JP3736519B2 - 回転電機のステータ構造 - Google Patents

回転電機のステータ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3736519B2
JP3736519B2 JP2002364058A JP2002364058A JP3736519B2 JP 3736519 B2 JP3736519 B2 JP 3736519B2 JP 2002364058 A JP2002364058 A JP 2002364058A JP 2002364058 A JP2002364058 A JP 2002364058A JP 3736519 B2 JP3736519 B2 JP 3736519B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
bracket
insulating
insulating plate
washer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002364058A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004007945A (ja
Inventor
周三 三宅
善行 坂下
正樹 中野
昌広 小坂
稔 有満
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002364058A priority Critical patent/JP3736519B2/ja
Priority to PCT/JP2003/003923 priority patent/WO2003084025A1/en
Priority to EP03715564A priority patent/EP1490942A1/en
Priority to CNB038003929A priority patent/CN1249881C/zh
Priority to US10/476,173 priority patent/US7026742B2/en
Publication of JP2004007945A publication Critical patent/JP2004007945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3736519B2 publication Critical patent/JP3736519B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転電機、特に一つのステータで二つのロータを駆動する回転電機のステータ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の回転電機として、本出願人は、例えば図9に断面図で示すようなものを既に提案している(特許文献1参照)。
【0003】
この回転電機101は、第1回転軸103に連結されたインナーロータ105と、インナーロータ105の外周側に配設されたステータ107と、第2回転軸109に連結されてステータ107の外周側に配設されたアウターロータ111とを有する三重構造を備えている。
【0004】
ステータ107は、その一端部がステータ固定ボルト113によりケース115にネジ止めして固定され、他端部は第2回転軸109に連結されたフロントカバー117にベアリング軸受119を介して支持されている。
【0005】
アウターロータ111は、ロータケース121に保護されるように取り付けられており、ロータケース121の一端部はベアリング軸受123を介してケース115に回転自在に支持され、他端部はフロントカバー117にボルト125により固定されている。また、フロントカバー117は、ベアリング軸受127を介して第1回転軸103に回転自在に支持されていると共に、ベアリング軸受129を介してフロントケース131に回転自在に支持されている。
【0006】
ここで、ステータ107は、軸方向に延在するステータピース133を円周方向に等間隔に複数個独立して配置したステータコア135と、各ステータピース133に巻装したコイル137と、ステータコア135の両側に配置したブラケット139,141とを有しており、ブラケット139,141の隣接する各ステータピース間に形成されたボルト穴を通して、ステータ固定ボルト113によりブラケット139側(一端部)においてケース115にネジ止めすることにより、ブラケット139,141間にステータコア135を挟持してケース115に固定されるようになっている。なお、各ステータピース133は、多数枚のステータ鋼板を軸方向に積層して形成されている。
【0007】
