JP3724216B2 - 反射型光変調素子及び投写型表示装置 - Google Patents

反射型光変調素子及び投写型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は反射型の光変調素子と、それを用いて形成された表示画像をスクリーン上に投写表示する投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー表示が可能な光変調素子を1枚用いて構成した単板方式の投写型表示装置(いわゆるプロジェクター)では、その光学的な構成が簡単であることから、小型化、軽量化、及び低価格化を実現しやすいという特徴がある。
【0003】
この単板方式の投写型表示装置に用いる光変調素子として、特開平8−240868号公報に開示されている様なカラーフィルターを使用しない色光分離型の反射型光変調素子が注目されている。この種の色光分離型の反射型光変調素子(以下では単に反射型光変調素子と呼称する)を用いて構成した投写型表示装置の光学構成の一例を図9(A)、(B)を用いて簡単に説明する。
【0004】
反射型光変調素子700は、光が入射する側に設けた透明な第1の電極130と、3種類の色光(赤光、緑光、青光)に対応する3種類の反射型画素電極701R、701G、701Bからなる画素ユニット702を基本的な繰り返し単位として、その画素ユニット702を平面状に配列して構成した第2の電極140と、両者の電極に挟持された光変調層(液晶層)150と、3種類の色光を画素ユニット内の対応する各々の反射型画素電極部分に導き入れるための集光手段110と偏向手段120とを備えている。
【0005】
光源部410から出射された照明光は、まず、ダイクロイックミラー(色光分離手段)420によって進行方向が異なる3種類の色光(赤光、緑光、青光)に分離された後、偏光ビームスプリッタ(偏光分離手段)440によって1種類の偏光光(例えばS偏光光)となり、第1レンズアレイ(集光手段)110に入射する。ここで、第1レンズアレイを構成する第1微小レンズ111は画素ユニットの配列と対応しており、すなわち、1つの第1微小レンズ111が画素ユニット内の3種類の反射型画素電極701R、701G、701Bと対応しており、第1微小レンズ111に入射した照明光は色光毎に空間的に異なる位置に集光されつつ第2レンズアレイ120に達する。従って、この第1微小レンズ111を照明光が通過することによって、3種類の反射型画素電極に対応し、なおかつ空間的に分離された色光が形成されることになる。その後、これらの色光は、第2レンズアレイ(偏向手段)120を構成する第2微小レンズ121によって、その進行方向が第2微小レンズ121への入射位置に応じて曲げられ、各々の色光の主光線の方向が反射型画素電極701R、701G、701Bの反射面と略垂直となる状態で光変調層である液晶層150に入射する。入射した照明光は液晶層150を往復する間に変調を受け(偏光状態を変え)、同時に、反射面で反射されて、入射時と略同一の経路を逆に辿って再び偏光ビームスプリッタ440に入射する(以下では、この様な光を戻り光と呼称する)。偏光ビームスプリッタ440は変調を受けた各色光の内の特定の偏光光(例えばP偏光光)のみを透過させ投写レンズに導き入れる。そして、投写レンズ470は反射型光変調素子に形成されたカラー画像をスクリーン上(図示せず)に投写表示する。
【0006】
この様な反射型光変調素子では、光変調素子への入射方向が予め分離された3種類の色光からなる照明光を光変調素子の対応する画素に空間的に分離しながら入射させて各々の色光を変調するため、従来のカラーフィルターを用いて構成した光変調素子と比べて、大きな光損失を伴うことなくカラー画像を形成することができ、また、光変調素子が反射型であることから、光の変調を行う画素(反射面)と画素部分に所定の電圧を印加する回路素子とを、光変調素子の厚み方向に立体的に配置することができるため、平面上に配列される画素の高密度化を比較的容易に実現できる等の特徴がある。従って、この種の反射型光変調素子では明るく高精細なカラー画像を比較的容易に実現することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な反射型光変調素子では、色表現性が劣り、表現できる色の範囲が狭くなると言う欠点を有している。この点を図10を用いて説明する。尚、青光と赤光の振る舞いは基本的には同じであるため、図10では、青光と緑光に注目して説明する。
【0008】
光源部410から出射される照明光は、ある角度分布を有する発散光或いは集束光であり、いわゆる完全な平行光ではない。従って、第1及び第2レンズアレイによって集光された各々の色光はある有限の大きさの集光像760を形成し、その集光像760の大きさは光源部から出射される照明光の平行性が低下するほど大きくなる。また、第2レンズアレイ120と第2の電極140との間には、少なくとも第1の電極130と光変調層150を配置する必要があることから、第2の電極140である反射型画素電極701R、701G、701Bは、第2レンズアレイ120から離れた場所に配置される。
【0009】
従って、第1レンズアレイ110で集光された各色光は、その光束径を十分に細く絞られない状態で第2レンズアレイ120に入射するため、反射型光変調素子に入射した赤、緑、青の各々の色光を対応する画素だけに完全に導き入れる事が出来ず、図10に斜線で示すように、本来ならば青光用の反射型画素電極701Bに到達すべき青光の一部770が、隣接する赤光用の反射型画素電極711Rに入射する現象が生じる。この赤光用の反射型画素電極711Rに入射した青光は、赤光用の反射型画素電極711Rにとっては不要な光であり、その結果、隣接する画素間において混色や色のにじみを生じ、反射型光変調素子全体では、色表現性が低下し、表現できる色の範囲も狭くなる。一方、緑光用の反射型画素電極701Gは画素ユニット702の略中央部に配置されているため、反射型光変調素子に対して略垂直に入射する緑光では、小さな寸法の集光像を形成し易く、上述の青光(や赤光)で生じる隣接画素への不要な光の混入は非常に少ない。
【0010】
