JP3730278B2 - 帯鋸盤における加工方法およびその帯鋸盤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は鋸盤による加工方法およびその鋸盤に係り、さらに詳しくは、切断終了時に切断された側のワークが鋸刃によって跳ね飛ばされることを防止できるような鋸盤による加工方法およびその鋸盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鋸盤である帯鋸盤等においては、送材方向手前側における切断位置の近辺で、被加工物であるワークをバイス装置によりクランプして固定し、回転走行する帯鋸刃で切断するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、切断時にはバイス装置によりワークをクランプしているが、切断終了の瞬間に、クランプされていない切断された側のワークが回転走行している帯鋸刃により跳ね飛ばされる場合がある。このような場合には、切り離されたワークが機械にぶつかったりしてその後の運転に支障をきたすおそれがある。
【0004】
特に、形鋼を短く切断する場合に前述のような問題が多く発生し、帯鋸刃の走行速度や切込速度が速いほど発生する確率が高くなる。
【0005】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、ワークを切断した瞬間に切断されたワークが跳ね飛ばされることのない鋸盤による加工方法およびその鋸盤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の帯鋸盤おける加工方法は、上記目的を達成するために、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置に挟持固定されたワークの幅を計測するワーク計測装置を設けると共に、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに該カッティングヘッドの高さ位置を計測して前記帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置を設け、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、ワークの切断終了時を予測して切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の帯鋸盤は、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置の基準固定バイスジョーに対して接近離反自在の可動バイスジョーに該可動バイスジョーの移動量を検出するエンコーダを設けてなるワーク幅測定用のワーク計測装置と、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに前記カッティングヘッドの高さ位置を計測するエンコーダを設けて帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置と、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、切断終了時を予測する切断終了判断部と、該切断終了判断部の予測に基づいて切断終了直前の鋸刃速度を低下させる鋸刃速度調整部を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の帯鋸盤おける加工方法では、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記NC装置が帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置とワークの幅を計測するワーク計測装置からのデータに基づいて、ワークの切断終了時を予測して切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御するものである。
【0011】
請求項2に記載の帯鋸盤では、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、ワーク幅測定用のワーク計測装置が切断されるワークの幅を計測すると共に、切込位置計測装置が鋸刃の切込位置を計測する。そして、前記NC装置の切断終了判断部が前記切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、切断終了時を予測し、この予測に基づいて前記NC装置の鋸刃速度調整部が切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御するものである。
【0014】
【実施例】
以下、この発明の好適な一実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には鋸盤としての横型帯鋸盤1およびこの横型帯鋸盤1を制御するNC装置3が示されている。
【0016】
この横型帯鋸盤1は、ベース5上にピン7を介して水平に旋回自在に支承された機台9と、この機台9の上方に上下動自在に設けられたカッティングヘッド11より主に構成されている。
【0017】
