JP3724446B2 - モータの電機子構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルが巻かれた積層鋼板コアを円周上に複数配列することで構成された固定電機子(ステータ)や回転電機子(ロータ)を有するモータの電機子構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータの電機子構造としては、例えば、特開2001−112221号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、同じ形の鋼板コアを積層して積層鋼板コアを作り、この積層鋼板コアの両端部にコイルエンド絶縁部品を設け、さらに、コイルが巻かれる積層鋼板コアの側面に薄型絶縁物を設け、これにコイルを巻いたものを円周上に複数配列することで構成された固定電機子を有するモータが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のモータの電機子構造にあっては、積層鋼板コアが同じ形の鋼板コアを積層したものであるため、その両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品の位置規制が十分でないばかりか、積層鋼板コアの容積に応じて発生する磁路も十分に確保することができないという問題点があった。
【0005】
すなわち、積層鋼板コアの両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品は、コイルの曲げ半径を確保しなければならないし、コイルとの絶縁も確保しなければならないため、コイルの曲げ半径を大きくした上で、積層鋼板コアとの絶縁距離を十分に取ると、必然的に大きな形状となってしまう傾向がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、コイルエンド絶縁部品の位置規制を確保しながら、コイルの曲げ半径を従来技術と同じにしてもより多くの磁路を確保することができるモータの電機子構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、コイルが巻かれた積層鋼板コアを円周上に複数配列することで構成された電機子を有するモータの電機子構造において、積層鋼板コアの両端部に、コイルが巻かれる部分のコア幅を狭くした端部用コアピースを積層することで凸型コア端部を形成し、かつ、積層鋼板コアの両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、凸型コア端部に嵌合する凹部をコア接触面に有する鞍型絶縁部品とし、前記積層鋼板コアのうち両端部に積層した端部用コアピースのみに、積層鋼板コアの位置決め用穴を設け、中心部に積層される中心部用コアピースは位置決め用穴のない形状とした。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明にあっては、積層鋼板コアの両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、凸型コア端部に嵌合する凹部をコア接触面に有する鞍型絶縁部品としたため、コイルエンド絶縁部品の位置規制を確保することができる。
【0009】
併せて、積層鋼板コアの両端部に、コイルが巻かれる部分のコア幅を狭くした端部用コアピースを積層することで凸型コア端部を形成したため、凸型コア端部の分がコア容積の増大分となり、コイルの曲げ半径を従来技術と同じにしてもより多くの磁路を確保することができる。
さらに、多数のステータピースを積層したステータピース積層体を組み立てる際には、ステータピース積層体の位置決め要素が必要である。
従来のモータの電機子構造では、ステータピース積層体が同じ形のステータピースを積層して構成されているため、板厚方向に位置決め用穴が貫通して形成されることになる。このため、有効磁路が貫通する位置決め用穴により低減してしまう。
これに対し、ステータピース積層体の両端部に積層される端部用コアピースのみに位置決め用穴を開穴することで、中心部に積層される中心部用コアピースは位置決め用穴のない形状が実現できる。このことにより、端部用コアピースに位置決め用穴を開穴することで、位置決め機能を達成しながらも、中心部用コアピースは位置決め用穴のない形状とすることで、貫通する位置決め用穴を設けた場合に比べ、有効磁路を多く確保することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のモータの電機子構造を実現する実施の形態を、請求項1,2,3に係る発明に対応する第1実施例と、請求項4に係る発明に対応する第2実施例と、請求項5に係る発明に対応する第3実施例と基づいて説明する。
【0011】
(第1実施例)
まず、全体構成を説明する。
