JP3716831B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、たとえばファクシミリ装置等の画像形成装置であって、用紙を給送するための給送手段に駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達機構を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえばファクシミリ装置の駆動装置においては、装置のコンパクト化、低コスト化等の要請から1つの駆動モータの駆動力を、駆動力伝達機構を用いて記録紙を搬送するための搬送ローラや原稿を搬送するための搬送ローラ等の複数の駆動部材に切換伝達する構成の駆動装置が知られている。この駆動装置を備えたファクシミリ装置では、原稿読取モード、記録モード等の各動作モードに応じて駆動力伝達機構の駆動力の出力先を切り換え、駆動モータの駆動力を各動作モードに必要な搬送ローラにのみ伝達して駆動するようになっている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−257210号公報
【0004】
図18は、上記のようなファクシミリ装置における駆動力伝達機構の一例を示す模式図である。
【0005】
この駆動力伝達機構は、円盤状の大径ギア43Aと小径ギア43Bとが同軸に一体的に成型された太陽ギア43と、外周に周方向に長さの異なる5個の凹部60と5個の凸部60’とが交互に形成された円盤状の部材からなり、太陽ギア43と同軸に設けられ、図略の一方向クラッチを介して当該太陽ギア43に連結された回転部材45と、この回転部材45の太陽ギア43を臨む面の所定の位置に当該太陽ギア43の小径ギア43Bに噛合させて設けられた2個の遊星ギア46,47と、図略の駆動モータのロータに固着され、太陽ギア43の大径ギア43Aに噛合されたモータギア82と、太陽ギア43の回りの所定の位置であって、遊星ギア46,47が太陽ギア43の軸中心に回転した際に当該遊星ギア46,47が噛合可能な位置に設けられた4個の伝動ギア61,62,63,64と、太陽ギア43の回りの適所に設けられ、回転部材45の回転に応じて当該回転部材45の外周に形成された凹部60および凸部60′を検出するセンサスイッチ80とで構成されている。
【0006】
回転部材45の5個の凸部60’は、1個の長寸法の凸部60a’と4個の短寸法の凸部60b’とからなる。回転部材45の5個の凹部60も1個の長寸法の凹部60aと4個の短寸法の凹部60bとからなり、長寸法の凸部60a’を基準位置とすると、長寸法の凹部60aは基準位置に対して反時計回りのおよそ225°の位置に形成されている。
【0007】
回転部材45は、太陽ギア43が反時計回りに回転するときは、一方向クラッチによって太陽ギア43に連結され、当該太陽ギア43とともに回転し、太陽ギア43が時計回りに回転するときは、太陽ギア43との連結が解除され、回転しないようになっている。また、回転部材45は、原稿読取モード、記録モード等の動作モードに対応する所定の位置に設定されると、回転規制部材51により時計周りに逆回転しないようになっている。
【0008】
伝動ギア61は、太陽ギア43を介して伝達される駆動モータ(図略)の駆動力を記録紙を搬送する搬送ローラ(図略)に伝達するためのギア、伝動ギア62は、同駆動力をインクリボンを巻き取るためのスプール(図略)や印字位置で記録紙を搬送するためのプラテン(図略)に伝達するためのギア、伝動ギア63は、同駆動力を印字後の記録紙を排出するための搬送ローラ(図略)に伝達するためのギアである。また、伝動ギア64は、同駆動力を、原稿を搬送するための原稿給送ローラ(図略)、ラインフィードローラ(図略)および原稿排出ローラ(図略)に伝達するためのギアである。
【0009】
従動ギア75,74,73は、それぞれ原稿給送ローラ、ラインフィードローラ、原稿排出ローラの軸に固着されたギアである。従動ギア75と従動ギア74とは噛合され、従動ギア74と従動ギア73とは両ギアの間に設けられ、両ギアの回転方向を同一にするための従動ギア72に噛合されている。また、従動ギア72は、減速用の従動ギア71を介して伝動ギア64に連結されている。
【0010】
このファクシミリ装置では、原稿読取モード、記録モード等の動作モードに応じてその動作モードで駆動すべきローラに駆動モータの駆動力が伝達されるように、そのローラに連結された伝動ギアに遊星ギア46,47が噛合する位置に回転部材45が反時計回りに回転される。回転部材45の回転位置は、センサスイッチ80が回転部材45の凹部60を検出することによって検出される。
【0011】
図18は、ファクシミリ装置が原稿読取モードに設定された状態を示し、駆動力伝達機構は、遊星ギア46が原稿を搬送するための原稿給送ローラ、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラに連結された伝動ギア64に噛合する位置に回転部材45が設定されている。回転部材45の原稿読取モードに対応する位置への設定は、太陽ギア43を反時計回りに回転させ、センサスイッチ80が長寸法の凸部60a’の左側に設けられた短寸法の凹部60bを検出し、回転部材45を時計回りに回転させ、回転規制部材51によって遊星ギア46と伝動ギア64とが噛合する。
【0012】
回転部材45を原稿読取モードに対応する位置に設定すると、図18に示すように、遊星ギア46が伝動ギア64に噛合し、駆動モータの駆動力は、太陽ギア43、遊星ギア46を介して伝動ギア64に伝達可能となる。さらに、駆動モータの駆動力は、従動ギア71および従動ギア72を介して原稿給送ローラ、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラの軸に固着された従動ギア75,74,73に伝達可能となる。
【0013】
駆動モータの駆動力を従動ギア75,74,73に伝達するときには、太陽ギア43は図18の矢印で示すように時計回りに回転される。図18の遊星ギア46、伝動ギア64および従動ギア71〜75の連結関係から明らかなように、太陽ギア43が時計回りに回転されると、原稿給送ローラ駆動用の従動ギア75は時計回りに回転し、ラインフィードローラ駆動用の従動ギア74および原稿排出ローラ駆動用の従動ギア73は反時計回りに回転する。なお、従動ギア75と従動ギア74,73との回転方向が逆になっているのは、原稿給送ローラは、原稿の表面に圧接されて当該原稿をラインフィードローラ側(図18では右側)に給送し、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラは原稿の裏面に圧接されて当該原稿を図略の排出口側(図18では右側)に給送するからである。
【0014】
したがって、原稿読取モードにおいては、図18に示す状態に回転部材45を設定し、駆動モータを反時計回りに回転駆動することにより、その駆動力が太陽ギア43、遊星ギア46、伝動ギア64、従動ギア71,72を介して従動ギア73〜75に伝達され、当該従動ギア73,74と従動ギア75とがそれぞれ反時計回りと時計回りに回転して原稿を給送する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1つの駆動モータと駆動力伝達機構を介してこの駆動モータの駆動力を動作モードに応じた複数の搬送ローラに切り換えて伝達する上記従来の駆動装置では、原稿もしくは記録紙を給送中に用紙ジャム等によってその給送動作が停止されたとき、ユーザが原稿もしくは記録紙を除去しようとして当該原稿もしくは記録紙を給送方向の上流側に引き抜く動作をすると、却って原稿もしくは記録紙が搬送ローラによって拘束されてジャム処理が行なえず、場合によっては搬送中の原稿もしくは記録紙が破損して搬送経路内に残ってしまうという不具合がある。
【0016】
たとえば原稿読取モードにおいて、原稿の給送中に原稿ジャム等によってその給送動作が停止されたとき、ユーザが原稿を除去しようとして当該原稿を給送方向の上流側に引き抜く動作をすると、この原稿引抜動作により原稿給送ローラには反時計回りに、また、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラには時計回りに回転させる力が作用するから、従動ギア75には反時計回りに、また、従動ギア73,74には時計回りに回転させる力が作用することになる。すなわち、従動ギア73〜75には、従動ギア71,72および伝動ギア64を介して遊星ギア46が連結されているから、従動ギア73〜75に原稿の給送方向と逆方向に回転する力が作用することになる。
【0017】
しかし、従動ギア73〜75に原稿の給送方向とは逆方向に回転する力が作用すると、伝動ギア64には反時計回りの回転力が作用し、これにより、遊星ギア46には時計回りの回転力が、また、太陽ギア43には反時計回りの回転力が作用することになるが、太陽ギア43は駆動モータのモータギア82によって回転が規制されるため、太陽ギア43に連結された遊星ギア46、伝動ギア64、従動ギア71〜75もその回転が規制されることになる。
【0018】
この結果、原稿を挟んでいる原稿給送ローラ、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラのいずれもが回転しないため、ユーザが原稿を上流側に引き抜く動作を行なうと、原稿給送ローラ等の搬送ローラと原稿との間の摩擦力が増大し、原稿が搬送ロ―ラによって拘束されてジャム処理が行なえず、場合によっては原稿を破損することになる。
【0019】
なお、ユーザが原稿を下流側に引き抜く動作を行なった場合は、図18に示すように、伝動ギア64には時計回りの回転力が作用し、遊星ギア46には反時計周りの回転力が作用するため、両ギア64,46がそれぞれ時計回りと反時計回りに回転すると、これにより遊星ギア46が僅かに反時計方向に移動して両ギア間の噛合状態が解除され、伝動ギア64がフリーとなるので、原稿の引き抜き動作に応じて原稿給送ローラ、ラインフィードローラおよび原稿排出ローラのいずれもが回転し、給送方向の上流側に引き抜くときのような問題点を生じることはない。
【0020】
また、上記の問題点は原稿送りを例に説明したが、記録紙を給送する場合にも同様に生じる問題である。
【0021】