機台9上にはワークWの切断位置より後側(図1中紙面直角方向向こう側)においてワークWを挟持固定する旋回バイス装置13が設けられている。この旋回バイス装置13は、機台9に固定されている基準固定バイスジョー15と、この基準固定バイスジョー15に接近離反自在の可動バイスジョー17から構成される。また、機台9上には、可動バイスジョー17を往復移動させるバイスシリンダ19が設けられている。
【0018】
前記可動バイスジョー17にはワーク幅測定用ラック21が一体で移動するように設けられており、このワーク幅測定用ラック21に噛合するワーク幅測定用ピニオン23が機台9に回転自在に設けられている。また、ワーク幅測定用ピニオン23にはエンコーダ25(図2参照)が取付けられており、可動バイスジョー17の移動量からワークWの幅が検出できるようになっている。
【0019】
ここで、ワーク幅測定用ラック21をバイスシリンダ19等に固定し、ワーク幅測定用ピニオン23を可動バイスジョー17に回転自在に設けるようにしても全く同様である。
【0020】
以上のように構成されるので、バイスシリンダ19が可動バイスジョー17を基準固定バイスジョー15に接近移動させて、可動バイスジョー17と基準固定バイスジョー15の協働によりワークWを挟持固定すると共に、ワークWの幅を測定するものである。
【0021】
機台9の図1中右側上面にはメインポスト27が鉛直に立設されており、このメインポスト27にはカッティングヘッド11が上下方向に平行移動自在に設けられている。このメインポスト27には高さ測定用ラック29が取付けられており、この高さ測定用ラック29に噛合する高さ測定用ピニオン31がカッティングヘッド11に設けられている。この高さ測定用ピニオン31にはエンコーダ33(図2参照)が取付けられており、カッティングヘッド11の高さから帯鋸刃BSの高さ位置を検出できるようになっている。
【0022】
前記メインポスト27の近傍には、カッティングヘッド11を上下動させる昇降用シリンダ35がメインポスト27と同様鉛直に立設されており、昇降用シリンダ35のピストンロッド37の上端がカッティングヘッド11に取付けられている。また、機台9の図1中左側部分上面には、カッティングヘッド11を上下に案内するサブガイドポスト39が鉛直に立設されている。
【0023】
従って、昇降用シリンダ35のピストンロッド37を上下動させることによりカッティングヘッド11はメインポスト27とサブガイドポスト39に沿って垂直上下方向へ平行移動することになる。
【0024】
カッティングヘッド11は適宜に傾斜したビーム部材41の両側にそれぞれハウジング43R,43Lを備えた全体C形状をしており、各ハウジング43R,43L内には駆動軸45および従動軸47を介してそれぞれ駆動ホイール49,従動ホイール51が回転自在に内装されている。また、駆動ホイール49側のハウジング43Rには駆動ホイール49を回転駆動する駆動モータ53が設けられている。
【0025】
駆動ホイール49と従動ホイール51とには、ワークWを切断するためのエンドレス状の帯鋸刃BSが巻回されており、この帯鋸刃BSのワークWを切断する部分は鋸刃ガイド55,55により垂直にひねり起こされている。
【0026】
以上のように構成されるので、バイスシリンダ19により可動バイスジョー17を基準固定バイスジョー15側へ移動して切断するワークWを挟持固定し、駆動モータ53が帯鋸刃BSを回転走行させた状態で、昇降用シリンダ35がカッティングヘッド11を下降させて切断を行う。なお、ワークWに対する帯鋸刃BSの切込速度の制御は、昇降用シリンダ35によりカッティングヘッド11の下降速度を制御することにより行われる。
【0027】
また、図2には、制御系統図が示されている。NC装置3は主制御部であるCPU57を中心に、入力手段であるキーボード59、出力手段であるCRT61を有し、加工プログラムやワークWの形状等の加工データを記憶するメモリ63を有している。また、前述のようにワーク幅測定用ピニオン23に設けられたエンコーダ25および高さ測定用ピニオン31に設けられているエンコーダ33が接続されており、測定値がNC装置3に送られるようになっている。
【0028】
さらに、前記エンコーダ25,33からの測定結果とメモリ63に記憶されているワークWの形状から切断終了時を予測する切断終了判断部65と、駆動モータ53を制御する鋸刃速度調整部67と、流量制御装置69を介して昇降用シリンダ35を制御する切込速度調整部71を有している。
【0029】
従って、切断終了判断部65が切断終了時を予測し、この予測に基づいて鋸刃速度調整部67が駆動モータ53を制御して帯鋸刃BSの走行速度を低下させ、切込速度調整部71が昇降用シリンダ35の下降速度を落として切込速度を低下させ、切断終了の瞬間には少なくとも一方の速度が低下している状態となるように制御する。
【0030】
以上説明した実施例以外にも種々の切断終了検出方法が考えられるので、図2において二点鎖線で囲い併せて示すとともに概略を以下に示す。
【0031】
先ず、前述の実施例と略同様だが、カッティングヘッド11が揺動式の場合にはカッティングヘッド11の角度を測定する鋸刃位置計測装置としての角度測定装置73を設け、その角度とワークWの形状データから切断終了を予測する方法が考えられる。
【0032】
