JP3716454B2 - 温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 - Google Patents

温間ホビングによる高強度、高靭性金型の製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は冷間ダイス鋼、熱間ダイス鋼、高速度鋼など工具鋼を、温間ホビングにより高強度化、高靭性化させる加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホビングとは金型のワーク面を鍛造により成形する方法で、メタルフローが連続的であることから切削品よりも型寿命において優れていると言われている。しかしホビング成形後には通常の工程と同じ焼き入れ、焼き戻しが入るため、メタルフローによる鍛流線を有する部分の靭性や疲労強度が優れているものの、強度的には切削品とほぼ同じである。また通常温間ホビングは複雑形状品に適用されることが多く、その成形面は加工ままに近い状態で使用されることが多いが、焼き入れ等の工程が加工後に入ることにより成形面は荒れ、冷間鍛造に用いられる様な表面性状は必ずしも良好ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ホビング成形と焼き戻し処理だけで通常の焼き入れ、焼き戻し品、あるいは通常の温間ホビング品よりも高強度、高靭性で、長寿命な金型を製造する方法を提案するものである。また鍛造面の精度、及び平滑度を上げるための仕上げ放電加工を行うことによって更に長寿命な金型を製造する方法を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
一般に工具鋼の高強度化処理は焼き入れ、焼き戻しが行われ、2次硬化を利用して強度を高めている。焼き入れ、焼き戻し処理による2次硬化後の硬さは、成分と熱処理条件によりほぼ100%決定されてしまう。また靭性に関しては、結晶粒度と圧延方向、及び1次炭化物の大きさ等によって決定される。従って金型を製造する場合、供試される材料によって強度、靭性等が決定されてしまい、金型製造業者は熱処理方法以外で特性を改善することはできない。
【0005】
本発明は、被加工材(ブランク)を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ300から800℃の間で鍛造し(ホビング)、その後空冷から水冷の範囲で室温まで冷却させ、後の焼入れ処理を省略し焼もどしのみを行うことによって、高強度、高靭性金型の製造を可能とするものである。
【0006】
図1、及び2に従来の温間ホビング→焼き入れ、焼き戻し工程(プロセスA)と本発明の工程(プロセスB)をそれぞれ示す。本発明のプロセスBでは焼き入れとホビングを組み合わせた点が特徴となる。
【0007】
図3にプロセスBにおける鍛造温度と焼き戻し後の硬さの関係を示す。実験に用いた工程は次の通りである。プロセスA;600℃で前方押しだし(減面率60%)→空冷→1030℃×10分→油冷→焼き戻し(500℃×1時間/空冷)。プロセスB;1030℃×10分→空冷→250〜1000℃で前方押しだし(減面率60%)→油冷→焼き戻し(500℃×1時間/空冷)。因みに材質は、JIS−SKD62である。
【0008】
図3から、300℃〜800℃で加工したプロセスB材の方が、プロセスA材よりも硬度は上昇することが確認できる。また加工温度は低い方が硬度の上昇度は高く、プロセスBの効果が発揮されるが、加工温度が250℃以下になるとマルテンサイト変態が始まるため割れが生じ加工できなくなってしまう。従って効果のある現実的な加工温度の温度の下限は300℃となる。
【0009】
図4、5、及び図6にプロセスA材、及びプロセスB材の焼き戻し曲線を示す。この図より、鍛造ままと200〜650℃焼き戻しのすべての範囲でプロセスB材の方が高硬度であることが確認できる。因みに材質はそれぞれ熱間ダイス鋼JIS−SKD62、セミハイス鋼MH85(0.53C−4.5Cr−3.6Mo−1.7W−1V)、ハイス鋼JIS−SKH51である。
【0010】
図7にプロセスA、及びBにおけるシャルピー衝撃値と焼き戻し温度の関係を示す。試験片の鍛造履歴、及び温度履歴は図2と同条件である。また材質はJIS−SKD62を、試験片にはJIS3号試験片を用いた。
【0011】
図7の結果から、すべての焼き戻し温度領域において、プロセスB材は明らかにプロセスA材よりも高い衝撃値を示していることが確認される。
【0012】
図8、及び9にMH85、JIS−SKH51の抗折試験結果を示す。試験片の製造履歴は次の通りである。MH85(プロセスA);1120℃×2分→油冷→焼き戻し(525℃〜625℃×1H 2回)、MH85(プロセスB);1120℃×2分→600℃前方押しだし(減面率60%)→油冷→焼き戻し(525℃〜625℃×1H 2回)、SKH51(プロセスA);1200℃×2分→油冷→焼き戻し(525℃〜625℃×1H 2回)、SKH51(プロセスB);1200℃×2分→600℃前方押しだし(減面率30%)→油冷→焼き戻し(525℃〜650℃×1H 2回)。
【0013】
図8、9の結果から、プロセスB材のたわみ量はプロセスA材の3倍近い値を示す。
【0014】
以上の結果からプロセスBによる高強度化、高靭性化は単なる加工硬化だけでないことが確認できる。
【0015】
プロセスBは、基本的には代表的な加工熱処理であるオースフォーミングと同じものであるが、今までの報告では、加工される部品を対象とされたものであり、また温度管理の難しさや、変形抵抗の問題などから実用化された例はほとんどない。本発明では、このオースフォーミングを利用したホビングにより金型を製造することによって、従来の切削加工−焼き入れ−焼き戻しプロセスや冷、温間ホビング−焼き入れ−焼き戻しプロセスでは得られなかった高い強度、及び靭性を得ることが可能となった。
【0016】
【実施例1】
次に本発明を明確にすべく、以下にその実施例を詳述する。熱間ダイス鋼JIS−SKD62を図10(a)、(b)に示す工程で、ギヤ型を製造した。
【0017】