本発明は、上記の問題点に鑑みて提案されたものであって、用紙(原稿または記録紙)の搬送停止時において、用紙挿入方向からでも用紙をスムーズに取り除くことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明の画像形成装置は、少なくとも原稿の読取りと記録紙への画像形成との動作モードを有し、かつ、1つの駆動モータの駆動力を少なくとも前記原稿を給送する第1の給送手段と前記記録紙を給送する第2の給送手段とに切換伝達する駆動力伝達手段と、前記動作モードが前記原稿の読取りのモードに設定されると、前記駆動モータの駆動力が前記第1の給送手段に伝達されるように前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を設定し、前記動作モードが前記記録紙への画像形成のモードに設定されると、前記駆動モータの駆動力が前記第2の給送手段に伝達されるように前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を設定する駆動力伝達制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記原稿もしくは記録紙の給送中にこれらの用紙の搬送経路上においてその給送動作が停止されたことを検出する第1検出手段を備え、前記駆動力伝達制御手段は、前記第1検出手段により前記原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、前記給送動作の停止が検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を開放して該動作モードとは異なる動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路に切り換える第1の手段を備えることを特徴としている。
【0023】
請求項1に記載した発明によれば、検出手段により原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を駆動モータが停止したときの動作モードとは異なる動作モードに対応する駆動力伝達経路に切替設定するので、すなわち、原稿もしくは記録紙には、駆動モータの駆動力が伝達されなくなり、原稿もしくは記録紙を給送中に用紙ジャム等によってその給送動作が停止されたとき、ユーザが原稿もしくは記録紙を除去しようとして当該原稿もしくは記録紙を給送方向の上流側に引き抜く動作を行っても容易に原稿もしくは記録紙を除去することができる。したがって、使い勝手のよい画像形成装置を提供することができる。
【0024】
また、請求項2に記載した発明の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記駆動力伝達手段は、第1ギアと第2ギアとが一体形成され、前記駆動モータにより第1ギアを介して回転される太陽ギアと、周面に前記動作モードに対応して複数の凹部および凸部がそれぞれ固有の区間幅を有して交互に形成された円盤形状をなし、前記太陽ギアが正転するとき、当該太陽ギアと同方向に回転し、前記太陽ギアが逆転するとき、停止状態となるように、当該太陽ギアと同軸に設けられた回転部材と、前記回転部材の前記太陽ギアに臨む面に前記第2ギアに常時噛合した状態で設けられた遊星ギアと、前記回転部材の凹部を検出する検出部と、前記回転部材の前記検出部により前記凹部が検出される各位置において、前記遊星ギアに噛合され、かつ、当該位置の動作モードに対応する第1または第2の給送手段に連結された伝動ギアと、からなる。
【0025】
このような画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像形成装置による効果に加え、検出手段により原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、駆動力伝達経路が、駆動モータが停止したときの動作モードとは異なる動作モードに対応する駆動力伝達経路に切り替わるので、駆動モータの停止前の動作モードにおいて噛合されていた遊星ギアと伝動ギアとの噛合状態が解除される。そのため、第1または第2の給送手段には、駆動モータの駆動力が伝達されなくなり、原稿もしくは記録紙を給送方向からでも用紙をスムーズにかつ容易に取り除くことができる。
【0026】
また、請求項3に記載した発明の画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、前記動作モードは、読取モード、記録モード、コピーモード給紙モード、および排紙モードとからなる。
【0027】
このような画像形成装置によれば、請求項1または2に記載の画像形成装置による効果に加え、各動作モードに応じた処理が可能となる。
【0028】
また、請求項4に記載した発明の画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記搬送経路上において、その給送動作が停止された前記原稿もしくは記録紙が除去されたことを検出する第2検出手段を備え、前記駆動力伝達制御手段は、前記第2検出手段により前記原稿もしくは記録紙の除去が検出されると、前記第2検出手段により検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路から前記第1検出手段により検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路に切り換える第2の手段を備える。
【0029】
このような画像形成装置によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置による効果に加え、原稿搬出中にジャムが発生した後に、ユーザによって用紙挿入側より原稿が取り除かれた場合、たとえば記録モードから自動的に読取モードに戻される。したがって、ユーザは、用紙を除去するのみで元の読取モードに戻されるため、モード復帰のための特別な操作を必要とすることがなく、使い勝手がよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態についてファクシミリ装置を例に説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのファクシミリ装置を模式的に示す側断面図である。このファクシミリ装置は、本来のファクシミリ送受信機能のほか、コピー機能も備えている。
【0032】
ファクシミリ装置1は、図1に示すように、上カバー2および下カバー3を有している。同図において、右側を前側、左側を後側とすると、上カバー2の後側の上部(図1中、左側上部)には、記録紙をスタックする記録紙スタッカ4が設けられており、装置内部にはこの記録紙スタッカ4の下端から上カバー2の前側下面に亘って記録紙搬送経路L1(図1中、二点鎖線で示す。)が設けられている。装置内部には、記録紙スタッカ4に隣接して記録紙給紙ローラ5が配置されている。記録紙給紙ローラ5は、後述する駆動モータやギアを介して回転駆動される。
【0033】
記録紙給紙ローラ5は、ローラ軸5Aを介して断面L字状の支持プレート6のローラ支持部7に回転可能に支持されており、記録紙給紙ローラ5の上部は、支持プレート6の記録紙搬送経路L1に臨む面に形成されたローラ孔8を介して当該記録紙搬送経路L1側に露出している。また、記録紙給紙ローラ5に対向して規制部材9が設けられており、この規制部材9は、記録紙給紙ローラ5の表面に対して弾性的に圧接されている。規制部材9は、記録紙スタッカ4にスタックされている記録紙が記録紙給紙ローラ5によって給送される際、重送されないように一枚ずつ分離するためのものである。記録紙給紙ローラ5は、規制部材9と協働して記録紙搬送経路L1に沿って一枚ずつ記録紙を給紙搬送する。
【0034】
記録紙搬送経路L1の略中間位置には、プラテン10が設けられている。このプラテン10は、後述する駆動モータやギアを介して回転駆動される。また、プラテン10に対向して、記録紙にインクリボンのインクを転写することによって画像を形成するためのサーマルヘッド11が設けられている。ここで、サーマルヘッド11は、多数の発熱素子がライン状に形成された、いわゆるラインサーマルヘッドによって構成されている。これにより、サーマルヘッド11は、使用される記録紙の印字可能範囲をカバーすることができる。また、サーマルヘッド11は、上側に突出するように断面コ字状に屈曲されたヘッド保持部14の上面に固着されており、ヘッド保持部14は、下側のコ字状に屈曲した凹部とバネ保持部材12との間に設けられた付勢バネ3を介して上方へ付勢されている。これにより、サーマルヘッド11は、付勢バネ13の付勢力を介してプラテン10に圧接される。なお、サーマルヘッド11は、ファクシミリ装置1の各動作モードに対応して、必要に応じてプラテン10からリリースされるが、このリリース動作を行う機構については、図示説明を省略する。
【0035】
記録紙搬送経路L1の右端部(記録紙の排出口の近傍)には、画像が形成された記録紙を装置外に排出するための記録紙排出ローラ17が設けられており、また、記録紙排出ローラ17の上側には、ピンチローラ18が圧接されている。この記録紙排出ローラ17は、後述する駆動モータやギアを介して回転駆動され、ピンチローラ18と協働して記録後の記録紙を記録紙搬送経路L1に沿って下流側に搬送してファクシミリ装置1の外部に排紙する。
【0036】
下カバー3の記録紙給紙ローラ5の下方にはリボン収納部3Bが形成され、下カバー3のサーマルヘッド11とピンチローラ17との間にはリボン巻取部3Cが形成されている。リボン収納部3Bには筒体19の周囲にロール状に巻かれたリボン20が収納され、このリボン20はリボン収納部3Bから引き出された後、プラテン10とサーマルヘッド11との間を通過してリボン巻取部3Cに設けられたリボン巻取スプール21に巻き取られるようになっている。このリボン20は、ラインサーマルヘッドからなるサーマルヘッド11の発熱素子による記録可能な範囲をカバーすべく幅広に形成されている。リボン巻取スプール21は、後述する駆動モータやギアを介して回転駆動され、記録紙に画像形成するために使用されたリボン20を巻き取るものである。
【0037】
次に、原稿搬送機構について説明する。上カバー2において記録紙スタッカ4よりも上方右側には、原稿台部22(その下面には、規制部材9が取り付けられている)が形成されており、この原稿台部22と上部パネル板23との間には、原稿挿入口24が設けられている。上カバー2の内部には、この原稿挿入口24から上カバー2の前面の略中央に設けられた原稿排出口に亘って原稿搬送経路L2が形成されている。原稿搬送経路L2に沿って原稿台部22の右斜め下方には、原稿支持部25が設けられている。また、原稿支持部25に対向して上方には、下方に湾曲した原稿案内部26が設けられており、原稿支持部25と原稿案内部26とにより構成される原稿搬送経路L2の上下幅は、徐々に狭くなるようにされている。
