JP3737887B2 - 孔版印刷機用版胴装置及びその運転方法 - Google Patents

孔版印刷機用版胴装置及びその運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転式孔版印刷機に係り、特にその版胴装置のインク供給構造に関する改良に係る。
【0002】
【従来の技術】
回転する版胴を用いて孔版印刷を行う輪転式孔版印刷機の版胴装置の一つとして、枠体と、多孔構造の周壁部を有し自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持された版胴と、前記版胴の前記周壁部に内側から選択的に当接し得るよう該版胴の中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持されたインク付けローラと、前記版胴内にあって前記インク付けローラに平行に近接して前記枠体より支持され該インク付けローラとの間にインク量制御スリットとそれに収斂する楔状横断面のインク溜空隙を郭定するドクターロッドと、前記インク溜空隙にインクを供給するインク供給手段と、前記版胴と前記インク付けローラとを互いに関連付けて同回転方向に回転駆動する駆動手段とを有し、前記版胴と前記インク付けローラとが回転駆動されるとき前記インク溜空隙に溜められたインク塊からインクが前記インク量制御スリットを経て前記インク付けローラの外周面に担持されて前記版胴の周壁部まで搬送される構成のものが知られている。(実開昭60−26867号公報)
【0003】
上記の如き構成の版胴装置を用いた孔版印刷機は、版胴の回転速度に対するインク付けローラの回転速度の比を一定に保ち且つ該比及びインク量制御スリットの開度を最適値に設定することにより、多数枚の印刷物を一定の安定した濃度に印刷することができるという大きな利点を有する。
【0004】
しかし、かかる構成の版胴装置を用いた孔版印刷機には、上記の構成のままでは、新孔版による孔版印刷機の始動時や孔版を保持したまま長期間休止された後印刷が再開されるとき、正常な印刷仕上がり状態に達するまでにかなりの枚数の予備印刷を行う必要があるという問題がある。
【0005】
かかる問題に対処し、新孔版による始動時や長期間の休止後の再開時の孔版印刷機の立上り速度を早めるための種々の対策が、特開平3−120073号公報、特開平4−296585号公報、特開平6−135114号公報、特開平9−11598号公報、特開平9−174992号公報、特許第2593622号公号公報、特許第2593623号公報に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明も又上記の基本構成による版胴装置を用いた孔版印刷機の新孔版による始動時や長期間休止後の印刷再開時の立上りを早めることを課題とするものであり、特にそれを、前記インク量制御スリットによる前記インク溜空隙より版胴へのインクの供給の制御とは別に、臨時に独立の流量制御を伴うインク供給経路を経て前記インク溜空隙より版胴へインクを供給することにより達成せんとするものであり、更に詳細には、上記の課題の解決のためのインクの追加供給が新孔版による孔版印刷機の始動時や長期間休止後の印刷再開時の如く孔版印刷機の全作動時間に比して極く微小な時間のみ行われることに鑑み、上記の如き従来の版胴装置の基本構成に於ける構成部材を最大限に有効に利用し且つ高い制御性をもって追加インクの供給を可能にし、しかも孔版印刷機の全作動時間の殆どを占めるその非作動時にそれが前記基本構成による版胴装置の作動に干渉しない態様にて追加インク供給装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、枠体と、多孔構造の周壁部を有し自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持された版胴と、前記版胴の前記周壁部に内側から選択的に当接し得るよう該版胴の中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持されたインク付けローラと、前記版胴内にあって前記インク付けローラに平行に近接して前記枠体より支持され該インク付けローラとの間に第一のインク量制御スリットとそれに収斂する楔状横断面のインク溜空隙を郭定するドクターロッドと、前記インク溜空隙にインクを供給するインク供給手段と、前記版胴と前記インク付けローラとを互いに関連付けて同回転方向に回転駆動する第一の駆動手段とを有し、前記版胴と前記インク付けローラとが回転駆動されるとき前記インク溜空隙に溜められたインク塊からインクが前記第一のインク量制御スリットを経て前記インク付けローラの外周面に担持されて前記版胴の周壁部まで搬送される構成の孔版印刷機用版胴装置にして、
