JP3715382B2 - 受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は符号分割多元接続(CDMA)方式の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ユーザ容量増大、通信品質向上の可能な移動通信システムの一方式として、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access;以下、CDMAと略称する)方式が採用されている。このCDMA方式は、各回線に特定の符号を割り当て、同一搬送周波数の変調波をこの符号でスペクトル拡散して送り、受信側では各々符号同期をとり、所望の回線を識別する多元接続方式であり、SSMA(Spread Spectrum Mulutiple Access)方式とも呼ばれる。CDMA方式では、初期接続過程を必要とせず、互いに符号を決めておきさえすれば直接、呼毎に通信できる利点があり、また秘話性および耐干渉性に優れているといった特徴がある。
【0003】
ところで、このCDMA方式を採用した通信システムでは、周波数利用効率向上のために、通常、各基地局のサービスエリア(以下、セルと呼ぶ)で同一の搬送波周波数を用いて通信を行い、また、音声の発生確率(ボイスアクティビティ)を効率的にシステム容量の増加に結び付けるように工夫がなされている。
【0004】
また、CDMA方式のシステムのユーザ容量は、全てのセルで発生する他のユーザ(他チャネル)の総干渉電力により制限されるが、この干渉を積極的に除去、抑圧することでユーザ容量の増加を可能にする受信方式が提案されている。例えば、このような受信方式として、最適受信機,直交化受信機,適応干渉除去受信機、マルチステージ受信機等が提案されており、中でも最適受信機はユーザ多重に対して最も優れた特性を有している。
【0005】
この最適受信機とは、通信を行う全てのユーザに対して信号レプリカを生成し、受信信号と全ユーザ信号レプリカとの誤差信号電力が最も小さくなるような情報シンボル(例えば、BPSK(2位相変調)方式であれば、{+1,−1}といった送信情報を示す信号)の組み合わせを推定する最尤系列推定方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の最適受信機は最も優れた受信特性を有するが、全てのユーザの全情報シンボルの組み合わせについて受信信号レプリカを生成し、受信信号との誤差信号電力を求めなければならないため、受信に際して膨大な演算量を必要としていた。
【0007】
また、従来の最適受信機を含めた干渉除去受信機では、ボイスアクティビティを利用するシステム(例えば伝送信号のデューティーサイクルを変化することでビットレートを変えるようなシステム)に対応した方式は考えられていなかった。更に、従来の最適受信機ではダイバーシチを実現する効率的な受信方法が考えられていなかった。
【0008】
そこで、この発明の目的とするところは、受信に際しての演算量を軽減することが可能な受信装置を提供することにある。また、伝送信号のデューティーサイクルを変化することでビットレートを変えることができるようなシステムを実現し、さらにはダイバーシチを実現する効率的な受信方法を実現可能な受信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の無線通信機が同一の周波数帯域内で異なる拡散符号を用いて多重通信を行う符号分割多元接続(CDMA)方式の信号を受信して復調する受信装置において、
前記受信信号が受けた伝送路応答を各拡散符号に対して推定する伝送路応答推定手段と、受信信号のうち一部の信号についてのみ最尤系列推定を行うと共に、判定結果の信号成分を前記受信信号から除去して出力する部分最尤系列推定手段と、前記最尤系列推定手段からの出力信号から前記一部の信号以外の信号の復調を行う後段検出手段とを具備して構成する。さらには、部分最尤系列推定を行う前記一部の信号は、前記伝送路応答推定手段により得られた各拡散符号に対する伝送路応答の時間応答のうち、最も大きな振幅成分を、拡散符号毎に比較し、比較結果から前記振幅成分の大きな順に選択した一部の上位のものとした。
【0010】
このように、本発明では受信信号から部分最尤系列推定手段において一部ユーザの信号について復調し、復調した分は受信信号から除去してその残りを残差信号として後段検出手段に与える。そして、この後段検出手段で残りを復調する。この方式の場合、後段検出手段でのこの残差信号の復調に際して、当該残差信号には部分最尤系列推定手段によって復調されたユーザの信号成分は含まれていない。つまり、部分最尤系列推定手段によって復調されたユーザ相当分の信号はこの部分最尤系列推定手段の残差信号出力時に除去されており、もはや含まれていない。後段検出手段ではこの復調済みユーザの信号は復調の対象外であり、復調対象外の信号は干渉信号となるが、本発明では、後段検出手段に与えられる信号には復調済みユーザの干渉信号が含まれていないことから、干渉成分の電力が減少し、後段検出手段では良好な受信特性を得ることができることになる。また、受信した信号のうち、複数あるユーザの信号を信号強度に応じて区分し、最初に信号強度の強いグループのユーザの信号について最尤系列判定を行うと共に、このグループの信号を受信信号から除外し、残りを別の最尤系列推定手段である後段検出手段に与えて最尤系列判定を行うようにした。
【0011】
最尤系列推定を行うための手段は、判定する対象のユーザ数が多いと、処理の規模が指数関数的に増大し、処理時間と処理ハードウエアの規模も比例して増大してコスト高を招く。また、規模によっては現在の処理ハードウエアでは実現不可能になる。しかし、本発明のように、分割して処理することで、これを解消できるようになる。
【0012】
また、本発明の受信装置は、復調を行う際に信号が伝送されていない状態も含めて最尤系列推定を行う部分最尤系列推定手段を用いるようにした。
この場合、部分最尤系列推定手段は、情報判定以外に信号が送信されているか否かを判定する。それゆえ、ボイスアクティビティを利用するために送信信号のデューテイーサイクルの変化するようなシステムにおいても、このように情報判定以外に信号が送信されているか否かを判定することで、特性劣化無しに最適受信を実現できるようになる。
【0013】
また、本発明は、部分最尤系列推定手段は、判定系列侯補全てについて前記系列侯補の要素のそれぞれに対応した拡散符号で拡散し、前記各拡散信号に対し、対応した伝送路応答を畳み込み演算することで得られた受信信号レプリカ侯補を生成し、受信信号と、前記一部の信号の受信信号レプリカ侯補の和の信号の誤差電力が最小となる判定系列候補を受信結果として出力するようにした。
【0014】
このように、各信号の伝送路応答に応じた受信信号レプリカを用いて最尤系列推定を行うことでバスダイバーシチ効果が期待でき、さらには、大きなレベルの遅延信号が無い伝送路環境では、複数のアンテナを用い、これらのアンテナで受信した信号をそれぞれ時間の異なる遅延素子で遅延させた後に合成し、これを新たな受信信号として扱い、最適受信を行うようにすることでダイバーシチ効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるCDMAシステムの受信方式を図面を参照して詳細に説明する。
図1はCDMAセルラーシステムの概要を説明する図であって、11はそれぞれセル、12および14はCDMA基地局、13および14は移動端末である。CDMA基地局12,14は分散して配置してあり、一つの基地局においてその基地局からの電波の到達可能な範囲がその基地局のサービスエリアであるセルである。
【0016】
