JP3732621B2 - 油圧ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は自動車のパワーステアリング装置等のパワーソースに施用して良好な油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の油圧ポンプとして、例えば特開平7−279871号公報には、ポンプボディとポンプカバーとの間にポンプユニットを収装し、前記ポンプボディに貫通形成した軸受け孔内に軸受けブッシュを挿入して、この軸受けブッシュによってポンプユニットを駆動するための駆動軸を軸受けすると共に、前記軸受け孔の端部にはシール室を形成した構成の油圧ポンプが開示されている。
【0003】
また、前記ポンプボディの軸受け孔内に挿入される筒状の軸受けブッシュの内周側には、この軸受けブッシュの両端側に開放する1条の油溝が螺旋状に形成されており、この油溝を介して、ポンプユニット側で漏洩する作動油がシール室に導かれるようにしてある。
【0004】
斯かる従来例にあっては、前記軸受けブッシュに軸受けされた駆動軸によってポンプユニットが駆動される。即ち、前記ポンプボディから突出する駆動軸の端部にプーリ等を取付け、このプーリに巻着されるベルト等によって回転駆動される。これによって、油圧ポンプの機能が発揮される。
【0005】
このとき、前記ポンプユニットが駆動されることに伴ってポンプユニットから漏油を生じ、この漏油は軸受け孔内から軸受けブッシュの油溝内に導かれる。前記軸受けブッシュの油溝内を流通する作動油は、軸受けブッシュと駆動軸との間を潤滑しつつ、シール室に導かれる。前記軸受けブッシュと駆動軸との間の潤滑は、軸受けブッシュと駆動軸との間に適度な軸受け隙間を設け、この軸受け隙間に油溝から潤滑油を供給して、駆動軸の回転に伴って油膜を作り、その油膜で駆動軸を支えて、駆動軸と軸受けブッシュとの金属相互の直接接触を避けることによって、潤滑されるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記駆動軸によってポンプユニットが駆動されるとき、駆動軸は軸受けブッシュによって支持されており、この軸受けブッシュと駆動軸との間には適度な軸受け隙間が形成されているから、駆動軸は筒状の軸受けブッシュ内で傾斜することが可能である。このため、前記軸受けブッシュの両端側が駆動軸に強く接触することになる一方で、軸受けブッシュの軸方向略中央部分での駆動軸との接触面圧は然程大きくならない。
【0007】
そこで、前記軸受けブッシュと駆動軸との間の潤滑は、軸受けブッシュの軸方向略中央部分よりも、軸受けブッシュの両端側で安定した油膜が形成されることが重要であり、これによって、安定した潤滑状態が維持されるようにするのが望まれるものである。
【0008】
しかしながら、前記従来例にあっては、前記軸受けブッシュの内周側には、この軸受けブッシュの軸方向全長に亘って油溝が形成され、作動油が軸受けブッシュの内面を潤滑しつつシール室に導かれるようになっているため、この油溝によって油膜の形成が阻害され、とりわけ軸受けブッシュの軸方向両端側で潤滑不良を生じる虞がある。即ち、前記潤滑油膜の形成は、駆動軸が回転するとき、回転方向に狭くなっている軸受け隙間内に油がくさび状に引き込まれて、油のくさび作用により油膜圧力を発生することによって成就されるのであるが、油溝が存在することによって、十分なくさび作用が得られなくなり、安定した油膜が形成されにくくなって潤滑不良が生じる虞があるのである。
【0009】
