JP3728636B2 - 負圧式燃料弁 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、負圧室内へ導入される負圧に応じて移動するダイヤフラムによって、流路を開閉する負圧式燃料弁に関するもので、この負圧式燃料弁は、自動二輪車等の内燃機関に搭載される気化器への燃料流路に配置され、機関の運転によって生起する負圧によって燃料弁を自動的に開放し、燃料タンク内の燃料を自動的に気化器へ供給する自動燃料弁として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来の負圧式燃料弁は、図10に示される。1は弁本体であって以下により形成される。1Aは、弁本体1の他側B(図において左側)に形成される平端面1Bから一側A(図において右側)に向かって凹設される燃料室であり、この燃料室1Aの中央底部には、燃料流入路1Cに連なる燃料弁座1Dが開口して形成される。また、燃料室1Aから下側方に向かって燃料流出路1Eが開口する。この状態で燃料室1Aは、いまだ平坦面1Bに開口する。前記、燃料流入路1Cは、例えば、燃料タンク(図示せず)に接続され、燃料流出路1Eは、例えば気化器の燃料導入路(図示せず)に接続される。
【0003】
2は、大気室本体であって以下により形成される。大気室本体2には、その他側Bに他側平端面2Aが形成され、一側Aに一側平坦面2Bが形成されるとともに他側平坦面2Aから一側平坦面2Bに向けて大気室2Cが貫通して形成される。この状態で大気室2Cはいまだその両端が開口する。そして、大気室2Cから外側方に向けて大気開放路2Dが穿設される。
【0004】
3は、負圧室本体であって以下により形成される。負圧室本体3には、その一側Aに、平坦面3Aが形成され、この平坦面3Aから他側Bに向けて負圧室3Bが凹設され、さらに負圧室3Bから外側方に向けて負圧導入路3Cが穿設される。この状態で負圧室3Bは、いまだ平坦面3Aに開口する。
【0005】
Dfはダイヤフラムアッセンブリーであって、図11に示される。ダイヤフラムアッセンブリーDfは主に、燃料ダイヤフラム4、負圧ダイヤフラム5、リテーナ6とによって構成される。燃料ダイヤフラム4はゴム材料よりなり、以下によって形成される。4Aは、傘状をなす薄膜である、薄膜4Aの中央部の一側面から一側Aに向けて弁部4Bが突出して形成される。又、薄膜4Aの中央部の他側面から他側Bに向けて第1係止突部4Cが突出して形成される。この第1係止突部4Cは、薄膜4Aの他側面から外径Eを有する小径突部4Dが他側Bに向かってのび、次いで小径突部4Dの外径Eより大なる外径Fを有する大径突部4Eが更に他側Bに向かって形成される。そして、前記小径突部4Dと大径突部4Eとの連接部には環状面をなす第1環状係止面部4Fが形成される。
【0006】
負圧ダイヤフラム5はゴム材料よりなり以下によって形成される。5Aは円板状をなす薄膜である。薄膜5Aの中央部の一側面から一側Aに向けて第2係止突部5Bが形成される。この第2係止突部5Bは、薄膜5Aの一側面から外径Eを有する小径突部5Cが一側Aに向かってのび、次いで小径突部5Cの外径Eより大なる外径Fを有する大径突部5Dが更に一側Aに向かって形成される。そして、前記小径突部5Cと大径突部5Dとの連接部には環状面をなす第2環状係止面部5Eが形成される。尚、5Fは、薄膜5Aの他側面から他側Bに突出して形成されたプレート嵌合溝であり、皿状のプレート7が嵌合配置される。
【0007】
リテーナ6は例えばアルミニウム、合成樹脂等の剛性材料よりなり、以下によって形成される。リテーナ6は円柱形状をなし、その中心部分の内方に、第1係止突部4C、第2係止突部5Bの大径突部4E、5Dの外径Fより大なる直径を有する大径孔6Aが長手軸心方向X−Xに沿って穿設され、さらに大径孔6Aの一側Aに形成される第1環状係止段部6Bを介して、一側Aに向けて第1小径孔6Cが開口して形成される。又、大径孔6Aの他側Bに形成される第2環状係止段部6Cを介して、他側Bに向けて第2小径孔6Dが開口して形成される。この第1小径孔6C及び第2小径孔6Dの直径は、第1係止突部4Cの小径突部4D、第2係止突部5Bの小径突部5Cを挿入しうる径に選択されるものであり、且つ大径孔6Aの直径より小径をなす。
【0008】
そして、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、以下によって組みつけられる。負圧ダイヤフラム5の他側面に形成されるプレート嵌合溝5F内にプレート7を嵌合配置し、次いで、第2係止突部5Bをリテーナ6内に挿入配置する。すなわち、第2係止突部5Bの大径突部5Dは、収縮変形されつつ第2小径孔6D内を通過してリテーナ6の大径孔6A内に配置され、小径突部5Cは第2小径孔6D内に挿入配置される。かかる状態において、第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eは、リテーナ6の第2環状係止段部6Cに対向して配置され、以上をもって、リテーナ6とプレート7を備えた負圧ダイヤフラム5とが結合された。
【0009】
一方、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cは、リテーナ6内に挿入配置される。すなわち、第1係止突部4Cの大径突部4Eは、収縮変形されつつ第1小径孔6C内を通過してリテーナ6の大径孔6A内に配置され、小径突部4Dは第1小径孔6C内に挿入配置される。かかる状態において、第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fは、リテーナ6の第1環状係止段部6Bに対向して配置され、以上をもって、リテーナ6と燃料ダイヤフラム4とが結合された。
【0010】
そして、負圧式燃料弁は、以下によって組みつけられる。再び図10に戻って説明する。大気室本体2の一側平坦面2B上に燃料ダイヤフラム4の薄膜4Aの環状の外周部が配置され、他側平坦面2A上に負圧ダイヤフラム5の薄膜5Aの環状の外周部が配置される。これによると、燃料ダイヤフラム4の弁部4Bは、大気室本体2の一側平坦面2Bより一側Aに向かって配置され、プレート7は、大気室本体2の他側平坦面2Aより他側Bに向かって配置される。
【0011】
そして、かかる大気室本体2の一側平坦面2Bを弁本体1の平坦面1B上に配置し、次いで大気室本体2の他側平坦面2A上に負圧室本体3の平坦面3Aが配置され、この状態において、弁本体1と大気室本体2と負圧室本体3とが図示されぬビス等によって固定される。
【0012】
以上によると、燃料ダイヤフラム4は、弁本体1の燃料室1Aの平坦面1Bへの開口を閉塞して、閉塞された燃料室1Aを形成する。又、大気室本体2の大気室2Cの一側平坦面2Bへの開口は、燃料ダイヤフラム4によって閉塞され、大気室本体2の大気室2Cの他側平坦面2Aへの開口は、負圧ダイヤフラム5によって閉塞され、もって大気室本体2には閉塞された大気室2Cが形成される。又、負圧室本体3の平坦面3Aに開口する負圧室3Bは負圧ダイヤフラム5によって閉塞され、閉塞された負圧室3Bが形成される。
【0013】
そして、負圧室3B内には、スプリング8が縮設されるもので、これによると、負圧ダイヤフラム5、リテーナ6、燃料ダイヤフラム4によって形成されるダイヤフラムアッセンブリーDfは、図において一側Aへ押圧されるもので、弁部4Bは、燃料弁座1Dに当接される。
【0014】