【0038】
また、原稿搬送経路L2に沿って原稿支持部25の下流側の下面には、一対のローラ支持部27(図1には一方のみを示す)が形成されており、また、各ローラ支持部27の間でローラ孔28が形成されている。そして、各ローラ支持部27には、原稿台部22に載置された原稿を給送する原稿給送ローラ29が回転可能に支持されており、この原稿給送ローラ29の上部は、ローラ孔28を介して原稿支持部25の上面から原稿搬送経路L2側に露出している。また、原稿支持部25の上面から露出した原稿給送ローラ29の表面には、原稿案内部26の下側に取り付けられた、原稿が原稿給紙ローラ29によって給送される際、重送されないように一枚ずつ分離するための分離片31が当接している。原稿給送ローラ29と分離片31とは、相互に協働して複数枚の原稿を一枚ずつ分離して給送する分離部30を構成する。
【0039】
なお、原稿支持部25には、ローラ支持部27寄りの所定部位には、原稿台部22に原稿が載置されているか否かを検出するための第1原稿センサ25aが設けられている。この第1原稿センサ25aの出力は、後述するマイクロコンピュータに入力される。
【0040】
原稿搬送経路L2に沿って原稿給送ローラ29の下流側には、ラインフィードローラ(以下、「LFローラ」という。)32およびLFローラ32の上側で圧接されたピンチローラ33が回転可能に設けられている。LFローラ32は、後述する駆動モータやギアを介して回転駆動される。ピンチローラ33の下流側近傍の所定の位置には、給送される原稿の先端および後端を検出する第2原稿センサ33aが設けられている。この第2原稿センサ33aの出力は、後述するマイクロコンピュータに入力される。
【0041】
第2原稿センサ33aによって検出される原稿の先端および後端の信号は、後述するCISユニット34による原稿の読み取り動作の制御に利用される。すなわち、第2原稿センサ33aによって原稿の先端が検出されると、その検出タイミングから所定の時間(原稿の先端が原稿読取位置に搬送されるまでの時間)経過後にCISユニット34による原稿の読み取り動作が開始され、第2原稿センサ33aによって原稿の後端が検出されると、その検出タイミングから所定の時間(原稿の後端が原稿読取位置に搬送されるまでの時間)経過後にCISユニット34による原稿の読み取り動作が終了される。
【0042】
LFローラ32、ピンチローラ33の下流側には、下カバー3に形成されたユニット収納部3D内に収納されたCIS(Contact Image Sensor)ユニット34が設けられており、このCISユニット34の上側には、原稿押さえ部材35が圧接されている。
【0043】
ここで、CISユニット34は、LFローラ32とピンチローラ33との間に挟まれてラインフィードされる原稿の画像データを順次読み取る動作を行う。さらに、CISユニット34の下流側の原稿排出口の近傍には、原稿排出ローラ36および原稿排出ローラ36の上側で圧接されたピンチローラ37が回転可能に配置されている。原稿排出ローラ36およびピンチローラ37は、CISユニット34を介して画像読み取りが行われた後の原稿をファクシミリ装置1の外部に排出する。
【0044】
また、上部パネル板23には、数字キー、各種ファンクションキー等を有するキーボード38が設けられており、これらのキーを押下することによりファクシミリ装置1が実行可能な各種の動作が行われる。また、上部パネル板23には、ユーザに対して動作状態を表示するための表示部(図示略)が設けられている。
【0045】
次に、記録紙給紙ローラ5、プラテン10、リボン巻取スプール21、記録紙排出ローラ17、LFローラ32、および原稿排出ローラ36を選択的に回転駆動するための機構について、図2ないし図7を参照して説明する。
【0046】
図2は、駆動力伝達機構の全体を説明するための説明図、図3は、駆動力伝達機構の裏面側を示す平面図、図4は、駆動力伝達機構における回転部材の平面図、図5は、太陽ギアと回転部材との関係を示す断面図、図6は、回転部材の回転係止部材を示す断面図、図7は、回転係止部材を構成する係止片の作用を説明するための説明図である。
【0047】
図2ないし図5において、駆動力伝達機構40は、ベース板41を有しており、このベース板41上には、ベース板41と一体に形成された軸42に太陽ギア43と回転部材45とが回転可能に軸支されている。太陽ギア43は、外周にギア歯が形成された円盤状の大径ギア43A(図2参照)と、外周にギア歯が形成された円盤状の小径ギア43B(図5参照)と、円盤中心に小径ギア43B側に突出して形成された貫通孔45Aを有する筒状軸体43Cとが一体的に成型されたものである。また、回転部材45は、図4に示すように、外周に5個の凹部60と凸部60′とが形成された円盤状部材からなり、一方面の中心に貫通孔45Aと同一径の孔を有する筒状軸体45Bが突出して形成されたものである。そして、太陽ギア43と回転部材45とは、図5に示すように、筒状軸体43Cと筒状軸体45Bとが向かい合うように、筒状軸体43Cの貫通孔45Aと筒状軸体45Bの貫通孔とに軸42を嵌入してベース板41に回転可能に支持されている。
【0048】
また、図5に示すように、軸42に嵌挿された筒状軸体43Cおよび筒状軸体45Bには、一方向クラッチを構成するクラッチバネ48が嵌挿されている。このクラッチバネ48は、太陽ギア43が図2および図4中反時計方向(図4中矢印Bに示す方向であって、これを以下、正転方向とする)に回転したときには、大きなトルク(締まりトルク)を生じて当該太陽ギア43と回転部材45とを連結し、回転部材45を太陽ギア43とともに回転させる一方、太陽ギア43が時計方向(図4中矢印Aに示す方向であって、これを以下、逆転方向とする)に回転したときには、小さなトルク(緩みトルク)を生じて当該太陽ギア43と回転部材45との連結を解除して回転部材45を停止状態とするものである。
【0049】
すなわち、駆動モータにより太陽ギア43が正転されるときは、クラッチバネ48の締まりトルクにより太陽ギア43と回転部材45との間に大きな摩擦負荷を生じて太陽ギア43に回転部材45を連結して駆動モータの駆動力を回転部材45に伝達する一方、逆に太陽ギア43が逆転するときは、クラッチバネ48の緩みトルクにより太陽ギア43と回転部材45との間に生じる摩擦負荷が正転する場合に比べて小さくなって太陽ギア43と回転部材45との連結が解除されて駆動モータの駆動力を太陽ギア43にのみに伝達するものである。
【0050】
回転部材45は、後述するように駆動力伝達機構40における駆動モータの駆動力の出力先を動作モードに応じて切り換えるカムの機能を果たすもので、クラッチバネ48は、駆動モータの駆動力を回転部材45による動作モード切換え用の駆動力と回転部材45により設定された動作モードに対応する所定の出力先のギア(記録紙給紙ローラ5、プラテン10、記録紙排出ローラ17、原稿給送ローラ29、LFローラ32、リボン巻取スプール21および原稿排出ローラ36等を回転させるためのギア)の駆動力とに切り換えるものである。上記したように、太陽ギア43を正転方向に回転させる駆動モータの駆動力は、回転部材45による動作モード切換え用の駆動力であり、太陽ギア43を逆転方向に回転させる駆動モータの駆動力は、動作モードに対応する所定の出力先のギアを駆動するための駆動力である。
【0051】
図4に戻り、回転部材45の太陽ギア43を臨む面であって、中心から所定角度をなす箇所(図4では凸部60E’の方向を基準方向とすると、反時計回りにおよそ90°の方向とおよそ180°の方向の所定の位置)には、遊星ギア46,47を回転可能に支持するための回転支持部45C,45Cが設けられている。各遊星ギア46,47は、太陽ギア43の小径ギア43Bと常時噛合されており、後述する駆動モータを介して太陽ギア43が一方向に回転された場合に各遊星ギア46,47は、互いに同一方向に自転する。なお、図4においては、太陽ギア43と各遊星ギア46,47とを図示省略しており、図5では、一方の遊星ギア46のみを示している。
【0052】
また、回転部材45のおよそ270°方向の半径上の所定位置には、規制部49が設けられている。上述したように、回転部材45は、太陽ギア43を正転させることにより正転されて駆動モータの駆動力の出力先を動作モードに応じて切り換える機能を有している。より具体的には、回転部材45に設けられた2個の遊星ギア46,47(後述する)の位置を切り換えて当該遊星ギア46,47の噛合するギア(駆動力の出力先)を切り換える機能を有している。
【0053】
本実施形態では、動作モードとして、原稿を読み取るために原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36を回転させるモード(以下、読取モードという。)、記録紙を画像形成位置に給送するために記録紙給紙ローラ5のみを回転させるモード(以下、給紙モードという。)、画像形成位置を通過する記録紙に画像を形成するためにプラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17を回転させるためのモード(以下、記録モードという。)、画像形成が完了した記録紙を排出するために記録紙排出ローラ17のみを回転させるモード(以下、排紙モードという。)および原稿を読み取りつつ、その読取データに基づいて記録紙に画像を形成するために原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36と、プラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17とを回転させるためのモード(以下、コピーモードという。)の5種類の動作モードが設けられている。
【0054】
なお、記録紙の給送動作において、記録紙のみを給送する給紙モードと、記録紙に画像を形成する記録モードと、画像形成が完了した記録紙を排出する排出モードとに動作モードを分けているのは、記録紙が記録紙スタッカ4から画像形成位置に給送されるまでの期間と画像形成が完了した記録紙が排出口に排出されるまでの期間とは記録紙への画像形成動作が行われず、リボン20を記録紙の給送に連動させて巻き取る必要がないため、リボン20の効率的な消費を考慮して記録紙のみを給送する給紙モードおよび排紙モードと、記録紙およびリボン20を給送する記録モードとに分けたものである。
【0055】
規制部49は、回転部材45を5種類の動作モードに対応する位置に位置決めするためのものである。ここで、規制部49の構成について、図5ないし図7を参照して説明する。
【0056】