本発明は斯かる従来の実情に鑑みて案出されたもので、駆動軸と軸受けブッシュとの間に安定した潤滑油膜を形成して、潤滑不良を生じることのない油圧ポンプを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の発明は、軸受け孔が貫通形成されたポンプボディとポンプカバーとの間にポンプユニットを収装し、前記軸受け孔内には、ポンプユニットを駆動する駆動軸及びこの駆動軸を軸受けする軸受けブッシュを挿入すると共に、前記軸受け孔の端部にはシール室を形成してなる油圧ポンプにおいて、前記軸受け孔と前記軸受けブッシュとの間に開口し、ポンプユニット側からシール室へ連通して、潤滑のための作動油を流通させる油溝を形成する一方、前記軸受けブッシュは、複数のブッシュ片を軸受け孔の軸方向に所定の間隙をおいて配置することによって構成されてなることを特徴とる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成のうち、前記軸受けブッシュが2個のブッシュ片から構成されてなり、これらブッシュ片の配置間隙は、軸受けブッシュの軸方向長さの略1/3以下の寸法であることを特徴としており、更に、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成のうち、前記軸受けブッシュの内周側は油溝の形成されていない軸受面が形成されることを特徴としている。
【0012】
ここで、前記油圧ポンプは、ベーンポンプ、プランジャポンプ、ピストンポンプ等を含み、形式に限定されない各種の液体ポンプを含むものである。
【0013】
前記構成において、前記油圧ポンプは、駆動軸が回転され、ポンプユニットが駆動されることにより、ポンプとしての機能を発揮する。
【0014】
前記ポンプユニットが駆動されることに伴って生じるポンプユニットからの漏油は一旦軸受け孔内に導かれ、この軸受け孔内を潤滑した後、軸受け孔内に形成した油溝を介してシール室に導かれる。
【0015】
即ち、前記軸受け孔内に導かれたポンプユニットからの漏油は、このポンプユニット側の軸受け孔内から直接的に軸受けブッシュの内面に供給されると共に、シール室側から軸受けブッシュの内面に供給される。また、前記油溝を導かれる漏油の一部は、この油溝から隣合うブッシュ片の間に供給されるから、このブッシュ片の間から軸受けブッシュの内面に供給される。
【0016】
詳しくは、前記ポンプユニットからの漏油は、このポンプユニット側の軸受け孔内から直接的に、ポンプユニット側に配置されたブッシュ片の内面に供給されると共に、シール室側から、このシール室側に配置されたブッシュ片の内面に供給される。また、前記油溝を導かれる漏油の一部は、隣合うブッシュ片の間に供給され、このブッシュ片の間から各ブッシュ片の内面に供給される。つまり、前記ブッシュ片の間に供給された油は、ポンプユニット側に配置されたブッシュ片の内面、シール室側に配置されたブッシュ片の内面、及び残余のブッシュ片の内面に供給される。
【0017】
前記軸受けブッシュの内面に供給された油は、駆動軸が回転することによって、回転方向に狭くまっている軸受け隙間内にくさび状に引き込まれて、油のくさび作用により油膜圧力が発生することによって、良好な潤滑油膜を形成する。
【0018】
ここで、前記駆動軸によってポンプユニットが駆動されるとき、駆動軸は軸受けブッシュによって支持されており、この軸受けブッシュと駆動軸との間には適度な軸受け隙間が形成されているから、駆動軸は筒状の軸受けブッシュ内で傾斜することが可能で、とりわけ、軸受けブッシュの両端側が駆動軸に強く接触することになるところ、本発明にあっては軸受けブッシュの両端側で、安定した潤滑油膜が形成され、潤滑不良が有利に防止される。
【0019】
即ち、前記軸受けブッシュは、複数のブッシュ片を軸受け孔の軸方向に所定の間隔をおいて配置することによって構成してあるから、この軸受けブッシュの軸方向の略中央部分には隙間が形成されているけれども、駆動軸が強く接触する軸受けブッシュの両端側にはそれぞれブッシュ片が配置され、しかもこれらブッシュ片の内周面には潤滑油膜の形成を阻害する油溝など何も形成されていない。また、前記各ブッシュ片で構成された軸受けブッシュの内周面には、この軸受けブッシュの両端側からのみならず、隣合う各ブッシュ片の間から潤滑のための油が十分に供給される。このため、とりわけ前記駆動軸が強く接触する軸受けブッシュの両端側において安定した潤滑油膜が形成され、潤滑不良が防止されるのである。
