JP3722175B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケースの内部を、内気吸込口から吸い込まれた車室内空気をフット吹出口より車室内に吹き出す第1空気通路と外気吸込口から吸い込まれた車室外空気をデフロスタ吹出口より車室内に吹き出す第2空気通路とに区画する仕切り部材を備えた車両用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような車両用空気調和装置の第1従来技術として、特開平5−124426号公報に開示された技術がある。この第1従来技術の構成を簡単に説明すると、車両用空気調和装置の空調ケースは、その一端側に内気吸込口および外気吸込口が形成され、他端側にフット吹出口、デフロスタ吹出口およびフェイス吹出口が形成されている。
【0003】
そして、空調ケースの内部空間は、仕切り板によって、内気吸込口から吸い込まれた車室内空気(以下内気と言う)をフット吹出口より車室内に吹き出す第1空気通路と外気吸込口から吸い込まれた車室外空気(以下外気と言う)をデフロスタ吹出口より車室内に吹き出す第2空気通路とに区画形成されている。そして、空調ケースの内部には、空気流を発生する送風機、空気を冷却するエバポレータおよび空気を加熱するヒータコアが設けられている。
【0004】
そして、吹出口モードとしてフットデフモードが選択された時は、第1空気通路内に内気を導入し、第2空気通路内に外気を導入する二層モードとすることによって、既に温められている内気にて車室内を暖房するので暖房性能が向上し、さらに低湿度の外気が窓ガラスの内面に吹き出すので窓ガラスの防曇性能が向上する。
【0005】
また、第2従来技術として、特開平7−47831号公報に開示された技術がある。この第2従来技術の構成は、上記の第1従来技術と同じく、空調ケースの一端側に内気吸込口および外気吸込口が形成され、他端側にフット吹出口、デフロスタ吹出口およびフェイス吹出口が形成されている。そして、空調ケースの内部空間は、上記の第1従来技術と同様な構造の第1空気通路と第2空気通路とが仕切り板によって区画形成されていると共に、空調ケース内には送風機、エバポレータおよびヒータコアが設けられている。さらに、第2従来技術には、エバポレータを通過した直後の空気温度(エバ後温度)を検出するエバ後温度センサが設けられている旨が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の第1、第2従来技術のいずれにも、上記エバ後温度センサの具体的な配置位置について記載されていない。
そこで、エバ後温度センサを、第1空気通路側に設けた場合と第2空気通路側に設けた場合とについて、それぞれ以下のような実験を行った。すなわち、第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については、第2空気通路側におけるエバポレータの直後に実験用温度センサを設け、第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については、第1空気通路側におけるエバポレータの直後に実験用温度センサを設けた。
【0007】
そして、エバ後温度センサで検出したエバ後温度が第1所定温度(例えば4℃)以上の時にエバポレータによる冷却を行い、エバ後温度センサで検出したエバ後温度が第2所定温度(例えば3℃)以下の時にエバポレータによる冷却を停止する制御を種々の外気温度のもとで行ったときに、上記の実験用温度センサで検出したエバ後温度がどのような温度となるかについて実験を行った。
その結果、主に内気が流れる第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については図12に示すデータが得られ、主に外気が流れる第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については図13に示すデータが得られた。
【0008】
これらのデータから分かることは、第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合には、図13に示したように、外気温度が10℃以下の低外気温領域のときの第1空気通路側の冷風温度が第2所定温度より非常に高い温度となる。これにより、第2空気通路側のエバ後温度を基準にしてエバポレータの作動状態を制御するようにした場合には、低外気温領域のときに第1空気通路側のエバ後温度が第2所定温度まで低下する前に、エバポレータの作動が停止することになるので、第1空気通路側の内気の除湿性能が低下する。したがって、窓ガラスの内面が曇り易くなるという問題が生じる。
【0009】
また、第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合には、図12に示すように、第1、第2空気通路のそれぞれにおいて除湿性能を確保できるが、外気温度が10℃以下の低外気温領域のときの第2空気通路側のエバ後温度が第2所定温度より低い温度となる。これにより、第1空気通路側のエバ後温度を基準にしてエバポレータの作動状態を制御するようにした場合には、低外気温領域のときに第2空気通路側のエバ後温度が第2所定温度より低下してもエバポレータの作動が継続されることになるので、第2空気通路側のエバポレータが着霜(フロスト)するという可能性がある。したがって、第2空気通路側のエバポレータを通過する空気の抵抗(通風抵抗)が大きくなり、窓ガラスの内面に向けて吹き出す空気量が減少するので窓ガラスの防曇性能が低下するという問題が生じる。
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、冷却度合検出手段の好ましい配置位置を明確にすることにより、低外気温領域のときの車室内空気の除湿性能の低下を防止し、且つ冷却用熱交換器の着霜を防止して窓ガラスの防曇性能の低下を防止することのできる車両用空気調和装置の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、空調ケースの内部を第1空気通路と第2空気通路とに区画形成する仕切り部材に、冷却用熱交換器の下流側において第1空気通路と第2空気通路とを連通させる挿通孔を設け、この挿通孔に、冷却用熱交換器による空気冷却度合を検出する1個の冷却度合検出手段を設けることにより、部品点数を増加することなく、1個の冷却度合検出手段にて第1空気通路側の空気冷却度合と第2空気通路側の空気冷却度合との両方の空気冷却度合を検出できるようになる。それによって、第1空気通路側の空気冷却度合と第2空気通路側の空気冷却度合を基準にして冷却用熱交換器の作動および停止を制御することができる。
