JP3735678B2 - 金属ベローズ構造物,その製造装置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法 - Google Patents

金属ベローズ構造物,その製造装置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属ベローズおよび金属部材からなる金属ベローズ構造物,その製造装置およびその溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属接合はろう付けと溶接に分かれる。ろう付けに関して見ると、銅製等のベローズに関しては融点の低い軟ろうが用いられる。この軟ろうによる接合方法では軟ろう付けに必要な処理時間が長く、また耐熱性や耐酸性が不足する場合があり、接合強度という面で難があった。接合強度を高めるためには銅ろう等が用いられる。
【0003】
一方、溶接に関しては、いずれも金属ベローズ最端部と別部品をアルゴンアーク溶接等の精密溶接にて接合を行っている。このような溶接を行う場合、耐熱性や耐久性等に関しては前述のろう付けよりも高い性能が得られるが、金属ベローズが薄い板材で製作されているため、溶接時の熱バランスを取るために接合する部品の形状などに特殊な工夫が必要となる。
【0004】
また、前記溶接方法と別な溶接方法として、シーム溶接などに一般に実施されている抵抗溶接がある。
【0005】
しかしながら、前記銅ろうによる接合方法では、成形ベローズの場合には、成形時の残留応力が材料に残っているため、銅ろう付けで必要とされる1000℃前後の高温にさらされた場合に、金属ベローズ本体に変形が生じ、またステンレスなどからなる金属ベローズの耐久性を上げることに効果のある例えば表面硬化法による加工硬化も緩和されてしまうため、結果的に金属ベローズ本体の耐久性が大幅に低下することになる。このため、接合強度が必要とされる場合には、実際上ろう付けを使用できないという課題があった。
【0006】
また、前記溶接では、熱バランスが悪い場合に、溶け込み不良等の溶接欠陥、あるいは金属ベローズが溶け落ちて孔があく等の問題が生ずる。また、このような特殊な溶接であるために、手動で溶接を行う場合には特殊技能を持った熟練作業者が必要となり、自動溶接を行う場合でも、溶接トーチの向きや相手部品からのクリアランス、および電極の管理等に注意が必要となり、結果として溶接に関わる費用が増大し、コストダウンを図れないという課題が発生してくる。
【0007】
さらに、前記抵抗溶接を金属ベローズの溶接に適用する場合に、金属ベローズの板厚が薄いために、図8,図9で示す様なローラー電極が1回転して溶接する部分で、溶接歪みの累積によるしわが発生し、溶接不良となって、溶接部の密封性が保てなくなるという課題があった。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するものであり、溶接時の熱バランスを取る特殊な形状を相手部品に要求せずに、部品加工費を低減でき、かつ溶接トーチの向き等や電極の管理に格別の注意を払うことなく、抵抗溶接の自動設備で接合を行うことにより、金属ベローズと金属部品との接合を簡単かつ確実に行うことができる金属ベローズ構造物,その製造装置および溶接方法,アキュムレータおよびその組立方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的達成のため、請求項1の発明にかかる金属ベローズ構造物は、筒状または円盤状の金属ベローズの少なくとも一方端と金属部品とを抵抗溶接した結合部を、線状または帯状の溶接部とし、該溶接部をループ状とされている金属ベローズ構造物であって、前記金属ベローズの内径が、前記金属部品の外径よりも小さく形成されて相互に圧入され、これらの圧入部位が複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接されているものである。
【0010】
