JP3719371B2 - 車両用乗員保護システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用乗員保護システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用乗員保護システムにおいては、特開平10−154992号公報にて示すようなエアバッグシステムがある。このエアバッグシステムは、電子制御装置及び複数の点火回路を同一のシリアル通信バスに接続して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記エアバッグシステムによれば、電子制御装置は、その加速度センサの検出出力に基づき同一のシリアル通信バスを介してソフトウエアを用いて各点火回路を制御している。従って、将来的に点火回路が増加しても、電子制御装置の変更はソフトウエアの変更のみで済む。
【0004】
しかし、例えば、加速度センサが当該車両の衝突を誤って検知して出力した場合には、この誤検知出力が各点火回路に同一のシリアル通信バスにより付与される。従って、点火回路がエアバッグを誤作動させるおそれがある。
【0005】
また、当該エアバッグシステムにおいて、衝突判定機能部分としては電子制御装置が1つ有するだけであるとすると、当該衝突判定機能部分が誤って当該車両の衝突と判定した場合にも、同様にエアバッグを誤作動させるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、車両用乗員保護システムにおいて、どのような故障が生じても、この故障が1個所であれば、乗員保護機構の誤作動を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明に係る車両用乗員保護システムは、車両の互いに異なる位置にて搭載された複数の乗員保護機構、複数の加速度センサモジュール(20乃至20c)、複数のスキブモジュール(30乃至30g)及び電子制御装置(10)と、各加速度センサモジュール、各スキブモジュール及び電子制御装置を接続してなるシリアル通信バス(40)とを備える。
【0008】
当該車両用乗員保護システムにおいて、複数の加速度センサモジュールは、それぞれ、車両の互いに異なる位置にて当該車両の加速度を検出する加速度センサ(21)と、この加速度センサの検出加速度を対応スキブモジュール用加速度データとしてシリアル通信バスに送信する送信手段(23、218)とを備える。
【0009】
また、電子制御装置は、シリアル通信バス上の対応スキブモジュール用加速度データに基づき車両の衝突の有無を判定し、この判定結果を対応スキブモジュール用判定データとしてシリアル通信バスに送信する衝突判定手段(15、16、116)を備える。
【0010】
また、複数のスキブモジュールは、それぞれ、複数の乗員保護機構のうちの対応の乗員保護機構を作動させるとき駆動されるスキブ(39a)と、このスキブに直列接続されて共にオンしたときにのみ当該スキブを駆動する両点火スイッチ(38、39)と、シリアル通信バス上の対応スキブモジュール用加速度データに基づき車両の衝突の有無を判定し両点火スイッチの一方をオンする衝突判定手段(37)とを備える。そして、両点火スイッチのうち他方の点火スイッチは、シリアル通信バス上の対応スキブモジュール用判定データが車両の衝突を表すときオンする。
【0011】
このように、スキブモジュール毎に、両点火スイッチの双方がオンしたときにのみ、スキブが駆動されるから、両点火スイッチの一方のみのオンではスキブは駆動されない。換言すれば、両点火スイッチの一方のみが、その系統の故障で誤ってオンしても、スキブは駆動されないので、乗員保護機構の誤作動が確実に防止され得る。
【0012】
た、請求項に記載の発明では、請求項に記載の車両用乗員保護システムにおいて、電子制御装置の衝突判定手段は、対応スキブモジュール用判定データを、対応スキブモジュール用加速度データとは異なる信号形態でシリアル通信バスに送信することを特徴とする。これにより、各スキブモジュールの衝突判定手段は、対応スキブモジュール用判定データを対応スキブモジュール用加速度データと間違えることなく、正しく判定できる。その結果、請求項に記載の発明の作用効果をより一層精度よく達成できる。
【0013】
また、請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の車両用乗員保護システムにおいて、対応スキブモジュール用判定データの信号形態は、対応スキブモジュール用加速度データとは異なる電圧振幅であることを特徴とする。これにより、請求項に記載の発明の作用効果をより一層向上できる。
【0014】
また、請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1つに記載の発明において、電子制御装置の衝突判定手段は、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする。これにより、電子制御装置の衝突判定手段の判定は衝突形態をも加味して行われるので、請求項乃至のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、乗員保護機構を、車両の衝突部位や加速度の状態に合致した状態で作動させ得る。
【0015】
また、請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発明において、電子制御装置は、複数のスキブモジュールのいずれかに対する対応スキブモジュール用点火指令をシリアル通信バスに送信する点火指令送信手段(128)を備え、複数のスキブモジュールは、それぞれ、シリアル通信バス上の対応スキブモジュール用点火指令を受信してシリアル通信バス上の対応スキブモジュール用判定データに基づき車両の衝突の有無を判定し、衝突有りとの判定でもって他方の点火スイッチをオンする他の衝突判定手段(321乃至324)を備えることを特徴とする。
【0016】