かかる回転電機101は、ステータ107のコイル137を多相に接続して、その多相コイルにインナーロータ105の回転制御用の電流と、アウターロータ111の回転制御用の電流とを複合した複合電流を供給して磁束を変化させることにより、インナーロータ105およびアウターロータ111の回転を独立して制御することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−78408号公報 (段落0018−0035、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らによる種々の実験検討によると、上述したような回転電機101には、以下に説明するような改良すべき点があることが判明した。すなわち、上述した回転電機101では、多相コイルに複合電流を流してインナーロータ105およびアウターロータ111の回転を独立して制御することから、各コイル137を電磁気的に独立させる必要があり、そのため図10に示すように、各コイル137を巻装するステータピース133を、他のコイル137を巻装するステータピース133から電磁気的に分離して独立させる必要がある。
【0010】
このため、ステータコア135を固定するブラケット139,141を強固な金属材料部材で形成し、ステータ固定ボルト113も強固な金属材料部材で形成して、ステータコア135をブラケット139,141間に挟持すると、ケース115、ブラケット139,141、ステータ固定ボルト113が導電性部材でもあるために、図11にステータ107の部分展開模式図を示すように、各ステータピース133の回りに、上記のケース115、ブラケット139,141、ステータ固定ボルト113を通るかご形の電流通路が形成されることになる。
【0011】
なお、上記の電流通路は、ブラケット139,141に形成するボルト穴の直径をステータ固定ボルト113の直径よりも大きくして、ボルト穴とステータ固定ボルト113との間にクリアランスを持たせたとしても、図12に示すように、ブラケット141側ではステータ固定ボルト113の頭部がブラケット141に接触することになるため、同様に形成されてしまう。
【0012】
このように、各ステータピース133の回りに閉ループの電流通路が形成されると、各コイル137に供給される複合電流iによる各ステータピース133を通る磁束の変化によって、図11に矢印で示すように、閉ループの電流通路を通して磁束の変化を打ち消すような誘導電流iが流れ、これにより回転電機101が発熱して、その性能および効率を低下させることになる。
【0013】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、誘導電流の発生を有効に抑制でき、回転電機の性能および効率を向上できる回転電機のステータ構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、第1回転軸に連結された第1ロータと、この第1ロータの外周側に配設されたステータと、第2回転軸に連結されて上記ステータの外周側に配設された第2ロータとを有し、
上記ステータは、軸方向に延在するステータピースを円周方向に複数個独立して配置したステータコアと、上記ステータピースに巻装したコイルと、上記ステータコアの両側に配置される第1ブラケットおよび第2ブラケットとを有し、これら第1ブラケットおよび第2ブラケットにそれぞれ形成された複数の穴を通して、複数の固定手段により上記第1ブラケットおよび第2ブラケット間に上記ステータコアを挟持する回転電機のステータ構造において、
上記第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した絶縁プレート座金と、この絶縁プレート座金上で各固定手段の取り付け部に配置した絶縁座金とを有することを特徴とするものである。
【0015】
請求項2に係る発明は、第1回転軸に連結された第1ロータと、この第1ロータの外周側に配設されたステータと、第2回転軸に連結されて上記ステータの外周側に配設された第2ロータとを有し、
上記ステータは、軸方向に延在するステータピースを円周方向に複数個独立して配置したステータコアと、上記ステータピースに巻装したコイルと、上記ステータコアの両側に配置される第1ブラケットおよび第2ブラケットとを有し、これら第1ブラケットおよび第2ブラケットにそれぞれ形成された複数の穴を通して、複数の固定手段により上記第1ブラケットおよび第2ブラケット間に上記ステータコアを挟持する回転電機のステータ構造において、
上記第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した第1ガスケット絶縁プレート座金と、該第1ガスケット絶縁プレート座金上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した絶縁プレート座金と、該絶縁プレート座金上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した第2ガスケット絶縁プレート座金と、該第2ガスケット絶縁プレート座金上で固定手段の取り付け部に配置した絶縁座金とを有し、
