JP3708966B2 - 溶鋼の真空精錬方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、RH真空脱ガス装置、DH真空脱ガス装置等による溶鋼の真空精錬方法に関するもので、特に精錬用フラックスによる溶鋼の真空精錬反応を効率よく実施できる溶鋼の真空精錬方法及び装置を提供するものである。
【0002】
近年の製品品質の厳格化に伴い、不純物除去の要求レベルもppmオーダーとなっている。この要求を受けて製鋼工程では溶銑予備処理や二次精錬機能の拡大が図られている。
【0003】
例えば、RH真空脱ガス装置を用いて極低硫鋼を製造する方法として、特開平5−171253,5−2877359,5−345910,6−65625号各公報等に記載されているような、上吹ランスを備えるRH真空脱ガス装置の槽内に環流する溶鋼表面に、精錬用フラックス(脱硫剤)を上吹ランスを介して不活性キャリアーガスと共に吹きつけ溶鋼中に侵入させることによって溶鋼の脱硫を行う精錬フラックス投射方法がある。
【0004】
一方、本出願人は、特開平7−41826号公報で、真空処理装置内の溶鋼をバーナーで加熱しながら、溶鋼浴面に精錬用フラックスを投射、又は添加することにより、溶鋼温度の低下を抑制して、精錬用フラックスの溶融を促進し、脱硫効率の向上を図る方法を提案した。
【0005】
そして、同公報にて、燃料ガス、燃料ガス燃焼用酸素ガスおよび精錬用フラックス(アルゴンガス等の不活性キャリアーガスを使用)を同時に噴出できる上吹ランス、詳しくは、酸素ガスを噴出するラバールランスの下端部の末広がり面に燃料ガス供給孔を設け、さらに軸心の酸素ガス流路中に精錬用フラックス導入管を設けて、末広がり空間に精錬用フラックス噴出孔を開口させた上吹ランスを、昇降可能に真空脱ガス槽内に垂下せしめて配置して、前記燃料ガスと酸素ガスによるバーナー加熱と精錬用フラックス投射を行い、バーナー燃焼熱(火炎)によって精錬用フラックスを溶鋼表面に到達するまでに予め加熱して、精錬用フラックスの溶鋼内での溶融を促進し、脱硫効率の向上を図る技術を開示した。
【0006】
また、特開平5−195043号公報にはRH脱ガス槽の溶鋼表面より上方の槽側壁にプラズマ電極を有するプラズマトーチ本体を設け、このプラズマトーチ本体にフラックス供給管を設けて精錬用フラックスをプラズマジェット中に供給し、このフラックスを溶鋼表面に到達するまでの噴射過程でプラズマジェットにより加熱および/または溶融して溶鋼に投入する方法が開示されている。
【0007】
上述のように公知技術では真空脱ガス装置における精錬用フラックス(脱硫剤)による溶鋼の真空精錬において、精錬用フラックスを不活性ガスをキャリアーガスとして使用して溶鋼表面に投入しており、精錬用フラックスを加熱する場合は酸素ガスと燃料ガスによるバーナー燃焼加熱処理やプラズマジェットによる加熱処理を行っていた。
【0008】
このように、精錬用フラックス例えば脱硫を溶鋼に投入する際に不活性ガスをキャリアーガスとして用いるのは次の理由による。
【0009】
一般に溶鋼の脱硫反応は次の式で表される。
〔S〕+(CaO)=(CaS)+〔O〕
ここで〔 〕は溶鋼中、( )はスラグ中をそれぞれ意味する。
【0010】
したがって、上記式の左辺に表れた溶鋼中S濃度を低減するには、1)脱硫である石灰の添加(CaOの増加)、2)溶鋼中酸素濃度の低下、を図る必要がある。溶鋼中酸素濃度を低減するには、溶鋼へ脱酸用のアルミなどを添加するとともに、雰囲気中の酸素と溶鋼とが接触して溶鋼中酸素濃度が増大することを防止する必要がある。これが、脱硫反応が還元精錬であると言われているゆえんである。
【0011】
したがって、従来の脱硫プロセスでは、溶鋼表面下に挿入されたノズルから脱硫用粉体を窒素やアルゴンといった不活性ガスで搬送して溶鋼へ吹き込むこと、あるいは溶鋼表面上部に配置されたランスから脱硫用粉体を不活性キャリアーガスで溶鋼表面に吹き付けることが通常行われていた。すなわち、粉体搬送用ガスあるいは溶鋼面に吹き付けるガスとして酸素ガスを利用することは、溶鋼中酸素濃度の上昇につながり、脱硫反応を抑制することにつながるため、原理上不合理と考えられてきたのである。かゝる従来の技術常識によって精錬用フラックスをキャリアーガスとして不活性ガスを用いて溶鋼表面に投入すると、投入された不活性ガスや粉末状の精錬用フラックスによって溶鋼の温度低下が生じて精錬用フラックスの治金反応が遅延したり、またはバーナー燃焼加熱の場合、ランス下端に形成されるバーナー火炎の温度が低下して溶鋼表面到達時の精錬用フラックスの温度が低下し、精錬用フラックスの反応効率が低下していた。
【0012】
また、精錬用フラックスを溶鋼表面に到達する前に加熱、または溶融するためにプラズマトーチを用いる方法は、