規制部49は、カバー50内に回転規制部材51を上下動可能に配置するとともに、カバー50の上側内壁面と回転規制部材51の上端との間に、回転規制部材51を常時下方に向けて押圧する押圧バネ52を配置することにより構成される。また、回転規制部材51の側面には、図5に示すように、カバー50が形成された縦溝53に沿って上下案内される係合片54が形成されている。
【0057】
さらに、回転部材45の上面において、係合片54に対向する位置には、緩衝部材(ダンパ)55が設けられている。この緩衝部材55は、回転規制部材51の下端がベース板41に形成された位置決め孔(後述する)に嵌合する際に、押圧バネ52の下方への押圧力に基づき係合片54の下面が回転部材45に当接するときに発生する衝突音を緩和するものである。
【0058】
次に、回転規制部材51が嵌合するベース板41の位置決め孔等について図3を主に参照して説明する。図3に示すように、ベース板41には、太陽ギア43が配置される位置にて太陽ギア43の円弧形状に沿って4個の位置決め孔56A,56B,56D,56Eと1個の位置決め端部56Cとが形成されている。
【0059】
位置決め孔56Aは、回転部材45を給紙モードに設定する位置に対応しており、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Aに嵌合した状態に回転部材45が設定されると、後述するように駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構40を介して記録紙給紙ローラ5の駆動ギアに伝達され、当該記録紙給紙ローラ5が回転される。
【0060】
また、位置決め孔56Bは、回転部材45を記録モードに設定する位置に対応しており、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Bに嵌合した状態に回転部材45が設定されると、後述するように駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構40を介してプラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17の各駆動ギアに伝達され、プラテン10の回転、リボン巻取スプール21の回転、および記録紙排出ローラ17の回転が同時に行われる。
【0061】
また、ベース部材41に形成された位置決め端部56Cは、回転部材45をコピーモードに設定する位置に対応しており、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Cに当接した状態に回転部材45が設定されると、後述するように駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構40を介して、原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36と、プラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17とに伝達され、原稿画像の読み取りを行うべく原稿給送ローラ29の回転、LFローラ32の回転、原稿排出ローラ36の回転が行われると同時に、記録紙への画像記録を行うべくプラテン10の回転、リボン巻取スプール21の回転、記録紙排出ローラ17の回転が行われる。
【0062】
さらに、位置決め孔56Dは、回転部材45を排紙モードに設定する位置に対応しており、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Dに嵌合した状態に回転部材45が設定されると、後述するように駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構40を介して記録紙排出ローラ17の駆動ギアに伝達され、当該記録紙排出ローラ17が回転される。また、位置決め孔56Eは、回転部材45を読取モードに設定する位置に対応しており、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Eに嵌合した状態に回転部材45が設定されると、後述するように駆動モータの駆動力が駆動力伝達機構40を介して原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36の駆動ギアに伝達され、当該原稿給送ローラ29の回転、LFローラ32の回転および原稿排出ローラ36の回転が行われる。
【0063】
このように、位置決め孔56A,56B,56D,56Eと位置決め端部56Cとは、太陽ギア43の円弧形状に沿って回転部材45を給紙モード、記録モード、コピーモード、排紙モード、読取モードの順に循環設定するように配置されている。これは、太陽ギア43の必要最小限の回転でファクシミリ装置1の各動作モードに応じた駆動を連続的に行うことを可能とするためである。
【0064】
すなわち、回転部材45は、正転方向にのみ回転して5種類の動作モードを切り換えるように構成される一方、記録紙に画像を形成する場合は、上述したように記録紙の給紙、記録紙への画像形成および記録紙の排紙の一連の記録紙給送動作が行われため、給紙モード、記録モード、排紙モードの順に動作のモードの位置を配置することで太陽ギア43の必要最小限の回転で動作モードを切り換えられるようにしている。また、コピーモードでは原稿の読取動作と記録紙への画像形成動作とに時間差があり、記録紙への画像形成の完了の後に最後にその記録紙の排出処理が行われるため、記録モードの位置と排紙モードの位置との間にコピーモードの位置が設けられている。また、読取モードはFAX送信する際に原稿のみの読取りを行なうモードで、記録紙への画像形成動作を伴わないので、排出モードの後側に配置されている。
【0065】
また、待機状態においては、回転部材45は給紙モードの位置に設定されるようになっている。これは、図9に示すように、遊星ギア46を伝動ギア61に噛合させた状態にすることで駆動力伝達機構40のガタツキを抑制するとともに、通常、FAX受信状態で待機しているため、FAX受信があったとき直ちに受信データの記録紙への画像形成を可能にするためである。
【0066】
なお、図3に示すように、ベース板41の裏面で、太陽ギア43の配置位置に近接して駆動モータ(パルスモータ)57が配置されており、この駆動モータ57の駆動軸には、ピニオン58が固着されている。このピニオン58は、ベース板41の表面側で太陽ギア43の大径ギア43A(図5参照)に噛合されている。
【0067】
ここで、太陽ギア43の正転に伴い回転部材45がクラッチバネ48の作用で同方向に回転する際に、回転規制部材51がベース板41の各位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cに嵌合する状態について、図5ないし図7を参照して説明する。なお、図7においては、一例として一つの位置決め孔56Aしか示さないが、他の位置決め孔56B,56D,56Eや位置決め端部56Cについても同様である。
【0068】
まず、太陽ギア43が正転する際には、クラッチバネ48の作用により回転部材45との間に大きな摩擦負荷が生じ、その結果、太陽ギア43と同方向に回転部材45が回転を開始する。そして、回転規制部材51が各位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cに嵌合・当接していない場合、回転規制部材51の下端は、ベース板41の上面に当接している。この状態では、押圧バネ52は、図5の点線および図6に示すように、圧縮された状態にある。
【0069】
そして、回転部材45がさらに回転して回転規制部材51の下端が位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cの位置に至ると、図5の実線および図7の点線に示すように、回転規制部材51の下端は、位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cに嵌合・当接する。このように、回転規制部材51の下端が位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cに嵌合・当接した状態において、駆動モータ57、ピニオン58の回転に応じて太陽ギア43が逆転すると、クラッチバネ48の作用により回転部材45との間に生じる摩擦負荷が減少し、太陽ギア43に追従して逆転しようとする力が非常に小さくなる。しかも、回転部材45は、規制部49の作用により回転が規制されることから、太陽ギア43の逆転に追従することなく、その位置で停止した状態となる。
【0070】
この状態で、太陽ギア43の小径ギア43Bと各遊星ギア46,47とは常に噛合されているので、太陽ギア43の逆転に伴って各遊星ギア46,47は、互いに同一方向に自転することとなる。このとき、太陽ギア43と回転部材45との間の摩擦負荷は減少し、しかも位置決めされた状態にあることから、駆動モータ57からの駆動力は、太陽ギア43および遊星ギア46,47を介して後述する伝動ギアに効率よく伝えられ、比較的小さな駆動力のモータでも対応可能となる。
【0071】
その後、再び太陽ギア43が正転すると、クラッチバネ48の作用により摩擦負荷が大きくなるように切り換えられ、太陽ギア43の正転に伴って回転部材45が再び同方向に回転するとともに、各遊星ギア46,47は再度公転可能となる。このとき、回転規制部材51の下端は、図7の実線に示すように、位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cの近傍にてベース板41に形成された傾斜部41Aに沿って上方に案内され、ベース板41の上面に当接した状態となる。
【0072】
すなわち、回転規制部材51は、位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cから一方向にのみ離脱可能とされているので、回転部材45は、太陽ギア43が正転する方向と同一方向にのみ連続して回転可能なものとなる。なお、回転部材45は、太陽ギア43が逆転し始めてからの若干の間、この太陽ギア43の逆転に伴って僅かながらも逆転する。
【0073】
図4に戻り、回転部材45の外周には、径方向に深さあるいは高さをもって凹凸状をなすように5個の凹部60A,60B,60C,60D,60Eと5個の凸部60A′,60B′,60C′,60D′,60E′とが交互に一体形成されている。これら凹部60A,60B,60C,60D,60Eおよび凸部60A′,60B′,60C′,60D′,60E′の周方向に連続する区間幅は、それぞれ異なる長さとなっている。