また、請求項2の発明にかかるアキュムレータは、金属ベローズの一端に取り付けられてシール材が設けられた弁体と、前記金属ベローズの他端に取り付けられた金属部品と、前記弁体を持った金属ベローズが収納されて、一端が前記金属部品によって塞れた筒体と、該筒体の他端を塞ぐとともに前記弁体によって開閉される通孔を持ったシェルキャップとを備え、前記金属ベローズおよび金属部品を抵抗溶接によって線状または帯状にループ溶接されているアキュムレータであって、前記金属ベローズの内径が、前記金属部品の外径よりも小さく形成されて相互に圧入され、これらの圧入部位が複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接されているものである。
【0011】
また、請求項3の発明にかかる金属ベローズ構造物の溶接方法は、金属ベローズの内径を、これに接合する金属部品の外径よりも小さく形成して相互を圧入し、これらの圧入部位を複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋がるようにシーム溶接するようにしたものである。
【0012】
また、請求項4の発明にかかる金属ベローズ構造物の溶接方法は、前記複数の電極を前記圧入部位に等間隔で圧接するようにしたものである。
【0013】
また、請求項5の発明にかかる金属ベローズ構造物の溶接方法は、前記複数の電極が、溶接部分の外周上に配置され、隣に位置する電極は、前後方向に溶接幅程度ずらして配設し、抵抗溶接によって線状または帯状のループ状にシーム溶接するようにしたものである。
【0014】
また、請求項6の発明にかかるアキュムレータの組立方法は、金属ベローズの一端にシール材を有する弁体を溶接し、前記金属ベローズの他端に流体注入孔を持った金属部材を抵抗溶接によって線状または帯状にループ溶接し、前記弁体を持った金属ベローズを筒体内に収納して、前記金属部材により前記筒体の一端を塞ぎ、前記筒体の他端を通孔を有するシェルキャップにより塞ぎ、最終的に前記流体注入孔から前記筒体内に流体の注入を行った後、その流体注入孔を閉塞するようにしたものである。
【0015】
また、請求項7の発明にかかる金属ベローズ構造物の製造装置は、金属ベローズの内径に圧入した金属部品を保持するチャックと、金属部品を圧入した部位の金属ベローズ外周に圧接されて転動する複数のローラー電極と、該ローラー電極および前記チャックに溶接電力を供給する溶接電源とを備えたものである。
【0016】
さらに、請求項8の発明にかかる金属ベローズ構造物の製造装置は、前記複数のローラ電極が、円周上に配置され、隣に位置するローラー電極は、前後方向に溶接幅程度ずれて配設されていることを特徴とする。
【0017】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明する。図6はアキュムレータに使用される金属ベローズ端部の端部形状と接合相手の金属部品との形状を示し、図7は別の形態を示す。
【0018】
まず、図6において、例えば直径が15mmくらいのステンレス製の金属ベローズ1であって、その直管部2の内径D1は金属部品3の外径D2よりも小さく、また金属部品の先端はテーパー部3aとなっており、その円錐状先端の外径d2は直管部2の内径D1 よりも小さい。また、図7においては、金属ベローズ1の直管部2の先端は所定の治具により外径側に僅かに開いた形状に加工されており、その先端の内径d1は前記D2よりも大きい。
【0019】
これらはd1>D2>D1>d2の関係が理想的であり、この関係を実現することにより金属ベローズ1の直管部2に金属部品3を容易に圧入することが可能となる。ただし、テーパー部2aの角度が小さい場合にはD2>d1>D1>d2の関係であっても不都合を生ずることは実際上では発生しないが、その場合、金属部品3のテーパー角度よりも金属ベローズ1端部のテーパー角度の方が大きいことが望ましい。
【0020】
また、金属ベローズ1の端部内径D1と金属部品3の外径D2が全く同一の径であり、溶接前には完全に隙間なく密着した状態となっていたとしても、図8に示すように、シーム溶接を行う際に、金属ベローズ1外周の1点より溶接を開始してその金属ベローズ1の回転と連動して順次外周部を溶接していく際に、溶接熱により金属が膨張した状態で溶接され、その膨張分が最終溶接部に累積された状態となり、当該部(最終溶接点)に図9に示すようなしわ9が発生してしまう。
【0021】
図8は前記シーム溶接を行う溶接装置であり、6は金属ベローズ1の先端に圧入した金属部品3を保持するチャック、7は圧入部の金属ベローズ1の外周に圧接されるローラー電極、8はこのローラー電極7およびチャック6に直流電力を印加する溶接電源である。