このように、スキブモジュールの他の衝突判定手段は、電子制御装置の点火指令でもって、衝突の有無を判定するので、さらに衝突判定の回数を増大しつつ、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明では、請求項に記載の発明において、複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方は、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする。これにより、各スキブモジュールの両衝突判定手段の一方の判定は衝突形態をも加味して行われるので、請求項に記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、乗員保護機構を、車両の衝突部位や加速度の状態に合致した状態で作動させ得る。
【0018】
また、請求項7に記載の発明では、請求項に記載の車両用乗員保護システムにおいて、電子制御装置は、その作動開始直後に、複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方が車両の衝突形態をも含めて判定するための情報を、シリアル通信バスに送信する情報送信手段(104)を備え、複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方は、シリアル通信バス上の上記情報に基づき、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする。
【0019】
これによれば、請求項6に記載の発明と同様の作用効果を達成できるのは勿論のこと、電子制御装置の情報送信手段でもって、上記情報をシリアル通信バス上に送信するので、例えば、スキブモジュールや加速度センサモジュールの数が変更されても、電子制御装置の情報送信手段における情報の変更で済み、システムの変更に対し容易かつ柔軟な対応が可能となる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。図1及び図2は本発明に係る乗用車用エアバッグシステムの一実施形態を示している。このエアバッグシステムは、電子制御ユニット10(以下、ECU10という)と、N個の加速度センサモジュール(以下、Gセンサモジュールという)と、M個のスキブモジュールと、ECU10、各Gセンサモジュール及び各スキブモジュールの間に接続したシリアル通信バス40とを備えている。
【0022】
本実施形態では、N=4で、4個のGセンサモジュールとしてGセンサモジュール20乃至20cが採用されている。また、M=8で、8個のスキブモジュールとしてスキブモジュール30乃至30gが採用されている。なお、N=1乃至N=4が、それぞれ、Gセンサモジュール20乃至Gセンサモジュール20cに対応する。また、M=1乃至M=8が、それぞれ、スキブモジュール30乃至スキブモジュール30gに対応する。また、各スキブモジュール30乃至スキブモジュール30gは、後述する車両の各配置位置における各エアバッグ機構をそれぞれ作動されるためのものである。なお、各エアバッグ機構は、その作動により、そのエアバッグを展開させる。
【0023】
シリアル通信バス40は、接地ライン41と、電源信号ライン42とにより構成されている。接地ライン41は、ECU10、Gセンサモジュール20乃至20c及びスキブモジュール30乃至30gの各構成素子の接地端子を接地する。
電源信号ライン42は、ECU10内の電源(図示しない)から各Gセンサモジュール20乃至20c及び各スキブモジュール30乃至30gへの給電を行う。
また、電源信号ライン42は、通常、電圧a(V)にあり、通信時には、デジタル信号に応じて電圧を変化させる(図4参照)。電圧幅は、情報の種類によって異なり、ダイアグ信号等は電圧範囲Aである(a−b)(V)であり、加速度データ等は電圧範囲Bである(a−c)(V)であり、点火コマンド等は電圧範囲Cである(a−d)(V)である。
【0024】
ECU10は、当該乗用車の車室内前壁下方にて床面左右中央部に設けられている(図1参照)。このECU10は、図3にて示すごとく、ドライバレシーバ11乃至13と、データ変換回路14と、通信制御回路15と、衝突判定回路16とにより構成されている。
【0025】
各ドライバレシーバ11乃至13は、電源信号ライン42とデータ変換回路14と間に接続されてインターフェース回路としての機能を果たす。また、各ドライバレシーバ11乃至13は、図示しない電源とECU10内の各構成素子及びGセンサモジュール20乃至20cとの間の給電を電源信号ライン42とを介して行う。
【0026】
ドライバレシーバ11は、図4にて示す電圧範囲Aの信号(ダイアグ信号等)をデータ変換回路14と電源信号ライン42との間で送受信する。ドライバレシーバ12は、図4にて示す電圧範囲Bの信号(加速度データ等)をデータ変換回路14と電源信号ライン42との間で送受信する。また、ドライバレシーバ13は、図4にて示す電圧範囲Cの信号(点火コマンド等)をデータ変換回路14と電源信号ライン42との間で送受信する。
【0027】
データ変換回路14は、通信制御回路15と各ドライバレシーバ11乃至13との間に接続されており、このデータ変換回路14は、受信に関しては、各ドライバレシーバ11乃至13からの出力データの符号を適切に変換して通信制御回路15に出力するとともに当該出力データのビットエラーの検査をも行う。また、当該データ変換回路14は、送信に関しては、通信制御回路15からの出力のアドレスとコマンドに基づき、検査ビットを付加したメッセージを生成して各ドライバレシーバ11乃至13のいずれかに出力する。
【0028】
通信制御回路15は、データ変換回路14と衝突判定回路16との間に接続されており、この通信制御回路15は、電源信号ライン42に接続されている各Gセンサモジュール20乃至20cに対し、データ変換回路14及び各ドライバレシーバ11乃至13を介し加速度データの要求、自己診断の要求及び点火コマンドを電源信号ライン42に送信する。そして、上記各要求に対し電源信号ライン42を通して応答があれば、当該通信制御回路15は、各ドライバレシーバ11乃至13及びデータ変換回路14を通して当該応答を受信して、エアバッグシステムの全体の通信を制御する。
