JP3717424B2 - 水素・酸素供給システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水を電気分解して水素ガスおよび酸素ガスを発生させる水電解装置に関し、詳しくは、水電解装置を用いて構成された水素・酸素供給システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素・酸素供給システムを構成する水電解装置としては、電解質の役割を果たす部材として固体電解質膜を備えた電解セルを用いたものが、従来から知られている。
【0003】
従来技術に係る電解セルは、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層(陽極側および陰極側触媒層)が設けられた固体高分子電解質膜/電極接合体膜(以下、「固体電解質膜」という。)と、この固体電解質膜を挟持すべく設けられた電極板(陽極側および陰極側電極板)と、固体電解質膜と電極板との間に設けられた給電体(陽極側および陰極側給電体)等を用いて構成されている。
【0004】
上記従来技術に係る電解セルにおいては、陽極側に純水を供給して、電極板に対して通電することにより、主に陽極側触媒層で純水が分解され、酸素ガスが発生することとなる。そして、酸素ガスと同時に生成されたH+イオンは、電場の働きによって固体電解質膜内を移動するため、陰極側触媒層においては電子を得て、水素ガスが発生することとなる。
【0005】
すなわち、従来技術においては、上述した電解セル、電解セルに通電するための制御手段、電解セル(の陽極側)に純水を供給するために設けられた純水タンク、電解セルで生成された水素ガスを貯留する水素分離タンク、およびこれらの各要素を接続する配管部等を用いて、水素・酸素供給システムが構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る水素・酸素供給システムにおいては、電解セルを構成する固体電解質膜が非常に薄く(50〜200μm)柔らかい部材であるため、システムの運転状態、あるいはガス供給量の変動(すなわち、ガス供給量の変動に基づく生成ガス量の変動)等によって、固体電解質膜にストレスが生じる(固体電解質膜に供給される電流値が急変する、あるいは固体電解質膜の両面に対して必要以上の圧力差が生じる)と、所定の性能を発揮できないばかりか、上述したストレス等によって、固体電解質膜が破損する(ピンホール等が発生する)という問題があった。
【0007】
また、従来技術に係る電解セルを構成する固体電解質膜は、純水を電気分解して水素および酸素を生成するための重要な要素であるため、固体電解質膜に対して上述したような不具合が生ずると、水素・酸素供給システムを適切に運転することができないという問題があった。すなわち、必要とされるガス品質を維持することができず、また、水素・酸素供給システムの長寿命化を実現できないという問題があった。
【0008】
さらに、従来技術においては、通常、電解セルに通電する電流量が一定であるため、電解セルでは、係る一定の電流量に基づき一定量の水素等が生成されることとなる。よって、ユースポイントにて使用される水素等の量が、電解セルで生成される量未満の場合には、余剰に水素が生成されることとなる。この余剰水素は、通常、単に放出されるにすぎないものであるため、従来技術においては、その分だけ余分な電力が消費され、エネルギ効率が悪くなるという問題があった。
【0009】
すなわち、従来技術に係る水素・酸素供給システムにおいては、電解セルの運転状態等を特に制御していないために、上述したような不具合が生じてしまい、また、これらの不具合をあらかじめ検知することもできなかった。よって、従来技術においては、電解セル、延いては水素・酸素供給システムの長寿命化、高効率化を図ることが困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術に係る問題を解決するためになされたものであって、生成ガスの使用量等に基づいて電解セル等を適切に制御しつつ駆動させて、長寿命化、高効率化を図ることが可能である水素・酸素供給システムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明は、固体電解質膜によって陽極側と陰極側とに隔離された電解セルを有し、前記電解セルに純水を供給して前記陰極側にて水素が生成され、前記陽極側にて酸素が生成されており、前記水素および酸素の少なくとも水素は使用箇所に供給可能に構成された水素・酸素供給システムにおいて、前記電解セルの前記陰極側を介して供給される前記水素の圧力を検知する第一の圧力検知手段と、前記第一の圧力検知手段で得られた圧力検知信号に基づいて前記電解セルに供給される電流の制御を行う電流値制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
本発明に係る水素・酸素供給システムによれば、前記水素の圧力の変動(いわゆる水素の使用量の変動)を示す前記圧力検知信号に基づいて、前記電流値制御手段から前記電解セル(水電解装置)に対し適切な電流が供給されるので、生成される前記水素、および前記電解セル(水電解装置)に供給される電流について、無駄をなくすことが可能となる。つまり、前記水素を使用する分だけ、前記電解セルを駆動させるので、高効率化を実現可能な水素・酸素供給システムを得ることができる。
【0013】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムは、前記電流値制御手段において、整流器を用いた整流器PID制御が行われている。ここで、整流器を用いた整流器PID制御とは、前記電解セルによって生成される水素の現在の圧力値である圧力検知信号をシーケンサに送ってPID制御し、ここで得られた指令値を整流器に送り、この指令値に基づいた電流を整流器から前記電解セルに供給して制御することをいう。すなわち、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電流値制御手段がシーケンサと整流器とを有し、前記シーケンサは、前記第一の圧力検知手段にて得られた圧力検知信号に基づいてPID制御を行って指令値を形成し、前記整流器は、前記指令値に基づいて前記電解セルに電流を供給する。
【0014】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電解セルにて生成された前記酸素を貯留する酸素分離タンクと、前記酸素分離タンク内の純水を外気に触れさせることなく循環させ得る純水循環配管部とが設けられており、前記純水循環配管部を介して、前記酸素分離タンクから前記電解セルの前記陽極側に、前記酸素分離タンク内の前記純水が供給される構成が好ましい。
【0015】
この好ましい構成によれば、閉回路たる前記純水循環配管部を介して、前記電解セルに対して純水が供給されるため、前記電解セルおよび前記酸素分離タンクは、比較的高い密閉性を維持することができる。つまり、前記電解セルを駆動させなくとも、所定のガス圧力を得ることができる。よって、生成ガスの圧力に特に変動がない場合には、前記電解セルに対する電流の供給を停止することも可能である。したがって、この好ましい構成に係る水素・酸素供給システムにおいては、適切な圧力の生成ガス等の供給を行いつつ、前記電解セルを0〜100%の範囲で駆動させることが可能となる。
また、この好ましい構成によれば、前記電解セルに対しては、前記純水循環配管部を介して前記純水が定常的に供給されることとなるため、安定した品質の生成ガスを得ることが可能となる。また、係る構成によれば、システムを連続して運転する場合であっても、前記固体電解質膜に対して余計なストレスを負荷せず、前記純水が安定して供給されるので、前記固体電解質膜を効果的に保護して、安定した品質の生成ガスを得ることができる。
【0016】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記純水循環配管部に、水質警報手段、水温警報手段、および循環水量警報手段の少なくとも一つが設けられている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記電解セルに供給されている前記純水の電気伝導度、水温、および水量の少なくとも一つを監視しているので、純度の低い純水や、異常な温度の純水、あるいは異常な量の純水が供給される前に、警報等を発することが可能となる。したがって、この好ましい構成によれば、不純物等による前記固体電解質膜の汚染、温度上昇に基づく膜劣化、および水切れによる焼損のおそれ等を事前に認識可能となるので、前記固体電解質膜に対して余計なストレスを負荷せず、効果的に前記固体電解質膜を保護することが可能な水素・酸素供給システムを得ることができる。
【0017】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記水素を供給するための水素ガス供給配管部と、前記水素ガス供給配管部に設けられた水素ガス流量制御手段とを有し、前記水素ガス流量制御手段が、流量検知手段と定格流量制御バルブとを用いて構成されており、前記水素の供給流量を前記流量検知手段にて検知し、前記流量検知手段における検知信号に基づいて前記定格流量制御バルブを調整することによって、前記水素ガス供給配管部中を流通する前記水素が定格流量を越えないように制御される構成が好ましい。
【0018】