【0012】
この結果、仮に第1空気通路内に吸い込まれる車室内空気の内気温度が外気温度よりも高く、且つ第2空気通路内に吸い込まれる車室外空気の外気温度が低外気温領域のときであっても、第2空気通路側にのみ冷却度合検出手段を設けたものと比較して、冷却用熱交換器の作動が停止し難くなり、車室内空気の除湿性能の低下を抑えることができる。また、第1空気通路側にのみ冷却度合検出手段を設けたものと比較して、冷却用熱交換器の作動が継続され難くなり、第2空気通路側の冷却用熱交換器の着霜を抑えることができる。
したがって、車室内に向けて吹き出す空気の湿度の上昇を抑えることができるので窓ガラスの内面が曇り難くなり、車室内に向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので窓ガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、1個の冷却度合検出手段を、第1空気通路および第2空気通路の両方に突出した状態で仕切り部材に設けられた挿通孔内に嵌め合わすことにより、部品点数を増加することなく、1個の冷却度合検出手段にて第1空気通路側の空気冷却度合と第2空気通路側の空気冷却度合との両方の空気冷却度合を検出できるようになる。
請求項3に記載の発明によれば、1個の冷却度合検出手段を取付具を用いて仕切り部材に固定することにより、第1空気通路および第2空気通路の両方に突出した状態で保持できる。
請求項4に記載の発明によれば、1個の冷却度合検出手段を仕切り部材にて挟み込んで固定することにより、第1空気通路および第2空気通路の両方に突出した状態で保持できる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、仮に第1吸込口から第1空気通路内に吸い込まれる車室内空気の内気温度が外気温度よりも高く、且つ第2吸込口から第2空気通路内に吸い込まれる車室外空気の外気温度が低外気温領域のときであっても、請求項1に記載の発明と同様に、車室内空気の除湿性能の低下を抑えることができ、且つ第2空気通路側の冷却用熱交換器の着霜を抑えることができる。
したがって、第1吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出す空気の湿度の上昇を抑えることができるので窓ガラスの内面が曇り難くなり、第2吹出口から窓ガラスに向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので窓ガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、第1空気通路側の冷却用熱交換器を通過した直後の空気温度と第2空気通路側の冷却用熱交換器を通過した直後の空気温度との平均温度を基準にして冷却用熱交換器の作動開始時期と冷却用熱交換器の作動停止時期を制御することができるので、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図9は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の通風系の主要構成を示した図で、図2は車両用空気調和装置の通風系の全体構成を示した図である。
【0017】
本実施形態の車両用空気調和装置は、例えばディーゼルエンジン(以下エンジンと略す)を搭載する車両の車室内を空調する空調ユニット1の各空調手段を、空調制御装置(以下ECUと言う)9によって制御することにより、車室内の温度を常に設定温度に保つよう自動コントロールするように構成されたオートエアコンである。
【0018】
先ず、空調ユニット1の構成を図1および図2に基づいて説明する。
空調ユニット1は、図2上方が車両前方(エンジン側)、図示下方が車両後方(車室内側)、および図2左右方向が車両幅方向となるように、車両に搭載されており、車室内に空調空気を導く空気通路を成す空調ケース2を備える。この空調ケース2は、ポリプロピレン等の樹脂材料にて形成され、空気上流側から順に、内外気切替手段と送風機8とクーラユニットとヒータユニットとが結合されることで構成されている。なお、図2中破線X、Yはこれらの結合部位を示す。なお、内外気切替手段および送風機8については後述する。
【0019】
クーラユニット内には、車両に搭載された冷凍サイクル10の一構成を成すエバポレータ(冷媒蒸発器)15が設けられている。冷凍サイクル10は、自動車のエンジンの駆動力によって冷媒を圧縮するコンプレッサ(冷媒圧縮機)11と、圧縮された冷媒を凝縮液化させるコンデンサ(冷媒凝縮器)12と、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ(気液分離器)13と、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ(膨張弁、減圧手段)14と、減圧膨張された冷媒を蒸発させる上記のエバポレータ15とから構成される。このエバポレータ15は、本発明の冷却用熱交換器に相当する部品であって、後記する仕切り板4を貫通して空調ケース2の内部を全面塞ぐようにして配設され、自身を通過する空気を冷却する空気冷却作用および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う。つまり、エバポレータ15は、後記する第1空気通路18内を流れる空気を冷却する第1冷却部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を冷却する第2冷却部とから構成されている。
【0020】
また、コンプレッサ11には、エンジンからコンプレッサ11への回転動力の伝達を断続する電磁クラッチ16が連結されている。この電磁クラッチ16が通電された時に、エンジンの回転動力がコンプレッサ11に伝達されて、エバポレータ15による空気冷却作用が行われ、電磁クラッチ16の通電が停止した時に、エンジンとコンプレッサ11とが遮断され、エバポレータ15による空気冷却作用が停止される。
【0021】