CDMA基地局12,14はCDMA方式による無線通信を行うことにより、セル内の移動端末13,14と通信することができる。移動端末13,14がセル間を移動しても通信が途切れないように、セルは一部を隣接のセルに重複するかたちで基地局が設置される。移動端末13,14は電源を投入したとき、あるいは、CDMAセルラーシステムのサービスエリア外からエリア内に移動してきたとき、そして、CDMA基地局から位置登録の要求があったとき、特定の制御チャネルを使用してCDMA基地局に自己のID(識別符号)を送信し、それを基地局で受けると共に、複数のCDMA基地局で受けたときは移動端末からの受信電界強度が最大の基地局のセル内にその移動端末が位置するとして位置登録するようにしてある。
【0017】
位置登録はCDMAセルラーシステムの運用を統括するセンターに設置してある位置登録装置にその移動端末のIDとセル情報を登録することにより、行い、移動端末との通信の必要が生じた際には、その移動端末の位置を、位置登録装置の情報を用いて調べることで、現在の位置を掌握し、その現在位置のセルのサービスを担っている基地局を介して移動端末と通信を行うことになる。
【0018】
一般に、CDMAセルラーシステムでは複数の基地局を分散配置し、各基地局での電波の到達範囲をその基地局のサービスエリアとして、その各サービスエリアをセルと呼び、そのセル内では複数のチャネルを同一搬送波周波数を用いて符号分割多元接続により送受信に供している。移動する通信端末と基地局との間で通信を継続して実施できるようにするために、ある一つのセルに隣接するセルではそのセルの基地局は移動してきた通信端末の使用している搬送波周波数と同一の搬送波周波数を使用してCDMAにより通信するようにする。
【0019】
このように、複数の隣接セル11内で同一のキャリア周波数を用いるため、図1に示すように、他のセルの基地局12に所属する端末装置131からの信号が、別の基地局14の受信装置に干渉波として混入する。通常、これら自セル外からのCDMA干渉波は、符号の種類,符号タイミング,伝送路応答の状態等が未知であるため、基地局14の受信装置においては雑音と同様に振る舞う。図2にこの基地局の受信した信号の成分を周波数領域において模式的に示しておく。
【0020】
ところで、CDMAシステムの他局間干渉の影響を軽減するための受信方式として最適受信機がある。先に示したように、この受信方式は、最尤系列推定により良好なユーザ多重特性を得る反面、ユーザ数の増加に対し、指数関数的に演算量が増加するという欠点を持つ。しかし、図2のような受信状況においては、自セル内干渉のうち、電力的に大きくないユーザの信号成分、あるいは、ノイズと他セル干渉と同程度のレベルまでの自セル内ユーザの干渉は、最尤系列判定に大きな影響を与えないために、最尤判定の侯補から外すことで大幅な特性劣化を起こすことなく演算量を削減することができる。本発明はこの性質を利用する。
【0021】
(具体例1)
図3は、以上のような性質を利用した本発明のCDMA受信装置の一具体例である。図において、31はRF受信回路、32は符号同期回路、33は伝送路応答推定回路、34は部分最尤系列推定器、35は後段検出回路である。
【0022】
これらのうち、RF受信回路31はアンテナにより受信された信号からベースバンド信号を得る回路であり、符号同期回路32は、受信信号の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う回路である。伝送路応答推定手段33はRF受信回路31より与えられるベースバンド信号と符号同期回路32からの符号タイミングに基づき、各ユーザの信号が受けた伝送路応答を推定する回路である。
【0023】
また、部分最尤系列推定手段34は、RF受信回路31より与えられるベースバンド信号と伝送路応答推定手段33からの伝送路応答推定情報をもとに復調を行う装置であり、自セル内の受信信号のうち、一部の信号、例えば、受信信号強度の強いものから順に所定のユーザ数分の信号について、最尤系列推定を行い、また、推定結果に対応した受信信号レプリカを、受信信号から差し引いた残りの信号(残差信号)を生成してこれを後段検出手段35に与える機能を有する。
【0024】
後段検出手段35はこの部分最尤系列推定手段34からの信号(残差信号)と符号同期回路32および伝送路応答推定手段33からの信号をもとに復調して検出データを得る装置である。
【0025】
このような構成の本装置は、基地局からの送信信号をアンテナにより受信する。そして、この受信された基地局からの送信信号は、RF受信回路31に送られることにより、ベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、アナログ信号でも、またディジタル信号でも良く、ディジタル信号の場合には、RF受信回路31内にA/D(アナログ/ディジタル)変換器を持ち、RF受信回路31以降の処理段ではディジタル信号処理によって必要な処理が行われる。
【0026】
RF受信回路31にて変換されたベースバンド信号は、符号同期回路32および伝送路応答推定手段33および部分最尤系列推定手段34に与えられる。符号同期回路32ではこのベースバンド信号をもとに、受信信号の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う。そして、符号同期回路32では得られた符号タイミングを、各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする伝送路応答推定手段33と、復調を行う部分最尤系列推定手段34と、後段検出手段35に与える。
【0027】
伝送路応答推定手段33はこの符号タイミングに基づき、ベースバンド信号を処理して各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする。
一方、部分最尤系列推定手段34では、自セル内の受信信号のうち、一部の信号、例えば、受信信号強度の強いものから順に所定のユーザ数分の信号について最尤系列推定を行い、また、最尤系列推定結果に対応した受信信号レプリカを受信信号から差し引いた残りの信号(残差信号)を生成して後段検出手段35に伝送する。つまり、ベースバンド信号のうちの上述のような一部のユーザの信号について復調し、検出データとして出力する。また、その復調した一部ユーザの信号について、受信信号レプリカを作成し、この受信信号レプリカを、おおもとの受信信号rであるベースバンド信号から差し引いてその残りの信号(残差信号(rから復調済みの各ユーザの信号のレプリカを差し引いたもの))を生成して後段検出手段35に与える。
【0028】
これにより、部分最尤系列推定手段34において、受信信号から信号強度の強い一部のユーザの信号が復調されることになり、復調されなかった他のユーザの信号は後段検出手段35で復調することになる。すなわち、部分最尤系列推定手段34において復調されなかった他のユーザの信号は残差信号中に含まれており、これは後段検出手段35に与えられるので、後段検出手段35では、残差信号から未復調のユーザの信号を復調することになる。そして、後段検出手段35では、復調したユーザの信号を検出データとして出力する。
【0029】
このように、本発明では部分最尤系列推定手段34において一部ユーザの信号について復調し、残りを残差信号として後段検出手段35に与えてここで復調することになるが、この点が本発明の大きな特徴となっている。すなわち、後段検出手段35でのこの残差信号の復調に際して、当該残差信号には部分最尤系列推定手段34によって復調されたユーザの信号成分は含まれていない点である。つまり、部分最尤系列推定手段34によって復調されたユーザ相当分の信号はこの部分最尤系列推定手段34の残差信号出力時に除去されており、もはや含まれていない。後段検出手段35ではこの復調済みユーザの信号は復調の対象外であり、復調対象外の信号は干渉信号となるが、本発明では、後段検出手段35に与えられる信号には復調済みユーザの干渉信号が含まれていないことから、干渉成分の電力が減少し、後段検出手段35では良好な受信特性を得ることができることになる。