この好ましい構成によれば、前記水素ガス供給配管部の後流側にて、前記水素・酸素供給システムで生成可能な前記水素の許容量を超えた需要が行われ、その需要に対応すべく、前記電解セルに対して何等かの信号が送られた場合であっても、前記水素ガス供給配管部において前記水素の供給量を定格流量に制限しているので、過剰な(前記電解セルにおける適切な生成量を超える)水素が前記水素ガス供給配管部内を流通することはない。したがって、この好ましい構成によれば、前記水素ガス供給配管部の後流側における前記水素の使用量がどのように変動したとしても、前記水素ガス供給配管部にて定格流量以上の前記水素が流れることはないので、前記電解セルの過剰運転を防止して、前記電解セル(特に固体電解質膜)の損傷を効果的に防ぐことができる。また、前記水素の使用量がどのように変動したとしても、前記水素ガス供給配管部にて定格流量以上の前記水素が流れることはないため、供給される前記水素の品質を一定に維持することが可能となる。
なお、ここでは、生成ガスとして高純度の水素を得るためのシステムを示しているが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、高純度の酸素ガスを得るためのシステムとしてもよい。係るシステムは、前記酸素を供給するための酸素ガス供給配管部と、前記酸素ガス供給配管部に設けられた酸素ガス流量制御手段とを有し、前記酸素ガス流量制御手段が、流量検知手段と定格流量制御バルブとを用いて構成されており、前記酸素の供給流量を前記流量検知手段にて検知し、前記流量検知手段における検知信号に基づいて前記定格流量制御バルブを調整することによって、前記酸素ガス供給配管部中を流通する前記酸素が定格流量を越えないように制御されるように構成されればよい。
【0019】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電解セルにて生成された前記水素を貯留する水素分離タンクと、前記水素分離タンク内の純水を前記電解セル側に戻す純水戻り配管部とが設けられており、前記純水戻り配管部には、水素放出配管部を有したガススクラバが配されている構成が好ましい。
【0020】
本発明に係るシステムは、前記電解セルと前記水素分離タンクとが水素ガス搬送配管部にて接続され、前記水素分離タンクと純水タンクとが前記純水戻り配管部にて接続されることによって、前記水素分離タンク内の純水を前記電解セル側に戻すべく構成されている。すなわち、前記純水タンク、前記電解タンク、および前記水素分離タンクは、前記純水供給配管部、前記水素ガス搬送配管部、および前記純水戻り配管部によって、閉じた回路として構成されている。そして、前記水素分離タンクから前記純水戻り配管部を用いて搬送される純水には、水素が溶存されており、もし、この閉回路中の循環を連続して繰り返すとすれば、その溶存率は高まる一方となり、システム構成上好ましくない。つまり、前記水素分離タンクから排出される純水中には、水素発生圧力下での溶存水素が含まれており、これをそのまま前記純水タンクに戻した場合、圧力が大気圧に開放されるため、減圧に伴い、差圧分の溶存水素がガス化して放出される。そうすると、前記純水タンク内で水素と空気とが混合し、徐々に水素濃度が上昇して、種々の不具合を生ずる可能性がある。
そこで、本発明に係る水素・酸素供給システムは、前記純水戻り配管部の所定箇所に前記ガススクラバを配して、上述した不具合を解消すべく構成されている。
【0021】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記陰極側が前記陽極側よりも高い圧力に設定されている構成が好ましい。
【0022】
この好ましい構成によれば、前記電解セル内の前記陰極側の圧力が高く設定されているので、前記陽極側から前記陰極側に対して、生成ガス等が透過することを防止することができる。すなわち、本発明によれば、前記陰極側の圧力を高く設定することによって、前記陰極側にて生成される前記水素に対して、前記陽極側にて生成される前記酸素の混入を効果的に防止することができる。したがって、本発明によれば、高品質の生成ガスを得ることが可能となる。
なお、ここでは、生成ガスとして高純度の水素ガスを得るためのシステムを示しているが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、高純度の酸素ガスを得るためのシステムとしてもよく、係るシステムを構成するためには、前記陽極側を前記陰極側よりも高い圧力に設定することが好ましい。
また、この好ましい構成によれば、主に使用するガスの圧力を高めることにより、高純度の生成ガスを効率よく取り出すことが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電解セルに対して所定値の電流を供給して前記水素および前記酸素が生成されるべく構成されており、前記電解セルに前記電流を供給していない状態から、前記所定値の電流を供給している状態に達するまでに、所定時間を有するべく構成されていることが好ましい。
【0024】
この好ましい構成においては、前記電解セルに対して、瞬間的に前記所定値の電流を供給するのではなく、前記所定値の電流を供給するまでに所定時間(例えば、0〜600Aまでの電流を供給するに際して30秒程度の時間)を有するべく構成されている。したがって、この好ましい構成によれば、前記固体電解質膜に対して急に電流が負荷されることはないので、前記固体電解質膜に対する電気的なストレスの負荷をなくし、効果的に前記固体電解質膜を保護することが可能となり、水素・酸素供給システムの長寿命化を図ることができる。
【0025】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電解セルが純水に満たされた後に、前記電解セルに対する電流の供給が開始される構成が好ましい。
【0026】
この好ましい構成によれば、前記電解セルが前記純水に満たされてから前記電流が供給されるため、前記固体電解質膜に対する電気的なストレスの負荷をなくすことが可能となり、効果的に前記固体電解質膜を保護することができる。すなわち、前記電解セル内に純水が満たされていない状態で通電が行われると、局部的に温度が上昇して焼損等するおそれがあるが、この好ましい構成によれば、純水の供給状態と通電開始時とを適切に制御することによって、電気分解に伴う発熱を純水を用いて冷却可能であるため、係る問題点を効果的に解消することができ、システムの長寿命化を図ることが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記電解セルの前記陰極側を介して供給される前記水素の圧力を検知する前記第一の圧力検知手段と、前記電解セルの前記陽極側を介して供給される前記酸素の圧力を検知する第二の圧力検知手段と、前記第一の圧力検知手段で得られた圧力検知信号と前記第二の圧力検知手段で得られた圧力検知信号とを比較して所定の差圧信号を生じ得る差圧検知手段と、前記差圧信号に基づいて前記水素の圧力を調整可能な第一のリリーフ機構と、前記差圧信号に基づいて前記酸素の圧力を調整可能な第二のリリーフ機構とを備え、前記第一および第二のリリーフ機構を用いて前記電解セル内の前記陰極側圧力と前記陽極側圧力とが調整されている構成が好ましい。
【0028】
この好ましい構成によれば、前記第一および第二の圧力検知手段を用いて、前記陽極側および前記陰極側を介して供給される前記酸素および前記水素の圧力を常に監視し、これらの検知手段および前記差圧検知手段により得られる差圧信号によって、各圧力を調整可能な前記第一および第二のリリーフ機構を制御可能であるので、前記固体電解質膜の周囲(陽極側および陰極側)の圧力を定められた範囲内に保持することができる。したがって、この好ましい構成によれば、前記固体電解質膜に対して余計なストレス(圧力等)を負荷することがなくなるので、効果的に前記固体電解質膜を保護し、水素・酸素供給システムの長寿命化を図ることが可能となる。
【0029】
また、本発明に係る水素・酸素供給システムにおいては、前記第一のリリーフ機構が、前記水素を貯留している水素分離タンクに設けられた第一のリリーフ配管部と、前記第一のリリーフ配管部に設けられた前記差圧信号に基づいて制御可能な第一のリリーフ弁とを用いて構成され、前記第二のリリーフ機構が、前記酸素を貯留している酸素分離タンクに設けられた第二のリリーフ配管部と、前記第二のリリーフ配管部に設けられた前記差圧信号に基づいて制御可能な第二のリリーフ弁とを用いて構成されていることが好ましい。
【0030】
この好ましい構成においては、前記各リリーフ機構が、前記リリーフ配管部と前記リリーフ弁とを用いて形成されており、前記各リリーフ弁が、前記差圧信号に基づいて開閉可能(前記各リリーフ配管部の流路径を調整可能)であるべく構成されている。したがって、この好ましい構成によれば、特に複雑な構成を有することなく、前記固体電解質膜周囲の圧力を調整して、前記固体電解質膜を保護することが可能な水素・酸素供給システムを得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る水素・酸素供給システムの概略的な系統図を示したものである。
本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、電解セルを用いて構成された水電解装置1を中心として、この水電解装置1に純水を供給するための純水タンク3、および水電解装置1にて発生された水素を貯留して供給するための水素分離タンク4等を用いて構成されている。以下、さらに詳細に説明する。
【0033】
本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、水電解装置1を備えた酸素分離タンク(電解タンク)2に対して、純水を供給すべく、純水供給配管部5を介して純水タンク3が接続されている。また、純水供給配管部5には、純水タンク3に貯留された純水を電解タンク2に補給(供給)すべく、補給水ポンプ6が設けられている。
純水タンク3には、純水タンク3内の純水貯留量を検知する純水タンク水位計3Lが設けられており、この純水タンク水位計3Lで得られた検知信号は、純水タンク3に純水を供給すべく設けられた純水供給部の純水供給バルブ3Aに送られる。そして、純水タンク3内の純水貯留量は、純水タンク水位計3Lの検知信号に基づいて、純水供給バルブ3Aを調整することにより、適宜制御される。