ヒータユニット内には、エバポレータ15を通過した冷風を再加熱するヒータコア17が設けられている。このヒータコア17は、図3および図4に示したように、冷風がヒータコア17を迂回するバイパス通路17a、17bを形成するように配設されており、内部にエンジンを冷却した冷却水が流れ、この冷却水を暖房用熱源として冷風を再加熱する加熱用熱交換器である。また、ヒータコア17は、後記する仕切り板4を貫通して空調ケース2内において空調ケース2の幅方向または高さ方向を部分的に塞ぐように配設されており、後記する第1空気通路18内を流れる空気を加熱する第1加熱部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を加熱する第2加熱部とから構成されている。
【0022】
ヒータコア17の空気上流側には、回転軸3が空調ケース2に対して回転自在に設けられている。そして、回転軸3には、互いの板面が同一面となるようにして、板状の第1、第2エアミックスドア3a、3bが一体的に結合されている。また、回転軸3には、その駆動手段としてのサーボモータ40(図6参照)が連結されている。そして、サーボモータ40によって回転軸3が回転させられることによって、第1、第2エアミックスドア3a、3bは、図3および図4の実線位置から一点鎖線位置までの間で、2枚とも一体となって回動する。つまり、第1、第2エアミックスドア3a、3bは、その停止位置によって、ヒータコア17を通過する冷風量と第1、第2バイパス通路17a、17bを通過する温風量との割合を調節して、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調節する吹出温度調節手段として機能する。
【0023】
クーラユニットとヒータユニットとは、結合手段として例えば爪嵌合やねじ部材によって結合されている。そして、クーラユニットとヒータユニット内には、図2に示したように、略垂直方向に延在する仕切り板4によって、主に内気が流れる第1空気通路(内気通路)18と主に外気が流れる第2空気通路(外気通路)19とが区画形成されている。そして、エバポレータ15、ヒータコア17および回転軸3は、第1空気通路18と第2空気通路19とにまたがって配設されている。
【0024】
第1空気通路18は、後記する第1内気吸込口5aから吸い込まれた車室内空気(以下内気と言う)を、フット(FOOT)開口部2aを経てフット吹出口より車室内に吹き出す通風路である。第2空気通路19は、後記する外気吸込口5cから吸い込まれた車室外空気(以下外気と言う)を、デフロスタ(DEF)開口部2bとフェイス(FACE)開口部2cを経てデフロスタ吹出口、センタフェイス吹出口、サイドフェイス吹出口より車室内に吹き出す通風路である。
【0025】
仕切り板4は、本発明の仕切り部材に相当する部品で、空調ケース2の最下流よりやや上流側で且つヒータコア17の下流側の部位にて途切れており、この途切れた部分にて、第1空気通路18と第2空気通路19とを連通する連通孔4aが形成されている。なお、この連通孔4aは後記するフットドアにて開閉される。さらに、仕切り板4は、エバポレータ15の下流側で且つヒータコア17の上流側の部位に後記するエバ後温度センサが余裕を持って挿通することが可能な挿通孔4bを有している。
【0026】
そして、空調ケース2の最下流端には、FOOT開口部2a、DEF開口部2bおよびFACE開口部2cが形成されている。そして、FOOT開口部2aには、フットダクト(図示せず)が接続されており、このフットダクトの最下流端であるフット吹出口(本発明の第1吹出口に相当する)から乗員の足元部に向けて主に温風が吹き出される。また、DEF開口部2bには、デフロスタダクト(図示せず)が接続されており、このデフロスタダクトの最下流端であるデフロスタ吹出口(本発明の第2吹出口に相当する)からフロントシールドガラスの内面に向けて主に温風が吹き出される。さらに、FACE開口部2cには、センタフェイスダクトとサイドフェイスダクト(いずれも図示せず)が接続されている。このうち、センタフェイスダクト内に導入された空調風は、センタフェイスダクトの最下流端であるセンタフェイス吹出口から乗員の頭胸部に向けて吹き出される。さらに、サイドフェイスダクト内に導入された空調風は、サイドフェイスダクトの最下流端であるサイドフェイス吹出口からサイドシールドガラスの内面に向けて吹き出される。
【0027】
そして、各開口部2a〜2cの上流側の部位には、フットドア21、デフロスタドア22およびフェイスドア23が設けられている。フットドア21はフットダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアであり、デフロスタドア22はデフロスタダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアであり、フェイスドア23はセンタフェイスダクトへの空気流入通路への空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアである。
【0028】
なお、これらのドア21〜23は、図示しないリンク機構にて連結されており、そのリンク機構は、その駆動手段としてのサーボモータ41(図6参照)によって駆動される。つまり、サーボモータ41がリンク機構を動かすことによって、後述する各吹出口モードが得られるように各ドア21〜23が動く。また、サイドフェイスダクトへの空気流入通路は、各ドア21〜23によっては開閉されない。サイドフェイス吹出口付近には、乗員が手動でサイドフェイス吹出口を開閉する図示しない吹出グリルが設けられており、サイドフェイスダクトへの空気流入通路はその吹出グリルによって開閉される。
【0029】
次に、内外気切替手段および送風機8の構成を図5に基づいて説明する。ここで、図5は図2の矢印C方向から見た概略透視図である。
内外気切替手段は、図5に示したように、空調ケース2内に少なくとも内気と外気の一方または両方を取り入れるためのものであり、空調ケース2の空気最上流を構成する内外気切替箱5と、この内外気切替箱5内に回動自在に取り付けられた第1、第2吸込口切替ドア6、7とから構成されている。内外気切替箱5の内部には、車室内に向かう空気流を発生する送風機8が配設されている。内外気切替箱5には、送風機8の第1吸込口8aに対応して第1内気吸込口(本発明の第1吸込口に相当する)5aが形成されており、送風機8の第2吸込口8bに対応して第2内気吸込口5bおよび外気吸込口(本発明の第2吸込口に相当する)5cが形成されている。
