JP3731834B2 - 凝集処理方法、凝集剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚濁水(ヘドロ状態を含む)中の懸濁物質あるいは溶解物質の凝集方法と凝集剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水、土木排水、染色排水、あるいは工場廃液に大量に懸汚している物質あるいは溶解している物質は、河川や海に廃棄されてヘドロ状態となって体積し生態系を乱したり、食物連鎖によって人間の体に取り込まれたりといった公害の原因となっている。
【0003】
そこで近年は上記土木排水等は該水中浮遊物や溶解物質が基準の濃度以下になるように処理されてから廃棄されているのであるが、その処理に要する時間と経費は莫大なものとなっている。
【0004】
例えば、下水処理では被処理水に有機の凝集剤を投入し、大容量の沈殿槽に長時間滞溜させて懸濁物質を沈殿させ、必要に応じて活性炭処理、バイオ処理を付加してSS,BOD,COD値が所定の値以下になるように処理した後に廃棄するようにしている。
【0005】
また、染色工場の排水は、溶解色素の除去が非常に困難であり、現在のところ、排水を一旦沈澱槽に溜めて、活性炭、バイオ処理で脱色するとともに、BOD,CODが基準値以下になるように処理して排水するようにしている。
【0006】
製紙工場よりの排水には紙表面を滑らかにするために汎用されている酸化チタンの微粒粉あるいは、パルプ繊維の微粒粉が含まれている。これらの微粒粉を除去するために、一旦貯水槽に溜めて有機系あるいは無機系の凝集剤を添加し、凝集、沈殿させてから排水するようにしている。
【0007】
また、海底や河川を浚渫したときに排出されるヘドロは含水率が非常に多く、このまま固化しようとすると莫大なセメント量を必要とする。そこで、大容量の沈殿槽にヘドロを導いてびいて、有機凝集剤を添加して沈殿処理をおこなった後、凝固処理を行うようにしている。
【0008】
上記従来の凝集処理に使用される凝集剤としては種々のものが開発されている。例えば無機系ではアルミニウム塩(硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、カリミョウバン、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム)、鉄塩(塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等)、有機系では、低分子塩、界面活性剤、天然あるいは合成の高分子物質等が開発され使用されている。
【0009】
更に、本願出願人は特開平2-99185 号にて、▲1▼可溶性のアルミニウム塩と▲2▼アルカリ金属塩と上記▲1▼剤と▲2▼剤の直接の接触密度を小さくするための隔離剤とを主成分とし、更に微量の有機凝集剤を含有させて多大な効果をあげている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、上記従来の方法は大容量の沈殿槽を必要とし、さらに、処理時間が長時間に渡るうえ、活性炭やバイオ処理を用いて処理された排水は、一応「基準値」を満たしているものの、多少の懸濁物質、匂い、色を残留させたまま河川に放出されている場合もある。また、上記活性炭やバイオ処理は、装置が大がかりとなり非常にコスト高となる欠点があった。
【0011】
また、上記のように凝集沈殿されたヘドロであっても、含水率が非常に高く、このまま固化しようとすると莫大なセメント量を必要とするが、現在では含水率を減らすための有効な手段は見出されていない。
【0012】
本願出願人が特開平2-99185 号にて提案している凝集剤は非常に大きな効果があるが、この凝集剤を汚濁度の高い下水、染色排水、製紙排水の浄化のために直接用いた場合、あるいは、ヘドロの含水率低減のために直接用いた場合は、効果の点で多少不満がのこる場合があり、更に、価格が高くなる傾向があった。
【0013】
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、僅かな量の薬剤を用いて低コストで、下水等を浄化でき、また、ヘドロの含水率を減らすことが出来る方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、被処理液に対して、アルカリ金属の珪酸塩と、上記アルカリ金属の珪酸塩に反応するゲル化剤とを上記の順、又は、上記と逆の順で攪拌しながら投
