JP3712252B2 - 車両用開閉式ポケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用開閉式ポケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、自動車のドアトリムに小物入れ用の開閉式ポケットを設けたものが種々提案されている。このようなポケットは、蓋体の下端部をベースブラケットの下端部にヒンジピンで枢着することにより蓋体がヒンジを中心に回動し、蓋体の上端部側が自在に開閉する機構となっている(例えば、実開昭63−61354号公報や実開平1−145646号公報参照)。
【0003】
ところが、従来の開閉式ポケットにおいては、前記蓋体を車両内部のベースブラケットに直接枢着している関係上、組み付け難いうえにヒンジピンが脱落したり全体的強度が不充分となったり使い勝手が悪くなるなどの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、組み付けが容易なうえにヒンジピンが脱落したり全体的強度が不充分となったり使い勝手が悪くなることのない優れた品質を発揮することができるドアトリムの開閉式ポケットを提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の車両用開閉式ポケットは、請求項1に記載のように、車両内部の凹部に沿って装着されるベースブラケットと、前記凹部の開口を閉鎖または縮小する蓋体と、該蓋体が取付けられるポケットフレームと、該ポケットフレームを前記ベースブラケットに枢着するための枢着手段とからなる車両用開閉式ポケットであって、前記枢着手段は、前記ベースブラケットおよびポケットフレームにそれぞれ設けられたヒンジ部と、該ヒンジ部に挿入するヒンジピンと、蓋体に設けられたヒンジピンの端部と当接するリブを有するヒンジピンの脱落防止手段とを有することを特徴とするものである。
【0006】
さらに、本発明は以下に記載の各形態に好ましく具体化できる。
請求項2に記載のように、請求項1の車両用開閉式ポケットにおいて、ポケットフレームの回動軌跡を閉位置から開位置まで規制する回動規制部材と、ベースブラケットと車両内部とを締結する複数の締結部とを有し、取付方向から見た該締結部の重心位置が、開位置における前記回動規制部材の近傍となることを特徴とする形態。
【0007】
請求項3に記載のように、請求項1または2の車両用開閉式ポケットにおいて、蓋体は、真空成形によって表皮を張り込む合成樹脂基材であって、コーナー部付近の端部に切欠を設けることで、コーナー部に生じる表皮の余剰を吸収することを特徴とする形態。
【0008】
請求項4に記載のように、請求項1、2または3の車両用開閉式ポケットにおいて、ポケットフレームは、閉位置から所定角度回動するまで開口を縮小する方向に付勢され、所定角度以上回動すると開口を拡大する方向に付勢される付勢手段と、前記ポケットフレームが、外力を受けた際に前記所定角度以上に回動することを防ぐ誤開き防止手段とを有することを特徴とする形態。
【0009】
請求項5に記載のように、請求項4の車両用開閉式ポケットにおいて、付勢手段は、コイルスプリングであって、該コイルスプリングが伸縮することで発生する異音を抑制する異音発生抑制手段を有することを特徴とする形態。
【0010】
請求項6に記載のように、請求項1、2、3、4または5の車両用開閉式ポケットにおいて、蓋体は、溶着材によってポケットフレームに貼着され、前記蓋体もしくはポケットフレームに該溶着材の余剰を吸収する溝部を設けたことを特徴とする形態。
【0011】
請求項7に記載のように、請求項6の車両用開閉式ポケットにおいて、溶着材が千鳥配置であることを特徴とする形態。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、自動車のフロントドア側のドアトリムに設けられた開閉式ポケットを示すもので、図中1はドアトリム本体のポケット形成用凹部に沿って装着される合成樹脂材よりなるコ字枠状のベースブラケットであって、このベースブラケット1の下端部両側には、後記するポケットフレーム3の両側に形成されているヒンジ片31b、31bと共にヒンジ部31を構成するヒンジ片31a、31aが形成され、また、両側の立ち上がり部にはガイド長孔(図示せず)が設けられている。