【0030】
第1吸込口切替ドア6は第1内気吸込口5aを開閉するドアで、第2吸込口切替ドア7は第2内気吸込口5bおよび外気吸込口5cを開閉するドアである。そして、第1、第2吸込口切替ドア6、7には、それぞれの駆動手段としてのサーボモータ42、43(図6参照)が連結されており、これらのサーボモータ42、43によってそれぞれ図中実線位置と一点鎖線位置との間で回動させられる。また、内外気切替箱5には、第2内気吸込口5bまたは外気吸込口5cと第1吸込口8aとを連通する連通路30が形成されている。そして、第1吸込口切替ドア6は、第1内気吸込口5aを全開したとき(図5の実線位置)に連通路30を全閉し、第1内気吸込口5aを全閉したとき(図5の一点鎖線位置)に連通路30を全開する。
【0031】
送風機8は、本発明の送風手段に相当する部品で、内外気切替箱5内のほぼ中央に配設されている。そして、送風機8は、第1ファン31、第2ファン32、およびこれらの第1、第2ファン31、32を回転駆動するブロワモータ33からなる。ここで、第1、第2ファン31、32は一体的に形成されており、第1ファン31の径よりも第2ファン32の径の方が大きい。そして、これらの第1、第2ファン31、32は、その空気吸込側がベルマウス形状を呈する第1、第2スクロールケーシング部34、35にそれぞれ収納されている。これらの第1、第2スクロールケーシング部34、35の各終端部(空気吹出側)は、それぞれ第1、第2空気通路18、19に連通している。また、第1、第2スクロールケーシング部34、35は仕切り部36を共用している。
【0032】
次に、本実施形態の制御系の構成を図6に基づいて説明する。ここで、図6は車両用空気調和装置の制御系を示したブロック図である。
空調ユニット1の各空調手段を制御するECU(本発明の空調制御手段に相当する)9には、車室内前面に設けられた操作パネル37上の各スイッチからのスイッチ信号が入力される。ここで、操作パネル37上の各スイッチとは、例えば冷凍サイクル10の起動および停止を指令するためのエアコンスイッチ50、車室内設定温度を乗員が設定するための温度設定スイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ、吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ、第1、第2ファン31、32の風量を切り替えるための風量切替スイッチ、各空調手段のオート制御を指令するためのオートスイッチ等である。
【0033】
なお、オート制御中であっても、エアコンスイッチ50、吸込口切替スイッチ、吹出口切替スイッチおよび風量切替スイッチからのスイッチ信号を優先して各空調手段を制御する。また、吸込口切替スイッチには、外気導入モードに固定するための外気導入スイッチ、および内気循環モードに固定するための内気循環スイッチがある。さらに、吹出口切替スイッチには、フェイス(FACE)モードに固定するためのフェイススイッチ、バイレベル(B/L)モードに固定するためのバイレベルスイッチ、フット(FOOT)モードに固定するためのフットスイッチ、フットデフ(F/D)モードに固定するためのフットデフスイッチ、およびデフロスタ(DEF)モードに固定するためのフェイススイッチがある。
【0034】
また、ECU9には、車室内の空気温度(内気温度)を検出する内気温センサ51、車室外の空気温度(外気温度)を検出する外気温センサ52、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ53、ヒータコア17に流入する冷却水温を検出する水温センサ54、およびエバポレータ15の空気冷却度合を検出するエバ後温度センサ55からの各センサ信号が入力される。
【0035】
このうち、エバ後温度センサ55は、本発明の冷却度合検出手段に相当する部品で、具体的にはエバポレータ15を通過した直後の空気温度(エバ後温度、冷風温度)を検出するサーミスタ等の温度検出手段である。そして、エバ後温度センサ55は、図1および図2にも示したように、第1空気通路18と第2空気通路19とを仕切る仕切り板4の挿通孔4b内にクランプ等の取付具を用いて取り付けられている。なお、エバ後温度センサ55の先端部は第1空気通路18内に突出するように配設され、エバ後温度センサ55の後端部は第2空気通路19内に突出するように配設され、先端部と後端部とで第1空気通路18側のエバ後温度と第2空気通路19側のエバ後温度を検出して、これらのエバ後温度の平均温度に関係するセンサ信号をエバポレータ15の空気冷却度合としてリード線56を介してECU9に出力する。
【0036】
そして、ECU9の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、上記各センサ51〜55からの信号は、ECU9内の図示しない入力回路によってA/D変換された後、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、ECU9は、自動車のエンジンの図示しないイグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリーから電源が供給される。
【0037】
次に、本実施形態のマイクロコンピュータの制御処理を図7ないし図9に基づいて説明する。ここで、図7はマイクロコンピュータによる制御処理を示したフローチャートである。
【0038】
先ず、イグニッションスイッチがON(オン)されてECU9に電源が供給されると、図7のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS1)。続いて、温度設定スイッチにて設定された設定温度を読み込む(ステップS2)。続いて、内気温センサ51、外気温センサ52、日射センサ53、水温センサ54およびエバ後温度センサ55からの各センサ信号をA/D変換した信号を読み込む(ステップS3)。
【0039】
続いて、予めROMに記憶された下記の数1の式に基づいて車室内に吹き出す空気の目標吹出温度(TAO)を算出する(ステップS4)。
【数1】
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