以上のような点に鑑みて、本発明の課題は、隣接画素に入射する不要な光を低減することにより、色表現性に優れ、広範囲の色を表現できる反射型光変調素子を実現することにあり、その様な反射型光変調素子を用いることによって、明るく高品位なカラー画像を投写表示できる投写型表示装置を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(課題を解決するための原理の説明)
まずはじめに、反射型光変調素子を用いた投写型表示装置において、スクリーン上に投写表示される画像と反射型光変調素子に形成された画像との光学的な関係について説明する。尚、ここでは、集光手段及び偏向手段としてレンズアレイを用いた反射型光変調素子を想定している。
【0012】
主光線の方向が予め分離された赤、緑、青の3種類の色光によって構成された照明光は、集光手段である第1レンズアレイの第1微小レンズによって空間的に分離された色光に変換された後、3種類の色光に対応した各々の反射型画素電極で反射され、戻り光(反射光)となって、照明光が入射したのと同じ位置にある第1微小レンズに戻り、1つの投写光に合成され、スクリーン上に導かれる。ここで、投写レンズを介してスクリーン上に投写表示される画像は、3種類の色光に対応した反射型画素電極の像ではなく、3種類の戻り光(反射光)が再び1つに合成される第1レンズアレイの第1微小レンズ(及びその近傍)の像(色と明るさの分布により形成されるイメージ)に他ならない。このことから、各々の色光が入射する反射型画素電極の寸法形状を、3種類の画素電極間において必ずしも同一に設定する必要はないと言える。即ち、3種類の画素電極間において、各々の画素電極の寸法形状が異なっていても、その寸法形状の違い自体は投写表示される画像に直接影響を及ぼすものではなく、隣接する画素電極への不要な色光の混入と、その結果生じる色光間における戻り光の光量バランスの不均一性こそが投写画像に直接影響を及ぼすと言える。
【0013】
従って、第1レンズアレイで集光され第2レンズアレイで主光線の方向が曲げられた各々の色光を、対応する反射型画素電極だけに入射させ、そこで反射されて第1レンズアレイの第1微小レンズに戻ってくる戻り光の光量を3種類の反射型画素電極間において等しくなるように、各々の色光の集光状態や集光位置に応じて反射型画素電極の寸法形状やその配置の仕方を最適化した反射型光変調素子を構成すれば、明るく、色表現性に優れた投写画像を実現することができる。
【0014】
(課題を解決するための手段及びその作用・効果)
上記課題を解決するために、本発明に係わる第1の反射型光変調素子は、光が入射する側に設けた透明な第1の電極と、前記第1の電極に対向して設けた互いに異なる複数色の色光用の複数の反射型画素電極を画素ユニットとし、前記画素ユニットを所定の順序でマトリックス状に配列した第2の電極と、前記第1と第2の電極との間に設けた光変調層と、前記第1の電極側に配置され、入射方向が異なる前記複数色の色光の入射光の各々を集光して対応する前記反射型画素電極に導く集光手段と、前記集光手段と前記第1の画素電極との間に配置され、前記集光手段から入射する前記複数色の色光の各々の主光線の出射方向を対応する前記反射型画素電極の略法線方向に向ける偏向手段とを有し、入射方向が予め分離された前記複数色の色光を照明光として用いる反射型光変調素子において、前記画素ユニットを構成する前記複数の反射型画素電極のうち、少なくとも1つの反射型画素電極の寸法形状が、他の反射型画素電極の寸法形状と異なっていることを特徴とする。
【0015】
上記の第1の反射型光変調素子の構成によれば、集光手段によって集光された各々の色光の集光像の大きさ(光束径)やその集光位置に応じて、光が反射する反射型画素電極の大きさを設定することが出来るので、各々の色光を対応する特定の反射型画素電極だけに効率よく導くことが出来る。従って、隣接する反射型画素電極に入射する不要な光を低減でき、その結果、明るく、色表現性に優れた表示画像を実現することが出来る。尚、集光手段及び偏向手段としては、微小レンズをアレイ状に配列して構成したレンズアレイや回折素子、及び、ホログラム素子等を用いることが出来る。
【0016】
また、本発明に係わる第2の反射型光変調素子は、光が入射する側に設けた透明な第1の電極と、前記第1の電極に対向して設けた互いに異なる複数色の色光用の複数の反射型画素電極を画素ユニットとし、前記画素ユニットを所定の順序でマトリックス状に配列した第2の電極と、前記第1と第2の電極との間に設けた光変調層と、前記第1の電極側に配置され、入射方向が異なる前記複数色の色光の入射光の各々を集光して対応する前記反射型画素電極に導く集光手段と、前記集光手段と前記第1の画素電極との間に配置され、前記集光手段から入射する前記複数色の色光の各々の主光線の出射方向を対応する前記反射型画素電極の略法線方向に向ける偏向手段とを有し、入射方向が予め分離された前記複数色の色光を照明光として用いる反射型光変調素子において、前記画素ユニットを構成する前記3つの反射型画素電極を前記画素ユニットの略中央部付近に配置し、隣接する画素ユニットとの境界部付近には反射型画素電極を配置しない構成としたことを特徴とする。
【0017】
反射型光変調素子の集光手段が、複数の微小レンズをマトリックス状に配列して構成したレンズアレイによって構成されている場合を想定すると、隣接する画素ユニット間の境界部付近に入射した光の一部は、反射型画素電極で反射された後、入射時に通過してきた微小レンズとは異なる他の微小レンズに入射する。特に、画素ユニット間の境界部付近では、赤光用の反射型画素電極と青光用の反射型画素電極が画素ユニット間の境界を挟むように両隣して配置されるため、この様な反射型画素電極の配置状態で、隣接する反射型画素電極に不要な色光が入射した場合には、色光の波長が大幅に異なっているため、色表現性に大きな影響を与える。この様な反射型画素電極の配置状態であっても、上記の第2の反射型光変調素子の構成を採用すれば、画素ユニット間の境界部付近には反射型画素電極が配置されないため、この領域に入射した光は有効に反射されず、レンズアレイ(集光手段)に戻る光は極めて減少する。その結果、隣接する反射型画素電極に入射する不要な光を低減でき、明るく、色表現性に優れた表示画像を実現することが出来る。尚、上記の反射型画素電極の構成は、集光手段に回折素子やホログラム素子を用いた場合においても同様に効果的である。
【0018】