3はベースブラケット1の下縁両側にヒンジピン31cをもって下端が枢着される合成樹脂材よりなるポケットフレームであって、このポケットフレーム3は下端両側に前記したヒンジ片31b、31bを有する窓枠状体の裏側に底板部と両側板部を一体に成形したもので、この両側板部には前記したガイド長孔に挿入されるガイドピン(図示せず)が突設されている。
5はポケットフレーム3の表面に貼着された状態に取付けられてポケットフレーム3と一体となって下端を支点として開閉枢動される蓋体であって、この蓋体5は合成樹脂基材の表面にクッション材を介して表皮を被装したものである。なお、前記したヒンジピン31cはストレートなものとして前記したヒンジ片31aとヒンジ31bとが嵌め合わされたヒンジ部31に挿通されている。
【0013】
また、図2に示されるように、前記ベースブラケット1には各ヒンジ部31の内側に位置させてヒンジピンの位置規制リブ11が設けられており、また、蓋体5には各ヒンジ部31の外側に位置させてヒンジピンの脱落防止リブ51が設けられていて、ヒンジ部31に挿通されるヒンジピン31cが位置規制リブ11と脱落防止リブ51との間に位置するよう構成されている。即ち、ストレートなヒンジピン31cが位置規制リブ11と脱落防止リブ51とにより左右への動きが規制されることによって、ヒンジ片31aやヒンジ片31bから抜け出ることが確実に防止されるよう構成されている。
【0014】
以上のようなドアトリムの開閉式ポケットは、先ず、ベースブラケット1にポケットフレーム3を位置合わせしたうえ、ヒンジ片31aとヒンジ片31bとよりなるヒンジ部31に外側からヒンジピン31cを通してベースブラケット1の下縁にポケットフレーム3の下端を枢着する。この時、ヒンジピン31cは何もない外側から位置規制リブ11に当たるまで押し込むのみであるので、簡単に装着することができる。次に、前記ポケットフレーム3に対し蓋体5を位置合わせしたうえ、該蓋体5をポケットフレーム3に任意の溶着手段で貼着すると、蓋体5には脱落防止リブ51が設けられているので、ヒンジピン31cが位置規制リブ11と脱落防止リブ51との間に挟まれることとなって、抜け落ちが確実に防止されることとなる。
【0015】
なお、本実施の形態では、ストレートなヒンジピンの両端をリブに当接させることで、脱落防止手段となっているが、これに限らず、一端に抜け防止のための大径部位が形成されたヒンジピンに対して他端をリブに当接させてもよく、さらに、リブは用いず抜け防止のために二次加工を施しても構わない。
このように、ベースブラケット1と蓋体5とは別にポケットフレーム3を用いたことにより、簡単、且つ、確実に組み立てることができ、しかも、ヒンジピンの脱落防止手段があるので使用中にヒンジピンが脱落することはない。さらに、安価なストレート形状のヒンジピンを用い、その両端をリブに当接させることによって、簡単で安価な脱落防止を提供することができる。また、ヒンジ部分が完全に内部に隠蔽された状態となるため見栄えもよいし使い勝手もよいものとなる。
【0016】
以下に、図面を参照しつつ本発明の各々の実施の形態につき、さらに詳細に説明する。
本発明の実施の形態では、先ず、図3〜図4に示されるように、前記ポケットフレーム3の回動軌跡を閉位置から開位置まで規制する回動規制部材2が設けられており、蓋体5は閉位置から開位置までの所定の範囲内で回動するよう構成されている。即ち、図5に示されるように、ベースブラケット1の側壁12に案内溝13を設けておく一方、ポケットフレーム3の側壁部34には前記案内溝13内を移動するボス3aを突設してあり、このボス3aが案内溝13内を動くことによってポケットフレーム3が閉位置から開位置までの所定の範囲内を回動し、ポケットフレームの回動軌跡を閉位置から開位置まで規制する回動規制部材2として作用するように構成してある。なお、4は前記ポケットフレーム3に一定の弾発力を付与するためのコイルスプリング、6はポケットフレーム3が円滑かつ確実に回動するよう歯車が組み込まれたダンパー機構である。
【0017】