上記絶縁座金の外周端から上記第1ガスケット絶縁プレート座金の外周端に至る間に段差を形成すると共に、上記固定手段が通る上記絶縁座金の穴から上記第1ガスケット絶縁プレート座金の穴に至る間に段差を形成したことを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の回転電機のステータ構造において、上記絶縁座金および/または絶縁プレート座金を、絶縁表面処理された積層鋼板により形成したことを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機のステータ構造において、上記固定手段に絶縁コーティングを施したことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して絶縁プレート座金を配置し、さらに絶縁プレート座金上の各固定手段の取り付け部に絶縁座金を配置して、ステータコアを複数の固定手段により第1ブラケットおよび第2ブラケット間に挟持するので、誘導電流通路を確実に遮断することができる。したがって、誘導電流による回転電機の発熱が抑制され、回転電機の性能および効率を向上することができる。
【0019】
請求項に係る発明によれば、第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に複数の固定手段の取り付け部をカバーするように、第1ガスケット絶縁プレート座金、絶縁プレート座金および第2ガスケット絶縁プレート座金を順次配置すると共に、第2ガスケット絶縁プレート座金上の固定手段の取り付け部に絶縁座金を配置し、さらに絶縁座金の外周端から第1ガスケット絶縁プレート座金の外周端に至る間、および固定手段が通る絶縁座金の穴から第1ガスケット絶縁プレート座金の穴に至る間にそれぞれ段差を形成したので、固定手段と第1ブラケットおよび/または第2ブラケットとの間に充分な沿面距離を確保することができ、誘導電流通路をより確実に遮断することができる。
【0020】
請求項に係る発明によれば、請求項1または2の回転電機のステータ構造において、絶縁座金および/または絶縁プレート座金が絶縁表面処理された積層鋼板で形成されているので、簡単な構成で誘導電流通路を遮断することができ、これにより回転電機の発熱を防止して性能および効率を向上することができる他、仮に固定手段の座面の鋼板が絶縁破壊されたとしても、残りの鋼板で大きな絶縁抵抗を維持することができるので、回転電機の性能および効率を長期間に亘って安定して維持することができると共に、組立て時のコスレ等による座面鋼板の絶縁膜の破壊を気にすることなく、簡単に製作することができる。
【0021】
請求項に係る発明によれば、請求項1〜3の回転電機のステータ構造において、固定手段に絶縁コーティングが施されているので、誘導電流通路をより確実に遮断することができる。
【0022】
なお、請求項1または2における絶縁座金や絶縁プレート座金は、絶縁表面処理された積層鋼板の他、例えば絶縁表面処理された一枚の電磁鋼板、あるいはセラミック、樹脂、ゴムなどの絶縁材あるいは比抵抗の大きいチタンを用いて形成することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による回転電機のステータ構造の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明とともに開発した回転電機の第1参考例における要部の断面図である。この回転電機1は、図9に示した回転電機101と同様に、第1回転軸3に連結されたインナーロータ5と、インナーロータ5の外周側に配設されたステータ7と、第2回転軸9に連結されてステータ7の外周側に配設されたアウターロータ11とを有する三重構造を備えているが、本参考例では、第1回転軸3が第2回転軸9の外周側に配置されている。
【0025】
第1回転軸3は、その一端部においてベアリング軸受13を介して内周側に配置された第2回転軸9に相対的に回転自在に支持され、他端部においてベアリング軸受15を介して外周側に配置されたステータシャフト17に回転自在に支持されている。また、第2回転軸9は、一端部においてベアリング軸受19を介してモータリヤケース21に回転自在に支持されており、他端部において図示しない軸受機構を介してステータシャフト17に結合された固定部材に回転可能で、かつ第1回転軸3と相対的に回転可能に支持されている。
【0026】
ステータ7は、その一端部においてリヤプレート23およびベアリング軸受25を介して第2回転軸9に回転自在に支持され、他端部はステータシャフト17に固定されている。
【0027】
アウターロータ11は、ロータケース27に保護されるように取り付けられており、ロータケース27の一端部はリヤプレート29を介して第2回転軸9に連結され、他端部はフロントプレート31およびベアリング軸受33を介してステータシャフト17に回転自在に支持されている。