そして、機関の停止時の如く、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内へ負圧が導入されない状態において、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、スプリング8によって一側Aへ押圧されるもので、これによると、弁部4Bは燃料弁座1Dに当接し、燃料流入路1Cと燃料流出路1Eとを遮断する。一方、機関の運転時の如く、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内へ負圧が導入されると、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、スプリング8のバネ力に抗して他側Bへ移動するもので、これによると、弁部4Bは燃料弁座1Dより離反し、燃料流入路1Cと燃料流出路1Eとを連通する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の負圧式燃料弁によると、以下の不具合を有する。ダイヤフラムアッセンブリーDfにおいて、負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの大径突部5Dは、リテーナ6の第2小径孔6Dを収縮変形されつつリテーナ6の大径孔6A内に挿入配置され、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの大径突部4Eは、リテーナ6の第1小径孔6C内を収縮変形されつつリテーナ6の大径孔6A内に挿入配置される。そして、第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eがリテーナ6の第2環状係止段部6Cに臨んで係合配置されること。及び第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fがリテーナ6の第1環状係止段部6Bに臨んで係合配置されること。によって負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4とが同期的に移動しうるものである。
【0016】
一方、前述の如く、負圧ダイヤフラム5、燃料ダイヤフラム4は、ゴム材料によって形成されるもので、これによると、例えば、負圧式燃料弁が配置される環境温度が大きく上昇した状態において、長期間に渡って使用された際、ゴム材料の硬度は軟化する傾向にある。これによると、前記ダイヤフラム4、5の大径突部4E、5Dがリテーナ6より脱出し、負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4との結合が阻害され、それらを同期的に移動させることができないという不具合を生ずる恐れがある。
【0017】
この不具合を解決するには、第1には、各ダイヤフラム4、5のゴム材料硬度を上げることが考慮される。然しながら、これによると、ダイヤフラム4、5の剛性が増してダイヤフラム4、5の円滑な作動性及び応答性が阻害されること。及び大径突部4E、5Dを第1小径孔6C、第2小径孔6D内へ挿入する際における挿入作業性が大きく悪化すること。の問題を生ずる。第2には、各ダイヤフラム4、5の大径突部4E、5Dの外径を大きくして、環状係止面部4F、5Eと、環状係止段部6B、6Cとの係合代を増加することが考慮される。然しながら、これによると、大径突部4E、5Dを第1小径孔6C、第2小径孔6D内へ挿入する際の挿入作業が大きく悪化し、挿入不能となる問題を生ずる。
【0018】
本発明になる負圧式燃料弁は、上記不具合に鑑み成されたもので、環境温度の上昇時にあっても、確実に燃料通路の開閉機能を長期に渡って保証しうる負圧式燃料弁を、ダイヤフラムの作動性及び応答性を阻害することなく、ダイヤフラムとリテーナの組みつけ性を阻害することなく、提供することにある。
【0019】
【課題を解決する為の手段】
本発明になる負圧式燃料弁は、前記目的達成の為に、燃料流入路と、燃料流出路と、燃料流入路の下流端にあって、燃料流出路に連なる燃料室内に臨んで形成された燃料弁座とを備える弁本体と、燃料室に臨む大気室を備え、弁本体上に配置される大気室本体と、大気室に臨む負圧室を備え、大気室本体上に配置される負圧室本体と、弁本体と大気室本体とによって挟持されて燃料室と大気室とに区分するとともに燃料室側に、燃料弁座を開閉する弁部を備え、大気室側に小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第1環状係止面部とよりなる第1係止突部を備えた燃料ダイヤフラムと、大気室本体と負圧室本体とによって挟持されて大気室と負圧室とに区分するとともに大気室側に、小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第2環状係止面部とよりなる第2係止突部を備えた負圧ダイヤフラムと、大気室内にあって、燃料ダイヤフラムの第1係止突部と、負圧ダイヤフラムの第2係止突部とを結合し、負圧ダイヤフラムと燃料ダイヤフラムとを同期的に連結するリテーナとを備え、負圧室内に導入される負圧に応じて燃料ダイヤフラムを動作し、弁部をもって燃料弁座を開閉制御する負圧式燃料弁において、燃料ダイヤフラム及び負圧ダイヤフラムはゴム材料によって形成されるとともに少なくとも第1係止突部、第2係止突部の大径突部内には、剛性材料によりなる芯金が一体成形されて配置され、一方、リテーナは、大径突部の外径より大なる直径を有する大径孔と、大径孔から第1環状係止段部を介して一側に向かい小径突部を保持しうる第1小径孔と、大径孔から第2環状係止段部を介して他側に向かい小径突部を保持しうる第2小径孔とが穿設され、さらに、前記リテーナは、その長手軸心線に沿って結合自在に二分割して形成され、第1係止突部の大径突部、第2係止突部の大径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される大径孔内に配置し、第1係止突部の小径突部、第2係止突部の小径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される第1小径孔、及び第2小径孔内に配置し、第1係止突部の第1環状係止面部を第1係止段部に対向配置し、第2係止突部の第2環状係止面部を第2係止段部に対向配置したことを第1の特徴とする。
【0020】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記、結合されたリテーナの外周に結合リングを嵌合配置したことを第2の特徴とする。
【0021】
更に又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記、芯金の外径を、各小径突部の外径より大なる直径としたことを第3の特徴とする。
【0022】
【実施例】
以下、本発明になる負圧式燃料弁の一実施例を説明する。本発明のものと従来のものとは、ダイヤフラムアッセンブリーDfが異なる。相違する構成についてのみ説明し、同一構成部分については従来と同一符号を使用し説明を省略する。図1によって燃料ダイヤフラム4について説明する。図1は、燃料ダイヤフラム4の要部を示す。燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4C内には、芯金9が一体的に配置される。この芯金9は、金属材料、合成樹脂材料、等のゴム材料より硬度の高い剛性材料によって形成され、少なくとも大径突部4E内に配置される。具体的にこの芯金9は、大径突部4Eの外径Fより小なる径Gを有し、燃料ダイヤフラム4をゴム材料によって成形する際、第1係止突部4C内に一体成形されて配置される。本実施例において、芯金9の一部は小径突部4D内へ進入して配置された。