【0074】
特に本実施形態では、先述した給紙モード、記録モード、コピーモード、排紙モードおよび読取モードの5種類の動作モードに対応すべく、隣り合うもの同士を一組として合計5組の凹部60A,60B,60C,60D,60Eと凸部60A′,60B′,60C′,60D′,60E′とが設けられている。これら凹部60A,60B,60C,60D,60Eおよび凸部60A′,60B′,60C′,60D′,60E′は、回転部材45の動作に伴って図2に示すセンサスイッチ80のスイッチ端子81に離れたり当接したりすることにより、このセンサスイッチ80から出力される検出信号をオフ/オンのレベルに変化させ、この変化信号により回転部材45がいずれの動作モードに設定されているかを検出可能にするものである。
【0075】
なお、センサスイッチ80からの検出信号は、後述するマイクロコンピュータに入力される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81に回転部材45の各凸部60A′,60B′,60C′,60D′,60E′が当接すると、センサスイッチ80からオンの検出信号が出力される。また、スイッチ端子81が各凹部60A,60B,60C,60D,60Eに位置して離れた状態となると、センサスイッチ80からオフの検出信号が出力される。もちろん、オン/オの関係は逆であってもよい。
【0076】
続いて、駆動力伝達機構40と記録紙給紙ローラ5、プラテン10、リボン巻取スプール21、記録紙排出ローラ17、LFローラ32、および原稿排出ローラ36との駆動力の伝達関係について、図2を参照して説明する。
【0077】
図2において、ベース板41には、回転部材45が回転した際に各遊星ギア46,47が公転する公転軌跡上に沿って4つの第1伝動ギア61、第2伝動ギア62、第3伝動ギア63、および第4伝動ギア64が回転可能に支持されている。各伝動ギア61〜64は、回転規制部材51が位置決め孔56A,56B,56D,56Eや位置決め端部56Cに嵌合・当接して回転部材45が停止した位置で、太陽ギア43に連動して自転する各遊星ギア46,47に対して順次噛合する。
【0078】
第1伝動ギア61は、従動ギア65に噛合しており、この従動ギア65は、他の従動ギア66に噛合している。そして、従動ギア66には、適宜のギア列を介して記録紙給紙ローラ5に連結されている。したがって、回転部材45の回転時、回転規制部材51(図6および図7参照)の下端が位置決め孔56Aに嵌合すると、その位置において遊星ギア47、第1伝動ギア61、従動ギア65,66から記録紙給紙ローラ5に至る駆動力伝達経路が形成される。すなわち、駆動力伝達機構40は、駆動モータ57の駆動力を記録紙給紙ローラ5に出力する給紙モードに設定される。
【0079】
また、第2伝動ギア62(図3参照)は、従動ギア67に噛合しており、この従動ギア67の下側に一体形成された従動ギア67Aは、他の従動ギア68(ベース板41の裏面側に支持されている)に噛合している。そして、従動ギア68は、適宜のギア列を介してリボン巻取スプール21に連結されている。したがって、回転部材45の回転時、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Bに嵌合すると、その位置において遊星ギア47、第2伝動ギア62、従動ギア67,従動ギア67の下側の従動ギア67A、従動ギア68からリボン巻取スプール21に至る駆動力伝達経路が形成される。
【0080】
また、従動ギア67は、さらに他の従動ギア69に噛合しており、この従動ギア69は、適宜のギア列を介してプラテン10に連結されている。したがって、先述した場合と同様に、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Bに嵌合すると、その位置において遊星ギア47、第2伝動ギア62、従動ギア67,69からプラテン10に至る駆動力伝達経路が形成される。
【0081】
さらに、第2伝動ギア62の下側には、図示しない従動ギアが配置されており、この従動ギアと他の従動ギア70とが噛合している。そして、従動ギア70は、適宜のギア列を介して記録紙排出ローラ17に連結されている。したがって、先述した場合と同様に、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Bに嵌合すると、その位置において遊星ギア47、第2伝動ギア62、第2伝動ギア62の従動ギア、従動ギア70から記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成される。このとき、従動ギア70は、第3伝動ギア63に噛合しているが、この場合には、第3伝動ギア63は単に回転されるだけである。
【0082】
よって、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Bに当接すると、駆動力伝達機構40は、駆動モータ57の駆動力をプラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17に出力する記録モードに設定される。
【0083】
さらに、第3伝動ギア63は、先述したように従動ギア70に噛合しており、また、第4伝動ギア64は、従動ギア71に噛合している。この従動ギア71の下側に一体形成された図示しない従動ギアは、他の従動ギア72に噛合しており、この従動ギア72は、さらに他の従動ギア73に噛合している。そして、従動ギア73は、適宜のギア列を介して原稿排出ローラ36に連結されている。さらに、従動ギア72の下側の従動ギアは、他の従動ギア74に噛合している。そして、従動ギア74は、適宜のギア列を介してLFローラ32に連結されている。
【0084】
したがって、回転部材45の回転時、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Cに当接すると、その位置において遊星ギア47は、第4伝動ギア64に噛合する一方、遊星ギア46は、第2伝動ギア62に噛合することとなり、同時に2つの伝動ギア62,64が選択される。このとき、遊星ギア47から、第4伝動ギア64、従動ギア71、従動ギア71の下側の従動ギア、従動ギア73を介して原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路が形成され、また同時に、遊星ギア47から、第4伝動ギア64、従動ギア71、従動ギア71の下側の従動ギア、従動ギア72,74を介してLFローラ32に至る駆動力伝達経路が形成される。
【0085】
なお、遊星ギア46が第2伝動ギア62に噛合していることから、先述した場合と同様に、第2伝動ギア62から、従動ギア67,従動ギア67の下側の従動ギア67A、従動ギア68を介してリボン巻取スプール21に至る駆動力伝達経路、第2伝動ギア62から、従動ギア67,69を介してプラテン10に至る駆動力伝達経路、および第2伝動ギア62から、第2伝動ギア62の従動ギア、従動ギア70を介して記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成される。
【0086】
よって、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Cに当接すると、駆動力伝達機構40は、駆動モータ57の駆動力を原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36と、プラテン10、リボン巻取スプール21および記録紙排出ローラ17とに出力するコピーモードに設定される。
【0087】
また、回転部材45の回転時、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Dに嵌合すると、その位置において遊星ギア46から、第3伝動ギア63、従動ギア70を介して記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成される。なお、この場合、遊星ギア47は、いずれの伝動ギア61〜64にも噛合されることはなく、空転する。また、従動ギア70と第2伝動ギア62の下側に配置された従動ギアとは噛合するが、第2伝動ギア62とその下側の従動ギアとの間には、図示しないクラッチバネが設けられており、このクラッチバネの作用により第2伝動ギア62とその従動ギアとの連結は解除されるので、従動ギア70の回転は第2伝動ギア62に伝えられることはない。
【0088】
よって、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Dに当接すると、駆動力伝達機構40は、駆動モータ57の駆動力を記録紙排出ローラ17とに出力する排紙モードに設定される。
【0089】
排紙モードでは、上記した駆動力伝達経路によって記録紙排出ローラ17が回転される際には、第2伝動ギア62は回転されないので、第2伝動ギア62から、従動ギア67を介して従動ギア68に至る駆動力伝達経路は遮断され、これによりリボン巻取スプール21が回転されることはない。その結果、記録紙の排出時には、リボン20が送られることはなくなり、リボン20の無駄な使用を防止することができる。
【0090】
さらに、回転部材45の回転時、回転規制部材51の下端が位置決め孔56Eに嵌合すると、その位置において遊星ギア46から、第4伝動ギア64、従動ギア71、その従動ギアの下側の従動ギア、従動ギア73を介して原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路が形成される。また同時に、遊星ギア46から、第4伝動ギア64、従動ギア71、従動ギア71の下側の従動ギア、従動ギア72,74を介してLFローラ32に至る駆動力伝達経路が形成される。また、従動ギア74,75を介して原稿給送ローラ29に至る駆動力伝達経路が形成される。このとき、遊星ギア47は、いずれのギアとも噛合していない。
【0091】
よって、回転規制部材51の下端が位置決め端部56Eに当接すると、駆動力伝達機構40は、駆動モータ57の駆動力を原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36に出力する読取モードに設定される。
【0092】
ここで、太陽ギア43の正転に伴って回転部材45が伝動ギア61〜64のいずれかを回転させる位置へと回転する際には、複数配置されている伝動ギア61〜64の中から目的とする伝動ギアの位置に達するまで、他の伝動ギアを乗り越えるようにして遊星ギア46,47を公転させなければならないことから、大きな駆動力を必要とし、太陽ギア43と回転部材45との間にも大きな摩擦負荷を発生させる必要がある。これについては、クラッチバネ48の締まりトルクを利用することにより得ることができる。