【0028】
ここで、ステータ7は、図2に部分展開模式図をも示すように、軸方向に延在するステータピース41を円周方向に等間隔に複数個独立して配置したステータコア43と、各ステータピース41に巻装したコイル45と、ステータコア43の両側に配置したブラケット47,49とを有している。
【0029】
本参考例では、一方のブラケット(第1ブラケット)47を絶縁表面処理された積層鋼板で形成し、このブラケット47と各ステータピース41の一方の端面との間にコイル45を避けるように、高強度、高剛性の絶縁材または金属(例えばステンレス鋼)よりなる凹状のカラー部材51を配置する。また、他方のブラケット(第2ブラケット)49は、高強度、高剛性の金属で形成し、このブラケット49と各ステータピース41の他方の端面との間に、同様にコイル45を避けるように凹状のカラー部材51を配置する。
【0030】
さらに、ブラケット47,49には、図3に部分展開模式図を示すように、隣接する各ステータピース41間に、径方向に離間してそれぞれ2個のボルト穴を形成し、これら2個のボルト穴にブラケット47側からそれぞれ固定手段を構成する固定ボルト53を通して、ブラケット49から突出する固定ボルト53の先端部にナット55を螺合して締め付け、これによりステータコア43を両側のカラー部材51を介してブラケット47,49間に挟持する。
【0031】
ステータ7は、その組立て後、隣接する各ステータピース41間に、冷却媒体通路57を形成するように樹脂59を充填して固化する。
【0032】
本参考例によれば、ブラケット47を絶縁表面処理された積層鋼板で形成したので、このブラケット47により各ステータピース41の周りの誘導電流通路を確実に遮断することができる。したがって、各コイル45に流れる複合電流の変化により対応するステータピース41を通る磁束が変化しても、それによる誘導電流の発生が抑制されるので、回転電機1の発熱を有効に防止でき、その性能および効率を向上することができる。
【0033】
また、ブラケット47のボルト座面の鋼板が絶縁破壊されたとしても、残りの鋼板で大きな絶縁抵抗を維持することができるので、回転電機1の性能および効率を長期間に亘って安定して維持することができると共に、固定ボルト53の締め付け部のコスレ等による座面鋼板の絶縁膜の破壊も気にすることなく容易に組立ることができる。
【0034】
さらに、ブラケット47を積層鋼板で構成することにより、その曲げ剛性が下がるので、図3に部分展開模式図を示すように、積層鋼板で形成された各ステータピース41の寸法誤差も同時に吸収することができ、ステータコア43をブラケット47,49間に確実に挟持することができる。
【0035】
図4は、本発明とともに開発した回転電機の第2参考例における要部の構成を示すものである。本参考例は、第1参考例において、ブラケット47をブラケット49と同様に高強度、高剛性の金属で構成し、これらブラケット47,49の一方または双方の固定ボルト53の取り付け部に、ボルト穴と固定ボルト53とのクリアランスを保つように絶縁座金61を介在させたものである。
【0036】
ここで、絶縁座金61は、一枚の絶縁材で構成することもできるし、絶縁表面処理された積層鋼板で構成することもできる。
【0037】
このように、ブラケット47,49の一方または双方の固定ボルト53の取り付け部に絶縁座金61を介在させれば、絶縁座金61により各ステータピース41の周りの誘導電流通路を確実に遮断することができるので、簡単な構成で回転電機1の発熱を防止して性能および効率を向上することができ、特に、絶縁座金61を絶縁表面処理された積層鋼板で形成した場合には、仮にボルト座面の鋼板が絶縁破壊されたとしても、残りの鋼板で大きな絶縁抵抗を維持することができるので、誘導電流の発生を長期間に亘って確実に抑制でき、回転電機1の性能および効率を安定して維持することができると共に、固定ボルト53の締め付け部のコスレ等による座面鋼板の絶縁膜の破壊も気にすることなく容易に組立ることができる。
【0038】
図5は、本発明とともに開発した回転電機の第3参考例における要部の構成を示すものである。本参考例は、第2参考例において、絶縁座金61にボルト穴に侵入する円筒部61aを設けたものである。
【0039】
このように、絶縁座金61にボルト穴に侵入する円筒部61aを設ければ、固定ボルト53とブラケット47またはブラケット49とのクリアランスを確実に確保できるので、固定ボルト53、ブラケット47,49が導電性であっても、誘導電流通路を確実に遮断でき、回転電機1の発熱を防止して性能および効率を向上することができる。
【0040】
