフィルム9は均質な緑色光を発光し、これは白昼環境下で視覚的に明確に認識できる。達成される率は0.1%である。即ち、活性層内に注入される1,000個の電子あたり1個のフォトンが発生する。
図4は、得られたLEDの特性を示し、電極間の電流I(アンペア)を、適用する電力V(ボルト)の関数としてプロットする。更に光量Lを、電力Vの関数として、任意単位(a・u)で示す。
本発明の方法は、CVD手段による簡単な方法で、製造されるべき広い表面領域を有するポリマーLEDを可能とし、前記LEDの活性層は容易に入手し得るモノマーを基礎とする共役PPVにより構成される。活性層の層厚みは均一であり、従って本発明の方法は、特に、大きい及び/又は平坦でない基体に適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の方法を適用する装置を概略的に示す。
図2は、共役ポリマーPPV(I,IX,X及びXI)の一般式、本発明の方法において適切に用いることができるモノマー(II)〜(VII)の一般式及び本発明の方法により形成される共役先駆体(VIII)の一般式を示す。
図3は、本発明の方法により得られるPPVの活性層を含むEL装置、特にLEDの断面を概略的に示す。
図4は、本発明の方法により製造されるLEDのI−V及びL−V特性を示す。

Claims (12)

  1. 化学蒸着(CVD)による基体上への共役置換若しくは共役非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)フィルムの製造方法において、
    ポリマーは次の一般式
    Figure 0003738031
    (式中Rは、H,C1〜C5アルキル基又はアルコキシ基及びCNから成る群より選ばれ、m=1〜4、n=10〜100,000を示す)で表わされ、この基体上への共役置換若しくは共役置換ポリ(p−フェニレンビニレン)フィルムの製造方法は、
    a.次の一般式
    Figure 0003738031
    (式中R1及びR2はハロゲン原子を示し、R及びmは上記と同様である)で表わされる少なくとも1種のモノマー化合物を、第1加熱区域中50℃〜250℃の温度で蒸発させる工程と、
    b.蒸発させたモノマー化合物を、500℃〜900℃の温度で第2加熱区域を通過させて移送し、これにより共役先駆体を形成する工程と、
    c.工程bの先駆体を温度500℃より低い温度で基体が設置されている第3加熱区域に移送し、これにより基体上に一般式(I)のポリマーのフィルムを形成する工程と
    の連続工程を含むことを特徴とする化学蒸着(CVD)による基体上への共役置換若しくは共役非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)フィルムの製造方法。
  2. 使用するモノマー化合物はα,α′−ジクロロ−p−キシレンであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. α,α′−ジブロモ−p−キシレンをモノマー化合物として使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. α,α′−ジブロモ−2−シアノ−p−キシレンをモノマー化合物として使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−p−キシレンをモノマー化合物として使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. α,α′−ジブロモ−2−メトキシ−5−シアノ−p−キシレンをモノマー化合物として使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 基板の温度を100℃を超えるように選定することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 次の工程:
    a.基板上に第1の透明な導電層を設け、
    b.上記第1層に、請求項1〜7いずれか1つの項記載の方法により式(I)の共役ポリ(p−フェニレンビニレン)の層を少なくとも1層含む活性層を設け、
    c.上記活性層上に第2導電層を設ける
    工程を含むことを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  9. 使用する基板は、透明で可撓性の合成樹脂基板であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. インジウム−すず酸化物を第1導電層として使用することを特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 活性層を設ける前に、一方向にこするか又は延伸した合成樹脂基板を用いることを特徴とする請求項8記載の方法。
  12. 活性層は少なくとも3層の置換又は非置換ポリ(p−フェニレンビニレン)から構成されることを特徴とする請求項8記載の方法。
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