【0023】
図2によって負圧ダイヤフラム5について説明する。図2は負圧ダイヤフラム5の要部を示す。負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5B内には、芯金9が一体的に配置される。この芯金9は、金属材料、合成樹脂材料、等のゴム材料より硬度の高い剛性材料によって形成され、少なくとも大径突部5D内に配置される。具体的にこの芯金9は、大径突部5Dの外径Fより小なる径Gを有し、負圧ダイヤフラム5をゴム材料によって成形する際、第2係止突部5B内に一体成形されて配置される。本実施例において、芯金9の一部は小径突部5C内へ進入して配置される。
【0024】
次に、図3から図6によってリテーナ12について説明する。リテーナ12は、長手軸心線X−Xに沿って二分割12A、12Bされて形成され、この二分割された各リテーナ12A、12Bは結合されて単一のリテーナ12を形成する。説明を容易にする為に各リテーナ12A、12Bが結合されて単一のリテーナ12が形成された状態において説明する。リテーナ12は例えばアルミニウム、合成樹脂等の剛性材料よりなり、以下によって形成される。リテーナ12は円柱形状をなし、その中心部分に、第1係止突部4C、第2係止突部5Bの大径突部4E、5Dの外径Fより大なる直径を有する大径孔12Cが長手軸心方向X−Xに沿って穿設され、さらに大径孔12Cの一側Aに形成される第1環状係止段部12Dを介して、一側Aに向けて第1小径孔12Eが開口して形成される。又、大径孔12Cの他側Bに形成される第2環状係止段部12Fを介して、他側Bに向けて第2小径孔12Gが開口して形成される。この第1小径孔12E及び第2小径孔12Gの直径は、第1係止突部4Cの小径突部4D、第2係止突部5Bの小径突部5Cを挿入して保持しうる径に選択されるものであり、且つ大径孔12Cより小径をなす。そして、分割される下方のリテーナ12Bの分割面12Hには、結合孔12Jが穿設され、分割される上方のリテーナ12Aの分割面12Kには前記結合孔12Jに嵌合される結合突部12Lが突出して形成される。すなわち、下方のリテーナ12Bの分割面12Hと上方のリテーナ12Aの分割面12Kとを当接するとともに結合突部12Lを結合孔12J内へ嵌合することによって下方のリテーナ12Bと上方のリテーナ12Aとは結合されて一体のリテーナ12を形成することができる。尚、結合孔12Jと結合突部12Lとの嵌合時に圧縮代をもって嵌合すると、リテーナ12A、12Bの結合を強固に行なうことができる。又、上方のリテーナ12Aと下方のリテーナ12Bの結合手段は適宜選択すればよいもので上記結合方法に限定されない。例えば接着剤を用いてもよい。
【0025】
そしてダイヤフラムアッセンブリーDfは以下によって組みつけられる。分割された下方のリテーナ12Bの半円形をなす第2小径孔12Gに、負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの小径突部5Cを配置するとともに、第2係止突部5Bの大径突部5Dを半円形をなす大径孔12C内に配置する。このとき半円をなす第2環状係止段部12Fに第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eは当接配置される。又、半円形をなす第1小径孔12Eに、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの小径突部4Dを配置するとともに第1係止突部4Cの大径突部4Eを半円形をなす大径孔12C内に配置する。このとき半円をなす第1環状係止段部12Dに第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fは当接配置される。
【0026】
そして、前記状態にある下方のリテーナ12Bの分割面12H上に臨んで上方のリテーナ12Aの分割面12Kを配置するもので、このとき、上方のリテーナ12Aの半円形をなす第2小径孔12Gは負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの小径突部5Cに臨んで配置され、半円形をなす大径孔12Cに臨んで第2係止突部5Bの大径突部5Dが配置され、半円をなす第2環状係止段部12Fに臨んで第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eが配置される。一方、上方のリテーナ12Aの半円形をなす第1小径孔12Eは燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの小径突部4Dに臨んで配置され、半円形をなす大径孔12Cに臨んで第1係止突部4Cの大径突部4Eが配置され、半円をなす第1環状係止段部12Dに臨んで第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fが配置される。
【0027】
そして、かかる状態において、下方のリテーナ12Bの分割面12Hに上方のリテーナ12Aの分割面12Kを当接するとともに結合孔12J内に結合突部12Lを嵌合配置する。以上によると、下方のリテーナ12Bと上方のリテーナ12Aとは結合されて一体のリテーナ12を形成するもので、このリテーナ12の大径孔12C内に負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの大径突部5Dが配置されるとともに第2小径孔12G内に第2係止突部5Bの小径突部5Cが配置され、さらに第2環状係止段部12Fに対向して第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eが配置される。
【0028】
一方、リテーナ12の大径孔12C内に燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの大径突部4Eが配置され、第1小径孔12E内に第1係止突部4Cの小径突部4Dが配置され、さらに第1環状係止段部12Dに対向して第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fが配置される。以上によって負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4とがリテーナ12によって結合された。このダイヤフラムアッセンブリーDfは、図7に示される。
【0029】
そして、このダイヤフラムアッセンブリーDfは、従来と同様に、燃料ダイヤフラム4が弁本体1の平坦面1Bと大気室本体2の一側平坦面2Bとの間に挟持され、負圧ダイヤフラム5が大気室本体2の他側平坦面2Aと負圧室本体3の平坦面3Aとの間に挟持される。
【0030】
而して、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内に導入される負圧に応じて負圧ダイヤフラム5が移動すると、この移動は、リテーナ6を介して燃料ダイヤフラム4に伝達されて燃料ダイヤフラム4を負圧ダイヤフラム5と同期して移動させるもので、これによって弁部4Bは負圧室3B内の負圧に応じて燃料弁座1Dを開閉制御する。
【0031】