【0029】
また、通信制御回路15は、データ変換回路14を介し入力される加速度データを衝突判定回路16に出力し、この衝突判定回路16からの当該乗用車の衝突有りのデータ及び衝突形態の情報を受けとり、点火コマンドを生成し、データ変換回路14に出力する。通信制御回路15は主たる素子としてマイクロコンピュータを有しており、このマイクロコンピュータでもって、図12乃至図15にて示すフローチャートに従いプログラムを実行し、通信制御回路15における上記処理がなされる。また、当該マイクロコンピュータのメモリには、各Gセンサモジュール20乃至20c及び各スキブモジュール30乃至30gを特定する各物理アドレス、論理アドレス、展開属性及び状態情報が予め記憶されている(図5及び図10参照)。
【0030】
衝突判定回路16はマイクロコンピュータからなるもので、この衝突判定回路16は、電源信号ライン42、ドライバレシーバ12及び通信制御回路15を介してGセンサモジュール20乃至20cの少なくとも2つから送信された加速度デジタルデータをとり込んで、当該データをもとに当該乗用車の衝突の有無を判定し、また、衝突との判定時にはどのような衝突形態なのかをも図5及び図10のデータに基づき判定し、この判定データを通信制御回路15、データ変換回路14及びドライバレシーバ13を通して電源信号ライン42に送出する。本実施形態では、図5の各展開属性及び図10の各データは、各スキブモジュールの乗用車に対する配置位置に応じた加速度特性を考慮して設定されている。
【0031】
両Gセンサモジュール20、20aは、図1にて示すごとく、当該乗用車のフロント側ボンネット内前部左右にそれぞれ装着されている。両Gセンサモジュール20b、20cは、当該乗用車の車室内床面の左右にそれぞれ装着されている。
【0032】
各Gセンサモジュール20乃至20cは、それぞれ、図6にて示すごとく、加速度センサ21(以下、Gセンサ21という)と、A−D変換器22と、通信制御回路23と、データ変換回路24と、両ドライバレシーバ25、26とを備えており、これら各Gセンサモジュール20乃至20cは、そのGセンサ21の検出加速度を、ECU10の要求に応じて、A−D変換器22によりデジタル変換し、通信制御回路23、データ変換回路24及び両ドライバレシーバ25、26のいずれかを通して電源信号ライン42にメッセージとして送信する。但し、全てのGセンサモジュール20乃至20cが同時に送信すると、電源信号ライン42上で送信信号が衝突するため、各Gセンサモジュール20乃至20cがタイミングを異にして送信を行うようになっている。
【0033】
ここで、各Gセンサモジュール20乃至20cのGセンサ21は、当該乗用車に対する各Gセンサモジュール20乃至20cの配設位置で生ずる加速度をそれぞれ検出する。A−D変換器22は、Gセンサ21の検出加速度をデジタル変換して加速度デジタルデータとして通信制御回路23に出力する。通信制御回路23は、ECU10の要求に応じて作動を行うもので、この通信制御回路23は、基本的には、加速度デジタルデータを送出すること、及び自己診断を行いその結果を送出することを行う。
【0034】
この通信制御回路23は、主たる構成素子として、マイクロコンピュータを備えており、このマイクロコンピュータが通信制御回路23における上記各送出のタイミングの制御及び当該各送出を図16乃至図18にて示すフローチャートに従いプログラムを実行することで行う。当該マイクロコンピュータのメモリ(図7参照)のメモリ領域には、図7にて示す各物理アドレスが予め記憶されている。なお、当該メモリには、これを有するGセンサモジュール内でのみ使用する論理アドレスを記憶する他のメモリ領域が設けられている。
【0035】
データ変換回路24は、図3のデータ変換回路14と実質的に同様の処理を行う。両ドライバレシーバ25、26も、図3のドライバレシーバと実質的に同様の処理を行う。なお、点火コマンドの送受信は行わないので、ドライバレシーバ13に対応するドライバレシーバは不要である。
【0036】
スキブモジュール30乃至30gは、図8にて示すごとく、各ドライバレシーバ31乃至33と、両データ変換回路34、35と、通信制御回路36と、加速度レベル判定回路37と、両常開型点火スイッチ38、39と、スキブ39aとを備えている。各ドライバレシーバ31乃至33は、図3の各ドライバレシーバ11乃至13とそれぞれ同様である。
【0037】
両データ変換回路34、35は、図3のデータ変換回路14と同様であるが、データ変換回路34は、通信制御回路36と各ドライバレシーバ31、32、33との間に接続され、データ変換回路35は、加速度レベル判定回路37とドライバレシーバ33との間に接続されている。
【0038】
通信制御回路36は、ECU10からのドライバレシーバ32及びデータ変換回路34を介する点火コマンドに応じて点火スイッチ38をオンする機能と、自己診断コマンドに応じて自己診断を行いこの診断結果を送出する機能を有する。通信制御回路36は、その主たる構成素子として、マイクロコンピュータを備えており、このマイクロコンピュータでもって、図19乃至図22にて示すフローチャートに従い、プログラムを実行し、通信制御回路36における上記送出のタイミングの制御及び当該送出を行う。
【0039】
また、通信制御回路36のマイクロコンピュータのメモリのメモリ領域には、図9にて示すような物理アドレスが予め記憶されている。さらに、当該メモリには、当該スキブモジュールでのみ使用する論理アドレス及びエアバッグの展開属性(図10参照)を記憶するための他のメモリ領域が確保されている。なお、図10において、「0」はエアバッグの非展開を表し、「1」はエアバッグの展開を表す。
【0040】
加速度レベル判定回路37は、データ変換回路35から加速度デジタルデータのみを受けて、このデータの値が所定加速度レベルを超えたとき、点火スイッチ39をオンする。
【0041】