なお、Tsetは温度設定スイッチによる設定温度、Trは内気温センサ51で検出した内気温度、Tamは外気温センサ52で検出した外気温度、およびTsは日射センサ53で検出した日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsはゲインで、Cは補正用の定数である。
【0040】
続いて、予めROMに記憶された図示しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に対応するブロワ電圧(ブロワモータ33に印加する電圧)を決定する(ステップS5)。続いて、予めROMに記憶された図示しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に対応する吹出口モードを決定する(ステップS6)。ここで、吹出口モードの決定においては、目標吹出温度(TAO)が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなるように決定される。
【0041】
なお、FACEモードとは、フットドア21を図2の一点鎖線位置、デフロスタドア22を実線位置、フェイスドア23を一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸部に向けて吹き出すモードである。また、B/Lモードとは、フットドア21、デフロスタドア22を図2の実線位置、フェイスドア23を一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸部および足元部に向けて吹き出すモードである。
【0042】
そして、FOOTモードとは、フットドア21、フェイスドア23を図2の実線位置、デフロスタドア22をDEF開口部2bを若干量開く位置に設定して、空調風の約8割を車室内の乗員の足元部に向けて吹き出し、空調風の約2割をフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出すモードである。また、F/Dモードとは、フットドア21を図2の実線位置、デフロスタドア22を一点鎖線位置、フェイスドア23を実線位置に設定して、空調風を乗員の足元部とフロントシールドガラスの内面に同量ずつ吹き出すモードである。
【0043】
なお、本実施形態では、操作パネル37上に設けられたデフロスタスイッチを操作すると、フットドア21、デフロスタドア22を図2の実線位置、フェイスドア23を実線位置に設定して、空調風をフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出すDEFモードも設定される。また、いずれの吹出口モードにおいても、サイドフェイス吹出口は吹出グリルにて開閉可能である。
【0044】
続いて、予めROMに記憶された下記の数2の式に基づいて第1、第2エアミックスドア3a、3bの目標ドア開度(SW)を算出する(ステップS7)。
【数2】
SW={(TAO−TE)/(TW−TE)}×100(%)
なお、TEはエバ後温度センサ55で検出したエバ後温度およびTWは水温センサ54で検出した冷却水温である。
【0045】
また、SW≦0(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3a、3bは、エバポレータ15からの冷風の全てを第1、第2バイパス通路17a、17bへ通す位置(MAXCOOL位置)に制御される。さらに、SW≧100(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3a、3bは、エバポレータ15からの冷風の全てをヒータコア17へ通す位置(MAXHOT位置)に制御される。そして、0(%)<SW<100(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3a、3bは、エバポレータ15からの冷風をヒータコア17および第1、第2バイパス通路17a、17bの両方へ通す位置に制御される。
【0046】
続いて、フロスト制御を行う。具体的には、エバ後温度センサ55の検出温度(エバ後温度TE)に基づいてコンプレッサ11の作動および停止を制御する(フロスト制御手段:ステップS8)。具体的には、エバ後温度センサ55のエバ後温度TEが第1所定温度(本実施形態では4℃)以上のときには、コンプレッサ11が起動(ON)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10を作動させる。つまり、エバポレータ15を作動(空気冷却作用)させる。エバ後温度センサ55のエバ後温度TEが第2所定温度(本実施形態では3℃)以下のときには、コンプレッサ11の作動が停止(OFF)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10の作動を停止する。つまり、エバポレータ15の空気冷却作用を停止させる。
【0047】
続いて、吸込口モードを決定する。つまり、図8に示すサブルーチンがコールされ、第1、第2吸込口切替ドア6、7の設定位置を決定する(ステップS9)。続いて、各ステップS5〜ステップS9にて算出または決定した各制御状態が得られるように、ブロワモータ33およびサーボモータ40〜43に対して制御信号を出力する(ステップS10)。そして、ステップS11で、制御サイクル時間であるτ(例えば0.5秒間〜2.5秒間)の経過を待ってステップS2の処理に戻る。
【0048】
次に、吸込口モード決定の制御処理を図8に基づいて説明する。ここで、図8は吸込口モード決定の制御処理を示したフローチャートである。先ず、予めROMに記憶された図9の特性図(マップ)から吸込口モードを決定する(ステップS20)。続いて、ステップS20にて決定した吸込口モードが外気導入モードであるか否かを判定する(吸込口モード判定手段:ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、すなわち、吸込口モードが内気循環モードに決定している場合には、第1吸込口切替ドア6を図5の実線位置、第2吸込口切替ドア7を一点鎖線位置に設定する。つまり、このときには、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に内気が導入される内気循環モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS22)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0049】