【0022】
前記熱膨張による周長の変化は溶接条件が同一であれば単位周長当たりで等しく、また金属ベローズ1と金属部品3の熱膨張による周長変化は、熱容量の小さな金属ベローズでは大きくなる。従って、このしわの原因となる溶接時の周長変化は、径の大きな金属ベローズを溶接しようとする場合に大きくなり、発生するしわも大きくなる。
【0023】
この対策としては、例えば全周を一度に溶接するリングプロジェクション溶接法により解決することができるが、その溶接法を行う際には、例えば図10に示すように溶接を行う端部をフランジ部11に形成する必要があり、かつフランジ部11の外周D4は金属ベローズ1の外周D3よりも大きなものとする必要がある。ここで、7Aは金属部品3Aを支持する電極7Bに対向するもう一方の電極である。
【0024】
その理由は、リングプロジェクション溶接を行う際には、接合部に溶接に必要な所定の荷重を与える必要があり、ピッチの小さなベローズを溶接すると、例えば図11のような電極7C,7Bを作る必要があるが、このうち電極7Cが前述の所定荷重に対して耐久性を確保することができず、量産等に使用することは実際上不可能であるためである。
【0025】
また、図10に示したフランジ形状で溶接を行うことは可能であるが、実際上では図に示したとおり、熱バランスを取るために、D4>D5>D3の関係を持ったノッチ部12を金属部品3Aに形成する必要があり、金属部品3Aの加工コストの充分な低下効果は得られない。
【0026】
合せて、金属ベローズ1を加工する場合には耐久性を充分に取るためにパイプから成形する際に、可能な限り外径を大きくすることが通常行われており、最端部のみをさらに径を大きく成形することは実際上困難である。また、端部形状の成形として、例えば、図10あるいは図12のような形成方法が考えられるが、図10の場合には、2枚の薄板を同時に金属部品3Aに溶接することとなり、溶接の難度が上がり、不良発生の原因となる。
【0027】
また、図12の場合には、金属ベローズ1の外径の部分で切断して溶接平面を確保するためにフランジ状に加工する必要があり、このような加工方法も現実的には困難が多い。仮に、これらの困難を克服して端部をフランジ状にして溶接することが可能であったにしても、全体の設計の点では、フランジ状のリングプロジェクション溶接を行う必要な空間を確保する必要があり、全体の形状が大型化するため有利な溶接手段とはならない場合が多い。
【0028】
従って、抵抗溶接によるシーム溶接で図6、図7のような溶接部形状を取る必要が生ずるが、その際には前述のように、しわ9の発生を極力抑えて不良の発生を防止する対策を行う必要がある。
【0029】
また、熱膨張による周長の変化についてであるが、これはあらかじめ金属ベローズ1端部の内径を、金属部品3の外径よりも大きく加工して、金属ベローズ1端部を、金属部品3に圧入する形に固定することで影響を少なくすることができる。
【0030】
すなわち、金属ベローズ1端部の熱影響による全体の伸びの量をdL1とすると、実際には、金属ベローズ1材料の降伏強度と縦弾性係数で左右されるために、固定が困難である場合が多いが、理想的には、dL1だけ金属ベローズ1端部の周長が弾性変形で伸びた状態で圧入することが可能であれば、最終溶接部では熱影響による伸びと圧入による伸びが相殺された状態となり、溶接最終部で、しわ9の発生を抑えることができる。
【0031】
また、最終溶接部に発生するしわ9は、周長変化の累積によるが、この累積を小さくすることにより、多少の歪みは発生するが、しわ9の発生には至らない状態で溶接することが可能となる。前記の圧入による金属ベローズ1端部の弾性伸びがdL2(一般的には、dL1>dL2)であった場合にしわの発生原因となる周長差はdL1−dL2となり、この値が小さいほどしわ9は発生しにくい。
【0032】
この値を小さくする為に、1個の電極を用いるのではなく、図1および図2に示すように、複数個の電極を用いる。この例の場合、4個の電極7A,7B,7C,7Dを用いることにより、各々の溶接部に発生する周長差は(dL1−dL2)/4となり、溶接終了部に発生する周長差は1/4の値と小さな値となる。一般に、抵抗溶接を行う際、4個の電極7A,7B,7C,7Dへは、図3に示すようなパルス状の電流を流し、全体として連続通電で所定の溶接を行うこととなる(その際には、ワークとしての金属ベローズ1の回転速度を溶接ラップ量に合わせて調整する必要がある)。