図6は、本発明の第1実施の形態の要部の構成を示すもので、ステータ外周部の径方向断面の一部を示している。本実施の形態は、第2参考例において、ブラケット47側の絶縁座金61とブラケット47との間に、固定ボルト53が貫通するボルト穴を形成した絶縁プレート座金63を介在させて、絶縁座金61と絶縁プレート座金63とにより誘導電流を抑制するように構成したものである。
【0041】
絶縁座金61は、一枚の絶縁材、または絶縁表面処理された一枚の電磁鋼板あるいはそれを積層した積層鋼板で構成する。また、絶縁プレート座金63は、絶縁座金61と同様の材料により構成して、全ての固定ボルト53の取り付け部をカバーするようにブラケット47上に延在して配置する。
【0042】
このように、絶縁座金61とブラケット47との間に絶縁プレート座金63を介在させれば、各ステータピース41の周りの誘導電流通路をより確実に遮断することができるので、回転電機1の性能および効率をより向上することができる。特に、絶縁座金61を一枚の電磁鋼板あるいは積層鋼板で形成し、絶縁プレート座金63を積層鋼板で形成した場合には、固定ボルト53の締め付け部のコスレ等により、絶縁座金61および絶縁座金61と接する絶縁プレート座金63の表面層の鋼板が絶縁破壊されたとしても、絶縁プレート座金63の残りの鋼板で大きな絶縁抵抗を維持することができるので、誘導電流の発生を長期間に亘って確実に抑制でき、回転電機1の性能および効率を安定して維持することができると共に、固定ボルト53の締め付け部のコスレ等による鋼板の絶縁膜の破壊も全く気にすることなく容易に組立ることができる。
【0043】
図7は、本発明の第2実施の形態の要部の構成を示すものである。本実施の形態は、第1実施の形態において、ブラケット47と絶縁プレート座金63との間に第1ガスケット絶縁プレート座金65を介在させると共に、絶縁プレート座金63と絶縁座金61との間に第2ガスケット絶縁プレート座金69を介在させ、かつ固定ボルト53の表面に絶縁コーティング69を施して、これら絶縁座金61、第1ガスケット絶縁プレート座金65、絶縁プレート座金63、第2ガスケット絶縁プレート座金67および絶縁コーティング69により誘導電流を抑制するように構成したものである。
【0044】
第1,第2ガスケット絶縁プレート座金65,67は、全ての固定ボルト53の取り付け部をカバーし、かつ絶縁座金61の外周端から第1ガスケット絶縁プレート座金65の外周端に至る間に段差が形成されると共に、固定ボルト53が通る絶縁座金61のボルト穴から第1ガスケット絶縁プレート座金65のボルト穴に至る間に段差が形成されるように、それぞれブラケット47および絶縁プレート座金63上に延在して配置する。
【0045】
本実施の形態では、第1,第2ガスケット絶縁プレート座金65,67を、絶縁プレート座金63よりも大きくすると共に、第1,第2ガスケット絶縁プレート座金65,67に形成するボルト穴を、ブラケット47に形成するボルト穴とほぼ同じ径とし、絶縁プレート座金63に形成するボルト穴はブラケット47のボルト穴よりも大きい径とする。
【0046】
このようにして、絶縁座金61の外周端と第2ガスケット絶縁プレート座金67の外周端との間、第2ガスケット絶縁プレート座金67の外周端と絶縁プレート座金63の外周端との間、および絶縁プレート座金63の外周端と第1ガスケット絶縁プレート座金65の外周端との間にそれぞれ段差を形成すると共に、それぞれの順次のボルト穴に段差を形成する。
【0047】
本実施の形態によれば、上記のように絶縁プレート座金63の上下に第1,第2ガスケット絶縁プレート座金65,67を付加すると共に、固定ボルト53の表面に絶縁コーティング69を施したので、第1実施の形態の場合よりも各固定ボルト53の頂部とブラケット47との間をより確実に絶縁することができる。したがって、各ステータピース41の周りの誘導電流通路をさらに確実に遮断することができるので、回転電機1の性能および効率をより向上することができる。
【0048】
また、絶縁座金61の外周端から第1ガスケット絶縁プレート座金65の外周端に至る間、および絶縁座金61のボルト穴から第1ガスケット絶縁プレート座金65のボルト穴に至る間に、それぞれ段差を形成したので、絶縁座金61が接する固定ボルト53の頂部とブラケット47との間に充分な沿面距離を確保することができる。したがって、絶縁座金61および絶縁プレート座金63を、それぞれ絶縁表面処理された一枚の電磁鋼板あるいは積層鋼板で形成した場合でも、絶縁表面処理が施されていない端面が揃うことがないので、各固定ボルト53とブラケット47との間を確実に絶縁することができる。
【0049】
図8は、本発明の第3実施の形態の要部の構成を示すもので、図8(a)はステータの部分展開模式図、図8(b)は図8(a)のA−A断面図である。本実施の形態は、第2実施の形態において、ブラケット47を、隣接する順次の2個のステータピース41に跨るように複数のブラケットピース71に分割したものである。
【0050】