以上述べた本発明の負圧式燃料弁によると、負圧ダイヤフラム5の少なくとも大径突部5D内に剛性を有する芯金9を配置したので、負圧ダイヤフラム5が高温度状態にさらされてゴム材料が軟化したとしても大径突部5Dの外径Fが内方へ大きく縮小することが抑止される。これは、少なくとも大径突部5Dの内方に芯金9が配置されて大径突部5Dの内方へのゴムの移動を抑止するからである。又、燃料ダイヤフラム4の少なくとも大径突部4E内に剛性を有する芯金9を配置したので、燃料ダイヤフラム4が高温度状態にさらされてゴム材料が軟化したとしても大径突部4Eの外径Fが内方へ大きく縮小することが抑止される。これは、少なくとも大径突部4Eの内方に芯金9が配置されて大径突部4Eの内方へのゴムの移動を抑止するからである。以上の如く、第1係止突部4Cの大径突部4E及び第2係止突部5Bの大径突部5Dの外径Fが内方へ縮小されることが抑止されたことによると、負圧式燃料弁が長期に渡って高温度状態にさらされたとしても、大径突部5D、4Eがリテーナ12の第2小径孔12G、第1小径孔12Eから脱出することがないもので、長期に渡って安定して且つ確実に弁部4Bの開閉機能を保証することができる。
【0032】
又、リテーナ12を二分割12A、12Bとし、分割された状態において、リテーナ12の大径孔12C内に大径突部5D、4Eを配置したのちに二分割12A、12Bされた各リテーナを結合して単一のリテーナ12としたことによると、前記大径突部5D、4Eを小径孔12G、12Eを介することなく大径孔12C内に配置できたもので、これら第1係止突部4C、第2係止突部5Bのリテーナ12内への装着を容易に行なうことができたものである。特に、大径突部5D、4Eを小径孔12G、12Eを介することなく大径孔12C内に配置できたことは、ダイヤフラム4、5の環状係止面部4F、5Eと、リテーナ12の環状係止段部12F、12Dとの当接代(引掛り代)を大きくとることができ、リテーナ12と各ダイヤフラム4、5の係止突部4C、5Bとの結合をより一層強固で且つ確実に行なうことができたものである。
【0033】
又、図9に示されるように、リテーナ12の外周に環状をなす結合リング13を装着すると、分割されたリテーナ12A、12Bのより一層強固な結合を行なうことができる。尚、この結合リング13に長手方向に沿ってスリット溝(図示せず)を入れると、結合リング13のスリット溝の溝幅を拡大しつつリテーナ12の外周に結合リング13を装着できてその装着作業性を向上できる。
【0034】
更に、芯金9の外径Gを各小径突部4D、5Cの外径E以上の直径とすると、各大径突部4E、5Dの外径Fは小径突部4D、5Cの外径E以下に縮小されることは絶対にないもので、これによって大径突部4E、5Dの各小径孔12G、12Eからの脱出をより確実に抑止できる。
【0035】
更に又、負圧ダイヤフラム5、燃料ダイヤフラム4のゴム材料は従来と何等変更する必要がないもので、これによると各ダイヤフラムの動特性に何等悪影響を及ぼすことがなく、従来の円滑なダイヤフラムの動特性を維持できる。
【0036】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる負圧式燃料弁によると、燃料ダイヤフラム及び負圧ダイヤフラムはゴム材料によって形成されるとともに少なくとも第1係止突部、第2係止突部の大径突部内には、剛性材料によりなる芯金が一体成形されて配置され、一方、リテーナは、大径突部の外径より大なる直径を有する大径孔と、大径孔から第1環状係止段部を介して一側に向かい小径突部を保持しうる第1小径孔と、大径孔から第2環状係止段部を介して他側に向かい小径突部を保持しうる第2小径孔とが穿設され、さらに、前記リテーナは、その長手軸心線に沿って結合自在に二分割して形成され、第1係止突部の大径突部、第2係止突部の大径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される大径孔内に配置し、第1係止突部の小径突部、第2係止突部の小径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される第1小径孔、及び第2小径孔内に配置し、第1係止突部の第1環状係止面部を第1係止段部に対向配置し、第2係止突部の第2環状係止面部を第2係止段部に対向配置したので、負圧式燃料弁が高温度状態にさらされたとしても、負圧ダイヤフラムと燃料ダイヤフラムとをリテーナによって安定して且つ確実に結合保持できるもので長期間に渡って確実な弁部の開閉機能を保証できるものである。
【0037】
又、リテーナが分割された状態において、燃料及び負圧ダイヤフラムの各大径突部及び小径突部が分割された各リテーナの大径孔及び小径孔内に配置され、かかる状態において両リテーナを当接して一体のリテーナとすることによって燃料ダイヤフラムと負圧ダイヤフラムとをリテーナを介して結合できたもので、これによって燃料ダイヤフラムと負圧ダイヤフラムとの結合作業性を大きく向上できたものであり、特に環状係止面部と環状係止段部との当接代を大きくとることができ、それらの結合を一層確実にして且つ強固に行なうことができたものである。
【0038】
又、結合されたリテーナの外周に結合リングを装着することによって、分割されたリテーナの結合をより一層強固に行なうことができる。
【0039】
更に又、芯金の外径を小径突部の外径以上の直径としたことによって、各大径突部が各小径孔より脱出することをより一層抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負圧式燃料弁に用いられる燃料ダイヤフラムの一実施例を示す要部拡大縦断面図。
【図2】本発明の負圧式燃料弁に用いられる負圧ダイヤフラムの一実施例を示す要部拡大縦断面図。
【図3】本発明の負圧式燃料弁に用いられるリテーナの一実施例を示し、且つ分割されるリテーナが結合されて一体の状態を示す側面図。
【図4】図3の右側面図。
【図5】図3のJ−J線における縦断面図。
【図6】図4のK−K線における縦断面図。
【図7】本発明の負圧式燃料弁に用いられるダイヤフラムアッセンブリーの一実施例を示す拡大縦断面図。
【図8】本発明の負圧式燃料弁の一実施例を示す縦断面図。
【図9】本発明の負圧式燃料弁の他の実施例を示す縦断面図。
【図10】従来の負圧式燃料弁を示す縦断面図。
【図11】図10に用いられるダイヤフラムアッセンブリーの拡大縦断面図。
【符号の説明】
4 燃料ダイヤフラム
4C 第1係止突部
4D 小径突部
4E 大径突部
4F 第1環状係止面部
5 負圧ダイヤフラム
5B 第2係止突部
5C 小径突部
5D 大径突部
5E 第2環状係止面部
12 リテーナ
12A、12B 分割されたリテーナ
12C 大径孔
12E 第1小径孔
12G 第2小径孔
12D 第1係止段部
12F 第2係止段部
13 結合リング
【産業上の利用分野】
本発明は、負圧室内へ導入される負圧に応じて移動するダイヤフラムによって、流路を開閉する負圧式燃料弁に関するもので、この負圧式燃料弁は、自動二輪車等の内燃機関に搭載される気化器への燃料流路に配置され、機関の運転によって生起する負圧によって燃料弁を自動的に開放し、燃料タンク内の燃料を自動的に気化器へ供給する自動燃料弁として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来の負圧式燃料弁は、図10に示される。1は弁本体であって以下により形成される。1Aは、弁本体1の他側B(図において左側)に形成される平端面1Bから一側A(図において右側)に向かって凹設される燃料室であり、この燃料室1Aの中央底部には、燃料流入路1Cに連なる燃料弁座1Dが開口して形成される。また、燃料室1Aから下側方に向かって燃料流出路1Eが開口する。この状態で燃料室1Aは、いまだ平坦面1Bに開口する。前記、燃料流入路1Cは、例えば、燃料タンク(図示せず)に接続され、燃料流出路1Eは、例えば気化器の燃料導入路(図示せず)に接続される。
【0003】