【0030】
図15のフローチャートを用いて、本発明の受信装置の信号処理手順の一例を説明する。まず、受信装置は各ユーザに割り当てられた拡散符号の同期捕捉、保持を行う(ステップS1)。
【0031】
なお、ここでは、新規ユーザが通信を始めた時点を開始時点にしているが、すでに受信を行っているユーザの拡散符号においては、この過程は同期保持(同期保持は定常的あるいは周期的に行われる)に相当する。また、通信を始める前の制御プロトコルによる信号のように不規則に混入する信号については、このルーチンから除外することも可能である。
【0032】
次に、受信した信号の各拡散符号の自己相関特性を用いて伝送路応答の推定を行う(ステップS2)。この過程では、伝送信号の中に含まれている既知信号を用いて主波,遅延波の時間,振幅,および位相を測定する。なお、遅延波を利用しない場合には主波の振幅と位相のみを測定することで受信装置の簡略化を図ることも可能である。
【0033】
次に、伝送路応答の補正をする(ステップS3)。ここでの伝送路応答の補正は、前過程で求めた伝送路応答推定値を復調結果を用いて補正する過程であり、既知信号直後の信号の受信時や、伝送路変動の少ないシステムにおける受信では省略することができる。
【0034】
次に、得られた各ユーザ(各ユーザの拡散符号)に対する伝送路応答推定値を用いてユーザ毎の受信信号強度を検出すると共に、その検出結果に基づいてユーザ番号を受信強度順に並び換え処理をする(ステップS4)。この結果、ユーザ数がKユーザ分(但し、Kは1<L<Kであり、LとKはいずれも整数である)あったとして、このKユーザ分の各拡散符号は受信信号強度の強いものから順に、並べられることになる。そして、受信信号強度の強いものから順にLユーザ分を選択し、(ステップS5)、部分最尤系列推定を行う(ステップS6)。これにより、“K”ユーザ分の各拡散符号のうちの受信強度の強い最初の“L”ユーザ分について、部分最尤系列推定が行われる。そして、残りのユーザ分の拡散符号は残差信号として後段検出手段35に送られ、後段検出手段35ではこの残りの“K−L”ユーザ分の信号について復調されることになる(ステップS7)。
【0035】
このように、得られた各ユーザ(各ユーザの拡散符号)に対する伝送路応答推定値を用いてユーザ毎の受信信号強度を検出すると共に、ユーザー番号を受信強度順に並べ替え処理し(ここで、受信信号強度は主波の信号電力でも良いが別の具体例として、推定した伝送路応答(遅延プロファイル)の電力積分値を用いても良い)、信号強度の大きな方からLユーザ分について、その復調処理を前段受信部である部分最尤系列推定手段34で行い、残りのユーザの拡散符号についての復調は後段検出手段35で処理する。なお、別の具体例として、信号強度によらず予め決まった拡散符号の信号について最尤系列推定を行うことができ、この手法により、処理手順の簡略化が可能である。
【0036】
さらに、実際に通信を行っているユーザの数が“L”以下である場合には信号強度によらず、全てを部分最尤系列推定手段34で復調するようにすることも可能である。また、伝送路応答推定と同様、この過程もシンボル毎に行うようにしたり、複数シンボルにわたり同じ結果を用いるようにしたりすることができる。
【0037】
次に部分最尤系列推定手段34では、前過程で選択された“L”ユーザ分の受信を行う。この過程では従来の最適受信方式と同様な方法で復調が行われるが、復調結果と拡散符号と伝送路応答推定結果と符号タイミングにより得られた受信信号レプリカを、受信信号から削除して(残差信号)後段の検出器に出力することで、この過程で復調したユーザが他の信号に与える干渉成分を削減することができる。
【0038】
最後に後段検出手段35では、ステップS7の処理を行い、残差信号から残りのユーザの信号の復調を行い、次シンボル復調のために伝送路応答補正過程へ戻る。なお、本発明の別の具体例として、復調を時間的に複数シンボル同時に復調することも可能である。
【0039】
このように、本具体例では、受信した信号のうち、複数あるユーザの信号を信号強度に応じて区分し、最初に信号強度の強いグループのユーザの信号について最尤系列判定を行うと共に、このグループの信号を受信信号から除外し、残りを別の最尤系列推定手段に与えて最尤系列判定を行うようにした。
【0040】
最尤系列推定手段は、判定する対象のユーザ数が多いと、処理の規模が指数関数的に増大し、処理時間と処理ハードウエアの規模も比例して増大してコスト高を招く。また、規模によっては現在の処理ハードウエアでは実現不可能になる。しかし、本具体例のように、分割して処理することで、これを解消できるようになる。
【0041】
(部分最尤系列推定手段34の具体例)
次に本発明の部分最尤系列推定手段34の一具体例を図4に示す。図4における40が、この具体例での部分最尤系列推定手段である。この具体例での部分最尤系列推定手段40は、受信電力ソーティング手段41、受信信号レプリカ生成手段42、部分系列候補発生および最尤系列推定手段43より構成される。
【0042】
これらのうち、受信電力ソーティング手段41は、伝送路応答推定手段33からの入力をもとに信号強度(受信電力)の大きなものから順にユーザ番号を並べ替えると共に、そのうちの上位のL個分(上位のLユーザ分)を選択する機能を有する。また、受信信号レプリカ生成手段42は、伝送路応答推定手段33から入力された伝送路応答推定結果と、各ユーザの符号タイミング情報と、受信電力ソーティング手段41により選択されたLユーザ分の拡散符号と、部分系列候補発生および最尤系列推定手段43より得られる判定系列侯補とから受信信号レプリカを生成するものである。
【0043】
また、部分系列候補発生および最尤系列推定手段43は、受信電力ソーティング手段41により選択されたLユーザ分の拡散符号から復調してLユーザ分の検出データを出力すると共に、減算器44から得られる差信号を残差信号として後段検出手段へ出力する機能を有する。また、減算器44は、RF受信回路からの受信信号と受信信号レプリカ生成手段42で得た受信信号レプリカとの差を求める回路である。
【0044】
このような構成において、伝送路応答推定手段33の得た結果(各ユーザの受けた伝送路応答の遅延プロファイル推定値の標本値)は、ユーザソーテイング手段41に入力され、ユーザソーテイング手段41はこの伝送路応答推定手段33からの入力をもとに信号強度(受信電力)の大きなものから順にユーザ番号を並べ替えると共に、そのうちの上位のL個分、すなわち、信号強度の強い上位のLユーザ分を選択する。そして、ユーザソーテイング手段41はこの選択したLユーザ分のユーザ番号を、部分系列侯補生成および最尤系列推定手段43に通知する。更に、ユーザソーテイング手段41はこれらの選択したLユーザ分の伝送路応答推定結果を受信レプリカ生成手段42に入力する。
【0045】
部分系列侯補生成および最尤系列推定手段43では、各ユーザの送信可能な信号シンボル(BPSKならば±1,QPSKならば(±1/√2,±1/√2),M−arySSならば送信系列の種類)をLユーザ分、組み合わせて生成し(判定系列侯補)、受信信号レプリカ生成手段42へ全ての組み合わせを逐次出力する。
【0046】
受信信号レプリカ生成手段42では、伝送路応答推定手段33から入力された伝送路応答推定結果と、判定系列侯補と、選択されたLユーザ分の拡散符号と、各ユーザの符号タイミング情報から受信信号レプリカを生成する。そして、生成した受信信号レプリカを減算器44に与える。