前記ドクターロッドは前記インク量制御スリットを郭定する部分にて前記インク付けローラの中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持された円筒体であり、前記ドクターロッドの円筒体部の周壁面に当接し前記インク溜空隙に溜められたインク塊を塞き止める閉位置と前記ドクターロッドの円筒体部の周壁面より離間し該円筒体部の周壁面との間に第二のインク量制御スリットを郭定する開位置との間に可動に前記枠体より支持されたドクターバーと、前記ドクターロッドを前記インク付けローラの回転方向と同じ回転方向に選択的に回転駆動する第二の駆動手段と、前記ドクターバーを前記閉位置と前記開位置との間に駆動する第三の駆動手段と、新孔版による孔版印刷機の始動時や長期間休止後の印刷再開時であって前記第一のインク量制御スリットによるインク供給量に比して臨時に増大されたインク供給量によるインク供給が望まれるとき前記第二の駆動手段を作動させて前記ドクターロッドを回転させると共に前記第三の駆動手段を作動させて前記ドクターバーを前記閉位置より前記開位置へ移動させる制御手段とが設けられていることを特徴とする孔版印刷機用版胴装置を提供するものである。
【0008】
上記の如き構成の孔版印刷機用版胴装置によれば、新たに製版された孔版を版胴の周りに装着して新たな内容の印刷物を得ようとする新孔版による孔版印刷機の始動時や一つの孔版により印刷を行った後該孔版を版胴に装着したままで長期間休止した後印刷を再開する時であって、孔版印刷機の立上り後の連続運転時の前記第一のインク量制御スリットによるインク供給量に比して臨時に増大されたインク供給量によるインクの供給が望まれるときにのみ、前記第二の駆動手段を作動させて前記ドクターロッドを回転させると共に前記第三の駆動手段を作動させて前記ドクターバーを適当な所定の前記第二のインク量制御スリットを郭定する開位置へ移動させれば、その間のみ臨時に回転する前記ドクターロッドの外周面に担持された状態にて前記インク溜空隙より前記第一のインク量制御スリットをバイパスしてその出口の位置にて追加のインクを前記インク付けローラ上に補給することができる。
【0009】
孔版印刷機の立上り後は、先ず前記ドクターバーを前記ドクターロッドに当接した前記閉位置に戻し、前記第二のインク量制御スリットを閉じ、その後も前記ドクターロッドの回転を少なくとも一回転弱だけ続け、該ドクターロッドの回転方向に沿って見て前記ドクターバーとの接触部より前記第一のインク量制御スリットの出口に至る周面上にはインク層が残らないようにしておくのが好ましい。こうして前記ドクターバーが前記ドクターロッドに当接した前記閉位置に戻され、前記第二のインク量制御スリットを閉じられれば、その後の孔版印刷機の運転に於いて、これらの追加インクの供給のための構成は、孔版印刷機の通常の運転に何ら干渉しない。この場合、前記ドクターロッドは、立上りの後の孔版印刷機の通常の運転に於ける前記第一のインク量制御スリットを郭定する部材として作動すると同時に、臨時のインク追加供給のための部材としても有効に兼用されている。
【0010】
上記の如き本発明による孔版印刷機用版胴装置に於いて、前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドにより該ドクターロッドに対し同心に回転可能に支持された第二の歯車と、前記枠体により回転可能に支持され前記第一の歯車と前記第二の歯車とに噛み合って該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する第三の歯車と、前記第二の歯車を前記ドクターロッドに回転力を伝達する関係に選択的に連結するクラッチとを含んでいてよい。又前記ドクターロッドは前記第一、第二、第三の歯車を経て回転駆動される回転方向とは反対の回転方向への回転に対しワンウェイクラッチにより回転を阻止されているのが好ましい。