第1実施例では、コイルが巻かれた固定電機子であるステータとインナーロータとアウターロータを有する多層構造による同期モータのステータ構造を例にとる。図1は第1実施例のステータ構造が適用された多層モータMを示す縦断側面図、図2は第1実施例のステータ構造が適用された多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【0012】
多層モータMは、インナーロータ中空軸1に接続されたインナーロータ2と、該インナーロータ2の外周に配置され、モータハウジング3に固定されたステータ4と、該ステータ4の外周に配置され、アウターロータ軸5に接続されたアウターロータ6と、を有する三層モータ構造とされている。
【0013】
前記インナーロータ2は、その内筒面がインナーロータ中空軸1の段差軸端部に対して圧入により固定されている。このインナーロータ2には、図2に示すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した配置によるインナーロータマグネット21(永久磁石)が軸方向に12本埋設されている。
【0014】
前記ステータ4(電機子)は、ステータピース40(コアピース)とステータピース積層体41(積層板コア)とコイル42と冷却水路43とインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45と非磁性体樹脂層46とを有して構成されている。そして、ステータ4の正面側端部が、正面側エンドプレート7とステータ固定ケース8とを介してモータハウジング3に固定されている。なお、前記コイル42に対しては、給電接続端子9と給電リング10と給電コネクタ11とコイル給電構造12を介して、外部から複合電流が印加される。
【0015】
前記アウターロータ6は、その外筒面がアウターロータ固定ケース13に対して圧入固定されている。そして、アウターロータ固定ケース13の背面側端部には連結ケース部14が固定され、この連結ケース部14にアウターロータ軸5がスプライン結合されている。このアウターロータ6には、図2に示すように、ロータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるアウターロータマグネット61(永久磁石)が、両端位置に空間を介して軸方向に12本埋設されている。
【0016】
なお、図1において、80,81はアウターロータ6をモータハウジング3に支持する一対のアウターロータ軸受、82はインナーロータ2をモータハウジング3に支持するインナーロータ軸受、83はアウターロータ6の回転を許容しながらステータ4を支持するステータ軸受、84はインナーロータ中空軸1とアウターロータ軸5との間に介装される相対回転軸受である。また、85はインナーロータ2の回転位置を検出するインナーロータレゾルバ、86はアウターロータ6の回転位置を検出するアウターロータレゾルバである、
次に、ステータ4の構成を説明する。
図3は第1実施例のステータを端面側から視た図、図4は第1実施例のステータを示す縦断面図、図5は第1実施例のステータ積層体を示す分解斜視図、図6は第1実施例のステータ積層体を構成するステータピースを示す図、図7は第1実施例のステータ積層体を示す軸方向断面図である。
【0017】
前記ステータ4は、複数のステータピース40が軸方向に積層されたステータピース積層体41の外周に平型銅線によるコイル42が巻かれ、このコイル42が巻かれたステータピース積層体41を円周上に配列する。次に、ステータピース積層体41の軸方向両端位置に、ステータピース40との位置決めをしながら正面側ブラケット47と背面側ブラケット48を設置する。次に、両ブラケット47,48の外側に正面側エンドプレート7と背面側エンドプレート15を配置し、インナー側ボルト・ナット44を挿通すると共に、アウター側ボルト・ナット45を挿通して、ナットを回しながら締め上げる。
【0018】
この両端のブラケット47,48をインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45により締め上げることで発生する摩擦力により、ステータピース積層体41を複数のステータピース40が軸方向に積層された状態で支持する。
【0019】
このようにしてステータ4の骨格構造体ができあがったら、ステータ形状に合致する凹型を有する型枠内に入れ、冷却水路43をパイプ等により確保しながら、高耐熱性で高強度の溶融樹脂を流し込み、コイル42やインナー側ボルト・ナット44やアウター側ボルト・ナット45等の周り部分に充填することで、非磁性体樹脂層46を有するステータ形状に成形される。
【0020】
これにより、ステータ4の異なる径方向位置の円周上にそれぞれ配列したインナー側ボルト・ナット44(18本)とアウター側ボルト・ナット45(18本)は、図3に示すように、コイル42が巻かれたステータピース積層体41の間の位置に配置され、各ボルト軸がモータ軸方向に貫通する。
【0021】