このように構成した通信制御回路36では、スキブ39aを駆動するには、両点火スイッチ38、39が共にオンする。また、点火スイッチ38は、ECU10からの点火コマンドに応じてオンされ、点火スイッチ39は、電源信号ライン42に流れている加速度デジタルデータが加速度レベル判定回路37により読み取られて所定加速度レベルを超えたときにオンする。このようにスキブ39aの駆動は2つの独立した系統によって行われるので、仮に片方の系統が故障してその点火スイッチがオンしても、スキブ39aがその駆動により点火されることはない。
【0042】
なお、スキブモジュール30は、当該乗用車の助手席用エアバッグ機構を作動させ、スキブモジュール30a当該乗用車の運転席用エアバッグ機構を作動させ、各スキブモジュール30b、30dは当該乗用車の左側の前後席用サイドエアバッグ機構をそれぞれ作動させ、各スキブモジュール30c、30eは当該乗用車の右側の前後席用エアバッグ機構をそれぞれ作動させ、スキブモジュール30fは当該乗用車の左側カーテンエアバッグ機構を作動させ、また、スキブモジュール30gは当該乗用車の右側カーテンエアバッグ機構を作動させる。
【0043】
次に、本実施形態における通信ルールについて説明する。この通信ルールはマスター/スレーブ方式とする。エアバッグシステムは、1つのマスターと複数のスレーブとを有しており、スレーブはマスターからの要求がない限り作動しない。従って、スレーブ同士が勝手に通信することはないが、各スレーブは、特にマスターからの要求がなくても、電源信号ライン42上の信号を全て監視する。マスターからの要求は、特定のスレーブを指定でき、またスレーブを特定せずに要求を発信できる。本エアバッグシステムでは、マスターはECU10であり、各スレーブは、各Gセンサモジュール20乃至20c及び各スキブモジュール30乃至30gである。
【0044】
また、当該エアバッグシステムでは、マスターが各スレーブを特定するために3種類のアドレス、即ち、物理アドレス、論理アドレス及び展開属性を使用する。物理アドレスは、各Gセンサモジュール20乃至20cや各スキブモジュール30乃至30g等の各スレーブが部品工場で製造される段階で付けられるアドレスで、エアバッグシステムの立ち上げ時に論理アドレスを設定するために使用される。各物理アドレスは、スレーブ毎に相互に全て異なっている。なお、各物理アドレスは、モジュールの種類や取り付け位置により規格化されることが望ましい。
【0045】
論理アドレスは、エアバッグシステムの通常モード時にスレーブを特定するために使用されるアドレスである。エアバッグシステム内でのみ識別できればよいので、一般的に、物理アドレスよりも情報量は少なくなる。通常モード時に物理アドレスを使用しない目的は通信効率を向上させるためである。
【0046】
展開属性は、それぞれのエアバッグ展開可能なスキブモジュールに対し設定されるもので、この展開属性は乗用車のどのような衝突形態のときに展開すべきかを指定する情報であって、衝突形態に応じて、1回の点火コマンドにより複数のスキブを点火することを目的とする(図10参照)。なお、各衝突形態1乃至Pは、乗用車の衝突部位(各スキブモジュールの配置位置)に応じた加速度の大小や伝達速度及びエアバッグ(各スキブモジュールに対応の各エアバッグ機構のエアバッグ)の展開度合い等を特定する。
【0047】
マスターであるECU10の通信制御回路15には、予め個々のスキブモジュールと各衝突形態1乃至Pとの関係を表す展開属性(図10参照)がフォーマットデータとして予め記憶されている。そして、マスターは、初期作動時に、その情報をスレーブに転送する。これに伴い、スキブモジュールであるスレーブは、その情報を記憶しておき、この記憶情報を、マスターから点火コマンドと共に送られてくる衝突形態情報と照合し、そのスキブを駆動するか否かを決定する。物理アドレスとの一致を避けるため、例えば、物理アドレスの先頭ビットは1にし、展開属性の先頭ビットは0にする。
【0048】
次に、本実施形態におけるメッセージフォーマットについて説明する。基本的に1回の送信で送り出されるメッセージは、アドレス、データ領域、検査ビットで構成されるが、詳細な部分は、マスターからスレーブへの通信とスレーブからマスターへの通信とで若干異なる(図11参照)。
【0049】
図11にて示すようなマスターからスレーブへのメッセージは、宛先アドレス、データ領域及び検査ビットで構成される。宛先アドレスは、メッセージを送る先の論理アドレスとする。また、ブロードキャスト通信により、全スレーブを指定することも可能である。データ領域は、先頭がコマンドでその後にデータが続く。検査ビットは、電源信号ライン42上でビット誤りが生じてもその誤りを検出し、誤作動を防止するための冗長ビットである。スレーブからマスターへのメッセージは、発信元アドレス、データ及び検査ビットで構成される。データは、加速度デジタルデータや自己診断結果等、マスターからの要求で異なる。
【0050】
以上のように構成した本実施形態の作動を、初期モード、通常モード及び点火モードに分けて説明する。
【0051】
(1)初期モード
図12、図13、図16、図19、図20及び図23に基づき、ECU10、各Gセンサモジュール20乃至20c及び各スキブモジュール30乃至30gの初期動作としての初期モードについて説明する。
【0052】
まず、マスターであるECU10の通信制御回路15は、図12のステップ100にて、n=1と初期化し、ステップ101にてメッセージn1(図23参照)をデータ変換回路14及びドライバレシーバ11を通して電源信号ライン42に送出する。メッセージn1は、図24にて示すように、論理アドレス、物理アドレス、データ変換回路で付加される検査ビットから構成される。
【0053】
各スレーブである各Gセンサモジュールの通信制御回路23は、そのマイクロコンピュータにより、図16のステップ200において、上記送出メッセージn1に基づきYESと判定して当該メッセージを受信し、ステップ201にて、メッセージに含まれている物理アドレスと自分の物理アドレスとを照合する。一致すれば、通信制御回路23のマイクロコンピュータは、ステップ202にて、当該メッセージの論理アドレスをメモリ領域に書き込み、ステップ203にて、論理アドレス設定が正常に行われたことをマスターに知らせるためメッセージn1’(図23、図24参照)をデータ変換回路24及びドライバレシーバ25を通して電源信号ライン42に送信する。一致しなければ、無視する。