1)酸素吹錬で脱炭促進すること等の精錬用ランスが別に必要になる。
2)プラズマ用の特別な電源および制御設備が必要となる。
3)一般に、雰囲気圧力が低下すると、プラズマ投入電力が低下してくる。この結果、発熱量が少なくなり、多量の粉体溶融には適さない。
などの欠点があった。
【0013】
また、前記真空精錬装置においてフラックス精錬を行うに際し、特に脱硫剤を投入する場合は前記装置の真空槽の耐火物が新品のときと通常の脱ガス処理を繰返えし実施して真空槽の耐火物の溶損が進行したときでは、両者の脱硫処理前の溶鋼組成、取鍋スラグ組成、環流ガス吹き込み条件、精錬用フラックスの組成、粒度、吹き付け条件等が同一であっても、前者の脱硫率が後者の脱硫率よりも低く、10ppm以下の所定の目標値まで脱硫するものに必要な精錬用フラックス原単位が前者の方が後者よりも高くなる、という問題があった。
【0014】
このような溶鋼の真空精錬方法において、より効率の高いフラックス精錬処理が、しかも精錬期間を通じて均一にしたがって短時間で処理できる方法が要望されていた。
【0015】
発明の開示
したがって本発明の目的は真空精錬方法においてより効果的なフラックス精錬を行うことにある。
【0016】
本発明のさらに目的とするところは汎用性のある単純な設備でフラックス精錬による溶鋼の温度低下を補償する方法および装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的とするところは真空槽内におけるフラックス精錬において、前記真空槽耐火物の使用初期から末期までの耐火物の寿命期間(以下耐火物一炉代と云う)に通じて精錬用フラックス原単位を低位に維持できる方法を提供することにある。
【0018】
すなわち本発明は精錬用フラックスを酸素ガスをキャリアーガスとして使用することを特徴とするもので、真空脱ガス槽の頂部に設けた上吹ランスの酸素ガス流路内に酸素ガスをキャリアーガスとして精錬用フラックス(例えば脱硫剤)を吹込み、前記酸素ガス流路内に供給した酸素ガスと混合し、かつ前記上吹ランス内に貫通するとともに前記上吹ランスの噴出孔近傍に開口した燃料ガス通路に燃料ガスを供給し、前記混合ガスと燃料ガスを前記上吹ランスの噴出孔近傍で混合して火炎を形成し、この火炎によって前記精錬フラックスを加熱溶融せしめたあと、この溶融フラックスを溶鋼内に投入する精錬方法である。
【0019】
このように、還元精錬である脱硫反応においても、キャリアーガスとして酸素ガスが使用できるようにしたのは、真空槽内の雰囲気の圧力を低減すると、溶鋼と接触する酸素ガスの分圧を低減することが可能となり、これによってキャリアーガスの酸素濃度を低下できるという新しい認識に基づく。
【0020】
さらに本発明はキャリアーガスとしての酸素ガスも利用して燃料ガスを完全燃焼せしめるので、溶鋼表面に到達する溶鋼汚染ガスは極めて微量になる。また、本発明では下記に示すように、上記燃焼によって生ずる火炎の中で精錬用フラックスを加熱溶融せしめるために、所定の上吹ランス高さに設定するが、かゝるランス高さによって前記燃焼ガス溶鋼面近傍での流速が減衰して溶鋼面に到達しにくゝなる。
【0021】
例え汚染ガスが溶鋼表面に侵入しても、真空槽内の溶鋼は大きな流速でかつ乱流状態で流動しているので、直ちに溶鋼内に拡散して溶融フラックス材に悪影響を与えないのである。
【0022】
また、本発明は精錬用フラックスが溶鋼面に到達する前に上記のバーナー火炎内で精錬用フラックスを加熱溶融するための条件、すなわち、粉体当りの供給熱量、粉体粒度、粉体融点またはランス高さなどを究明し、本発明のバーナー火炎による精錬用フラックスの加熱溶融を可能にした。
【0023】
以上の技術によって、精錬用フラックスの投入による溶鋼温度の大幅な降下を防止するとともに精錬用フラックスの使用原単位を低減することができた。
【0024】
また、本発明は真空精錬処理中の精錬フラックス供給速度Fと溶鋼環流量Qが次式の関係を満足するように両者を調整することによって、真空槽の耐火物の一炉代を通じて精錬用フラックス原単位を低位に維持することを可能にする。
0.5≦F/Q≦1.5
勿論上記式の範囲にFとQを維持することによって真空槽内の溶鋼の環流が十分行われて汚染ガスの溶鋼内侵入による弊害を除去する効果を得ることができる。
【0025】
発明を実施するための最良の形態
本発明は特に還元精錬におけるフラックス精錬には使用不可能と考えられてきた酸素ガスを精錬用フラックスのキャリアーガスとして用いることによって溶鋼の温度補償を行うとともにフラックスの精錬反応を上昇せしめる精錬方法にあるが、このようなキャリアーガスとして酸素ガスを用いる発想は以下の技術認識のもとでなされたのである。