前記ステータピース積層体41の構成要素であるステータピース40は、図4及び図5に示すように、中心部に積層される中心部用ステータピース40'(中心部用コアピース)と、両端部に積層される端部用ステータピース40"(端部用コアピース)とにより構成されている。
【0022】
前記中心部用ステータピース40'は、図6(ロ)に示すように、ステータ外周側のインナーロータヨーク部40'aと、ステータ内周側のアウターロータヨーク部40'bと、両ヨーク部40'a,40'bを連結するコイル巻き付け部40'cと、を有する構成とされる。そして、コイル巻き付け部40'cはピース幅がW1に設定される。
【0023】
前記端部用ステータピース40"は、図6(ハ)に示すように、ステータ外周側のインナーロータヨーク部40"aと、ステータ内周側のアウターロータヨーク部40"bと、両ヨーク部40"a,40"bを連結するコイル巻き付け部40"cと、を有する構成とされる。そして、コイル巻き付け部40"cのピース幅W2は、中心部用ステータピース40'のコイル巻き付け部40'cのピース幅W1より狭い幅に設定される。
【0024】
よって、中心部用ステータピース40'に端部用ステータピース40"を重ね合わせると、図6(イ)に示すように、コイル巻き付け部分の両側に段差面40f,40fが形成され、この段差面40f,40fから端面までに積層される端部用ステータピース40"により凸型コア端部40gが形成される。
【0025】
また、端部用ステータピース40"のみには、上下のヨーク位置に位置決めピン穴40"d,40"e(位置決め用穴)が開穴される。このピン穴40"d,40"eには、両ブラケット47,48を貫通する共に、正面側エンドプレート7及び背面側エンドプレート15に固定された位置決めピン49,49が挿通される。
【0026】
そして、ステータピース積層体41の両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、図5に示すように、前記凸型コア端部40gに嵌合する凹部50aをステータピース接触面に有する鞍型絶縁部品50としている。
【0027】
また、前記ステータピース積層体41のコイル42が巻かれる中心部用ステータピース40'の両側面に設けられる薄型絶縁物51,51を、図7に示すように、ステータピース積層体41のの両端部において端部用ステータピース40"との段差面40f,40fに折り込み、かつ、薄型絶縁物51の折り込み部51a,51aを前記鞍型絶縁部品50により挟持している。
【0028】
次に、作用を説明する。
【0029】
[多層モータの基本機能]
2ロータ・1ステータの多層モータMを採用したことで、図2に示すように、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線との2つの磁力線が作られ、コイル42及び図外のインバータを2つのインナーロータ2とアウターロータ6に対し共用できる。そして、インナーロータ2に対する電流とアウターロータ6に対する電流を重ね合わせた複合電流を1つのコイル42に印加することにより、2つのロータ2,6をそれぞれ独立に制御することができる。つまり、外観的には、1つの多層モータMであるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせものとして使える。
【0030】
よって、例えば、ロータとステータを持つモータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つのものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロス)を低減することができる。
【0031】
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持ち、例えば、ハイブリッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組み合わせを選択することができる。
【0032】
[鞍型絶縁部品の位置規制作用]
従来のモータの電機子構造では、図8に示すように、ステータピース積層体が同じ形のステータピースを積層したものであるため、その両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品とは、互いに平面による接触となり、コイルエンド絶縁部品の位置規制が十分でない。
【0033】
これに対し、第1実施例のステータ構造では、ステータピース積層体41の両端部に中心部用ステータピース40'よりコイル巻き付け部幅が狭い端部用ステータピース40"を積層し、ステータピース積層体41の両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、端部用ステータピース40"を積層した凸型コア端部40gに嵌合する凹部50aをステータピース接触面に有する鞍型絶縁部品50とした。