2は、大気室本体であって以下により形成される。大気室本体2には、その他側Bに他側平端面2Aが形成され、一側Aに一側平坦面2Bが形成されるとともに他側平坦面2Aから一側平坦面2Bに向けて大気室2Cが貫通して形成される。この状態で大気室2Cはいまだその両端が開口する。そして、大気室2Cから外側方に向けて大気開放路2Dが穿設される。
【0004】
3は、負圧室本体であって以下により形成される。負圧室本体3には、その一側Aに、平坦面3Aが形成され、この平坦面3Aから他側Bに向けて負圧室3Bが凹設され、さらに負圧室3Bから外側方に向けて負圧導入路3Cが穿設される。この状態で負圧室3Bは、いまだ平坦面3Aに開口する。
【0005】
Dfはダイヤフラムアッセンブリーであって、図11に示される。ダイヤフラムアッセンブリーDfは主に、燃料ダイヤフラム4、負圧ダイヤフラム5、リテーナ6とによって構成される。燃料ダイヤフラム4はゴム材料よりなり、以下によって形成される。4Aは、傘状をなす薄膜である、薄膜4Aの中央部の一側面から一側Aに向けて弁部4Bが突出して形成される。又、薄膜4Aの中央部の他側面から他側Bに向けて第1係止突部4Cが突出して形成される。この第1係止突部4Cは、薄膜4Aの他側面から外径Eを有する小径突部4Dが他側Bに向かってのび、次いで小径突部4Dの外径Eより大なる外径Fを有する大径突部4Eが更に他側Bに向かって形成される。そして、前記小径突部4Dと大径突部4Eとの連接部には環状面をなす第1環状係止面部4Fが形成される。
【0006】
負圧ダイヤフラム5はゴム材料よりなり以下によって形成される。5Aは円板状をなす薄膜である。薄膜5Aの中央部の一側面から一側Aに向けて第2係止突部5Bが形成される。この第2係止突部5Bは、薄膜5Aの一側面から外径Eを有する小径突部5Cが一側Aに向かってのび、次いで小径突部5Cの外径Eより大なる外径Fを有する大径突部5Dが更に一側Aに向かって形成される。そして、前記小径突部5Cと大径突部5Dとの連接部には環状面をなす第2環状係止面部5Eが形成される。尚、5Fは、薄膜5Aの他側面から他側Bに突出して形成されたプレート嵌合溝であり、皿状のプレート7が嵌合配置される。
【0007】
リテーナ6は例えばアルミニウム、合成樹脂等の剛性材料よりなり、以下によって形成される。リテーナ6は円柱形状をなし、その中心部分の内方に、第1係止突部4C、第2係止突部5Bの大径突部4E、5Dの外径Fより大なる直径を有する大径孔6Aが長手軸心方向X−Xに沿って穿設され、さらに大径孔6Aの一側Aに形成される第1環状係止段部6Bを介して、一側Aに向けて第1小径孔6Cが開口して形成される。又、大径孔6Aの他側Bに形成される第2環状係止段部6Cを介して、他側Bに向けて第2小径孔6Dが開口して形成される。この第1小径孔6C及び第2小径孔6Dの直径は、第1係止突部4Cの小径突部4D、第2係止突部5Bの小径突部5Cを挿入しうる径に選択されるものであり、且つ大径孔6Aの直径より小径をなす。
【0008】
そして、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、以下によって組みつけられる。負圧ダイヤフラム5の他側面に形成されるプレート嵌合溝5F内にプレート7を嵌合配置し、次いで、第2係止突部5Bをリテーナ6内に挿入配置する。すなわち、第2係止突部5Bの大径突部5Dは、収縮変形されつつ第2小径孔6D内を通過してリテーナ6の大径孔6A内に配置され、小径突部5Cは第2小径孔6D内に挿入配置される。かかる状態において、第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eは、リテーナ6の第2環状係止段部6Cに対向して配置され、以上をもって、リテーナ6とプレート7を備えた負圧ダイヤフラム5とが結合された。
【0009】
一方、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cは、リテーナ6内に挿入配置される。すなわち、第1係止突部4Cの大径突部4Eは、収縮変形されつつ第1小径孔6C内を通過してリテーナ6の大径孔6A内に配置され、小径突部4Dは第1小径孔6C内に挿入配置される。かかる状態において、第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fは、リテーナ6の第1環状係止段部6Bに対向して配置され、以上をもって、リテーナ6と燃料ダイヤフラム4とが結合された。
【0010】
そして、負圧式燃料弁は、以下によって組みつけられる。再び図10に戻って説明する。大気室本体2の一側平坦面2B上に燃料ダイヤフラム4の薄膜4Aの環状の外周部が配置され、他側平坦面2A上に負圧ダイヤフラム5の薄膜5Aの環状の外周部が配置される。これによると、燃料ダイヤフラム4の弁部4Bは、大気室本体2の一側平坦面2Bより一側Aに向かって配置され、プレート7は、大気室本体2の他側平坦面2Aより他側Bに向かって配置される。
【0011】
そして、かかる大気室本体2の一側平坦面2Bを弁本体1の平坦面1B上に配置し、次いで大気室本体2の他側平坦面2A上に負圧室本体3の平坦面3Aが配置され、この状態において、弁本体1と大気室本体2と負圧室本体3とが図示されぬビス等によって固定される。
【0012】
以上によると、燃料ダイヤフラム4は、弁本体1の燃料室1Aの平坦面1Bへの開口を閉塞して、閉塞された燃料室1Aを形成する。又、大気室本体2の大気室2Cの一側平坦面2Bへの開口は、燃料ダイヤフラム4によって閉塞され、大気室本体2の大気室2Cの他側平坦面2Aへの開口は、負圧ダイヤフラム5によって閉塞され、もって大気室本体2には閉塞された大気室2Cが形成される。又、負圧室本体3の平坦面3Aに開口する負圧室3Bは負圧ダイヤフラム5によって閉塞され、閉塞された負圧室3Bが形成される。
【0013】
そして、負圧室3B内には、スプリング8が縮設されるもので、これによると、負圧ダイヤフラム5、リテーナ6、燃料ダイヤフラム4によって形成されるダイヤフラムアッセンブリーDfは、図において一側Aへ押圧されるもので、弁部4Bは、燃料弁座1Dに当接される。
【0014】
そして、機関の停止時の如く、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内へ負圧が導入されない状態において、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、スプリング8によって一側Aへ押圧されるもので、これによると、弁部4Bは燃料弁座1Dに当接し、燃料流入路1Cと燃料流出路1Eとを遮断する。一方、機関の運転時の如く、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内へ負圧が導入されると、ダイヤフラムアッセンブリーDfは、スプリング8のバネ力に抗して他側Bへ移動するもので、これによると、弁部4Bは燃料弁座1Dより離反し、燃料流入路1Cと燃料流出路1Eとを連通する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の負圧式燃料弁によると、以下の不具合を有する。ダイヤフラムアッセンブリーDfにおいて、負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの大径突部5Dは、リテーナ6の第2小径孔6Dを収縮変形されつつリテーナ6の大径孔6A内に挿入配置され、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの大径突部4Eは、リテーナ6の第1小径孔6C内を収縮変形されつつリテーナ6の大径孔6A内に挿入配置される。そして、第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eがリテーナ6の第2環状係止段部6Cに臨んで係合配置されること。及び第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fがリテーナ6の第1環状係止段部6Bに臨んで係合配置されること。によって負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4とが同期的に移動しうるものである。
