JP3725956B2 - エンドミル - Google Patents

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1081Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft with permanently fixed cutting inserts 

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、超硬合金製のエンドミルに高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップが固着されているエンドミルの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外周刃およびその外周刃に連続する底刃から成る切れ刃を軸心まわりに複数備えているエンドミルが広く知られている。そして、このようなエンドミルの一種に、例えば特開平3−277412号公報や特開平7−241716号公報に記載されているように、超硬合金製基材にダイヤモンドや立方晶窒化硼素などの超高圧焼結体が一体焼結された先端部をシャンク部にろう付けしたものや、特開平6−312310号公報に記載されているように、超硬合金等の台金に高硬度超高圧焼結体を一体的に焼結した切削用工具素材を外周刃の全域に亘ってろう付けしたものがある。
【0003】
上記技術によるエンドミルは、何れも原価が高く、限られた用途に有効である。これに対し、より安価なものとして、例えば実公昭61−40434号公報に記載されているように、高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップを、外周刃のうち軸方向における先端部から底刃を含む部分のみに固着する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように軸方向の先端部のみに焼結体チップを設けた場合、耐摩耗性の違いから超硬合金等の基材部分では比較的摩耗の進行が早いため、鋳物などの難削材の切削加工に使用すると焼結体チップとの境に比較的早期に段差が生じ、仕上がり面に筋(段差)が付くようになるという問題があった。
【0005】
なお、特開平8−309613号公報には、本体部と焼結体チップとの継ぎ目(境界部分)が工具回転方向において重ならないようにすることにより、継ぎ目に基づいて仕上がり面に筋が付くことを緩和する技術が開示されているが、筋が複数に分散されるだけであるため必ずしも充分に満足できるものではない。
【0006】
また、特開平7−116904号公報には、複数の切れ刃のうちの一部に焼結体チップを設けるとともに、本体部と焼結体チップとの境界部の隙間に起因して仕上がり面に筋が付くことを防止するために、その境界部の直径を、焼結体チップが設けられていない切れ刃の外周刃の直径よりも小さくする技術が開示されている。しかし、これはあくまでも境界部の隙間に起因する削り残しを焼結体チップの無い切れ刃で削り取るためのもので、鋳物などの難削材に対する切削加工で焼結体チップが無い切れ刃や焼結体チップ以外の部分の切れ刃が摩耗すると、比較的早期に仕上がり面に筋が付くようになることに何ら変わりはない。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、先端部のみに焼結体チップが設けられる安価なエンドミルにおいて、焼結体チップ以外の部分の切れ刃の摩耗に拘らず筋(段差)が少ない良好な仕上がり面が得られるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、外周刃およびその外周刃に連続する底刃から成る切れ刃を軸心まわりに複数備えている超硬合金製のエンドミルにおいて、(a) 前記複数の切れ刃のうちの一部である第1切れ刃には、前記外周刃のうち軸方向における先端部から前記底刃を含む部分に、高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップが一体的に固着されている一方、(b) 