JP3727594B2 - マイクロミキサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を複数本の流体供給路から1本のミキシング流路内へ導入し、これら流体を層流状態としてミキシング流路内を流通させつつ、流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散し、混合するマイクロミキサーに関し、更に詳しくは、3種類以上の流体の混合に適した構造を有するマイクロミキサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真感光材料に用いられる乳剤製造等の化学産業の分野では、マイクロミキサー又はマイクロリアクターと呼ばれる微小容器を用いた新しい製造プロセスの開発が進められている。マイクロミキサー及びマイクロリアクターには、等価直径が数μm〜数百μm程度の複数本のマイクロチャンネル及び、これらのマイクロチャンネルと繋がる混合空間が設けられており、このマイクロミキサー及びマイクロリアクターでは、複数本のマイクロチャンネルを通して複数の溶液をそれぞれ混合空間へ導入することで、複数の溶液を混合し、又は混合と共に化学反応を生じさせる。なお、マイクロミキサーとマイクロリアクターとは基本的な構造が共通とされているが、特に、複数の溶液を混合する際に化学反応を伴うものをマイクロリアクターと言う場合がある。このことから、マイクロミキサーには、マイクロリアクターが含まれるものとして以下の説明を行う。このようなマイクロミキサーとしては、例えば、特表平9−512742号、PCT国際公開WO 00/62913号公報に開示されているものがある。これらのマイクロミキサーは、何れも、2種類の溶液をそれぞれ微細なマイクロチャンネル等と呼ばれる流路を通し、極めて薄い薄片状の断面を有する層流として混合空間内へ供給することで、この混合空間内で二種類の溶液同士を混合及び反応させるものである。
【0003】
次に、上記のようなマイクロミキサーによる混合及び反応がタンク等を用いたバッチ方式と異なる点を説明する。すなわち、液相の化学反応は、一般に反応液の界面において分子同士が出会うことによって反応が起こるので、微小空間内で反応を行うと相対的に界面の面積が大きくなり、反応効率は著しく増大する。また分子の拡散そのものも拡散時間は距離の二乗に比例する。このことは、スケールを小さくするに従って反応液を能動的に混合しなくても、分子の拡散によって混合が進み、反応が起こり易くなることを意味している。また、微小空間においては、スケールが小さいために層流支配の流れとなり、溶液同士が層流状態となって拡散混合される。
【0004】
上記のような特徴を有するマイクロミキサーを用いれば、例えば、タンク等を用いた従来のバッチ方式と比較し、溶液同士の反応時間及び温度の高度制御が可能になり、また一次生成物が反応容器内に滞留する間に引き続き反応を受けてしまうことを抑止できるので、従来では取り出すことが困難であった純粋な一次生成物を取り出すことも可能になる。また、実験的な製造設備により製造された少量の化学物質を大規模の製造設備により多量に製造(スケールアップ)する際には、従来、実験的な製造設備に対し、大規模の製造設備での再現性を得るために多大の労力及び時間を要していたが、必要となる製造量に応じてマイクロミキサーからなる製造ラインを並列化することにより、このような再現性を得るための労力及び時間を大幅に減少できる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような化学物質の製造プロセスにおいては、3種類以上の溶液を急速に混合及び反応させることが要求されることがあるが、特表平9−512742号、WO 00/62913号等に開示された従来のマイクロミキサーは、2種類の溶液を混合及び反応させるためのものである。このため、従来のマイクロミキサーにより3種類以上の溶液を混合及び反応させる場合には、2個以上のマイクロミキサーを配管等により直列的に接続した流体回路を構成し、この流体回路により3種類以上の溶液を段階的に混合及び反応させる必要があった。しかし、流体回路では、上流側に配置されたマイクロミキサーと下流側に配置されたマイクロミキサーとの距離を短縮することには限界があり、2種類の溶液の混合容器に他の溶液を混合するまでには一定の時間を要し、3種類の溶液を同時に混合することはできない。また流体回路では、供給される溶液の種類が増加するに従って回路を構成する素子(マイクロミキサー)の個数が増加し、回路構造が複雑になってしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、混合する流体が3種類以上である場合でも、混合する流体の種類に等しい本数の流体供給路をミキサー本体に簡単に形成でき、これらの流体供給路から流体をそれぞれ薄片状の層流としてミキシング流路へ供給できるマイクロミキサーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイクロミキサーでは、ベースプレートの表面部に沿って形成された第1の流体供給路に、ベースプレートの表面部に開口しミキサー本体の外部から流体が供給される第1のヘッダ部及び、この第1のヘッダ部と繋がりベースプレートの表面部に開口するスリット状の第1の供給口が設けられると共に、ベースプレートに形成された第2の流体供給路に、ベースプレートの裏面部に開口しミキサー本体の外部から流体が供給される第2のヘッダ部及び、ベースプレートを貫通する貫通部を介して第2のヘッダ部と繋がり、第1の供給口と幅方向に沿って隣接するようにベースプレートの表面部に開口するスリット状の第2の供給口が設けられていることにより、第2の流体供給路におけるヘッダ部及びこのヘッダ部を第2の供給口へ繋げる微細な溝部(マイクロチャンネル部)をベースプレートの表面部に形成する必要がなくなる。
【0008】