【0011】
この場合、前記インク溜空隙にはそこに溜められた前記インク塊の中心部を通り前記インク付けローラの中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持されたインク塊回転用ロッドが設けられており、該インク塊回転用ロッドは前記第三の歯車と同心であり且つ該第三の歯車と回転力を伝達する関係に連結されていてよい。
【0012】
或は又、前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドに同心に結合された第二の歯車と、前記枠体より支持され前記第一の歯車と噛み合うが前記第二の歯車とは噛み合わない位置と前記第一の歯車及び前記第二の歯車の両方と噛み合い該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する位置との間に選択的に移動される第三の歯車とを含んでいてもよい。
【0013】
或は又、前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドに同心に結合された第二の歯車と、前記枠体より支持され前記第一の歯車及び前記第二の歯車のいずれとも噛み合わない位置と前記第一の歯車及び前記第二の歯車の両方と噛み合い該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する位置との間に選択的に移動される第三の歯車とを含んでいてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して、本発明を実施例について詳細に説明する。
【0015】
添付の図1は本発明による孔版印刷機用版胴装置の一つの実施例を示す一部解図的表示による側面図であり、図2は図1に於ける円弧状切断線に沿って矢印II−II方向に見た構成の一部の展開平面図を、それと関連する装置の解図的表示と共に示す図である。
【0016】
これらの図に於いて、10にて全体的に示された版胴装置は、版胴12を有しており、版胴12は自身の中心軸線O1の周りに回転可能に枠体14の図には示されていない版胴支持部より支持されている。図2にて符号14を付されている部分は枠体の一部であって、特に版胴12の内部に位置し、以下に記載されるインク付けローラ16、ドクターロッド20、インク塊回転用ロッド36等の版胴内インク供給手段を支持する部分である。版胴12はその円筒形状の母線の一部に沿って設けられた孔版始端取付け部13を除くその周壁部の殆どの部分にて多孔構造に作られている。版胴12の内部には、インク付けローラ16が版胴の中心軸線O1に平行な自身の中心軸線O2の周りに回転可能で且つ印刷実行時に図1に解図的に示されている如く版胴の周壁部に内側から当接した状態となるようその軸部18にて枠体14より支持されている。尚インク付けローラ16を印刷実行時にのみ版胴12の内周面に選択的に当接させる方式には、インク付けローラ16を版胴に対して上下に移動させる方式やインク付けローラ16を版胴12の内周面に極く近接した非接触状態に設置しておき、後述の裏押しローラ72が版胴12に対し上下動されることによりインク付けローラ16に対向する部分で版胴12の周壁が一部上方へ押し上げられることによりインク付けローラ16を版胴12の内周面に当接させる方式等の種々の方式があるが、この点に関する詳細は本発明には直接関係ないので図示の如き解図的表示にてその詳細は省略する。
【0017】