【0020】
したがって、駆動軸と軸受けブッシュとの間に安定した潤滑油膜を形成して、潤滑不良を生じることのない油圧ポンプが得られる。
【0021】
また、請求項2記載の発明によれば、前記ブッシュ片の配置間隔を、軸受けブッシュの軸方向長さの略1/3以下の寸法としたことにより、軸受けブッシュの軸方向両端側における軸受け面積が十分に確保される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、パワーステアリング装置の油圧ポンプに適用した態様として、図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態を示す油圧ポンプの断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は軸受けブッシュの展開状態を示す図面、図4は軸受け孔内に軸受けブッシュを挿入した状態のボンプボディの断面図である。
【0024】
図において1はアルミニウム合金等の金属材料からなるポンプボディ、2は同じく金属材料からなるポンプカバーで、これらポンプボディ1とポンプカバー2との間にポンプユニット3が収装してある。詳しくは、前記ポンプボディ1とポンプカバー2との間に環状凹部4が形成され、この環状凹部4内にポンプユニット3が収装してある。
【0025】
前記ポンプユニット3は、この実施の形態においてベーンポンプユニットであって、複数のベーン5を半径方向に出没自在に取付けたロータ6をカムリング7内に収装し、このカムリング7の両側をサイドプレート8、9によって挟持した構造を備えている。そして、前記カムリング7、ロータ6及び隣合うベーン5間にポンプ室10が形成される。前記ポンプ室10はロータ6の回転によってその容積が変化し、この変化によって容積増加する部分に吸入区間が形成され、容積が減少する部分に吐出区間が形成してある。前記吐出区間に面するサイドプレート8、9には、半径方向外方に解放する切欠き通路8a,9aが形成され、ポンプの吐出油をカムリング7外周の環状凹部4の吐出室(高圧室)11内に吐出するようにしてある。また、前記吸入区間に面するサイドプレート9には図外の吸入ポートが貫通して形成してある。
【0026】
前記ポンプボディ1には、軸受け孔12が貫通して形成されており、この軸受け孔12の端部にはシール室13が形成されている。
【0027】
前記軸受け孔12内には、ポンプユニット3側からシール室13へ連通する油溝14が形成されている(図2参照及び図4参照)。前記油溝14は、断面が円弧状で、軸受け孔12の軸方向に略直線状に形成されている。また、前記油溝14はこの実施の形態において軸受け孔12の略中央位置で寸断されているけれども、この位置は後述する複数のブッシュ片の間に位置するから、ブッシュ片の間の間隔を介して実質的に連通していることになる。これによって、前記油溝14はポンプユニット3からの漏油を、詳しくはロータ6とサイドプレート8、9との間から漏洩する作動油、及びポンプボディ1とサイドプレート9との合わせ目から漏洩する僅かな作動油を、ポンプユニット3の軸受け室12内からシール室13内へ導くことが可能である。
【0028】
また、前記ポンプボディ1には、吸入区間のポンプ室10と図外の貯油タンクとを連通する吸入通路15、吐出区間のポンプ室10と図外のパワーステアリング装置のアクチュエータとを連通する吐出通路16、及び一端が封止されたスプール弁収容穴17がそれぞれ形成してある。
【0029】
前記吸入通路15はサイドプレート9との合わせ目において2方向に分岐しており、その先端に円弧状の吸入ポート18が形成してある。前記吸入ポート18はサイドプレート9に形成した図外の吸入ポートに臨んで形成してある。また、前記吸入通路15は軸受け孔12に略平行な低圧通路19を介してシール室13に連通している(図2参照)。
【0030】
前記吐出通路15はサイドプレート9との合わせ目において半径方向外方に折れ曲がり、このサイドプレート9に形成した吐出ポート20に連通するオリフィス通路21が形成されている。