【0033】
次に、金属ベローズ1の溶接手順について説明する。図4は本溶接により金属ベローズ1を溶接し、最終的に金属ベローズ1を用いたアキュムレータPを組み立てる場合を示している。本溶接方法の適用は、アキュムレータPに限定されるものではなく、金属部品3に金属ベローズ1を溶接する場合全般について、適用が可能である。
【0034】
図4において、金属ベローズ1は、シーム溶接を行うために、直管部2にわずかテーパーを付けた形状となっており、他端は通常のプラズマ溶接を行うための形状となっている。もちろん、両端ともにシーム溶接を行うことは可能であるがここでは脈動吸収用アキュムレータとしての適用であり、金属ベローズ1の高速追従性が要求される。この追従性を上げるために、可動部の軽量化を図る必要があり、この部分にはシーム溶接を適用していない。但し、高い追従性が要求されない、例えば蓄圧用アキュムレータに適用する場合には、この部分にも、シーム溶接を適用することができる。
【0035】
また、図4(a)に示す金属ベローズ1の一端には、図4(b)に示すような弁体21が溶接される。この弁体21は、金属ベローズ1の一端に溶接されるシール材としてのゴム22を接着した金属部品である。この弁体21と金属ベローズ1は一例としてプラズマ溶接により気密に溶接される。3はシーム溶接により金属ベローズ1を接合する金属部品であり、これにガスなどの流体注入孔23が設けられ、完成品では圧力容器としての筒体24の鏡板となる部分である。図4(c)に示すように、金属部品3の金属ベローズ1を圧入する部分は、わずかに円錐状をなしており、圧入が容易な形状に加工が施されている。金属ベローズ1の端部は圧入可能であるように、わずかに広げた形状に加工してある。
【0036】
金属ベローズ1の内径と金属部品の外径との関係は、金属ベローズ1の内径がわずかに小さく設定されており、圧入時に金属ベローズ1の内径が弾性伸びを生じた状態で圧入される。金属ベローズ1と金属部品3は溶接機に図1に示した場合と同様にして固定される。この固定用のチャック6として用いる電極は、例えばコニカルチャックのような形状を示しており、通電する際に支承のないように、銅系の合金で作られている。また、このチャック6は自動で回転することにより、溶接ポイントを移動させることができる。
【0037】
こうして、ワークとしての金属部品3をチャックした後に、周囲の4方向から円盤状の電極7A,7B,7C,7Dが所定の加圧力で溶接部位に押し付けられる。この4枚の電極7A,7B,7C,7Dは図1および図2に示すようにお互いに90度の位置関係を維持する。また、図には記載されていないが、それぞれの電極7A,7B,7C,7Dには、接触部の変形により通電状態の変化が発生することを防止するために、一定の数の溶接を行った場合に、これらの先端の形状を切削により整えるための工具(バイト)が準備されており、常に先端形状は一定の形状に保たれる。なお、各電極は前記の4個に限らず、2個、3個または5個以上を等間隔に配置してもよい。
【0038】
また、このように電極を複数設ける場合に、同一円周上に全てが位置すると、溶接部分の外径が小さい場合には、隣同士の電極が接触して設けることができないので、隣に位置する電極は、溶接幅程度ずらして設けるとよい。
ここで、溶接幅としたのは、複数の電極であっても線状または帯状の溶接部によって隣の電極の溶接部とが互いに連接し、全体に亘って互いに繋るようにするためである。
図5は溶接部分がずれてループ状に溶接された場合を示し、溶接部13と溶接部14の端部13a,14aは、溶接幅があるために互いに連接した溶接状態となる。
【0039】
各点間の溶接における累積周長差を削減して前記のようなしわ9の発生を抑えるためには、通電は、例えば図3に示すように、電極7A,7C,7B,7Dのように対角線上の位置毎の順番で行われることが望ましい。すなわち、図2において、a点を溶接した後に対角上にあるc点の溶接を行うことにより、a点の溶接により発生した周長差は正確に2分割される。次に、ac点間の中央にあるb点を溶接することにより、ac点間の周長差は正確に2分割される。同じくd点の溶接により、ca点間の周長差も正確に2分割される。このような溶接を行うことにより、各点間の溶接における累積周長差は、全周にわたり順次接した場合の1/4の値となり、前記のようなしわ9の発生も抑えられる。
