JP3714653B2 - 盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法 - Google Patents

盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に水位の上昇する虞れのある箇所に使用して好適な、盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、軟弱地盤、急傾斜地盛土、構造物の裏込め、直立壁などで荷重軽減および土圧低減を図る場合は、土に代えて発泡合成樹脂からなるブロックを積み重ねていく工法が広く採用されている。
【0003】
このような工法は、一般にEPS工法と称されているが、このような工法には、例えば、以下のような利点がある。
すなわち、
(1)発泡樹脂ブロックの単位体積重量は土砂の約1/100であり、軟弱地盤上の盛土として適用する場合、盛土荷重を大幅に低減できるとともに、取扱いが容易であることから作業性が良好である。
【0004】
(2)土と違って塑性領域に入っても一軸方向の圧縮力が卓越しており、明確なせん断領域が発生しないなど、耐圧縮性に優れている。
(3)自立性が良く、直立に積み上げた場合にも自立面が形成され、その上に荷重が作用した場合でも、側方への変形が極めて小さい。したがって、橋台や擁壁などの裏込材として利用した場合に、背面の土圧を大幅に低減することができる。
【0005】
(4)独立気泡を内蔵した合成樹脂の発泡体であるため、通常の施工状態では、吸水による材料特性の変化がなく、耐水性に優れている。
(5)積み重ねには、大型建設機械が必要でなく、人力での施工が可能であるため、施工速度が早いとともに、傾斜地など大型機械の使用が難しい所での施工が容易である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような盛土用発泡樹脂ブロックであっても、軽量であるが故に、軟弱地盤などで用いると、水位の上昇、季節的な降雨、洪水などが生じた場合に、発泡樹脂体ブロックそのものが冠水してしまう虞れがあり、その場合、発泡スチロールのブロックに、非常に大きな浮力が作用してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑み、例えば水位が上昇し易い箇所で使用する場合にも、浮き上がってしまう虞れがなく、ひいては、水が退いた場合の排水能力も優れた盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックは、
発泡樹脂ブロック本体に、複数の水溜部を略格子状に形成するとともに、各水溜部の少なくとも二側壁に縦溝を形成し、さらにこれら格子状の水溜部の一方面を一体的に覆う天井板を配設し、この天井板の外表面に排水溝を設けるとともに、この排水溝の底部から前記各水溜部内に貫通する小孔を複数個形成したことを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックは、
前記縦溝の一端は、前記天井板が配置されていない開口面側に開口しているとともに、前記縦溝の他端は前記天井板から所定距離離反して形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックは、
前記発泡樹脂ブロック本体の最外側壁には、上下方向に延びる凹陥部が複数個形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る盛土用ユニットは、上記いずれかの2つの盛土用樹脂発泡体ブロックの開口面同士を合致させたことを特徴としている。
このような盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニットによれば、上面、及び/又は下面から小孔、縦溝あるいは水溜部を介して水が浸入して水位が上昇した場合であっても、発泡樹脂ブロックの浮力が小さいので、発泡樹脂ブロック自体が浮き上がってしまうことが防止され、構造物への影響は少ない。また、水位が下がった場合には、水溜部内の水は、それらの小孔および縦溝を介して外方に排出されることになる。
【0012】
また、本発明に係る盛土用ブロックを用いた構築体は、上記盛土用ブロックを同一向きに積載してなることを特徴としている。
また、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックを用いた構築体は、上記盛土用ユニットを複数個用意し、これらの盛土用ユニットを多段に重ね合わせてなることを特徴としている。