【0031】
22は前記軸受け孔12内に挿入された軸受けブッシュである。前記軸受けブッシュ22は、複数のブッシュ片23を軸受け孔の軸方向に所定の間隔をおいて配置することによって構成してあり、この実施の形態において2個のブッシュ片23を軸方向に間隔lをおいて配置することによって構成してある。前記ブッシュ片23は平板状の部材を筒状に丸めて形成されており、この軸受けブッシュ22の内周側は平滑で、油溝等は形成されていない(図3参照)。
【0032】
また、前記軸受けブッシュ22を構成するブッシュ片23の配置間隔lは、軸受け面積を確保するために軸受けブッシュ22の軸方向長さLの略1/3以下の寸法とするのが好ましく、この実施の形態においては軸受けブッシュ22の軸方向長さLの略1/5としてある。
【0033】
25は前記ポンプユニット3を駆動するための駆動軸で、この駆動軸25は軸受けブッシュ22で軸受けされた状態で、軸受け孔12内に挿入されている。前記駆動軸25にはその先端側にセレーション26が形成され、このセレーション26がサイドプレート9の貫通孔9bを貫通して、ロータ6のセレーション孔27に嵌合されており、これによって、駆動軸25はロータ6を回転駆動、即ちポンプユニット3を駆動可能である。なお、前記駆動軸25の先細状の先端はサイドプレート8の貫通孔8b内に遊嵌されている。
【0034】
前記スプール弁収容穴17内には、流量制御を司るスプール弁30が摺動自在に嵌挿されている。前記スプール弁30は、スプール弁収容穴17内部を第1圧力室17aと第2圧力室17bとに画成すると共に、第2圧力室17b内に収装した制御スプリング31のばね力をもって常時第1圧力室17a側に偏倚され、常態にあって、そのランド部32で吸入通路15に連通するドレン通路33を閉止している。また、前記スプール弁30によって画成された第1圧力室17aの開口端は、吐出室11に臨み、ポンプの吐出油を導く導入通路34を形成している。
【0035】
また、前記ポンプボディ1には、吐出通路16に連通し、図外のパワーステアリング装置即ちアクチュエータに作動油を導くために、図外の吐出口に連通する通路35が形成してある。また、前記通路35と第2圧力室17bとの間は通路36を介して連通しており、吐出通路16内の圧力を前記第2圧力室17b内に導くようにしてある。
【0036】
39は前記ポンプカバー2に取付けられた圧力スイッチである。この圧力スイッチ39は固定接点39aと可動接点39bとを有しており、この可動接点39bが、その先端が吐出室11に連通する通路40に面していることにより、吐出室11内の圧力に応動可能である。また、前記圧力スイッチ39が捩込み固定される凹部41の内部は、半径方向の通路42及び軸方向の通路43を介してサイドプレート9の貫通孔9b内に連通している。
【0037】
前記ポンプボディ1とポンプカバー2とは、図外のボルト等によって相互に連結固定してあり、これらポンプボディ1とポンプカバー2との合わせ目はシールリング44による封止が施されて、吐出室11内に吐出された作動油の外部への漏洩を防止している。
【0038】
45は前記ポンプカバー2とサイドプレート8との間に設けたシールリングで、このシールリング45は吐出室11とサイドプレート8の貫通孔8bとの間を区画している。また、46は前記シール室13内に設けられ、駆動軸25を封止するシール部材である。
【0039】
なお、前記駆動軸25のポンプボディ1からの突出端には、図外の内燃機関等によって回転駆動されるプーリ等の駆動手段が取付けられる。
【0040】
斯かる構成によれば、前記駆動軸25が図外のプーリ等を介して回転駆動され、この駆動軸25に連結されたロータ6が回転駆動される。前記ロータ6が回転駆動することにより、このロータ6の回転によってその容積が拡大する吸入区間のポンプ室10内に吸入通路15から吸入ポート18を介して作動油が吸入され、ポンプ作用を受けた後、容積が縮小する吐出区間のポンプ室10内から吐出室11内に吐出される。その後、前記吐出室11内に吐出された作動油は、導入通路34を経て第1圧力室17a内に導かれる。前記第1圧力室17a内に導かれる作動油は、オリフィス通路21、吐出通路16及び通路35を介して図外のパワーステアリング装置のアクチュエータに導かれる。