電解タンク2内には、電解タンク2内の純水貯留量を検知する電解タンク水位計2Lが設けられており、この電解タンク水位計2Lで得られた検知信号は、補給水ポンプに送られる。そして、電解タンク2内の純水貯留量は、電解タンク水位計2Lの検知信号に基づいて、補給水ポンプ6の駆動状態を適宜調整することによって制御される。
【0034】
また、電解タンク2には、電解タンク2内の純水を循環して再利用すべく、純水循環配管部7が設けられており、この純水循環配管部7は、電解タンク2内の純水を電解タンク2外に取り出した後に、再び、水電解装置1(を構成する電解セル)の純水供給孔(後述する)に供給可能であるように、配管構成されている。そして、この純水循環配管部7には、純水を循環させるための循環水ポンプ8、純水の熱交換を行うため(純水の温度を低下させるため)の熱交換器9、純水の純度を高めるためのポリシャ(polisher)10、および純水の濾過等を行うためのフィルタ11等が設けられている。ポリシャ10としては、例えば、イオン交換樹脂等から成る非再生ポリシャが用いられる。
さらに、この純水循環配管部7には、純水循環配管部7中の純水の水質(電気伝導度)を監視して、必要な場合(所定の電気伝導度(例えば、0.2μS/cm)を超えた場合等)には警報を発する水質警報手段12、および純水循環配管部7中の純水の温度を監視して、必要な場合(所定の温度範囲(例えば、40〜45℃)を超えた場合等)には警報を発する水温警報手段13が設けられている。
また、この純水循環配管部7を循環される純水は、酸素ガスを溶存した純水であるため、純水中から純水循環配管部7中に溶存酸素が排出される場合がある。このように、酸素ガスが排出されると、純水循環配管部7に設けられている循環水ポンプ8、ポリシャ10、あるいはフィルタ11等に酸素ガスが溜まり、係る酸素ガスが純水の循環に不具合を生じさせるおそれがある。そこで、本実施形態においては、循環水ポンプ8、ポリシャ10、およびフィルタ11の少なくともいずれかの箇所にガス抜きが設けられている。
【0035】
電解タンク2内の水電解装置1にて生成された水素ガスは、若干の純水と共に、水素ガス搬送配管部14を介して、水素分離タンク4に送られる。この水素ガス搬送配管部14には、水素ガス搬送バルブ18が設けられると共に、水素ガス搬送配管部14上の水素ガス搬送バルブ18を迂回すべく、バイパス配管部19が設けられている。そして、このバイパス配管部19には、逆止弁20が設けられている。
【0036】
水素分離タンク4には、水素分離タンク4内の純水貯留量を検知する水素分離タンク水位計4Lが設けられており、この水素分離タンク水位計4Lで得られた検知信号は、水素分離タンク4から純水タンク3に対して純水を戻すべく(純水を排出して再利用すべく)設けられた純水戻り配管部15の純水排出バルブ4Aに送られる。そして、水素分離タンク水位計4Lにて、水素分離タンク4内に所定量以上の純水が貯留されていると判断されれば、水素分離タンク水位計4Lの検知信号に基づいて、純水排出バルブ4Aを調整することにより、適宜、水素分離タンク4内の純水貯留量が制御されることとなる。
また、純水戻り配管部15内を流通する純水は、若干ではあるが、水素を溶存している。そこで、本実施形態においては、純水戻り配管部15にガススクラバ16を配し、このガススクラバ16には水素放出配管部17が接続されている。したがって、本実施形態においては、水素分離タンク4から排出される純水に溶存している水素が、適当に除去されることとなる。
【0037】
水素分離タンク4に貯留されている水素ガスは、水素ガスの使用箇所(図示省略)に対して、水素ガス供給配管部21を介して搬送供給される。そして、この水素ガス供給配管部21には、水素ガスの供給量を調整する水素ガス供給バルブ22と、水素ガスを除湿するための水素ガス除湿手段23と、水素ガスの流量を定格流量に維持するための水素ガス流量制御手段24とが設けられている。この水素ガス流量制御手段24は、水素ガス供給バルブ22を介して水素ガス供給配管部21を流通している水素ガスの流量を検知する流量検知手段24Aと、この流量検知手段24Aで得られた検知信号に基づいて制御可能な定格流量制御バルブ24Bとを用いて構成されている。
ここで、水素ガス除湿手段23は、例えば、中空糸膜等を用いて構成されている。そして、この水素ガス除湿手段23においては、中空糸膜の内部に水素ガスを流通させ、中空糸膜の外部に乾燥空気を流通させることによって、水素ガスの除湿を行っている。なお、図1には特に示していないが、より高純度(例えば7N(99.99999)以上)の水素ガスを得ようとする場合には、水素ガス除湿手段23の後流側、または水素ガス除湿手段の換わりに、ゼオライト、活性アルミナ等のモレキュラシーブを用いて構成された精製器を設ける構成が好ましい。本実施形態は、中空糸膜等を用いた水素ガス除湿手段23(あるいは精製器)によって水素ガスの除湿を行う構成であるので、従来技術において必要であったパラジウム精製器等を用いる必要がなくなる。
また、水素ガス供給バルブ22は、後述すべく、水素分離タンク4の圧力とに基づいて制御される。このために、水素分離タンク4には、第一の圧力検知手段25が設けられている。
【0038】
さらに、水素分離タンク4には、第一のリリーフ弁26を有する第一のリリーフ配管部27が設けられている。そして、この第一のリリーフ弁26は、後述すべく、電解タンク2の圧力と、水素分離タンク4の圧力とに基づいて制御されるように構成されている。
【0039】
また、電解タンク2内の水電解装置1にて生成された酸素ガスは、電解タンク2の上部に貯留され、酸素ガスの使用箇所(図示省略)に対して、酸素ガス供給配管部31を介して搬送供給される。そして、この酸素ガス供給配管部31には、酸素ガスの供給量を調整する酸素ガス供給バルブ32と、酸素ガスを除湿するための酸素ガス除湿手段33と、酸素ガス供給配管部31を流通している酸素ガス中の水素濃度を検出するための水素ガス検出手段34とが設けられている。
なお、この水素ガス検出手段34による水素濃度の検出は、少量のサンプルを用いて(抽出して)実施することが可能であるため、水素ガス検出手段34周辺については、例えば、図10に示すように構成してもよい。つまり、図10に示すように、酸素ガス供給バルブ32の後流側において、酸素ガス供給配管部31から分岐する分岐配管部31Aを設けて、この分岐配管部31Aとの分岐点より後流側の酸素ガス供給配管部31にコントロール弁38を設け、分岐配管部31Aに酸素ガス除湿手段33と水素ガス検出手段34とを設けるように構成してもよい。
ここで、酸素ガス供給バルブ32は、後述すべく、電解タンク2の圧力と、水素分離タンク4の圧力とに基づいて制御される。また、この酸素ガス供給バルブ32は、必要に応じて、電解タンク2の圧力(酸素ガスの圧力)のみに基づいて制御される場合もある。このために、電解タンク2には、第二の圧力検知手段35が設けられている。また、酸素ガス除湿手段33は、例えば、中空糸膜等を用いて構成されている。そして、この酸素ガス除湿手段33においては、中空糸膜の内部に酸素ガスを流通させ、中空糸膜の外部に乾燥空気を流通させることによって、酸素ガスの除湿を行っている。
【0040】
さらに、電解タンク2には、第二のリリーフ弁36を有する第二のリリーフ配管部37が設けられている。そして、この第二のリリーフ弁36は、後述すべく、電解タンク2の圧力と、水素分離タンク4の圧力とに基づいて制御されるように構成されている。
【0041】
また、本実施形態においては、第一の圧力検知手段25の検知値と第二の圧力検知手段35の検知値とを比較して、所定の信号を種々のバルブ26,36に送り得る差圧検知手段45が設けられている。さらに、本実施形態においては、第一の圧力検知手段25からの圧力検知信号を受けて、水電解装置1に対して適切な電流を供給する電流値制御手段28が設けられている。なお、差圧検知手段45で得られた信号は、必要に応じて、バルブ22,32の制御を行う際にも用いられる。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、水電解装置1を用いて構成されており、この水電解装置1は、純水と所定の電流とを供給することによって水素および酸素を生じさせ得る、電解セルを用いて構成されている。
次に、この電解セルの構造を図面に基づいて説明する。
【0043】
図2は、図1に係る水素・酸素供給システムを構成する水電解装置を成す電解セルの一例の概略図を示したものであり、図2(a)は電解セルの平面図を示し、図2(b)は図2(a)の一部を断面にしたI−I線矢視の側面図を示している。また、図3は、図2(a)のII−II線断面のうちの要部を示す断面図である。また、図4は、図2(a)のIII−III線断面のうちの要部を示す断面図である。また、図5は、本実施形態に係る電解セルを構成する電極板ユニットの分解斜視図を示したものである。本実施形態においては、この図5に示した電極板ユニットと固体電解質膜等とを用いて電解セルが構成されている。
【0044】
図2〜図4に示す電解セル1は、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層(陽極側および陰極側触媒層)が設けられた固体電解質膜102と電極板ユニット103とを複数積層して構成されている。すなわち、固体電解質膜102を電極板ユニット103にて挟持するように、固体電解質膜102と電極板ユニット103とを所定数積層して構成されている。そして、固体電解質膜102および電極板ユニット103が、両端側のそれぞれに設けられた端板122で挟持され、締付ボルト123によって締め付けられることによって電解セル1が構成されている。
【0045】
また、本実施形態に係る電解セル1においては、締付ボルト123に対し複数の皿バネ125を介してナット124が取り付けられている。そして、電解セルの組立時においては、固体電解質膜102および電極板ユニット103等を積層した後に、プレス機で締め付けた状態で、締付ボルト123等による締め付けが行われている。
