JP3724716B2

JP3724716B2 - ジェル組成物

Info

Publication number: JP3724716B2
Application number: JP2001356593A
Authority: JP
Inventors: 良子山本; 秀作山
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Chemical Industries Inc
Priority date: 2001-11-21
Filing date: 2001-11-21
Publication date: 2005-12-07
Anticipated expiration: 2021-11-21
Also published as: JP2003160435A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料などに好適なジェル組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ジェル組成物は、溶剤としての効果を有しながら使用感は非流動性の特性を有し、化粧料などの皮膚外用剤の分野に於いては、溶液特性を備えた非流動性組成物という特長を生かし広く利用されている。例えば、高分子ゲル化剤やベントナイト系の無機ゲル化剤を用いた水性ゲルは、水の持つ溶剤特性である爽やかさを提供するアンダーメークアップ化粧料などの化粧料や、抗炎症成分を含有させた皮膚外用医薬などに応用されているし、オイルをワックスなどでゲル化させたオイルゲルは、オイルの溶媒としての効果を利用して、例えば、油性汚れを落とすクレンジングなどに使用されている。
【０００３】
しかしながら、このようなオイルゲルの場合は使用時のべたつき感を完全に払拭することが難しく、感触のさっぱりしたシリコーンオイルゲルやフッ素系オイルゲルなどは流動性が高いため、使用時に垂れて流れやすいという問題があり、十分に課題を解決したものが得られていないのが現状である。また、液晶タイプのオイルゲルは、オイル分が多い場合、必然的に界面活性剤量も多くなり、そのために使用時の感触が相当重くなるという問題点があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下、為されたものであり、化粧料や皮膚外用医薬等の皮膚外用剤として有用な感触がさっぱりしており、使用時の垂れのない特にクレンジングジェルとして有用なジェル組成物を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、良好なジェル組成物を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、常温で液状の油分に粘土鉱物を加え、少量の水を添加していくことにより、適度の粘性とさっぱりした良好な感触のジェルを製造できることを知見し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、組成物全体に対して１．５〜３．０重量％の粘土鉱物と１．０〜４．０重量％の水で常温で液状の油分をゲル化してなるジェル組成物及び該組成物を含有するジェル化粧料を提供するものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
【０００７】
＜発明の詳細な説明＞
本発明は組成物全体に対して１．５〜３．０重量％の粘土鉱物と１．０〜４．０重量％の水で常温で液状の油分からなるジェル組成物に関する。
【０００８】
本発明のジェル状化粧料は常温で液状の油分を粘土鉱物と少量の水でジェル化することを特徴とする。本発明で使用できる常温で液状の油分としては、流動パラフィン等、化粧料や皮膚外用医薬品等の皮膚外用剤で一般的に使用されているものであれば特段の限定無く使用することができる。
【０００９】
本発明で使用できる粘土鉱物としては、例えば、ラポナイト（市販品としてはラポナイトＸＬＧ、ＸＬＳ（製造元ＲＯＯＫＷＯＯＤＡｄｄｉｔｉｖｅｓＬｔｄ．））、モンモリロナイト（市販品としてはクニミネ工業株式会社製クニピアＦ、クニピアＧなど）等の天然物や、合成スメクトナイト（市販品としてはクニミネ工業株式会社製スメクトンＳＡなど）などの合成粘土鉱物や、これらに表面改質処理や有機変性処理を施したもの等が挙げられる。
【００１０】
常温で液状の油分にこれらの粘土鉱物を加え、少量の水を添加しつつ攪拌、混合してでジェルとすると好適なジェル組成物を得ることができる。好適な粘性を得るには、組成物全体に対して１．５〜３．０重量％の粘土鉱物と１．０〜４．０重量％の水でゲル化することが肝要である。
トリイソステアリン酸ＰＥＧ−２０グリセリル１０重量％を混合した流パラ７０をベントン３８でジェルとした時の実験結果を表１に示す。
【００１１】
【表１】

【００１２】
表１に見られるように、１．５〜３．０重量％のベントナイトと１．０〜４．０重量％の水を添加すると、適度の粘度を得ることができる。ベントナイトの量が１．５重量％未満だとジェルとして十分な粘度が得られず、また３重量％を超えると粘度が高くなりすぎて好ましくない。また、水の量が１重量％未満では粘度が十分に上がらず、４重量％を超えると逆に粘度が低下するので好ましくない。
【００１３】
＜本発明のジェル組成物の製造方法及びジェル化粧料＞
本発明のジェルを製造するには、特に煩雑な操作は必要なく、粘土鉱物を油相に添加して攪拌混合し、水を添加しながら、適度な機械攪拌力を与えてやれば、製造できる。
以下に表２に実施例を示す。
【００１４】
【表２】

ベントン３８：ジメチルジセトステアリルアンモニウム変性ヘクトライト
シュガーワックスＳ１０Ｅ：第一工業製薬、蔗糖脂肪酸エステル
【００１５】
上記成分を混合し、ジェルとした。粘度は約１８０００〜２４０００ｍＰａ’ｓであり、適度な粘度とさっぱりした感触を併せ持つオイルジェルとなり、塗布時の垂れや経時での亜分の周辺への広がりもなく、オイルクレンジング等として好適な従来にないジェルであることが確認された。
【００１６】
このジェル組成物は、ジェルの特性を損ねない範囲で、化粧料で通常使用される任意成分を含有することができるとともに、ジェル組成物を含有する皮膚外用剤や化粧料とすることができる。
【００１７】
この様な任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール等の一価アルコール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類、植物抽出物等が好ましく例示できる。
【００１８】
前記ジェル組成物を化粧料とする場合では、この場合における化粧料の種類は特に限定されるものではなく、例えば、ジェル組成物の優れた皮膚浸透性や保湿性等を生かした美肌用などの基礎化粧料や、メーキャップ化粧料の化粧のりを良くするためのアンダーメーキャップ化粧料が挙げられるが、特にオイルジェルの優れた油性成分の洗浄能力を生かしたクレンジングジェル（ファンデーション落とし用）に好適である。また、前記ジェル組成物に粉体を含有させた場合には、新規な使用感を有するファンデーションを作ることもできる。
【００１９】
前記粉体としては、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、メチルシロキサン網状重合体、アクリル樹脂球、ナイロン繊維などの粉体や、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、群青、紺青などの色調調整用着色粉体等が例示できる。これらは、シリコーンやアミノ酸、燐脂質などで表面を処理されていても良い。
【００２０】
また、本発明のジェル組成物は、これら任意成分を含有させた場合、蔗糖脂肪酸エステル等の親油性非イオン性界面活性剤を併用するとジェルの安定性が向上し、より好ましい。

Claims

組成物全体に対して１．５〜３．０重量％の粘土鉱物と１．０〜４．０重量％の水で流動パラフィンをゲル化してなるクレンジング用ジェル組成物であって、前記粘土鉱物が表面改質処理や有機変性処理を施されていてもよいラポナイト、モンモリロナイト、合成スメクトナイト、及びヘクトライトからなる群から選択されることを特徴とする、クレンジング用ジェル組成物。
前記粘土鉱物がジメチルジセトステアリルアンモニウム変性ヘクトライトであることを特徴とする、請求項１に記載のクレンジング用ジェル組成物。