従って、スペース的な制約によりベースプレートの表面部に第1の流体供給路を2本以下しか形成できない場合でも、ベースプレートの表面部に1μm〜500μmの微小な開口幅しかない第2の供給口を開口させることにより、第1の供給口及び第2の供給口を通して流体をミキシングプレートに形成されたミキシング流路へ導入できるので、ベースプレートに1本又は2本の第2の流体供給路を形成すれば、第1及び第2の流体供給路を通して2種類乃至4種類の流体をミキシング流路へ導入し、これらの流体を第1及び第2の供給口の開口幅に対応する微小幅の層流としてミキシング流路内を流通させつつ、これらの流体同士を拡散混合できるようになる。
【0009】
また本発明に係るマイクロミキサーによれば、特に、流体供給路における供給口がヘッダ部から複数に分岐して櫛歯状に配置される場合には、異なる流体供給路に繋がった複数の供給口を互い違いに配置しつつ、ベースプレートの片側の面(表面部又は裏面部)に形成できる流体供給路の最大本数は事実上、2本に制限されてしまうので、このような場合でも、3種類又は4種類の流体が混合可能なマイクロミキサーを簡単に実現できる。
【0010】
また本発明に係るマイクロミキサーにおいて、外部から複数の流体供給路に供給される流体としては、例えば、液体、気体、液体中に金属微粒子等が分散された固液混合物、気体中に金属微粒子等が分散された固気混合物、液体中に気体が溶解せずに分散した気液混合物等も対象となり、また流体の種類が異なるとは、化学組成が異なる場合のみならず、例えば、温度、固液比等の状態が異なる場合も含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るマイクロミキサーについて図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1及び図2には本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの一例が示されている。このマイクロミキサー10は、3種類の溶液L1、L2、L3を同時に混合し、これらの溶液L1、L2、L3が均一に混合された溶液LMを生成するためのものである。ここで、マイクロミキサー10により溶液L1、L2、L3を混合する際には、溶液L1、L2、L3間に化学反応が生じる場合と生じない場合とが考えられるが、本実施形態に係るマイクロミキサー10は何れの場合にも用いることができる。
【0013】
図1に示されるように、マイクロミキサー10は全体として略円柱状に形成されており、ベースプレート12、ミキシングプレート14及びカバープレート16,18がプレートの厚さ方向(矢印T方向)に沿って積層されて構成されている。これら4枚のプレート10,12,14,16は、それぞれ外径が同一寸法とされた円板状に形成されている。ここで、ベースプレート12及びミキシングプレート14は溶液L1、L2、L3を混合するためのミキサー本体20を構成しており、カバープレート16,18は、ミキサー本体20を厚さ方向に沿って両側から挟持するように配置されている。なお、図1(B)の紙面上、各プレート10,12,14,16における上側にそれぞれ位置する面を表面部と言い、下側にそれぞれ位置する面を裏面部と言うものとする。
【0014】
カバープレート16、ミキシングプレート14及びベースプレート12には、その外周部に厚さ方向へ貫通する複数の挿通穴22,24,26が穿設され、カバープレート18の外周部には、複数の挿通穴22,24,26にそれぞれ対応するように複数のねじ穴28が厚さ方向に沿って穿設されている。プレート10,12,14,16は、その挿通穴22,24,26及びねじ穴28が一致するように積層された後、連結ボルト30がカバープレート16側から挿通穴22,24,26内へ挿入され、カバープレート18のねじ穴28内へねじ込まれることにより、連結ボルト30により連結されマイクロミキサー10として組み立てられている。
【0015】
図1(B)に示されるように、カバープレート16の裏面部16B、ミキシングプレート14の裏面部14B、カバープレート18の表面部18Aには、それぞれ挿通穴24,26又はねじ穴28に対して僅かに内周側に周方向に沿って環状溝32が形成されており、これらの環状溝32内には、それぞれシリコンゴム等の弾性材料により成形されたOリング34(図2参照)が嵌挿されている。これらの3個のOリング34は、それぞれプレート14,16間、プレート12,14間及びプレート12,18間で厚さ方向に沿って圧縮状態とされ、プレート12,14、プレート14,16及びプレート12,18における面間からの溶液L1,L2,L3,LMの漏洩を防止している。
【0016】
図2に示されるように、ベースプレート12の表面部12Aには、凹状の給液路36が形成されている。給液路36には、表面部12Aの外周寄りの部位にヘッダ部38が設けられており、このヘッダ部38は、面方向に沿った形状が外周側から中心側へ向って幅が広くなる扇状とされている。また給液路36には、ヘッダ部38の中心側の端部から延出する複数本(図2では6本)のマイクロチャンネル部40が一体的に形成されている。これらのマイクロチャンネル部40は、それぞれベースプレート12の径方向に沿って互いに平行に延在する細長い溝状に形成され、全体としては櫛歯状の配置になっている。複数本のマイクロチャンネル部40は、それぞれベースプレート12の表面部12Aにスリット状の給液口42を開口させており、これらの給液口42の開口幅W1(図2参照)は、溶液L1の種類、供給量等に応じて1μm以上で500μm以下の範囲で適宜設定される。またマイクロチャンネル部40の深さも、溶液L1の供給量に応じて適宜設定されるが、好ましくは開口幅W1の1倍以上、更に好ましくは開口幅W1の2倍以上となるように設定される。またヘッダ部38から延出するマイクロチャンネル部40の本数も溶液L1の供給量に応じて適宜設定され、開口幅W1が一定である場合には、供給量の増加に従って本数を増加する必要がある。