【0046】
電極板ユニット103は、チタン板製の電極板104の両面側に、多孔質給電体105とスペーサ106とシール部材107等とが配設して構成されている。また、後述すべく、スペーサ106等には、発生した酸素ガスを取り出すために用いられる酸素用孔113、発生した水素ガスを取り出すために用いられる水素用孔114、電気分解に供される純水を供給するために用いられる純水用孔115,116が形成されている。
【0047】
次に、図5を用いて、電極板104およびその周辺の構造を詳細に説明する。
【0048】
電極板104は、その内方部分たる板部分104aと、この板部分104aの外周部に設けられた周縁部104b等とから形成されいる。また、この板部分104aと周縁部104bとの間には、外方側突条112aおよび内方側突条112bが形成されいている。すなわち、周縁部104bの内方縁に沿って、シール部材107用の溝111が屈曲によって形成されている。この溝111の外方側および内方側は溝111に沿った突条112a,112bとなるように屈曲されている。
また、電極板104は、チタン板を型プレスによって成形することにより得ることができる。さらに、電極板ユニット103を積層したときに接触する(および接触するおそれがある)電極板104の所定部分には、電気的絶縁のためのコーティングが施されている。例えば、シール部材用溝111の底部にはテフロン(ポリテトラフルオロエチレン)のコーティングが施されている。
【0049】
電極板104の両面側には、その中央部にそれぞれ多孔質給電体105(A),105(C)が配置され、多孔質給電体105の両側にスペーサ106がそれぞれ配置されている。また、このスペーサ106は、内方側突条112bの存在により、下面側のスペーサ106c,106dの方が上面側のスペーサ106a,106bよりも大きく形成されている。
【0050】
そして、内方側突条112bの裏側(下面側)のデッドスペースには環状のスペーサ106eが嵌着されている。電極板104およびスペーサ106には、対応する位置に流体通路孔(酸素用孔113、水素用孔114、純水用孔115,116)が穿設されている。具体的には、図3、図4、および図5に示すべく、電極板104の左方のスペーサ106a,106cおよび対応する電極板104の所定位置に穿設されているは酸素用孔113および水素用孔114であり、右方のスペーサ106b,106dおよび対応する電極板104の所定位置に穿設されているのは純水用孔115,116である。
【0051】
図3、図4、および図5においては、電極板104の上面側のスペースが水素発生室Cとなり、下面側のスペースが酸素発生室Aとなる。そして、電極板104に屈曲によって形成された溝111には、これらの水素発生室Cと酸素発生室Aとを外部からシールするためのシール部材107が嵌着される。
【0052】
また、図3、図4、および図5に示すように、電極板104の上面左方のスペーサ106aの下面における酸素用孔113の周囲にはOリング溝117が形成されており、水素用孔114から多孔質給電体に対向する縁まで水素用溝118が形成されている。このスペーサ106aの上面における酸素用孔13の周囲にもOリング溝117が形成されている。
【0053】
また、電極板104の下面左方のスペーサ106cの上面における水素用孔114の周囲にはOリング溝117が形成されており、酸素用孔113から多孔質給電体105に対向する縁まで酸素用溝119が形成されている。このスペーサ106cの下面における水素用孔114の周囲にもOリング溝117が形成されている。
【0054】
さらに、電極板104の上面右方のスペーサ106bの上面および下面ともに、純水用孔115,116の周囲には、Oリング溝117が形成されている。また、電極板104の下面右方のスペーサ106dの上面における純水用孔115,116から多孔質給電体105に対向する縁まで純水用溝120が形成されている。また、各Oリング溝117には、Oリング121が嵌着される。
【0055】
下面右方のスペーサ106dに形成された純水用溝120は、他のスペーサ106a,106cに形成された水素用溝118および酸素用溝119と異なる形に形成されている。すなわち、水素用溝118および酸素用溝119は独立した一本の溝として水素用孔114および酸素用孔113からそれぞれ形成されている。
しかしながら、純水用溝120は、二つの純水用孔115,116からこれらの孔に連通する広い凹所120aと、この凹所120aから多孔質給電体105に対向する縁まで複数本形成された小溝120bとから構成されている。純水用溝120の凹所120a、小溝120bは略扇状に形成されている。これは、被分解水たる純水が多孔質給電体105にできるだけ均一に行き渡るように工夫されたものである。
【0056】
また、本実施形態においては、強度を向上させる等の目的のために、スペーサ106がチタン等の金属を用いて形成されているため、各スペーサ106と電極板104との間には、各スペーサ106a,106b,106c,106dの大きさに応じた絶縁シート109a,109b,109c,109dが設けられている。この絶縁シート109には、それぞれ所定の位置に(対応する位置に)、流体通路孔(酸素用孔113、水素用孔114、純水用孔115,116)が穿設されている。また、水素用孔114には、図1に示した水素ガス搬送配管部14が接続されている。
【0057】
さらに、本実施形態に係る電解セル1においては、電極板104の一部たる周縁部104b(板部分104aの外周部であって、外方側突条112aの外周部)に、シム110を配設すべく構成されている。
【0058】
本実施形態においては、上述したように、図2〜図5に示す電解セルにて構成された水電解装置(電解セル)1を用いて水素・酸素供給システムが形成されている。したがって、図1に示すべく、電解タンク2内に設けられた水電解装置1においては、電解タンク2内の純水が、二つの純水用孔115,116から純水用溝120を介して、酸素発生室Aとなる電極板104の下面側の多孔質給電体105に純水が供給される。純水は、Oリング121によって、水素発生室Cへの流入が阻止される。
【0059】
酸素発生室Aで発生した酸素ガスは、酸素用溝119から酸素用孔113を介して電解タンク2中に放出され、電解タンク2中から酸素ガス供給配管部31等を介して酸素ガス使用箇所等に供給される。水電解装置1中において、酸素ガスは、Oリング121によって、水素発生室Cへの流入が阻止される。
また、水素発生室Cで発生した水素ガスは、水素用溝118、水素用孔114、および水素ガス搬送配管部14を介して、水素分離タンク4に搬送される。水素ガスは、Oリング121によって、酸素発生室Aへの流入が阻止される。
さらに、当然のことながら、本実施形態に係る水電解装置内においては、発生した水素ガスおよび酸素ガスは、シール部材107によって、電極板ユニット103同士の間から外部への漏出が防止されている。
【0060】
本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、上述した図1〜図5に示すべく構成されており、係るシステムにおいては、適切に、純水供給制御、電流値制御等が行われている。
【0061】
図6は、本実施形態に係る水素・酸素供給システムを運転する際のフローチャートを示したものである。以下、図6等の必要な図面を用いて、制御方法を具体的に説明する。
【0062】
図6に示すように、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、まず、ステップ601において、電解タンク2に対する純水の供給が行われる。具体的には、補給水ポンプ6を駆動させて、純水タンク3から電解タンク2に対して純水を供給する。
【0063】
次に、ステップ602においては、電解タンク2内の純水の貯留量(水位)が、電解タンク水位計2Lを用いて検知される。
【0064】
次に、ステップ603においては、ステップ602における水位検知信号に基づいて、電解タンク2内の水位が所定量であるか否かの判断が行われる。そして、ここで、水位が所定量に達している場合には(ステップ603にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ604の処理が行われる。また、水位が所定量に達していない場合には(ステップ603にて「No」と判断された場合には)、補給水ポンプ6を駆動させた状態で、再度ステップ602以降の処理が行われる。
【0065】
次に、ステップ604においては、ステップ603の判断に基づいて、純水タンク3から電解タンク2に対する給水が停止される。すなわち、補給水ポンプ6を停止させる。
次に、ステップ605においては、電解セル1へ供給される循環水量の検知が行われる。すなわち、このステップ605においては、電解セル1に対する通電前に、循環水ポンプ8を駆動させ、電解セル1に対して純水を供給しているので、その循環水量を検知する。
【0066】
次に、ステップ606においては、ステップ605における循環水量検知信号に基づいて、電解セル1に対して、所定水量が供給されているか否かの判断が行われる。そして、ここで、循環水量が所定量に達している場合には(ステップ606にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ607の処理が行われる。また、循環水量が所定量に達していない場合には(ステップ606にて「No」と判断された場合には)、ステップ607に進むことなく、再度ステップ605以降の処理が行われる(すなわち、循環水ポンプ8の駆動および循環水量の検知等が継続して行われる)。
【0067】