【0047】
一方、減算器44にはRF受信回路から受信信号が与えられており、この減算器44は、RF受信回路からの受信信号と受信信号レプリカ生成手段42からの受信信号レプリカとの誤差(残差信号)を両者の減算により得る。そして、減算器44はこの得た誤差(残差信号)を部分系列侯補生成及び最尤系列推定手段43に与える。
【0048】
そして、部分系列侯補生成および最尤系列推定手段43ではこれを元に再び、電力値(誤差電力)を計算する。
この誤差電力をブランチメトリックとして判定系列候補に対する最尤系列推定が行われる。部分最尤系列推定手段40は、最尤系列推定の結果、あるいは、最尤系列推定のバスがマージした以前の時刻の結果と、これに対応する残差信号を出力する。
【0049】
ここで、残差信号は系列決定時に改めて計算されても良いし、メモリを設けて、判定が収束するまでの間、このメモリに蓄積させ、判定結果に応じてメモリの内容を呼び出すようにしても良い。さらに別の具体例として、各系列侯補の残差信号は逐次、後段検出手段に出力されるようにしても良い。この場合、後段検出手段では残りのユーザの信号の復調を逐次行い、それぞれの復調結果を系列侯補に対応したメモリ内に保存しておき、系列侯補が確定した時点で後段検出手段の判定結果も同時に決定するという方法を採ることも可能である。この手法を採ることで復調に要する時間を大幅に削減することができる。
【0050】
また、本発明の別の具体例として、部分最尤系列推定手段は、判定系候補すべてについての拡散符号の相互相関係数を用意しておき、各拡散符号に対応した相関器からの出力信号を用い、最尤系列推定を行うようにすることも可能である。
【0051】
この場合には、誤差信号の演算及び判定は情報シンボル間隔で行われ、残差信号生成は判定結果を用いて改めて行う。この手法を用いることで、最尤系列推定に要する処理時間を低減することが可能となる。
【0052】
(具体例2)
次に、本発明のCDMA方式受信装置の別の具体例を図5を用いて説明する。
図において、51はRF受信回路、52は符号同期回路、53は伝送路応答推定回路、54は部分最尤系列推定器、55および56はそれぞれ後段検出回路である。
【0053】
これらのうち、RF受信回路51はアンテナにより受信された信号からベースバンド信号を得る回路であり、符号同期回路52は、受信信号(ベースバンド信号)の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う回路である。伝送路応答推定手段53はRF受信回路51より与えられるベースバンド信号と符号同期回路52からの符号タイミングに基づき、各ユーザの信号が受けた伝送路応答を推定する回路である。
【0054】
また、部分最尤系列推定手段54は、RF受信回路51より与えられるベースバンド信号と伝送路応答推定手段53からの伝送路応答推定情報をもとに復調を行う装置であり、自セル内の受信信号のうち、一部の信号、例えば、受信信号強度の強いものから順に所定のユーザ数分の信号について、最尤系列推定を行い、また、推定結果に対応した受信信号レプリカを、受信信号から差し引いた残りの信号(残差信号)を生成してこれを後段検出手段55に与える機能を有する。
【0055】
後段検出手段55はこの部分最尤系列推定手段54からの信号(残差信号)と符号同期回路52および伝送路応答推定手段53からの信号をもとに復調して検出データを得る装置である。後段検出手段55では受信電力強度が強いLユーザ分の信号を復調して検出データを得る装置であり、残差信号から最尤系列推定を行い、また、推定結果に対応した受信信号レプリカを、残差信号から差し引いた更に残りの信号(最終残差信号)を生成してこれを後段検出手段56に与える機能を有する。後段検出手段56は後段検出手段55からの最終残差信号を復調して検出データを得る装置である。
【0056】
このような構成の本装置は、基地局からの送信信号をアンテナにより受信する。そして、この受信された基地局からの送信信号は、RF受信回路51に送られることにより、ベースバンド信号に変換される。RF受信回路51にて変換されたベースバンド信号は、符号同期回路52および伝送路応答推定手段53および部分最尤系列推定手段54に与えられる。符号同期回路52ではこのベースバンド信号をもとに、受信信号の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う。そして、符号同期回路52では得られた符号タイミングを、各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする伝送路応答推定手段53と、復調を行う部分最尤系列推定手段54と、後段検出手段55,56に与える。
【0057】
一方、部分最尤系列推定手段54では、自セル内の受信信号のうち、一部の信号、例えば、受信信号強度の強いものから順に所定のユーザ数分(例えば、Lユーザ数分)の信号について最尤系列推定を行い、また、最尤系列推定結果に対応した受信信号レプリカを受信信号から差し引いた残りの信号(残差信号)を生成して後段検出手段55に伝送する。このようにして、ベースバンド信号のうちの上述のようなLユーザ分の信号について復調し、検出データとして出力する。また、その復調したLユーザ分の信号について、受信信号レプリカを作成し、この受信信号レプリカを、おおもとの受信信号であるベースバンド信号から差し引いてその残りの信号(残差信号)を生成して後段検出手段55に与える。
【0058】
これにより、部分最尤系列推定手段54において、受信信号から信号強度の強い一部のユーザの信号が復調されることになり、復調されなかった他のユーザの信号は後段検出手段55,56で復調することになる。
【0059】
すなわち、部分最尤系列推定手段54において復調されなかった他のユーザの信号は残差信号中に含まれており、これは後段検出手段55に与えられるので、後段検出手段55では、残差信号から受信電力強度の強い所定数の未復調ユーザの信号を復調することになる。そして、後段検出手段55では、復調したユーザの信号を検出データとして出力する。また、後段検出手段55では、復調したユーザの信号のレプリカを生成し、これを自己の受信した残差信号から差し引き、最終残差信号として得てこれを後段検出手段56に与える。後段検出手段55で復調されなかった他のユーザの信号をはこの最終残差信号中に含まれており、これは後段検出手段55に与えられるので、後段検出手段56では、最終残差信号から未復調ユーザの信号を復調することになる。そして、後段検出手段56では、復調したユーザの信号を検出データとして出力する。
【0060】
このように、部分最尤系列推定手段54から出力された残差信号は、後段検出手段55に入力される。そして、後段検出手段55から出力された残差信号が後段検出手段56に入力される。この具体例では、後段検出手段55および56の内部は前段の構成要素である部分最尤系列推定手段54と同様の構成により実現される。つまり、この具体例では、後段部の部分最尤系列推定手段(後段検出手段55および56)の構成は前段部のもの(部分最尤系列推定手段54)と同様であるが、復調する系列が、部分最尤系列推定手段54では受信電力強度の最も強いLユーザ分のグループである“#1”ユーザから“#L”ユーザのものであるのに対して、後段検出手段55では受信電力強度が次順となるLユーザ分のグループである“#L+1”ユーザから“#2L”ユーザまでのものとなり、後段検出手段56では受信電力強度が最も弱い1からLユーザ分のグループである“#K−n・L”ユーザから“#K”ユーザまでのものとなる。
【0061】
また、この後段検出手段55および56で全てのユーザを処理しきれない場合には、更に別の後段検出手段を接続することが可能である。この場合の3段目の別の後段検出手段として、部分最尤系列推定手段を用いることも(図16)、他の手法を用いることも可能である。