ここで、本発明に係わる第1の反射型光変調素子に採用されている反射型画素電極の配置構成と、本発明に係わる第2の反射型光変調素子に採用されている反射型画素電極の配置構成とを併用しても良い。すなわち、本発明に係わる第2の反射型光変調素子においては、前記画素ユニットは3つの反射型画素電極からなり、該3つの反射画素電極のうち、少なくとも1つの反射型画素電極の寸法形状が、他の反射型画素電極の寸法形状と異なっていることを特徴とする。
【0019】
この様な構成を採用すれば、隣接する反射型画素電極に入射する不要な光をより一層低減できるので、明るく、色表現性に優れた表示画像を実現することが出来る。
【0020】
さらに、色光が方向分離される方向に対して直交する方向においては、同じ色光に対応する同種類の反射型画素電極は一列に配置されているので、この方向に並ぶ反射型画素電極間においては、隣接する反射型画素電極に入射する光のほとんどは同じ色光であり、従って、この様な光が隣接する反射型画素電極に入射しても色表現性に与える影響は小さい。従って、本発明に係わる第2の反射型光変調素子において、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向においては、隣接する画素ユニットとの境界部付近には前記反射型画素電極を配置せず、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向に対して直交する方向においては、隣接する画素ユニットとの境界部付近にも前記反射型画素電極を配置した構成とすることが望ましい。この様な構成を採用すれば、画素ユニット内の反射型画素電極が並ぶ方向に対して直交する方向においては、可能な限り大きな寸法の反射型画素電極を配置することが出来るため、色光の反射光量を増加でき、明るい表示画像を実現することが出来る。勿論、色表現性に大きな影響を与える不要な光が隣接する反射型画素電極に入射する現象を効果的に抑制できるため、色表現性を低下させることはほとんどない。
【0021】
また、上記の第1及び第2の反射型光変調素子では、前記画素ユニットを構成する前記複数の反射型画素電極のうち、中央に位置する反射型画素電極の、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向における寸法が、他の反射型画素電極よりも小さく設定した構成を採用することが出来る。画素ユニットの中央部に配置された反射型画素電極に入射する色光は、偏向手段によってその進行方向をほとんど曲げられない光であるため、一般的には、小さな寸法の集光像を形成し易い。それに対して、画素ユニットの両側に配置された反射型画素電極に入射する色光は、偏向手段によってその進行方向を曲げられた光であるため、小さな寸法の集光像を形成し易くはない。従って、上記の構成を採用することにより、画素ユニットの両側に配置された反射型画素電極の寸法を大きくできるので、色表現性に大きな影響を与える不要な光が隣接する反射型画素電極に入射する現象を抑制しつつ、色光の反射光量を増加でき、明るく、色表現性に優れた表示画像を実現することが出来る。尚、画素ユニットの略中央部に緑光用の反射型画素電極を、その両側に赤光用及び青光用の反射型画素電極を配置する場合には、集光手段によって形成される集光像の寸法は色光の波長に比例することを考慮して、赤光用の反射型画素電極の寸法を最も大きくし、緑光用の反射型画素電極の寸法を最も小さく設定すれば、色表現性の向上に対して一層効果的である。
【0022】
本発明に係わる第1の投写型表示装置は、前記の反射型光変調素子と、略平行な光を出射する光源部と、前記光源部からの光を互いに波長域が異なる複数色の色光に分離すると共に、各々の色光の進行方向を分離する色光分離手段と、前記色光分離手段からの3つの色光の各々を、さらに偏光状態の異なる2種類の偏光光に分離し、前記一方の偏光状態を有する前記複数色の色光を前記反射型光変調素子に入射させる偏光分離手段と、前記反射型光変調素子で変調された光をスクリーン上に投写する投写手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
或いは、本発明に係わる第2の投写型表示装置は、略平行な光束を出射する光源部と、前記光源部からの光を偏光状態の異なる2種類の偏光光に分離する偏光分離手段と、前記偏光分離手段からの偏光光の内の一方の偏光光を、さらに互いに波長域が異なる複数色の色光に分離すると共に、各々の色光の進行方向を分離する色光分離手段と、前記反射型光変調素子で変調された光束をスクリーン上に投写する投写手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
以上の本発明に係わる第1及び第2の投写型表示装置は、前記の反射型光変調素子を用いて構成されているので、明るく、色表現性に優れた高品位なカラー画像を投写表示することができる。ここで、前記の第1の投写型表示装置に採用した構成によれば、反射型光変調素子と投写手段との間には主に偏光分離手段だけが配置されるので、反射型光変調素子と投写手段との間の距離を比較的短く設定でき、その結果として、明るい投写画像を表示することが出来る。一方、前記の第2の投写型表示装置に採用した構成によれば、偏光分離手段には発散角が比較的小さな光を入射させることができるので、偏光分離手段における偏光分離性能の入射角依存性を低減でき、その結果として、コントラスト比の高い投写画像を表示することが出来る。尚、反射型光変調素子と投写手段との間に配置される色光分離手段を屈折率の高いガラスプリズムで構成すれば、反射型光変調素子と投写手段との間の距離をより短く設定できるため、光利用効率の高い、より一層明るい投写画像を表示できる投写型表示装置を実現することが出来る。
【0025】
さらに、上記第1及び第2の投写型表示装置において、前記色光分離手段と前記偏光分離手段の両方の機能を兼ね備えた光分離手段を、前記色光分離手段と前記偏光分離手段に代えて用いることができる。その場合にも、反射型光変調素子と投写手段との間の距離をより短く設定できるため、光利用効率の高い、より一層明るい投写画像を表示できる投写型表示装置を実現することが出来る。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を各実施例に基づいて説明する。尚、以下の実施例においては、特にことわりのない限り、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向、Z方向とする。