また、図6に示されるように、前記ベースブラケット1と車両内部とは複数の締結部12(図示のものでは3個の締結部12a、12b、12c)で締結されており、取付方向から見た前記締結部の重心位置が、前記開位置における前記回動規制部材の近傍となるよう構成されている。即ち、図7に示されるように、締結部12a、12b、12cで形成した三角形(入力点エリア)の重心位置が、前記開位置における荷重の入力点となる回動規制部材(つまり、ボス3aの中心点)の近傍となるように設計しておくことで、開位置におけるベースブラケット1の荷重を最少のものとし、例えば、リブ等の補強部材を極力少なくすることができるのである。
【0018】
次に、図8を参照して、前記車両用開閉式ポケットにおける蓋体とポケットフレームのコーナー部の組合せ構造に係る実施形態を説明する。
先に説明したように、この種の車両用開閉式ポケットの蓋部分は、従来より板状の蓋体5をポケットフレーム3に接合して構成されるのを普通とするが、その蓋体5は、ABS樹脂などで板状に成形された合成樹脂基材52と、その表面を被覆する表皮53とから形成されている。なお、ここで表皮53とは、緩衝性を備えたクッション材を含む被覆材全般を意味する。このような構成では、図8(a)に示すように、合成樹脂基材52の表面に表皮53を適宜な貼着手段、例えば、真空成形を用いて貼着して被覆すると、図8(b)に左上コーナー部分を示したように、表皮53の端末の余剰部分が裏面に折り返されてその外周部分に折り返し部53aが形成されるが、コーナー部分には、表皮53の余剰分がタックとなり、その肉厚となる重なり部53cが生じることになり、この重なり部53cでは、ポケットフレーム3との合わせ目が口を開いたようになり、外観上見苦しい納まりとなることがあった。
【0019】
そこで、このような問題を解消するため、この実施形態では図8(c)に示すように、蓋体5に接合されるポケットフレーム3として、そのコーナー部分に切欠部32を設けたものを準備する。そして、この切欠部32に前記表皮53の余剰分であるタックの重なり部53cを収容して吸収するように接合した組合せ構造を採用しており、このような組合せ構造により、ポケットフレーム3との合わせ目が開くという前記した不具合を解消できる。この場合、切欠部32を合成樹脂基材52の左上コーナー部分に設けた事例で説明したが、この切欠部32を右上コーナー部分にも設けて、少なくとも蓋体5の上部両側のコーナー部分を対象とすれば、外部から目視される外観上の不具合を解消することができる。
【0020】
次に、図9、図10を参照して、本発明の車両用開閉式ポケットに適用されるポケットフレーム3自体の好ましい構造について具体的に説明する。
この実施形態におけるポケットフレーム3は、上記の開閉式ポケットに適用される点を前提とし、窓枠状に形成されたポケットフレーム3の裏面の開口縁辺近傍には、上縁に沿って形成された操作部33と、左右の両縁側に内方に張り出して形成された側壁部34、34と、下縁に沿って張り出して形成された底板部35とを備え、その操作部33を中空肉厚形状に形成するとともに、その操作部33と、側壁部34と、底板部35とを枠状に連結し、且つ、前記側壁部34の外側縁部34bおよび底板部35の外側縁部35bを中空肉厚リブ形状に形成した点にも構造上の特徴がある。
【0021】
即ち、ポケットフレーム3の開口上辺に相当する操作部33は、他の外周辺部分より肉厚形状でかつ中空に形成されており、且つ、図9に示すように、両側壁部34、34の上端と肉厚連結部33a、33aによって連結されている。また、その両側壁部34、34は、図9に示すように、底板部35の両端部分で折り曲げ連結部34a、34aによって連結されている。
【0022】
かくして、本発明のポケットフレーム3は、開口部の周囲が裏面側にある程度突出した操作部33、側壁部34および底板部35が、開口部を包囲する枠状に連結し、全体が一体化しているうえに肉厚リブ形状の外側縁部34b、35bを有しているので、全体の剛性はより向上し、操作時の捩じれ抵抗が大幅に改善されるという利点が得られる。
【0023】