また、切断終了時と判断すべき時点でカッティングヘッド11が接触するような位置に切断終了検出装置としてのリミットスイッチ75を設けておき、加工と共にカッティングヘッド11が下降して前記リミットスイッチ75に接触した時点で切断終了を検出することも考えられる。但し、この場合には、完全に切断が完了する若干前の時点を切断終了時と判断するのが望ましい。
【0033】
あるいは、実公平6−5061号公報に示されるように、前記鋸刃ガイド55に圧力計測装置としての圧力検出装置77を設けておき、帯鋸刃BSの背分力の減少を機械的に検知して切断終了を検出する方法もある。
【0034】
また、電気的に検出する方法として、帯鋸刃BS用駆動モータ53の電流値の変化から切断終了を検出する方法や、あるいは圧力計測装置としての圧電素子79を鋸刃ガイド55に設けておき、背分力の減少から切断終了を検出するようにしてもよい。すなわち、切断が終了するとワークWからの抵抗がなくなるので駆動モータ53に対する負荷が減少することから切断終了を検出したり、あるいは切断が終了すると帯鋸刃BSに対するワークWからの反力がなくなるので背分力の低下から検出するのである。
【0035】
同様にして、油圧の変化から研削終了を検出する方法として、切込みのためカッティングヘッド11を下降させる昇降用シリンダ35の油圧回路に圧力検出装置としての圧力スイッチ81や減圧弁等を設けておけば、圧力変化から切断終了を検出することも可能である。
【0036】
このような帯鋸盤による加工方法およびその帯鋸盤によれば、切断終了時を予測して、切断終了直前の帯鋸刃BSの走行速度を低下させるので、切断された側のワークWが走行する帯鋸刃BSによって飛び跳ねることを防止したり、あるいは少なくともワークWがとび跳ね飛ばされる勢いを低下させることができる。これにより機械の損傷防止や作業の安全性の改善ができる。
【0037】
なお、この発明は、前述した実施例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。例えば、前述の実施例においては鋸盤として横型帯鋸盤1を用いて説明したが、これに限らず、縦型帯鋸盤や丸鋸盤等でも全く同様である。
【0038】
また、前述の実施例においては、帯鋸刃BSの高さおよび材料の幅を計測するのに各々ラック21,29とエンコーダ25,33付きのピニオン23,31を組み合わせて用いたが、リニアスケールを用いても全く同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明による鋸盤による加工方法は、NC装置により制御される鋸盤がワークを切断する際に、前記鋸盤がワークを切断する切断終了時を予測し、前記予測された切断終了に達した時点では鋸刃速度および切込速度の少なくとも一方の速度が低下しているようにNC装置が制御するので、切り離される瞬間に切断されたワークが勢いよく飛び跳ねるのを防止できる。このため、ワークが鋸盤に当たって損傷を与えことがなく、また作業の安全性を確保することができる。
【0040】
請求項2によるこの発明の鋸盤では、NC装置により制御されてワークを切断する際に、鋸刃の切込位置計測装置が作動する鋸刃位置を計測し、ワーク計測装置が切断されるワークの大きさを計測する。そして、前記NC装置の切断終了判断部が前記鋸刃の切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて切断終了時を予測し、前記予測に基づいて鋸刃速度調整部が鋸刃速度を低下させ、および/または、切込速度調整部が切込速度を低下させるので、切り離される瞬間には鋸刃速度または切込速度の少なくとも一方は確実に低下しており、切断されたワークが勢いよく飛び跳ねるのを防止できる。このため、ワークが鋸盤に当たって損傷を与えことがなく、また作業の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鋸盤による加工方法およびその鋸盤を適用した一実施例としての横型帯鋸盤を示す正面図である。
【図2】この発明に係る鋸盤による加工方法およびその鋸盤を実施するための制御系統を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 帯鋸盤
3 NC装置
25 エンコーダ(ワーク計測装置)
33 エンコーダ(鋸刃の切込位置計測装置)
67 切断終了判断部
69 鋸刃速度調整部
71 切込速度調整部
73 角度測定装置(鋸刃の切込位置計測装置)
75 リミットスイッチ(切断終了検出装置)
77 圧力検出装置(圧力計測装置)
W ワーク
BS 帯鋸刃
【産業上の利用分野】
この発明は鋸盤による加工方法およびその鋸盤に係り、さらに詳しくは、切断終了時に切断された側のワークが鋸刃によって跳ね飛ばされることを防止できるような鋸盤による加工方法およびその鋸盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鋸盤である帯鋸盤等においては、送材方向手前側における切断位置の近辺で、被加工物であるワークをバイス装置によりクランプして固定し、回転走行する帯鋸刃で切断するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、切断時にはバイス装置によりワークをクランプしているが、切断終了の瞬間に、クランプされていない切断された側のワークが回転走行している帯鋸刃により跳ね飛ばされる場合がある。このような場合には、切り離されたワークが機械にぶつかったりしてその後の運転に支障をきたすおそれがある。