【0027】
(第1実施例)
図1(A)は、本発明の第1実施例に使用される色光分離型の反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図であり、図1(B)はその反射型光変調素子に形成されている反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【0028】
図1(A)に示すように、この反射型光変調素子100は、主に、光が入射する側から順に、集光手段である第1レンズアレイ110、偏向手段である第2レンズアレイ120、第1の電極である透明電極130、及び、第2の電極である複数の反射型画素電極140とを備えており、透明電極130と反射型画素電極140との間には光変調層である液晶層150が形成されている。第1レンズアレイ110は複数の第1微小レンズ111によって、また、第2レンズアレイ120は複数の第2微小レンズ121によって各々形成されており、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極140R、140G、140Bからなる一つの画素ユニット149に対して、一つの第1微小レンズ111及び一つの第2微小レンズ121が各々対応した構成となっている。第1レンズアレイ110は、第1レンズアレイに異なる角度で入射する赤光160R、緑光160G、青光160Bの各々を集光する機能(集光作用)を有し、第2レンズアレイ120は、第2レンズアレイを通過する光束の主光線の方向を変化させる機能(偏向作用)を有している。尚、本例においては、画素ユニット149の両端に赤光用及び青光用の反射型画素電極140R、140Bを配置した構成としているが、これに限定されるものではない。
【0029】
それぞれ異なる角度で反射型光変調素子100に入射した赤光160R、緑光160G、青光160Bの光束は、第1レンズアレイ110を構成する第1微小レンズ111によって各々集光され、反射型光変調素子への入射角の違いに応じて、第2レンズアレイ120を構成する第2微小レンズ121上の異なる位置に入射する。ここで、赤光160Rと青光160Bは反射型光変調素子の入射面の法線に対してある角度(θR>0、θB>0、θG=0)を伴って入射する色光であるため、第2レンズアレイ120の偏向作用によって各々の主光線の方向は液晶層150の法線の方向に略一致するように曲げられ、赤光160Rと青光160Bは液晶層150に略垂直に入射して、各々対応する赤光用及び青光用の反射型画素電極140R、140Bで反射される。一方、反射型光変調素子に対して略垂直に入射する緑光160Gは、第2微小レンズ121の偏向作用をほとんど受けることなく、液晶層150に略垂直に入射し、緑光用の反射型画素電極140Gで反射される。液晶層150に入射した色光は、液晶層を往復する間に外部からの画像信号(図示せず)に応じて変調される。反射型画素電極で反射された色光は、入射時の光路と略同一の光路を逆に通って、すなわち、赤光160Rと青光160Bは第2微小レンズ121でその進行方向を再び曲げられ、一方、緑光160Gは第2微小レンズ121でその進行方向をほとんど曲げられることなく反射型光変調素子100から出射される。
【0030】
次に、反射型画素電極140の平面的な配置状態について、図1(B)を用いて説明する。図1(B)に示すように、本例の反射型画素電極140は、3種類の反射型画素電極間においてその寸法形状が全く同一ではなく、3種類の色光の集光状態に応じて、反射型画素電極の寸法形状が各々異なっている。すなわち、色光の入射方向が分離される方向(X方向)における反射型画素電極の寸法は、赤光用、青光用、緑光用の順に小さく(DR>DB>DG)、一方、色光の入射方向が分離されない方向(Y方向)における反射型画素電極の寸法(DY)は、いずれも同じに設定されている。
【0031】
このように3種類の反射型画素電極の寸法形状を設定し、各々の色光を対応する反射型画素電極の略中央部に集光した状態で入射させれば、色光の集光状態を考慮して反射型画素電極の寸法と画素ユニット内における配置場所が設定されているので、隣接する反射型画素電極に不要な光として入射する色光を低減することができる。また、戻り光(反射型画素電極で反射された光)が入射時に通過した第2微小レンズとは異なる別の第2微小レンズに入射する現象を抑制することができる。
【0032】
また、第2微小レンズの周辺部を通過する赤光と青光は、第2微小レンズの中央部を通過する緑光に比べて第2微小レンズの影響をより受け易い。例えば、第2微小レンズの成型精度が悪い場合には、対応する反射型画素電極からずれた位置に色光が集光されたり、集光像の寸法が大きくなるが、その様な現象が生じた場合でも、本例の反射型光変調素子100では、上記のように3種類の反射型画素電極が設定されているため、隣接する反射型画素電極に不要な光として入射する色光を低減することができる。
【0033】
さらに、レンズを形成する物質は、一般的にその屈折率などに波長依存性を有するため、色光の波長に応じて集光像の寸法は変化し、また、第2微小レンズによって曲げられる光の角度も、光の波長によって変化する。特に、第1及び第2微小レンズにおける光の回折現象を考慮すると、波長の長い赤光によって形成された集光像の寸法は、赤光よりも波長の短い青光や緑光によって形成された集光像の寸法よりも大きくなるため、隣接する反射型画素電極に不要な光となって入射する割合が最も高い色光は波長がより長い赤光であると言える。しかしながら、本例の反射型光変調素子100では、3種類の反射型画素電極のY方向における寸法を赤光用の反射型画素電極が最も大きく、緑光用の反射型画素電極が最も小さいというように設定しているため、隣接する反射型画素電極に不要な光として入射する色光を効果的に低減することができる。
【0034】
従って、反射型光変調素子100に入射した各々の色光は対応する反射型画素電極だけに入射し、そこで反射され、入射時と同一の光路を逆に通って反射型光変調素子から出射されるので、混色や色のにじみ、及び隣接する画素ユニット間における光クロストーク等を防止することができる。その結果、色表現性に優れ、広範囲の色を表現できる反射型光変調素子を実現することが出来る。
【0035】