【0016】
一方、前述の如く、負圧ダイヤフラム5、燃料ダイヤフラム4は、ゴム材料によって形成されるもので、これによると、例えば、負圧式燃料弁が配置される環境温度が大きく上昇した状態において、長期間に渡って使用された際、ゴム材料の硬度は軟化する傾向にある。これによると、前記ダイヤフラム4、5の大径突部4E、5Dがリテーナ6より脱出し、負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4との結合が阻害され、それらを同期的に移動させることができないという不具合を生ずる恐れがある。
【0017】
この不具合を解決するには、第1には、各ダイヤフラム4、5のゴム材料硬度を上げることが考慮される。然しながら、これによると、ダイヤフラム4、5の剛性が増してダイヤフラム4、5の円滑な作動性及び応答性が阻害されること。及び大径突部4E、5Dを第1小径孔6C、第2小径孔6D内へ挿入する際における挿入作業性が大きく悪化すること。の問題を生ずる。第2には、各ダイヤフラム4、5の大径突部4E、5Dの外径を大きくして、環状係止面部4F、5Eと、環状係止段部6B、6Cとの係合代を増加することが考慮される。然しながら、これによると、大径突部4E、5Dを第1小径孔6C、第2小径孔6D内へ挿入する際の挿入作業が大きく悪化し、挿入不能となる問題を生ずる。
【0018】
本発明になる負圧式燃料弁は、上記不具合に鑑み成されたもので、環境温度の上昇時にあっても、確実に燃料通路の開閉機能を長期に渡って保証しうる負圧式燃料弁を、ダイヤフラムの作動性及び応答性を阻害することなく、ダイヤフラムとリテーナの組みつけ性を阻害することなく、提供することにある。
【0019】
【課題を解決する為の手段】
本発明になる負圧式燃料弁は、前記目的達成の為に、燃料流入路と、燃料流出路と、燃料流入路の下流端にあって、燃料流出路に連なる燃料室内に臨んで形成された燃料弁座とを備える弁本体と、燃料室に臨む大気室を備え、弁本体上に配置される大気室本体と、大気室に臨む負圧室を備え、大気室本体上に配置される負圧室本体と、弁本体と大気室本体とによって挟持されて燃料室と大気室とに区分するとともに燃料室側に、燃料弁座を開閉する弁部を備え、大気室側に小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第1環状係止面部とよりなる第1係止突部を備えた燃料ダイヤフラムと、大気室本体と負圧室本体とによって挟持されて大気室と負圧室とに区分するとともに大気室側に、小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第2環状係止面部とよりなる第2係止突部を備えた負圧ダイヤフラムと、大気室内にあって、燃料ダイヤフラムの第1係止突部と、負圧ダイヤフラムの第2係止突部とを結合し、負圧ダイヤフラムと燃料ダイヤフラムとを同期的に連結するリテーナとを備え、負圧室内に導入される負圧に応じて燃料ダイヤフラムを動作し、弁部をもって燃料弁座を開閉制御する負圧式燃料弁において、燃料ダイヤフラム及び負圧ダイヤフラムはゴム材料によって形成されるとともに少なくとも第1係止突部、第2係止突部の大径突部内には、剛性材料によりなる芯金が一体成形されて配置され、一方、リテーナは、大径突部の外径より大なる直径を有する大径孔と、大径孔から第1環状係止段部を介して一側に向かい小径突部を保持しうる第1小径孔と、大径孔から第2環状係止段部を介して他側に向かい小径突部を保持しうる第2小径孔とが穿設され、さらに、前記リテーナは、その長手軸心線に沿って結合自在に二分割して形成され、第1係止突部の大径突部、第2係止突部の大径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される大径孔内に配置し、第1係止突部の小径突部、第2係止突部の小径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される第1小径孔、及び第2小径孔内に配置し、第1係止突部の第1環状係止面部を第1係止段部に対向配置し、第2係止突部の第2環状係止面部を第2係止段部に対向配置したことを第1の特徴とする。
【0020】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記、結合されたリテーナの外周に結合リングを嵌合配置したことを第2の特徴とする。
【0021】
更に又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記、芯金の外径を、各小径突部の外径より大なる直径としたことを第3の特徴とする。
【0022】
【実施例】
以下、本発明になる負圧式燃料弁の一実施例を説明する。本発明のものと従来のものとは、ダイヤフラムアッセンブリーDfが異なる。相違する構成についてのみ説明し、同一構成部分については従来と同一符号を使用し説明を省略する。図1によって燃料ダイヤフラム4について説明する。図1は、燃料ダイヤフラム4の要部を示す。燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4C内には、芯金9が一体的に配置される。この芯金9は、金属材料、合成樹脂材料、等のゴム材料より硬度の高い剛性材料によって形成され、少なくとも大径突部4E内に配置される。具体的にこの芯金9は、大径突部4Eの外径Fより小なる径Gを有し、燃料ダイヤフラム4をゴム材料によって成形する際、第1係止突部4C内に一体成形されて配置される。本実施例において、芯金9の一部は小径突部4D内へ進入して配置された。
【0023】
図2によって負圧ダイヤフラム5について説明する。図2は負圧ダイヤフラム5の要部を示す。負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5B内には、芯金9が一体的に配置される。この芯金9は、金属材料、合成樹脂材料、等のゴム材料より硬度の高い剛性材料によって形成され、少なくとも大径突部5D内に配置される。具体的にこの芯金9は、大径突部5Dの外径Fより小なる径Gを有し、負圧ダイヤフラム5をゴム材料によって成形する際、第2係止突部5B内に一体成形されて配置される。本実施例において、芯金9の一部は小径突部5C内へ進入して配置される。
【0024】