次に、ステップ607においては、水電解装置1に対する通電が開始される。すなわち、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、水電解装置(電解セル)1内に所定量の純水が循環された状態になってから、はじめて、水電解装置1に対する電流の供給が開始される。このように、循環水流量を確認した後に通電を開始するのは、水電解装置1に対して純水が十分に補給されていない状態で通電を行うと、水電解装置1を構成する固体電解質膜102が破損する可能性があるからである。つまり、本実施形態においては、固体電解質膜102を保護するために、純水の循環量を確認した後に、水電解装置1に対して通電を行っている。
また、ここで、水電解装置1に対する電流の供給は、0%(0A)から100%(例えば、600A)の電流値にあげるまでに、所定の時間(例えば、30秒程度)を要するべく行う。このように電流の供給を行うことによって、固体電解質膜102に対して、徐々に電流が負荷されることとなるため、固体電解質膜102の保護を図ることが可能となる。すなわち、水電解装置1に対する供給電流が急激に変動(極端なケースとしてON/OFF)すると、オーバーシュートして過大電流が電解セルに加わり、固体電解質膜を損傷させる可能性があるが、上述した本実施形態に係る電流供給手段(段階的な電流供給手段)によれば、係る問題を効果的に解決することができる。
【0068】
次に、ステップ608においては、図1に示された水素・酸素供給システムによる連続した水素・酸素供給工程が行われる。具体的には、適切な純水供給制御、および電流値制御等が行われる。これらの制御については、後に、具体的に説明する。
【0069】
次に、ステップ609においては、水素・酸素供給工程を終了するか否かの判断が行われる。そして、ここで、水素・酸素供給工程を終了すると判断された場合には(ステップ609にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ610の処理が行われる。また、水素・酸素供給工程を終了しないと判断された場合には(ステップ609にて「No」と判断された場合には)、再度、ステップ608以降の処理が行われる。
【0070】
次に、ステップ610においては、ステップ609における水素・酸素供給工程の終了の判断に基づいて、水電解装置1に対する通電を終了させる。また、この図6のフローチャートには特に示していないが、ステップ610においては、水電解装置1が純水に十分満たされた状態で、通電を終了させる。具体的には、水電解装置1に対する通電を停止してから、数秒(3秒程度)後に循環水ポンプ8を停止している。これも、固体電解質膜102に対して余計な負荷をかけないためである。
【0071】
以上、図6におけるステップ601からステップ610までの工程に基づいて、本実施形態に係る水素・酸素供給システムの運転が制御される。しかしながら、上述した図6のフローチャートにおいては、水素・酸素供給工程の説明が不充分であるため、次に、ステップ608で行われる水素・酸素供給工程を具体的に説明する。
【0072】
ステップ608にて行われる水素・酸素供給工程の中には、電解タンク2に対する純水供給制御、および水電解装置1に対する電流値制御等があげられる。以下、詳細に説明する。
【0073】
図7は、本実施形態に係る純水供給制御の一態様のフローチャートを示したものである。
【0074】
図7に示すように、本実施形態においては、まず、ステップ701において、電解タンク2内の純水貯水量の検知が行われる。ここでは、電解タンク水位計2Lを用いて、電解タンク2内の純水の貯留量(水位)が検知される。
【0075】
次に、ステップ702においては、ステップ701における水位検知信号に基づいて、電解タンク2内の水位が所定値以下であるか否かの判断が行われる。そして、ここで、水位が所定値以下であると判断された場合には(ステップ702にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ703の処理が行われる。また、水位が所定値以下でない場合には(ステップ702にて「No」と判断された場合には)、再度、ステップ701以降の処理が行われる。
【0076】
次に、ステップ703においては、ステップ702の判断に基づいて、補給水ポンプ6の駆動が開始される。すなわち、補給水ポンプ6を駆動させて、純水供給配管部を介して、純水タンク3から電解タンク2に対して純水を補給する。
【0077】
次に、ステップ704においては、電解タンク2内の純水貯水量の検知が行われる。ここでは、ステップ701と同様に、電解タンク水位計2Lを用いて、電解タンク2内の純水の貯留量(水位)が検知される。
【0078】
次に、ステップ705においては、ステップ704における水位検知信号に基づいて、電解タンク2内の水位が所定範囲内にあるか否かの判断が行われる。そして、ここで、水位が所定範囲内にあると判断された場合には(ステップ705にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ706の処理が行われる。また、水位が所定範囲内にないと判断された場合には(ステップ705にて「No」と判断された場合には)、補給水ポンプ6を駆動させた状態で、再度、ステップ704以降の処理が行われる。
【0079】
次に、ステップ706においては、ステップ705の判断に基づいて、純水タンク3から電解タンク2に対する給水が停止される。すなわち、補給水ポンプ6を停止させる。そして、このステップ706の後は、再度、ステップ701以降の処理が行われる。
【0080】
以上のステップ701からステップ706の工程が、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおける、基本的な純水供給(補給)制御である。
なお、この図7では特に示さなかったが、本実施形態においては、電解タンク2内の純水が、電解タンク2に対して閉回路として設けられた純水循環配管部7を介して、循環されつつ、水電解装置1に供給されるべく構成されている。
【0081】
具体的には、本実施形態においては、純水循環配管部7に設けられた循環水ポンプ8によって、電解タンク2内の純水が循環させられ、純水循環配管部7に設けられた熱交換器9、ポリシャ10、およびフィルタ11を介して、水電解装置1の純水用孔115,116に純水が供給される。なお、この純水循環配管部7には、水質警報手段12、水温警報手段13、および循環水量警報手段も設けられている。
【0082】
本実施形態においては、このように種々の要素を設けた閉回路たる純水循環配管部7を介して、水電解装置1に純水が供給されるので、適切な性状を有する純水の供給が可能となる。
すなわち、熱交換器9を設けたことにより、水電解装置1の発熱によって温度が上昇した純水の熱交換を行うことが可能となるので、効率よく水電解装置1を駆動させることができる。また、ポリシャ10を設けたことにより、純水の純度を高めた状態で、水電解装置1に対して純水を供給可能となる。また、フィルタ11を設けたことにより、純水中に含まれた不純物を除去して、水電解装置1に対して純水を供給することができる。
さらに、本実施形態においては、水質警報手段12および水温警報手段13が設けられているので、上述した熱交換器9、ポリシャ10、およびフィルタ11に何等かの不具合が生じた(あるいは生じそうであった)としても、その旨を検知して、不適切な(純度が低いあるいは不純物が多い等の)純水が供給される前に、熱交換器9、ポリシャ10、あるいはフィルタ11の不具合に対処可能であって、必要に応じて容易に交換等を行うことができる。また、本実施形態においては、循環水量警報手段が設けられているので、循環水量が処理量(所定の処理量)を下回って、電解セルが損傷するのを防止している。つまり、電解セルへの供給水量が不足すると、電解セル内での水の流れが不均一となり、局部的な発熱によって固体電解質膜が損傷するおそれがあるが、本実施形態は、循環水量警報手段を設けることによって、循環水量の低下を事前に察知して、係る問題を効果的に解決することができる。
したがって、本実施形態によれば、継続的に、適切な性状を有する純水を水電解装置1に対して供給することができる。
また、本実施形態においては、先に述べたように、純水循環配管部7の適切な箇所にガス抜きを設けているので、純水循環配管部7中の酸素ガスが純水の循環に不具合を生じさせないように、必要に応じて、適宜、ガス抜きを行うことができる。
【0083】
このように、本実施形態においては、純水の水質や温度を制御して、適切な性状を有する純水を水電解装置1に供給しているので、固体電解質膜102の寿命をのばすことが可能となると共に、水電解装置1における電解効率をも向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態においては、水素分離タンク4にて水素ガスと分離された純水についても、純水戻り配管部15(および純水タンク3等)を介して、再利用可能(水電解装置1に対して供給可能)であるべく構成されている。
なお、本実施形態においては、上述したように、純水タンク3と電解タンク2とが純水供給配管部5にて接続され、電解タンク2中の水電解装置1と水素分離タンク4とが水素ガス搬送配管部14にて接続され、水素分離タンク4と純水タンク3とが純水戻り配管部15にて接続されている。すなわち、純水タンク3、電解タンク2、および水素分離タンク4は、純水供給配管部5、水素ガス搬送配管部14、および純水戻り配管部15によって、閉じた回路として構成されている。水素分離タンク4から純水戻り配管部15を用いて搬送される純水には、水素が溶存されており、もし、この閉回路中の循環を連続して繰り返すとすれば、その溶存率は高まる一方となり、システム構成上好ましくない。つまり、水素分離タンク4から排出される純水中には、水素発生圧力下での溶存水素が含まれており、これをそのまま純水タンク(補給水タンク)3に戻した場合、圧力が大気圧に開放されるため、減圧に伴い、差圧分の溶存水素がガス化して放出される。そうすると、純水タンク3内で水素と空気とが混合し、徐々に水素濃度が上昇して、種々の不具合を生ずる可能性がある。