尚、隣接する反射型画素電極に不要な別の色光が入射する現象は、反射型光変調素子に入射する光の平行性が低下するほど顕著に生じることから、本例の反射型光変調素子は平行性の悪い照明光を出射する光源の使用を想定した場合には特に効果的であると言える。
【0036】
(第1実施例の変形例)
第1実施例では、赤光用と青光用の反射型画素電極140R、140Bの画素電極の寸法形状が、両者の間において異なるように設定されていたが、赤光の集光像の寸法と青光の集光像の寸法の違いは僅かであるので、図2に示すように、赤光用と青光用の反射型画素電極141R、141Bの寸法形状を両者の間において同一に設定しても良い。すなわち、3種類の色光に対応した3種類の反射型画素電極間において、それらの反射型画素電極の寸法形状は、画素ユニットの中程に配置されている緑光用の反射型画素電極141Gだけが、画素ユニットの両端に配置されている他の色光用の反射型画素電極に比べて小さく設定されている(DR=DB>DG)。この様な構成を採用することにより、第1実施例の場合と同様に色表現性に優れ、広範囲の色を表現できる反射型光変調素子を実現できると共に、反射型光変調素子の設計及び製造をより容易に行えるという特徴がある。
【0037】
(第2実施例)
次に、別の実施例について説明する。図3(A)は、本発明の第2実施例に使用される色光分離型の反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図であり、図3(B)はその反射型光変調素子に形成されている反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。この反射型光変調素子200は、図1(A)、(B)を用いて説明した反射型光変調素子100と比較した場合、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極の画素ユニット内部における寸法形状や配置の仕方が異なっており、その他の構成は同様である。従って、第1実施例の反射型光変調素子100と同じ機能を有する部分には同じ番号を付し、重複する部分及びその機能については、説明を省略する。
【0038】
図3(A)、(B)に示すように、この反射型光変調素子200では、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極142R、142G、142Bを画素ユニット149の略中央部付近に配置し、隣接する画素ユニット間の境界部170付近には反射型画素電極を配置しない構成となっている。また、3種類の反射型画素電極142R、142G、142Bの寸法形状はいずれも同一に設定されている。
【0039】
この様に3種類の反射型画素電極を配置することによって、隣接する画素ユニット間の境界を越えて隣りの画素ユニットの反射型画素電極に入射する不要な光や、入射時とは異なる第2微小レンズを経て第1微小レンズ方向に戻っていく不要な戻り光を低減できるため、色表現性に優れ、広範囲の色を表現できる反射型光変調素子を実現することが出来る。
【0040】
ここで、反射型画素電極が配置されていない領域、すなわち、隣接する画素ユニット間の境界部170付近に入射した光は、変調作用を受けないため、偏光状態を変化させずに反射型光変調素子200から出射される。従って、ノーマリ黒の表示モードにおいて反射型光変調素子を使用する構成とすれば、反射型画素電極が配置されていない領域に入射した光は、そのまま光源部(図示せず)側に戻っていくため、表示状態に悪影響を及ぼすことはない。
【0041】
(第2実施例の変形例)
先に第1実施例で示した反射型光変調素子100の様に、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極に入射する各々の色光の集光性を考慮して、3種類の反射型画素電極のX方向における大きさを変えた設定としても良い。例えば、図4に示すように、緑光の集光特性が他の赤光及び青光に対して優れている点を考慮して、緑光用の反射型画素電極143GのX方向における寸法(DG)を小さくし、その分他の赤光用及び青光用の反射型画素電極143R、143BのX方向における寸法(DR、DB)を大きくした構成とすれば、隣接する反射型画素電極に入射する不要な光をさらに低減できるので、色表現性がより一層優れ、広範囲の色を表現できる反射型光変調素子を実現することが出来る。勿論、第1実施例のように、3種類の反射型画素電極のY方向における寸法を赤光用の画素電極が最も大きく、緑光用の画素電極が最も小さいというように設定した構成としても良いことは明白である。
【0042】
(第3実施例)
先の第2実施例で示した反射型光変調素子200では、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極を画素ユニットの略中央部付近に配置し、X方向及びY方向の両方向において、隣接する画素ユニットとの境界部付近には反射型画素電極を配置しない構成としたが、色光の入射方向が分離される方向(X方向)に直交した方向(Y方向)においては、隣接画素に不要な光が入射する可能性は比較的小さく、よって、色表現性に影響を及ぼす可能性も比較的小さいと言える。この点を考慮した別の実施例について説明する。図5(A)は、本発明の第3実施例に使用される色光分離型の反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図であり、図5(B)はその反射型光変調素子に形成されている反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。この反射型光変調素子300は、図3(A)、(B)を用いて説明した反射型光変調素子200と比較した場合、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極の画素ユニット内における寸法形状や配置の仕方が異なっており、その他の構成は同様である。従って、第2実施例の反射型光変調素子200と同じ機能を有する部分には同じ番号を付し、重複する部分及びその機能については、説明を省略する。
【0043】
図5(A)、(B)に示すように、この反射型光変調素子300では、色光の入射方向が分離される方向(X方向)に沿った境界部171付近においては、境界線173にほぼ接するように反射型画素電極144R、144G、144Bを配置し、Y方向に沿った境界部172付近においては反射型画素電極を配置しない構成となっている。従って、Y方向に隣接する画素ユニット間においては、反射型画素電極がほぼ隙間無く配置された状態となっている。