【0093】
一方、遊星ギア46,47を自転させるために、回転部材45が太陽ギア43の逆転に伴って回転する必要がない場合には、クラッチバネ48の緩みトルクを利用し、摩擦負荷を減少させる。この状態で、回転部材45を規制部49により位置決めすることで、逆転する太陽ギア43に対して回転部材45は停止した状態とされ、太陽ギア43の回転を遊星ギア46,47に伝えることができる。すなわち、クラッチバネ48を介在させることにより、太陽ギア43と回転部材45との摩擦負荷を回転方向によって適宜切り換えることができる。
【0094】
図8は、本実施形態に係るファクシミリ装置の電気的構成を示すブロック図である。同図によれば、ファクシミリ装置1は、制御部90を有し、制御部90には、駆動モータ57、センサスイッチ80、第1原稿センサ25a、および第2原稿センサ33aが接続されている。
【0095】
制御部90は、駆動力伝達機構40を含む装置全体の動作を制御するためのものであり、たとえば1チップのマイクロコンピュータからなる。この種のマイクロコンピュータは、CPUを制御中枢としてROMに記憶されたプログラムやRAMに記憶されたデータに基づいて動作することが広く知られているため、本ファクシミリ装置1に係るマイクロコンピュータの一般的構成については図示説明を省略する。
【0096】
また、本実施形態では、RAMに、本ファクシミリ装置1における各動作が正常に行われていたか否かを示す動作フラグが記憶される。ここで、待機時において動作フラグが「0」の場合は、その待機時前の動作が正常動作されたことを示し、待機時において動作フラグが「1」の場合は、その待機時前の動作において何らかの異常が生じたことを示す。
【0097】
駆動モータ57には、回転部材45を含む駆動力伝達機構40のモータギア82が接続されている。また、駆動力伝達機構40には、動作モードに応じて、記録紙給紙ローラ5、プラテン10、記録紙排出ローラ17、リボン巻取スプール21、原稿給送ローラ29、LFローラ32、および原稿排出ローラ36が接続される。
【0098】
続いて、ファクシミリ装置1において、基本的な3つの動作パターン、すなわち送信パターン、受信パターン、およびコピーパターンが選択された場合の各動作について説明する。特に、駆動力伝達経路を切り替える駆動力伝達機構40の動作を中心に、図9ないし図14を主に参照して説明する。
【0099】
ここで、送信パターンにおいては、LFローラ32および原稿排出ローラ36を回転させながらCISユニット34を介して原稿画像を読み取る動作が行われるとともに、その読み取った原稿画像データを他のファクシミリ装置に送信する動作が行われる。また、受信パターンにおいては、記録紙給紙ローラ5を介して記録紙を給紙した後、プラテン10および記録紙排出ローラ17を回転させ、かつ、リボン巻取スプール21によりリボン20を送りながら、サーマルヘッド11を介して他のファクシミリ装置から受信した画像データを記録紙に記録し、その後、記録紙をファクシミリ装置1の外部に排出する動作が行われる。さらに、コピーパターンにおいては、送信パターン時に行われる原稿画像の読取動作と受信パターン時に行われる画像記録動作が同時に実行される。
【0100】
図9は、原稿画像の読取動作を行っている状態にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図、図10は、記録紙の給紙状態にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図、図11は、記録紙への記録を行っている状態にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図、図12は、記録紙の排紙を行っている状態にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図、図13は、原稿画像の読取動作と記録紙への記録動作とを同時に行っている状態(すなわち、コピー動作)にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図、図14は、待機状態にある駆動力伝達機構40の要部を示す説明図である。なお、図9ないし図14においては、要部を分かり易くするために太陽ギア43等を省略しており、適宜、他の図面を参照する。また、図9および図14に示すように、読取動作時および待機時は、同じ状態とされる。
【0101】
まず、ファクシミリ装置1にて送信パターンを実行する場合、図9に示すように、読取モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Aに位置した状態とされ、遊星ギア46から原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路が形成され、原稿排出ローラ36が回転する。また同時に、遊星ギア46からLFローラ32に至る駆動力伝達経路が形成され、LFローラ32が回転する。さらに、遊星ギア46から原稿給送ローラ29に至る駆動力伝達経路が形成され、原稿給送ローラ29が回転する。
【0102】
これにより、原稿は、LFローラ32、原稿排出ローラ36および原稿給送ローラ29の回転に伴い原稿搬送経路L2に沿って搬送される。このように原稿を搬送している間、原稿画像がCISユニット34により読み取られる。そして、読み取られた原稿画像のデータは、マイクロコンピュータの制御により他のファクシミリ装置に送信されるのである。
【0103】
次に、ファクシミリ装置1にて受信パターンを実行する場合、図10に示すように、給紙モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Bに位置した状態とされ、遊星ギア47から記録紙給紙ローラ5に至る駆動力伝達経路が形成され、記録紙給紙ローラ5が回転する。これにより、記録紙スタッカ4から記録紙が給紙される。
【0104】
次いで、図11に示すように、記録モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Cに位置した状態とされ、遊星ギア47からリボン巻取スプール21に至る駆動力伝達経路が形成され、リボン巻取スプール21が回転する。また、遊星ギア47からプラテン10に至る駆動力伝達経路が形成され、プラテン10が回転する。さらに、遊星ギア47から記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成され、記録紙排出ローラ17が回転する。
【0105】
これにより、記録紙を搬送し、かつ、リボン巻取スプール21によりリボン20を送りながら、サーマルヘッド11を介して記録紙上に他のファクシミリ装置から受信した画像データの記録が行われる。
【0106】
その後、図12に示すように、排紙モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Eに位置した状態とされ、遊星ギア46から記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成され、記録紙排出ローラ17が回転する。これにより、記録後の記録紙は、記録紙排出ローラ17を介してファクシミリ装置1の外部に排出される。
【0107】
次に、ファクシミリ装置1にてコピーパターンを実行する場合、まず、図9に示すように、読取モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Aに位置した状態とされ、遊星ギア46から原稿排出ローラ36、LFローラ32、および原稿給送ローラ29に至る駆動力伝達経路が形成され、各ローラ36,32,29が回転する。これにより、原稿は、原稿搬送経路L2に沿って所定位置(原稿画像読取開始位置)まで搬送される。
【0108】
次いで、図10に示すように、給紙モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Bに位置した状態とされ、遊星ギア47から記録紙給紙ローラ5に至る駆動力伝達経路が形成され、記録紙給紙ローラ5が回転する。これにより、記録紙スタッカ4から記録紙が給紙される。
【0109】
続いて、図13に示すように、コピーモードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Dに位置した状態とされ、遊星ギア47から原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路が形成され、原稿排出ローラ36が回転する。また同時に、遊星ギア47からLFローラ32に至る駆動力伝達経路が形成され、LFローラ32が回転する。さらに、遊星ギア46からリボン巻取スプール21に至る駆動力伝達経路、プラテン10に至る駆動力伝達経路、記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路、および原稿給送ローラ29に至る駆動力伝達経路がそれぞれ形成され、リボン巻取スプール21、プラテン10、記録紙排出ローラ17、および原稿給送ローラ29が回転する。これにより、原稿を搬送しつつCISユニット34を介して原稿画像の読み取りが行われる。また、記録紙搬送経路L1に沿って記録紙を搬送するとともにリボン20を送りつつ、サーマルヘッド11を介してCISユニット34により読み取られた原稿画像データが記録紙に記録される。
【0110】
記録紙への原稿画像データの記録終了後、図12に示すように、排紙モードが実行される。すなわち、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Eに位置した状態とされ、遊星ギア46から記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成され、記録紙排出ローラ17が回転する。これにより、上記した場合と同様に、原稿画像データが記録された後の記録紙は、記録紙排出ローラ17を介してファクシミリ装置1の外部に排出される。
【0111】
このように、送信パターンを実行する場合には、図9に示す状態で動作され、受信パターンを実行する場合には、図10、図11、図12の順に示す状態で動作され、コピーパターンを実行する場合には、図9、図10、図13、図12の順に示す状態で動作される。これらの動作状態は、マイクロコンピュータのCPUによって制御される。
【0112】