前記第1切れ刃の前記焼結体チップを含む外周刃の直径が、その焼結体チップが設けられていない第2切れ刃の外周刃の直径よりも小さくされていることを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明において、前記第1切れ刃の前記焼結体チップを含む外周刃の半径r1 は、軸心まわりに回転駆動されつつその軸心と交差する方向へ直線移動させられることにより前記外周刃によって側面切削加工を行う際に、その側面にその第1切れ刃の外周刃による切削面が残らないように、予め定められた軸心と直角方向の1刃当たりの送り量をS、前記第2切れ刃の外周刃の半径をr2 とした時、次式(1) を満足するように設定されていることを特徴とする。
1 ≦√(r2 2−S2 ) ・・・(1)
【0010】
第3発明は、第1発明または第2発明において、(a) 前記切れ刃は4枚以上の偶数枚設けられているとともに、前記第1切れ刃および第2切れ刃は軸心まわりに交互に設定されている一方、(b) 前記焼結体チップは、その外周刃の軸方向寸法が互いに相違しているとともに底刃の軸方向位置が互いに一致するように前記複数の第1切れ刃に設けられていることを特徴とする。
【0011】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記焼結体チップは、その底刃が前記第2切れ刃の底刃よりも0.005〜0.010mmだけ軸方向の先端側へ突き出すように設けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
第1発明では、第1切れ刃の軸方向における先端部に焼結体チップが設けられているが、その第1切れ刃の外周刃の直径は、焼結体チップが設けられていない第2切れ刃の外周刃の直径よりも小さくされているため、第1切れ刃による切削性能を確保しつつ、その第1切れ刃の外周刃による切削面が第2切れ刃の外周刃によって切削除去され、第2切れ刃の外周刃による切削面のみで仕上がり面が構成されるようにすることが可能である。これにより、鋳物などの難削材の切削加工で、耐摩耗性の相違に起因して第1切れ刃の外周刃に段差が生じ、その第1切れ刃による切削面に筋(段差)が生じるようになっても、第2切れ刃の外周刃によって切削除去されることにより良好な仕上がり面が得られるようになる。
【0013】
第2発明は、第1切れ刃の外周刃の半径r1 が前記(1) 式に従って設定されるため、エンドミルを軸心まわりに回転駆動しつつ軸心と交差する方向へ直線移動させて側面切削加工を行う場合に、その側面に第1切れ刃の外周刃による切削面が残らないようになり、第1切れ刃の外周刃に段差が生じても、第2切れ刃による切削面のみからなる良好な仕上がり面が得られる。なお、これは第1切れ刃の外周刃の径寸法の一つの目安を示したもので、エンドミルの使用態様(移動形態や送り速度、回転速度など)を限定するものではない。
【0014】
第3発明のエンドミルは、切れ刃が4枚以上の偶数枚設けられているとともに、第1切れ刃および第2切れ刃が軸心まわりに交互に設定されている場合で、複数の第1切れ刃の焼結体チップは、その外周刃の軸方向寸法が互いに相違しているとともに底刃の軸方向位置が互いに一致するように設けられるため、焼結体チップの外周刃と超硬合金の外周刃との境界の軸方向位置が互いにずれるとともに、摩耗量の相違に起因して生じる段差の軸方向位置も互いに相違する。第1切れ刃の外周刃に段差が生じ、その切削面に段差が生じるようになると、その直後にその切削面を切削除去する第2切れ刃の切削抵抗が軸方向において相違するため、第2切れ刃の外周刃の摩耗が不均一になって段差乃至は凹みが生じるようになるが、複数の第1切れ刃の段差の軸方向位置が相違しているため、それに対応する複数の第2切れ刃に生じる段差乃至は凹みの軸方向位置も相違することになり、その段差乃至は凹みに起因して仕上がり面に生じる筋が分散されて目立たなくなる。
【0015】
また、切れ刃が4枚以上の偶数枚設けられているとともに、第1切れ刃および第2切れ刃が軸心まわりに交互に設定されていることから、焼結体チップの有無に拘らず良好な回転バランスが得られ、芯振れが抑制されて高い加工精度を得られる利点がある。
【0016】