版胴12内には、更にインク付けローラ16に平行に近接してドクターロッド20がインク付けローラの中心軸線O2に平行な自身の中心軸線O3の周りに回転可能にその軸部22にて枠体14より支持されている。インク付けローラ16とドクターロッド20との間には、インク量制御スリット24とそれに収斂する楔状横断面を呈するインク溜空隙26が郭定されており、このインク溜空隙には、版胴の軸線方向に延在するよう配置されたインク供給管28より、それに沿ってあけられた複数個の孔30を経て、インクが供給されるようになっている。インク供給管28を経て行われるインクの供給は、図には示されていないインクポンプより図には示されていないインクポンプ作動制御装置による制御の下に行われ、該インクポンプ作動制御装置は、インク溜空隙26に溜まったインク塊32の横断面の大きさを検出するインクセンサ34からの信号に基づき、孔版印刷機の作動に伴うインクの消費に対応して、インクセンサ34により検出されるインク塊の横断面の大きさがほぼ一定に保たれるようインクポンプの作動を制御するようになっている。尚、インク溜空隙26に溜まるインク塊は、その両端部が枠体14の一部であって図2に於いて側板要素として現れている部分により堰止められた状態にある。
【0018】
図示の版胴装置の実施例に於いては、インク溜空隙26内に形成されるインク塊32の横断面のほぼ中央に位置するインク塊回転用ロッド36が、自身の中心軸線O4をインク付けローラ16の中心軸線O2に平行に延在させ且つ該中心軸線の周りに回転可能に、その軸部38にて枠体14より支持されている。
【0019】
図2に於いて解図的に示されている如く、版胴12は駆動装置40により回転駆動力伝達系42を経て回転駆動され、インク付けローラ16は、一つの実施の態様として、版胴12より回転駆動力伝達系44を経て回転駆動され、これによって版胴12とインク付けローラ16とは、互いに関連付けられた速度にて、駆動装置40より図1に矢印にて示されている同じ回転方向に回転駆動されるようになっている。駆動装置40は制御装置46によりその作動を制御されるようになっている。
【0020】
インク付けローラ16は、その軸部18に回転力を伝達する関係に装着された歯車48を担持している。ドクターロッド20は、その軸部22に該軸部上に自由に回転し得るよう軸受式に装着された歯車50を担持している。インク塊回転用ロッド36は、その軸部38に回転力を伝達する関係に装着された歯車52を担持している。そして歯車48は歯車52と噛み合い、また歯車52は歯車50と噛み合っている。
【0021】
ドクターロッド20の軸部22は、歯車50を貫通して更に図2にて上方へ延在しており、該延在部に環状のクラッチ板54と電磁クラッチ56とを担持している。クラッチ板54は歯車50に回転力を伝達する関係に固定され、軸部22上に歯車50と共に自由に回転し得るようになっている。電磁クラッチ56は、軸部22に回転方向及び軸線方向の移動に対し固定された円筒状の本体部を有し、該本体部の周縁に沿って隔置して設けられた二つの導電リング58及び60とそれらに摺接する導電ブラシ61及び62を経て制御装置46により制御されるスイッチ63を経て選択的に供給される電流に応答し、該本体部より環状のクラッチ板65を図にて下向きにクラッチ板54へ向けて押し出し、クラッチ板50と54とを回転力を伝達する関係に連結するようになっている。従って電磁クラッチ56は制御装置46からの制御信号によりスイッチ63が閉じ、前記電流を供給されたときのみ、歯車50を軸部22にに対し回転力を伝達する関係に連結するようになっている。
【0022】
枠体14による軸部22の軸受け部にはワンウェイクラッチ64が設けられており、ドクターロッド20が以下に詳述する図3に示されている矢印方向にのみ回転することを許すようになっている。かかるワンウェイクラッチ64が設けられることにより、通常運転時にドクターロッド20がインク溜り空隙26内に於けるインク塊32の回転につられて図1にて時計廻り方向に回転することが阻止される。
【0023】
図1に戻って、ドクターロッド20の上方には、その長さ方向に沿ってその実質的全長に亙って延在する堰板状のドクターバー66が設けられており、ガイド68により図にて上下方向に移動可能に枠体14より支持されている。ドクターバー66は、図1に示されている如く、その下降位置に於いては、その下端にてドクターロッド20の外周面にその一つの母線に沿って当接するようになっている。ガイドバー66は、アクチュエータ70により、図示の如き下降位置と、これより引き上げられその下端とドクターロッド20との間にインク量制御スリット74(図3)を形成することができるようになっている。アクチュエータ70は制御装置46によりその作動を制御される。