【0044】
この様な構成を採用することにより、反射型画素電極の寸法を大きくできるので、色表現性に及ぼす影響を最小限に抑えつつ、反射型画素電極における反射光量を増加させ、光利用効率の高い反射型光変調素子を実現することが出来る。
【0045】
尚、本例においても、先の第1実施例で説明したように、赤光用、緑光用及び青光用の3種類の反射型画素電極に入射する各々の色光の集光性を考慮して、3種類の反射型画素電極のX方向における大きさを変えた設定としても良い。
【0046】
(第4実施例)
次に、上記の反射型光変調素子を用いて構成した投写型表示装置について説明する。図6にその光学構成の概要を示す投写型表示装置400は、主に、略平行な照明光束を出射する光源部410、色光分離素子420、偏光分離素子440、第1実施例で説明した反射型光変調素子100、及び、反射型光変調素子100上に形成された表示画像をスクリーン(図示せず)上に投写表示する投写レンズ470から構成され、更に、色光分離素子420と偏光分離素子440との間には入射側偏光板430が、また、偏光分離素子440と投写レンズ470との間には出射側偏光板460が、そして、偏光分離素子440と反射型光変調素子100との間には1/4波長板450が配置された構成となっている。
【0047】
色光分離素子420は青光反射ダイクロイックミラー421、緑光反射ダイクロイックミラー422、赤光反射ダイクロイックミラー423の3枚のダイクロイックミラーから構成され、各々の反射面は互いに非平行な状態で配置されている。従って、光源部410から出射された略平行な照明光束は、3枚のダイクロイックミラー421、422、423によって反射されることによって進行方向が僅かに異なる青光、緑光、赤光に分離され、入射側偏光板430を経てほぼ一種類の偏光光束(本例の場合はS偏光光束)となった後、偏光分離素子440に入射する。尚、光源部410として一種類の偏光光束を出射できる光学装置を用いた場合や、後述する偏光分離素子440の偏光分離性能が優れている場合には、入射側偏光板430を省略しても良い。
【0048】
偏光分離素子440は、入射した光を偏光状態の違いによって2種類の偏光光束に空間的に分離する機能を有するもので、2つの直角プリズム441の斜面の間に偏光分離膜442を挟み込むようにして形成した偏光ビームスプリッタを用いることが出来る。色光分離素子420によって進行方向が僅かに異なる青光、緑光、赤光に分離された各々の色光(S偏光光束)は、偏光分離素子440の偏光分離膜442で反射され、1/4波長板450を経て、互いに僅かに異なる角度を伴って反射型光変調素子100に入射する。反射型光変調素子100では、先に第1実施例で説明したように、外部からの画像信号(図示せず)に応じて光を変調し、画像信号を含んだ反射光束を出射する。すなわち、反射型光変調素子100に入射したS偏光光束は、外部からの画像信号に応じて反射型画素電極毎に偏光面の回転を受け、変調が施された光束はP偏光状態となり、変調が施されなかった光束はS偏光状態のまま反射型光変調素子100から出射される。
【0049】
反射型光変調素子100からの出射光束は、再度、1/4波長板450を経て偏光分離素子440に入射する。ここで、反射型光変調素子100で変調を施されP偏光状態となった色光は偏光分離素子440の偏光分離膜442をそのまま通過し、一方、変調を施されずにS偏光状態のままの色光は偏光分離膜442で反射され、色光分離素子420の方向に戻っていく。偏光分離素子440の偏光分離膜442を通過した光束は、出射側偏光板460を経て、投写レンズ470によってスクリーン(図示せず)上に導かれ、反射型光変調素子100の第1レンズアレイ110に形成されたイメージが投写画像となって表示される。尚、1/4波長板450は反射型光変調素子100の変調性能を補うために、また、出射側偏光板460は偏光分離素子440の偏光分離性能を補うために使用されるが、先の入射側偏光板430の場合と同様に、反射型光変調素子100の変調性能や偏光分離素子440の偏光分離性能が優れている場合には省略しても良い。
【0050】
この様に構成された投写型表示装置400には、先に第1実施例で説明した反射型光変調素子100が使用されているので、隣接する表示画素間における色クロストークや、色のにじみ、及び混色が少なく、色表現性に優れた投写画像を得ることができ、また、広範囲の色を表現することができる。さらに、反射型光変調素子100と投写レンズ470との間には主に偏光分離素子440だけが配置されるので、反射型光変調素子と投写レンズとの間の距離を比較的短く設定でき、その結果として、明るい投写画像を表示することが出来る。尚、反射型光変調素子100に代えて、先に説明したその他の反射型光変調素子を用いた場合にも、同様に高性能な投写型表示装置を実現できることは明白である。
【0051】
(第5実施例)
先の第4実施例で説明した投写型表示装置400に対して、色光分離素子420と偏光分離素子440の配置場所を変えた別の投写型表示装置に対しても上記の反射型光変調素子を用いることが出来る。図7を用いて、その様な構成の投写型表示装置500の光学構成について説明する。尚、第4実施例の投写型表示装置400と同じ機能を有する部分には同じ番号を付し、重複する部分及びその機能については、説明を省略する。
【0052】
図7に示すように、この投写型表示装置500では、光源部410から出射された略平行な照明光束は入射側偏光板430を経て偏光分離素子440の偏光分離膜442で進行方向を略90度変え、S偏光光束となって色光分離素子420に入射する。色光分離素子420に入射した照明光束(S偏光光束)は、互いに非平行な状態で配置された3枚のダイクロイックミラー421、422、423で反射されることによって進行方向が僅かに異なる青光、緑光、赤光に分離され、1/4波長板450を経て反射型光変調素子100に入射する。反射型光変調素子100では外部からの画像信号(図示せず)を含んだ反射光束が生成され、その光束は、再度、1/4波長板450、色光分離素子420、偏光分離素子440、出射側偏光板460及び投写レンズ470を経てスクリーン(図示せず)上に導かれ、反射型光変調素子100の第1レンズアレイ110に形成されたイメージが投写画像として表示される。