第4発明のエンドミルは、焼結体チップが、その底刃が第2切れ刃の底刃よりも軸方向の先端側へ突き出すように設けられているため、軸方向の先端で切削加工される加工面は、前記外周刃による側面の切削加工とは逆に第2切れ刃による切削面が第1切れ刃、具体的には焼結体チップによって切削除去され、その第1切れ刃(焼結体チップ)による切削面のみで均一な仕上がり面が得られるようになる。焼結体チップの突き出し寸法は0.005mm以上であるため、焼結体チップが第2切れ刃による切削面上に乗り上げる恐れはなく、所謂零切削による切削条件の悪化が回避される。焼結体チップは超硬合金よりも耐摩耗性が優れているため、焼結体チップの突き出し寸法が小さくなることはなく、上記効果は長期間に亘って得られる。
【0017】
一方、焼結体チップの外径は第2切れ刃の外径よりも小さいため、前記側面切削加工を行うと、外周刃によって加工される側面と底刃によって加工される底面との隅部に削り残しが生じるが、焼結体チップの突き出し寸法は0.010mm以下であるため、その削り残しの高さも0.010mm以下となり、殆ど問題にならない。削り残しの幅は前記半径寸法の差(r2 −r1 )であるため、通常はミクロンオーダーで問題にならない。
【0018】
なお、実用新案登録公報第2518208号には、ダイヤモンド焼結体などから成る主切れ刃を、超硬合金から成る副切れ刃よりも0.01〜0.20mm突き出させ、主切れ刃にクラック等が生じても副切れ刃によって切削加工が行われることにより、所定の加工精度を維持するようにしたエンドミルが記載されているが、径寸法の相違に起因して生じる段差を小さく維持しつつ高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップによって切削加工を行う本願の第4発明とは、その背景技術や作用効果が相違する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、鋳鉄やアルミニウム等の非鉄金属などに切削加工を行うエンドミルに好適に適用されるが、他の被削材を切削加工するエンドミルにも適用され得る。
【0020】
鋳鉄用のエンドミルは、前記高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップとして、例えば破壊靱性値が5〜6.5MPa1/2 程度、グレインサイズ(平均粒径)が4〜8μm程度の範囲内で特に約6μm、コンセントレイションが70〜90容量%程度の範囲内で特に約80容量%、Ti,Al含有セラミックスバインダから成るCBN(立方晶窒化硼素)焼結体が好適に用いられる。破壊靱性値が5〜6.5MPa1/2 程度であるのは、5MPa1/2 未満では、切れ刃としての強度が不足してチッピングが生じ易くなり、6.5MPa1/2 を越えると製作(研削等による整形加工など)が困難になるためである。また、超硬合金としては、JIS B4053の使用分類記号で、被削材に鋳鉄を含み切削方式にフライス削りを含んでいるP20、P30、M10、M20、M30、M40、K01、K10、K20、Z01、Z10、Z20、Z30が好適に用いられる。
【0021】
アルミニウムやアルミニウム合金など非鉄金属用のエンドミルは、コンセントレイションが70容量%以上のダイヤモンド焼結体が好適に用いられる。また、超硬合金としては、JIS B4053の使用分類記号で、被削材に非鉄金属を含み切削方式にフライス削りを含んでいるM10、M20、M30、M40、K01、K10、K20、K30、Z01、Z10、Z20、Z30が好適に用いられる。
【0022】
第1切れ刃の径寸法は、第2発明のように半径r1 が前記(1) 式を満足するように設定することが望ましいが、第1切れ刃にも充分な切削能力を分担させる上で、(1) 式を満足する範囲でできるだけ大きい値に設定することが望ましい。第2発明以外の発明の実施に際しては、少なくとも第1切れ刃の直径が第2切れ刃の直径より小さくされておれば良く、例えばr1 ≒√(r2 2−S2 )程度に設定することが望ましい。1刃当たりの送り量Sは、例えばエンドミルの種類や被削材によって予め定められる標準値、或いはその標準値に所定の余裕値を加算した値を使えば良く、必ずしも実際に使用される時の値である必要はない。