【0040】
つまり、a点から溶接を開始し、b点、c点、d点と順次溶接した場合、最終的な溶接点aでの周長差の累積に対して、本方式に従って、a点から溶接を開始しb点で溶接を終了する場合には、b点での周長差の累積は1/4になる。
【0041】
以上の順番でワークを回転させながら、図5に示すように、適切なナゲットのオーバーラップを保ちながら、最終的には溶接開始点より数mm程度行き過ぎた状態まで溶接を行うことにより、目的とした気密な溶接を行うことが可能となる。このシーム溶接を行う間、金属ベローズ1と金属部品3は適切な方法で保持される。このシーム溶接はループ状になされて、線状または帯状をなす。
【0042】
このような溶接組立を行った後に、圧力容器を形成する筒体24の接合を行う。25は通孔26を持ったシェルキャップで、これが筒体24の鏡板となる部分であり、その通孔26は油圧回路に接続するためのポートとして利用される。なお、筒体24に対して、シェルキャップ25は抵抗溶接により、図4(d),(e)に示すように溶接されるが、この溶接は特に抵抗溶接に限るものではなく、通常行われているTIG溶接やCO2 溶接等により接合してもよい。
【0043】
この溶接を行った後に、金属ベローズ1を溶接した金属部品3との溶接を図4(f)に示すように行い、圧力容器を形成する。ここでは、この溶接も抵抗溶接で行っているが、抵抗溶接に限らない。圧力容器が形成された後に金属ベローズ1の外側に所定の液体を封じ込め、金属ベローズ内部に必要があれば金属部材3の流体注入孔23を通じて封入ガス体積を調整するための液体を注入した後に、高圧ガスを内部に封入する。その後、封入したガスを密封するために、栓27をガス栓として、図4(g)に示すように抵抗溶接して気密を確保し、アキュムレータを完成する。
【0044】
このような工程において、金属ベローズ1を金属部品3に圧入する工程があるが、金属ベローズ1の耐久性を向上させることを目的としてセッチング工程が行われる場合があり、このセッチング荷重が圧入荷重よりも大きいか等しい場合には、前述の圧入工程とセッチング工程を同時に行うことも可能である。
【0045】
これまでの金属ベローズ1の溶接方法においては、溶接部位とトーチの位置関係等の調整は熟練作業者等の特殊技能を持った作業者が行う必要があったが、このようなシーム溶接による方法を取ることにより、電極の維持と溶接機の電流値や加圧力などの特殊技能が必要ない部分での調整を行うだけとなり、品質面でも安定し、かつ作業者を選ぶことがないため、労務費の大幅な低減が可能となり、安価な溶接を得ることができる。
【0046】
なお、前記実施例では、筒状の金属ベローズ1について述べたが、円盤状の金属ベローズ1についても本発明を適用できる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、溶接時の熱バランスを取る特殊な形状を相手部品に要求せずに、部品加工費を低減でき、かつ溶接トーチの向き等や電極の管理について格別の注意を払うことなく、抵抗溶接の自動設備で接合を行うことにより、金属ベローズと金属部品との接合を簡単かつ確実に行うことができるとともに、複数のローラー電極による抵抗溶接によって金属ベローズの溶接部にしわが生じるのを抑えることができ、この金属ベローズと金属部品との密閉が確実となり、高圧の流体を封入するアキュムレータへの利用も可能となる。
【0048】
また、複数の電極のうち、隣に位置する電極を溶接幅程度ずらして設けることにより、小径部分の溶接も複数の電極で溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による溶接装置を示す概念図である。
【図2】図1におけるローラー電極の配置を示す説明図である。
【図3】図1における溶接電源の出力パルス波形を示すタイムチャートである。
【図4】この発明の実施の一形態によるアキュムレータの組立方法を示す組立工程図である。
【図5】この発明のローラー電極による溶接ビードのパターンを示す説明図である。
【図6】この発明の実施の一形態による金属ベローズ構造物の分解正面図である。
【図7】この発明の実施の他の形態による金属ベローズ構造物の分解正面図である。