し、各剤を添加後に可溶性のアルミニウム塩とアルカリ金属の炭酸塩とを主成分とする第2凝集剤を添加する。または、アルカリ金属の珪酸塩と、上記ゲル化剤とを投入後、さらに硫酸カルシウムを添加する。
【0015】
上記アルカリ金属の珪酸塩としては、例えばメタ珪酸ナトリウム、二珪酸ナトリウム、四珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、及びこれらの種々の割合の水和物、さらにカリウムの珪酸塩を一部混合させてもよい。ただし、経済的には市販の水ガラスを使用するのが最も好ましい。
【0016】
上記ゲル化剤としては塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化アグネシウム等を使用するのが好ましく、また他のゲル化剤として、更に、可溶性のアルミニウム塩(例えば硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、カリミョウバン、ポリ塩化アルミニウム)、可溶性の鉄塩(塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等)、硫酸、塩酸等を用いることができる。
【0017】
上記のようにアルカリ金属の珪酸塩と、ゲル化剤を被処理液に、上記の順、あるいは上記と逆の順で、下記のように極微量添加することによって微小なゲル状体が被処理液中のSSあるいは溶解物を取り込んで、被処理液中に浮遊した状態となり、BOD,CODが急激に減少する。
【0018】
上記の微小なゲル状体は時間が経過すると沈殿し、水分と分離することができる。また濾紙で濾過することによって、あるいは遠心分離機等の機械的な方法を用いて水分と沈殿物とを分離するとができる。
【0019】
ゲル化剤として塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム等を用いた場合には、被処理液に溶け込んでいる蛋白やデンプンあるいは樹脂分が水分から分離された状態になるので、例えば、塩化カルシウムを先に被処理液に投入して、その後に珪酸塩を投入すると、上記水分から分離された蛋白やデンプンあるいは樹脂分もともに凝集させることができて、この発明の効果をより高めることができる。
【0020】
更に、ゲル化剤として塩化カルシウムと硫酸バンドを用いた場合を比較すると、塩化カルシウムを用いた場合の方がはるかにゲル化速度が早い点で有益である。
【0021】
アルカリ金属の珪酸塩は被処理液に対して少なくとも0.02重量%(被処理液1000ccに対して20%濃度の水ガラスを0.1g程度)を必要とする。また、上記ゲル化剤も少なくとも上記珪酸塩と同量程度を添加する。
【0022】
アルカリ金属の珪酸塩は上記のようにゲル化剤によってゲル化するが、ゲル量をいたずらに増すと廃棄物を増加させることになる。従って、上記アルカリ金属の珪酸塩とゲル化剤は最少限の添加量にとどめるのが望ましい。アルカリ金属の珪酸塩とゲル化剤の添加量の最適値は被処理液の性質によって異なるので一概にはいえない。
【0023】
上記珪酸塩とゲル化剤を被処理液に添加すると同時に、又は、珪酸塩とゲル化剤を被処理液に添加後に更に、有機凝集剤を添加すると更に効果を上げることができる。
【0024】
上記有機凝集剤としては、アニオン系(例えばアルギン酸ソーダ、CMCナトリュウム塩、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドの部分加水分解塩、マレイン酸重合物等)、ノニオン系(例えばポリアクリルアミド、ポリオキシエチレン、苛性化デンプン等)、カチオン系(ポリアクリル酸エステル、水溶性アニリン樹脂、ポリチオ尿素、ポリエチレンイミン、第4級アンモニュウム塩、ポリビニルピリジン類等)のいずれをも用いることができる。
【0025】
上記有機凝集剤の添加量は被処理液に対して極微量であって、0.1ppm 程度である。上記有機凝集剤を添加することによって無機剤だけを用いる場合に比して形成されるフロックが大きくなり、濾過あるいは脱水時の目づまりがなくなるとともに、濾過あるいは脱水速度も早くなる。
【0026】
有機凝集剤の添加量の上限及び下限は限定されないが、多量に使用するとそれだけ経済的な効果は減少することになり、あまり少ないと形成されるフロックが小さくなり、濾過がし難くなる。
【0027】
上記有機凝集剤は、アルカリ金属の珪酸塩又はゲル化剤の中の少なくともいずれか一方に予め含有させておくことができ、これによって、上記アルカリ金属の珪酸塩とゲル化剤を添加した後に有機凝集剤を添加する手順を省略することができる。
