JP3712523B2 - 制振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的振動或いは流体的脈動等の小入力レベルの定常的な振動及び風、地震等の大入力レベルの過渡的な振動のいずれに対しても、制振対象物を有効に制振させることができる制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
制振対象物のまわりに転動自在の球を配置して制振するための制振装置が、例えば特開昭57-134037 号公報及び実公平2-8117号公報に開示されている。
前者の制振装置は、図7に示すように、垂直支持された柱体100 を制振対象物とし、この柱体100 に付設したフランジ状の支持具110 と、この支持具110 からコイルバネ120 を介して垂下したリング状の重り130 とを有し、リング状の重り130 の上面には、柱体側に向かって下方に傾斜した溝140 が形成され、この溝140 には複数の球150 が転動自在に配置されている。この構成により、柱体100 の振動が大振幅及び小振幅のときに、柱体100 にはそれぞれリング状の重り130 及び複数の球150 が衝突し、それによって制振効果を発揮する。
【0003】
後者の制振装置は、フライホイールを制振対象物とし、フライホイール本体内部に円弧状転動面を形成し、この転動面に沿って転動自在の球を収容してある。この構成のもとで、球が転動面を転動する場合の固有振動数をフライホイールの振動周波数と一致させるべく、転動面の曲率半径、球の半径及び重量を適宜設定することにより、球をダイナミックダンパとすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の制振装置の場合、大振幅時にはリング状の重り130 自体が柱体に衝突することから、その制振効果は大きいが、小振幅時には複数の球150 が衝突するに過ぎないので、発生する衝突エネルギーが小さく、大振幅時ほどの制振効果は望めない。
又後者の制振装置の場合、エンジン駆動伝達系からの小さな振動に対しては、球の転動を利用したダイナミックダンパによる制振効果は大きいが、大振幅に対しては、円弧状転動面と球との衝突では、大きな衝突エネルギーの発生は期待できない。
この場合、大小両振幅に対して対処するために、制振対象物に対して両制振装置を設けるのでは、制振装置自体が大型化するとともに、コスト増大も引き起こす。特に、複数の入り組んだ配管を制振対象物とする場合には、有効スペースが限られているため、制振装置の設置自体が困難となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、機械的振動或いは流体的脈動等の小入力レベルの定常的な振動及び風、地震等の大入力レベルの過渡的な振動のいずれに対しても、有効に制振効果を発揮することのできる簡便な制振装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明による制振装置は、制振対象物に対して固定され、その内部に中空部を備えたボックス構造体と、該ボックス構造体の中空部に収容された球殻体と、該球殻体の内部に運動自在に収容された球状の第1制振手段とを有し、前記ボックス構造体は、制振対象物に所定値未満の小入力レベルの振動が作用したときには、前記球殻体をその位置に保持するとともに、所定値以上の大入力レベルの振動が作用したときには、前記球殻体をその中空部の底面で支持する支持手段を有し、さらに所定値以上の大入力レベルの振動が作用したときには、前記ボックス構造体の中空部内における前記球殻体の運動を利用して制振を行う第2制振手段を中空部内に有し、前記球殻体は、その内面が前記球が転動できるような球状転動面として形成されている構成としてある。
【0007】
又、前記第2制振手段は、前記ボックス構造体の中空部に前記運動する球殻体と衝突するように設けられたバネ付き衝突板であるのがよい。
さらに、前記第2制振手段は、前記ボックス構造体の中空部に充填した高粘性液体であってもよい。
【0008】
【作用】
本発明の制振装置によれば、所定値未満の小入力レベルの振動が制振対象物に加えられると、制振対象物に固定されたボックス構造体に該振動が伝えられ、ボックス構造体の中空部に収容された球殻体は、支持手段によってボックス構造体の底面で支持された状態で、球殻体の内部に運動自在に収容された球状の第1制振手段が、該振動に同調して、球殻体の球状転動面に沿って円運動を行い、その結果制振対象物の振動を低減させることができる。
一方、所定値以上の大入力レベルの振動が制振対象物に加えられると、球殻体は、ボックス構造体の中空部内で運動し、ボックス構造体の中空部内に設けた第2制振手段が、この運動を利用して制振対象物の振動を低減させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を、図1乃至図5を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る制振装置10は、主配管12から上方に延びる分岐管14に設けたバルブ装置16を制振対象物とし、バルブ装置16の直ぐ上方で分岐管14に固定されている。
図2に示すように、制振装置10は、分岐管14への取り付けの便宜上、2分割の半割り状の構成とし、分岐管14のまわりで各半割り部を合わせて中央開口48を形成してドーナツ状としつつ、取り付けバンド50により迅速且つ容易に分岐管14に取り付けることができる。
【0010】
図3を参照すれば、制振装置10は、分岐管14に対して固定されたボックス構造体18を有し、このボックス構造体18は、内部にドーナツ状の中空部を備え、この中空部はさらに、6つの隔壁20によって分岐管14のまわりで円周方向等角度間隔に6つの中空部22に仕切られている。各中空部22には、球殻体24が収容され、この球殻体24の内部26には、球28が収容されている。ボックス構造体18、球殻体24、球28ともに金属製が好ましい。
各中空部22の下面30には、球殻体24を支持するための窪み32が形成されている。これにより、主配管12の機械的振動等小入力レベルの定常的な振動の際、球殻体24が中空部22内で静置するようになっている。各球殻体24には、その内面に球28が転動できるような球状転動面34が形成されている。
【0011】