【0013】
このような構築体によれば、軟弱地盤等に土の代わりの盛土として、安定した状態で積載することができる。また、水溜部内への水の取り入れおよび排出を容易に行うことができる。また、盛土用ユニットの突き合わせ部に排出された水を、上記凹陥部を介して下方に案内することができる。
【0014】
また、本発明に係る盛土構築方法は、
上記の盛土用発泡樹脂ブロックからなる構築体を水位が上昇する箇所に土の代わりに配置し、水位が高まった場合に、小孔あるいは縦溝を介して樹脂発泡体ブロックの水溜部内に水を取り込むとともに、水位が下がった場合に、小孔あるいは縦溝を介して水を外方に排出するようにしたことを特徴としている。
【0015】
このような盛土構築方法によれば、土に代えて、軟弱地盤上の盛土、急傾斜地盛土、構造物の裏込め、直立壁などに適用した場合に、安定した状態で積載することができるとともに、水が上昇してきても、浮き上がったりしてしまうことがなく、また、排水が容易であり、土に代わる盛土として好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図1ないし図4は、本発明の一実施例による盛土用発泡樹脂ブロックを示したもので、図1は一部破断斜視図、図2は平面図、図3は底面図、図4は側断面図である。なお、この盛土用発泡樹脂ブロックは2つ一組にして用いるため、上下の区別はないが、便宜上、図1は裏返して見た時の斜視図とする。
【0017】
この盛土用発泡樹脂ブロック1は、具体的には発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリ塩化ビニルおよび発泡ポリオレフィンのように、合成樹脂を発泡することにより、一体的に成形される樹脂発泡体である。単位体積重量は、例えば、0.030〜0.100t/m3 であり、実施例では、0.050t/m3 程度のものが使用されている。このような盛土用発泡樹脂ブロック1は、発泡体であるため、全体的に軽量で取扱い易く、また、その浮力を生かすことで軟弱地盤上であっても沈み込みが起こることはない。
【0018】
盛土用発泡樹脂ブロック1のサイズは、特に制限はないが、例えば1000×1000×250mmというようなサイズの大きい樹脂発泡体が作業能率上好ましい。
【0019】
盛土用発泡樹脂ブロック1は、一方面が開口した発泡樹脂ブロック本体1aを有し、他方面は、平板状の天井板5により覆われている。
また、発泡樹脂ブロック本体1aには、全体に格子状の仕切壁4を設けることにより、荷重に対する強度を弱めることなく、しかもこれらの間に、水を貯留することが可能な複数の水溜部2を画成している。なお、実施例のように16分割された水溜部2を設けた場合の仕切壁4の厚さは、約60mm程度であり、また仕切壁4は、開口端から基端側に向かうほどその厚さは厚くなっている。これらの厚さは、荷重に耐えられるように水溜部2の大きさ等により、適宜な値に設定される。さらに、水溜部2の四側壁には、厚さ方向に縦溝3が形成されている。このような水溜部2に形成する縦溝3は、水の流れを考慮すると、四側壁全てに形成されることが好ましいが、二側壁であっても良い。また、二側壁に縦溝3を形成する場合、互いに対向する二側壁であることが好ましい。なお、この縦溝3は、一つの仕切壁4に2つ以上形成されていても良い。また、縦溝3の長さは、実施例では発泡樹脂ブロック本体1aの高さの約半分程の長さであるが、水を周囲に流通することができれば、その長さに限定はなく、例えば10mm程度のものであっても良く、要は、その一端3aが、発泡樹脂ブロック本体1aの開口面に開口しており、他端3bが、天井板5から離反していれば良い。
【0020】
このように、水溜部2および縦溝3を設けた発泡樹脂ブロック本体1aであっても、仕切壁4の基端側は、全てつながっており一体構造であるため、この上に大荷重が掛かった場合にも変形が少なく充分な耐力が発揮される。したがって、上部に土砂が埋め戻されれば、その上を車が通ることができる。
【0021】
一方、天井板5の外表面には、図2に示されるように、例えば、くの字を放射状に拡開したような排水溝7が全面に形成されている。さらに、この排水溝7には、その底面から水溜部2に向かって延びる小孔8が貫通して形成されている。
【0022】
なお、本実施例では、1つの水溜部2内に4つの小孔8が開口するように構成されているが、この小孔8の数も実施例に限定されない。なお、小孔8の大きさは、実施例では10mmの大きさを有している。
