JP3735841B2 - 被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素の硬質膜を被覆したことを特徴とする被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品に関する。
さらに詳しくは、本発明は、環境負荷特性に優れるポリトリメチレンテレフタレート樹脂に、炭素系被膜を被覆することによって、優れた耐衝撃性、耐摩耗性、耐傷性、親和性、耐熱性、環境性などを向上させる技術に関するものであって、得られた包装容器、摺動部材、又は繊維などで優れた特性を発揮するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境問題の高まりからプラスチック製品は、回収・再資源化、易焼却化、減量化、そして脱ハロゲン化を考慮して開発されているが、特に使用期間の短い包装材料分野に利用されるプラスチックは、廃棄物処理問題がいっそう深刻である。このような状況の中、PETボトルのリサイクル技術、ポリオレフィンの易焼却化などの研究がなされ、その中の一つに生分解性プラスチックというプラスチックを微生物により分解させる手段も登場してきた。しかし、実際には生分解性プラスチックは、廃棄物処理問題の解決策という一面はあるが、現状の汎用プラスチックに置き換えていくには、機械的強度、表面硬度、加工性など生分解性以外の性能が満たされないためにライフサイクル、安全性、コスト的に未だ問題が多い。
【0003】
1990年のヨーロッパにおいて「バイオポール」を利用したシャンプーボトルがサンプル出荷されて生分解性プラスチックが脚光をあび、その後、各種生分解性プラスチックを利用した商品が試作されている。現在、生分解性プラスチックの生産は、バイポールのような微生物合成によるばかりか天然高分子や化学合成により検討されており、化学原料から化学的に合成する方法が、従来技術を適用しやすい点から最も有力視されている。その中で、透明性にも優れ、その物性がポリエチレンテレフタレート(PET)に近いポリトリメチレンテレフタレートは、1,3−プロパンジオール(POD)を原料として造られ、生分解性に優れた樹脂であることが知られている。化学合成において、ポリトリメチレンテレフタレートは、PODが高価であるためエチレングリコールを原料とするPETに比べて製造コストが高い問題があった。しかし、米国で原料であるPODが、遺伝子修飾により糖をグリセリンに転化し、さらに1,3−プロパンジオール(POD)に変換する単一微生物が発明されたことから、安価にポリトリメチレンテレフタレートが製造できることが明らかになり実用化され始めた。
【0004】
しかしながら、従来のポリトリメチレンテレフタレート樹脂に関して開示されている従来技術は、繊維に関する出願が多く、例えば、特開平11−12824号公報では、ポリトリメチレンフタレート繊維を用いた裏地に関する発明で裏地を構成する経糸及び/又は緯糸にポリトリメチレンフタレート繊維を用いることにより、縫い代割・折り目付性及び強固についた皺の回復性を著しく改善できることが開示されている。また、特開2001−115344公報では、ポリトリメチレンテレフタレートを含む化合物捲縮糸を2種以上使用する特殊複合捲縮糸によりストレッチ機能とスパナイズ感とを達成できることが開示されている。このようにPTTの適用については繊維用が先行しているが、成形材料としても大きな可能性を秘めている。PETは結晶化速度が遅く、射出成形性が悪いのに対して、PTTはPETに近い優れた性能を持ち、ポリブチレンテレフタレート(PBT)に匹敵する成形加工性を有している。さらに、ガラス繊維補強効果はPET、PBT、ナイロンなど他の結晶性樹脂と比較すると最も優れている。
【0005】
一方、樹脂に炭素皮膜を形成する表面改質技術に関しては、特開平6−88209号公報に表面が150゜C以下の融点を有し、ダイヤモンド様炭素フイルムで被覆されたプラスチック基板が開示されている。また、特開平11−58587号公報ではプラスチックの少なくとも片面に、水素濃度が50原子%以下であり、かつ、酸素濃度が2〜20原子%であるダイヤモンド状炭素膜を形成した積層フイルムからなる酸化防止用包装フイルムが開示されている。さらに、PET膜上に、二酸化珪素膜を形成後、プラズマCVD法により二酸化珪素膜に存在するクラッックやピンホールあるいは結晶粒界のような欠陥を埋め込むように、ダイヤモンド状炭素(DLC)膜を形成させることが特開平11−245327号公報に開示されている。
【0006】