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるエンドミル10の先端部分を示す図で、(a) は正面図、(b) は底面図である。このエンドミル10は、超硬合金の使用分類記号K01〜K10を基材とするもので、呼び直径は16mm、溝底直径(心厚)は呼び直径の略80%の高剛性型であり、図2に示すようにFC250等の鋳鉄の被削材18に段付け加工(肩削り)を行う場合に好適に用いられる。エンドミル10には、第1切れ刃12および第2切れ刃14が軸心まわりに交互に等角度間隔で3枚ずつ設けられており、各切れ刃12、14は、それぞれ軸心まわりに捩じれた外周刃12a、14a、およびその外周刃12a、14aに連続する底刃12b、14bを備えている。
【0024】
上記第2切れ刃14は、外周刃14aおよび底刃14bが総て基材である超硬合金で構成されているが、第1切れ刃12の先端部(図1において斜線で示す部分)には焼結体チップ16が埋設されて一体的にろう付けされており、外周刃12aのうち軸方向における先端部から底刃12bを含む部分は、その焼結体チップ16にて構成されている。焼結体チップ16は高硬度超高圧焼結体で、本実施例では破壊靱性値が5〜6.5MPa1/2 程度、グレインサイズ(平均粒径)が約6μm、コンセントレイションが約80容量%、Ti,Al含有セラミックスバインダから成るCBN焼結体にて構成されている。破壊靱性値が5〜6.5MPa1/2 程度であるのは、5MPa1/2 未満では、切れ刃としての強度が不足してチッピングが生じ易くなり、6.5MPa1/2 を越えると製作(研削等による整形加工など)が困難になるためである。
【0025】
焼結体チップ16は、その外周刃12aの直径が超硬合金部分の外周刃12aの直径と略同じになり、それ等が滑らかに連続するように設けられているが、その直径は、焼結体チップ16が設けられていない第2切れ刃14の外周刃14aの直径(16mm)よりも小さくされている。具体的には、図2に示すように、エンドミル10を軸心まわりに回転駆動しつつその軸心と直角な方向へ直線移動させて被削材18に直線段付け加工を行う場合に、外周刃12a,14aによって切削加工される側面20に第1切れ刃12の外周刃12aによる切削面が残らないように、予め定められた軸心と直角方向の1刃当たりの送り量をS、第2切れ刃14の外周刃14aの半径をr2 とした時、第1切れ刃12の外周刃12aの半径r1 が前記(1) 式を満足する範囲でできるだけ大きい値、或いはr1 ≒√(r2 2−S2 )となるように設定される。
【0026】
図3は、半径r1 ,r2 、1刃当たりの送り量S、および√(r2 2−S2 )の関係を示す図で、本来トロコイド曲線となる外周刃12a,14aの軌跡を便宜的に円弧として表現したものであり、(1) 式を満足するように半径r1 を設定すれば、被削材18の側面20の仕上がり面は半径r2 の第2切れ刃14の外周刃14aによる切削面のみで構成される。図3のO1 〜O3 は、1刃当たりの送り量S毎の工具軸心を表しており、軸心O1 およびO3 では第2切れ刃14の外周刃14aによって切削加工が行われ、軸心O2 では第1切れ刃12の外周刃12aによって切削加工が行われる。
【0027】
直径16mmの本実施例のエンドミル10の場合、鋳鉄の一般的な側面加工条件として1刃当たりの送り量S≒0.22mmとすると、r2 =8mmであるから√(82 −0.222 )≒7.997となり、r1 を7.997mm程度にすれば良い。但し、実際の切削条件は種々変更されるため、余裕を持って一般的な側面加工条件よりも大きめのS=0.25mmとすると、√(82 −0.252 )≒7.996となり、r1 を7.995〜7.996mm程度にすることが望ましい。また、側面の仕上げ切削に限定されたエンドミルの場合で、1刃当たりの送り量S=0.10mmの時は、√(82 −0.102 )=7.999となり、r1 を7.999mm以下にすれば良い。
【0028】