次に、図3から図6によってリテーナ12について説明する。リテーナ12は、長手軸心線X−Xに沿って二分割12A、12Bされて形成され、この二分割された各リテーナ12A、12Bは結合されて単一のリテーナ12を形成する。説明を容易にする為に各リテーナ12A、12Bが結合されて単一のリテーナ12が形成された状態において説明する。リテーナ12は例えばアルミニウム、合成樹脂等の剛性材料よりなり、以下によって形成される。リテーナ12は円柱形状をなし、その中心部分に、第1係止突部4C、第2係止突部5Bの大径突部4E、5Dの外径Fより大なる直径を有する大径孔12Cが長手軸心方向X−Xに沿って穿設され、さらに大径孔12Cの一側Aに形成される第1環状係止段部12Dを介して、一側Aに向けて第1小径孔12Eが開口して形成される。又、大径孔12Cの他側Bに形成される第2環状係止段部12Fを介して、他側Bに向けて第2小径孔12Gが開口して形成される。この第1小径孔12E及び第2小径孔12Gの直径は、第1係止突部4Cの小径突部4D、第2係止突部5Bの小径突部5Cを挿入して保持しうる径に選択されるものであり、且つ大径孔12Cより小径をなす。そして、分割される下方のリテーナ12Bの分割面12Hには、結合孔12Jが穿設され、分割される上方のリテーナ12Aの分割面12Kには前記結合孔12Jに嵌合される結合突部12Lが突出して形成される。すなわち、下方のリテーナ12Bの分割面12Hと上方のリテーナ12Aの分割面12Kとを当接するとともに結合突部12Lを結合孔12J内へ嵌合することによって下方のリテーナ12Bと上方のリテーナ12Aとは結合されて一体のリテーナ12を形成することができる。尚、結合孔12Jと結合突部12Lとの嵌合時に圧縮代をもって嵌合すると、リテーナ12A、12Bの結合を強固に行なうことができる。又、上方のリテーナ12Aと下方のリテーナ12Bの結合手段は適宜選択すればよいもので上記結合方法に限定されない。例えば接着剤を用いてもよい。
【0025】
そしてダイヤフラムアッセンブリーDfは以下によって組みつけられる。分割された下方のリテーナ12Bの半円形をなす第2小径孔12Gに、負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの小径突部5Cを配置するとともに、第2係止突部5Bの大径突部5Dを半円形をなす大径孔12C内に配置する。このとき半円をなす第2環状係止段部12Fに第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eは当接配置される。又、半円形をなす第1小径孔12Eに、燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの小径突部4Dを配置するとともに第1係止突部4Cの大径突部4Eを半円形をなす大径孔12C内に配置する。このとき半円をなす第1環状係止段部12Dに第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fは当接配置される。
【0026】
そして、前記状態にある下方のリテーナ12Bの分割面12H上に臨んで上方のリテーナ12Aの分割面12Kを配置するもので、このとき、上方のリテーナ12Aの半円形をなす第2小径孔12Gは負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの小径突部5Cに臨んで配置され、半円形をなす大径孔12Cに臨んで第2係止突部5Bの大径突部5Dが配置され、半円をなす第2環状係止段部12Fに臨んで第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eが配置される。一方、上方のリテーナ12Aの半円形をなす第1小径孔12Eは燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの小径突部4Dに臨んで配置され、半円形をなす大径孔12Cに臨んで第1係止突部4Cの大径突部4Eが配置され、半円をなす第1環状係止段部12Dに臨んで第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fが配置される。
【0027】
そして、かかる状態において、下方のリテーナ12Bの分割面12Hに上方のリテーナ12Aの分割面12Kを当接するとともに結合孔12J内に結合突部12Lを嵌合配置する。以上によると、下方のリテーナ12Bと上方のリテーナ12Aとは結合されて一体のリテーナ12を形成するもので、このリテーナ12の大径孔12C内に負圧ダイヤフラム5の第2係止突部5Bの大径突部5Dが配置されるとともに第2小径孔12G内に第2係止突部5Bの小径突部5Cが配置され、さらに第2環状係止段部12Fに対向して第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eが配置される。
【0028】
一方、リテーナ12の大径孔12C内に燃料ダイヤフラム4の第1係止突部4Cの大径突部4Eが配置され、第1小径孔12E内に第1係止突部4Cの小径突部4Dが配置され、さらに第1環状係止段部12Dに対向して第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fが配置される。以上によって負圧ダイヤフラム5と燃料ダイヤフラム4とがリテーナ12によって結合された。このダイヤフラムアッセンブリーDfは、図7に示される。
【0029】
そして、このダイヤフラムアッセンブリーDfは、従来と同様に、燃料ダイヤフラム4が弁本体1の平坦面1Bと大気室本体2の一側平坦面2Bとの間に挟持され、負圧ダイヤフラム5が大気室本体2の他側平坦面2Aと負圧室本体3の平坦面3Aとの間に挟持される。
【0030】
而して、負圧導入路3Cを介して負圧室3B内に導入される負圧に応じて負圧ダイヤフラム5が移動すると、この移動は、リテーナ6を介して燃料ダイヤフラム4に伝達されて燃料ダイヤフラム4を負圧ダイヤフラム5と同期して移動させるもので、これによって弁部4Bは負圧室3B内の負圧に応じて燃料弁座1Dを開閉制御する。
【0031】
以上述べた本発明の負圧式燃料弁によると、負圧ダイヤフラム5の少なくとも大径突部5D内に剛性を有する芯金9を配置したので、負圧ダイヤフラム5が高温度状態にさらされてゴム材料が軟化したとしても大径突部5Dの外径Fが内方へ大きく縮小することが抑止される。これは、少なくとも大径突部5Dの内方に芯金9が配置されて大径突部5Dの内方へのゴムの移動を抑止するからである。又、燃料ダイヤフラム4の少なくとも大径突部4E内に剛性を有する芯金9を配置したので、燃料ダイヤフラム4が高温度状態にさらされてゴム材料が軟化したとしても大径突部4Eの外径Fが内方へ大きく縮小することが抑止される。これは、少なくとも大径突部4Eの内方に芯金9が配置されて大径突部4Eの内方へのゴムの移動を抑止するからである。以上の如く、第1係止突部4Cの大径突部4E及び第2係止突部5Bの大径突部5Dの外径Fが内方へ縮小されることが抑止されたことによると、負圧式燃料弁が長期に渡って高温度状態にさらされたとしても、大径突部5D、4Eがリテーナ12の第2小径孔12G、第1小径孔12Eから脱出することがないもので、長期に渡って安定して且つ確実に弁部4Bの開閉機能を保証することができる。
【0032】
又、リテーナ12を二分割12A、12Bとし、分割された状態において、リテーナ12の大径孔12C内に大径突部5D、4Eを配置したのちに二分割12A、12Bされた各リテーナを結合して単一のリテーナ12としたことによると、前記大径突部5D、4Eを小径孔12G、12Eを介することなく大径孔12C内に配置できたもので、これら第1係止突部4C、第2係止突部5Bのリテーナ12内への装着を容易に行なうことができたものである。特に、大径突部5D、4Eを小径孔12G、12Eを介することなく大径孔12C内に配置できたことは、ダイヤフラム4、5の環状係止面部4F、5Eと、リテーナ12の環状係止段部12F、12Dとの当接代(引掛り代)を大きくとることができ、リテーナ12と各ダイヤフラム4、5の係止突部4C、5Bとの結合をより一層強固で且つ確実に行なうことができたものである。