また、プラスチック容器のDLC膜形成に関しては、フレーバーバリア性、揮発性有機溶媒のガスバリア性を目的とするポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)に対するものが特開2001−240034公報に開示されており、アクリル系樹脂、PET、ポリカーボネート、アモーファスポリオレフィンに炭素イオン、チタンイオン、アルミニウムイオン、タングステンイオン、アルゴンイオン、窒素イオン及びシリコンイオンを照射してプラスチック表面に改質する方法が特開2000−103884公報に開示されている。
一方、二酸化珪素の膜形成については、透明でガス遮断性膜としてPETボトルを素材として行われているが、リサイクル時にボトルと二酸化珪素の膜を容易に剥がせることが可能であるようにPETと二酸化珪素(SiO2)の層間密着性が十分ではないため実用化には至っていない。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
従来のプラスチック、例えばPETなどは、無機物を被覆後のリサイクル利用が制限されるために、廃棄するものが極めて多いものであった。これらの被覆プラスチックでは土中で分解されることが無いため環境に対する負荷が極めて大きいという問題があった。これに対して、ポリトリメチレンテレフタレートが優れた環境特性を有するものであるが、機械的特性や、傷付き易さ、反応性が劣るため、前述のように主に繊維などに応用されてきた。そこで、種々の機械的な用途、民生品や記録媒体などへの応用が可能な利用技術が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、生分解性の良好なポリトリメチレンテレフタレートの表面改質に関する研究を種々検討を行った結果、本発明に至ったものである。
基本的には、ポリトリメチレンテレフタレートの表面を炭素を被覆するものであって、さらにSP2,SP3結合を有することによって耐摩耗性、硬度や反応性が向上し、かつ、優れた環境特性を阻害しないことが明らかとなった。また、ポリトリメチレンテレフタレートに被覆するため、これらのDLC膜とプラスチック素材であるPTTとの密着性が極めて良好であることが明らかになった。さらに、本発明におけるDLC膜とPTTとの密着性は、汎用樹脂であるPETとDLC膜との密着性よりさらに優れていることがわかった。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の構成を特徴とするものである。
(1)炭素からなる硬質膜を被覆したことを特徴とする被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
(2)硬質膜が、非晶質、SP2結合又はSP3結合の少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
(3)炭素膜が、水素を3〜40体積%を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
(4)炭素膜が、水素を3〜40体積%含有するものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
【0010】
(5)被覆膜中の炭素が、被覆膜上部と比較して、ポリトリメチレンテレフタレートと被覆膜との略界面にSP2/SP3比が異なる層を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
(6)炭素膜の厚さが、0.01μm〜10μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
(7)包装容器、摺動部材、又は繊維であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
【0011】
本発明における炭素の硬質膜であるDLC(diamond like carbon)は、炭化水素ガスや固体の炭素をイオン化して被覆し、さらに金属との混合被膜のいずれかを被覆することで密着性が向上するため好ましい。固体炭素の場合は電子ビームを直接照射することによって気化させ、かつ電圧を印可し、プラズマとさせる。非晶質、SP2結合及びSP3結合の制御は、投入エネルギー値、印加電圧、イオン化率又は真空度などによって制御させ、印加電圧はパルス状であってもよい。メタン、ベンゼンなどの炭化水素系ガスと水素を同時に導入することによっても得られ、水素を含有した炭素皮膜が得られる。さらに、金属を混入させることによって厚膜が容易に得られると共に、応力が緩和され、かつ高い密着性が得られ易くなるものであるため好ましい。
【0012】
【0013】
【発明の実施態様】