【0017】
図3(D)及び図4に示されるように、ベースプレート12の裏面部12Bにはそれぞれ凹状とされた一対の給液路44,54が形成されている。これらの給液路44,54にも、表面部12Aにおける給液路36と同様な形状を有するヘッダ部46,56が形成されており、これらのヘッダ部46,56は、マイクロミキサー10の軸心Sを中心として互いに対称的に配置されている。一方の給液路44には、ヘッダ部46の中心側の端部から複数本(図3及び図4では6本)のマイクロチャンネル部48が一体的に形成されている。これらのマイクロチャンネル部48は、それぞれ径方向に沿って互いに平行に延在する細長い溝状に形成され、全体としては櫛歯状の配置になっている。これらのマイクロチャンネル部48は、それぞれ給液路36のマイクロチャンネル部40に対し、チャンネル幅方向(矢印W方向)に沿って所定距離だけ偏倚し、かつチャンネル長方向(矢印E方向)ではマイクロチャンネル部40と略一致するように配置されている。
【0018】
また、他方の給液路54にも、ヘッダ部56の中心側の端部から複数本(図3及び図4では6本)のマイクロチャンネル部58が一体的に形成されている。これらのマイクロチャンネル部58は、それぞれ径方向に沿って互いに平行に延在する細長い溝状に形成され、全体としては櫛歯状の配置になっている。これらのマイクロチャンネル部58は、それぞれチャンネル幅方向に沿ってマイクロチャンネル部40とマイクロチャンネル部48との中間に位置し、かつチャンネル長方向ではマイクロチャンネル部48,58と略一致するように配置されている。ここで、ベースプレート12の表面部12Aにミキシングプレート14の裏面部14Bが密着することにより、この裏面部14Bにより給液路36のミキシングプレート14側の開口が閉塞され、給液路36内に外部から区画された空間が形成される。またベースプレート12の裏面部12Bにカバープレート18の表面部18Aが密着することにより、この表面部18Aにより給液路44,54のカバープレート18側の開口が閉塞され、給液路44,54内に外部から区画された空間がそれぞれ形成される。
【0019】
図3(B)及び(C)に示されるように、給液路44,54には、それぞれマイクロチャンネル部48,58の底面部分から厚さ方向に沿ってベースプレート12の表面部12Aへ貫通する貫通部50,60が形成されている。これら貫通部50,60の表面部12Aの開口端は、チャンネル長方向に沿って細長いスリット状の給液口52,62とされている。これらの給液口52,62は、図3(A)に示されるように給液路36の給液口42と平行に延在している。また3種類の給液口42,52,62は、チャンネル幅方向に沿って互い違いとなるように配置されている。ここで、給液口52,62のチャンネル幅方向に沿った開口幅W2、W3は、給液口42と同様に、溶液L2、L3の種類、供給量等に応じて1μm以上で500μm以下の範囲で適宜設定されるが、本実施形態では開口幅W1、W2、W3が同一寸法とされている。また3種類の給液口42,52,62間のチャンネル幅方向に沿ったピッチは、淀みの発生を抑制して溶液L1,L2,L3の混合時間を短縮する観点からは、可能な限り狭いことが望ましい。
【0020】
図2及び図5に示されるように、ミキシングプレート14の中央部には裏面部14Bから表面部14Aへ貫通するミキシング流路64が穿設されている。このミキシング流路64は、その断面形状が給液口42,52,62と直交する方向(チャンネル幅方向)に沿って細長く、チャンネル長方向における開口幅が狭いスリット状とされている。ミキシング流路64は、チャンネル幅方向に沿った開口長が裏面部14Bから表面部14Aへ向ってテーパ状に狭くなっており、裏面部14B及び表面部14Aにそれぞれチャンネル幅方向へ細長い入液口66及び出液口68を開口させている。入液口66は、ベースプレート12の給液口42,52,62と正対し、給液口42,52,62の中央部をチャンネル幅方向に沿って横断するように配置されている。これにより、給液路36,44,54は、給液口42,52,62が中央部のみが入液口66によりミキシング流路64へ連通する状態となる。ここで、ミキシング流路64のチャンネル長方向に沿った開口幅W4(図2参照)は、給液口42,52,62の開口幅W1、W2、W3、給液口42,52,62からの溶液L1、L2、L3の給液量等に応じて1μm〜500μmの範囲内で適宜設定される。
【0021】
図1に示されるように、下側のカバープレート18には、厚さ方向に沿って2本の注液穴70,72が穿設されており、これらの注液穴70,72はカバープレート18を貫通している。注液穴70,72の一端部はそれぞれ給液路44,54におけるヘッダ部46,56に接続され、また他端部にはそれぞれ雌ねじ部70A,72Aが形成されている。これらの雌ねじ部70A,72Aには、筒状に形成されたニップル部材74の雄ねじ部がねじ込まれている。一対の注液穴70,72には、一対のニップル部材74を介してそれぞれ給液配管(図示省略)が接続され、これら一対の給液配管を通して加圧状態の溶液L2,L3が供給される。
【0022】
ミキシングプレート14及び上側のカバープレート16にも、厚さ方向に沿って注液穴76,78が厚さ方向に沿って穿設され、これらの注液穴76,78は、それぞれミキシングプレート14及びカバープレート16を貫通すると共に、ミキシングプレート14とカバープレート16の裏面部16Bとの面間で互いに接続されている。注液穴76の一端部は給液路36におけるヘッダ部38に接続され、また注液路78の他端部には雌ねじ部78Aが形成されている。この雌ねじ部78Aには、ニップル部材74の雄ねじ部がねじ込まれている。注液穴76,78には、ニップル部材74を介して給液配管(図示省略)が接続され、この給液配管を通して加圧状態の溶液L1が供給される。またカバープレート16の裏面部16Bには、注液路78の外周側に環状溝が形成されており、この環状溝内には、図1(B)に示されるようにOリング19が挿入され、このOリング19はカバープレート19とミキシングプレート14との間で軸方向へ圧縮されている。これにより、注液路76,78内を流通する溶液L3がカバープレート16の裏面部16Bとミキシングプレート14の表面部14Aとの間から洩れることが防止されている。