また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、図7のステップS6で決定された吹出口モードが、FOOTモードまたはF/Dモードのいずれかであるか否かを判定する。つまり、車室内の暖房とフロントシールドガラスの防曇の両方を行う吹出口モードであるか否かを判定する(吹出口モード判定手段:ステップS23)。この判定結果がNOの場合には、第1吸込口切替ドア6を図5の一点鎖線位置、第2吸込口切替ドア7を実線位置に設定する。つまり、このときには、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に外気が導入される外気導入モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS24)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0050】
また、ステップS23の判定結果がYESの場合には、図7のステップS7で決定された第1、第2エアミックスドア3a、3bの目標ドア開度(SW)が100(%)以上か否かを判定する。つまり、第1、第2エアミックスドア3a、3bが、エバポレータ15からの冷風の全てをヒータコア17へ通す位置(MAXHOT位置、最大暖房位置)に制御されるか否かを判定する(最大暖房判定手段:ステップS25)。この判定結果がNOの場合には、ステップS24の処理に移って、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に外気が導入される外気導入モードに制御されるよう吸込口モードを決定する。
【0051】
また、ステップS25の判定結果がYESの場合には、目標吹出温度(TAO)に対して暖房能力が不足しているということであり、第1、第2吸込口切替ドア6、7を図5の実線位置に設定する。つまり、第1空気通路18内に内気を導入し、第2空気通路19内に外気を導入する内外気2層モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS26)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0052】
〔第1実施形態の作用〕
次に、吸込口モードが内外気2層モードで、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードの時の空調ユニット1の各空調手段の作用を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
【0053】
吸込口モードが外気導入モードに決定され、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードに決定され、第1、第2エアミックスドア3a、3bの目標ドア開度(SW)が100(%)以上のときには、第1、第2吸込口切替ドア6、7が図5の実線位置に移動し、フットドア21が図2の実線位置、デフロスタドア22が一点鎖線位置、フェイスドア23を実線位置に移動して吸込口モードが内外気2層モードに制御される。
【0054】
したがって、車室内に存する内気は、送風機8の第1ファン31の回転によって第1内気吸込口5aから内外気切替箱5内に吸い込まれ、さらに送風機8の第1吸込口8aを通り第1スクロールケーシング部34内に吸い込まれる。そして、内気は、空調ケース2の第1空気通路18内に侵入してエバポレータ15の第1冷却部を通過する。そして、内気は、第1冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、エバ後温度センサ55でその温度が検出され、さらにヒータコア17の第1加熱部を通過する。そして、冷風は、第1加熱部を通過する際に再加熱されて温風となった後に、FOOT開口部2aからフットダクト内に侵入して、FOOT吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出される。これにより、既に温められている内気にて車室内を暖房することになるので暖房性能に優れる。
【0055】
一方、車室外に存する外気は、第2ファン32の回転によって外気吸込口5cから内外気切替箱5内に吸い込まれ、さらに第2吸込口8bを通り第2スクロールケーシング部35内に吸い込まれる。そして、外気は、空調ケース2の第2空気通路19内に侵入してエバポレータ15の第2冷却部を通過する。そして、外気は、第2冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、エバ後温度センサ55でその温度が検出され、さらにヒータコア17の第2加熱部を通過する。そして、冷風は、第2加熱部を通過する際に再加熱されて温風となった後に、DEF開口部2bからデフロスタダクト内に侵入して、DEF吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出される。これにより、低湿度の外気がフロントシールドガラスの内面に吹き出すことになるのでフロントシールドガラスの防曇性能に優れる。
【0056】
ここで、エバ後温度センサ55で検出したエバ後温度が第1所定温度(例えば4℃)以上のときに冷凍サイクル10を作動させ、エバ後温度TEが第2所定温度(例えば3℃)以下のときに冷凍サイクル10の作動を停止するようにしている。そこで、内気温度が25℃で、外気温度が5℃のときに、第1空気通路18側のみのエバ後温度を基準にしてフロスト制御を行うと、図12のデータに示したように、第1空気通路18側のエバ後温度は4℃に維持されるが、第2空気通路側19のエバ後温度は1℃〜2℃まで低下して第2冷却部がフロストする可能性がある。また、第2空気通路19側のみのエバ後温度を基準にしてフロスト制御を行うと、図13のデータに示したように、第2空気通路19側のエバ後温度は4℃に維持されるが、第1空気通路側18のエバ後温度は7℃〜8℃までしか冷却されず第1冷却部の除湿性能が低下する。
【0057】