【0026】
すなわち、減圧下の雰囲気で酸素ガスを使用することにより、溶鋼に接触する酸素ガスの分圧を低減することができる。例えばRH真空脱ガス方法において、雰囲気圧力が5torrであれば、雰囲気が全て酸素ガスであっても、大気圧下の酸素濃度が0.6%まで低下していることと同等である。溶鋼と接触するガスの酸素濃度は低ければ低いほど望ましいが、本発明者の調査によって、RH真空脱ガス方法による処理中であれば酸素濃度1%未満で溶鋼の酸素汚染が解消されるということを知見した。
【0027】
前述の如く、真空精錬装置の真空脱ガス槽内の雰囲気が5torr以下の場合では、大気圧下の酸素濃度の0.6%以下に相当して、溶鋼の酸素汚染を防止することができるが、本発明はこのように前記槽内の雰囲気を低減することによって溶鋼に接触する酸素ガスの分圧を溶鋼の酸素汚染が問題にならない程度迄低減できるという技術認識に基づく。
【0028】
かゝる認識は脱硫精錬などの還元精錬においては一般の技術常識に反する新らしい認識であって、かゝる技術認識によって始めて本発明は完成されえたのである。
【0029】
本発明は上記技術認識より、フラックス精錬方法において、真空脱ガス槽内の真空度を3〜200torrの範囲とする。200torrより低真空になると上記脱ガス槽内に溶鋼が吸い上がらず溶鋼環流を阻害するばかりでなく、溶鋼の酸素汚染が著るしくなる。一方、真空度が3torr未満の高真空になると、上吹ランスの出口開口部から吐出される火炎の位置が急激に長くなり溶鋼に接触する時間が増えてカーボン汚染が急速に増加する。従って、槽内真空度を上記範囲とする。なお、精錬剤溶鋼が酸素またはカーボン汚染を完全に防止する必要のある鋼種であり、かつ精錬処理を効率良く短時間に行う場合には槽内真空度を70〜150torrの範囲とする。処理鋼種によって少しの汚染が許容される場合には、適宜、鋼種に従って3〜70torr未満または150超〜200torrの範囲で選択処理すればよい。
【0030】
また、上記汚染防止を確実にするため、上吹ランス出口と溶鋼表面との間の距離(ランス高さ)や真空精錬装置内の溶鋼環流速度を適宜調節することも可能である。
【0031】
さらに本発明は上記認識の基で、前記キャリアーガスも含めた酸素ガスで上吹ランス出口近傍に噴出せしめた燃料ガスを完全燃焼せしめ、かゝる燃焼ガス(二酸化炭素や水蒸気など)による溶鋼の酸化汚染を極力防止するようにした。
【0032】
そしてかゝる燃焼ガス内で精錬用フラックスを加熱溶融してフラックス成分元素をフラックス粒内で均一化せしめ、かゝる状態で溶鋼内に投入して、溶鋼内でのフラックス成分元素の均一拡散を可能にした。
【0033】
こゝで燃焼ガス(火炎)内で精錬用フラックスが加熱溶融される条件について説明する。
【0034】
(1)本発明では火炎内でフラックスを溶融するために上吹ランスの下端開口部と溶鋼との間隔LH、すなわちランス高さ(操業バーナー高さ)を高くして、上吹ランスの下方でかつ溶鋼表面上方にバーナー火炎を形成し、溶融時間を確保する必要がある。本発明では、ラバール構造の上吹ランスを前提とする火炎中のフラックスへの伝熱計算及びフラックス溶融状況観察結果から以下の式が算定された。
LH>3500−6.18×D2+224×(D2/D1)+1.13×F−11.58×P
LH:ランス高さ(mm)
1:ランススロート径(mm)、D2:ランス出口径(mm)
F:酸素流量(Nm3/hr)、P:雰囲気圧力(torr)
この式に基づき、酸素流量、雰囲気圧力(酸素またはカーボン汚染も考慮)を調整して所望のLHを決める。
【0035】
(2)火炎中のフラックスへの伝熱計算及びフラックス溶融状況観察結果からフラックス当たりの供給熱量が下記のように算出された。
670kcal/kg−フラックス(LNG/kg−フラックスの量:0.067Nm3に相当)
この値以上の熱量を火炎中に供給する必要がある。
【0036】
(3)フラックスの粉体粒度としてフラックスの粉体1箇の直径を0.25mm以下、好ましくは0.14mm以下に調整する。この粒度は100メッシュ以下に相当する。この粒度も火炎中のフラックスへの伝熱計算及びフラックス溶融状況観察の結果から算定された。
【0037】
(4)フラックス融点を調整する。すなわち、本発明の実施例で用いたフラックス(脱硫材)の組成は80%CaO−20%CaF2の組成であり、状態図からの推定融点は約2000℃であるから、この融点温度以下のフラックスであれば適用することができる。
【0038】
ここで、精錬フラックスの溶融試験を本発明の条件、すなわち脱硫材として40%CaF2−60%CaOの100メッシュ以下の粒度のフラックスを使用し、燃料用ガスとしてLNG100Nm3/hrとし、バーナー高さを6mにして行った。