一方、3枚の第1切れ刃12に設けられている3個の焼結体チップ16は、図4の(a) に示すように、その外周刃12aの軸方向寸法h1 〜h3 が互いに相違しているとともに、底刃12bの軸方向位置が互いに一致するように設けられている。すなわち、3個の焼結体チップ16の外周刃12aの軸方向寸法h1 〜h3 は、回転方向順(図3において右側から左側へ向かう順)に3.0mm、4.0mm、3.5mmで、その焼結体チップ16の外周刃12aと超硬合金部分の外周刃12aとの境界22の軸方向位置が0.5〜1.0mmずつずらされているのである。また、それ等の焼結体チップ16は、その底刃12bが第2切れ刃14の底刃14bよりも寸法t=0.005〜0.010mmだけ軸方向の先端側へ突き出すように設けられている。なお、図4は各切れ刃12,14の外周刃12a,14aに沿った断面を示す図で、(a) は切削加工に使用する前すなわちエンドミル10の製造直後の状態で、(b) は使用により外周刃12aの超硬合金部分が摩耗した状態である。
【0029】
このような本実施例のエンドミル10においては、第1切れ刃12の軸方向における先端部に焼結体チップ16が設けられているが、その第1切れ刃12の外周刃12aの半径r1 が略√(r2 2 −S2 )となるように、或いは前記(1) 式を満足する範囲でできるだけ大きい値に設定されているため、第1切れ刃12による切削性能を確保しつつ、その第1切れ刃12の外周刃12aによる切削面が第2切れ刃14の外周刃14aによって切削除去され、その外周刃14aによる切削面のみで仕上がり面が構成されるようになる。これにより、被削材18として鋳物などの難削材を切削加工する場合に、耐摩耗性の相違に起因して図4の(b) に示すように第1切れ刃12の外周刃12aの境界22付近に段差が生じ、その外周刃12aによる切削面に筋(段差)が生じるようになっても、第2切れ刃14の外周刃14aによって切削除去されることにより良好な仕上がり面が得られるようになる。
【0030】
また、かかるエンドミル10は、焼結体チップ16の外周刃12aと超硬合金部分の外周刃12aとの境界22の軸方向位置が互いにずれているため、それ等の摩耗量の相違に起因して生じる段差の軸方向位置も、図4の(b) に示すように互いに相違する。第1切れ刃12の外周刃12aに段差が生じ、その切削面に段差が生じるようになると、その直後にその切削面を切削除去する第2切れ刃14の外周刃14aの切削抵抗が軸方向において相違するため、その外周刃14aの摩耗が不均一になって前記境界22に対応する部位24付近に段差乃至は凹みが生じるようになるが、複数の第1切れ刃12の段差(境界22)の軸方向位置が相違しているため、対応部位24に生じる段差乃至は凹みの軸方向位置も相違することになり、その段差乃至は凹みに起因して仕上がり面に生じる筋が分散されて目立たなくなる。
【0031】
また、切れ刃12,14が計6枚(偶数)設けられているとともに、第1切れ刃12および第2切れ刃14が軸心まわりに交互に設定されていることから、焼結体チップ16の有無に拘らず良好な回転バランスが得られ、芯振れが抑制されて高い加工精度を得られる利点がある。
【0032】
また、前記焼結体チップ16は、その底刃12bが第2切れ刃14の底刃14bよりも寸法tだけ軸方向の先端側へ突き出すように設けられているため、軸方向の先端で切削加工される底面26(図2参照)は、前記側面20の切削加工とは逆に第2切れ刃14の底刃14bによる切削面が第1切れ刃12、具体的には焼結体チップ16の底刃12bによって切削除去され、その底刃12bによる切削面のみで均一な仕上がり面が得られるようになる。焼結体チップ16の突き出し寸法tは0.005mm以上であるため、焼結体チップ16が第2切れ刃14の底刃14bによる切削面上に乗り上げる恐れはなく、所謂零切削による切削条件の悪化が回避される。焼結体チップ16は超硬合金よりも耐摩耗性が優れているため、焼結体チップ16の突き出し寸法tが小さくなることはなく、上記効果は長期間に亘って得られる。
【0033】
更に、焼結体チップ16の外径は第2切れ刃14の外径よりも小さいため、前記側面切削加工を行うと、図5に示すように側面20と底面26との隅部に削り残し28が生じるが、焼結体チップ16の突き出し寸法tは0.010mm以下であるため、その削り残し28の高さHは0.010mm以下であり、殆ど問題にならない。また、削り残し28の幅Wは前記半径寸法の差(r2 −r1 )で数μm程度であり、これも問題にはならない。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0035】