【0062】
図16の部分最尤系列推定は、受信信号に対して符号タイミング捕捉を行い(ステップS21)、伝送路応答推定を行い(ステップS22)、ユーザ番号を受信強度順に並べ替え(ステップS23)、受信強度が大きな方からLユーザ分の信号を選択し(ステップS24)、系列候補に対してレプリカを生成し(ステップS25)、系列候補を選択し(ステップS26)、選択した系列候補を出力し(ステップS26)、そして、残りの信号を後段に出力する(ステップS28)といった処理により行うものである。
【0063】
(後段検出手段の別の具体例)
別の後段検出手段の具体例を図6を用いて説明する。図6において、60は後段検出手段である。この後段検出手段60は、#L+1検出器61、#L+2検出器62、#L+3検出器63、#K検出器64からなる。#L+1検出器61、#L+2検出器62、#L+3検出器63、#K検出器64はいずれもマッチドフィルタ,あるいは相関器により構成されており、未復調ユーザの拡散符号に対応したマッチドフィルタあるいは相関器により残差信号を逆拡散することで検出データを得るものである。#L+1検出器61はL+1ユーザ用の、そして、#L+2検出器62はL+2ユーザ用の、そして、#L+3検出器63はL+3ユーザ用の、そして、#K検出器64はKユーザ用の拡散符号に対応しており、それぞれの対応するユーザの信号の逆拡散を行う。
【0064】
このような構成において、前段の部分最尤系列推定手段から出力された残差信号は、未復調ユーザの拡散符号に対応したマッチドフィルタ61,あるいは相関器を用いて逆拡散を行う。
【0065】
なお、復調すべき信号に干渉信号がないという条件のもとでは、未復調ユーザの拡散符号を復調するに際して、マッチドフィルタを用いると安価な構成でしかも、良好に未復調ユーザの拡散符号を復調することができる。本具体例では、前段の部分最尤系列推定手段から出力された残差信号を、後段では復調する。したがって、残差信号には復調対象外の信号がないから、干渉信号が少ないといえる。そのため、検出器としてマッチドフィルタを用いることで安価な構成で未復調ユーザの拡散符号を復調することができ、システムのコストダウンが可能になる。
【0066】
ここで、拡散符号に直交符号を用いるCDMAシステムの逆拡散手段の別の具体例として、高速アダマール変換器を用いることも可能である。更に別の後段検出手段の具体例を図7を用いて説明する。
【0067】
(後段検出手段の別の具体例)
図7に示す後段検出手段70は、拡散符号の相互相関逆特性行列処理をする相互相関逆特性行列処理手段71、相互相関逆特性行列処理手段71の出力と伝送路応答推定器(伝送路応答推定手段)からの出力とを乗算する乗算器72、乗算器72の乗算出力を受けてその出力の符号判定をする判別器73とから構成される。乗算器72と判別器73は複数系統あり、それぞれ受信電力が特定順位のユーザ用となっている。
【0068】
この手法は、Decorrelatorタイプの受信方法であり、部分最尤系列推定により復調されたユーザ以外のユーザ(未復調ユーザ)の拡散符号を、拡散符号の相互相関逆特性行列処理手段71を用いて復調する。
【0069】
相互相関逆特性行列処理手段71からの復調出力は、乗算器72を用いて位相補正が加えられ、判別器73を用いて符号判定される。
(後段検出手段の別の具体例)
更に別の後段検出手段の具体例を、図8を用いて説明する。この手法は複数台の干渉除去受信機を利用したものである。図8に示すようにこの干渉除去受信機を利用した後段検出手段80においては、前段である部分最尤系列推定手段からの残差信号は、干渉除去受信機81に入力され、干渉除去受信機81ではまず未復調ユーザの伝送路応答推定値の中で最も大きな信号強度を持つユーザ(“#L+1”ユーザ)の信号を当該“#L+1”ユーザの拡散符号により逆拡散して復調し、当該“#L+1”ユーザの検出データを得ると共に、その復調結果を用いて“#L+1”ユーザの送信信号レプリカを残差信号中から除去し、残差信号として次の干渉除去受信機82に出力する。干渉除去受信機82は残りの未復調ユーザの伝送路応答推定値の中で最も大きな信号強度を持つユーザ(“#L+2”ユーザ)用であり、この干渉除去受信機82では干渉除去受信機81からの残差信号に対して、当該“#L+2”ユーザの拡散符号により逆拡散して“#L+2”ユーザの信号を復調すると共に、その復調結果を用いて“#L+1”ユーザの送信信号レプリカを残差信号中から除去し、次の干渉除去受信機83に出力する。同様の手順を、全ての未復調ユーザに対して履行することで復調を行う。
【0070】
(受信信号レプリカ生成手段の一具体例)
図12に本発明の受信信号レプリカ生成手段の一具体例を示す。図12に示すように受信信号レプリカ生成手段120は、伝送路応答推定及びソーティング手段121、拡散系列生成手段122、伝送路応答メモリ123、帯域制限フィルタ124、畳み込み演算器125および受信信号レプリカメモリ126とから構成される。伝送路応答メモリ123、帯域制限フィルタ124、畳み込み演算器125および受信信号レプリカメモリ126はそれぞれL系統分ある。
【0071】
伝送路応答推定及びソーティング手段121は伝送路応答推定を行いまた、受信電力強度の強い順からユーザ番号を並べ替えする機能を有するものであり、伝送路応答メモリ123は、伝送路応答推定及びソーティング手段121の推定した伝送路応答推定値を保持するメモリである。
【0072】
また、拡散系列生成手段122は、拡散系列を生成するものであり、帯域制限フィルタ124は拡散系列生成手段122の出力する拡散系列を帯域制限して出力するものでローパスフィルタ(LPF)により構成されている。畳み込み演算器125は帯域制限フィルタ124の出力と伝送路応答メモリ123の保持した伝送路応答推定値とを畳み込み演算処理するものであり、その結果を保持するのが受信信号レプリカメモリ126である。
【0073】
このような構成において、伝送路応答推定及びソーティング手段121では伝送路応答推定値と信号強度を求める。そして、伝送路応答推定及びソーティング手段121は得られた伝送路応答推定値は伝送路応答メモリ123に与えてここに保持させ、また信号強度に基づいて選択したユーザ情報は拡散系列生成手段122に転送する。
【0074】
拡散系列生成手段122ではこのユーザ情報に応じて選択されたユーザの拡散系列を生成し、これらを帯域制限フィルタ124に入力することにより、拡散系列に対応した信号(帯域制限された拡散信号)を得る。そして、この得られた帯域制限された拡散信号と、先に伝送路応答メモリ123に格納した伝送路応答推定値は畳み込み演算器125により畳み込み演算され、ユーザ毎に受信信号レプリカメモリ126内に格納される。
【0075】
これにより受信信号レプリカメモリ126内にはユーザ毎の受信信号レプリカが保持される。これらの信号は、必要に応じて受信信号レプリカ生成手段外に転送される。なお、本具体例の簡略化のための別の実現手段として、帯域制限フィルタを省略することも可能である。
【0076】
(伝送路応答推定手段)
図13に本発明の伝送路応答推定手段の一具体例を示す。図13に示すように、本発明の伝送路応答推定手段130は、マッチドフィルタ131、乗算器132、シフトレジスタ133、閾値判定器134、帰還重み係数メモリ135、加算器136、前推定値メモリ137、スイッチ138より構成される。
【0077】