さらに、本発明のポケットフレーム3では、前記肉厚リブ状の外側縁部34b、35bと、肉厚形状の操作部33のそれぞれが、図9におけるA−A断面、B−B断面およびC−C断面の各図である図10に示すように、操作部33、側壁部34および底板部35が中空構造に形成されているので、肉厚にすることによる重量の増加を効果的に抑制できるから、剛性を維持しながら、車両ドアを強く閉めたときに慣性力で開閉式ドアポケットが誤開きするのを防止できる利点が得られる。なお、図10(B−B)においては、前記側壁部34の基部34cも肉厚リブ状に、且つ、中空構造に形成された好ましい態様を示す。
【0024】
このような肉厚中空構造を形成するには、このポケットフレーム3を成形するときにガスインジェクション成形法により容易になしうる。すなわち、図9の図中の鎖線で例示するように、前記した肉厚部分を形成する金型キャビティの部分、すなわち、注入口Piから操作部33を通り、両側壁部の外側縁部34bを経て、底板部の外側縁部35bの排出口Poに至る流路に、所定の合成樹脂を注入した後、ガスを注入すれば、このポケットフレーム3の肉厚部分をガスが通過して中空構造に成形することができ、他の薄肉部分は中実状の樹脂体として成形できる。
【0025】
次に、ポケットフレーム3の回動動作について説明する。
前記ポケットフレーム3は、図3〜図5に示されるように、前記閉位置から所定角度回動するまで前記開口を縮小する方向に付勢され、所定角度以上回動すると前記開口を拡大する方向に付勢される付勢手段と、前記ポケットフレーム3が、外力を受けた際に前記所定角度以上に回動することを防ぐ誤開き防止手段とを有するものである。
即ち、ボス3aが案内溝13内を動くことによってポケットフレーム3が閉位置から開位置までの所定の範囲内を回動するのであるが、前記ボス3aには付勢手段としてのコイルスプリング4が装着されており、該コイルスプリング4の弾発力が蓋体5を開く方向へ作用する場合と、蓋体5を閉じる方向へ作用する場合のターニングポイントを前方側(中心よりも蓋体5が開いた状態に近い位置)に設けた構造となっている。
【0026】
このようにターニングポイントを前方側へずらすことにより、図11に示されるコイルスプリングの操作力と蓋体の開度の関係を示すグラフように、蓋体5を開く場合の操作荷重を大きくし、これにより、悪路走行時における蓋体5の余分な振動や誤開きを防止することができ、また、蓋体5を必要以上に強く閉じた場合にもビビリ音の発生がないよう構成されている。
【0027】
また、図示の実施の形態のものでは前記付勢手段がコイルスプリング4であり、該コイルスプリング4が伸縮することで発生する異音を抑制する異音発生抑制手段を有する構造となっている。即ち、図12に示されるように、コイルスプリング4の各コイルは隣接するコイルと接触しないように一定間隔を隔てたものとなっており、各コイル同士の接触による異音の発生を抑制するよう構成されている。しかも、該コイルスプリング4の一端をベースブラケット側のバネ保持部材14において先端が突出した状態で保持させることで、より異音の発生を抑制するよう構成されている。
【0028】
具体的には、図13、図14に示されるように、バネ保持部材14をコイルスプリング4を案内する案内溝14aを形成した上板14bと、該上板14bとの間でコイルスプリング4の挟持部14cを形成する下板14dとからなり、該挟持部14cの前方にはコイルスプリング4の先端部を非接触の状態で収納する空間部14eを形成した構造としてある。そして、このような構造とすることにより、コイルスプリング4の保持部分を極力短いものとするとともに、コイルスプリング4の先端を何ら接触しないよう空間部14eに逃がすことで、蓋体5の開閉操作時におけるコイルスプリング4の摩擦による異音の発生を防止するのである。
【0029】
さらに、前記コイルスプリング4のコイル部内にスラブウレタン等の振動吸収材を挿入しておけば、スプリング作動時における軋み音等の発生を防止することができ好ましい。なお、図12に示されるように、コイルスプリング4の両腕4a、4aはコイルの中心で一直線になるよう各々コイル側へ屈曲されており、スプリングの剛性アップが図られて撓みや捩じれの発生が防止された構造となっている。
【0030】
次に、図15、図16を参照して、蓋体5とポケットフレーム3との好ましい接合構造に係る実施形態について説明する。