例えば、前記実施例では6枚刃のエンドミルについて説明したが、図6に示す2枚刃のエンドミル32、図7に示す3枚刃のエンドミル34、図8に示す4枚刃のエンドミル36など、刃数等が異なる種々のエンドミルに本発明は適用され得る。図6〜図8において、斜線で示す部材38,40,42はそれぞれ高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップで、前記実施例と同様にして固設されているとともに、各図の(a) ,(b) はそれぞれ正面図、底面図である。
【0036】
また、前記複数の焼結体チップ16の底刃12bの回転方向手前のギャッシュの深さは、焼結体チップ16の軸方向長さに応じて変化させるようにしても良い。
【0037】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるエンドミルの先端部分を示す図で、(a) は正面図、(b) は底面図である。
【図2】図1のエンドミルを用いて段付け加工(肩削り)を行っている状態を示す斜視図である。
【図3】図1のエンドミルにおける第1切れ刃の半径r1 、第2切れ刃の半径r2 、および1刃当たりの送り量Sの関係を説明する図である。
【図4】図1のエンドミルにろう付けされている複数の焼結体チップの寸法や取付け位置などを説明する図で、(a) は使用前の状態、(b) は使用によって超硬合金部分が摩耗した状態を示す図である。
【図5】図1のエンドミルを用いて段付け加工を行った場合に、隅部に生じる削り残しを説明する図である。
【図6】本発明の別の実施例を説明する図で、(a) は正面図、(b) は底面図である。
【図7】本発明の更に別の実施例を説明する図で、(a) は正面図、(b) は底面図である。
【図8】本発明の更に別の実施例を説明する図で、(a) は正面図、(b) は底面図である。
【符号の説明】
10,32,34,36:エンドミル
12:第1切れ刃
14:第2切れ刃
16,38,40,42:焼結体チップ
1 :第1切れ刃の外周刃の半径
2 :第2切れ刃の外周刃の半径
S:1刃当たりの送り量

Claims (4)

  1. 外周刃および該外周刃に連続する底刃から成る切れ刃を軸心まわりに複数備えている超硬合金製のエンドミルにおいて、
    前記複数の切れ刃のうちの一部である第1切れ刃には、前記外周刃のうち軸方向における先端部から前記底刃を含む部分に、高硬度超高圧焼結体製の焼結体チップが一体的に固着されている一方、
    前記第1切れ刃の前記焼結体チップを含む外周刃の直径が、該焼結体チップが設けられていない第2切れ刃の外周刃の直径よりも小さくされている
    ことを特徴とするエンドミル。
  2. 請求項1において、
    前記第1切れ刃の前記焼結体チップを含む外周刃の半径r1 は、軸心まわりに回転駆動されつつ該軸心と交差する方向へ直線移動させられることにより前記外周刃によって側面切削加工を行う際に、該側面に該第1切れ刃の外周刃による切削面が残らないように、予め定められた軸心と直角方向の1刃当たりの送り量をS、前記第2切れ刃の外周刃の半径をr2 とした時、次式を満足するように設定されている
    1 ≦√(r2 2−S2
    ことを特徴とするエンドミル。
  3. 請求項1または2において、
    前記切れ刃は4枚以上の偶数枚設けられているとともに、前記第1切れ刃および第2切れ刃は軸心まわりに交互に設定されている一方、
    前記焼結体チップは、その外周刃の軸方向寸法が互いに相違しているとともに底刃の軸方向位置が互いに一致するように前記複数の第1切れ刃に設けられている
    ことを特徴とするエンドミル。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、
    前記焼結体チップは、その底刃が前記第2切れ刃の底刃よりも0.005〜0.010mmだけ軸方向の先端側へ突き出すように設けられている
    ことを特徴とするエンドミル。
JP01526197A 1997-01-29 1997-01-29 エンドミル Expired - Lifetime JP3725956B2 (ja)

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