そこで、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、係る純水戻り配管部15の所定箇所にガススクラバ16を配して、上述した不具合を解消すべく構成されている。
【0085】
次に、水電解装置1に対する電流値制御について説明する。
図8は、本実施形態に係る電流値制御の一態様のフローチャートを示したものである。
【0086】
図8に示すように、本実施形態においては、まず、ステップ801において、水素分離タンク4に設けられた第一の圧力検知手段25を用いて、水素ガスの圧力を検知する。ここで、水素分離タンク4内の水素ガスの圧力は、水素ガス生成量(水電解装置1で生成され、水素ガス搬送配管部14を介して水素分離タンク4に搬送される水素ガス量)と、水素ガス供給量(水素ガス供給配管部21を介して、水素分離タンク4から水素ガス使用箇所に供給される水素ガス量)とのバランスによって変動するものである。
【0087】
次に、ステップ802においては、ステップ801における圧力検知信号に基づいて、水素分離タンク4内の水素ガス圧力が所定値以下であるか否かの判断が行われる。水素ガス圧力が所定値以下になると、必要とされる水素ガスの供給が困難となるからである。そして、ここで、水素ガス圧力が所定値以下であると判断された場合には(ステップ802にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ803の処理が行われる。また、水素ガス圧力が所定値以下ではないと判断された場合には(ステップ802にて「No」と判断された場合には)、再度、ステップ801以降の処理が行われる。
【0088】
次に、ステップ803においては、ステップ802の判断に基づいて、第一の圧力検知手段25から電流値制御手段28に対して圧力検知信号を送り、この圧力検知信号に基づいて、電流値制御手段28から水電解装置1に対して適切な値の電流が供給される。ここで、供給する電流は、必要とする供給水素ガス量(あるいは水素ガス圧等)、および水素ガス圧変動率(単位時間当たりの水素ガス圧変動量)等によって、適宜、適切な値が選択されて水電解装置1に供給される。
【0089】
次に、ステップ804においては、水素分離タンク4に設けられた第一の圧力検知手段25を用いて、水素ガスの圧力を検知する。
【0090】
次に、ステップ805においては、ステップ804における圧力検知信号に基づいて、水素分離タンク4内の水素ガス圧力が所定範囲内にあるか否かの判断が行われる。そして、ここで、水素ガス圧力が所定範囲内にあると判断された場合には(ステップ805にて「Yes」と判断された場合には)、次いでステップ806の処理が行われる。また、水素ガス圧力が所定範囲内にないと判断された場合には(ステップ805にて「No」と判断された場合には)、再度、ステップ803以降の処理が行われる。
【0091】
次に、ステップ806においては、ステップ805の判断に基づいて、水電解装置1に対する電流値制御手段28からの電流の供給が停止される。そして、このステップ806の後は、再度、ステップ801以降の処理が行われる。
【0092】
本実施形態においては、上述したように、ステップ801からステップ806の工程に示すべく、水電解装置1に対して、電流が供給される。すなわち、本実施形態においては、水素ガス生成量と水素ガス供給量とのバランスを第一の圧力検知手段25を用いて検知し、この検知信号を電流値制御手段28に送って、検知信号に応じた(圧力変動に応じた)電流値が水電解装置1に供給されている。なお、本実施形態においては、電流値制御手段28としては、整流器等が用いられる。すなわち、本実施形態においては、整流器等を用いて、整流器PID制御が行われる。具体的には、この電流値制御手段28は、第一の圧力検知手段25にて得られる圧力検知信号が送られるシーケンサまたは調節計と、整流器等とを用いて構成されており、水素の現在の圧力値(圧力検知信号)をシーケンサまたは調節計に送ってPID制御し、ここで得られた指令値を整流器に送り、この指令値に基づいた電流を整流器から電解セルに供給して、電解セル(水電解装置)の制御が行われている。
【0093】
一方、従来技術においては、水電解装置に対する電流の供給は、常時一定電流を供給する場合、あるいは、ON/OFF制御に基づいて電流を供給する場合等が一般的であった。このような構成において、適切な水素ガスの供給を実現しようとすれば、水素ガスの必要な圧力に対応すべく、水素ガスを貯留するための大きいタンク(すなわち、使用圧力の下限値から上限値にまで対応可能なタンク)が必要であった。
そして、使用される水素ガス圧力の変動に対応するために、あらかじめ、係るタンク内に所定量の水素ガスを貯留する必要があり、使用される水素ガス圧力が、上限値側から下限値側に移行する場合には、水素ガスを大気開放等して、必要とされる水素ガス圧力に対応していた。また、使用される水素ガス圧力が、上限値側に移行する場合には、従来技術における電流供給方法(常時一定あるいはON/OFF制御)等では、迅速な対応(必要な水素ガス圧力の上昇に応じた水素ガスの生成)が困難であるため、タンク内には、常に所定量(例えば100%運転で30分〜2時間分のガス発生量)の水素ガスを貯留しておく必要があった。さらに、アルカリ水電解の場合、電解セル内の隔膜(陰極室と陽極室との間仕切り)が多孔質体であるため、装置の出力が低下すると(15%以下となると)、陰極側と陽極側との圧力を均一に維持できなくなり、水素と酸素とが隔膜を通過して混合してしまうおそれがある。このため、装置停止/再起動時には、装置内のガスをN2パージして追い出すという作業が必要となる。
【0094】
しかしながら、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、上述したように、水素ガスの使用量に応じて、電流値制御手段28から水電解装置1に対し適切な電流が供給される構成であるため、生成される水素ガス、および水電解装置1に供給される電流について、無駄をなくすことが可能となる。また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、閉回路たる純水循環配管部7を介して、水電解装置1に対して純水が供給されるため、水電解装置1および電解タンク2は、比較的高い密閉性を維持することができる。つまり、水電解装置1を駆動させなくとも、所定の水素ガス圧力を得ることができる。よって、水素ガスの圧力に特に変動がない場合(水素ガスが使用されていない場合)には、水電解装置1に対する電流の供給を停止することも可能である。
したがって、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、適切な圧力の水素等の供給を行いつつ、水電解装置1を0〜100%の範囲で駆動させることが可能となる。
【0095】
また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、第一の圧力検知手段25によって水素分離タンク4内の水素ガスの圧力を検知し、第二の圧力検知手段35によって電解タンク2内の酸素ガスの圧力を検知して、それぞれの検知信号が差圧検知手段45に送られる。そして、この差圧検知手段45で得られる水素ガス圧力と酸素ガス圧力との差圧信号に基づいて、水素ガス供給バルブ22、第一のリリーフ弁26、酸素ガス供給バルブ32、および第二のリリーフ弁36が、適宜調整される。
本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、水素ガス圧力を酸素ガス圧力よりも若干(0.05〜0.1MPa程度)高く設定して、高純度の水素ガスを得ることが可能であるように構成されている。したがって、本実施形態においては、上述した差圧信号に基づいて、水電解装置1内にて、酸素ガス圧力よりも水素ガス圧力の方が0.05〜0.1MPa程度高くなるべく、各バルブ26,36の調整が行われている。なお、必要に応じて、バルブ22,32の調整も行われる。
【0096】
さらに、本実施形態においては、上述した各リリーフ弁26,36が、インターロックとしても機能することとなる。
すなわち、差圧検知手段45で得られる差圧信号に何等かの異常が生じた場合には、固体電解質膜102等を保護するために、各リリーフ弁26,36を適切に調整して、水素ガスおよび酸素ガスの少なくとも一方を各リリーフ配管部27,37を介して放出する。
なお、リリーフ弁26,36を用いたインターロックは、上述した構成に限定されるものではない。したがって、例えば、各リリーフ弁26,36としては、ばね逃がし弁等を用いることが可能であり、各リリーフ配管部27,37内の圧力が、所定の圧力を超えた場合には、各リリーフ弁26,36が適切に開放されるべく構成されていてもよい。
【0097】
また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、電解タンク2から酸素使用箇所(図示省略)に対して酸素ガスを供給するために設けられた酸素ガス供給配管部31(図1参照)、あるいは分岐配管部31A(図10参照)に、水素ガス検出手段34が設けられている。この水素ガス検出手段34は、酸素ガス中の水素濃度を検出すべく、熱伝導率式、密度式等のオンラインガス分析計等を用いて構成されている。
本実施形態によれば、この酸素ガス供給配管部31において酸素ガス中の水素ガス濃度を検出することによって、固体電解質膜102におけるピンホールの発生等を検知することができる。すなわち、本実施形態によれば、上述したように、水電解装置1内の圧力は、酸素ガス発生側(酸素発生室A側)よりも水素ガス発生側(水素発生室C側)の方が、高くなるように構成されているため、固体電解質膜102にピンホール等が発生すれば、水素発生室Cから酸素発生室Aに対して水素ガスが混入し、水素ガスが混入した酸素ガスが、酸素ガス供給配管部31を介して供給されることとなる。