【0028】
また、上記凝集処理をしても色が残存する場合には、上記凝集処理をする前又は後に漂白剤を添加することによって上記色の除去が可能である。
上記凝集処理をする前、あるいは後に、フライアッシュ等の各種焼却灰を被処理液に添加することが好ましい。これによって、匂いの消去が可能となるとともに、SSやBOD、COD値を更に下げることができる。尚、投入した各種焼却灰は下記の第2凝集剤を使用すると完全に凝集させることができる。
【0029】
上記凝集処理及び脱色処理をしても未だ不充分な点が残る場合に、更に第2凝集剤を使用する。該第2凝集剤は特開平2−99185号に開示するように、可溶性のアルミニウム塩とアルカリ金属の炭酸塩と微量の有機凝集剤を主成分とする。
【0030】
上記の処理によって以下の実施例で示すように、SS,COD,BOD値等を基準以下に抑えることが可能となるが、現実に上記の手順で処理をした水(原水は例えば下水)で生物(例えば魚)の生息状況を観察すると、息苦しそうにしている状態が観察され、また、生息時間も短い。
【0031】
そこで上記の処理のいずれかの過程、すなわち、原水、処理中の中間処理水、あるいは凝集処理後の水に対して硫酸カウシュウム0.1〜数重量%添加すると生物の状態が活発となり、生息時間は長くなる。すなわち、下水あるいは製紙排水には大量の酸化物(食品の酸化物、糞尿の酸化物、木材繊維あるいは樹液の酸化物)が含有されており、硫酸カルシュウムはこれら酸化物を中和するものと考えられる。
【0032】
この処理によって、COD,BOD値を更に下げることができ、この処理後の水での生物の生息状況は、硫酸カルシュウムを使用しない場合に比較して格段の差がみられる。
【0033】
また、このように硫酸カルシュムを添加することにによって、次亜塩素酸ソーダ等の漂白剤を使用する必要性が小さく、処理後の水の品質を向上させることができる。
【0034】
硫酸カルシュウムを添加することは、本願凝集処理に対してはもちろん、有機凝集剤のみによる凝集処理、無機凝集剤のみによる凝集処理、あるいは、両者を併用する凝集処理等のあらゆる凝集処理、あるいは、水処理に利用することが可能である。
【0035】
上記の方法は液体の薬剤を使用するこを前提としているが、本発明は、珪酸塩の粉末、ゲル化剤の粉末あるいは必要に応じて有機凝集剤の粉末を予め混合した薬剤を被処理液に投入することでも実現可能である。
【0036】
【実施の態様】
以下の実施例においての作業手順は(1) ゲル化剤としての塩化カルシウム又は硫酸バンドの添加、(2) 珪酸塩(水がらす)の添加、(3) フライアッシュの添加、(4) 漂白剤としての次亜塩素酸ソーダ添加、(5) 第2凝集剤の添加の順となり、その後濾過したものである。ただし、上記(1) と(2) の工程は逆の場合もあり、また上記(3) 又は(4) の工程は省略されることがあり、更に(4) の工程は(1) の工程の前に置いてもよい。更に、上記ゲル化剤及び水がらすには、100ppm〜1000ppm 程度の有機凝集剤(ポリアクリルアミド)が添加されており、被処理液に下記のように該水ガラス、およびゲル化剤を添加したときに被処理液中の有機凝集剤の濃度が0.1ppm〜1ppmになるようになっている。
〔実施例▲1▼〕
平成7年1月の淡路・神戸大震災によって一時的な操業停止を余儀なくされた東灘下水処理場では未処理の下水道水の溢出を防止するため、施設に隣接する運河を堰止めることにより一次貯水池として転用し、急場を凌いだ。
【0037】
この例では上記一次貯水池として転用された運河の貯溜水を原水として採取し、この原水1000ccに対して塩化カルシウム1g(濃度16%)投入して攪拌した後、更に水ガラス(珪酸ソーダ)を0.5g(濃度20%)を添加する(1次処理)。
【0038】
上記塩化カルシウムの添加によって原水中の蛋白、澱粉が水分より分離されるとともに、水ガラスを添加すると、該水ガラスは原水中の溶解物質や懸濁物を取り込みゲル化する。これによって、原水中のSSはほぼ除去され、BOD、CODは表1に示すように急激に小さくなる。この処理後にフライアッシュを0.5g投入して更に、第2凝集剤を1g程度投入して攪拌(2次処理)することによって、上記一次処理で残存したSS,BOD,COD等が更に除かれ、その結果を表1に並記する。表1に示すように少なくとも各計量項目については放流可能な水質基準に迫る良好な結果を得た。
【0039】
【表1】
Figure 0003731834