【0039】
火炎中へ投与する前のフラックスの粉体の外観は第12(A)図に示すように非球体の外形で表面に凹凸が目立っており、またこの粒体内のCaの元素分布は第12(B)図に示すように不均一の状態にあった。
【0040】
かゝるフラックスを上記の条件を付与して火炎中に投入するとフラックス粉形の外観は第13(A)図に示すように光沢を帯びた球体になり、またこの球体内のCaの元素分布が第13(B)図に示すように一様になった。他の成分のFやOも同様の分布状態となり、フラックス成分全体が均一化されるのが確認された。
【0041】
この結果フラックスは球体の集合体となり、この集合体が溶鋼に侵入し、直ちに拡散溶解して脱硫反応を極めて迅速にかつ効果的に溶鋼に作用せしめた。
【0042】
以上のように精錬用フラックスを酸素をキャリアーガスとしてバーナー火炎の中に投入することによって、バーナー火炎の温度が上昇し、フラックス温度が上昇し、かつ溶鋼温度も上昇して精錬用フラックスの反応効率が向上するが、又、設備的にみても真空精錬装置の上吹ランスを他の設備を付加することなくそのまゝ利用できるので、設備が極めてシンプルでかつ低コストで実施できるという大きな利点も有する。
【0043】
以下、図面に基づき更に詳細に説明する。
【0044】
先ず、本発明のキャリアーガスとして酸素を使用する場合と従来技術のキャリアーガスとしてアルゴンガスを使用する場合の効果の差を確認するために、第3図および第4図に示す装置を使用して以下の精錬試験を行った。
【0045】
第3図は真空精錬装置とこの装置に精錬用フラックス、燃料ガス及び燃料ガス燃焼用酸素ガスなどを送り込むフラックス−ガス送入システムを図示している。
【0046】
真空精錬装置7は真空槽8の浸漬管8−1を取鍋19内の溶鋼20に浸漬して構成されており、また真空槽8の頂部8−2に昇降自在に上吹ランス1が設けられている。
【0047】
上吹ランス1は第4図に示すように、その軸心に酸素ガス流路4が設けられ、かつ、ランス壁内部に複数本の燃料ガス流路3bが設けられ、その燃料ガス供給孔3aがランス下端部の末広がり面2に開口している。また前記酸素ガス流路4内に精錬用フラックス導入管5が配設され、その噴出口6が前記末広がり面2で形成された空間部(開口部)1−1に開口している。
【0048】
前記酸素ガス流路4は酸素ガス供給管9に連結され、バルブ10を介して酸素が供給される。燃料ガス通路3bは燃料ガス供給管11に連結され、バルブ12を介して燃料ガスが供給される。また精錬用フラックス導入管5はキャリアーガス供給管13に連結され、バルブ14を介してキャリアーガスが供給される。上吹ランス1とバルブ14の間のキャリアーガス供給管13に精錬用フラックスタンク17をバルブ18を介して連結し、かつ上記タンク17に連結したキャリアーガス供給管15からバルブ16を介してキャリアーガスを前記タンク17に供給して前記精錬用フラックスを前記タンク17からキャリアーガス供給管13へ供給するようになっている。
【0049】
上記の装置およびシステムにおいて、精錬用フラックスタンク17から所定量の精錬用フラックスがキャリアーガスによってキャリアーガス供給管13に送られ、しかるのち、前記精錬用フラックスが、上吹ランス内に配設された精錬用フラックス導入管5へキャリアーガスとともに送られる。
【0050】
また上吹ランスの酸素ガス流路5に酸素ガス供給管9から燃料ガス燃焼用酸素ガスが送られ、更に、燃料ガス流路3bに燃料ガス供給管11から燃料ガスが送られて、上吹ランスの出口開口部1−1に酸素ガス、燃料ガス及び精錬用フラックスが同時に噴出される。これにより、上吹ランス1の下方でかつ溶鋼表面上方にバーナー火炎が形成されると共に、精錬用フラックスが上記バーナー火炎内を通過して加熱溶融され、真空槽内の溶鋼表面に溶融状態で到達する。
【0051】
こゝで上記装置とシステムを用い上記供給管13,15のキャリアーガスをアルゴンガスとし、精錬用フラックスを脱硫材としてこれをアルゴンガスキャリアーで噴出させた場合と、供給管13,15のキャリアーガスを酸素ガスとし酸素ガスキャリアーで噴出させた場合の精錬試験を行い、同一のフラックス原単位における脱硫率を調査した。
【0052】
対象とした溶鋼量は108トン、鋼種はアルミキルド鋼とした。使用した精錬用フラックスは石灰80%−ホタル石20%の組成であり、使用粉体の大きさは100メッシュ以下とした。
【0053】
先端部形状がスロート径18mm、出口径90mmのラバール構造の上吹ランス1の下端を、静止浴面規準で6mの高さに配置し、燃料ガスはLNGを用い、上吹ランス1の燃料ガス流路へのLNG流量を200Nm3/hrとして燃料ガス供給孔3aから噴出させ、酸素ガス流路4への酸素ガス流量を上記燃料ガスが完全燃焼する460Nm3/hrとしランス軸心から噴出させた。