【0041】
このとき、図1に示す常態にあっては、前記スプール弁30は、制御スプリング31によって第1圧力室17a側に付勢され、その胴部のランド部32でドレン通路33を閉塞しており、第1圧力室17a内に導入されたポンプ吐出油はその全量がオリフィス通路21を介して図外のアクチュエータに導かれる。一方、ポンプの回転速度が増加してポンプ吐出油量が増加し、前記第1圧力室17a内に導入されるポンプ吐出油量が増加すると、オリフィス通路21による制限流動の下に第1圧力室17a内の作動油が吐出通路16に導かれる一方で、このオリフィス通路21の前後差圧に基づいてスプール弁30が右方向に移動して制御スプリング31を所定の長さになるまで押し縮め、ドレン通路33を開き、このドレン通路33から余剰油を吸入通路15及び図外の貯油タンクに還流させる。
【0042】
これによって、前記吐出通路16及び通路35を介して図外のパワーステアリング装置に導かれる作動油は、所定流量に制御されることになる。
【0043】
また、前記ポンプユニット3が駆動されることに伴って、作動油は吐出室11に吐出される一方で、ロータ6とサイドプレート8、9との間に潤滑のために形成された隙間を介して漏洩することになる。なお、極一部の作動油は前記ポンプボディ1とサイドプレート9との合わせ目からも漏洩する。
【0044】
前記ポンプユニット3からの漏油は、一旦ポンプユニット3側の軸受け孔12内に集合される。即ち、前記ロータ6とサイドプレート8との間からの漏油は、このサイドプレート8の貫通孔8b内に導かれた後、セレーション26、27の噛合隙間及びサイドプレート9の貫通孔9bを介して軸受け孔12内に集合される。また、前記ロータ6とサイドプレート9との間の漏油はこのサイドプレート9の貫通孔9bを介して軸受け孔12内に集合される。
【0045】
前記サイドプレート9側の軸受け孔12内に集合された油は、この軸受け孔12内を潤滑した後、軸受け孔12内に形成した油溝14を介してシール室13内に導かれる。なお、前記シール室13内に導かれた作動油は、このシール室13内のシール部材46を潤滑した後、低圧通路19を介して吸入通路15及び図外の貯油タンクに還流されることになる。
【0046】
このとき、前記軸受け孔12内に導かれたポンプユニット3からの漏油は、このポンプユニット3側の軸受け孔12内から直接的に軸受けブッシュ22の内面に供給されると共に、シール室13側から軸受けブッシュ22の内面に供給される。また、前記油溝14を導かれる漏油の一部は、この油溝14から隣合うブッシュ片23の間に供給されるから、このブッシュ片23の間から軸受けブッシュ22の内面に供給される。
【0047】
詳しくは、前記ポンプユニット3からの漏油は、このポンプユニット3側の軸受け孔12内から直接的に、ポンプユニット3側に配置されたブッシュ片23の内面に供給されると共に、シール室13側から、このシール室13側に配置されたブッシュ片23の内面に供給される。また、前記油溝14を導かれる漏油の一部は、隣合うブッシュ片23の間に供給され、このブッシュ片23の間から各ブッシュ片23の内面に供給される。つまり、前記ブッシュ片23の間に供給された油は、ポンプユニット3側に配置されたブッシュ片23の内面及びシール室13側に配置されたブッシュ片23の内面に供給される。
【0048】
前記軸受けブッシュ22の内面に供給された油は、駆動軸25が回転することによって、回転方向に狭くまっている軸受け隙間内にくさび状に引き込まれて、油のくさび作用により油膜圧力が発生することによって、良好な潤滑油膜を形成する。
【0049】