したがって、本実施形態によれば、図1(あるいは図10)に示すべく、酸素ガス供給配管部31(あるいは分岐配管部31A)に水素ガス検出手段34を設けて、酸素ガス中の水素ガス濃度を監視することによって、固体電解質膜102の破損(ピンホール)等を早期に発見して、システムの保守管理を効果的に行うことが可能となる。
【0098】
さらに、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、水素分離タンク4から水素使用箇所(図示省略)に対して水素ガスを供給するために設けられた水素ガス供給配管部21に、水素ガス流量制御手段24が設けられている。この水素ガス流量制御手段24は、上述したように、流量検知手段24Aと定格流量制御バルブ24Bとを用いて構成されている。そして、この流量検知手段24Aは、水素ガス供給配管部21中を流れる水素ガスの流量を常時監視して、この水素ガスの流量に応じて、定格流量制御バルブ24Bに対し適切な制御信号を送信すべく構成されている。
すなわち、本実施形態によれば、水素ガス供給配管部21の後流側にて(すなわち、水素ガス使用箇所にて)大量の水素ガスが使用されたとしても、水素ガス供給配管部21中を流れる水素ガスが定格流量を超える前に、流量検知手段24Aから定格流量制御バルブ24Bに対して制御信号が送られ、定格流量以上の水素ガスが流れないように、定格流量制御バルブ24Bが調整される。したがって、本実施形態によれば、水素ガス供給配管部21の後流側における水素ガス使用量がどのように変動したとしても、水素ガス供給配管部21にて定格流量以上の水素ガスが流れることはないので、水素ガスの品質を一定に維持することができる。
このような水素ガス流量制御手段24を有する構成によれば、ユーザがバッファタンク等を用いる場合における不具合を効果的に防止可能である。具体的には、バッファタンクを用いるケースでは、水素の使用量が平常時とピーク時とで大きく変動する場合がある。このような場合、ピーク時の使用量に合わせて水素・酸素供給システムを構成すると、大容量のものとなり、稼働率が低下し、経済性も悪い。このため、バッファタンクの圧力に幅をもたせて使用している(例えば、0.9MPaから0.4MPaの幅で使用している)。この間は、水電解装置1の定格発生量以上のガスを使用することになる。このような構成において、水電解装置1を定格運転するためには、本実施形態に示すべく、定格以上のガスが流れないように、流量制御を行う必要がある。これにより、水電解装置1が安定して稼動を続けると共に、後段の除湿器入口のガス性状(圧力等)も一定に制御でき、供給ガス品質を一定に維持することができる。また、このような構成であれば、水電解装置(電解セル)1の性能以上の使用をも防止することが可能となるので、システムの長寿命化を図ることもできる。
【0099】
また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、水電解装置1と水素分離タンク4との間に設けられた水素ガス搬送配管部14には、水素ガス搬送バルブ18が設けられており、さらに、水素ガス搬送配管部14上の水素ガス搬送バルブ18を迂回すべく、バイパス配管部19が設けられている。そして、このバイパス配管部19には、逆止弁20が設けられている。ここで、逆止弁20は、所定値以上の圧力が作用しない場合には開放せず、水電解装置1から水素分離タンク4に対して水素ガスが流通しないように構成されている。すなわち、本実施形態は、所定値以上(例えば、0.1MPa以上)の圧力が作用したときに、はじめて逆止弁20が開放されて、バイパス配管部19を介して、水電解装置1から水素分離タンク4に対して水素ガスが流通すべく構成されている。
したがって、本実施形態に係る水素・酸素供給システムによれば、水素ガス搬送バルブ18に何らかの不具合が生じて、水素ガスが水素ガス搬送配管部14中を流通しない状態となったとしても、上述したように、バイパス配管部19に所定値以上の圧力が作用した場合には、逆止弁20を介して、水素ガスの搬送が行われることとなる。よって、本実施形態によれば、水素ガス搬送バルブ18に不具合が生じたとしても、その際の圧力が水電解装置1に逆流する前に、逆止弁20が開いて、水素ガス搬送配管部14、バイパス配管部19、および逆止弁20を介して、水素ガスを適切に流通させることが可能となるので、水電解装置1を構成する固体電解質膜102の破損等を効果的に防止することができる。
【0100】
さらに、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、種々の検知手段等を用いて、ガス圧力および各タンク2,4内の水位をそれぞれ所定値となるべく制御可能に構成されている。
具体的には、電解タンク2は、図1に示す構成においては、第二の圧力制御手段35、差圧検知手段45、および第二のリリーフ弁36等を用いてタンク内圧力が所定値となるべく制御されており、図10に示す構成においては、コントロール弁38等を用いてタンク内圧力が所定値となるべく制御されている。また、電解タンク水位計2Lおよび補給水ポンプ6を用いてタンク内水位が所定値となるべく制御されている。そして、水素分離タンク4は、第一の圧力制御手段25、差圧検知手段45、および第一のリリーフ弁26等を用いてタンク内圧力が所定値となるべく制御されており、また、水素分離タンク水位計4Lおよび純水排出バルブ4Aを用いてタンク内水位が所定値となるべく制御されている。さらに、水電解装置1内における酸素発生室Aと水素発生室Cとの圧力についても、先に述べたように、適切に所定値となるべく制御されている。
本実施形態においては、以上のように、各ガス圧力および各タンク2,4内の水位をそれぞれ所定値となるべく制御可能である。すなわち、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、一定の条件に基づいて、運転可能に構成されている。
したがって、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、基本的に、一定の条件に基づいて運転させることが可能であるため、高品質のガス(特に高純度の水素ガス)を得ることができる。また、一定の条件にて運転可能であるため、システムを構成している各要素に対して、ストレスが生じにくくなり、各構成要素は勿論のこと、システム全体としても、寿命を延ばすことが可能となる。
なお、上述したように、本実施形態においては、ガス圧制御のみではなく、水位制御も合わせて行っているため、ガス圧制御のみを行う場合よりも、容易にガス圧制御を行うことが可能となる。
【0101】
なお、本実施形態においては、水電解装置1を一つ用いて水素・酸素供給システムを構成する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、複数の水電解装置1を用いて水素・酸素供給システムを構成してもよい。この際、各水電解装置1については、それぞれ電解タンク2等を設けて、各水電解装置1をブロック化して、水素・酸素供給システムを構成してもよい。係る構成によれば、システム全体はもとより、各ブロック毎についても、水電解装置1等の不具合を検知可能であるため、システムのいずれかの箇所に故障等が発生した場合であっても、その故障したブロックのみを停止させて交換等を行うことができる。したがって、このようなブロック化を実現した水素・酸素供給システムであれば、水電解装置1等に故障が発生した場合であっても、システム全体を停止させる必要がないので、安定したガス供給を実現可能なシステムとすることができる。
【0103】
また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムについては、各要素を接続するための配管部については特に説明しなかったが、本発明においては、酸素ガスを多く有する流体を搬送させる配管部(O2リッチライン)と、水素ガスを多く有する流体を搬送させる配管部(H2リッチライン)とに対して、それぞれ適切な特性を有する配管を用いて、水素・酸素供給システムを構成してもよい。
具体的に、例えば、O2リッチラインは、ステンレス鋼表面に電解研磨処理を施した後、酸化性雰囲気中で加熱することにより、鉄系酸化物を主とする金属酸化物の着色酸化被膜が表面に形成されたステンレス鋼(特開平10−140322号公報参照)を用いて構成することが好ましい。このようなステンレス鋼は、酸素ガスを多く有する流体に対する金属イオンの溶出量が極めて少ないという特性を有する。したがって、このようなステンレス鋼を用いてO2リッチラインを構成すれば、酸素ガス中に対する不必要な金属イオンの溶出を効果的に防止可能なシステムを実現することができる。
また、例えば、H2リッチラインは、ステンレス鋼表面を清浄化処理した後、酸化性雰囲気中で加熱処理して清浄化処理面上に着色酸化被膜を形成し、その後にこの着色酸化被膜を溶解除去したステンレス鋼(特開平10−25561号公報参照)を用いて構成することが好ましい。このようなステンレス鋼は、水素ガスを多く有する流体に対する金属イオンの溶出量が極めて少ないという特性を有する。したがって、このようなステンレス鋼を用いてH2リッチラインを構成すれば、水素ガス中に対する不必要な金属イオンの溶出を効果的に防止可能なシステムを実現することができる。
【0104】
さらに、本実施形態においては、上述した配管部のみならず、各タンク2,4についても、電解タンク2は、O2リッチラインと同様のステンレス鋼を用いて構成し、水素分離タンクは、H2リッチラインと同様のステンレス鋼を用いて構成することが好ましい。この好ましい構成によれば、各タンク2,4についても、金属イオンの溶出を防止することが可能となるので、係るタンクを用いれば、純度の高いガスを供給可能なシステムを実現することができる。