【0040】
上記原水に塩化カルシウムと水ガラスを添加してゲル化が生じる時間は15秒ぐらいであるが、上記水ガラスに代えて硫酸バンドを用いた場合は1分程度かかっている。また、有機凝集剤を添加した塩化カルシウムと水ガラスを用いた場合の一次処理中にできるフロックの大きさは2mm前後であり、有機凝集剤を添加しない場合には0.5mm前後であった。従って上記2次処理水を濾過するに要する時間も有機凝集剤を添加した場合の方が30%程時間が短くできた。
【0041】
〔実施例▲2▼〕
加古川下水道センターへの流入下水を原水として処理した例を以下に示す。まず原水1000ccに対して塩化カルシウム1g(濃度16%)を投入して攪拌した後、更に水ガラスを原水1000ccに対して0.5g(濃度20%)を添加する(1次処理)。
【0042】
これによって、原水中のSSはほぼ除去され、BOD、CODは表2に示すように急激に小さくなる。この状態の液に対して、フライアッシュを0.5g投入して更に、第2の次凝集剤を0.5g程度投入して攪拌することによって得られた結果を表2に並記する。表2に示すように少なくとも各計量項目については放流可能な水質基準に迫る良好な結果を得た。またフライアッシュを用いた場合より多少劣るがフライアッシュを添加しない例も上記表2に並記する。
【0043】
上記〔塩化カルシウム+水ガラス〕と〔硫酸バンド+水ガラス〕のそれぞれの場合ゲル化時間の比較、有機凝集剤を添加した場合と添加しない場合のフロックの大きさおよび濾過時間の比較は上記実施例▲1▼の場合と同じである。
【0044】
【表2】
Figure 0003731834
【0045】
〔実施例▲3▼〕
下記表3及び表4は、大蔵省印刷局製紙研究部より得られた白廃液、黒廃液の浄化処理に本発明を適用した例をそれぞれ示している。上記白廃液は製紙工程に伴って生成されるものであって、パルプ繊維や酸化チタン等による比較的多量の懸濁物質が存在する一方、黒廃液はパルプ製造工程において原木より抽出された有機物や色素等による極めて濃厚な黒褐色を呈し、採取水の4倍希釈後もなおCOD及びBODが極めて高く、いずれにしても浄化処理の難しい(長時間を要する)廃液として知られている。
【0046】
これら両廃液1000ccに対してそれぞれ濃度50%の次亜塩素酸ナトリウムを2g添加し、さらに水ガラス1g(水ガラス濃度16%)を添加した後、硫酸バンドを1g(硫酸バンド濃度30%)添加して表3、表4に示すような1次処理水を得る。その後更に第2凝集剤を1g程度添加して2次処理水を得た。
【0047】
その結果、表3及び表4に示すように、1次処理によってBOD、COD、SSとも相当減少しており、更に2次処理によっていずれの廃液の計量項目も85%以上も低下するという極めて優れた性能を極めて短時間のうちに発揮し、処理時間が飛躍的に短縮され得ることがわかった。
【0048】
【表3】
Figure 0003731834
【0049】
【表4】
Figure 0003731834
【0050】
上記実施例においては、水ガラスと硫酸バンドとの投入手順はいずれが前後してもよいことが確認できた。
〔実施例▲4▼〕
鳥取大学三浦団地生活排水処理施設より採取した原水に対する処理結果を表5に示す。添加手順は珪酸ソーダ(MB) 20%濃度 →硫酸バンド(KC) 30%濃度 →フライアッシュ(FA)→次亜塩素酸ナトリウム(GA) 50%濃度 →第2凝集剤(POK) である。
【0051】
【表5】
Figure 0003731834
【0052】
上記表5に示すように、窒素を除いて極めて良好な結果を示していることが理解できる。
〔実施例▲5▼〕
上記▲1▼、▲2▼、▲4▼の実施例での処理後の水での生物(メダカ、及び金魚)の生息状況を観察したところ、息苦しそうにしている状況が観測され、また、生息時間は1日以内と短かった。そこで、上記処理後の水に2〜3%重量の硫酸カルシウムを添加したところ、生物の息苦しさが解消されるとともに、生息時間は水道の水を使用した場合と遜色なかった。
【0053】
〔実施例▲6▼〕
海底又は河川の浚渫によって汲み上げられるヘドロは含水率は多く、そのまま固化しようとすると大量のセメントを必要とするが、以下のように処理すると含水率を極端に減少させることができ、固化処理も容易である。
(1)処理対象泥の性質
試料として東京湾より採取した底泥を1昼夜静置して上澄水を除いたもの(以下、処理対象泥と記す)。または処理対象泥を海水にて2倍あるいは4倍に希釈したもの(以下、希釈泥と記す)を用いた。表6に処理対象泥の分析データを示す。処理対象泥の含水比は385%であり、汚泥濃度に対して約20%であった。またpHは7.5とほぼ中性であった。