この実施形態における蓋体5とポケットフレーム3との接合構造は、自らが溶融することで相互を接合する溶着材を介するものであり、且つ、その溶着面の外側には溝部を設けている。
例えば、図15に示すように、ポケットフレーム3の外周辺部に予め同材質の溶着用リブ36を形成しておき、これに蓋体5を当接させて外部から超音波などの振動を前記溶着用リブ36に付与して加熱、溶融させることにより両者を接合するものであり、このように合成樹脂材自身が溶着した溶着材により接合してあるので、強固な接合強度を得ることができる。
【0031】
ここで蓋体5の上部と、ポケットフレーム3の上部の操作部33との接合構造について、その断面説明図である図16によって説明すると、表皮53を貼着した合成樹脂基板52からなる蓋体5の上部先端部分には、前記した操作部33を押し当てるように配置し、前記溶着用リブ36(ここでは、2個の溶着用リブ36a、bが見える)をその背後から振動ホーン61でもって押し、溶着用リブ36を加振、溶融させてその溶融材で接合する。本実施形態では、接合時に溶融した溶着材の余剰分が押し出されてくるが、この溶着面の外側に溝部54が設けてあるので、余剰分はそこで吸収され外部に流出することがなく外観上好ましい仕上がりが得られる。
【0032】
また、前記溶着用リブ36などの溶着部材の配列においては、幅の狭い部位で複数の溶着部材を鎖線状に並べざるを得ない場合でも、非直線状になるように配列するのが好ましい。このように非直線状に配列すれば、複数の溶着用リブ36がある平面に分布して配置されることになるので、蓋体5に対する接合時の姿勢を所定の形に設定できるから、誤差のない接合仕上がりが得られる利点がある。このような、溶接用リブ36の配列では、例えば、図15のポケットフレーム操作部33に配列された溶着用リブ36のように、千鳥状配置にするのが最も好ましい。
なお、本発明では、前記溶着用リブ36や溝部54は、蓋体5側またはポケットフレーム3側のいずれか一方に設けてもよく、別々に設けてもよい。
【0033】
次に、図16を参照して、ポケットフレーム3に蓋体5を取付ける手段として、蓋体5の上部におけるポケットフレーム3との接合構造の好ましい実施形態について説明する。
ここで蓋体5の上部と、ポケットフレーム3の上部の操作部33との接合部分は、先の図16にも示されているように、表皮53を貼着した合成樹脂基板52からなる蓋体5の上部先端部分に、肉厚に形成された前記操作部33を押し当てるように配置して溶着接合されるのであるが、その場合、操作部33の先端のパーティングライン部37の設定位置を蓋体5側に偏向させておくことが重要である。
【0034】
このパーティングライン部37は、成形金型の合わせ目に相当する部位であり、成形時のはみ出し、いわゆる「バリ」が生じやすい。ところが、図17(A)に例示するように、この操作部33を操作して開閉式ポケットを開閉するときに、この部分に中側の指先が当接することになり、ここにパーティングライン部を設けておくとスムーズな感触が得られず操作時のフィーリングを損なうことになり勝ちであったが、パーティングライン部37の設定位置を蓋体5側に偏向させてある本実施形態によれば、このような好ましくない感触を解消することができるのである。
【0035】
また、操作部33の下部には段差38を設けて、敷き込まれたクッションシート55に接続させれば、図17(B)に示すように、クッションシート55の厚みが段差38に吸収され、差し込まれた手指の先端の感触を柔らかなものとし、フィーリングを向上できる。ここで、段差38の高さは、クッションシート55として用いられる、厚手の織物または不織布、ニードルパンチなど、手触りのよいカーペットのような適宜なシート材の厚さに応じて設定すればよい。
【0036】
この蓋体5として、ABS樹脂からなる板状の合成樹脂基材52にオレフィン系樹脂(TPO)からなる表皮53を組合わせるのが好適である。この場合には、オレフィン系樹脂は、可塑剤など添加剤を含まないので、合成樹脂基材52側に可塑剤の移行が生ぜず、蓋体として、変色、剥がれ、亀裂などの老化現象が生じ難くて耐久性に優れるという利点が得られる。この組み合わせは、ポケットフレーム3もABS樹脂で形成するのが好ましい。
【0037】