ユーザ“#k”に着目して説明する。RF受信回路により出力された信号(ベースバンド信号)は、本発明の伝送路応答推定手段130に与えられると、まず最初にマッチドフィルタ131に入力される。そして、マッチドフィルタ131ではユーザ“#k”の拡散符号との相関特性を得る。マッチドフィルタの出力信号(ユーザ“#k”の拡散符号との相関特性)は既知信号系列あるいは復調結果により乗算器132を用いて位相補正され、これによって伝送路応答の遅延プロファイルが得られる。得られた遅延プロファイルは、スイッチ138により適正なタイミングでシフトレジスタ133に導入されることにより、サンプリングされる。
【0078】
シフトレジスタ133内の各サンプル値は、個別に前推定値メモリ137内に蓄えられていた前推定値(前回の伝送路応答推定値)と、帰還重み係数メモリ135に保持されている帰還重みおよび加算器136を用いて加重平均される。
【0079】
なお、閾値判定器134は低レベルの信号を除去するためのもので、省略することも可能である。また、別の具体例として、閾値判定器134をメモリ出力に接続することも可能である。
【0080】
なお、ここではユーザ“#k”についての説明を行ったが、他のユーザに対する伝送路応答推定は、マッチドフィルタの係数と、参照または人力復調結果を所望ユーザのものを用いることで実現できる。また、復調結果を用いて推定を行う場合には、受信信号は遅延器により判定入力があるまでの時間の遅延を受ける。
【0081】
(伝送路応答推定手段の別の具体例)
本発明の伝送路応答推定手段の別の具体例を図14を用いて説明する。図14に示す伝送路応答推定手段140は、マッチドフィルタ141、乗算器142,149、トランスバーサルフィルタ143、閾値判定器144、重み係数保持器145、加算器146、メモリ147、減算器148、乗算器1410、スイッチ1411,1412より構成されている。
【0082】
RF受信回路により出力された受信信号(ベースバンド信号)は、加算器146に与えると共に、前サイクルで計算した現時刻の受信信号に重み係数保持器145より重み係数を与えて重み補正したものを、この加算器146に与えて両者を加算する。
【0083】
そして、加算器146の出力は減算器148に与えられ、ここで干渉波成分の除去が行われる。減算器148には干渉波成分が入力されており、加算器146の出力はこの減算器148により引き算されることで、干渉波成分の除去が成される。なお、干渉信号の除去は全てのユーザについて行う必要はなく、通信状況によっては干渉波成分を無入力とすることもできる。
【0084】
干渉波成分除去後の信号は、マッチドフィルタ141に入力され、拡散符号“#k”との相関特性が得られる。マッチドフィルタ141の出力信号には、適正なタイミングで、既知系列あるいは復調結果シンボルの複素共役信号が遅延要素1413を経て遅延された後に乗算される。この乗算は乗算器142によりなされ、この乗算の結果、遅延プロファイル信号が得られることになる。
【0085】
このようにして得られた遅延プロファイル信号は、スイッチ1411により適正なタイミングでメモリ147内に転送され、サンプリングされて保持される。
このメモリ147内のサンプリングされて保持された信号(サンプル値)が伝送路応答係数となり、外部に伝送路応答係数として提供される。また、メモリ147内の各サンプル値はそれぞれ独立に閾値判定器144を通過して閾値判定がなされ、閾値以下のものはカットされる。そして、これにより、低レベル成分が削除された後、トランスバーサルフィルタ143へ重み係数として入力される。
【0086】
トランスバーサルフィルタ143へは拡散信号が入力され、これと上述の重み係数とでトランスバーサルフィルタとしての処理が行われることで、出力信号を得る。トランスバーサルフィルタ143の出力信号は既知系列あるいは復調結果シンボルと共に乗算器1410に与えられて乗算され、これによって干渉信号レプリカが生成される。このようにして、伝送路応答推定手段140は、伝送路応答係数と干渉信号レプリカとを得る。
【0087】
なお、ここではユーザ“#k”についての説明を行ったが、他のユーザに対する伝送路応答推定は、マッチドフィルタの係数,入力干渉信号の組み合わせと、参照または入力復調結果を所望ユーザのものに変更することで実現できる。
【0088】
また、復調結果を用いて推定を行う場合には、受信信号は遅延器により、判定入力があるまでの時間の遅延を行い、タイミング調整を図る。
(具体例3)
本発明の別の具体例を図17に示す。この例はダイバーシチを実現するための例であり、受信装置は複数のアンテナ178を具備している。そして、それぞれのアンテナ178は異なる遅延時間の遅延器176を介して時間を異ならせた上で加算手段177により加算され、RF受信回路171に与えられて復調され、ベースバンド信号となる。なお、加算手段177による加算処理はIF(中間周波)信号段やベースバンド信号段で行うようにすることも可能である。
【0089】
RF受信回路171にて変換されたベースバンド信号は、符号同期回路172および伝送路応答推定手段173および部分最尤系列推定手段174に与えられる。符号同期回路172ではこのベースバンド信号をもとに、受信信号の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う。そして、符号同期回路172では得られた符号タイミングを、各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする伝送路応答推定手段173と、復調を行う部分最尤系列推定手段174と、後段検出手段175に与える。
【0090】
一方、部分最尤系列推定手段174では、自セル内の受信信号のうち、一部の信号、例えば、受信信号強度の強いものから順に所定のユーザ数分(例えば、Lユーザ数分)の信号について最尤系列推定を行い、また、最尤系列推定結果に対応した受信信号レプリカを受信信号から差し引いた残りの信号(残差信号)を生成して後段検出手段175に伝送する。このようにして、ベースバンド信号のうちの上述のようなLユーザ分の信号について復調し、検出データとして出力する。また、その復調したLユーザ分の信号について、受信信号レプリカを作成し、この受信信号レプリカを、おおもとの受信信号であるベースバンド信号から差し引いてその残りの信号(残差信号)を生成して後段検出手段175に与える。
【0091】
これにより、部分最尤系列推定手段174において、受信信号から信号強度の強い一部のユーザの信号が復調されることになり、復調されなかった他のユーザの信号は後段検出手段175で復調することになる。
【0092】
(最尤系列推定法)
本発明の最尤系列推定法の一具体例を図9に示す。
ボイスアクティビティを送信時のデューティ比またはスイッチング(VOX)により利用するCDMAシステムにおいては、通信中のユーザが常に電波を送出しているとは限らないので、非送信の状態(図中“0”で示されたシンボル)を加えて系列推定を行うようにする。これにより、非送信状態の信号を正確に推定することができるので、受信特性を向上することができる。
【0093】
(別の最尤系列推定法)
本発明の最尤系列推定法の別の一具体例を図10に示す。
VOXを用いたCDMA方式システムの最尤系列推定方法においては、状態数が増加するために、信号処理量もこれに伴い増加する。
【0094】
VOXのスイッチングパターンが複数シンボルを一纏まりとする場合には、非伝送状態のユーザは複数ビットにわたり、状態を制限される。従って、非送信の状態である“0”の状態を含む系列侯補は次ステージにおいても“0”となる拘束条件を付けて最尤系列推定を行うようにする。このようにすることで、信号処理量を削減できる。
【0095】
なお、図10はマルチバス伝送路あるいは各ユーザの拡散符号間に時間差がある場合の最尤系列推定の状態図である。この図には“0”を含む状態は示していないが、図9及び図10と同様、“0”状態を含めて系列推定を行うことも可能である。
【0096】