【0024】
図示の如き版胴装置の構成に於いて、孔版印刷機の立上り後の通常の運転時には、版胴12が図には示されていない孔版を装着された状態にて図1にて反時計廻り方向に回転駆動されると、その回転に対応して、版胴装置10の下方に配置された周知の裏押しローラ72が、版胴に於ける孔版始端取付け部13との衝突を避けまた版胴12とそれとの間に図には示されていない印刷用紙が供給されているときのみ版胴12の外周面に対し押し付けられるように上下に往復動され、版胴の回転に伴って順次印刷用紙への印刷が施される。かくして版胴の周壁よりインクが消費されていくのに対応して、インク溜空隙26内のインクがインク量制御スリット24にて計量されつつ版胴12の回転に関連して回転するインク付けローラ16の外周面に担持されて版胴12の周壁へ供給され、またインク溜空隙26内ではインク塊回転用ロッド36により旋回されつつインク塊36が、その横断面の大きさを常時ほぼ一定に保つよう、インクセンサ34による監視の下にインク供給管28からインクの補給を受ける。
【0025】
これに対し、新孔版による孔版印刷機の始動時や長期間休止後の印刷再開時には、制御装置46からの指令によりアクチュエータ70が作動し、ドクターバー66が図3に示されている如く上方へ引き上げられ、その下端とドクターロッド20との間にインク量制御スリット74が形成され、それと同時に制御装置46からの指令によりスイッチ63が切り換えられて電磁クラッチ56が作動し、クラッチ板65をクラッチ板54に対し押付け、歯車50の回転がドクターロッド20に伝達される状態が達成される。かかる状態にて版胴12が回転駆動されると、インク付けローラ16の外周面には、インク溜空隙26内のインク塊32よりインク量制御スリット24にて計量されたインクとインク量制御スリット74にて計量されドクターロッド20の外周面によって外回りに搬送されたインクの両者が供給され、版胴の周壁部にはインク量制御スリット74にて計量された分の追加のインクが臨時に追加供給される。
【0026】
かくして新孔版による印刷の始動時や長期間休止後の印刷の再開時にも、孔版印刷機は通常の連続運転時に於けると同質の印刷物を生成することのできる立上り状態に急速に立ち上がることができる。
【0027】
図4は図1〜3に示す実施例に於けるドクターロッド20をインク付けローラ16の軸部18より選択的に駆動する歯車機構の他の一つの実施例を、その要部に於いてのみ示す解図的側面図である。図4に於いて図1〜3に示す部分に対応する部分は同じ符号により示されている。この実施例に於いては、ドクターロッド20を回転駆動する歯車50は、常時ドクターロッド20と回転力を伝達する関係に連結されており、インク付けローラ16と常時回転力を伝達する関係に連結された歯車48より、該歯車には常時噛み合っているが歯車50に対し噛合い状態と非噛合い状態との間に選択的に偏倚される歯車76を経て、選択的に回転駆動されるようになっている。歯車76はインク付けローラ16の中心軸線O2 即ち歯車48の中心軸線の周りに回動するレバー78により、その軸線の周りに回動可能に担持されており、レバー78はアクチュエータ80により、図にて実線(実は歯を略記したため二点鎖線)にて示されている如く歯車76を歯車50に噛み合わせる位置と、図にて破線にて示されている如く歯車76を歯車50には噛み合わせない位置との間に選択的に移動されるようになっている。勿論、アクチュエータ80は図1〜図3に示す制御装置46により作動制御される。尚この実施例に於ける歯車76は図1〜3の実施例に於ける歯車52には対応しない。
【0028】
図5はインク付けローラ16の軸部よりドクターロッド20を選択的に回転する歯車機構の更に他の一つの実施例を示す図4と同様の図である。図5に於いても図1〜図4に示す部分に対応する部分はこれらの図に於けると同じ符号により示されている。この実施例に於いては、レバー78の枢動軸線O5 がインク付けローラ16の枢動軸線O2 より大きく偏倚されることにより、アクチュエータ80の作動に応じて、歯車76は、歯車50を歯車48より駆動すべきときには、歯車48と歯車50の両方に噛み合い、歯車50を駆動する必要のないときには、歯車76は歯車48及び歯車50の両方との噛み合いより外れるようになっている。かかる実施例によれば、孔版印刷機の立上り後の通常の運転時にはドクターロッド20の選択的回転駆動のための追加部材の運動を一切停止させることができる。この実施例に於ける歯車76も図1〜3の実施例の歯車52には対応しない。