【0004】
特に、形鋼を短く切断する場合に前述のような問題が多く発生し、帯鋸刃の走行速度や切込速度が速いほど発生する確率が高くなる。
【0005】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、ワークを切断した瞬間に切断されたワークが跳ね飛ばされることのない鋸盤による加工方法およびその鋸盤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の帯鋸盤おける加工方法は、上記目的を達成するために、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置に挟持固定されたワークの幅を計測するワーク計測装置を設けると共に、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに該カッティングヘッドの高さ位置を計測して前記帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置を設け、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、ワークの切断終了時を予測して切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の帯鋸盤は、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置の基準固定バイスジョーに対して接近離反自在の可動バイスジョーに該可動バイスジョーの移動量を検出するエンコーダを設けてなるワーク幅測定用のワーク計測装置と、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに前記カッティングヘッドの高さ位置を計測するエンコーダを設けて帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置と、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、切断終了時を予測する切断終了判断部と、該切断終了判断部の予測に基づいて切断終了直前の鋸刃速度を低下させる鋸刃速度調整部を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の帯鋸盤おける加工方法では、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記NC装置が帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置とワークの幅を計測するワーク計測装置からのデータに基づいて、ワークの切断終了時を予測して切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御するものである。
【0011】
請求項2に記載の帯鋸盤では、駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、ワーク幅測定用のワーク計測装置が切断されるワークの幅を計測すると共に、切込位置計測装置が鋸刃の切込位置を計測する。そして、前記NC装置の切断終了判断部が前記切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、切断終了時を予測し、この予測に基づいて前記NC装置の鋸刃速度調整部が切断終了直前の鋸刃速度を低下させるように制御するものである。
【0014】
【実施例】
以下、この発明の好適な一実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には鋸盤としての横型帯鋸盤1およびこの横型帯鋸盤1を制御するNC装置3が示されている。
【0016】
この横型帯鋸盤1は、ベース5上にピン7を介して水平に旋回自在に支承された機台9と、この機台9の上方に上下動自在に設けられたカッティングヘッド11より主に構成されている。
【0017】
機台9上にはワークWの切断位置より後側(図1中紙面直角方向向こう側)においてワークWを挟持固定する旋回バイス装置13が設けられている。この旋回バイス装置13は、機台9に固定されている基準固定バイスジョー15と、この基準固定バイスジョー15に接近離反自在の可動バイスジョー17から構成される。また、機台9上には、可動バイスジョー17を往復移動させるバイスシリンダ19が設けられている。
【0018】
前記可動バイスジョー17にはワーク幅測定用ラック21が一体で移動するように設けられており、このワーク幅測定用ラック21に噛合するワーク幅測定用ピニオン23が機台9に回転自在に設けられている。また、ワーク幅測定用ピニオン23にはエンコーダ25(図2参照)が取付けられており、可動バイスジョー17の移動量からワークWの幅が検出できるようになっている。
【0019】
ここで、ワーク幅測定用ラック21をバイスシリンダ19等に固定し、ワーク幅測定用ピニオン23を可動バイスジョー17に回転自在に設けるようにしても全く同様である。
【0020】
以上のように構成されるので、バイスシリンダ19が可動バイスジョー17を基準固定バイスジョー15に接近移動させて、可動バイスジョー17と基準固定バイスジョー15の協働によりワークWを挟持固定すると共に、ワークWの幅を測定するものである。
【0021】
機台9の図1中右側上面にはメインポスト27が鉛直に立設されており、このメインポスト27にはカッティングヘッド11が上下方向に平行移動自在に設けられている。このメインポスト27には高さ測定用ラック29が取付けられており、この高さ測定用ラック29に噛合する高さ測定用ピニオン31がカッティングヘッド11に設けられている。この高さ測定用ピニオン31にはエンコーダ33(図2参照)が取付けられており、カッティングヘッド11の高さから帯鋸刃BSの高さ位置を検出できるようになっている。
【0022】
前記メインポスト27の近傍には、カッティングヘッド11を上下動させる昇降用シリンダ35がメインポスト27と同様鉛直に立設されており、昇降用シリンダ35のピストンロッド37の上端がカッティングヘッド11に取付けられている。また、機台9の図1中左側部分上面には、カッティングヘッド11を上下に案内するサブガイドポスト39が鉛直に立設されている。
【0023】
従って、昇降用シリンダ35のピストンロッド37を上下動させることによりカッティングヘッド11はメインポスト27とサブガイドポスト39に沿って垂直上下方向へ平行移動することになる。
【0024】
カッティングヘッド11は適宜に傾斜したビーム部材41の両側にそれぞれハウジング43R,43Lを備えた全体C形状をしており、各ハウジング43R,43L内には駆動軸45および従動軸47を介してそれぞれ駆動ホイール49,従動ホイール51が回転自在に内装されている。また、駆動ホイール49側のハウジング43Rには駆動ホイール49を回転駆動する駆動モータ53が設けられている。
【0025】
駆動ホイール49と従動ホイール51とには、ワークWを切断するためのエンドレス状の帯鋸刃BSが巻回されており、この帯鋸刃BSのワークWを切断する部分は鋸刃ガイド55,55により垂直にひねり起こされている。
【0026】
以上のように構成されるので、バイスシリンダ19により可動バイスジョー17を基準固定バイスジョー15側へ移動して切断するワークWを挟持固定し、駆動モータ53が帯鋸刃BSを回転走行させた状態で、昇降用シリンダ35がカッティングヘッド11を下降させて切断を行う。なお、ワークWに対する帯鋸刃BSの切込速度の制御は、昇降用シリンダ35によりカッティングヘッド11の下降速度を制御することにより行われる。
【0027】
また、図2には、制御系統図が示されている。NC装置3は主制御部であるCPU57を中心に、入力手段であるキーボード59、出力手段であるCRT61を有し、加工プログラムやワークWの形状等の加工データを記憶するメモリ63を有している。また、前述のようにワーク幅測定用ピニオン23に設けられたエンコーダ25および高さ測定用ピニオン31に設けられているエンコーダ33が接続されており、測定値がNC装置3に送られるようになっている。
【0028】
さらに、前記エンコーダ25,33からの測定結果とメモリ63に記憶されているワークWの形状から切断終了時を予測する切断終了判断部65と、駆動モータ53を制御する鋸刃速度調整部67と、流量制御装置69を介して昇降用シリンダ35を制御する切込速度調整部71を有している。
【0029】
従って、切断終了判断部65が切断終了時を予測し、この予測に基づいて鋸刃速度調整部67が駆動モータ53を制御して帯鋸刃BSの走行速度を低下させ、切込速度調整部71が昇降用シリンダ35の下降速度を落として切込速度を低下させ、切断終了の瞬間には少なくとも一方の速度が低下している状態となるように制御する。
【0030】
以上説明した実施例以外にも種々の切断終了検出方法が考えられるので、図2において二点鎖線で囲い併せて示すとともに概略を以下に示す。
【0031】
先ず、前述の実施例と略同様だが、カッティングヘッド11が揺動式の場合にはカッティングヘッド11の角度を測定する鋸刃位置計測装置としての角度測定装置73を設け、その角度とワークWの形状データから切断終了を予測する方法が考えられる。
【0032】
また、切断終了時と判断すべき時点でカッティングヘッド11が接触するような位置に切断終了検出装置としてのリミットスイッチ75を設けておき、加工と共にカッティングヘッド11が下降して前記リミットスイッチ75に接触した時点で切断終了を検出することも考えられる。但し、この場合には、完全に切断が完了する若干前の時点を切断終了時と判断するのが望ましい。
【0033】
あるいは、実公平6−5061号公報に示されるように、前記鋸刃ガイド55に圧力計測装置としての圧力検出装置77を設けておき、帯鋸刃BSの背分力の減少を機械的に検知して切断終了を検出する方法もある。
【0034】
また、電気的に検出する方法として、帯鋸刃BS用駆動モータ53の電流値の変化から切断終了を検出する方法や、あるいは圧力計測装置としての圧電素子79を鋸刃ガイド55に設けておき、背分力の減少から切断終了を検出するようにしてもよい。すなわち、切断が終了するとワークWからの抵抗がなくなるので駆動モータ53に対する負荷が減少することから切断終了を検出したり、あるいは切断が終了すると帯鋸刃BSに対するワークWからの反力がなくなるので背分力の低下から検出するのである。
【0035】
同様にして、油圧の変化から研削終了を検出する方法として、切込みのためカッティングヘッド11を下降させる昇降用シリンダ35の油圧回路に圧力検出装置としての圧力スイッチ81や減圧弁等を設けておけば、圧力変化から切断終了を検出することも可能である。
【0036】
このような帯鋸盤による加工方法およびその帯鋸盤によれば、切断終了時を予測して、切断終了直前の帯鋸刃BSの走行速度を低下させるので、切断された側のワークWが走行する帯鋸刃BSによって飛び跳ねることを防止したり、あるいは少なくともワークWがとび跳ね飛ばされる勢いを低下させることができる。これにより機械の損傷防止や作業の安全性の改善ができる。
【0037】
なお、この発明は、前述した実施例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。例えば、前述の実施例においては鋸盤として横型帯鋸盤1を用いて説明したが、これに限らず、縦型帯鋸盤や丸鋸盤等でも全く同様である。
【0038】
また、前述の実施例においては、帯鋸刃BSの高さおよび材料の幅を計測するのに各々ラック21,29とエンコーダ25,33付きのピニオン23,31を組み合わせて用いたが、リニアスケールを用いても全く同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明による鋸盤による加工方法は、NC装置により制御される鋸盤がワークを切断する際に、前記鋸盤がワークを切断する切断終了時を予測し、前記予測された切断終了に達した時点では鋸刃速度および切込速度の少なくとも一方の速度が低下しているようにNC装置が制御するので、切り離される瞬間に切断されたワークが勢いよく飛び跳ねるのを防止できる。このため、ワークが鋸盤に当たって損傷を与えことがなく、また作業の安全性を確保することができる。
【0040】
請求項2によるこの発明の鋸盤では、NC装置により制御されてワークを切断する際に、鋸刃の切込位置計測装置が作動する鋸刃位置を計測し、ワーク計測装置が切断されるワークの大きさを計測する。そして、前記NC装置の切断終了判断部が前記鋸刃の切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて切断終了時を予測し、前記予測に基づいて鋸刃速度調整部が鋸刃速度を低下させ、および/または、切込速度調整部が切込速度を低下させるので、切り離される瞬間には鋸刃速度または切込速度の少なくとも一方は確実に低下しており、切断されたワークが勢いよく飛び跳ねるのを防止できる。このため、ワークが鋸盤に当たって損傷を与えことがなく、また作業の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鋸盤による加工方法およびその鋸盤を適用した一実施例としての横型帯鋸盤を示す正面図である。
【図2】この発明に係る鋸盤による加工方法およびその鋸盤を実施するための制御系統を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 帯鋸盤
3 NC装置
25 エンコーダ(ワーク計測装置)
33 エンコーダ(鋸刃の切込位置計測装置)
67 切断終了判断部
69 鋸刃速度調整部
71 切込速度調整部
73 角度測定装置(鋸刃の切込位置計測装置)
75 リミットスイッチ(切断終了検出装置)
77 圧力検出装置(圧力計測装置)
W ワーク
BS 帯鋸刃
Claims (2)
- 駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置に挟持固定されたワークの幅を計測するワーク計測装置を設けると共に、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに該カッティングヘッドの高さ位置を計測して前記帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置を設け、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、ワークの切断終了時を予測して切断終了直前の鋸刃速度を低下させることを特徴とする帯鋸盤における加工方法。
- 駆動モータにより回転駆動される駆動ホイールと従動ホイールとに走行自在に巻回された帯鋸刃を備えたカッティングヘッドを基台上に昇降自在に設けると共に、該基台上にワークを挟持固定するバイス装置を設けたNC装置に制御される帯鋸盤において、前記バイス装置の基準固定バイスジョーに対して接近離反自在の可動バイスジョーに該可動バイスジョーの移動量を検出するエンコーダを設けてなるワーク幅測定用のワーク計測装置と、前記カッティングヘッドを昇降自在にガイドするメインポストに前記カッティングヘッドの高さ位置を計測するエンコーダを設けて帯鋸刃の切込位置を計測する切込位置計測装置と、前記NC装置が切込位置計測装置およびワーク計測装置からのデータに基づいて、切断終了時を予測する切断終了判断部と、該切断終了判断部の予測に基づいて切断終了直前の鋸刃速度を低下させる鋸刃速度調整部を備えたことを特徴とする帯鋸盤。
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