本発明でいうポリトリメチレンテレフタレート(PPT)とは、その主たる構成単位がテレフタル酸成分とトリメチレングリコール成分から構成される。すなわち、トリメチレンテレフタレート単位であるポリマーを指すが、少量、例えば20モル%以下、好ましくは5モル%以下が他の成分で編成されていてもよい。他の成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びその異性体、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸、エチレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はネオペンチルグリコールを挙げることができる。ただし、変性することによって、生分解性は低下するため環境に対する負荷は上昇するため生分解性を意図する場合は、上記他の成分の含有量は制限される。
【0014】
また、本発明においては、かかるPPTには、他のポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを、また、ポリエチレンやポリプロピレンなど、または、不活性な微粒子として、例えばカオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素又は酸化チタンなどから選ばれた1種以上の金属化合物あるいはカーボンブラックなどをブレンドしてもよい。ただし、生分解性が低下するため、20体積%以下、好ましくは5体積%以下が望ましい。さらに、耐電防止剤、難燃剤、潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染含量などを配合してもよい。
【0015】
本発明の被覆ポリトリメチレンテレフタレートは、先ず、厚み0.01〜0.8mmのフイルム状に成形後、所望の各種形状に再成形することによってポリトリメチレンテレフタレート成形品が得られる。得られた成形品は、さらに真空チャンバー内に装入し、プラズマCVD法又はPVD法などにより、表面もしくは内部に上述するようなDLCの被膜をコーティングするものである。
コーティング手法は、それぞれ特徴があるが、プラズマCVD法では、炭素源となるガス、例えばメタン、エタン、プロパン、アセチレン、ベンゼン、アルコールなどを必須とし、さらに水素、アルゴン、キセノンなどの導入ガスを混合し、1.33〜0.13Pa程度の真空中で電圧を印加してプラズマを形成させ、ポリトリメチレンテレフタレート成形品表面に被膜を形成させるものである。SP2/SP3混合結晶被膜を形成するためには、炭素源となるガス種の比率を高くし、さらに真空度、印加電圧、ガス流量によって制御するものである。
【0016】
被膜構成は、SP2結合がSP3結合より多い場合は耐摩耗性が低下するものの、応力を分散する効果が発揮されるため、下地ポリトリメチレンテレフタレート成形品との密着性が向上するため好ましい。さらに、高い密着性が要求される用途においては、周期律表の4a、5a、6a族金属、Si、Al及びこれら金属の炭化物の中から選ばれる少なくとも一種を下地層とすることが好ましい。また、それら金属及び金属炭化物と炭素皮膜を積層することで、炭素皮膜中の圧縮残留応力が緩和され、結果として厚膜が得られるため好ましい。
なお、金属及び金属炭化物の形成は、金属の塩化物やフッ化物の気化及びアルゴンなどによりバブリングを行ってもよく、水素化物などの導入ガスをイオン化することによって被膜としてポリトリメチレンテレフタレート成形品表面に形成し、同時に炭素源を混在させることによって金属炭化物を形成してもよい。
【0017】
上記被膜の厚さは、0.01μmより薄くては被膜として機能せず、10μmより厚くては被膜自身の圧縮残留応力によって剥離しやすくなるため、0.01μm以上10μm以下と定めた。
炭素皮膜は、炭素のみから形成するよりも水素を3〜40体積%含有することによって平滑性、緻密性、反応性がすぐれるため好ましい。
被覆ポリトリメチレンテレフタレートは、容器及び記録媒体では、特にその環境性が要求されるため好ましい。
【0018】
以下に実施例に基づき、本発明の実施の態様を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【実施例1】
PTTのプラスチックボトル(容器厚さ:300μm)をプラズマ処理装置の真空容器内に入れ、真空容器内の圧力を0.55Paのアルゴンとエタンの混合ガス雰囲気に保ち、1kVの負の電圧を印加したところ、エタンはグロー放電のプラズマ中で電離され、イオン化してPTTボトル表面にダイヤモンド様カーボン(DLC)の表面改質を行うことができた。このボトル表面をFT−IRで測定した結果、プラズマ処理する前に認められた、1730cm−1のエステルの吸収がプラズマ処理後は認められなくなり、ESCAによる表面分析では、殆どが炭素のシグナルであった。また、走査プローブ顕微鏡(SPM)で表面を測定した結果、結晶部と非晶部が共存していることが認められた。この膜表面を改質したボトルの側面をカッターナイフで切り出して物性測定の試料とし、その物性の変化を下記の項目について測定して確認した。比較試料としてプラズマ処理しないPTTボトルおよび同じ容器厚さを有するPETボトルを用いた。