【0105】
また、本発明においては、自らのシステムにて生成した酸素ガスを用いて、純水タンク3内の純水をバブリングすべく構成することが好ましい。
本実施形態に係る水素・酸素供給システムにおいては、空気(中の特に窒素)が唯一の不純物であり、係る空気は主に純水タンク3を介してシステム中に混入する。したがって、係る空気を排除すれば、さらに高い純度の水素あるいは酸素を得ることが可能となる。
そこで、本発明においては、係る不純物たる空気を排除するために、純水タンク3中を酸素ガスにてバブリングする構成とすることが好ましい。この際、バブリングには、本来リリーフされるはずの酸素ガス等を用いることが可能である。係る構成によれば、本来リリーフされるべき酸素ガス等を用いることによって、特に新たな設備等を用いることなく、純度の高い水素ガスあるいは酸素ガスを得ることが可能な水素・酸素供給システムを実現することができる。
【0106】
さらに、本実施形態においては、水電解装置1を電解タンク(酸素分離タンクとしても機能するタンク)2内に収容した、いわゆる「高圧型」の水素・酸素供給システムについて説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、必要に応じて、「低圧型」のシステムとして構成してもよい。
具体的には、水電解装置1を特にタンク等内に収容せずに設置して、水電解装置1の酸素供給側に、酸素分離タンクを設けるように構成してもよい。
ここで、図9は、水素・酸素供給システムの「低圧型」の一例を示したものである。この図9において、図1等を用いて説明した要素と同様のものについては、同様の符号を付している。図9に示された水素・酸素供給システムは、酸素分離タンク2の外に設けられた電解セル1に対して、純水循環配管部7を介して純水が供給され、この電解セルに対しては、図1等を用いて説明した「高圧型」の水素・酸素供給システムと同様に、電流値制御手段28を介して電力(電流)が供給される。また、電解セル1にて生成された水素ガスは、水素ガス搬送配管部14を介して、水素分離タンク(図示省略)に搬送される。さらに、電解セルにて生成された酸素ガスは、酸素ガス搬送配管部94を介して、酸素分離タンク2に搬送される。
図9に示した「低圧型」の水素・酸素供給システムは、以上のように構成されており、電解セル1がタンク外に設けられている点(およびこれに伴う酸素ガス搬送配管部94の存在等)を除けば、基本的には、図1等を用いて説明した「高圧型」の水素・酸素供給システムと同様の構成を有している。つまり、この図9に示した「低圧型」についても、「高圧型」の場合と同様に、種々のセンサ等を設けることができ、上述した種々の制御等を実現することが可能となるので、「高圧型」と同様の効果を得ることができる。
【0107】
なお、本明細書中において、「所定値」とは、定められたある値を示す場合のみならず、定められたある範囲(ある範囲内の値、あるいは範囲内の複数の値)を示す場合も含む概念である。
【0108】
また、本実施形態に係る水素・酸素供給システムは、種々の分野における使用が可能であり、その用途としては、エネルギ関連(燃料電池、水素エネルギ等)、半導体関連(プロセスガス、廃ガス燃焼等)、電力関連(タービン発電機の冷却ガス等)、金属関連(還元炉、表面処理等)等があげられる。
【0109】
上述した種々の用途の中において、例えば、タービン発電機の冷却ガスを生成するために、本実施形態に係る水素・酸素供給システムを用いる場合としては、具体的に、以下のような使用方法が考えられる。
【0110】
従来から、タービン発電機を冷却する技術としては、水素ガスを用いるものが知られている。そして、そのために、従来技術においては、タービン発電機を有する発電所内に、水素ガスを貯留等するための装置が設けられている。
タービン発電機の通常運転状態時においては、必要とされる水素量は、数m3/h程度である。しかしながら、タービン発電機の定期点検時においては、発電機内部を開放点検するために、点検終了後の発電機立ち上げ時に、発電機内部を水素置換する必要があり、その際に大量の水素ガスが必要となる。この定期点検後の水素置換時に必要となる水素ガス量は、発電機の容量や方式により異なるが、およそ数百m3/h程度である。すなわち、この水素置換時に、数百m3/h程度の水素ガスが一気に使用されることとなる。したがって、従来技術においては、このピーク時(水素置換時)に合わせた大きな装置(ピーク時に合わせた水素発生装置等)が必要となる。
一方、本実施形態に係る水素・酸素供給システムを用いれば、上記水素置換を行う場合であっても、従来のような大きな装置を用いる必要がなくなる。具体的には、平時の必要量よりもやや大きい容量の本実施形態に係る水素・酸素供給システムを設置し、このシステムで生成される水素ガスの余剰分をコンプレッサで昇圧して、その余剰分を少しずつタンクに貯蔵する。このようにして、平常運転時から、水素ガスの貯蔵を行うことによって、特に複雑な装置、あるいは大型の装置を用いることなく、定期点検後に必要となる量の水素ガスを容易に貯留することが可能となる。したがって、本実施形態に係る水素・酸素供給システムを用いれば、装置の小型化を実現することが可能となり、経済的な運転を行うことができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生成ガスの使用量等に基づいて電解セル等を適切に制御しつつ駆動させて、長寿命化、高効率化を図ることが可能である水素・酸素供給システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る水素・酸素供給システムの概略的な系統図
【図2】図1に係る水素・酸素供給システムを構成する水電解装置を成す電解セルの一例を示す概略図
【図3】図2(a)のII−II線断面のうちの要部を示す断面図
【図4】図2(a)のIII−III線断面のうちの要部を示す断面図
【図5】本実施形態に係る電解セルを構成する電極板ユニットの分解斜視図
【図6】本実施形態に係る水素・酸素供給システムを運転する際のフローチャート
【図7】本実施形態に係る純水供給制御の一態様を示すフローチャート
【図8】本実施形態に係る電流値制御の一態様を示すフローチャート
【図9】本発明の他の実施形態に係る水素・酸素供給システムの概略的な系統図の一部を示す図
【図10】図1に係る水素・酸素供給システムを構成する水素ガス検出手段周辺の他の構成を示す部分拡大図
【符号の説明】
1…水電解装置(電解セル)、2…電解タンク、2L…電解タンク水位計、3…純水タンク、3A…純水供給バルブ、3L…純水タンク水位計、4…水素分離タンク、4A…純水排出バルブ、4L…水素分離タンク水位計、5…純水供給配管部、6…補給水ポンプ、7…純水循環配管部、8…循環水ポンプ、9…熱交換器、10…ポリシャ、11…フィルタ、12…水質警報手段、13…水温警報手段、14…水素ガス搬送配管部、15…純水戻り配管部、16…ガススクラバ、17…水素放出配管部、18…水素ガス搬送バルブ、19…バイパス配管部、20…逆止弁、21…水素ガス供給配管部、22…水素ガス供給バルブ、23…水素ガス除湿手段、24…水素ガス流量制御手段、24A…流量検知手段、24B…定格流量制御バルブ、25…第一の圧力検知手段、26…第一のリリーフ弁、27…第一のリリーフ配管部、28…電流値制御手段、31…酸素ガス供給配管部、32…酸素ガス供給バルブ、33…酸素ガス除湿手段、34…水素ガス検出手段、35…第二の圧力検知手段、36…第二のリリーフ弁、37…第二のリリーフ配管部、45…差圧検知手段、94…酸素ガス搬送配管部
102…固体電解質膜、103…電極板ユニット、104…電極板、104a…板部分(内方部分)、104b…周縁部、105…多孔質給電体、106,106a,106b,106c,106d…スペーサ、107…シール部材、109,109a,109b,109c,109d…絶縁シート、110…シム、111…溝(シール部材用溝)、112a…突条(外方側突条)、112b…突条(内方側突条)、113…酸素用孔、114…水素用孔、115,116…純水用孔、117…Oリング溝、118…水素用溝、119…酸素用溝、120…純水用溝、120a…凹所、120b…小溝、121…Oリング、122…端板、123…締付ボルト、124…ナット、125…皿バネ
A…酸素発生室、C…水素発生室
Claims (2)
- 固体電解質膜によって陽極側と陰極側とに隔離された電解セルを有し、前記電解セルに純水を供給して前記陰極側にて水素が生成され、前記陽極側にて酸素が生成されており、前記水素および酸素の少なくとも水素は使用箇所に供給可能に構成された水素・酸素供給システムにおいて、前記電解セルの前記陰極側を介して供給される前記水素の圧力を検知する第一の圧力検知手段と、前記第一の圧力検知手段で得られた圧力検知信号に基づいてPID制御を行って指令値を形成するシーケンサならびに前記指令値に基づいて前記電解セルに供給される電流のPID制御を行う整流器を用いた電流値制御手段とを備え、
前記電解セルにて生成された水素を貯留する水素分離タンクと、前記電解セルと水素分離タンクとの間に設けられた水素ガス搬送配管部とをさらに備え、
該水素ガス搬送配管部には、水素ガス搬送バルブと、該水素ガス搬送バルブを迂回するバイパス配管部が設けられ、且つ、該バイパス配管部には、0.1MPa以上の圧力が作用したときにバイパス配管部を介して、水電解装置から水素分離タンクへ水素ガスが流通すべく逆止弁が設けられていることを特徴とする水素・酸素供給システム。 - 前記電解セルを用いて構成された水電解装置に純水を供給するための純水タンクがさらに備えられ、自らのシステムにて生成した酸素ガスを用いて、前記純水タンク内の純水をバブリングすべく構成されている請求項1に記載の水素・酸素供給システム。
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