【0029】
図6は必要時にのみドクターロッド20を回転駆動するために、ドクターロッド駆動用の専用電動機82を設けた実施例を示す図2に類似の一部解図的平面図である。かかる電動機82を制御装置46により直接運転制御し、新孔版による印刷始動時又長期間休止後の印刷再開時にドクターバー66の引上げに合わせて回転駆動するようにしてもよい。尚この場合、電動機82が例えば超音波モータの如くその出力軸が外部より逆に駆動されることのない構造のものであったり、或はウォームギヤの如く不可逆駆動の減速歯車列を含んでいるときには、図2に示されているワンウェイクラッチ64は省略されてよい。
【0030】
かくして本発明によれば、ドクターロッドを選択的に回転可能に構成し、これに可動式のドクターバーを組み合わせることにより、一度の印刷の後時間を置いて再度の印刷を行う場合にも又新たに製版された新孔版にて印刷を開始する場合にも、所定の良好な印刷仕上がりを得る迄の試し刷りの枚数を殆ど零にして試し刷りによる無駄のない孔版印刷を行うことができる。
【0031】
以上に於ては、本発明を幾つかの実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲内にて他に種々の実施例が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による孔版印刷機用版胴装置の一つの実施例を本発明に係る要部に於いてのみ示す解図的側面図。
【図2】図1に示す版胴装置に於けるドクターロッドの選択的駆動のための構成の要部を一部解図的表示にて示す平面図であり、図1に於ける矢印II−IIによる矢視に相当する図。
【図3】図1に示す版胴装置を臨時の追加インク供給作動時の状態にて示す図。
【図4】ドクターロッドの選択的回転駆動のための他の一つの実施例を示す概略図。
【図5】ドクターロッドの選択的回転駆動のための更に他の一つの実施例を示す概略図。
【図6】図1に示す版胴装置に於けるドクターロッドの選択的駆動のための構成の更に他の一つの実施例を示す図2に類似の一部解図的平面図。
【符号の説明】
10…版胴装置
12…版胴
13…孔版始端取付け部
16…インク付けローラ
18…インク付けローラの軸部
20…ドクターロッド
22…ドクターロッドの軸部
24…インク量制御スリット
26…インク溜空隙
28…インク供給管
30…孔
32…インク塊
34…インクセンサ
36…インク塊回転用ロッド
38…軸部
40…駆動装置
42,44…回転駆動力伝達系
46…制御装置
48,50,52…歯車
54…クラッチ板
56…電磁クラッチ
58,60…導電リング
61,62…導電ブラシ
63…スイッチ
64…ワンウェイクラッチ
66…ドクターバー
68…ガイド
70…アクチュエータ
72…裏押しローラ
74…インク量制御スリット
76…歯車
78…レバー
80…アクチュエータ
82…ドクターロッド駆動用電動機

Claims (7)

  1. 枠体と、多孔構造の周壁部を有し自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持された版胴と、前記版胴の前記周壁部に内側から選択的に当接し得るよう該版胴の中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持されたインク付けローラと、前記版胴内にあって前記インク付けローラに平行に近接して前記枠体より支持され該インク付けローラとの間に第一のインク量制御スリットとそれに収斂する楔状横断面のインク溜空隙を郭定するドクターロッドと、前記インク溜空隙にインクを供給するインク供給手段と、前記版胴と前記インク付けローラとを互いに関連付けて同回転方向に回転駆動する第一の駆動手段とを有し、前記版胴と前記インク付けローラとが回転駆動されるとき前記インク溜空隙に溜められたインク塊からインクが前記第一のインク量制御スリットを経て前記インク付けローラの外周面に担持されて前記版胴の周壁部まで搬送される構成の孔版印刷機用版胴装置にして、