【0034】
このため、ステータピース積層体41の凸型コア端部40gに鞍型絶縁部品50の凹部50aを互いに嵌合させることで、鞍型絶縁部品50の位置を規制することができる。
【0035】
[磁路確保作用]
同じ設置スペースにおいて、磁路を多く確保するためには、ステータ積層体の容積を大きく確保すること、また、ステータ積層体に巻き付けるコイルの占有率を高めることが必要である。
【0036】
従来のモータの電機子構造では、図8に示すように、ステータピース積層体が同じ形のステータピースを積層したものであるため、ステータピース積層体の容積に応じて発生する磁路を十分に確保することができない。
【0037】
そこで、コイルの曲げ半径を小さくして、ステータピースの積層数を増す案が考えられるが、第1実施例のように、コイルとして占有率を高めるために平型銅線コイルを使用すると、数段積み上げて巻く場合、上の段に上がるときにコイルの曲げがきつくなるという問題がある。
【0038】
すなわち、ステータピース積層体の両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品は、コイルの曲げ半径を確保しなければならないし、コイルとの絶縁も確保しなければならないため、コイルの曲げ半径を大きくした上で、ステータピースとの絶縁距離を十分に取ると、必然的に大きな形状となってしまう傾向がある。
【0039】
これに対し、第1実施例のステータ構造では、ステータピース積層体41の両端部に、コイル巻き付け部40"cのピース幅をW2(<W1)とする端部用ステータピース40"を重ね合わせたため、図7と図8の対比から明らかなように、積層した端部用ステータピース40"がコイルエンド絶縁部品の内部に食い込むことになり、積層した端部用ステータピース40"の追加によるステータピース積層体41の容積拡大により、コイルの曲げ半径を図8の場合と同じにしてもより多くの磁路を確保することができる。
【0040】
[薄型絶縁物固定作用]
従来のモータの電機子構造では、図8に示すように、ステータピース積層体が同じ形のステータピースを積層し、そのコイル巻き付け部の両側面には、平面上に薄型絶縁物を介装しただけものであるため、コイルの巻き付け作業時に薄型絶縁物の固定が不安定であり、例えば、薄型絶縁物がずれてコイルとの絶縁性を損なうことがある。また、コイルエンド絶縁部品と薄型絶縁物とが接するコイルの巻き付け部分において、隙間が発生するおそれがあるし、絶縁のための距離が十分に確保できず、十分な絶縁性を確保することができない。
出来ない薄型絶縁物性制ステータピース積層体の容積に応じて発生する磁路を十分に確保することができない。
【0041】
これに対し、第1実施例のステータ構造では、ステータピース積層体41のコイル42が巻かれる中心部用ステータピース40'の両側面に設けられる薄型絶縁物51,51を、図7に示すように、ステータピース積層体41のの両端部において端部用ステータピース40"との段差面40f,40fに折り込み、かつ、薄型絶縁物51の折り込み部51a,51aを鞍型絶縁部品50により挟持したため、薄型絶縁物51の高い固定性を達成することができると共に、コイル42とステータピース積層体41との距離が確実に確保されることで、高い絶縁性を達成することができる。
【0042】
[位置決め作用]
多数のステータピースを積層したステータピース積層体を組み立てる際には、ステータピース積層体の位置決め要素が必要である。
【0043】
従来のモータの電機子構造では、図8に示すように、ステータピース積層体が同じ形のステータピースを積層して構成されているため、板厚方向に位置決めピン用穴が貫通して形成されることになる。このため、有効磁路が貫通する位置決めピン用穴のにより低減してしまう。
【0044】
これに対し、第1実施例のステータ構造では、形状を端部にて2段階に変えたステータピース積層体41を形成する場合、ステータピース積層体41の両端部に積層される端部用ステータピース40"のみに位置決めピン穴40"d,40"eを開穴することで、中心部に積層される中心部用ステータピース40'は位置決めピン穴のない形状が実現できる。このことにより、端部用ステータピース40"に位置決めピン穴40"d,40"eを開穴することで、位置決め機能を達成しながらも、中心部用ステータピース40'は位置決めピン穴のない形状とすることで、貫通する位置決めピン用穴を設けた図8の例に比べ、有効磁路を多く確保することができる。
【0045】
次に、効果を説明する。
【0046】
第1実施例のモータの電機子構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0047】