次に、本発明に係る原稿もしくは記録紙の給送中にその給送動作が停止されたときの駆動力伝達機構40の制御動作について、図15および図16を参照して説明する。
【0113】
図15および図16は、CPUによる制御手順を示すフローチャートである。なお、図15に示す制御処理では、一例として原稿読取モード時(送信パターンおよびコピーパターンにおいて実施される)において原稿ジャム等の異常が発生して原稿の搬送が停止した場合を挙げている。
【0114】
まず、CPUは、ユーザによる原稿読取指示があるか否かの判別を行う。たとえば、上記した送信パターンにおいて原稿を読み取る場合、ユーザによる上部パネル板23のキーボード38における操作によって、原稿読み取り指示が行われた場合、CPUは、その旨を判別し(S1:YES)、動作フラグを「1」にする(S2)。この動作フラグは、原稿の読取動作処理中であることを示すフラグである。したがって、原稿の読取動作処理が正常に終了すると、動作フラグは「0」にリセットされるものである(ステップS6参照)。
【0115】
CPUは、駆動モータ57を駆動回転させつつ、センサスイッチ80からの検出信号に基づいて、原稿読み取りモードにおける動作を開始する(S3)。すなわち、原稿読み取りモードにおいては、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Aに位置した状態とされ(図9参照)、規制部材49における回転規制部材51の下端がベース板41の位置決め孔56Eに嵌合した状態(駆動力伝達機構40を読取モードに設定した状態)とされる。
【0116】
この場合、遊星ギア46から原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路が形成される。また同時に、遊星ギア46からLFローラ32と原稿給送ローラ29とに至る駆動力伝達経路が形成される。
【0117】
この状態で、CPUは、駆動モータ57を制御して太陽ギア43を逆転させると、回転部材45は、クラッチバネ48の作用により太陽ギア43に対して追従できない状態となり、各遊星ギア46,47は、公転することなく太陽ギア43に連動して自転する。これにより、上記した駆動力伝達経路を介して原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36が回転され、原稿は、原稿給送ローラ29、LFローラ32および原稿排出ローラ36の回転に伴い原稿搬送経路L2に沿って搬送され、原稿画像がCISユニット34により読み取られる。
【0118】
次いで、原稿読取モードにおいては、CPUは、原稿の搬送が停止されたか否かの判別を行い(S4)、原稿が正常に搬送されているか否かを監視する。この判別は、後述するように、第1原稿センサ25aおよび第2原稿センサ33aのオン、オフ状態に基づいて行われる。原稿読取モードにおいて、原稿の搬送が停止されずに動作を完了した場合には、正常に原稿読取動作が終了したと認識し(S5)、動作フラグを「0」にし(S6)、次の動作の待ち状態に移行する。
【0119】
一方、ステップS4において、原稿の搬送が停止されたと判別した場合(S4:NO)、動作フラグを「1」のままとして次の動作の待ち状態に移行する。ここで、原稿の搬送が停止される条件としては、以下の事象が挙げられる。すなわち、原稿搬送中に、たとえば原稿にジャムが発生したり、ユーザによってキーボード38の停止キー(図示略)が押下されたり、コピーパターンの記録モード動作中に記録紙にジャムが発生したり、記録モード動作中にリボン20が空になったり、あるいはユーザによって上カバー2が開状態にされたりすること等である。
【0120】
特に、原稿にジャムが発生したと認識される条件としては、CPUは、第1原稿センサ25aが原稿を検知した状態で、原稿を所定量搬送するための動作を行っても、第2原稿センサ33aが原稿を検知しないときが挙げられる。また、第1原稿センサ25aが原稿を検知した状態で、原稿を所定量搬送するための動作を行っても、第2原稿センサ33aが原稿を検知しないときが挙げられる。さらに、第1原稿センサ25aが原稿を非検知とした後、原稿を所定量搬送するための動作を行っても、第2原稿センサ33aが原稿を非検知としないときが挙げられる。
【0121】
このとき、CPUは、上部パネル板23の表示部に、「ゲンコウカクニン カバーヲアケテクダサイ」および「ゲンコウヲテマエニヒキダシテクダサイ」といった指示表示を所定時間間隔で交互に行う。
【0122】
次いで、図16に示すように、次の動作の待ち状態に移行したときの、CPUの制御動作を説明する。ここで、次の動作の待ち状態とは、ある動作が正常動作してユーザによる次の動作指示が入力されるのを待ち受けている状態、およびある動作において異常が発生し動作自体が停止して、ユーザによる復旧動作指示が入力されるのを待ち受けている状態を含むものとする。
【0123】
次の動作の待ち状態に移行した後、CPUは、動作フラグが「1」であるか否かを判別し(S11)、動作フラグが「1」の場合(S11:YES)、原稿の読取動作中に駆動が停止しているので、駆動力伝達機構40の動作モードが記録モードであるか否かを判別する(S12)。そして、駆動力伝達機構40の動作モードが記録モードでない場合(S12:NO)、その動作モードを記録モードに移行させる(S13)。ステップS12において、動作モードが読取モードであった場合には、読取モードにおける駆動力伝達機構の読取モードに対応する駆動力伝達経路の開放を行うとともに、ステップS13において記録モードに対応する駆動力伝達機構の駆動力伝達経路に切換えを行う。また、駆動力伝達機構40の動作モードが記録モードである場合(S12:YES)、ステップS14に進む。
【0124】
なお、最初にステップS12の判断が行われる場合、駆動力伝達機構40の動作モードの変更は行われていないので、ステップS13に移行して駆動力伝達機構40の動作モードが記録モードに変更され、それ以降の処理の後、再びステップS12で判断が行われる場合は、駆動力伝達機構40の動作モードは既に記録モードに変更されているので、ステップS13をスイープしてステップS14に移行することになる。
【0125】
ステップS13の処理では、CPUは、駆動モータ57を制御して太陽ギア43を正転させて、太陽ギア43と同方向に回転部材45を回転させ、センサスイッチ80のスイッチ端子81が回転部材45の凹部60Cに位置した状態にされる(図11参照)。
【0126】
このとき、遊星ギア47からリボン巻取スプール21に至る駆動力伝達経路が形成される。また、遊星ギア47からプラテン10に至る駆動力伝達経路が形成される。さらに、遊星ギア47から記録紙排出ローラ17に至る駆動力伝達経路が形成される。
【0127】
すなわち、原稿読取モードにおいて原稿が搬送されているときに形成された、遊星ギア46から原稿排出ローラ36に至る駆動力伝達経路、並びに、遊星ギア46からLFローラ32に至る駆動力伝達経路が、図17に示すように、遊星ギア46と第4伝動ギア64との間で解除される。
【0128】
そのため、原稿排出ローラ36およびLFローラ32は、その回転方向を規制するものが取り除かれたことになり、正逆いずれの方向における回転も可能になる。これにより、たとえば原稿にジャムが発生したことによって原稿の給送が停止されたとき、ユーザは、原稿の給送方向の上流側からでもスムーズにかつ容易に原稿を取り除くことができる。したがって、使い勝手のよいファクシミリ装置1を提供することができる。
【0129】
また、本実施形態によれば、本来の動作モードに含まれる動作モードに移行するだけで、原稿挿入側から原稿を取り除くことができるので、従来からある既存の構成を利用することができ、原稿挿入側から原稿を取り除くために、本来の動作とは異なる動作を行うための特別な回路装置やプログラムの追加を特に必要とすることもない。したがって、部品コストや製作コストの増大を防止することができる。
【0130】
図16に戻り、動作モードを記録モードに移行させた場合(S13)、あるいは動作モードが記録モードである場合(S12:YES)、動作モードを復旧させるための制御を行う。
【0131】
すなわち、CPUは、ユーザによって上部パネル板23の停止キー(図示略)が押下されたか否かを判別する(S14)。これは、原稿の搬送が停止した場合、ユーザが現状の制御をリセットする意味で停止キーを押すことがあるために設けられた処理である。
【0132】
停止キーが押下されないと判別された場合(S14:NO)、ユーザの操作によって上カバー2が開状態から閉状態にされたか否かを判別する(S15)。これは、原稿の搬送が停止した場合、ユーザが上カバー2を開状態にして装置内の状況を調査することを考慮して設けられた処理である。
【0133】
上カバー2が開状態から閉状態にされないと判別された場合(S15:NO)、第1原稿センサ25aおよび第2原稿センサ33aのいずれもがオフであるか否かを判別する(S16)。これにより、原稿経路上に原稿が存在するか否かを判別する。これは、原稿の搬送途中でジャムが発生してその搬送が停止した場合、ユーザが自ら原稿を取り除いたとき、その原稿の除去を検出できるようにするために設けられた処理である。
【0134】
第1原稿センサ25aおよび第2原稿センサ33aのいずれもがオフでないと判別された場合(S16:NO)、ステップS11に戻る。
【0135】
また、ステップS14において、停止キーが押下されたと判別された場合(S14:YES)、ステップS15において、上カバー2が開状態から閉状態にされたと判別された場合(S15:YES)、あるいは、ステップS16において、第1原稿センサ25aおよび第2原稿センサ33aのいずれもがオフであると判別された場合(S16:YES)は、上カバー2が開状態であるか否かを判別する(S17)。
【0136】
上カバー2が開状態でない場合(S17:NO)、動作モードを原稿読取モードに戻し(S18)、駆動モータ57を制御し原稿の排紙動作を行う(S19)。そして、動作フラグを「0」にし(S20)、ステップS11に戻る。また、ステップS17において、上カバー2が開状態である場合(S17:YES)、ステップS11に戻る。
【0137】
このように、原稿の搬送が停止した場合、原稿にジャムが発生したときには、ユーザが上カバー2を開いた状態で原稿を自ら取り除くことができる。また、原稿搬送中に、たとえば上カバー2が開状態となって原稿の搬送が停止した場合、上カバー2を閉状態とすることにより、自動的に原稿読取モードに戻され、原稿を排出することができる。
【0138】