    前記ドクターロッドは前記インク量制御スリットを郭定する部分にて前記インク付けローラの中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持された円筒体であり、前記ドクターロッドの円筒体部の周壁面に当接し前記インク溜空隙に溜められたインク塊を塞き止める閉位置と前記ドクターロッドの円筒体部の周壁面より離間し該円筒体部の周壁面との間に第二のインク量制御スリットを郭定する開位置との間に可動に前記枠体より支持されたドクターバーと、前記ドクターロッドを前記インク付けローラの回転方向と同じ回転方向に選択的に回転駆動する第二の駆動手段と、前記ドクターバーを前記閉位置と前記開位置との間に駆動する第三の駆動手段と、新孔版による孔版印刷機の始動時や長期間休止後の印刷再開時であって前記第一のインク量制御スリットによるインク供給量に比して臨時に増大されたインク供給量によるインク供給が望まれるとき前記第二の駆動手段を作動させて前記ドクターロッドを回転させると共に前記第三の駆動手段を作動させて前記ドクターバーを前記閉位置より前記開位置へ移動させる制御手段とが設けられていることを特徴とする孔版印刷機用版胴装置。
  2. 前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドにより該ドクターロッドに対し同心に回転可能に支持された第二の歯車と、前記枠体により回転可能に支持され前記第一の歯車と前記第二の歯車とに噛み合って該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する第三の歯車と、前記第二の歯車を前記ドクターロッドに回転力を伝達する関係に選択的に連結するクラッチとを含むことを特徴とする請求項1の孔版印刷機用版胴装置。
  3. 前記ドクターロッドを前記第一、第二、第三の歯車を経て回転駆動される回転方向とは反対の回転方向への回転に対し阻止するワンウェイクラッチが設けられていること特徴とする請求項2の孔版印刷機用版胴装置。
  4. 前記インク溜空隙にはそこに溜められた前記インク塊の中心部を通り前記インク付けローラの中心軸線に平行な自身の中心軸線の周りに回転可能に前記枠体より支持されたインク塊回転用ロッドが設けられており、該インク塊回転用ロッドは前記第三の歯車と同心であり且つ該第三の歯車と回転力を伝達する関係に連結されていることを特徴とする請求項2の孔版印刷機用版胴装置。
  5. 前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドに同心に結合された第二の歯車と、前記枠体より支持され前記第一の歯車と噛み合うが前記第二の歯車とは噛み合わない位置と前記第一の歯車及び前記第二の歯車の両方と噛み合い該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する位置との間に選択的に移動される第三の歯車とを含むことを特徴とする請求項1の孔版印刷機用版胴装置。
  6. 前記第二の駆動手段は、前記インク付けローラに同心に結合された第一の歯車と、前記ドクターロッドに同心に結合された第二の歯車と、前記枠体より支持され前記第一の歯車及び前記第二の歯車のいずれとも噛み合わない位置と前記第一の歯車及び前記第二の歯車の両方と噛み合い該第一の歯車より該第二の歯車へ回転力を伝達する位置との間に選択的に移動される第三の歯車とを含むことを特徴とする請求項1の孔版印刷機用版胴装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の孔版印刷機用版胴装置を運転する方法にして、前記の臨時に増大されたインク供給量によるインクの供給が望まれる期間が終了したとき前記ドクターバーを前記閉位置へ駆動して前記第二のインク量制御スリットを閉じ、その後も引き続いて前記ドクターロッドを少なくとも一回転弱回転させた後該ドクターロッドの回転を停止させることを特徴とする運転方法
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