【0023】
また、発泡樹脂ブロック本体1aの最外壁には、縦溝3の周囲に凹陥部11が上下方向に形成されている。この凹陥部11を設けることにより、2つの発泡樹脂ブロック本体1aを横方向に突き合わせた場合に、隣接するブロック本体間に間隙が形成されるようになっている。
【0024】
本実施例に係る盛土用発泡樹脂ブロック1は、上記のように形成されているが、以下にその使用例について説明する。
この盛土用発泡樹脂ブロック1は、湖沼跡などの軟弱地盤を始めとし、水の多い箇所での盛土材として好適に使用することができる。更に、通常の道路盛土、地滑り地の盛土、拡幅盛土、急傾斜地拡幅盛土、水路基礎、仮説道路、埋設管基礎・保護など、種々の現場において、土に代えて使用することができる。その場合、図5に示したように、盛土用発泡樹脂ブロック1の開口面同士を互いに合致させて、1つのユニットとして使用することができる。
【0025】
このように、2つの盛土用発泡樹脂ブロック1を互いの開口面同士を合致させることにより、内部に中空部を有する盛土用ユニット20が構成される。
このような盛土用ユニット20では、一対の盛土用発泡樹脂ブロック1間における互いの受面積が大きく、しかも、基部側は全て一体的につながっているため、荷重が加わっても変形が生じ難くなっている。
【0026】
このような盛土用ユニット20を一つの単位として、高さ方向および幅方向に重ね合わせていくことにより、所定の範囲に発泡樹脂ブロックを土の代わりに敷設することができる。このように並べると、各ユニット20内には、所定間隔置きに格子状の仕切壁4が突き合わされるので、これらの仕切壁4がリブのような柱となって、荷重に対する圧縮強度を大きく維持することができる。
【0027】
なお、上下方向に積載された各盛土用ユニット20間では、いずれかの排水溝7は互いに連通しているが、小孔8同士は直線状に連通しているとは限らない。このような盛土用ユニット20を上下左右方向に積載すると、雨などが降って上方から水が接近してきた場合には、例えば、外表面の排水溝7を介して水が流れるとともに、さらに小孔8を介して、あるいは周囲の縦溝3を介して水溜部2内に、それらの水を取り込むことができる。これにより、この発泡樹脂ブロック1の比重を高めることができ、浮力に対するカウンターとなって、水で冠水したときの浮力を極力抑えることができる。また、幾段にも重ねた場合に、上位の盛土用ユニット20側から下方の盛土用ユニット20側に水が流下するが、その場合も、2つのユニット間の排水溝7、7は、何れかの箇所で互いに連通しているので、これらの排水溝7を流れて、下方のユニット20内の水溜部2内に取り込むことができる。また、縦溝3も天井板5に連通していないため、1つの盛土用ユニット20に溜まった水分がそのまま外方に流れてしまうようなこともなく、天井板5の周囲に保持することができる。
【0028】
また、横方向に並べられた発泡樹脂ブロック1、1間には、凹陥部11が所定間隔置きに形成されているので、隣接するブロックの突き合わせ部に流れてくる水を、速やかに下方に流すことができる。したがって、横方向の突き合わせ部に水が滞留してしまうこともない。
【0029】
したがって、本発明によれば、仮に盛土用発泡樹脂ブロック1が冠水したとしても、内部に取り込まれた水により、浮き上がりを防止することができる。また、水位が下がった場合には、水溜部2内に貯留された水を、縦溝3および小孔8あるいは凹陥部11を介して上下方向あるいは横方向に速やかに排出することができる。
【0030】
一方、上方からの水に代え、下方から地下水などが上昇してきた場合にも、盛土用ユニット20を構成する下位の盛土用発泡樹脂ブロック1の小孔8あるいは周囲の縦溝3を介して、内部に水を取り込むことができる。その場合に、盛土用ユニット20を構成する上位の発泡樹脂ブロック1の小孔8は空気孔として機能するので、水溜部2内部の空気を速やかに外方に逃がすことができる。これにより、水の侵入を速やかに行うことができる。
【0031】
このように、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックによれば、下方から水が上昇してくる軟弱地盤等に使用した場合にも、これらを簡単に積み重ねていくことができるとともに、浮力対策を行うことができる。
【0032】