また、原稿搬出中にジャムが発生した後に、ユーザによって上カバー2が閉状態のまま、用紙挿入側より原稿が取り除かれた場合、上記ステップ16,17を介してステップS18より記録モードから自動的に読取モードに戻される。したがって、ユーザは、用紙を除去するのみで元の読取モードに戻されるため、モード復帰のための特別な操作を必要としない。
【0139】
なお、上記した制御動作では、原稿読取モード時における動作モードを説明したが、この動作モード時に代えて、たとえばコピーパターンや受信パターンにおける記録紙給紙モード時において、記録紙の搬送が停止した場合、駆動力伝達経路が遮断される制御動作が行われてもよい。すなわち、記録紙給紙モードにおいては、遊星ギア47と第1伝動ギア61とが連結されて動作されるので、これらの連結を解除させる動作モードに記録紙給紙モードから移行されるようにすればよい。
【0140】
また、上記した制御動作では、用紙挿入側から原稿を取り除くために、動作モードを記録モードに移行させたが、これに代えて、原稿ジャム等が生じたときの動作モードおよび記録モードとは、異なる動作モードに移行させるように制御してもよい。要は、原稿や記録紙の搬送に用いられるLFローラ32、原稿排出ローラ36、給紙ローラ5、プラテン10、記録紙排出ローラ17等が伝動ギアや従動ギアを介して遊星ギア46,47に連結されている状態を解除させるように動作モードを移行させればよい。
【0141】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、ファクシミリ装置1の内部構成は、上記実施形態に示した構成に限るものではない。
【0142】
また、駆動力伝達機構40を備える機器としては、ファクシミリ装置1に限らず、複数の動作モードに応じてギアを切り替える必要のあるものであれば、他の装置にも適用することができる。もちろん、動作モードの種類を問うものでもない。
【0143】
また、本実施形態では、2つの遊星ギア46,47を設けたが、遊星ギアは単に1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0144】
また、上記実施形態においては、原稿読取中にジャムが発生して、そのジャム無を除去した場合、自動的に記録モードから読取モードに戻る場合の動作について説明したが、記録中において発生したジャムに対しても同様に構成することができる。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明の画像形成装置によれば、検出手段により原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を駆動モータが停止したときの動作モードとは異なる動作モードに対応する駆動力伝達経路に切替設定するので、すなわち、原稿もしくは記録紙には、駆動モータの駆動力が伝達されなくなり、原稿もしくは記録紙を給送中に用紙ジャム等によってその給送動作が停止されたとき、ユーザが原稿もしくは記録紙を除去しようとして当該原稿もしくは記録紙を給送方向の上流側に引き抜く動作を行っても容易に原稿もしくは記録紙を除去することができる。したがって、使い勝手のよい画像形成装置を提供することができる。
【0146】
また、請求項2に記載した発明の画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像形成装置による効果に加え、検出手段により原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、駆動力伝達経路が、駆動モータが停止したときの動作モードとは異なる動作モードに対応する駆動力伝達経路に切り替わるので、駆動モータの停止前の動作モードにおいて噛合されていた遊星ギアと伝動ギアとの噛合状態が解除される。そのため、第1または第2の給送手段には、駆動モータの駆動力が伝達されなくなり、原稿もしくは記録紙を給送方向からでも用紙をスムーズにかつ容易に取り除くことができる。
【0147】
また、請求項3に記載した発明の画像形成装置によれば、請求項1または2に記載の画像形成装置による効果に加え、各動作モードに応じた処理が可能となる。
【0148】
また、請求項4に記載した発明の画像形成装置によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置による効果に加え、原稿搬出中にジャムが発生した後に、ユーザによって用紙挿入側より原稿が取り除かれた場合、たとえば記録モードから自動的に読取モードに戻される。したがって、ユーザは、用紙を除去するのみで元の読取モードに戻されるため、モード復帰のための特別な操作を必要とすることがなく、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置としてのファクシミリ装置を模式的に示す側断面図である。
【図2】 駆動力伝達機構の全体を説明するための説明図である。
【図3】 駆動力伝達機構の裏面側を示す平面図である。
【図4】 駆動力伝達機構における回転部材の平面図である。
【図5】 太陽ギアと回転部材との関係を示す断面図である。
【図6】 回転部材の回転係止部材を示す断面図である。
【図7】 回転係止部材を構成する係止片の作用を説明するための説明図である。
【図8】 ファクシミリ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】 原稿画像の読取動作を行っている状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図10】 記録紙の給紙状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図11】 記録紙への記録を行っている状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図12】 記録紙の排紙を行っている状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図13】 原稿画像の読取動作と記録紙への記録動作とを同時に行っている状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図14】 待機状態にある駆動力伝達機構の要部を示す説明図である。
【図15】 CPUの動作手順を示すフローチャートである。
【図16】 CPUの動作手順を示すフローチャートである。
【図17】 記録モードにおける駆動力伝達機構を示す説明図である。
【図18】 原稿読取モードにおける駆動力伝達機構を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
5 給紙ローラ
10 プラテン
17 記録紙排出ローラ
32 ラインフィード(LF)ローラ
36 原稿排出ローラ
40 駆動力伝達機構
43 太陽ギア
45 回転部材
46,47 遊星ギア
57 駆動モータ
60A〜60E 凹部
60A′〜60E′ 凸部
61〜64 第1ないし第4伝動ギア
80 センサスイッチ

Claims (4)

  1. 少なくとも原稿の読取りと記録紙への画像形成との動作モードを有し、かつ、1つの駆動モータの駆動力を少なくとも前記原稿を給送する第1の給送手段と前記記録紙を給送する第2の給送手段とに切換伝達する駆動力伝達手段と、前記動作モードが前記原稿の読取りのモードに設定されると、前記駆動モータの駆動力が前記第1の給送手段に伝達されるように前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を設定し、前記動作モードが前記記録紙への画像形成のモードに設定されると、前記駆動モータの駆動力が前記第2の給送手段に伝達されるように前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を設定する駆動力伝達制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記原稿もしくは記録紙の給送中にこれらの用紙の搬送経路上においてその給送動作が停止されたことを検出する第1検出手段を備え、
    前記駆動力伝達制御手段は、前記第1検出手段により前記原稿もしくは記録紙の給送動作の停止が検出されると、前記給送動作の停止が検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路を開放して該動作モードとは異なる動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路に切り換える第1の手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記駆動力伝達手段は、
    第1ギアと第2ギアとが一体形成され、前記駆動モータにより第1ギアを介して回転される太陽ギアと、
    周面に前記動作モードに対応して複数の凹部および凸部がそれぞれ固有の区間幅を有して交互に形成された円盤形状をなし、前記太陽ギアが正転するとき、当該太陽ギアと同方向に回転し、前記太陽ギアが逆転するとき、停止状態となるように、当該太陽ギアと同軸に設けられた回転部材と、
    前記回転部材の前記太陽ギアに臨む面に前記第2ギアに常時噛合した状態で設けられた遊星ギアと、
    前記回転部材の凹部を検出する検出部と、
    前記回転部材の前記検出部により前記凹部が検出される各位置において、前記遊星ギアに噛合され、かつ、当該位置の動作モードに対応する第1または第2の給送手段に連結された伝動ギアと、
    からなる、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記動作モードは、読取モード、記録モード、コピーモード給紙モード、および排紙モードとからなる、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記搬送経路上において、その給送動作が停止された前記原稿もしくは記録紙が除去されたことを検出する第2検出手段を備え、
    前記駆動力伝達制御手段は、前記第2検出手段により前記原稿もしくは記録紙の除去が検出されると、前記第2検出手段により検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路から前記第1検出手段により検出されたときの動作モードに対応する前記駆動力伝達手段の駆動力伝達経路に切り換える第2の手段を備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
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