さらに、図18によって、ポケットフレーム3に蓋体5を取付ける手段として、蓋体5の上部におけるポケットフレーム3の操作部33との好ましい係合構造に係る実施形態について説明する。
この実施形態では、蓋体5の上部をポケットフレーム3の上部の操作部33に取付ける場合において、図18に示すように、表皮53を貼着した合成樹脂基板52からなる蓋体5の上部先端部分に、肉厚に形成された前記操作部33を押し当てるように配置するに際して、前記操作部33の接合面側に凹部39を設けるとともに、合成樹脂基板52側にはこの凹部39に嵌め込まれる突起56を設けておき、この突起56を凹部39に嵌め合わせて係合させるところに特徴がある。
【0038】
この実施形態では、前記構成により、先ず、蓋体5をポケットフレーム3に取付けるに際して、相互の位置ずれを矯正して自動的に所定の位置関係の組み合わせられるという利点が得られる。さらに、この構造を採用することによって、この開閉式ポケットの開閉操作時に生じやすい部品相互のずれから生じるきしみ音を顕著に軽減できるという利点が得られた。その理由は、凹部39に突起56が嵌められて係合状態が生じるので、蓋体5とポケットフレーム3との取付状態が強化され、全体の剛性が改善されるからと思われる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の車両用開閉式ポケットは、蓋体を車両内部に装着されるベースブラケットに直接枢着することなくポケットフレームを用いるようにして、車両内部の凹部に沿って装着されるベースブラケットと、前記凹部の開口を閉鎖または縮小する蓋体と、該蓋体が取付けられるポケットフレームと、該ポケットフレームを前記ベースブラケットに枢着するための枢着手段とから車両用開閉式ポケットを形成したことにより、組み付けが容易なうえにヒンジピンが脱落したり全体的強度が不充分となったり使い勝手が悪くなることのなく、また、前記した枢着手段を、前記ベースブラケットおよびポケットフレームにそれぞれ設けられたヒンジ部と、該ヒンジ部に挿入するヒンジピンと、該ヒンジピンの脱落防止手段とを有するものとしたので、安価なストレートピンを用いても確実に抜け防止機能を発揮することができ、特に、脱落防止手段を、蓋体に設けられたヒンジピンの端部と当接するリブとしたものは、ヒンジ部分が外部へ露出することもなく優れた外観品質を発揮することができるものである。
さらに、本発明の実施形態によれば、1)ベースブラケットの荷重を最少にできるので特別な補強部材を設ける必要がない、2)蓋体のコーナー部の外観を整えることができる、3)捩れに強いポケットフレームが得られる、4)蓋体とポケットフレームとを所定の姿勢に維持しながら優れた接合強度で接合できる、5)操作時のフィーリングに優れる、6)蓋体とポケットフレームとの接合時に位置ずれを自動的に矯正できるなどの優れた効果を奏するのである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した車両用開閉式ポケットとして、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図3】 蓋体を閉じた状態を示す断面図である。
【図4】 蓋体を開いた状態を示す断面図である。
【図5】 回動規制部材を示す要部の斜視図である。
【図6】 ベースブラケットの締結を示す斜視図である。
【図7】 回動規制部材とベースブラケットの締結部の位置関係を示す説明図である。
【図8】 本発明の蓋体とポケットフレームのコーナー部の組合せ構造の説明図で、(a)は表皮を合成樹脂基材に貼着する前の状態を示す分解斜視図、(b)は表皮を貼着した合成樹脂基材をポケットフレームに取り付ける前の状態を示す分解斜視図、(c)はコーナー部分に表皮端末の重なり部がコーナー部分に設けた切欠部を収容させてポケットフレームに取付けた状態を示す分解斜視図である。
【図9】 本発明のポケットフレームを説明するための要部斜視図である。
【図10】 本発明のポケットフレームを説明するための説明図で、(a)は図9におけるA−A矢視図、(b)は図9におけるB−B矢視図、(c)は図9におけるC−C矢視図である。
【図11】 コイルスプリングの操作力と蓋体の開度の関係を示すグラフである。
【図12】 コイルスプリングを示す正面図である。