ここで、前記駆動軸25によってポンプユニット3が駆動されるとき、駆動軸25は軸受けブッシュ22によって支持されており、この軸受けブッシュ22と駆動軸25との間には適度な軸受け隙間が形成されているから、駆動軸25は筒状の軸受けブッシュ22内で傾斜することが可能で、とりわけ、軸受けブッシュ22の両端側が駆動軸25に強く接触することになるところ、本発明にあっては軸受けブッシュ22の両端側で、安定した潤滑油膜が形成され、潤滑不良が有利に防止される。
【0050】
即ち、前記軸受けブッシュ22は、複数のブッシュ片23を軸受け孔12の軸方向に所定の間隔lをおいて配置することによって構成してあるから、この軸受けブッシュ22の軸方向の略中央部分には隙間(間隔l)が形成されているけれども、駆動軸25が強く接触する軸受けブッシュ22の両端側にはそれぞれブッシュ片23が配置され、しかもこれらブッシュ片23の内周面には潤滑油膜の形成を阻害する油溝など何も形成されていない。また、前記各ブッシュ片23で構成された軸受けブッシュ22の内周面には、この軸受けブッシュ22の両端側からのみならず、隣合うブッシュ片23の間から潤滑のための油が十分に供給される。このため、とりわけ前記駆動軸25が強く接触する軸受けブッシュ22の両端側において安定した潤滑油膜が形成され、潤滑不良が防止されるのである。
【0051】
したがって、駆動軸25と軸受けブッシュ22との間に安定した潤滑油膜を形成して、潤滑不良を生じることのない油圧ポンプが得られる。
【0052】
以上、実施の形態を図面に基づいて説明したが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記軸受け孔12の内に形成する油溝14は、軸受け孔12の軸方向に略直線状に形成するのみならず、螺旋状としてもよく、また、これを多条形成する構成としてもよい。
【0053】
また、前記軸受けブッシュ22は3個以上のブッシュ片から構成してもよい。この場合に、各ブッシュ片を配置する間隔は等間隔でも不等間隔でもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、駆動軸と軸受けブッシュとの間に安定した潤滑油膜を形成して、潤滑不良を生じることのない油圧ポンプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す油圧ポンプの断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】軸受けブッシュの展開状態を示す図面である。
【図4】軸受け孔内に軸受けブッシュを挿入した状態のボンプボディの断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプボディ
2 ポンプカバー
3 ポンプユニット
12 軸受け孔
13 シール室
14 油溝
22 軸受けブッシュ
23 ブッシュ片
25 駆動軸

Claims (3)

  1. 軸受け孔が貫通形成されたポンプボディとポンプカバーとの間にポンプユニットを収装し、前記軸受け孔内には、ポンプユニットを駆動する駆動軸及びこの駆動軸を軸受けする軸受けブッシュを挿入すると共に、前記軸受け孔の端部にはシール室を形成してなる油圧ポンプにおいて、
    前記軸受け孔と前記軸受けブッシュとの間に開口し、ポンプユニット側からシール室へ連通して、潤滑のための作動油を流通させる油溝を形成する一方、
    前記軸受けブッシュは、複数のブッシュ片を軸受け孔の軸方向に所定の間隙をおいて配置することによって構成されてなることを特徴とする、油圧ポンプ。
  2. 前記軸受けブッシュが2個のブッシュ片から構成されてなり、これらブッシュ片の配置間隙は、軸受けブッシュの軸方向長さの略1/3以下の寸法であることを特徴とする、請求項1記載の油圧ポンプ。
  3. 請求項1に記載の油圧ポンプにおいて、前記軸受けブッシュの内周側は油溝の形成されていない軸受面が形成されることを特徴とする油圧ポンプ。
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