さらに各中空部22において、球殻体24を四方に取り囲む内面、即ち隔壁20によって形成された内面36、38及び環状内面40、42それぞれからバネ44を介して衝突板46が球殻体24に向かって設けられている。これにより、地震等の大入力レベルの過度的な振動の際、球殻体24が窪み32から転がり出て、中空部22内で暴れ、衝突板46に繰り返し衝突することにより、振動エネルギーが衝突エネルギーとして吸収されるようになっている。
次に図4及び図5を参照しながら、以上の構成を有する制振装置10の作用を以下に説明する。
図4は、(b)に示すように、所定値未満の小入力レベルの定常的な振動がバルブ装置16に入力された場合であり、(a)及び(d)が示すように、球殻体24は窪み32で支持された状態で、(a)の矢印Aが示すように、球殻体24の内部26内で球28が回転運動を行う。このとき、(b)及び(d)を比較すればわかるように、回転により発生する転がり摩擦力が外部振動に対して位相が90°ずれた減衰力として作用するので、(c)に示すように、振動が抑制される。一方、図5は、(b)に示すように、所定値以上の大入力レベルの過度的なランダム振動がバルブ装置16に入力された場合であり、(a)及び(d)が示すように、球殻体24は窪み32から転がり出て、(a)の矢印Bが示すように、ボックス構造体18の中空部22内で暴れ、四方に設けられた衝突板46と衝突を繰り返すことにより、(c)に示すように、バルブ装置16の振動が低減される。なお、振動が停止したとき、球状の球殻体24は、転がりながら中空部22内で窪み32が設けられた原位置に戻るようになっている。
【0012】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6を参照しながら、以下に説明する。以下の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様な構成要素には第1の実施の形態と同様な参照番号を付すことによりその説明は省略し、特徴部分について以下に説明する。第2の実施の形態に係る制振装置の特徴部分は、大入力レベルの過度的な振動に対する制振手段にあり、第1の実施の形態の衝突板46の代わりに、各中空部22に高粘性の液体52、例えば油を充填してある点にある。この液体52の種類、充填量を適宜選択することにより、大振動時、球殻体24の液体52内の運動により、粘性効果(減衰力)が発生し、その結果振動が低減されるようになっている。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、球殻体24の繰り返し衝突による騒音の発生を防止することができる。なお、小入力レベルの定常的な振動に対しては、第1の実施の形態と同様に、球28の球殻体24内の円運動により制振効果が発揮される。
【0013】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能である。例えば、制振対象物は、バルブ装置、配管に限定されることなく、建物、橋梁、タワー、クレーン等一般の構造物に適用可能である。球及び球殻体の半径及び数は、制振対象物に入力される振動の関係において適宜選択すればよい。この場合、建物を制振対象物とする場合、例えば建物の屋上に本制振装置を固定配置してもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の簡便な制振装置によれば、機械的振動或いは流体的脈動等の小入力レベルの定常的な振動及び風、地震等の大入力レベルの過渡的な振動のいずれに対しても、有効に制振効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制振装置の取り付け状態を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る制振装置の取り付け方法を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る制振装置の水平断面図(a)及び垂直断面図(b)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る制振装置の、小レベルの定常的な振動に対する制振作用を示す概略図及びグラフであり、(a)は、中空部の1つを取り出して球の動きを示す概略図、(b)は、小レベルの定常的な外部振動の時間履歴を示すグラフ、(c)及び(d)は、それぞれバルブ装置及び球の応答振動の時間履歴を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る制振装置の、大レベルの過度的な振動に対する制振作用を示す概略図及びグラフであり、(a)は、中空部の1つを取り出して球の動きを示す概略図、(b)は、大レベルの過度的な外部振動の時間履歴を示すグラフ、(c)及び(d)は、それぞれバルブ装置及び球の応答振動の時間履歴を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る制振装置の図2と同様な図である。
【図7】従来の制振装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
12 主配管
14 分岐管
16 バルブ装置
18 ボックス構造体
20 隔壁
22 中空部
24 球殻体
26 内部
28 球
30 下面
32 窪み
34 球状転動面
36、38 内面
40、42 環状内面
44 バネ
46 衝突板
48 中央開口
50 取り付けバンド
52 高粘性液体
Claims (3)
- 制振対象物に対して固定され、その内部に中空部を備えたボックス構造体と、該ボックス構造体の中空部に収容された球殻体と、該球殻体の内部に運動自在に収容された球状の第1制御手段とを有し、前記ボックス構造体は、制振対象物に所定値未満の小入力レベルの振動が作用したときには、前記球殻体をその位置に保持するとともに、前記所定値以上の大入力レベルの振動が作用したときには、前記球殻体をその中空部の底面で支持する支持手段を有し、前記所定値以上の大入力レベルの振動が作用したときには、前記ボックス構造体の中空部内における前記球殻体の運動を利用して制振を行う第2制振手段を中空部内にさらに有し、前記球殻体は、その内面が前記球状の第 1 制御手段が転動できるような球状転動面として形成されていることを特徴とする制振装置。
- 前記第2制振手段は、前記ボックス構造体の中空部に前記運動する球殻体と衝突するように設けられたバネ付き衝突板である請求項1に記載の制振装置。
- 前記第2制振手段は、前記ボックス構造体の中空部に充填した高粘性液体である請求項1に記載の制振装置。
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