(具体例4)
CDMA方式の受信装置の別の具体例を説明する。図18および19に本発明の一具体例を示す。図18は本受信装置のブロック図であり、RF受信回路181、符号同期回路182、伝送路応答推定手段183、受信信号レプリカ生成手段184、部分系列推定器185を具備する。RF受信回路181はアンテナにより受信された信号からベースバンド信号を得る回路であり、符号同期回路182は、受信信号(ベースバンド信号)の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う回路である。伝送路応答推定手段183はRF受信回路181より与えられるベースバンド信号と符号同期回路182からの符号タイミングに基づき、各ユーザの信号が受けた伝送路応答を推定する回路である。
【0097】
受信信号レプリカ生成手段184は、伝送路応答推定手段182で得られた各ユーザの伝送路応答と、各ユーザの拡散系列の情報から各ユーザのレプリカ信号を生成するものである。また、部分系列推定器185は、図19に示すように受信すべき全ユーザを複数のグループに分割し、系列推定を行うものである。この系列推定は、グループ内ユーザの情報シンボルの全組み合わせをステートとし、各グループ化されたステート間で系列推定の生き残りパス選択を行い、復調を行うものである。
【0098】
このような構成の本装置は、基地局からの送信信号をアンテナにより受信する。そして、この受信された基地局からの送信信号は、RF受信回路181に送られることにより、ベースバンド信号に変換される。RF受信回路181にて変換されたベースバンド信号は、符号同期回路182および伝送路応答推定手段183および部分最尤系列推定手段184に与えられる。
【0099】
符号同期回路182ではこのベースバンド信号をもとに、受信信号の中から各ユーザの拡散符号に対して同期捕捉及び保持を行う。そして、符号同期回路182では得られた符号タイミングを、各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする伝送路応答推定手段183と、復調を行う部分最尤系列推定手段185に与える。
【0100】
伝送路応答推定手段183では、上記の符号タイミングに基づき、上記ベースバンド信号を処理して各ユーザの信号が受けた伝送路応答の推定をする。
一方、受信信号レプリカ生成手段184は、伝送路応答推定手段182で得られた各ユーザの伝送路応答と、各ユーザの拡散系列の情報から各ユーザのレプリカ信号を生成する。また、部分系列推定器185では、図19に示すように受信すべき全ユーザを複数のグループに分割し、系列推定を行う。この系列推定は、グループ内ユーザの情報シンボルの全組み合わせをステートとし、各グループ化されたステート間で系列推定の生き残りパス選択を行い復調を行うものである。
【0101】
各ステートには判定系列候補を保持するメモリと、受信信号から判定系列侯補のレプリカ信号を差し引いた残差信号を保持するメモリとが用意されており、決定されている情報シンボルの干渉を除去しつつ系列推定を行う。この受信方式を用いることにより、少ない演算量で良好な受信特性を得ることができるようになる。
【0102】
(具体例5)
別の受信装置の具体例を図20を用いて説明する。
図20に示すように、この受信装置はRF受信回路201、符号動機回路202、伝送路応答推定手段203、レプリカ生成手段204、部分系列推定器205,206−1〜206−nを備える。RF受信回路201は図18のRF受信回路101に対応し、符号同期回路202は図18の符号同期回路182に対応し、伝送路応答推定手段203は図18の伝送路応答推定手段183に対応し、レプリカ生成手段204は図18のレプリカ生成手段184に対応し、部分系列推定器205,206−1〜206−nは図18の部分系列推定器185に対応する。
【0103】
本具体例の受信機構成は基本的に図18に示したものと同一であるが、部分系列推定器がカスケード接続され、いわゆるマルチステージ受信と同様の構成となる。
【0104】
この時、初段の部分系列推定器205は上述の部分系列推定器185と全く同一のアルゴリズムで動作するが、カスケード接続2段目以降の後段部分系列推定器206は前段で判定された結果を用いて、系列推定候補以外のユーザの情報シンボルを拘束して系列推定を行うものである。
【0105】
このような手法を採ることにより、受信特性の更なる向上を図ることができる。
以上、種々の具体例を説明したが、これらは独立構成で説明したために、同じ処理を行う手段を重複して記述した。しかし、これらを組み合わせて受信装置を実現する場合には重複する処理系は省略することができる。また、以上の本発明の受信装置の構成要素は物理的に分離する必要はなく、単体あるいは複数の信号処理プロセッサ上で構成することも可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明にかかるCDMA方式の受信装置では、システムの運用状態、あるいは受信信号電力に応じて最尤系列推定のためのステート数を制限することで、受信装置の演算処理量を削減する。また、本発明の受信方式では、ボイスアクテイビティを利用するために送信信号のデューテイーサイクルの変化するようなシステムにおいても、情報判定以外に信号が送信されているか否かを判定することで、特性劣化無しに最適受信を実現できる。さらに、本発明の受信方式では各信号の伝送路応答に応じた受信信号レプリカを用いて最尤系列推定を行うことでダイバーシチ効果が期待でき、さらに、大きなレベルの遅延信号が無い伝送路環境では、複数のアンテナで受信した信号をそれぞれ時問の異なる遅延素子で遅延させた後に合成し、これを新たな受信信号として扱い、最適受信を行うことでダイバーシチ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CDMAセルラーシステムを示す図。
【図2】CDMAシステムの周波数領域における干渉信号の様子を示す図。
【図3】本発明の受信方式を採用した受信装置の構成例を示す図。
【図4】本発明の受信方式における部分最尤系列推定器の構成例を示す図。
【図5】本発明の受信方式を採用した受信装置における別の構成例を示す図。
【図6】本発明の受信方式における後段検出器の構成の一例を示す図。
【図7】本発明の受信方式における後段検出器の構成の別の一例を示す図。
【図8】本発明の受信方式における後段検出器の構成の別の一例を示す図。
【図9】本発明の部分最尤系列推定の系列推定方法を示す状態図の一例(2ユーザの場合)。
【図10】本発明の部分最尤系列推定の系列推定方法を示す状態図の別の一例(2ユーザの場合)。
【図11】本発明の部分最尤系列推定の系列推定方法を示す状態図の別の一例(2ユーザ1シンボル遅延の場合)。
【図12】本発明の受信方式における受信信号レプリカ生成手段の構成例を示す図。
【図13】本発明の受信方式における伝送路応答推定手段の構成例を示す図。
【図14】本発明の受信方式における伝送路応答推定手段の別の構成例を示す図。
【図15】本発明の受信方式における受信処理手順の一例を示す図。
【図16】本発明の受信方式における受信処理手順の別の一例を示す図。
【図17】本発明の受信方式構成の別の一例を示す図。
【図18】本発明の受信装置構成の一例を示す図。
【図19】本発明の受信方式の一例を示す図。(−グループ内3ユーザ,2値変調の場合の状態遷移図)
【図20】本発明の受信装置構成の別の一例を示す図。
【符号の説明】
11…セル
12,14…CDMA基地局
13,15…端末装置
31,5、1…RF受信回路
32,52…拡散符号同期手段
33,53…伝送路応答推定手段
34,40,54,55,56…部分最尤系列推定手段
35,60,70.80…後段検出手段