【0023】
図1に示されるように、上側のカバープレート16には、軸心Sに沿って出液穴80が穿設されており、この出液穴80はカバープレート16を貫通している。出液穴80の一端部はミキシング流路64の出液口68に接続され、また他端部には雌ねじ部80Aが形成されている。この雌ねじ部80Aには、筒状に形成されたニップル部材82の雄ねじ部がねじ込まれている。出液穴80にはニップル部材82を介して出液配管(図示省略)が接続される。これにより、3種類の溶液L1,L2,L3が混合された溶液LMは、カバープレート16の出液穴80を通して出液配管内へ送り出され、この出液配管を通して次の処理工程が行われる他のマイクロミキサーや溶液LMを貯留する溶液タンク等へ送られる。
【0024】
上記のように構成された本実施形態に係るマイクロミキサー10では、注液穴70,72,76,78を通してベースプレート12の表面部12A及び裏面部12Bにそれぞれ形成されたヘッダ部38,46,56に溶液L1〜L3を供給することにより、これらの溶液L1〜L3がマイクロチャンネル部40,48,58の給液口42,52,62を通ってミキシング流路64内へ導入される。このとき、給液口42,52,62の開口幅W1〜W3が1μm〜500μmという微小幅とされていることから、給液口42,52,62からミキシング流路64内へ吐出され溶液L1〜L3は、それぞれ開口幅W1〜W3に対応する幅を有する薄片状の層流となって入液口66から出液口68側へ流れつつ、各層流の界面ではその法線方向に沿って分子拡散が生じて溶液L1〜L3が混合し、出液口68の手前側で溶液L1〜L3が均一に混合された溶液LMが生成される。従って、マイクロミキサー10によれば、3種類の溶液L1〜L3をミキシング流路64内で同時に混合し、これらが均一に混合し、又は混合と共に所要の化学反応が完了した溶液LMをニップル部材82に接続された出液配管へ供給できる。
【0025】
次に、本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの変形例について説明する。図6及び図7には、それぞれ本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの変形例が示されている。
【0026】
図6に示されるマイクロミキサー86は、図1及び図2に示されるマイクロミキサー10と同様に、3種類の溶液L1,L2,L3を混合して溶液LMを生成するためのものである。このマイクロミキサー86におけるマイクロミキサー10に対する主要な変更点は、ベースプレート12の裏面部12Bに形成された1本の給液路54が省略されている点及び、ベースプレート12の表面部12Aに給液路88が追加して形成されている点である。
【0027】
ベースプレート12の表面部12Aに追加形成された給液路88は、他方の給液路36と同様に、ヘッダ部90及びマイクロチャンネル部92を備えており、軸心Sを中心として他方の給液路36と対称的に配置されている。これらの主要な変更点に対応して、マイクロミキサー86では、下側のカバープレート18を貫通する1本の注液穴72が省略されると共に、ミキシングプレート14及び上側のカバープレート16にそれぞれ注液穴96,98が追加して追加して穿設されている。この注液穴96,98は、他方の注液穴76,78と同様な形状とされており、その一端部が表面部12Aに追加形成された給液路88ヘッダ部90に接続されており、また他端部には雌ねじ部(図示省略)が形成され、この雌ねじ部には、他の注液穴76,78と同様に、ニップル部材74(図1参照)がねじ込まれている。注液穴96,98にはニップル部材74を介して給液配管(図示省略)が接続され、この給液配管を通して加圧状態の溶液L3が供給される。
【0028】
図6(A)に示されるように、ベースプレート12の表面部12Aに形成された給液路36のマイクロチャンネル部40と給液路88のマイクロチャンネル部92とは、チャンネル幅方向に沿って互いに隣接するように配置され、それぞれ表面部12Aに給液口42及び給液口94を開口させている。ここで、給液口94のチャンネル幅方向に沿った開口幅W5は、他の給液口42と同様に、溶液L3の種類、供給量等に応じて1μm以上で500μm以下の範囲で適宜設定される。またマイクロチャンネル部92の深さも、他のマイクロチャンネル部40と同様に、好ましくは開口幅W1の1倍以上、更に好ましくは開口幅W4の2倍以上となるように設定される。これらの給液口42,94と裏面部12Bに形成された給液路44に繋がった給液口52とは、チャンネル幅方向に沿って互い違いとなるように配置されている。これらの給液口42,52,94はそれぞれミキシング流路64の入液口66に接続される。これにより、L1,L2,L3は、給液口42,52,94及び入液口66を通して給液路36,44,88からミキシング流路64内へ導入され、このミキシング流路64内を通って溶液LMとして出液配管へ供給される。
【0029】
上記のように構成された本実施形態に係るマイクロミキサー86によっても、図1及び図2に示されるマイクロミキサー10と同様に、3種類の溶液L1〜L3をミキシング流路64内で同時に混合し、これらが均一に混合し、又は混合と共に所要の化学反応が完了した溶液LMをニップル部材82に接続された出液配管へ供給できる。
【0030】
図7に示されるマイクロミキサー100は、4種類の溶液L1,L2,L3,L4を混合して溶液LMを生成するためのものである。このマイクロミキサー100におけるマイクロミキサー10に対する主要な変更点は、ベースプレート12の表面部12Aに給液路102が追加して形成されている点である。