(1) コイル42が巻かれたステータピース積層体41を円周上に複数配列することで構成されたステータ4を有する多層モータMのステータ構造において、ステータピース積層体41の両端部に、コイル42が巻かれる部分のピース幅W2を中心部用ステータピース40'より狭くした端部用ステータピース40"を積層することで凸型コア端部40gを形成し、かつ、ステータピース積層体41の両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、凸型コア端部40gに嵌合する凹部50aをステータ接触面に有する鞍型絶縁部品50としたため、コイルエンド絶縁部品の位置規制を確保しながら、コイルの曲げ半径を従来技術と同じにしてもより多くの磁路を確保することができる。
【0048】
(2) ステータピース積層体41のコイル42が巻かれる中心部用ステータピース40'の両側面に設けられる薄型絶縁物51,51を、ステータピース積層体41のの両端部において端部用ステータピース40"との段差面40f,40fに折り込み、かつ、薄型絶縁物51の折り込み部51a,51aを前記鞍型絶縁部品50により挟持したため、薄型絶縁物51の高い固定性を達成することができると共に、コイル42とステータピース積層体41との距離の確保により高い絶縁性を達成することができる。
【0049】
(3) ステータピース積層体41のうち両端部に積層した端部用ステータピース40"のみに、ステータピース積層体41の位置決めピン穴40"d,40"eを開穴したため、位置決め機能を達成しながらも、中心部用ステータピース40'は位置決めピン穴のない形状とすることで、有効磁路を多く確保することができる。
【0050】
(4) モータは、固定電機子であるステータ4にコイル42を巻き、ロータ2,6にマグネット21,61を使用し、ステータ4の磁界を回転させることによってロータ2,6を回転させる多層の同期モータとしたため、ステータ4の軸方向の長さが短いコンパクトな形状でありながら、高トルク性能の多層モータMを提供することができる。
【0051】
(第2実施例)
この第2実施例のモータのステータ構造は、図9に示すように、鞍型絶縁部品50のコイル導入部に、コイル導入溝50bを設けた例である。このコイル導入溝50bは、鞍型絶縁部品50の端部に鍔を設け、この鍔にその幅を平角銅線のコイル42の幅相当に設定すると共に、コイル42の巻き付け方向に案内する円弧面を有する溝を形成することで構成される。
【0052】
よって、この第2実施例では、コイル42を巻き付ける際、鞍型絶縁部品50のコイル導入溝50bに平角銅線のコイル42の端部を挟み込み、鞍型絶縁部品50の曲面に沿わせてコイル42を巻き始める。つまり、コイル42の動きが定まらないコイル導入部でのコイル巻き始め作業を、コイル導入溝50bによりコイル42の動きを規制しながら簡単に行うことができる。
【0053】
なお、第2実施例装置の他の構成及び作用効果は、第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0054】
次に、効果を説明する。
【0055】
第2実施例のモータの電機子構造にあっては、第1実施例効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0056】
(5) 鞍型絶縁部品50のコイル導入部に、コイル導入溝50bを設けたため、コイル導入部でのコイル巻き始め作業を、コイル導入溝50bによりコイル42の動きを規制しながら簡単に行うことができる。
【0057】
(第3実施例)
この第3実施例のモータのステータ構造は、図10に示すように、鞍型絶縁部品50の端部位置に、コイル42の巻き付け時に上の段に乗り上げる際の乗り上げ案内部50cを設けた例である。この乗り上げ案内部50cは、その幅を平角銅線のコイル42の幅相当に設定した突起に、コイル42の巻き方向を変える傾斜案内面を形成することで構成される。
【0058】
よって、この第3実施例では、一番下の段に平角銅線のコイル42を巻き付けた後、2段目の段に移行するとき、乗り上げ案内部50cに沿ってスムーズにコイル42が2段目に乗り上げる。つまり、平角銅線のコイル42のコイル同士が接触することなく、乗り上げ案内部50cに沿ってスムーズにコイル42を上の段に乗り上げ案内することができる。
【0059】
なお、第3実施例装置の他の構成及び作用効果は、第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0060】
次に、効果を説明する。
【0061】
第3実施例のモータの電機子構造にあっては、第1実施例効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0062】
(6) 鞍型絶縁部品50の端部位置に、コイル42の巻き付け時に上の段に乗り上げる際の乗り上げ案内部50cを設けたため、平角銅線のコイル42のコイル同士が接触することなく、乗り上げ案内部50cに沿ってスムーズにコイル42を上の段に乗り上げ案内することができる。
【0063】