【0053】
一般的に、偏光分離素子440の偏光分離性能は入射する光に対して大きな角度依存性を有するため、偏光分離素子440に入射する光束には高い平行性が要求される。これに対して、上記のように構成された投写型表示装置500では、光源部410からの照明光束や色光分離素子420からの反射光束を、略平行な状態で偏光分離素子440に入射させることが出来るため、優れた偏光分離性能を発揮させることができ、その結果、明るく、コントラストの高い投写画像を得ることが出来る。勿論、先の第4実施例の場合と同様に、本発明の反射型光変調素子100が使用されているので、隣接する表示画素間における色クロストークや、色のにじみ、及び混色が少なく、色表現性に優れた投写画像を実現できる。
【0054】
(第4及び第5実施例の変形例)
第4及び第5実施例において用いた色光分離素子420と偏光分離素子440の両方の機能を有する光分離手段480を用いた投写型表示装置に対しても上記の反射型光変調素子を用いることが出来る。図8を用いて、その様な構成の投写型表示装置600の光学構成について説明する。尚、第4実施例の投写型表示装置400と同じ機能を有する部分には同じ番号を付し、重複する部分及びその機能については、説明を省略する。
【0055】
図8に示すように、この投写型表示装置600では、光源部410から出射された略平行な照明光束は入射側偏光板430を経て光分離素子480に入射し、偏光分離機能と色光分離機能を兼ね備えた3枚の偏光ダイクロイックミラー481、482、483で反射されると同時に、進行方向が僅かに異なり、且つ、いずれもS偏光状態にある青光、緑光、赤光に分離され、1/4波長板450を経て反射型光変調素子100に入射する。反射型光変調素子100では外部からの画像信号(図示せず)を含んだ反射光束が生成され、その光束は、再度、1/4波長板450、光分離素子480、出射側偏光板460及び投写レンズ470を経てスクリーン(図示せず)上に導かれ、反射型光変調素子100の第1レンズアレイ110に形成されたイメージが投写画像として表示される。
【0056】
上記のように構成された投写型表示装置600では、反射型光変調素子100と投写レンズ470との間の距離を短く出来るため、光学系における光利用効率を高められ、その結果、より一層明るい投写画像を得ることが出来る。勿論、先の第4及び第5実施例の場合と同様に、本発明の反射型光変調素子100が使用されているので、隣接する表示画素間における色クロストークや、色のにじみ、及び混色が少なく、色表現性に優れた投写画像を実現できる。
【0057】
なお、各実施例においては、赤、緑、青の組み合わせを例にして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、複数食の色光を組み合わせてカラー表示を行うものであればいずれの色光の組み合わせにも適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、色光分離型の反射型光変調素子において、反射型光変調素子に入射する色光の集光状態や集光位置を考慮して、各々の色光に対応した3種類の反射型画素電極の寸法形状やその配置の仕方を設定しているので、各々の色光を対応する特定の反射型画素電極だけに効率よく導き入れることができる。従って、隣接する反射型画素電極に入射する不要な光を低減でき、その結果、明るく、色表現性に優れた画像を表示することが出来る。また、この様な反射型光変調素子を用いることにより、明るく、色表現性に優れた投写画像を表示する投写型表示装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の第1実施例に係わる反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図、(B)は反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【図2】本発明の第1実施例の変形例に係わる反射型光変調素子において、その反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【図3】(A)は、本発明の第2実施例に係わる反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図、(B)は反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【図4】本発明の第2実施例の変形例に係わる反射型光変調素子において、その反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【図5】(A)は、本発明の第3実施例に係わる反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図、(B)は反射型画素電極の平面的な配置状態を模式的に示した配置図である。
【図6】本発明の第4実施例に係わる投写型表示装置の光学構成を模式的に示した平面図である。
【図7】本発明の第5実施例に係わる投写型表示装置の光学構成を模式的に示した平面図である。
【図8】本発明の第6実施例に係わる投写型表示装置の光学構成を模式的に示した平面図である。
【図9】(A)は、従来の反射型光変調素子を用いて構成した投写型表示装置の光学構成を模式的に示した平面図、(B)は従来の反射型光変調素子の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図10】従来の反射型光変調素子において生じる光学的な問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
100、200、300、700・・・反射型光変調素子
110・・・第1レンズアレイ(集光手段)
111・・・第1微小レンズ
120・・・第2レンズアレイ(偏向手段)
121・・・第2微小レンズ
130・・・透明電極(第1の電極)
140・・・反射型画素電極(第2の電極)
140B、141B、142B、143B、144B・・・青光用の反射型画素電極
140G、141G、142G、143G、144G・・・緑光用の反射型画素電極
140R、141R、142R、143R、144R・・・赤光用の反射型画素電極
149・・・画素ユニット
150・・・液晶層(光変調層)
160B・・青光