【0054】
【表6】
Figure 0003731834
【0055】
(2)凝集特性
上記処理対象泥は含水比が高く、そのまま固化処理を行うことは経済的でないと考えられる。そこで、処理対象泥および希釈泥に対して凝集および脱水処理を行って体積を減少させることを考えた。まず、以下に示す方法によって凝集処理を行い、脱水性の良い良好な凝集泥を得た。
【0056】
▲1▼処理対象泥または希釈泥に塩化カルシウム(MA)(濃度16%水溶液)および水ガラス(MB)(濃度20%水溶液)を表7に示す所定量添加して混和する。
▲2▼第2凝集剤(POK) を予め100g/Lの濃度の水溶液にして攪拌し、フロックを 形成させておく。
【0057】
▲3▼塩化カルシウム(MA)および水ガラス(MB)を添加した底泥に対して、第2の凝集剤(POK) 水溶液の所定量を添加して混和する。
▲4▼有機凝集剤〔ポリアクリルアミド〕(BK)(濃度1%水溶液)の所定量を添加して混和する。
【0058】
処理対象泥および希釈泥に対する凝集剤の添加量を表7に示す。
本方法による処理において、塩化カルシウム(MA)および水ガラス(MB)を添加して混和した時点で底泥の粘性が若干増加し、ある程度の凝集効果が見られた。次に第2凝集剤(POK) を添加した時点で、底泥の粘性がさらに増加し凝集効果が顕著に見られた。更に最終段で有機凝集剤(BK)を添加することにより、凝集した底泥の粘性がいっそう高まるとともに清澄な上澄水および良好な凝集泥が得られた。
【0059】
なお、この凝集に要する時間はトータルで約1分間程度であった。
【0060】
【表7】
Figure 0003731834
【0061】
(3)脱水特性
上記のように凝集処理を行った処理対象泥に対して、1000G、1minの条件にて遠心分離を行い脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキおよび上澄水の分析結果を表8に示す。
【0062】
【表8】
Figure 0003731834
【0063】
脱水ケーキの含水比は170%と処理前の半分以下まで低下し、後段の固化処理を行う泥の体積を約2分の1まで低減させることができた。上澄水に関してもpH7.7、SS濃度は約80mg/Lであり、排水基準値を満足する値が得られた。
【0064】
また、2倍希釈泥および4倍希釈泥についても同様の遠心処理を行ったところ、やはり含水比約170%の脱水ケーキが得られ、泥の体積は初期値に対してそれぞれ約4分の1および8分の1まで低減させることが出来た。
【0065】
上記と同様の方法で、有機凝集剤を塩化カルシウム、水ガラスに添加しないで凝集処理を行った場合には、上記脱水処理に使用する遠心分離機の布目を小さくする必要があり、従って脱水処理時間が30%程長くかかる結果となった。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は簡単な手順と低いコストで下水等の処理の難しい排水であってもほぼ完全に再利用な程度にまで、BOD,COD,SS値を下げることができ、更に、匂いや、色も完全に取り除くことが可能となる効果がある。

Claims (6)

  1. 被処理液に対して
    (1)アルカリ金属の珪酸塩と、
    (2)上記アルカリ金属の珪酸塩に反応するゲル化剤とを、上記の順、又は、上記と逆の順で攪拌しながら投入し、
    上記各剤を添加後に可溶性のアルミニウム塩とアルカリ金属の炭酸塩とを主成分とする第2凝集剤を添加することを特徴とする凝集方法。
  2. 上記各剤を添加する前もしくは添加後に漂白剤を添加する請求項1記載の凝集方法。
  3. 上記各処理のいずれかの過程で、硫酸カルシウムを添加する請求項1又は2に記載の凝集方法。
  4. 上記第2凝集剤をあらかじめ所定量の水に攪拌してフロックを形成させて、該第2凝集剤に代えて使用する請求項1に記載の凝集方法。
  5. 被処理液に対して
    (1)アルカリ金属の珪酸塩と、
    (2)上記アルカリ金属の珪酸塩に反応するゲル化剤とを、上記の順、又は、上記と逆の順で攪拌しながら投入し、
    さらに硫酸カルシウムを添加することを特徴とする凝集方法。
  6. 上記各剤を添加する前もしくは添加後に漂白剤を添加する請求項5記載の凝集方法。
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