【0054】
精錬用フラックスの供給速度は30kg/min、フラックス原単位は2kg/t、溶鋼環流量は40t/minで実施し、精錬用フラックスのキャリアーガス流量(精錬用フラックス導入管5の噴出キャリアーガス量)は240Nm3/hrとした。
【0055】
精錬用フラックスのキャリアーガスを、酸素ガスとした場合には、キャリアーガスとして噴出する酸素ガスと上記ランス1の酸素ガス流路4から噴出する酸素ガスとの総流量が、上記燃料ガスが完全燃焼する460Nm3/hrとなるように酸素ガス流路4から噴出する酸素ガス流量を調整した。なお、取鍋19内のスラグのT.Feは3%以下で試験を実施した。
【0056】
第1表は脱硫率の調査結果を示したもので、アルゴンガスキャリアーに比べて酸素ガスキャリアーの方が下記の式で定義する脱硫率が高く、脱硫精錬を効率よく達成することができることがわかった。
【0057】
脱硫率=(処理前溶鋼中S濃度−処理後溶鋼中S濃度)÷(処理前溶鋼中S濃度)×100
【0058】
【表1】
Figure 0003708966
【0059】
このように、精錬用フラックスのキャリアーガスをアルゴンガスから酸素ガスに変更することにより、同一フラックス原単位において脱硫率が25%も向上したのは、燃焼には不要でバーナー火炎温度を下げるアルゴンガスが排除されたので、ランス下端の下方でかつ溶鋼表面上方に形成されるバーナー火炎温度が上昇し、溶鋼表面到達時の精錬用フラックスの温度が上昇し、精錬用フラックスの反応効率が向上したものと思われる。
【0060】
上記のように精錬用フラックス導入管5を用いて、酸素ガスをキャリアーガスとして上吹ランスを搬送することは、従来技術にない精錬効果は得られるが、粉体によって生じる上吹ランスの内壁の磨耗対策を容易に講じうる利点はあるものの、構造が複雑になるとともに前記導入管の高温による溶損対策を講じる必要がある。
【0061】
そこで、本発明は第図の精錬用フラックス導入管5を除去し、第1図及び第2図に示すように酸素ガス流路4上部にキャリアーガス供給管13を連結開口せしめて精錬用フラックスを直接酸素ガス流路4内に供給する精錬用フラックス供給装置及びシステムを構成した。したがって、燃料ガス燃焼用酸素ガスを供給する酸素ガス供給管9は不要となり、キャリアーガス供給管13によって精錬用フラックスと燃料ガス燃焼用酸素ガスの両方を酸素ガス流路4に供給するようにした。
【0062】
このような構成の真空精錬装置によれば、酸素ガス流路4において精錬用フラックスが酸素ガスの中に均一に分散混合されながら上吹ランス出口開口部1−1で燃料と混合するので、上吹ランス出口での圧力の不連続はなく、安定した火炎を形成することができ、かつ精錬用フラックスの分散した各粒子が均一に加熱されるのである。
【0063】
上記構成の真空精錬装置を使用して、スロート径−18mm、出口径−90mmの上吹ランス1を用い、精錬用フラックスのキャリアーガスの酸素ガスを含めてランス噴出酸素ガス量を460Nm3/hrとし、その他は前記と同一の条件で真空精錬試験を行った。その結果を第1表に併記した。
【0064】
第1の結果より明らかなように、フラックス導入管5を内蔵する上吹ランス1で酸素ガスをキャリアーガスとして精錬用フラックスを供給する場合に比べて、バーナーランスへのキャリアーガス供給管13に精錬用フラックスを燃焼用酸素ガスをキャリアーガスとして供給する方が脱硫率が10%も高くなり、脱硫精錬を更に効率良く達成できた。
【0065】
この理由については、上述したように、精錬用フラックスがバーナー火炎中に均一に分散し伝熱が均一化された結果であって、事実、精錬用フラックス粒子が球状化し、粒子内部の成分、例えばフッ素濃度、Ca濃度などが均一に分布していた。
【0066】
すなわち、本発明の上記実施例によれば、溶鋼表面到達迄の精錬用フラックス粒子群の平均的な温度が上昇し、精錬用フラックスが溶融し、その結果、精錬用フラックスが溶鋼表面に到達後、精錬対象元素であるSがフラックス内部へ拡散する速度が増大するため、フラックス内のS濃度が増加し、精錬用フラックスの反応効率が向上し、同一の原単位でも脱硫率が向上したと考えられる。
【0067】
なお、本発明の実施例の第1図〜第4図の真空精錬装置は、溶鋼表面へ精錬用フラックスを加熱後あるいは加熱溶融後に到達させるのみならず、バーナー燃焼による溶鋼加熱および耐火物加熱、さらには酸素ガス単独吹き付けによる脱炭促進やアルミ昇熱などを適宜行うことができる。
【0068】