【0031】
ベースプレート12の表面部12Aに形成された給液路102は、他方の給液路36と同様に、ヘッダ部104及びマイクロチャンネル部106を備えており、軸心Sを中心として他方の給液路36と対称的に配置されている。この主要な変更点に対応して、マイクロミキサー100では、ミキシングプレート14及び上側のカバープレート16にそれぞれ互いに連通する注液穴96,98が追加して追加して穿設されている。この注液穴96,98は、他方の注液穴76,78と同様な形状とされており、その一端部が表面部12Aに追加形成された給液路102のヘッダ部104に接続されている。また注液穴98の他端部には雌ねじ部(図示省略)が形成され、この雌ねじ部にはニップル部材74(図1参照)がねじ込まれている。注液穴96,98にはニップル部材74を介して給液配管(図示省略)が接続され、この給液配管を通して加圧状態の溶液L4が供給される。
【0032】
図7(A)に示されるように、ベースプレート12の表面部12Aに形成された給液路36のマイクロチャンネル部40と給液路102のマイクロチャンネル部106とは、チャンネル幅方向に沿って給液口52又は給液口62を挟んで互いに隣接するように配置され、それぞれ表面部12Aに給液口42及び給液口94を開口させている。ここで、給液口94のチャンネル幅方向に沿った開口幅W6は、他の給液口42,52,62と同様に、溶液L4の種類、供給量等に応じて1μm以上で500μm以下の範囲で適宜設定される。これらの給液口42,52,62,98は、チャンネル幅方向に沿って互い違いとなるように配置されている。これら4種類の給液口42,52,62,94はそれぞれミキシング流路64の入液口66に接続される。これにより、給液配管を通して給液路36,44,54,102内にそれぞれ供給されたL1,L2,L3,L4は、給液口42,52,62,94及び入液口66を通してミキシング流路64内へ導入され、ミキシング流路64内を通って溶液LMとして出液配管へ供給される。
【0033】
上記のように構成された本実施形態に係るマイクロミキサー100によれば、4種類の溶液L1〜L4をミキシング流路64内で同時に混合し、これらが均一に混合し、又は混合と共に所要の化学反応が完了した溶液LMをニップル部材82に接続された出液配管へ供給できる。
【0034】
次に、本実施形態に係るマイクロミキサー10,86,100の製造方法について説明する。マイクロミキサー10,86,100を構成する各プレート10,12,14,16の素材については、強度、溶液L1〜L4に対する耐腐食性等の化学的安定性、溶液L1〜L4との接触界面における流動性等を考慮する必要があり、具体的には、例えば、ステンレス(SUS系)、非鉄金属材料、ファインセラミックス、特殊セラミックス、プラスチック等が用いられ、これらの素材に必要に応じてコーティング等の表面処理が施されたものがプレート10,12,14,16の素材として用いられる。これらの素材及びこれらの素材を加工するための主な加工法を下記の(表1)に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003727594
例えば、ベースプレート12を金属材料により形成した場合に、このベースプレート12には、次の▲1▼〜▲3▼に記載された方法により給液路36を加工することができる。
【0036】
▲1▼ ベースプレート12の表面部12Aに放電加工によりマイクロチャンネル部40を掘り込んで形成した後、ヘッダ部38の開口形状に対応する面形状を有する電極を用いて表面部12Aを型削り放電加工してヘッダ部38を形成する。
【0037】
▲2▼ ベースプレート12の表面部12Aに型削り放電加工によりヘッダ部38を形成した後、マイクロチャンネル部40をその開口幅W1に対応する数μm〜20μm程度の直径を有する微細電極を用いた放電加工により形成する。
【0038】
▲3▼ マイクロチャンネル部40の開口幅W1が10μm程度より広い場合は、ベースプレート12の表面部12Aに、マイクロチャンネル部40の溝形状に対応する電極を用いた微細放電加工によりマイクロチャンネル部40を形成するか、超精密機械加工(マイクロ切削加工)を用いてマイクロチャンネル部40を形成した後、型削り放電加工によりヘッダ部38を形成する。
【0039】
なお、ベースプレート12に給液路44,54を形成する場合には、上記▲1▼〜3記載の何れかの方法により方法によりベースプレート12の裏面部12Bにマイクロチャンネル部48,58及びヘッダ部46,57を形成した後、微細電極を用いた放電加工によりマイクロチャンネル部48,58の底面部分から表面部12Aへ貫通する貫通部50,60を形成することで、これらの給液路44,54も形成できる。
【0040】
またベースプレート12がガラス等の導電性の無い素材により形成されている場合には、給液路36,44,54,88,100は、例えば、超精密切削加工、超精密研削加工、ICP等のドライエッチング加工によりベースプレート12に形成することが可能である。
【0041】
また、マイクロミキサー10,86,100では、マイクロチャンネル部40,48,58,92,106の等価直径(チャンネルの断面形状を円形に換算した場合の内径)が小さくなるに従って、溶液L1〜L4の粘性の影響が増大して流動性が悪化するおそれがある。このような流動性の低下は、例えば、マイクロチャンネル部40,48,58,92,106の内面を、酸性溶液等の薬液を用いた湿式研磨によりRmax≦0.2μmの超平滑面に仕上げるか、これとは逆に、梨地処理等の粗面化処理を施すことで、効果的に抑制することが可能である。さらにマイクロチャンネル部40,48,58,92,106の内面に、Si34、SiO2、Al23等のセラミックスコーティングを施すことも流動性の低下防止に有効であり、また流動性の低下防止に有効な素材としては、例えば、SUS316が挙げられる。