【0054】
マスターの通信制御回路15のマイクロコンピュータは、上記送信メッセージn1’に基づき、ステップ102にてYESとの判定のもと、メッセージn1’を受信し、アドレス設定が正常に行われたことを確認した後、もしもそのスレーブが展開可能なスレーブ(スキブモジュール)であれば、ステップ103にてYESとの判定をし、展開属性を設定するため、メッセージn2(図23、図24参照)をステップ104にて上述と同様に電源信号ライン42に送信する。なお、上記メッセージn1及びメッセージn2は、それぞれ、論理アドレス設定用及び展開属性設定用である。
【0055】
スレーブとしての各スキブモジュールの通信制御回路36は、ステップ200乃至203の処理と同様に、図19の両ステップ300乃至305の処理後、ステップ306にて、メッセージn2に含まれている展開属性をメモリに格納し、メッセージn2’(=メッセージn1’)をステップ307にて、上述と同様に電源信号ライン42に送信する。メッセージn2は、他のスレーブも受信しているが、展開属性はどの物理アドレスとも一致しないため無視される。
【0056】
ついで、ECU10の通信制御回路15のマイクロコンピュータが、図12のステップ105にて、上記メッセージメッセージn2’の受信のもとYESと判定して、ステップ107にてn=n+1=2と更新し、以下、n>N+Mとなるまで、残りのスレーブにつき上記初期手順処理が繰り返される。
【0057】
全てのスレーブについて行い、ステップ108にてYESとの判定がなされると、ステップ109で状態情報が1のスレーブがあるか判定される。この判定は、ステップ105でNOとの判定のときステップ106で状態情報が1と設定されていることに基づきなされる。ステップ109でYESとの判定のときは、ステップ110においてエアバッグシステムのシステム構成に異常があることが警告される。以上により、初期モードが終了する。
【0058】
(2)通常モード
次に、図14、図15、図17、図18及び図25を参照して、ECU10、各Gセンサモジュール20乃至20c及び各スキブモジュール30乃至30gの通常動作である通常モードについて説明する。図25は、通常モードにおけるECU10の通信制御回路15及び各Gセンサモジュールの通信制御回路23の送信タイミングを示す。
【0059】
マスターの通信制御回路15は、そのマイクロコンピュータにより、図14のステップ111にて、n=1及びフラグf=0とセットした後、ステップ112にて、タイマをリセット始動してその計時を開始させ、ステップ113にて、ブロードキャスト通信で加速度データ要求コマンドを電源信号ライン42に送信する。なお、f=0は自己診断用信号を送信しないことを表す。
【0060】
通信制御回路15では、そのマイクロコンピュータにより、ステップ114において電源信号ライン42から加速度データが受け取られ、ステップ115において、加速度データ受け取り終了が判定される。このステップ115における判定がNOとなる場合には、ステップ114の処理がステップ115でYESとの判定がなされるまで繰り返される。
【0061】
その後、衝突判定回路16から通信制御回路15に対し点火指示があったかがステップ116で判定される。点火指示がないためにステップ116における判定がNOとなると、ステップ117(図15参照)にて、f=0に基づきYESと判定され、ステップ118にて、nに対応するスレーブに自己診断コマンドが電源信号ライン42を通して送信され、ステップ119にて、f=1とセットされる。
【0062】
上記タイマの計時時間がT0秒を経過すると、ステップ120の判定がYESとなり、ステップ112以後の処理が同様に繰り返される。その後、ステップ117において、f=1に基づきNOとの判定がなされると、ステップ121において、nに対応するスレーブの自己診断結果が受け取られる。この自己診断結果に異常があれば、ステップ122における判定がYESとなり、ステップ123にて、警告表示(例えば、警告ランプの点灯)される。なお、この警告ランプは、インストルメントパネル等ユーザの目の届く部位に設けられている。
【0063】
一方、ステップ122の判定がNOとなると、ステップ124において、f=0とセットされ、ステップ125において、n=M+Nか否かが判定される。n=M+Nでなければ、ステップ125の判定がNOとなり、ステップ126でn=n+1と加算更新される。この処理は、ステップ125でYESとの判定がなされるまで繰り返される。なお、当該ステップ125でYESとの判定がなされると、ステップ127において、n=1とセットされる。
【0064】
また、点火指示があるためにステップ116における判定がYESになると、ステップ128で点火コマンドがブロードキャスト通信で電源信号ライン42に送信され、ステップ129でフラグf=0とセットされる。
【0065】
Gセンサモジュールの通信制御回路23は、そのマイクロコンピュータにより、図17のステップ204において、自己診断フラグd、最後フラグd1及び加速度データ送出フラグeを共に0とセットし、ステップ205において、電源信号ライン42上の信号(点火コマンド以外の信号)を受信する。ついで、d=0であることから、ステップ206における判定がNOとなり、ステップ205での受信信号に、メッセージの論理アドレス=nか又はブロードキャスト通信の信号があれば、ステップ207においてYESと判定される。なお、d1=1は、自分のスレーブが最後であることを表し、e=1は、自分のスレーブが加速度データを送出済みであることを表す。
【0066】
ついで、図18のステップ208において、ステップ205での受信信号に加速度データ要求コマンドがなければ、NOと判定され、ステップ209にて、ステップ205での受信信号に自己診断コマンドがあれば、YESと判定される。そして、ステップ210において、自己診断が開始され、ステップ211にてd=1とセットされ、ステップ212において、e=0に基づきNOと判定される。一方、現段階にて、e=1であれば、ステップ212における判定がYESとなり、ステップ213においてd1=1とセットされる。