そこで、本実施形態では、第1空気通路18と第2空気通路19とを区画する仕切り板4に挿通孔4bを設けて、その挿通孔4b内にエバ後温度センサ55を差し込むことにより、エバポレータ15の第1、第2冷却部の下流直後の温度を測定できるようにしている。これにより、エバ後温度センサ55の出力値は、第1空気通路18側のエバ後温度と第2空気通路19側のエバ後温度との平均値となる。
【0058】
したがって、本実施形態の空調ユニット1は、第1空気通路18内に吸い込まれる内気温度が外気温度よりも高く、且つ第2空気通路19内に吸い込まれる外気温度が10℃以下の低外気温領域のときであっても、第2空気通路19側にのみエバ後温度センサを設けたもの空調ユニットと比較して、冷凍サイクル10の作動が停止する頻度、つまりエバポレータ15の空気冷却作用が停止する頻度が少なくなり、第1空気通路18側の第1冷却部の除湿性能の低下、つまり内気の除湿性能の低下を抑えることができる。また、第1空気通路18側にのみエバ後温度センサを設けた空調ユニットと比較して、冷凍サイクル10が作動する頻度、つまりエバポレータ15の空気冷却作用を行う頻度が少なくなり、第2空気通路19側の第2冷却部がフロストすることを抑えることができる。
【0059】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の空調ユニット1では、第1空気通路(内気通路)18側または第2空気通路(外気通路)19側のいずれか一方のみのエバ後温度を検出するものと比較して、外気温度が高温となる夏と外気温度が低温となる冬との吸込空気の変動を受け難いフロスト制御を行うことができる。具体的には、第2空気通路19側にのみエバ後温度センサを設けたもの空調ユニットと比較して、FOOT吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出す空気の湿度の上昇を抑えることができる。これにより、内気の湿度の上昇を抑えることができるので、フロントシールドガラス、サイドシールドガラスやその他のシールドガラスの内面が曇り難くなる。
【0060】
また、第1空気通路18側にのみエバ後温度センサを設けた空調ユニットと比較して、第2空気通路19側の第2冷却部のフロストによる目詰まりを抑えることができる。これにより、DEF吹出口からフロントシールドガラスに向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので、フロントシールドガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、空調ケース2の内部を2分する仕切り板4に形成された挿通孔4b内にエバ後温度センサ55を余裕を持って差し込んで、1個のエバ後温度センサ55で第1空気通路18側のエバ後温度と第2空気通路19側のエバ後温度とを測定することが可能なように、エバ後温度センサ55を仕切り板4に取り付けている。そして、空調ケース2内の空気の流れは、仕切り板4付近で乱れ易く、挿通孔4b付近で内気と外気とが混ざり易い。これにより、エバ後温度センサ55では、内気のエバ後温度と外気のエバ後温度との平均値を正確に検出できる。
【0062】
そして、1個のエバ後温度センサ55で第1空気通路18側のエバ後温度と第2空気通路19側のエバ後温度とを測定することができるので、2個以上のエバ後温度センサで第1空気通路18側のエバ後温度と第2空気通路19側のエバ後温度とを測定する空調ユニットと比較して部品点数や組付工数を軽減でき、空調ユニット1の製品コストを低減することができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
図10および図11は本発明の第2実施形態を示したもので、図10および図11は車両用空気調和装置の通風系の主要構成を示した図である。
【0064】
本実施形態では、サーミスタ等のエバ後温度センサ55を仕切り板4により挟み込んで空調ケース2に固定している。具体的には、空調ケース2を、第1空調ケース(例えば上側ケース)61と第2空調ケース(例えば下側ケース)62とで構成し、断面形状がコの字状の第1空調ケース61の内壁面の中央に両側壁と略平行に第1仕切り板63を一体成形または別途取り付ける。そして、第1空調ケース61の片方の側壁の先端および第1仕切り板63の先端に略半円形状の第1切欠き部61a、63aを設ける。一方、断面形状がコの字状の第2空調ケース62にも同様に第2仕切り板64を設け、さらに第2空調ケース62の片方の側壁の先端および第2仕切り板64の先端に略半円形状の第2切欠き部62a、64aを設ける。なお、第1、第2切欠き部63a、64aにより略円形状の挿通孔4bが形成される。
【0065】
そして、第1、第2空調ケース61、62を組み付ける際に、エバ後温度センサ55を仕切り板4を構成する第1、第2仕切り板63、64の第1、第2切欠き部63a、64aの内壁により挟み込んで固定することにより、挿通孔4bを介しての第1空気通路18と第2空気通路19との間の空気漏れを防止できる。すなわち、シール性を向上できると共に、空調ケース2内にエバポレータ15を収納する作業と同時にエバ後温度センサ55の組付作業を行うことができる。
【0066】
なお、エバ後温度センサ55の組付作業時に、仕切り板4がエバポレータ15の中央部に位置する偏平チューブ65と略同一平面上に位置するように第1、第2空調ケース61、62を組み付けるようにすると、エバポレータ15の偏平チューブ65間に形成される空気通路(コルゲートフィン66が存在する通路)を介しての第1空気通路18と第2空気通路19との間の空気漏れを防止できる。
【0067】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、冷却用熱交換器として冷凍サイクル10のエバポレータ15を使用し、加熱用熱交換器としてヒータコア17を使用したが、冷却用熱交換器としてペルチェ素子等の空気冷却部品を組み込んだ熱交換器を使用し、または加熱用熱交換器として電気ヒータ等の空気加熱部品を組み込んだ熱交換器を使用しても良い。
【0068】
本実施形態では、冷却度合検出手段としてエバポレータ15を通過した直後の空気温度を検出するエバ後温度センサ55を使用したが、冷却度合検出手段としてエバポレータ15のフィン温度を検出する温度センサやスイッチを使用しても良い。また、冷却度合検出手段として冷凍サイクル10の低圧圧力を検出する冷媒圧力検出手段(冷媒圧力センサ、冷媒圧力スイッチ)を使用しても良い。
【0069】