図11の形状のギヤ型をプロセス2Bによりホビングした結果、割れは全く認められず、良好な形状を示した。また焼き戻し後の硬さ分布を図12に示すが、プロセス2Bのものは、通常のプロセスであるプロセス2Aのものと比較して硬さが最大HRC5ポイント程度上昇しており、高強度化されている。
【0018】
表1にプロセス2A、2Bによって製造されたギヤ型の実機テスト結果を示す。プロセス2Aのダイスの平均寿命は約6400ショット程度であり、その破損形態は歯のだれ、欠けである。一方プロセス2Bのダイスの型命数は、約19000個と3倍近い伸びを示し、破損形態も硬度が高いにも関わらずだれのみであった。
【0019】
【表1】
Figure 0003716454
【0020】
【実施例2】
第2の実施例としてセミハイス鋼MH85を使用し、図13に示す形状のギヤ型を、図14に示す工程で作成し、実機テストした結果を以下に示す。
【0021】
MH85においても温間ホビング時に割れは全く認められず、良好な形状を示した。
【0022】
図15に図14に示すプロセスで製造したギヤ型の硬さ分布を示す。MH85においてもSKD62のときと同様に、プロセスBにより大幅な硬さ上昇が確認できる。
【0023】
冷間、及び温間における実機テストの結果を表2に示す。プロセス3Bにより作成されたMH85の金型は、プロセス3Aにより作成された金型の約2.1〜2.3倍の寿命を示した。また放電仕上げ加工を施したプロセス4Bのものは更に高い寿命を示すことから、放電仕上げ加工の有効性も確認できる。
【0024】
【表2】
Figure 0003716454
【0025】
【実施例3】
第3の実施例としてハイス鋼SKH51を使用し、図16に示す形状のギヤ型を、図17に示す工程で作成し、実機テストした結果を以下に示す。
【0026】
SKH51においても温間ホビング時に割れは全く認められず、多少肌荒れが生じるものの良好な形状を示した。
【0027】
図18に図17に示すプロセスで製造したギヤ型の硬さ分布を示す。SKH51においてもSKD62、MH85のときと同様に、プロセスBにより鍛造部の大幅な硬さ上昇が確認できる。
【0028】
冷間における実機鍛造テストの結果を表3に示す。因みに、それぞれのプロセスにより製造された金型は放電仕上げ加工を行った。プロセス4Bにより作成されたSKH51の金型は、プロセス4Aにより作成された金型の2倍近い寿命を示した。また放電仕上げ加工を施したプロセス4Bのものは更に高い寿命を示すことから、放電仕上げ加工の有効性も確認できる。
【0029】
【表3】
Figure 0003716454
【0030】
以上の実施例のように靭性値が高くでき、かつ初期硬さを通常の使用条件より大幅に上げることが可能となるため、その分寿命は大幅に改善される。
【0031】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた態様で実施可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明を用いた金型の製造方法により、高い靭性と高い強度を両立させることが可能となり、金型寿命を大幅に延長させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の温間ホビングプロセスを示した図である。
【図2】 本発明の温間ホビングプロセスを示した図である。
【図3】 JIS−SKD62を一旦1030℃に加熱した後各温度で鍛造した時の鍛造温度と焼き戻し後の硬さの関係を示した図である。
【図4】 JIS−SKD62をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し特性を示した図である。
【図5】 MH85をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し特性を示した図である。
【図6】 JIS−SKH51をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し特性を示した図である。
【図7】 JIS−SKD62をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し温度と衝撃値の関係を示した図である。
【図8】 MH85をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し温度と抗折試験におけるたわみ量の関係を示した図である。
【図9】 JIS−SKH51をプロセスA、及びBにより前方押しだし加工した後の焼き戻し温度と抗折試験におけるたわみ量の関係を示した図である。
【図10】 実施例としてギヤ型を製造したときのプロセスを示した図である。
【図11】 実施例としてギヤ型を製造したときの金型形状を示した図である。
【図12】 実施例としてギヤ型を製造した後の、硬さ分布を示した図である。
【図13】 実施例としてギヤ型を製造したときの金型形状を示した図である。
【図14】 実施例としてギヤ型を製造したときのプロセスを示した図である。
【図15】 実施例としてギヤ型を製造したときの硬さ分布を示した図である。
【図16】 実施例としてギヤ型を製造したときの金型形状を示した図である。
【図17】 実施例としてギヤ型を製造したときのプロセスを示した図である。
【図18】 実施例としてギヤ型を製造したときの硬さ分布を示した図である。

Claims (2)

  1. 熱間ダイス鋼、ハイス鋼をはじめとする工具鋼を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ300から800℃の間でホビング加工し、その後空冷から水冷の範囲で冷却させるオースフォーミングを行った後、その後の焼入れ処理を省略し焼もどしのみを行うことを特徴とする高強度、高靭性金型造方法。
  2. 熱間ダイス鋼、ハイス鋼をはじめとする工具鋼を一旦850℃以上に加熱した後、降温させ300から800℃の間でホビング加工し、その後空冷から水冷の範囲で室温まで冷却させるオースフォーミングを行った後、その後の焼入れ処理を省略し焼もどしのみを行い、さらに鍛造面を放電加工により仕上げすることを特徴とする高強度、高靭性金型造方法。
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