【0042】
また、特に腐食性が強い溶液L1〜L4を処理することが考えられる場合には、各プレート12,14,16,18における溶液L1〜L4との接触部にテフロン(R)、TiN、SiC等のコーティングを施すか、金(Au)等の化学的安定性の高い金属をメッキすることにより、腐食性を有する溶液L1〜L4に対する耐蝕性を上できる。
【0043】
(第2の実施形態)
図8には本発明の第2の実施形態に係るマイクロミキサーが示されている。このマイクロミキサー110は、8種類のL1〜L8を混合して溶液LMを生成するためのものである。なお、図8に示されるマイクロミキサー110において、第1の実施形態に係るマイクロミキサー10,86,100と構成及び作用が共通の部材については同一符合を付して説明を省略する。
【0044】
本実施形態に係るマイクロミキサー110では、図8(B)に示されるように、ミキサー本体112がシールプレート122を介して2枚のベースプレート114,116が積層され、さらにベースプレート116上に1枚のミキシングプレート14が積層されて構成されている。マイクロミキサー110は、ミキサー本体112の両側にそれぞれカバープレート16,18が積層され、これらが連結ボルト(図示省略)により連結されることより組み立てられている。図8(B)で下側に示されたベースプレート114には、その表面部114Aに一対の給液路118,124が形成されると共に裏面部114Bに一対の給液路130,136が形成されている。下側のベースプレート114と同様に、上側に示されたベースプレート116にも、その表面部116Aに一対の給液路148,154が形成されると共に裏面部116Bに一対の給液路160,166が形成されている。
【0045】
下側のベースプレート114に形成された給液路118,124及び給液路130,136は、基本的には、第1の実施形態に係るマイクロミキサー100のベースプレート12に形成された給液路44,54及び給液路36,102と同一構造とされており、それぞれヘッダ部119,125,131,137、こららのヘッダ部119,125,131,137の内周側の端部から延出する複数本(本実施形態では2本)のマイクロチャンネル部120,126,132,138及び、マイクロチャンネル部132,138の底面部分から表面部114Aに貫通する貫通部133,139を備えている。
【0046】
ここで、下側のカバープレート18及びベースプレート114には、一端部がヘッダ部119,125,131,137に接続され、他端部がマイクロミキサー110の外部へ開口する4本の注液穴142,143,144,145が穿設されている。これらの注液穴142,143,144,145の他端部には給液配管(図示省略)が接続され、これらの給液配管及び注液穴142,143,144,145を通してヘッダ部119,125,131,137には溶液L1〜L4がそれぞれ供給される。
【0047】
上側のベースプレート116に形成された給液路148,154及び給液路160,166も、基本的には、第1の実施形態に係るマイクロミキサー100のベースプレート12に形成された給液路44,54及び給液路36,102と同一構造とされており、それぞれヘッダ部149,155,161,167、これらのヘッダ部149,155,161,167の内周側の端部から延出する複数本(本実施形態では2本)のマイクロチャンネル部150,156,162,168及び、マイクロチャンネル部162,168の底面部分から表面部116Aに貫通する貫通部163,169(図8(B)参照)を備えている。
【0048】
ここで、上側のカバープレート16、ミキシングプレート14及び上側のベースプレート116には、一端部がヘッダ部149,155,161,167に接続され、他端部がマイクロミキサー110の外部へ開口する4本の注液穴(図示省略)が穿設されている。これらの注液穴172,173,174,175の他端部には給液配管(図示省略)が接続され、これらの給液配管及び注液穴172,173,174,175を通してヘッダ部149,155,161,167には溶液L5〜L8がそれぞれ供給される。
【0049】
上側のベースプレート116には、図8(B)に示されるように、その裏面部116Bから表面部116Aに貫通する延長路178,180,182,184が穿設されている。ここで、延長路178,180は、その下側の開口端がベースプレート114の表面部114Aに開口する貫通部133,139に接続されると共に、上側の開口端がベースプレート116の表面部116Aに開口して給液口179,181を形成している。また延長路182,184は、その下側の開口端がベースプレート114の表面部114Aに開口するマイクロチャンネル部120,126に接続されると共に、上側の開口端がベースプレート116の表面部116Aに開口して給液口183,185を形成している。またシールプレート122には、貫通部133,139及びマイクロチャンネル部120,126との対向部分に厚さ方向へ貫通する開口部が形成されており、これらの開口部は、それぞれ延長路178,180,182,184の一部を構成している。
【0050】
従って、上側のベースプレート116の表面部116Aには、その表面部116A及び裏面部116Bに形成された給液路148,154及び給液路160,166にそれぞれ繋がった給液口151,157及び給液口164,170が開口すると共に、延長路178,180,182,184を介して下側のベースプレート114の表面部114A及び裏面部114Bに形成された給液路118,124及び給液路130,136にそれぞれ繋がった給液口179,181及び給液183,185が開口する。これらの給液口151,157,164,170,179,181,183,185は、チャンネル幅方向に沿って互い違いとなるように配置されており、その開口幅がそれぞれ1μm〜500μm範囲で適宜設定される。これらの開口幅は、基本的に第1の実施形態に係るマイクロミキサー10,86,100の場合と同様な方法により設定される。