なお、表面鉛筆硬度試験は、DLC被膜を形成させた素材表面に6Bから6Hにわたる硬度の異なった鉛筆を用いて書き込み、素材に凹みが生じない鉛筆の硬度を示したものである。生分解性試験は、ASTM試験のD5271−93によるBOD測定により測定値を大、中、小で易分解性から非分解性を段階的に示した。
【0020】
【表1】
PTT、表面改質PPTと競合樹脂(PET)の物性比較
物性 PTT DLC改質PTT PET
引っ張り強度(Mpa) 67.6 66.5 72.5
曲げ弾性率(Gpa) 2.76 2.43 3.11
アイゾット衝撃強度(J/m) 48 46 37
成形収縮率(m/m) 0.020 0.020 0.030
融点(゜C) 225 225 265
ガラス転移点(゜C) 45〜75 45〜76 80
表面鉛筆硬度 HB 6H 5H
生分解性試験 大 大
【0021】
この試験の結果、DLC改質したPTTボトルは、耐衝撃試験においてDLC被膜が剥離することなくPETボトルよりも優れ、表面硬度が向上していることが明らかになった。さらに、表面をDLC改質したPTTボトルは、PTTボトルの大きな特徴である生分解性が保たれ、DLC改質したPTTボトルを使用することによってボトル使用後の環境汚染に貢献できることが明らかになった。
【0022】
【0023】
【実施例3】
PTTとPETを素材とする二者のフイルム(厚さ:500μm)を用いて、それぞれプラズマ処理装置の真空容器内に入れ、真空容器内の圧力を0.8Paとしてアルゴンとメタンが2対1の混合ガス雰囲気中でプラズマ放電して、DLC被膜を形成させた。この二つの膜について、DLC膜と素材との密着性をゴバン目試験及びエリキセン試験により確認した。
なお、ゴバン目試験は、素材に密着しているDLC被膜に1mm間隔で素材に至る縦横10本の切り込み線を入れ、その上からセロテープ(登録商標、ニチバン株式会社)を十分付着させた後、瞬時にセロテープ(同)を剥がしたときに素材に残留する1mm四方のDLC被膜の数を示している。
また、エリキセン試験は、フイルムを装置に設置し、フイルムの裏面から先端が球形のノズルを押し込んだ時にDLC膜が素地から剥離するノズルの押し込み距離を示す。したがって、押し込み移動距離が大きくなるほど層間付着が良好であることを示す。
【0024】
表2にPTTのPETとの比較した層間付着試験結果を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【表2】
PTT及びPET素材とDLC被膜の密着性比較
試験 素材 PTT PET
ゴバン目試験 100 72
エリキセン試験(mm) 8.58 4.36
DLC被膜表面硬度 6H 6H
【0026】
【発明の効果】
生分解性があり、透明性、加工性などに優れているが、耐摩耗性、硬度、反応性に劣るポリトリメチレンテレフタレート(PTT)にSP2、SP3結合を有するダイヤモンド様炭素を被覆する表面改質を行うことによりPTTとこれらの被膜との層間密着性は極めて良好であるばかりでなく、生分解性を維持して環境特性を阻害せずにこれらの性質を著しく改善することができ、そのため従来適用できないとされていた種々の機械的用途、民生品、記録媒体、光学材料、研磨剤、保護具、医療器具などへの適用が可能となった。

Claims (5)

  1. 炭素からなる硬質膜を被覆したことを特徴とする被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
  2. 硬質膜が、非晶質、SP2結合又はSP3結合の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
  3. 被覆膜中の炭素が、被覆膜上部と比較して、ポリトリメチレンテレフタレートと被覆膜との略界面にSP2/SP3比が異なる層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
  4. 炭素膜の厚さが、0.01μm〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
  5. 包装容器、摺動部材、又は繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆ポリトリメチレンテレフタレート製品。
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