【0067】
一方、上記ステップ208において、ステップ205での受信信号に加速度データ要求コマンドがあれば、YESと判定され、ステップ214において、加速度データがサンプリング処理される。然る後、現在のGセンサモジュールが先頭のもの(Gセンサモジュール20)であれば、n=1であることから、ステップ215における判定がYESとなる。
【0068】
一方、ステップ215における判定がNOとなるときには、ステップ216において、電源信号ライン42上の信号が通信制御回路23によりそのマイクロコンピュータでもって受信される。現段階にてメッセージの論理アドレス=n−1でなければ、ステップ217における判定がNOとなり、ステップ215、216、217を通る処理が、メッセージの論理アドレス=n−1となるまで繰り返される。ここで、ステップ217でのYESとの判定は現在のGセンサモジュールに対応するnとなったことを意味する。
【0069】
ステップ217の処理後、ステップ214でサンプリング済みの加速度データが符号化されて電源信号ライン42に送信される。そして、ステップ219でe=1とした後、ステップ220において、d=1及びd1=1か否かが判定される。ここで、d=1及びd1=1であれば、ステップ220における判定がYESとなり、ステップ221にて、ステップ210での自己診断結果が通信制御回路23によりそのマイクロコンピュータでもって電源信号ライン42に送信される。その後、ステップ222において、d=0とセットされる。なお、ステップ220でNOと判定されるときには、両ステップ221、222の処理がスキップされる。
【0070】
上述のようにステップ206においてNOと判定された後、ステップ207の判定がNOとなる場合には、ステップ223において、論理アドレス1乃至nのいずれが論理アドレスaとして通信制御回路23のマイクロコンピュータのメモリに格納され、ステップ224においてe=0とセットされる。
【0071】
また、上述のようにステップ205の処理がされた後、ステップ206の判定がYESになる場合には、ステップ225において、メッセージの論理アドレス=aか否かが判定される。ここで、論理アドレスaであれば、ステップ225における判定がYESとなり、ステップ226において通信制御回路23によりそのマイクロコンピュータでもって自己診断結果を電源信号ライン42に送信する。ついで、ステップ227においてd=0とセットされる。
【0072】
上記通常モードを図25に基づき要約して説明すると、マスターであるECU10がその通信制御回路15によりブロードキャスト通信で加速度要求コマンドを送信すると、各Gセンサモジュールはこの送信コマンドを受けて加速度データのサンプリングを行い論理アドレス順にサンプリングした加速度データ(デジタルデータ)として送信する。
【0073】
マスターは、全ての加速度データの受信が完了した後、論理アドレスnをもつ特定のスレーブに自己診断コマンドを送信する。指定されたスレーブは、自己診断を実行し、自己診断結果送信待ちの状態に入る。これに平行してマスターは再びブロードキャスト通信で加速度データ要求コマンドを送信する。Gセンサモジュールはまた同じように論理アドレス順にサンプリングした加速度データを送信する。自己診断を要求されたスレーブは最後のGセンサモジュールが送信した後に自己診断結果を送信する。
【0074】
マスターがブロードキャスト通信で加速度データ要求コマンドを開始してから再び加速度データ要求コマンドを送信するまでを1サイクル(図25参照)とし、マスター又は各スレーブが送信し次の送信があるまでの時間間隔をフレームということとする。1サイクルは、GセンサモジュールがN個あるからN+2のフレームによって構成される。加速度データ要求コマンドをフレーム0とすれば、自己診断の要求と結果の送信はフレームN+1で行うこととなる。1サイクルの時間間隔はT0秒に固定する。T0は加速度の必要周波数帯域幅によって決まる。
(3)点火モード
次に、当該乗用車の衝突検知からスキブの点火に至るまでの動作を点火モードとして図21、図22及び図26を参照して説明する。
【0075】
スキブモジュールの通信制御回路36は、そのマイクロコンピュータにより、図21のステップ308において自己診断フラグd=0とセットする。ついで、ステップ309において、電源信号ライン42上の信号が通信制御回路36によりそのマイクロコンピュータでもって受信される。現段階では、d=0であるから、ステップ310においてNOとの判定がなされ、ステップ311において、電源信号ライン42上の信号中のメッセージの論理アドレスがmであるか電源信号ライン42上の信号がブロードキャスト通信の信号を含めば、YESと判定される。
【0076】
然る後、ステップ312において、電源信号ライン42上の信号中の信号電圧は点火レベルにあるか否かが判定される。ここで、当該信号電圧が点火レベルになければ、ステップ313において、電源信号ライン42上の信号中に自己診断コマンドがあるか否かが判定される。そして、ステップ313における判定がYESとなれば、ステップ314において、通信制御回路36のマイクロコンピュータが自己診断を開始する。そして、ステップ315においてd=1とセットされる。
【0077】
上述のようにステップ310でのNOとの判定後、ステップ311の判定がNOとなると、ステップ316において、論理アドレス1乃至nのいずれかが論理アドレスaとして通信制御回路36のマイクロコンピュータのメモリに格納される。
【0078】
また、上述のようにステップ309の処理をした後、ステップ310での判定がYESとなる場合には、ステップ317において、メッセージの論理アドレス=aか否かが判定される。ここで、ステップ317での判定がYESとなる場合には、ステップ318で電源信号ライン42上に信号があるかが判定され、なければ、当該ステップ318での判定がNOとなり、ステップ319において、通信制御回路36がそのマイクロコンピュータにより自己診断結果を電源信号ライン42に送信する。なお、ステップ319の処理後、ステップ320においてd=0とセットされる。