各ブラケットピース71は、少なくともその両端部を、コイル45を避けるように凹状に形成すると共に、該両端部の各先端近傍にはステータピース41側に突出するリブ73を形成し、その両端部のリブ73を隣接する2個のステータピース41の端面に当接させて、隣接する2個のステータピース41を固定ボルト53によりブラケットピース71とブラケット49との間に挟持する。その他の構成は第2実施の形態と同様であるので、第2実施の形態で説明した部材と同一部材には同一参照番号を付してその説明を省略する。
【0051】
本実施の形態によれば、ブラケット47を、隣接する順次の2個のステータピース41に跨るように複数のブラケットピース71に分割したので、図8(a)に示すように隣接するステータピース41間で軸方向寸法に誤差がある場合には、これらステータピース41間に跨るブラケットピース71は傾いてステータピース41に当接することになる。しかも、各ブラケットピース71には、その両端部にステータピース41側に突出するリブ73を設けたので、隣接するステータピース41間の軸方向寸法誤差によりブラケットピース71が傾いても、隣接するステータピース41に対して常にほぼ同位置で軸力を伝えることができる。したがって、ステータピース41の軸方向寸法誤差に影響されることなく、ステータコア43を安定した状態で確実に挟持することができるので、ステータピース41の寸法精度を緩くできると共に、その寸法誤差をシムにより調整したり、2次加工により調整したりする必要もなくなり、ステータ7の組み立て性を向上でき、コストダウンを図ることができる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、各ステータピース41の両側にカラー部材51を配置したが、カラー部材51を省略して、各ステータピース41をブラケット47,49間で、固定ボルト53により挟持するよう構成することもできる。また、ステータコア43をブラケット47,49間で挟持するための固定ボルト53は、隣接する各ステータピース41間に一本とすることもできる。
【0053】
また、第1実施の形態において、絶縁座金61と絶縁プレート座金63の外周端、および絶縁座金61と絶縁プレート座金63のボルト穴とにそれぞれ段差を形成するようにして、固定ボルト53の頂部とブラケット47との間に充分な沿面距離を確保することもできる。このような段差は、絶縁座金61や絶縁プレート座金63を積層鋼板で構成する場合には、その少なくとも一枚の電磁鋼板の大きさやボルト穴径を変えることにより形成することもできる。また、絶縁座金61および絶縁プレート座金63は、ブラケット49側に設けたり、あるいはブラケット47,49の双方に設けたりすることもできるし、固定ボルト53を第2実施の形態と同様に絶縁コーティングしたりすることもできる。
【0054】
また、第2実施の形態では、絶縁座金61の外周端と第2ガスケット絶縁プレート座金67の外周端との間、第2ガスケット絶縁プレート座金67の外周端と絶縁プレート座金63の外周端との間、および絶縁プレート座金63の外周端と第1ガスケット絶縁プレート座金65の外周端との間にそれぞれ段差を形成すると共に、それぞれの順次のボルト穴に段差を形成するようにしたが、絶縁座金61の外周端から第1ガスケット絶縁プレート座金65の外周端に至る間の少なくとも一部、および絶縁座金61のボルト穴から第1ガスケット絶縁プレート座金65のボルト穴に至る間の少なくとも一部に、それぞれ段差を形成するようにしてもよい。また、このような段差は、絶縁座金61や絶縁プレート座金63を積層鋼板で構成する場合には、その少なくとも一枚の電磁鋼板の大きさやボルト穴径を変えることにより形成することもできる。また、第2実施の形態において、絶縁座金61、絶縁プレート座金63および第1,第2ブラケット絶縁プレート座金65,67は、ブラケット49側に設けたり、あるいはブラケット47,49の双方に設けたりすることもできるし、固定ボルト53の絶縁コーティングを省略したりすることもできる。
【0055】
さらに、第3実施の形態のように、ブラケット47を、隣接する順次の2個のステータピース41に跨るように複数のブラケットピース71に分割する構成は、上記の参考例や他の実施の形態にも有効に適用することができる。
【0056】
さらにまた、上記実施の形態では、固定手段として固定ボルト53を用いて各ステータピース41をブラケット47,49間に挟持するようにしたが、固定ボルト53に代えてリベットを用い、該リベットを熱した状態でブラケット47,49の穴を通して挿入してかしめ、その後、冷却して締め上げることにより各ステータピース41をブラケット47,49間に挟持するよう構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明とともに開発した回転電機の第1参考例における要部の断面図である。
【図2】 図1に示すステータの部分展開模式図である。