本実施形態では、オート制御時に、吸込口モードが外気導入モードに決定され、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードに決定され、MAXHOTTに決定されたときに、第1、第2吸込口切替ドア6、7を内外気2層モードとなるように動かしたが、マニュアル制御時に、外気導入スイッチがONされ、フットスイッチまたはフットデフスイッチがONされ、温度設定レバー等の操作レバーによって車室内の暖房状態が最大暖房状態(MAXHOT)に設定されたときに、第1、第2吸込口切替ドア6、7を内外気2層モードとなるように動かしても良い。
【0070】
本実施形態では、MAXHOT、つまり目標ドア開度(SW)が100%以上に決定されたときに吸込口モードを内外気2層モードに決定する制御を行ったが、MAXHOT付近、つまり目標ドア開度(SW)が80%以上に決定されたときに吸込口モードを内外気2層モードに決定する制御を行っても良い。また、吸込口モード決定の制御処理において、目標吹出温度(TAO)の値を基準にして、内気循環モード、外気導入モードおよび内外気2層モードのいずれかに決定する制御処理を行っても良い。さらに、強制的に吸込口モードを内外気2層モードに固定する吸込口切替スイッチを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の通風系の主要構成を示した断面図である(第1実施形態)。
【図2】車両用空気調和装置の通風系の全体構成を示した構成図である(第1実施形態)。
【図3】図2のA−A断面図である(第1実施形態)。
【図4】図2のB−B断面図である(第1実施形態)。
【図5】図2の矢印C方向から見た概略透視図である(第1実施形態)。
【図6】車両用空気調和装置の制御系を示したブロック図である(第1実施形態)。
【図7】マイクロコンピュータによる制御処理を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】図7の吸込口モード決定の制御処理を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図9】吸込口モードと目標吹出温度との関係を示した特性図である(第1実施形態)。
【図10】車両用空気調和装置の通風系の主要構成を示した斜視図である(第2実施形態)。
【図11】車両用空気調和装置の通風系の主要構成を示した断面図である(第2実施形態)。
【図12】第1空気通路側に温度検出手段を設けた場合の実験データである。
【図13】第2空気通路側に温度検出手段を設けた場合の実験データである。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ケース
3 回転軸
4 仕切り板(仕切り部材)
5 内外気切替箱
6 第1吸込口切替ドア
7 第2吸込口切替ドア
8 送風機(送風手段)
9 ECU(空調制御手段)
10 冷凍サイクル
15 エバポレータ(冷却用熱交換器)
17 ヒータコア
18 第1空気通路
19 第2空気通路
55 エバ後温度センサ(冷却度合検出手段、温度検出手段)
2a FOOT開口部
2b DEF開口部
2c FACE開口部
3a 第1エアミックスドア
3b 第2エアミックスドア
4a 連通孔
4b 挿通孔
5a 第1内気吸込口(第1吸込口)
5b 第2内気吸込口
5c 外気吸込口(第2吸込口)

Claims (6)

  1. (a)車室内に空気を送るための空調ケースと、
    (b)この空調ケース内において車室内へ向かう空気流を発生させる送風手段と、
    (c)前記空調ケース内において空気の流れ方向に沿って設けられ、前記空調ケースの内部を、主に車室内空気が流れる第1空気通路と主に車室外空気が流れる第2空気通路とに区画形成する仕切り部材と、
    (d)前記第1空気通路内および前記第2空気通路内を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器と、
    (e)前記空調ケース内における前記冷却用熱交換器の下流側に設けられ、前記冷却用熱交換器による空気冷却度合を検出する1個の冷却度合検出手段と、
    (f)この冷却度合検出手段で検出した空気冷却度合に応じて前記冷却用熱交換器の作動状態を制御する空調制御手段と
    を備え
    前記仕切り部材には、前記冷却用熱交換器の下流側において前記第1空気通路と前記第2空気通路とを連通させる挿通孔が設けられ、
    前記1個の冷却度合検出手段は、前記挿通孔に設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空気調和装置において
    記冷却度合検出手段は、前記第1空気通路および前記第2空気通路の両方に突出した状態で前記挿通孔内に嵌め合わされていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
    前記冷却度合検出手段は、前記仕切り部材に取付具を用いて固定されたことを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
    前記冷却度合検出手段は、前記仕切り部材に挟み込まれて固定されたことを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空気調和装置において、
    前記第1空気通路は、第1吸込口から吸い込まれた車室内空気を第1吹出口より車両の乗員の足元部に向けて吹き出させるための通風路であり、
    前記第2空気通路は、第2吸込口から吸い込まれた車室外空気を第2吹出口より窓ガラスに向けて吹き出させるための通風路であることを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用空気調和装置において、
    前記冷却度合検出手段は、前記冷却用熱交換器を通過した直後の空気温度を検出する温度検出手段であり、
    前記空調制御手段は、前記温度検出手段で検出した検出温度が第1所定温度以上の時に前記冷却用熱交換器を作動させ、前記温度検出手段で検出した検出温度が第2所定温度以下の時に前記冷却用熱交換器の作動を停止させることを特徴とする車両用空気調和装置。
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