【0079】
また、上述のようにステップ311でYESとの判定がなされた後、ステップ312における判定がYESとなる場合には、ステップ321において、電源信号ライン42上の信号中に点火コマンドがあるか否かが判定される。ここで、点火コマンドがあることでステップ321での判定がYESとなると、ステップ322において、電源信号ライン42上の信号に含まれるメッセージ中の衝突形態が、通信制御回路36のマイクロコンピュータのメモリ内の展開属性と照合される。一方、ステップ321での判定がNOとなる場合には、ステップ322の処理をすることなくステップ309の処理に戻る。
【0080】
上記ステップ322での照合の結果、衝突形態がエアバッグを展開すべき衝突形態であるか否かがステップ323で判定される。そして、ステップ324において、点火スイッチ38が通信制御回路36によりそのマイクロコンピュータでもってオンされる。
【0081】
一方、通信制御回路36の加速度レベル判定回路37が電源信号ライン42からドライバレシーバ33及びデータ変換回路35を通して加速度データを入力されると、加速度レベル判定回路37は、加速度データのレベルが当該乗用車の衝突を表す加速度レベルに一致するか否かを判定する。そして、この判定が一致との判定であれば、点火スイッチ39が加速度レベル判定回路37によりオンされる。以上のように両点火スイッチ38、39が共にオンすると、スキブ39aが点火されて対応のエアバッグ機構のエアバッグを展開する。
【0082】
上記点火モードを図26に基づき要約して説明すると、マスターの衝突判定回路16は各Gセンサモジュールから送られてくる加速度データを解析し、当該乗用車の衝突の有無を判定し、衝突があった場合にはどのような衝突形態かを示すデータを任意のタイミングで通信制御回路15に出力する。通信制御回路15は、そのマイクロコンピュータにより、当該衝突形態を表すデータを受け取っても基本的なサイクルやフレームの枠組みを変えることなく、加速度データの受け取りを継続し、点火コマンドの送出をフレームN+1で行う。
【0083】
ここで、点火コマンドを含むメッセージは衝突形態を示す情報をも含むため、このメッセージを受け取ったスキブモジュールの通信制御回路36は、そのマイクロコンピュータにより、信号電圧が点火レベル(電圧範囲C)か否かの判定を行い、コマンドは点火コマンドか否かを判定し、点火コマンドであれば衝突形態と当該マイクロコンピュータのメモリ内の展開属性とを照合し、展開すべき衝突形態であったとき点火スイッチ38をオンする。
【0084】
また、スキブモジュールの加速度レベル判定回路37は、電源信号ライン42上の加速度データをドライバレシーバ33及びデータ変換回路35を通して読み込み、この加速度データのレベルが、当該乗用車の衝突を表す所定レベルを超えていれば、点火スイッチ39をオンする。このようにして両点火スイッチ38、39が共にオンしたときスキブ39aが点火される。
【0085】
これにより、本実施形態では、エアバッグシステムにおいてどのような単一故障が発生しても、当該エアバッグシステムのスキブのいずれにおいても誤点火を確実に防止してエアバッグ機構の誤作動を防止し得るものである。
【0086】
また、上述のように各スキブモジュールに対応する各衝突形態1乃至Pに基づきエアバッグ機構のエアバッグ展開状態が制御されるので、当該乗用車に対する各スキブモジュールの配置部位で生ずる加速度に応じたアバッグ機構のエアバッグ展開状態の確保が可能となる。
【0087】
なお、上記実施形態にて述べたエアバッグシステムは機械式セーフィングセンサを用いない場合の必要最小限の構成をしめしたものであるが、このような構成によって、上記実施形態の作用効果を達成できるものである。
【0088】
また、本発明の実施にあたり、エアバッグシステムに限ることなく、当該乗用車のシートのベルトテンショナー等の乗員保護システムに本発明を適用してもよい。
【0089】
また、本発明の実施にあたり、各スキブモジュール30乃至30gの衝突判定回路36は廃止してもよい。
【0090】
また、本発明の実施にあたり、ECU10の衝突判定回路16は廃止してもよい。
【0091】
また、本発明の実施にあたっては、Gセンサモジュールやスキブモジュールの数は、上記実施形態にて述べた数に限定する必要はなく、適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエアバッグシステムが乗用車に設けられた一実施形態を示す模式的平面図である。
【図2】 当該エアバッグシステムのブロック図である。
【図3】 図2のECU10の構成を示す詳細ブロック図である。
【図4】 各電圧範囲A乃至Cの波形図である。
【図5】 ECU10の通信制御回路のマイクロコンピュータのメモリに予め記憶した各スレーブに対応する物理アドレス、論理アドレス、展開属性及び状態情報を示す図である。
【図6】 各Gセンサモジュールの構成を示す詳細ブロック図である。
【図7】 各Gセンサモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータのメモリに記憶した物理アドレス及び論理アドレスを示す図である。
【図8】 各スキブモジュールの構成を示す詳細ブロック図である。
【図9】 各スキブモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータのメモリに記憶した物理アドレス、論理アドレス及び展開属性を示す図である。
【図10】 上記展開属性のフォーマットを、各スキブモジュールと各衝突形態1乃至Pとの関係で表す図である。
【図11】 マスターからスレーブへのメッセージ及びスレーブからマスターへのメッセージの構成を示す図である。