【図3】 同じく、ステータの部分展開模式図である。
【図4】 本発明とともに開発した回転電機の第2参考例における要部の構成を示す図である。
【図5】 同じく、第3参考例の要部の構成を示す図である。
【図6】 本発明の第1実施の形態の要部の構成を示す図である。
【図7】 同じく、第2実施の形態の要部の構成を示す図である。
【図8】 同じく、第3実施の形態の要部の構成を示す図である。
【図9】 本出願人が先に提案した回転電機の断面図である。
【図10】 図9に示すステータピースの配列を示す図である。
【図11】 図9に示すステータの部分展開模式図である。
【図12】 図9に示すステータにおける閉ループの電流通路の形成態様を説明するための図である。
【符号の説明】
1 回転電機
3 第1回転軸
5 インナーロータ
7 ステータ
9 第2回転軸
11 アウターロータ
13,15,19,25,33 ベアリング軸受
17 ステータシャフト
21 モータリヤケース
23 リヤプレート
27 ロータケース
29 リヤプレート
31 フロントプレート
41 ステータピース
43 ステータコア
45 コイル
47,49 ブラケット
51 カラー部材
53 固定ボルト
55 ナット
57 冷却媒体通路
59 樹脂
61 絶縁座金
61a 円筒部
63 絶縁プレート座金
65 第1ガスケット絶縁プレート座金
67 第2ガスケット絶縁プレート座金
69 絶縁コーティング
71 ブラケットピース
73 リブ

Claims (4)

  1. 第1回転軸に連結された第1ロータと、この第1ロータの外周側に配設されたステータと、第2回転軸に連結されて上記ステータの外周側に配設された第2ロータとを有し、
    上記ステータは、軸方向に延在するステータピースを円周方向に複数個独立して配置したステータコアと、上記ステータピースに巻装したコイルと、上記ステータコアの両側に配置される第1ブラケットおよび第2ブラケットとを有し、これら第1ブラケットおよび第2ブラケットにそれぞれ形成された複数の穴を通して、複数の固定手段により上記第1ブラケットおよび第2ブラケット間に上記ステータコアを挟持する回転電機のステータ構造において、
    上記第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した絶縁プレート座金と、この絶縁プレート座金上で各固定手段の取り付け部に配置した絶縁座金とを有することを特徴とする回転電機のステータ構造。
  2. 第1回転軸に連結された第1ロータと、この第1ロータの外周側に配設されたステータと、第2回転軸に連結されて上記ステータの外周側に配設された第2ロータとを有し、
    上記ステータは、軸方向に延在するステータピースを円周方向に複数個独立して配置したステータコアと、上記ステータピースに巻装したコイルと、上記ステータコアの両側に配置される第1ブラケットおよび第2ブラケットとを有し、これら第1ブラケットおよび第2ブラケットにそれぞれ形成された複数の穴を通して、複数の固定手段により上記第1ブラケットおよび第2ブラケット間に上記ステータコアを挟持する回転電機のステータ構造において、
    上記第1ブラケットおよび/または第2ブラケット上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した第1ガスケット絶縁プレート座金と、該第1ガスケット絶縁プレート座金上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した絶縁プレート座金と、該絶縁プレート座金上に上記複数の固定手段の取り付け部をカバーするように延在して配置した第2ガスケット絶縁プレート座金と、該第2ガスケット絶縁プレート座金上で固定手段の取り付け部に配置した絶縁座金とを有し、
    上記絶縁座金の外周端から上記第1ガスケット絶縁プレート座金の外周端に至る間に段差を形成すると共に、上記固定手段が通る上記絶縁座金の穴から上記第1ガスケット絶縁プレート座金の穴に至る間に段差を形成したことを特徴とする回転電機のステータ構造。
  3. 上記絶縁座金および/または絶縁プレート座金を、絶縁表面処理された積層鋼板により形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機のステータ構造。
  4. 上記固定手段に絶縁コーティングを施したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機のステータ構造。
JP2002364058A 2002-04-01 2002-12-16 回転電機のステータ構造 Expired - Fee Related JP3736519B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002364058A JP3736519B2 (ja) 2002-04-01 2002-12-16 回転電機のステータ構造