以上、本発明のモータの電機子構造を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例〜第3実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0064】
第1〜第3実施例では、固定電機子であるステータを有する多層モータ(同期モータ)への適用例を示したが、回転電機子を有するモータにも適用することができる。
【0065】
第2実施例では鞍型絶縁部品50にコイル導入溝50bを設けた例、第3実施例では鞍型絶縁部品50に乗り上げ案内部50cを設けた例を示したが、凹部50aとコイル導入溝50bと乗り上げ案内部50cを設けた鞍型絶縁部品50としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のステータ構造が適用された多層モータMを示す縦断側面図である。
【図2】第1実施例のステータ構造が適用された多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【図3】第1実施例のステータを端面側から視た図である。
【図4】第1実施例のステータを示す縦断面図である。
【図5】第1実施例のステータ積層体を示す分解斜視図である。
【図6】第1実施例のステータ積層体を構成するステータピースを示す図である。
【図7】第1実施例のステータ積層体を示す軸方向断面図である。
【図8】従来のステータ積層体を示す軸方向断面図である。
【図9】第2実施例のステータ構造に適用されたコイル導入溝を有する鞍型絶縁部品を示す一部斜視図である。
【図10】第3実施例のステータ構造に適用された乗り上げ案内部を有する鞍型絶縁部品を示す一部斜視図である。
【符号の説明】
M 多層モータ
1 インナーロータ中空軸
2 インナーロータ
21 インナーロータマグネット(永久磁石)
4 ステータ(電機子)
40 ステータピース(コアピース)
40' 中心部用ステータピース(中心部用コアピース)
40'a インナーロータヨーク部
40'b アウターロータヨーク部
40'c コイル巻き付け部
40" 端部用ステータピース(端部用コアピース)
40"a インナーロータヨーク部
40"b アウターロータヨーク部
40"c コイル巻き付け部
40"d 位置決めピン穴
40"e 位置決めピン穴
40f 段差面
40g 凸型コア端部
41 ステータピース積層体(積層板コア)
42 コイル
43 冷却水路
44 インナー側ボルト・ナット
45 アウター側ボルト・ナット
46 非磁性体樹脂層
47 正面側ブラケット
48 背面側ブラケット
49 位置決めピン
50 鞍型絶縁部品(コイルエンド絶縁部品)
50a 凹部
50b コイル導入溝
50c 乗り上げ案内部
51 薄型絶縁物
51a 折り込み部
5 アウターロータ軸
6 アウターロータ
61 アウターロータマグネット(永久磁石)

Claims (5)

  1. コイルが巻かれた積層鋼板コアを円周上に複数配列することで構成された電機子を有するモータの電機子構造において、
    前記積層鋼板コアの両端部に、コイルが巻かれる部分のコア幅を狭くした端部用コアピースを積層することで凸型コア端部を形成し、
    かつ、前記積層鋼板コアの両端部に設けられるコイルエンド絶縁部品を、前記凸型コア端部に嵌合する凹部をコア接触面に有する鞍型絶縁部品とし
    前記積層鋼板コアのうち両端部に積層した端部用コアピースのみに、積層鋼板コアの位置決め用穴を設け、中心部に積層される中心部用コアピースは位置決め用穴のない形状としたことを特徴とするモータの電機子構造。
  2. 請求項1に記載されたモータの電機子構造において、
    前記積層鋼板コアのコイルが巻かれる中心部用コアピースの側面に設けられる薄型絶縁物を、積層鋼板コアの両端部において端部用コアピースとの段差面に折り込み、かつ、薄型絶縁物の折り込み部を前記鞍型絶縁部品により挟持したことを特徴とするモータの電機子構造。
  3. 請求項1または請求項2の何れかに記載されたモータの電機子構造において、
    前記モータは、固定電機子であるステータ側にコイルを巻き、ロータ側に永久磁石を使用し、ステータ側の磁界を回転させることによってロータを回転させる同期モータであることを特徴とするモータの電機子構造。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載されたモータの電機子構造において、
    前記鞍型絶縁部品のコイル導入部に、コイル導入溝を設けたことを特徴とするモータの電機子構造。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れかに記載されたモータの電機子構造において、
    前記鞍型絶縁部品の端部位置に、コイルの巻き付け時に上の段に乗り上げる際の乗り上げ案内部を設けたことを特徴とするモータの電機子構造。
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