【0051】
ベースプレート116に開口する給液口151,157,164,170,179,181,183,185は、それぞれミキシングプレート14に形成されたミキシング流路64の入液口66に接続される。これにより、ヘッダ部119,125,131,137,149,155,161,167にそれぞれ供給された溶液L1〜L8は、給液口151,157,164,170,179,181,183,185及び入液口66を通してミキシング流路64内へ導入され、このミキシング流路64内を通って溶液LMとして出液配管へ供給される。
【0052】
上記のように構成された本実施形態に係るマイクロミキサー110によれば、8種類の溶液L1〜L8をミキシング流路64内で同時に混合し、これらが均一に混合し、又は混合と共に所要の化学反応が完了した溶液LMを出液穴80に接続された出液配管へ供給できる。またマイクロミキサー110により処理する溶液の種類が8種類よりも少ない場合、すなわち5〜7種類の場合には、溶液の種類に応じて給液路118,124,130,136,142,148,154,160,166の両端部を1本〜3本塞ぐことで、マイクロミキサー110により5〜7種類の溶液が混合された溶液LMを生成できるようになる。
【0053】
以上説明した本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサー10、86,100によれば、ベースプレート12の表面部12Aに1本又は2本の給液路36,88,102を形成すると共に、裏面部12Bに1本又は2本の給液路44,54におけるヘッダ部46,56及びマイクロチャンネル部48,58を形成し、このマイクロチャンネル部48,58の底面部分から表面部12Aへ貫通する貫通部50,60をベースプレート12に穿設することにより、給液路44,54についてはそのヘッダ部46,56及びマイクロチャンネル部48,58をベースプレート12の表面部12Aに形成する必要がなくなる。
【0054】
従って、ベースプレート12の表面部12Aには、給液路44,54に繋がる給液口52,62を開口させるだけで、3種類又は4種類の溶液L1〜L4をミキシングプレート14に形成されたミキシング流路64へ導入して拡散混合できるようになる。
【0055】
また、本発明の第2の実施形態に係るマイクロミキサー110によれば、第1の実施形態に係るマイクロミキサー100におけるベースプレート12と略同一構造の2枚のベースプレート114,116及びミキシングプレート14を積層してミキサー本体112を構成することで、5種類〜8種類の溶液L1〜L8をミキシングプレート14に形成されたミキシング流路64へ導入して拡散混合できるようになる。
【0056】
なお、以上説明した第1及び第2の実施形態に係るマイクロミキサー10,86,100,110では、複数種類の溶液が層流状態となってミキシング流路64を流通する際には、複数種類の溶液からなる層流がミキシング流路64内で対称的で、かつ各溶液からなる層流数が等しくなるような配置(例えば、L1−L2−L3−L1−・・・)とされていたが、ミキシング流路64内において複数種類の溶液を必ずしもこのような配置とする必要はなく、所定の2種類の溶液からなる層流間に他の溶液からなる層流が常に介在(例えば、L1−L3−L2−L3−L1−L3−L2−・・・)するように、ミキシング流路64内に複数種類の溶液を供給しても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るマイクロミキサーによれば、混合する流体が3種類以上である場合でも、混合する流体の種類に等しい本数の流体供給路をミキサー本体に簡単に形成でき、これらの流体供給路から流体を薄片状の層流としてミキシング流路へ供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの一例についての構成を示す平面図及び側面断面図である。
【図2】 図1に示されるようにマイクロミキサーの分解斜視図である。
【図3】 図1に示されるマイクロミキサーにおけるベースプレートの構成を示す平面部及び側面断面図である。
【図4】 図1に示されるマイクロミキサーにおけるベースプレートの裏面部を示す斜視図である。
【図5】 図1に示されるマイクロミキサーの構成を模式的に示す側面断面図であり、マイクロミキサーにおける混合前後の溶液の流れが示されている。
【図6】 本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの変形例についての構成を示す平面図及び側面断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態に係るマイクロミキサーの変形例についての構成を示す平面図及び側面断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係るマイクロミキサーについての構成を示す平面図及び側面断面図である。
【符号の説明】
10 マイクロミキサー
12 ベースプレート
12A 表面部(ベースプレート)
12B 裏面部(ベースプレート)
14 ミキシングプレート
14A 表面部(ミキシングプレート)
14B 裏面部(ミキシングプレート)
20 ミキサー本体
36 給液路(第1の流体供給路)
38 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
40 マイクロチャンネル部)
42 給液口(第1の供給口)
44 給液路(第2の供給口)
46 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
48 マイクロチャンネル部
52 給液口(第2の供給口)
54 給液路(第2の流体供給路)