【図13】 コイルスプリングの保持状態を示す断面図である。
【図14】 コイルスプリングの保持状態を示す斜視図である。
【図15】 本発明の蓋体とポケットフレームとの接合前の状態を示す分解斜視図である。
【図16】 本発明の蓋体とポケットフレームの操作部とを溶着により取付けた接合構造を説明するための要部斜視図である。
【図17】 本発明の開閉式ポケット操作時の手指の係り具合を示す説明図で、(A)はパーティングライン部の設定位置を蓋体側に偏向させて開閉式ポケット操作時におけるフィーリングが損なわれることがないようにした場合の部分断面図、(B)は操作部の下部に設けた段差部分にクッションシ−トを敷き込んで開閉式ポケット操作時におけるフィーリングが損なわれることがないようにした場合の部分断面図である。
【図18】 本発明の蓋体とポケットフレームの操作部とを係合により取付けた係合構造を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 ベースブラケット、11 位置規制リブ、12 側壁部、13 案内溝、
2 回動規制部材、3 ポケットフレーム、3a ボス、31 ヒンジ部、
31a、31b ヒンジ片、31c ヒンジピン、32 切欠部、
33 操作部、33a 肉厚連結部、34 側壁部、34a 折り曲げ連結部
34b 外側縁部、34c 基部、35 底板部、35b 外側縁部、
36、36a、36b 溶着用リブ、37 パーティングライン部、
38 段差、39 凹部、5 蓋体、51 脱落防止リブ、
52 合成樹脂基材、53 表皮、53a 折り返し部、53c 重なり部、
54 溝部、55 クッションシ−ト、56 突起、6 ダンパー、
61 振動ホーン、 Pi 注入口、Po 排出口

Claims (7)

  1. 車両内部の凹部に沿って装着されるベースブラケットと、前記凹部の開口を閉鎖または縮小する蓋体と、該蓋体が取付けられるポケットフレームと、該ポケットフレームを前記ベースブラケットに枢着するための枢着手段とからなる車両用開閉式ポケットであって、前記枢着手段は、前記ベースブラケットおよびポケットフレームにそれぞれ設けられたヒンジ部と、該ヒンジ部に挿入するヒンジピンと、蓋体に設けられたヒンジピンの端部と当接するリブを有するヒンジピンの脱落防止手段とを有することを特徴とする車両用開閉式ポケット。
  2. ポケットフレームの回動軌跡を閉位置から開位置まで規制する回動規制部材と、ベースブラケットと車両内部とを締結する複数の締結部とを有し、取付方向から見た前記締結部の重心位置が、開位置における前記回動規制部材の近傍となることを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉式ポケット。
  3. 蓋体は、真空成形によって表皮を張り込む合成樹脂基材であって、コーナー部付近の端部に切欠を設けることで、コーナー部に生じる表皮の余剰を吸収することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用開閉式ポケット。
  4. ポケットフレームは、閉位置から所定角度回動するまで開口を縮小する方向に付勢され、所定角度以上回動すると開口を拡大する方向に付勢される付勢手段と、前記ポケットフレームが、外力を受けた際に前記所定角度以上に回動することを防ぐ誤開き防止手段とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用開閉式ポケット。
  5. 付勢手段は、コイルスプリングであって、該コイルスプリングが伸縮することで発生する異音を抑制する異音発生抑制手段を有することを特徴とする請求項4に記載の車両用開閉式ポケット。
  6. 蓋体は、溶着材によってポケットフレームに貼着され、前記蓋体もしくはポケットフレームに該溶着材の余剰を吸収する溝部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用開閉式ポケット。
  7. 溶着材が千鳥配置であることを特徴とする請求項6に記載の車両用開閉式ポケット。
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