本発明者は、前記のようにRH真空脱ガス装置を用いるフラックス精錬法を試験実施したところ、真空槽の耐火物が新品の時と通常の脱ガス処理を繰り返し実施して真空槽の耐火物の溶損が進行した時では、両者のフラックス精錬処理前の溶鋼組成、取鍋スラグ組成、環流ガス吹き込み条件、精錬用フラックスの組成、粒度、吹き付け条件等が同一であっても、前者のフラックス精錬反応効率が後者のそれよりも低く、例えば10ppm以下の所定の目標値まで脱硫するのに必要な精錬用フラックス原単位が前者の方が後者よりも高くなる、という現象を更に見出した。
【0069】
本発明の他の一つは、上記現象の原因解明に基づきなされたもので前記のフラックス精錬を行うに際し、更に真空槽の耐火物が新品の時から、真空槽の耐火物の溶損が進行した時と同等のフラックス精錬反応を確保して、真空槽の耐火物の溶損が進行した時と同等の低い精錬用フラックス原単位で精錬できるという、前記のフラックス精錬方法を更に改善した溶鋼の真空精錬方法を提供するものである。
【0070】
本発明者は、上記現象について種々検討した結果、RH真空槽耐火物一炉代末期のRH浸漬は溶損により内径が、RH真空槽耐火物一炉代初期のRH浸漬管よりも拡大して、溶鋼環流量が大きくなっているという相違が、両者のRH真空槽耐火物一炉代末期と初期にはある点に着目して、実験直後の浸漬管内径の測定値に基づいて算出した溶鋼環流量、精錬用フラックス供給速度、フラックス精錬効率、精錬用フラックス原単位の関係を調査検討した。
【0071】
その結果、上吹ランスからキャリアーガスによって精錬用フラックスを溶鋼表面に吹き付ける溶鋼の真空精錬方法において、真空精錬処理中の精錬用フラックス供給速度Fと溶鋼環流量Qが次式の関係を満たすように、フラックス供給速度Fおよびまたは溶鋼環流量Qを調整することにより、真空槽耐火物の一炉代を通して、安定的に高いフラックス精錬効率を達成し、例えば低い精錬用フラックス原単位でもって10ppm以下の極低硫溶鋼を得ることができることを見出した。
【0072】
0.5≦フラックス供給速度F(kg/min)÷溶鋼環流量Q(t/min)≦1.5
なお、こゝで云う一炉代とは、RH真空槽の耐火物を新しくした時点を一炉***始と定義し、損耗した耐火物を新たに構築するために、真空槽を交換した時点を一炉代終了と定義した。
【0073】
上記の一炉代におけるフラックス精錬の現象は以下の実験によって確認された。
【0074】
本発明者等は、第5図に示すような100トン規模のRH設備の真空槽8内に、第6図に示すラバール構造の上吹ランス31を垂下せしめて配置し、ランス31からアルゴンガスをキャリアーにして脱硫用フラックス粉体を、取鍋19内の溶鋼20に浸漬する浸漬管8−1を介して環流する真空槽内の溶鋼20の表面に吹き付け、真空脱硫処理を行う試験を実施した。
【0075】
なお、第5図において、上吹ランス31のキャリアーガス流路32にキャリアーガス供給管33がバルブ34を介して接続され、またこの供給管33にバルブ36を介してフラックスタンク35が接続され、更に、このタンク35にバルブ38を介してキャリアーガス供給管37が接続されている。
【0076】
使用したフラックスは石灰60%−ホタル石40%の組成で、使用粉体の大きさは100メッシュ以下である。ランス形状は第6図に示すスロート径18mm、出口径90mmの形状のものを使用した。キャリアーガス流量は300Nm3/hrである。ランス高さは真空槽内溶鋼面から2.3mに設定した。
【0077】
なお、取鍋スラグ組成やフラックス使用量は、T.Fe+MnOが5%以下のスラグとし、フラックス原単位は2kg/t程度とし、フラックス供給速度は70kg/minとした。また、溶鋼組成は第2表のものを使用し、溶鋼温度は1600℃前後で処理した。
【0078】
本発明者等は、RH真空槽耐火物の一炉代を通して試験を継続調査したところ、耐火物が新品の時と耐火物溶損が進行した炉末期では、上記のように同一の脱硫フラックス原単位や同一の処理条件にしたにもかかわらず、第3表のように脱硫率は炉末期が高く、新炉では低かった。
【0079】
一方、フラックス供給速度を25kg/min,40kg/minに変更した脱硫試験では、上記フラックス供給速度70kg/minの場合とは異なって、脱硫率は真空槽耐火物炉代末期も高く、かつ炉代初期も高かった。
【0080】
【表2】
Figure 0003708966
【0081】
【表3】
Figure 0003708966
【0082】
知のように、新炉築造時のRH浸漬管8−1の内径に対して、炉末期のRH浸漬管8−1の内径は溶損で拡大している。また、一般にRH処理においては環流ガス量をRH浸漬管の溶損とは無関係に一定に設定しており、溶鋼環流量は浸漬管の内径に依存する。第7図は上記脱硫試験で使用した100トン規模のRH設備(環流ガス量500Nl/min一定)におけるRH真空槽耐火物の一炉代の炉初期、中期、末期の浸漬管内径と溶鋼環流量の関係を示し、溶鋼環流量は炉代の初期から末期にかけて徐々に増加することがわかる。