【図12】 ECU10の通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図13】 ECU10の通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図14】 ECU10の通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図15】 ECU10の通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図16】 各Gセンサモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図17】 各Gセンサモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図18】 各Gセンサモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図19】 各スキブモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図20】 各スキブモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図21】 各スキブモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図22】 各スキブモジュールの通信制御回路のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図23】 論理アドレスnに対応するスレーブにおけるマスター及びスレーブのメッセージのやりとりを示すタイミングチャートでる。
【図24】 メッセージn1、n2、n1’、n2’の構成を示す図である。
【図25】 通常モードにおけるECU10及び各Gセンサモジュールの間のフレーム毎のデータのやりとりを示すタイミングチャートである。
【図26】 点火モードにおけるECU10及び各Gセンサモジュールの間のフレーム毎のデータのやりとりを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…ECU、15、23、36…通信制御回路、16…衝突判定回路、20乃至20c…Gセンサモジュール、21…加速度センサ、30乃至30g…スキブモジュール、37…加速度レベル判定回路、38、39…点火スイッチ、39a…スキブ、40…シリアル通信バス。

Claims (7)

  1. 車両の互いに異なる位置にて搭載された複数の乗員保護機構、複数の加速度センサモジュール(20乃至20c)、複数のスキブモジュール(30乃至30g)及び電子制御装置(10)と、前記各加速度センサモジュール、前記各スキブモジュール及び前記電子制御装置を接続してなるシリアル通信バス(40)とを備える車両用乗員保護システムであって、
    前記複数の加速度センサモジュールは、それぞれ、車両の互いに異なる位置にて当該車両の加速度を検出する加速度センサ(21)と、この加速度センサの検出加速度を対応スキブモジュール用加速度データとして前記シリアル通信バスに送信する送信手段(23、218)とを備え、
    前記電子制御装置は、前記シリアル通信バス上の前記対応スキブモジュール用加速度データに基づき車両の衝突の有無を判定し、この判定結果を対応スキブモジュール用判定データとして前記シリアル通信バスに送信する衝突判定手段(15、16、116)を備え、
    前記複数のスキブモジュールは、それぞれ、前記複数の乗員保護機構のうちの対応の乗員保護機構を作動させるとき駆動されるスキブ(39a)と、このスキブに直列接続されて共にオンしたときにのみ当該スキブを駆動する両点火スイッチ(38、39)と、前記シリアル通信バス上の前記対応スキブモジュール用加速度データに基づき車両の衝突の有無を判定し前記両点火スイッチの一方をオンする衝突判定手段(37)とを備え、
    前記両点火スイッチのうち他方の点火スイッチは、前記シリアル通信バス上の前記対応スキブモジュール用判定データが車両の衝突を表すときオンするようにした車両用乗員保護システム。
  2. 前記電子制御装置の衝突判定手段は、前記対応スキブモジュール用判定データを、前記対応スキブモジュール用加速度データとは異なる信号形態で前記シリアル通信バスに送信することを特徴とする請求項に記載の車両用乗員保護システム。
  3. 前記対応スキブモジュール用判定データの信号形態は、前記対応スキブモジュール用加速度データとは異なる電圧振幅であることを特徴とする請求項に記載の車両用乗員保護システム。
  4. 前記電子制御装置の衝突判定手段は、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の車両用乗員保護システム。
  5. 前記電子制御装置は、前記複数のスキブモジュールのいずれかに対する対応スキブモジュール用点火指令を前記シリアル通信バスに送信する点火指令送信手段(128)を備え、
    前記複数のスキブモジュールは、それぞれ、前記シリアル通信バス上の前記対応スキブモジュール用点火指令を受信して前記シリアル通信バス上の前記対応スキブモジュール用判定データに基づき車両の衝突の有無を判定し、衝突有りとの判定でもって前記他方の点火スイッチをオンする他の衝突判定手段(321乃至324)を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の車両用乗員保護システム。
  6. 前記複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方は、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする請求項に記載の車両用乗員保護システム。
  7. 前記電子制御装置は、その作動開始直後に、前記複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方が車両の衝突形態をも含めて判定するための情報を、前記シリアル通信バスに送信する情報送信手段(104)を備え、
    前記複数のスキブモジュールの各両衝突判定手段の一方は、前記シリアル通信バス上の前記情報に基づき、車両の衝突形態をも含めて判定することを特徴とする請求項に記載の車両用乗員保護システム。
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