160G・・緑光
160R・・赤光
170・・・境界部
171・・・X方向に沿った境界部
172・・・Y方向に沿った境界部
173・・・境界線
400、500、600、800・・・投写型表示装置
410・・・光源部
420・・・色光分離素子
421・・・青光反射ダイクロイックミラー
422・・・緑光反射ダイクロイックミラー
423・・・赤光反射ダイクロイックミラー
430・・・入射側偏光板
440・・・偏光分離素子
441・・・直角プリズム
442・・・偏光分離膜
450・・・1/4波長板
460・・・出射側偏光板
470・・・投写レンズ
480・・・光分離素子
481・・・青光反射ダイクロイックミラー
482・・・緑光反射ダイクロイックミラー
483・・・赤光反射ダイクロイックミラー
701B・・青光用の反射型画素電極
701G・・緑光用の反射型画素電極
701R・・赤光用の反射型画素電極
702・・・画素ユニット
711R・・隣接する赤光用の反射型画素電極
760・・・集光像
770・・・青光の一部

Claims (8)

  1. 光が入射する側に設けた透明な第1の電極と、
    前記第1の電極に対向して設けた互いに異なる複数色の色光用の複数の反射型画素電極を画素ユニットとし、前記画素ユニットを所定の順序でマトリックス状に配列した第2の電極と、
    前記第1と第2の電極との間に設けた光変調層と、
    前記第1の電極側に配置され、入射方向が異なる前記複数色の色光の入射光の各々を集光して対応する前記反射型画素電極に導く集光手段と、前記集光手段と前記第1の画素電極との間に配置され、前記集光手段から入射する前記複数色の色光の各々の主光線の出射方向を対応する前記反射型画素電極の略法線方向に向ける偏向手段とを有し、
    入射方向が予め分離された前記複数色の色光を照明光として用いる反射型光変調素子において、
    前記画素ユニットを構成する前記複数の反射型画素電極のうち、少なくとも1つの反射型画素電極の寸法形状が、他の反射型画素電極の寸法形状と異なり、
    前記画素ユニットを構成する前記複数の反射型画素電極のうち、中央に位置する反射型画素電極の、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向における寸法が、他の反射型画素電極よりも小さく、
    前記反射型画素電極は平面状であることを特徴とする反射型光変調素子。
  2. 光が入射する側に設けた透明な第1の電極と、
    前記第1の電極に対向して設けた互いに異なる複数色の色光用の複数の反射型画素電極を画素ユニットとし、前記画素ユニットを所定の順序でマトリックス状に配列した第2の電極と、
    前記第1と第2の電極との間に設けた光変調層と、
    前記第1の電極側に配置され、入射方向が異なる前記複数色の色光の入射光の各々を集光して対応する前記反射型画素電極に導く集光手段と、
    前記集光手段と前記第1の画素電極との間に配置され、前記集光手段から入射する前記複数色の色光の各々の主光線の出射方向を対応する前記反射型画素電極の略法線方向に向ける偏向手段とを有し、
    入射方向が予め分離された前記複数色の色光を照明光として用いる反射型光変調素子において、
    前記画素ユニットを構成する前記3つの反射型画素電極を前記画素ユニットの略中央部付近に配置し、隣接する画素ユニットとの境界部付近には反射型画素電極を配置しない構成とし、
    前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向においては、隣接する画素ユニットとの境界部付近には前記反射型画素電極を配置せず、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向に対して直交する方向においては、隣接する画素ユニットとの境界部付近にも前記反射型画素電極を配置したことを特徴とする反射型光変調素子。
  3. 請求項2において、
    前記画素ユニットは3つの反射型画素電極からなり、該3つの反射画素電極のうち、少なくとも1つの反射型画素電極の寸法形状が、他の反射型画素電極の寸法形状と異なっていることを特徴とする反射型光変調素子。
  4. 請求項2または請求項3において、
    前記画素ユニットを構成する前記複数の反射型画素電極のうち、中央に位置する反射型画素電極の、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向における寸法が、他の反射型画素電極よりも小さいことを特徴とする反射型光変調素子。
  5. 請求項1または請求項4において、前記画素ユニット内の前記反射型画素電極が並ぶ方向における寸法は、赤光用、青光用、緑光用の順に小さいことを特徴とする反射型光変調素子。
  6. 請求項1または請求項2に記載の反射型光変調素子と、
    略平行な光を出射する光源部と、
    前記光源部からの光を互いに波長域が異なる複数色の色光に分離すると共に、各々の色光の進行方向を分離する色光分離手段と、
    前記色光分離手段からの3つの色光の各々を、さらに偏光状態の異なる2種類の偏光光に分離し、前記一方の偏光状態を有する前記複数色の色光を前記反射型光変調素子に入射させる偏光分離手段と、
    前記反射型光変調素子で変調された光をスクリーン上に投写する投写手段とを備えたことを特徴とする投写型表示装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の反射型光変調素子と、
    略平行な光束を出射する光源部と、
    前記光源部からの光を偏光状態の異なる2種類の偏光光に分離する偏光分離手段と、
    前記偏光分離手段からの偏光光の内の一方の偏光光を、さらに互いに波長域が異なる複数色の色光に分離すると共に、各々の色光の進行方向を分離する色光分離手段と、
    前記反射型光変調素子で変調された光束をスクリーン上に投写する投写手段とを備えたことを特徴とする投写型表示装置。
  8. 請求項6または請求項7において、
    前記色光分離手段と前記偏光分離手段の両方の機能を兼ね備えた光分離手段を、前記色光分離手段と前記偏光分離手段に代えて用いたことを特徴とする投写型表示装置。
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