【0083】
そこで本発明者等は、溶鋼環流量が同一の条件で前記の脱硫試験結果を層別して、フラックス供給速度と脱硫率の関係を調査した。その結果を第8図に示した。溶鋼環流量が大きい場合には、フラックス供給速度の大きさに関係なく脱硫率が一定であるが、溶鋼環流量が小さい場合にはフラックス供給速度が大きくなると脱硫率が低下し、脱硫効率が低下した。
【0084】
この現象はフラックス供給と溶鋼流動との間に最適な関係があることを推測させるため、フラックス供給速度F(kg/min)と溶鋼環流量Q(t/min)との比に対する脱硫率の関係を整理し、第9図に示した。以後、Fはフラックス供給速度、Qは溶鋼環流量を表すものとする。
【0085】
フラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値が1.5以下であると、脱硫率は高位に維持できる。この値よりも大きくなる場合には、脱硫率が低下する。
【0086】
これはフラックス供給に対して溶鋼流動が遅く、フラックスの分散を阻害し、脱硫反応界面面積が低下したためと考えられる。
【0087】
上記知見に基づき、第5図に示すRH設備を使用して、RH真空槽耐火物の一炉代を通して、真空処理開始前に、RH浸漬管の内径を測定し、溶鋼環流量を推定計算し、溶鋼環流量に応じて真空脱硫処理中におけるフラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値が1.5以下となるようにフラックス供給速度を調整し、真空脱硫処理することをRH真空槽耐火物の一炉代を通して実施した。その際の炉代時期、溶鋼環流量、フラックス供給速度、フラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値、脱硫率を第4表に示した。
【0088】
また、第4表には炉代を通してフラックス供給速度を調整せずに一定に設定した際の結果を示す第3表の脱硫率をフラックス供給速度、フラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値と共に併記した。
【0089】
第4表から明らかなように、真空脱硫処理中のフラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値が1.5以下となるように、フラックス供給速度を調整することで、RH真空槽耐火物の一炉代を通して脱硫率を高位安定でき、フラックス原単位を低位安定できる。
【0090】
【表4】
Figure 0003708966
【0091】
なお、上記真空槽耐火物の一炉代の各真空脱硫処理中におけるフラックス供給速度と溶鋼環流量の比の値を1.5以下に調整するに際して、フラックス供給速度を調整して行ったものであるが、溶鋼環流量の調整を併用して行ったり、溶鋼環流量の調整のみで行っても同様の効果が得られる。
【0092】
溶鋼環流量を調整する場合は、一例として下記式を用いることができる。なお、溶鋼環流量とはRH真空槽と取鍋との間を循環している溶鋼の質量流量(ton/min)を示したものである。
【0093】
Q=11.4×G1/4×D4/3×{ln(P1/P0)}
但し、Q:溶鋼環流量(ton/min)、G:環流用Arガス流量(N1/min)、D:浸漬管内径(m)、P1:760(torr)、P0:槽内真空度(torr)
したがって溶鋼環流量は環流用Arガス流量、槽内真空度の制御で調整することができる。
【0094】
なお、F/Qの下限値は0.5とする。すなわち、F/Qの値が0.5を下回ると、粉体供給速度が小さく精錬用フラックスによる精錬時間が長くなるために耐火物の熱負荷が大きくなり耐火物損耗の一因になること、あるいは、溶鋼環流量が極端に大きくなり浸漬管の耐火物の損耗を助長すること、のために好ましくない。
【0095】
次に本発明者は上記の試験結果を参照して第3図及び第4図で示す真空精錬装置とシステムを用いて以下の試験を行った。
【0096】
燃焼火炎中でフラックスへ伝熱が促進されるため、溶融しにくいフラックス組成として80%CaO−20%CaF2のフラックスを2kg/tの量で用い、バーナーの酸素含有ガス流量は、純酸素換算で流量460Nm3/hrとし、燃料ガスとしてLNGを使用しその流量は酸素と完全燃焼するのに必要十分な量の200Nm3/hrに設定した。また精錬用フラックスのキャリアーガスとしてアルゴンガス(流量180Nm3/hr)、酸素富化空気(酸素富化率60%の組成で流量は180Nm3/hr)、純酸素ガス(キャリアーガスとしての流量は180Nm3/hr)、溶鋼環流量35ton/minをそれぞれ用いた試験を実施した。キャリアーガスとして酸素含有ガスあるいは純酸素ガスを用いた場合には、ランスから噴出するトータルの純酸素分のガス流量が上記460Nm3/hrになるように調整した。