また、この盛土用発泡樹脂ブロックを使用した構築体として、様々な分野で使用することができるが、例えば、地滑り地の盛土、公園盛土、拡幅盛土、急傾斜地拡幅盛土、水路基礎、埋設管基礎、U字溝周辺の盛土、仮設道路、堤防背面の盛り上げ盛土など、様々な構築体に適用することができる。
【0033】
このような本発明によれば、隣接する水溜部2同士を縦溝3で相互に連通するとともに、天井板5に排水溝7を設け、この排水溝7に小孔8を形成しているので、上方、下方あるいは側方のいずれの方向から水が近寄ってきて、水位が高さ26の位置にあるとしても、図7に示したように、これらの水を速やかに内部に取り込むことができる。また、これとともに、周囲から水が退いた場合には、内部の水を上下方向あるいは横方向に速やかに排出することができる。
【0034】
したがって、冠水した場合にも、発泡樹脂ブロック内に荷重がかかったままになることはない。
また、本実施例による盛土用ユニット20では、上下の開口面がそれぞれ天井板5で閉塞されているので、敷設作業中に、この内部に工具などを落としてしまうこともなく、作業性は良好である。
【0035】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。
例えば、図5のAで示すように、発泡樹脂ブロック本体1aの開口端面には、2個の発泡樹脂ブロック本体で一対となるように組付けた際に、互いに嵌合することのできる凹凸嵌合部を形成しておば、両者の位置決めが容易となり好ましい。
【0036】
このような凹凸嵌合部を開口端面の適宜箇所に適宜数設ければ、2つの発泡樹脂ブロックを組付けて盛土用ユニット20を構成した場合に、位置決めが容易となり、組付けた状態で左右方向にずれたりすることがない。また、このような凹凸嵌合部は、どのような形状の嵌合であっても良い。
【0037】
さらに、上記実施例における排水溝7の全体的な形状は、実施例に限定されない。排水溝7は外表面に集まった水を水溜部2内に導くことが可能であれば、他の形状であっても何ら構わない。さらに、上記のような発泡樹脂ブロックを盛土として使用する場合に、図6に示したように、冠水し易い下層部のみにこのような盛土用ユニット20を配置し、冠水の虞れのない表層部においては、空間部のない密に構成された通常の発泡樹脂ブロック31を敷並べることもできる。
【0038】
このように2種類の発泡樹脂ブロックを上層と下層とに区分して敷き並べるとともに、周囲を土22で埋設し、さらにその上部を採石23やアスファルト24で仕上げることができる。
【0039】
このようにして、盛土用ユニット20を何段か積載すれば、図7に示したように、上方から水分が押し寄せてきた場合であったも、また下方から水分が上昇してきた場合であっても、小孔8あるいは縦溝3を介して水溜部2内に周囲の水を速やかに取り入れることができ、また排水性も良好である。
【0040】
また、以上の実施例では、樹脂発泡体ブロック1を開口面同士合致させて盛土用ユニット20を構築しているが、これに代え、図8に示したように、例えば、軟弱な地盤14の上にポリエチレンシート15などを敷設し、その上部に複数の発泡樹脂ブロック1を同一の向きに多段に重ね合わせていくこともできる。このような構築体40であっても、内部の水溜部2内に水を溜めることができ、また、その排水性も良好である。
【0041】
また、上記実施例では、各水溜部2の四側壁にそれぞれ縦溝3を形成したが、図9に示したように、例えば8分割された水溜部2を有する盛土用発泡樹脂ブロック50などの場合は、全ての側壁に縦溝3を形成しないで二側壁に縦溝3を形成すればよい。このように、水溜部2に形成する縦溝3の数は上記実施例に限定されず、少なくとも二側壁に形成されていれば良い。また、二側壁に限定する場合は、互いに対向する二側壁であることが好ましい。
【0042】
このような縦溝3であっても、水溜部2内に、水を導入することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニットによれば、上方向あるいは下方向からの水のより冠水した場合であっても、それらの水を発泡樹脂ブロック本体の内部に画成された水溜部内に、縦溝、排水溝および小孔を介して速やかに取り入れることができるので、浮力を極力小さくすることができる。一方、水の水位が下がった場合に、その水を上下左右方向に速やかに排出することができるので、盛土用ユニットが重くなることもない。また、天井板に形成された孔は、水を溜めたい場合に空気孔としても機能させることができる。
【0044】