【図8】従来から使用されている溶接装置の概念図である。
【図9】図8の溶接装置により金属ベローズに生じるしわを示す説明図である。
【図10】従来のリングプロジェクション溶接構造の一部を示す断面図である。
【図11】従来の他のリングプロジェクション溶接構造の一部を示す断面図である。
【図12】従来の他のリングプロジェクション溶接構造の一部を示す断面図である。
【図13】円盤状の金属ベロ−ズの実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属ベローズ
3 金属部品
6 チャック
7,7A,7B,7C,7D ローラー電極
8 溶接電源
21 弁体
22 ゴム(シール材)
23 流体注入孔
24 筒体
25 シェルキャップ
26 通孔

Claims (8)

  1. 筒状また円盤状の金属ベローズの少なくとも一方端と金属部品とを抵抗溶接した結合部が、線状または帯状の溶接部とされ、該溶接部がループ状とされている金属ベローズ構造物であって、
    前記金属ベローズの内径が、前記金属部品の外径よりも小さく形成されて相互に圧入され、これらの圧入部位が複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接されていることを特徴とする金属ベローズ構造物。
  2. 金属ベローズの一端に取り付けられてシール材が設けられた弁体と、前記金属ベローズの他端に取り付けられた金属部品と、前記弁体を持った金属ベローズが収納されて、一端が前記金属部品によって塞れた筒体と、該筒体の他端を塞ぐとともに前記弁体によって開閉される通孔を持ったシェルキャップとを備え、前記金属ベローズおよび金属部品が抵抗溶接によって線状または帯状にループ溶接されているアキュムレータであって、
    前記金属ベローズの内径が、前記金属部品の外径よりも小さく形成されて相互に圧入され、これらの圧入部位が複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接されていることを特徴とするアキュムレータ。
  3. 金属ベローズの内径を、これに接合する金属部品の外径よりも小さく形成して相互を圧入し、これらの圧入部位を複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接することを特徴とする金属ベローズ構造物の溶接方法。
  4. 前記複数の電極が前記圧入部位に等間隔で圧接されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の金属ベローズ構造物の溶接方法。
  5. 前記複数の電極は、溶接部分の外周上に配置され、隣に位置する電極は、前後方向に溶接幅程度ずらして配設し、抵抗溶接によって線状または帯状のループ状にシーム溶接することを特徴とする請求項3または4に記載の金属ベローズ構造物の溶接方法。
  6. 金属ベローズの一端にシール材を有する弁体を溶接し、前記金属ベローズの他端に、流体注入孔を持った金属部材を、抵抗溶接によって線状または帯状にループ溶接し、前記弁体を持った金属ベローズを筒体内に収納して、前記金属部材により前記筒体の一端を塞ぎ、前記筒体の他端を通孔を有するシェルキャップにより塞ぎ、最終的に前記流体注入孔から前記筒体内に流体の注入を行った後、その流体注入孔を閉塞するアキュムレータの組立方法であって、
    前記金属ベローズの内径を、前記金属部品の外径よりも小さく形成して相互を圧入し、これらの圧入部位を複数の電極を用い、1つの電極で一部分を分担し、複数の電極で全周に亘って互いに繋るようにシーム溶接することを特徴とするアキュムレータの組立方法。
  7. 金属ベローズの内径に圧入した金属部品を保持するチャックと、
    金属部品を圧入した部位の金属ベローズ外周に圧接されて転勤する複数のローラー電極と、
    該ローラー電極および前記チャックに溶接電力を供給する溶接電源とを備えたことを特徴とする金属ベローズ構造物の製造装置。
  8. 前記複数のローラー電極は、円周上に配置され、隣に位置するローラー電極は、前後方向に溶接幅程度ずれて配設されていることを特徴とする請求項7に記載の金属ベローズ構造物の製造装置。
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