56 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
58 マイクロチャンネル部
62 給液口(第2の供給口)
64 ミキシング流路
66 入液口
68 出液口
86 マイクロミキサー
88 給液路(第1の流体供給路)
90 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
92 マイクロチャンネル部
94 給液口(第1の給液口)
100 マイクロミキサー
102 給液路(第1の流体供給路)
104 ヘッダ部
110 マイクロミキサー
112 ミキサー本体
114 ベースプレート
114A 表面部(ベースプレート)
114B 裏面部(ベースプレート)
116 ベースプレート
116A 表面部(ベースプレート)
116B 裏面部(ベースプレート)
118 給液路(第1の流体供給路)
119 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
120 マイクロチャンネル
121 給液口(第1の供給口)
124 給液路(第1の流体供給路)
125 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
126 マイクロチャンネル
127 給液口(第1の供給口)
130 給液路(第2の流体供給路)
131 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
132 マイクロチャンネル
133 貫通部
136 給液路(第2の流体供給路)
137 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
138 マイクロチャンネル
139 貫通部
148 給液路(第1の流体供給路)
149 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
150 マイクロチャンネル
151 給液口(第1の供給口)
154 給液路(第1の流体供給路)
155 ヘッダ部(第1のヘッダ部)
156 マイクロチャンネル
157 給液口(第1の供給口)
160 給液路(第2の流体供給路)
161 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
162 マイクロチャンネル
163 貫通部
164 給液口(第2の供給口)
166 ヘッダ部(第2のヘッダ部)
167 マイクロチャンネル
168 貫通部
169 給液口(第2の供給口)
178,180,182,184 延長路
180,182,184,186 給液口

Claims (4)

  1. 流体を複数の流体供給路から1本のミキシング流路内へ導入し、これらの流体を薄片状の層流として流通させつつ、流体同士をその接触界面の法線方向へ拡散し、混合するマイクロミキサーであって、
    厚さ方向に沿った両端面がそれぞれ表面部及び裏面部とされたベースプレートと、
    前記厚さ方向に沿って前記ベースプレートの表面部上に積層され、該ベースプレートと共にミキサー本体を構成するミキシングプレートと、
    前記ベースプレートの表面部に沿って形成され、前記ミキサー本体の外部から流体が供給される第1のヘッダ部及び、該第1のヘッダ部と繋がり前記ベースプレートの表面部に開口するスリット状の第1の供給口が設けられた第1の流体供給路と、
    前記ベースプレートに形成され、該ベースプレートの裏面部に開口し前記ミキサー本体の外部から流体が供給される第2のヘッダ部及び、前記ベースプレートを貫通する貫通部を介して前記第2のヘッダ部と繋がり、前記第1の供給口と幅方向に沿って隣接するように前記ベースプレートの表面部に開口するスリット状の第2の供給口が設けられた第2の流体供給路と、
    前記ミキシングプレートに形成され、前記第1の供給口及び前記第2の供給口を前記幅方向に沿って横断するように前記ミキシングプレートの裏面部に開口するスリット状の入液口及び、前記ミキシングプレートを貫通する混合部を介して前記入液口と繋がり、前記ミキシングプレートの表面部に開口する出液口が設けられたミキシング流路とを有し、
    前記前記第1の供給口及び前記第2の供給口の前記幅方向に沿った開口幅を1μm以上で500μm以下としたことを特徴とするマイクロミキサー。
  2. 前記第1の流体供給路及び前記第2の流体供給路の少なくとも一方を前記ベースプレートに2本形成したことを特徴とする請求項1記載のマイクロミキサー。
  3. 前記第1の流体供給路を前記第1のヘッダ部と前記第1の供給口との間で複数に分岐し、前記ベースプレートの表面部に複数の第1の供給口を櫛歯状に開口させると共に、前記第2の流体供給路を前記第2のヘッダ部と前記第2の供給口との間で複数に分岐し、前記ベースプレートの表面部に複数の第2の供給口を櫛歯状に開口させ、複数の第1の供給口と複数の第2の供給口とを前記幅方向に沿って交互に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロミキサー。
  4. 前記厚さ方向に沿って一対の前記ベースプレートを積層すると共に、該一対のベースプレート上に前記ミキシングプレートを積層して前記ミキサー本体を構成し、
    前記ミキシングプレートに隣接する一方ベースプレートに、他方のベースプレートにおける第1の流体供給路及び第2の流体供給路にそれぞれ繋がる延長路を穿設し、該延長路により他方のベースプレートにおける第1の流体供給路及び第2の流体供給路をそれぞれ一方のベースプレートの表面部まで延長し、該表面部に第1の供給口及び前記第2の供給口を開口させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のマイクロミキサー。
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