PCT/JP2003/003923 WO2003084025A1 (en) 2002-04-01 2003-03-28 Stator mounting for a double rotor electric motor
EP03715564A EP1490942A1 (en) 2002-04-01 2003-03-28 Stator mounting for a double rotor electric motor
CNB038003929A CN1249881C (zh) 2002-04-01 2003-03-28 旋转电动机
US10/476,173 US7026742B2 (en) 2002-04-01 2003-03-28 Stator mounting for a double rotor electric motor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002098257 2002-04-01
JP2002364058A JP3736519B2 (ja) 2002-04-01 2002-12-16 回転電機のステータ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004007945A JP2004007945A (ja) 2004-01-08
JP3736519B2 true JP3736519B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=30446498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002364058A Expired - Fee Related JP3736519B2 (ja) 2002-04-01 2002-12-16 回転電機のステータ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3736519B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004007945A (ja) 2004-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7026742B2 (en) Stator mounting for a double rotor electric motor
US7187098B2 (en) Axial gap rotating electrical machine
KR101323656B1 (ko) 영구 자석의 전기 기계 및 전기 기계를 위한 영구 자석
JP6740940B2 (ja) 回転電機のロータ
US20060197399A1 (en) Motor
JP3716808B2 (ja) 回転電機
JP2008061357A (ja) 回転電機用コイルとその製造方法、並びに回転電機とその製造方法
JP2007288864A (ja) タンデム式車両用交流発電機
US20190296597A1 (en) Stator unit, stator, and motor comprising same
WO2015087567A1 (ja) 機電一体型回転電機
JP7172843B2 (ja) モータ
JP2013102597A (ja) 電動機用ロータおよびブラシレスモータ
JP5267751B1 (ja) 回転電機
JP2003299289A (ja) モータの電機子構造
JP3736519B2 (ja) 回転電機のステータ構造
JP3671929B2 (ja) 回転電機
JP3736490B2 (ja) 回転電機のステータ構造
JP3716820B2 (ja) 回転電機のステータ構造
JP6156096B2 (ja) ダブルステータ型回転電機
JP7021602B2 (ja) 回転電機
JP4244325B2 (ja) 回転電機のロータ
JP3622736B2 (ja) 回転電機の冷却構造
JP2001128401A (ja) 回転電機の回転子
JP3622731B2 (ja) 回転電機のステータ支持構造
JP6332150B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機のステータ構造およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3736519

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121104

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121104

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees