JP3729551B2 - 高トルク用ダンパ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,高いトルクのダンピング作用を発揮する高トルク用ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,例えば,ピアノの鍵盤蓋等のような上下開閉式の蓋を操作する場合,急激に閉じるのを防止するために,衝撃緩和装置を設けることが行われる。従来の装置は,例えばオイルダンパのように,オイルを圧縮しようとするとき発生する反発力を利用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,このような従来のダンパにあっては,オイルのような粘性流体の粘性抵抗を利用しているため,環境の変化,特に温度の変化により粘性抵抗が変化するので,温度によりトルク値が異なり,ダンピング効果が異なるという欠点があった。また,可動弁により粘性流体の流量を調節しているので,応答性が悪く,蓋の開きが少ない状態で離すと,ダンピング効果の生じる前に,蓋が勢い良く閉じてしまうという欠点があった。また,蓋の閉じる速度によりトルク値が異なり,手でゆっくりと蓋を閉じる場合には,ダンピング効果を期待できないという欠点があった。
【0005】
請求項1に記載の発明は、上記課題を解決するために、切欠部の下端からトルク発生位置までの範囲は中心からの距離が略一定、トルク発生位置から切欠部の上端までは中心からの距離が連続的に増加するように、内輪の外径面に、カム形状部の脹らみが連続的に増加するように形成された内輪と、内径面から放射外方向へ延びる中空のポケットを複数個備え、これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの形成された外輪と、
上記内輪のカム形状部をローラを介して押圧するように、上記外輪の板ばね保持用スリットに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延びる板ばねとを備え、内輪のカム形状部の脹らみが連続的に増加することにより板ばねも連続的に撓みが増大することを特徴とする高トルク用ダンパを提供するものである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、上記課題を解決するために、切欠部の下端からトルク発生位置までの範囲は中心からの距離が略一定、トルク発生位置から切欠部の上端までは中心からの距離が連続的に減少するように、外輪の内径面に、カム形状部の脹らみが連続的に増加するように形成された外輪と、外径面から放射内方向へ延びる中空のポケットを複数個備え、これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの形成された内輪と、
上記外輪のカム形状部をローラを介して押圧するように、上記内輪の板ばね保持用スリットに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延びる板ばねとを備え、外輪のカム形状部の脹らみが連続的に増加することにより板ばねも連続的に撓みが増大することを特徴とする高トルク用ダンパを提供するものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記板ばねが外輪の内径面または内輪の外径面に対し一様な方向に傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高トルク用ダンパを提供するものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記ローラに代えてボールを用いたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高トルク用ダンパを提供するものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記課題を解決するために、上下開閉式の蓋のヒンジ部に用いられた場合に、蓋が開いた状態及び中途に開いた状態の範囲を移動する場合には発生するトルクが略零であり、蓋が中途に開いた状態及び閉じた状態の範囲を移動する場合には蓋を開くようなトルクが発生することを特徴とする高トルク用ダンパを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
【0012】
これらの図において,1は外径面にカム形状部1aが形成された内輪であり,カム形状部1aは,切欠部1bの下端からトルク発生位置1cまでの範囲は中心からの距離がほぼ一定,トルク発生位置1cから切欠部1bの上端までは中心からの距離が連続的に増加するように形成されている。
【0013】
2は合成樹脂製の外輪であって,内径面に沿って円周方向にほぼ一定間隔で3個の中空のポケット2dが形成されている。各ポケット2dはほぼ同一形状で同じ大きさであり,内径面ではローラ5が内径面から脱落しないように,ローラ5の直径よりも小さな幅を有する。各ポケット2dは内径面からテーパー状に広がってローラ5の直径よりも大きな幅となり,底面まで延びる。また,各ポケット2dはローラ5の直径よりも大きな深さをもち,その底面よりも上の箇所で,各ポケット2dのほぼ平坦な側壁からほぼ回転方向に沿ってスリット2e,2fが延びる。
【0014】
スリット2eと2fはほぼ直線上にあり,スリット2eと2fに板ばね4が挿し込めるようになっている。スリット2eと2fは図2からも分かるように,側壁近傍部では一般的な板ばね4の厚みよりも若干だけおおきな幅を持ち,その奥では板ばね4の先端部分が遊べるだけの空間をもっている。また,各ポケット2dの底面と板ばね4との間の間隙は,板ばね4が最大に撓んだ時にも板ばね4がその底面に接触しない程度に設定される。したがって,ローラ5が板ばね4を放射外方向に押圧するとき,板ばね4は放射外方向に撓むことができ,所定の弾性力を保持してローラ5に対して加圧力を与えることができる。板ばね4の外輪2の厚み方向の寸法はローラ5の長さとほぼ同程度である。
【0015】
3は一端が開放され,他端に軸の挿通される穴の開いているハウジングであって,開放されている側の内径が,軸の挿通される穴の開いている側の内径よりも大きくなっており,外輪2が開放されている側から組み込まれる。
【0016】
4は内輪1のカム形状部1aをローラ5を介して弾性力で押圧するように,スリット2eと2fに挿し込まれる板ばねである。板ばね4は外輪の内径面に対し一様な方向に傾斜している。このように板ばねを傾斜させることにより,板ばねがローラに押圧されて最大に撓んだ状態でも,ローラが板ばねにより囲まれることがないので,ローラは自由に回転することができる。尚,要求されるトルクが比較的低くてよい場合には,板ばねを大きく撓ませなくてよいので,このように板ばねを傾斜させる必要はない。
【0017】
6は板ばね4とローラ5を配設して内輪1と外輪2とを組み合わせた後,これらが軸方向に脱落するのを防止するためにハウジング3の開放された側からハウジング3に圧入されるシールド板,7は軸である。
【0018】
図1(a)は,ローラ5と内輪のカム形状部1aとが,切欠部1bの下端近傍で接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これはこのダンパがピアノ8の鍵盤蓋のような上下開閉式の蓋8aのヒンジ部8bに用いられた場合に,蓋が開いた状態であり,蓋が閉じた状態を0°として,例えば100°開いた状態である。
【0019】
図1(b)は,ローラ5と内輪のカム形状部1aとが,トルク発生位置1cで接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が中途に開いた状態,例えば70°開いた状態である。
【0020】
図1(c)は,ローラ5と内輪のカム形状部1aとが,切欠部1bの上端近傍で接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が閉じた状態である。
【0021】
次に動作を説明する。
【0022】
先ず,蓋8を開いた状態,例えば図1(a)に示すように100°開いた状態から,中途に開いた状態,例えば図1(b)に示すように70°開いた状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5は,内輪のカム形状部1a上を,切欠部1bの下端近傍からトルク発生位置1cまで回転しながら移動する。
【0023】
この範囲では,内輪1の中心からカム形状部1aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部1a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零である。従って,蓋8を100°開いた状態から70°開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響を受けない。
【0024】
次に,蓋8を図1(b)に示すように70°開いた状態から,図1(c)に示すように閉じた状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5は,内輪のカム形状部1a上を,トルク発生位置1cから切欠部1bの上端近傍まで回転しながら移動する。
【0025】
この範囲では,内輪1の中心からカム形状部1aまでの距離が連続的に増加するように形成されており,内輪のカム形状部1aの脹らみが連続的に増加しているので,板ばね4も連続的に撓みが増大する。その結果,カム形状部1a上を戻ろうとする方向,即ち内輪1を右方向に回転させる方向にトルクが発生する。従って,蓋8を70°開いた状態から閉じた状態へ移動する場合には,内輪を左方向に回転させて蓋を閉じようとする方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルクは,内輪1を右方向に回転させて蓋を開こうとする方向に作用するので,蓋は徐々に閉じる。
【0026】
次に,蓋8を図1(c)に示すように閉じた状態から,図1(b)に示すように70°開いた状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5は,内輪のカム形状部1a上を,切欠部1bの上端近傍からトルク発生位置1cまで回転しながら移動する。
【0027】
この範囲では,内輪1の中心からカム形状部1aまでの距離が連続的に減少するように形成されており,内輪のカム形状部1aの脹らみが連続的に減少しているので,板ばね4も連続的に撓みが減少する。その結果,カム形状部1a上を先に進もうとする方向,即ち内輪1を右方向に回転させる方向にトルクが発生する。従って,蓋を閉じた状態から70°開いた状態へ移動する場合には,内輪を左方向に回転させて蓋を閉じようとする方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルクは,内輪1を右方向に回転させて蓋を開こうとする方向に作用するので,蓋は僅かの力で軽く持ち上げることができる。
【0028】
次に,蓋8を図1(b)に示すように70°開いた状態から,図1(a)に示すように100°開いた状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5は,内輪のカム形状部1a上を,トルク発生位置1cから切欠部1bの下端近傍まで回転しながら移動する。
【0029】
この範囲では,内輪1の中心からカム形状部1aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部1a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零である。従って,蓋8を70°開いた状態から100°開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響を受けない。
【0030】
ここで,内輪1のカム形状部1aのトルク発生位置1cから切欠部1bの上端までは,カム形状部1aの脹らみが連続的に増加するように形成されているが,その増加率については,必要に応じて種々のものが形成できるので,この発明の高トルク用ダンパは種々の用途に適用することができる。
【0031】
図5乃至図8は本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【0032】
これらの図において,1は合成樹脂製の内輪であって,外径面に沿って円周方向にほぼ一定間隔で3個の中空のポケット1dが形成されている。各ポケット1dはほぼ同一形状で同じ大きさであり,外径面ではローラ5が外径面から脱落しないように,ローラ5の直径よりも小さな幅を有する。各ポケット1dは外径面からテーパー状に広がってローラ5の直径よりも大きな幅となり,底面まで延びる。また,各ポケット1dはローラ5の直径よりも大きな深さをもち,その底面よりも上の箇所で,各ポケット1dのほぼ平坦な側壁からほぼ回転方向に沿ってスリット1e,1fが延びる。
【0033】
スリット1eと1fはほぼ直線上にあり,スリット1eと1fに板ばね4が挿し込めるようになっている。スリット1eと1fは図6からも分かるように,側壁近傍部では一般的な板ばね4の厚みよりも若干だけおおきな幅を持ち,その奥では板ばね4の先端部分が遊べるだけの空間をもっている。また,各ポケット1dの底面と板ばね4との間の間隙は,板ばね4が最大に撓んだ時にも板ばね4がその底面に接触しない程度に設定される。したがって,ローラ5が板ばね4を放射内方向に押圧するとき,板ばね4は放射内方向に撓むことができ,所定の弾性力を保持してローラ5に対して加圧力を与えることができる。板ばね4の内輪1の厚み方向の寸法はローラ5の長さとほぼ同程度である。
【0034】
2は内径面にカム形状部2aが形成された外輪であり,カム形状部2aは,切欠部2bの下端からトルク発生位置2cまでの範囲は中心からの距離がほぼ一定,トルク発生位置2cから切欠部2bの上端までは中心からの距離が連続的に減少するように形成されている。
【0035】
3は一端が開放され,他端に軸の挿通される穴の開いているハウジングであって,開放されている側の内径が,軸の挿通される穴の開いている側の内径よりも大きくなっており,外輪2が開放されている側から組み込まれる。
【0036】
4は外輪2のカム形状部2aをローラ5を介して弾性力で押圧するように,スリット1eと1fに挿し込まれる板ばねである。板ばね4は内輪の外径面に対し一様な方向に傾斜している。このように板ばねを傾斜させることにより,板ばねがローラに押圧されて最大に撓んだ状態でも,ローラが板ばねにより囲まれることがないので,ローラは自由に回転することができる。尚,要求されるトルクが比較的低くてよい場合には,板ばねを大きく撓ませなくてよいので,このように板ばねを傾斜させる必要はない。
【0037】
6は板ばね4とローラ5を配設して内輪1と外輪2とを組み合わせた後,これらが軸方向に脱落するのを防止するためにハウジング3の開放された側からハウジング3に圧入されるシールド板,7は軸である。
【0038】
図5(a)は,ローラ5と外輪のカム形状部2aとが,切欠部2bの下端近傍で接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これはこのダンパがピアノ8の鍵盤蓋のような上下開閉式の蓋8aのヒンジ部8bに用いられた場合に,蓋が開いた状態であり,蓋が閉じた状態を0°として,例えば100°開いた状態である。
【0039】
図5(b)は,ローラ5と内輪のカム形状部2aとが,トルク発生位置2cで接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が中途に開いた状態,例えば70°開いた状態である。
【0040】
図5(c)は,ローラ5と内輪のカム形状部2aとが,切欠部2bの上端近傍で接触している状態を示す図であり,同図に示すように,これは蓋8が閉じた状態である。
【0041】
次に動作を説明する。
【0042】
先ず,蓋8を開いた状態,例えば図5(a)に示すように100°開いた状態から,中途に開いた状態,例えば図5(b)に示すように70°開いた状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5は,外輪のカム形状部2a上を,切欠部2bの下端近傍からトルク発生位置2cまで回転しながら移動する。
【0043】
この範囲では,外輪2の中心からカム形状部2aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部2a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零である。従って,蓋8を100°開いた状態から70°開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響を受けない。
【0044】
次に,蓋8を図5(b)に示すように70°開いた状態から,図5(c)に示すように閉じた状態へ移動すると,内輪1が右方向に回転して,ローラ5は,外輪のカム形状部2a上を,トルク発生位置2cから切欠部2bの上端近傍まで回転しながら移動する。
【0045】
この範囲では,外輪2の中心からカム形状部2aまでの距離が連続的に減少するように形成されており,外輪のカム形状部2aの脹らみが連続的に増加しているので,板ばね4も連続的に撓みが増大する。その結果,カム形状部2a上を戻ろうとする方向,即ち内輪1を左方向に回転させる方向にトルクが発生する。従って,蓋8を70°開いた状態から閉じた状態へ移動する場合には,内輪を右方向に回転させて蓋を閉じようとする方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルクは,内輪1を左方向に回転させて蓋を開こうとする方向に作用するので,蓋は徐々に閉じる。
【0046】
次に,蓋8を図5(c)に示すように閉じた状態から,図5(b)に示すように70°開いた状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5は,外輪のカム形状部2a上を,切欠部2bの上端近傍からトルク発生位置2cまで回転しながら移動する。
【0047】
この範囲では,外輪2の中心からカム形状部2aまでの距離が連続的に増加するように形成されており,外輪のカム形状部2aの脹らみが連続的に減少しているので,板ばね4も連続的に撓みが減少する。その結果,カム形状部2a上を先に進もうとする方向,即ち内輪1を左方向に回転させる方向にトルクが発生する。従って,蓋を閉じた状態から70°開いた状態へ移動する場合には,内輪を右方向に回転させて蓋を閉じようとする方向に作用する蓋の自重に対して,発生するトルクは,内輪1を左方向に回転させて蓋を開こうとする方向に作用するので,蓋は僅かの力で軽く持ち上げることができる。
【0048】
次に,蓋8を図5(b)に示すように70°開いた状態から,図5(a)に示すように100°開いた状態へ移動すると,内輪1が左方向に回転して,ローラ5は,外輪のカム形状部2a上を,トルク発生位置2cから切欠部2bの下端近傍まで回転しながら移動する。
【0049】
この範囲では,外輪2の中心からカム形状部2aまでの距離がほぼ一定であるので,カム形状部2a上を移動しようとする方向に発生するトルクはほぼ零である。従って,蓋8を70°開いた状態から100°開いた状態へ移動する場合には,蓋は殆どトルクの影響を受けない。
【0050】
ここで,外輪2のカム形状部2aのトルク発生位置2cから切欠部2bの上端までは,カム形状部2aの脹らみが連続的に増加するように形成されているが,その増加率については,必要に応じて種々のものが形成できるので,この発明の高トルク用ダンパは種々の用途に適用することができる。
【0051】
尚,以上の実施の形態においては,外輪を固定して内輪を回転させる場合について説明したが,必要に応じて,内輪を固定して外輪を回転させる場合についても,同様に実施することができる。また,カム形状部を押圧することのできる弾性体であれば,板ばねに限定されることなく,同様に実施することができる。また,必要に応じて,外輪とハウジング,或いは内輪と軸を一体化することができ,その場合には,それぞれハウジング,内輪が不要になる。更に,ローラの代わりにボールを用いても同様に実施することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明は粘性流体の粘性抵抗を利用するものではないので,温度の変化のような環境の変化により,トルク値が影響を受けることもなく,常に所望のトルク値,所望のダンピング効果を得ることができる。また,応答性がよく,ピアノの鍵盤蓋等をいずれの状態で離しても,所望のダンピング効果を得ることができるので,上下開閉式の蓋が勢い良く閉じることがない。また,ピアノの鍵盤蓋のように重い蓋に使用した場合にも,トルクが蓋を持ち上げて開く方向に常に働いているので,蓋を比較的軽い力で持ち上げ,開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1…内輪 1a…カム形状部
1b…切欠部 1c…トルク発生位置
1d…ポケット 1e,1f…スリット
2…外輪 2a…カム形状部
2b…切欠部 2c…トルク発生位置
2d…ポケット 2e,2f…スリット
3…ハウジング 4…板ばね
5…ローラ 6…シールド板
7…軸 8…ピアノ
8a…蓋 8b…ヒンジ部
Claims (5)
- 切欠部の下端からトルク発生位置までの範囲は中心からの距離が略一定、トルク発生位置から切欠部の上端までは中心からの距離が連続的に増加するように、内輪の外径面に、カム形状部の脹らみが連続的に増加するように形成された内輪と、
内径面から放射外方向へ延びる中空のポケットを複数個備え、これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの形成された外輪と、
上記内輪のカム形状部をローラを介して押圧するように、上記外輪の板ばね保持用スリットに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延びる板ばねとを備え、
内輪のカム形状部の脹らみが連続的に増加することにより板ばねも連続的に撓みが増大することを特徴とする高トルク用ダンパ。 - 切欠部の下端からトルク発生位置までの範囲は中心からの距離が略一定、トルク発生位置から切欠部の上端までは中心からの距離が連続的に減少するように、外輪の内径面に、カム形状部の脹らみが連続的に増加するように形成された外輪と、
外径面から放射内方向へ延びる中空のポケットを複数個備え、これら各ポケットの対向する側壁にそれぞれの中間部分からほぼ回転方向に沿って延びる板ばね保持用スリットの形成された内輪と、
上記外輪のカム形状部をローラを介して押圧するように、上記内輪の板ばね保持用スリットに保持されて上記中空のポケットをほぼ回転方向に延びる板ばねとを備え、
外輪のカム形状部の脹らみが連続的に増加することにより板ばねも連続的に撓みが増大することを特徴とする高トルク用ダンパ。 - 上記板ばねが外輪の内径面または内輪の外径面に対し一様な方向に傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高トルク用ダンパ。
- 上記ローラに代えてボールを用いたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高トルク用ダンパ。
- 上下開閉式の蓋のヒンジ部に用いられた場合に、蓋が開いた状態及び中途に開いた状態の範囲を移動する場合には発生するトルクが略零であり、蓋が中途に開いた状態及び閉じた状態の範囲を移動する場合には蓋を開くようなトルクが発生することを特徴とする高トルク用ダンパ。
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