41…ユーザソーティング手段
42…受信信号レブリカ生成手段
43…部分系列侯補生成及び最尤系列推定手段
44,148…減算器
61…#L+1ユーザ信号受信機
62…#L+2ユーザ信号受信機
63…#L+3ユーザ信号受信機
64…#Kユーザ信号受信機
71…Decorrelator受信機
72…乗算器
73…判定器
81…“#L+1”ユーザ信号受信/除去器
82…“#L+2”ユーザ信号受信/除去器
83…“#K”ユーザ信号受侶器
121…伝送路応答推定及びユーザソーティング手段
122…拡散系列生成手段
123…伝送路応答情報メモリ
124…フイルタ
125…畳み込み演算器
126…受信信号レプリカメモリ
130,140…伝送路応答推定手段
131,141…#kユーザ用相関器(またはディジタルマッチドフィルタ)
132,142,1410…乗算器
133…シフトレジスタ
135.145…帰還重み
136,146…加算器
137,147…メモリ
143….トランスバーサルフイルタ
149…複素共役演算器
1411,1412…スイッチ
1413…遅延器
135.145…帰還重み
136,146…加算器
137,147…メモリ
143…トランスバーサルフイルタ
149…複素共役演算器
181,・201RF受信回路
182,202…符号同期回路
183,203…伝送路応答推定及びユーザソーティング手段
184,204…受信信号レプリカ生成手段
185,205…部分系列推定手段
206−1〜206−n…後段用の部分系列推定手段
1411,1412…スイッチ
1413…遅延器

Claims (14)

  1. 異なる拡散符号を用いて複数のユーザ信号が多重化されたCDMA(符号分割多元接続)信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信された前記CDMA信号に含まれる各ユーザ信号が受けた伝送路応答を各ユーザ信号に対応する各拡散符号に対して推定する伝送路応答推定手段と、
    前記受信手段で受信された前記CDMA信号に含まれる複数のユーザ信号のうちの所定数のユーザ信号について最尤系列推定を行って、当該所定数のユーザ信号を復調する第1の部分最尤系列推定手段と、
    前記受信手段で受信された前記CDMA信号から前記所定数のユーザ信号が除去された第1の残差信号を生成する生成手段と、
    前記第1の残差信号から、前記所定数のユーザ信号以外のユーザ信号を復調する第1の復調手段と、
    を具備することを特徴とする受信装置。
  2. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、前記伝送路応答推定手段により得られた各拡散符号に対する伝送路応答の時間応答のうち最も大きな振幅成分を拡散符号毎に比較して、前記複数のユーザ信号のなかから前記振幅成分の大きい順に前記所定数のユーザ信号を選択することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、前記伝送路応答推定手段により得られた各拡散符号に対する伝送路応答の時間応答成分を電力加算し、拡散符号毎に比較した結果から、前記複数のユーザ信号のなかから前記電力成分の大きな順に前記所定数のユーザ信号を選択することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  4. 前記第1の部分最尤系列推定手段で部分最尤系列推定を行うユーザ信号の数は、多重化されるユーザ信号の数の増加に従って指数関数的に増加する最尤系列推定の演算量を削減するために定められていることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  5. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、
    前記所定数のユーザ信号のそれぞれに対応する複数の情報シンボルを組み合わせて生成された各判定系列侯補について、前記所定数のユーザ信号のそれぞれに対応した拡散符号を用いて拡散して得られた複数の拡散系列のそれぞれに対し、対応した伝送路応答を畳み込み演算することで受信信号レプリカ侯補を生成し、前記所定数のユーザ信号と前記受信信号レプリカ侯補の和の信号の誤差電力が最小となる判定系列候補を復調結果として出力することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  6. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、
    判定系列侯補中の少なくとも1つの情報シンボルに対する受信信号レプリカを保持するための記憶手段と、最尤系列推定の復調結果を示す情報シンボルと前記記憶手段に蓄えられている受信信号レプリカの乗算を行うための乗算手段と、を具備していることを特徴とする請求項記載の受信装置。
  7. 前記生成手段は、前記復調結果に対応する受信信号レプリカの和を前記CDMA信号から差し引いた前記第1の残差信号を生成することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  8. 前記第1の復調手段は、前記第1の残差信号を前記所定数のユーザ信号以外の各ユーザ信号の各拡散符号に対応するマッチドフィルタを通過させることにより、前記所定数のユーザ信号以外の各ユーザ信号を復調することを特徴とする請求項8記載の受信装置。
  9. 前記伝送路応答推定手段は、推定結果の伝送路応答のサンプリング値を保持しておくための記憶手段を具備していることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  10. 複数のアンテナと、各アンテナに対し拡散符号の1チップ周期以上の遅延時間を持つ異なる遅延素子と、前記各遅延素子の出力を加算する信号合成手段と、をさらに具備していることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  11. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、ユーザ信号で信号が伝送されていない状態を示す情報シンボルを有する判定系列候補を含む複数の判定系列候補を生成することを特徴とする請求項記載の受信装置。
  12. 前記第1の復調手段は、
    前記第1の残差信号に含まれる複数のユーザ信号のうちの所定数のユーザ信号についてのみ最尤系列推定を行って、当該所定数のユーザ信号を復調する第2の部分最尤系列推定手段と、
    前記第1の残差信号から前記所定数のユーザ信号が除去された第2の残差信号を生成する生成手段と、
    前記第2の残差信号から、前記所定数のユーザ信号以外のユーザ信号を復調する第2の復調手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  13. 前記第2の最尤系列推定手段は、ユーザ信号で信号が伝送されていない状態を示す情報シンボルを有する判定系列候補を含む複数の判定系列候補を生成して、最尤系列推定を行うことを特徴とする請求項12記載の受信装置。
  14. 前記第1の部分最尤系列推定手段は、前記受信手段で受信された前記CDMA信号に含まれる複数のユーザ信号のうち、受信電力強度の最も強い第1のグループのユーザ信号を最尤系列推定を行って復調し、
    前記第2の部分最尤系列推定手段は、前記第1の残差信号に含まれる複数のユーザ信号のうち、受信電力強度が次に強い第2のグループのユーザ信号を最尤系列推定を行って復調することを特徴とする請求項12記載の受信装置。
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