【0033】
又、図9に示されるように、リテーナ12の外周に環状をなす結合リング13を装着すると、分割されたリテーナ12A、12Bのより一層強固な結合を行なうことができる。尚、この結合リング13に長手方向に沿ってスリット溝(図示せず)を入れると、結合リング13のスリット溝の溝幅を拡大しつつリテーナ12の外周に結合リング13を装着できてその装着作業性を向上できる。
【0034】
更に、芯金9の外径Gを各小径突部4D、5Cの外径E以上の直径とすると、各大径突部4E、5Dの外径Fは小径突部4D、5Cの外径E以下に縮小されることは絶対にないもので、これによって大径突部4E、5Dの各小径孔12G、12Eからの脱出をより確実に抑止できる。
【0035】
更に又、負圧ダイヤフラム5、燃料ダイヤフラム4のゴム材料は従来と何等変更する必要がないもので、これによると各ダイヤフラムの動特性に何等悪影響を及ぼすことがなく、従来の円滑なダイヤフラムの動特性を維持できる。
【0036】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる負圧式燃料弁によると、燃料ダイヤフラム及び負圧ダイヤフラムはゴム材料によって形成されるとともに少なくとも第1係止突部、第2係止突部の大径突部内には、剛性材料によりなる芯金が一体成形されて配置され、一方、リテーナは、大径突部の外径より大なる直径を有する大径孔と、大径孔から第1環状係止段部を介して一側に向かい小径突部を保持しうる第1小径孔と、大径孔から第2環状係止段部を介して他側に向かい小径突部を保持しうる第2小径孔とが穿設され、さらに、前記リテーナは、その長手軸心線に沿って結合自在に二分割して形成され、第1係止突部の大径突部、第2係止突部の大径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される大径孔内に配置し、第1係止突部の小径突部、第2係止突部の小径突部を、分割されたリテーナを結合することによって形成される第1小径孔、及び第2小径孔内に配置し、第1係止突部の第1環状係止面部を第1係止段部に対向配置し、第2係止突部の第2環状係止面部を第2係止段部に対向配置したので、負圧式燃料弁が高温度状態にさらされたとしても、負圧ダイヤフラムと燃料ダイヤフラムとをリテーナによって安定して且つ確実に結合保持できるもので長期間に渡って確実な弁部の開閉機能を保証できるものである。
【0037】
又、リテーナが分割された状態において、燃料及び負圧ダイヤフラムの各大径突部及び小径突部が分割された各リテーナの大径孔及び小径孔内に配置され、かかる状態において両リテーナを当接して一体のリテーナとすることによって燃料ダイヤフラムと負圧ダイヤフラムとをリテーナを介して結合できたもので、これによって燃料ダイヤフラムと負圧ダイヤフラムとの結合作業性を大きく向上できたものであり、特に環状係止面部と環状係止段部との当接代を大きくとることができ、それらの結合を一層確実にして且つ強固に行なうことができたものである。
【0038】
又、結合されたリテーナの外周に結合リングを装着することによって、分割されたリテーナの結合をより一層強固に行なうことができる。
【0039】
更に又、芯金の外径を小径突部の外径以上の直径としたことによって、各大径突部が各小径孔より脱出することをより一層抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負圧式燃料弁に用いられる燃料ダイヤフラムの一実施例を示す要部拡大縦断面図。
【図2】本発明の負圧式燃料弁に用いられる負圧ダイヤフラムの一実施例を示す要部拡大縦断面図。
【図3】本発明の負圧式燃料弁に用いられるリテーナの一実施例を示し、且つ分割されるリテーナが結合されて一体の状態を示す側面図。
【図4】図3の右側面図。
【図5】図3のJ−J線における縦断面図。
【図6】図4のK−K線における縦断面図。
【図7】本発明の負圧式燃料弁に用いられるダイヤフラムアッセンブリーの一実施例を示す拡大縦断面図。
【図8】本発明の負圧式燃料弁の一実施例を示す縦断面図。
【図9】本発明の負圧式燃料弁の他の実施例を示す縦断面図。
【図10】従来の負圧式燃料弁を示す縦断面図。
【図11】図10に用いられるダイヤフラムアッセンブリーの拡大縦断面図。
【符号の説明】
4 燃料ダイヤフラム
4C 第1係止突部
4D 小径突部
4E 大径突部
4F 第1環状係止面部
5 負圧ダイヤフラム
5B 第2係止突部
5C 小径突部
5D 大径突部
5E 第2環状係止面部
12 リテーナ
12A、12B 分割されたリテーナ
12C 大径孔
12E 第1小径孔
12G 第2小径孔
12D 第1係止段部
12F 第2係止段部
13 結合リング
Claims (3)
- 燃料流入路と、燃料流出路と、燃料流入路の下流端にあって、燃料流出路に連なる燃料室内に臨んで形成された燃料弁座とを備える弁本体と;
燃料室に臨む大気室を備え、弁本体上に配置される大気室本体と、大気室に臨む負圧室を備え、大気室本体上に配置される負圧室本体と、弁本体と大気室本体とによって挟持されて燃料室と大気室とに区分するとともに燃料室側に、燃料弁座を開閉する弁部を備え、大気室側に小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第1環状係止面部とよりなる第1係止突部を備えた燃料ダイヤフラムと;
大気室本体と負圧室本体とによって挟持されて大気室と負圧室とに区分するとともに大気室側に、小径突部と大径突部と、小径突部と大径突部との間に形成される第2環状係止面部とよりなる第2係止突部を備えた負圧ダイヤフラムと;
大気室内にあって、燃料ダイヤフラムの第1係止突部と、負圧ダイヤフラムの第2係止突部とを結合し、負圧ダイヤフラムと燃料ダイヤフラムとを同期的に連結するリテーナと;
を備え、負圧室内に導入される負圧に応じて燃料ダイヤフラムを動作し、弁部をもって燃料弁座を開閉制御する負圧式燃料弁において、燃料ダイヤフラム4及び負圧ダイヤフラム5はゴム材料によって形成されるとともに少なくとも第1係止突部4C、第2係止突部5Bの大径突部4E、5D内には、剛性材料によりなる芯金9が一体成形されて配置され、一方、リテーナ12は、大径突部4E、5Dの外径Fより大なる直径を有する大径孔12Cと、大径孔12Cから第1環状係止段部12Dを介して一側Aに向かい小径突部4Dを保持しうる第1小径孔12Eと、大径孔12Cから第2環状係止段部12Fを介して他側Bに向かい小径突部5Cを保持しうる第2小径孔12Gとが穿設され、さらに、前記リテーナは、その長手軸心線X−Xに沿って結合自在に二分割12A、12Bして形成され、第1係止突部4Cの大径突部4E、第2係止突部5Bの大径突部5Dを、分割されたリテーナ12A、12Bを結合することによって形成される大径孔12C内に配置し、第1係止突部4Cの小径突部4D、第2係止突部5Bの小径突部5Cを、分割されたリテーナ12A、12Bを結合することによって形成される第1小径孔12E、及び第2小径孔12G内に配置し、第1係止突部4Cの第1環状係止面部4Fを第1係止段部12Dに対向配置し、第2係止突部5Bの第2環状係止面部5Eを第2係止段部12Fに対向配置したことを特徴とする負圧式燃料弁。 - 前記、結合されたリテーナ12A、12Bの外周に結合リング13を嵌合配置したことを特徴とする請求項1記載の負圧式燃料弁。
- 前記、芯金の外径Gを、各小径突部4D、5Cの外径Eより大なる直径としたことを特徴とする請求項1記載の負圧式燃料弁。
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