また、発泡樹脂ブロック本体の最外側壁に、凹陥部が形成されているので、横方向に隣接する発泡樹脂ブロック間に滞留する水を、速やかに下方に流すことができる。
【0045】
さらに、本発明に係る盛土用ユニットによれば、水溜部を構成する格子状の側壁は、基部側が全てつながっており一体構造であるため、荷重に対する強度を充分保持することができる。
【0046】
また、本発明に係る構築体によれば、荷重をかけたくない箇所などに、土の代わりに壁面等を構築することができ、軽量で、作業性が良好であるとともに、水が冠水したとしても、その浮力を極力抑えることができる。また、水が退いた場合に縦溝、小孔、排水溝、凹陥部を介して速やかに排水することができる。また、格子状に拡がる水溜部の側壁は、基部側がつながった一体構造であるので、充分な圧縮強度を有しており、したがってその構築体の上に車などを通らせることもできる。
【0047】
また、本発明に係る盛土構築方法によれば、仕切壁が格子状に存在するので、荷重に対する圧縮強度を平均的に維持することができる。また、水の取り入れおよび排出を、上下方向あるいは横方向のいずれの方向からも行うことができる。
【0048】
このように本発明に係る盛土構築方法によれば、浮力対策も充分兼ね備えているとともに、排水性も良好であるので、土に代わる盛土工法として軟弱地盤等に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る盛土用樹脂発泡ブロックを一部破断して示す斜視図である。
【図2】図2は同発泡樹脂ブロックの平面図である。
【図3】図3は同発泡樹脂ブロックの底面図である。
【図4】図4は同発泡樹脂ブロックの断面図である。
【図5】図5は同発泡樹脂ブロックを2つ組み合わせた盛土用ユニットの断面図である。
【図6】図6は本発明に係る盛土構築方法により構築された盛土道路の破断斜視図である。
【図7】図7は本発明に係る盛土用ユニットの作用を示す断面図である。
【図8】図8は本発明に係る他の構築体を示した断面図である。
【図9】図9は本発明に係る他の実施例による盛土用発泡樹脂ブロックの底面図である。
【符号の説明】
1 盛土用発泡樹脂ブロック
1a 発泡樹脂ブロック本体
2 水溜部
3 縦溝
3a 一端部
3b 他端部
7 排水溝
8 小孔
20 盛土用ユニット
50 盛土用発泡樹脂ブロック

Claims (7)

  1. 発泡樹脂ブロック本体に、複数の水溜部を略格子状に形成するとともに、各水溜部の少なくとも二側壁に縦溝を形成し、さらにこれら格子状の水溜部の一方面を一体的に覆う天井板を配設し、この天井板の外表面に排水溝を設けるとともに、この排水溝の底部から前記各水溜部内に貫通する小孔を複数個形成したことを特徴とする盛土用発泡樹脂ブロック。
  2. 前記縦溝の一端は、前記天井板が配置されていない開口面側に開口しているとともに、前記縦溝の他端は前記天井板から所定距離離反して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  3. 前記発泡樹脂ブロック本体の最外側壁には、上下方向に延びる凹陥部が複数個形成されていることを特徴とする請求項1に記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載された2つの盛土用樹脂発泡体ブロックの開口面同士を合致させてなることを特徴とする盛土用ユニット。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載された盛土用ブロックを同一向きに積載してなることを特徴とする構築体。
  6. 請求項4に記載された盛土用ユニットを複数個用意し、これらの盛土用ユニットを多段に重ね合わせてなることを特徴とする構築体。
  7. 請求項4に記載された盛土用ユニットを水位が上昇する高さまで配置し、水位が高まった場合に、小孔あるいは縦溝を介して樹脂発泡体ブロックの水溜部内に水を取り込むとともに、水位が下がった場合に、小孔あるいは縦溝を介して水を外方に排出するようにしたことを特徴とする盛土用発泡樹脂ブロックを使用した盛土構築方法。
JP02864998A 1998-02-10 1998-02-10 盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法 Expired - Lifetime JP3714653B2 (ja)

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