【0097】
上記ランスでは、ランス下方にジェットコア部に続いてバーナー火炎部が形成されるため、ランス位置としては、ランス下方で溶鋼表面上方にバーナー火炎の全長を形成するのがフラックスを加熱する上で望ましく、前述のLHの間隔以上のランス高さが確保されるように、6mとした。
【0098】
第11図にその結果を示すが、溶融しにくく反応性に劣るフラックス組成(20%CaF2)でありながら酸素含有キャリアーガスを使用すると、アルゴンキャリアーガスを使用したときの溶融性に富む40%CaF2を使用したときと同等の脱硫率(第9図参照)を持ち、かつF/Qが1.5以下で安定して高い脱硫率を保っている。また、同図よりキャリアーガスがアルゴンより酸素富化空気、さらには純酸素の方が脱硫率は高くなった。このように溶融しにくいフラックスでありながら高脱硫率となったのは、前述のように酸素富化空気キャリアーガスを用いることによって溶鋼に侵入する前にフラックス温度が上昇し、フラックスが溶鋼へ侵入した直後からの溶鋼中Sがフラックス内部へ侵入する拡散速度が大きく、速やかに脱硫反応が進行したためと考えられる。さらに精錬用フラックスのキャリアーガスを不活性ガスであるアルゴンガスから、酸素富化空気、さらには純酸素ガスに変更することにより、不活性ガス使用時に比べて、ランス下端の下方で溶鋼表面上方に形成されるバーナー火炎温度が上昇する。この火炎温度上昇により溶鋼表面到達時の精錬用フラックスの温度が上昇するため、〔S〕のフラックス内部への拡散速度がさらに増大したためである。
【0099】
更に本発明者は第1図及び第2図で示す真空精錬装置及びシステムを用いて同様の試験(80%CaO−20%CaF2の脱硫材を2kg/t使用)を行った。
【0100】
第10図にその試験結果を示すが、第11図の結果と同様に、溶融しにくく反応性に劣るフラックス組成でありながら、酸素含有ガスとして酸素富化空気(酸素富化率60%)を使用した場合、アルゴンガスを使用し、かつ溶融性に富むフラックス(40%CaF2)を使用した場合と同等の脱硫率(第9図参照)を確保し、かつF/Qが1.5以下で安定して高い脱硫率を確保できている。また、酸素含有ガスとして純酸素ガスを使用した場合、溶融しにくく反応性に劣るフラックス組成でありながら、溶融性に富む40%CaF2と同等以上の脱硫率を確保し、かつF/Qが1.5以下で安定して高い脱硫率を確保できた。
【0101】
このように燃料ガスおよび純酸素ガスを同時に噴出してランス下方で溶鋼表面の上方にバーナー火炎を形成できる上吹ランスを用い、脱硫用フラックスのキャリアーガスとして上記純酸素ガスを用いると、同一フラックス組成ならば最も脱硫率が高くなるのは、酸素富化空気を用いるよりも高温の火炎が形成され、フラックス導入管を内蔵する上吹ランスよりもバーナー火炎中にフラックス粉体が均一に分散し、均一な加熱ができるためである。
【0102】
以上のように、燃料ガス、酸素含有ガスおよびキャリアーガスでフラックスを同時に噴出可能な上吹ランスを用い、フラックス供給速度/溶鋼環流量を0.5〜1.5の範囲に保持し、燃料ガス、酸素含有ガス、およびキャリアーガスでフラックスを同時に噴出して溶鋼表面の上方にバーナー火炎を形成するとともにフラックスをバーナー火炎を通して加熱後、溶鋼表面に到達させるか、あるいは、燃料ガスおよび酸素含有ガスを同時に噴出して溶鋼表面の上方にバーナー火炎を形成できる上吹ランスを用いて、フラックスをバーナー火炎を通して加熱後、溶鋼表面に到達させると、上吹ランスからアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス、その他のガス等のキャリアーガスによってフラックスを加熱することなく溶鋼表面に到達させるよりも、CaF2分が少ないフラックスを使用して、少くも同等の脱硫率を確保できる。さらに、CaF2分が少ないフラックスの使用によって耐火物溶損が軽減できるとともに、溶鋼ならびに耐火物が加熱される。
【0103】
また、フラックス精錬の場合と同様、上記上吹ランスを脱硫処理時間を除く真空処理(真空脱ガス)中に適宜バーナーとして機能させ、溶鋼、真空槽耐火物をバーナー加熱するとともに、真空処理間の待機時に真空槽耐火物をバーナー加熱することで真空処理中の真空槽耐火物への地金付着を解消できる。
【0104】
なお、フラックス供給速度Fと溶鋼環流量Qの関係をF/Q=0.5〜1.5の範囲で保持しつゝ、一炉代にわたり高いフラックス精錬反応を得る技術は精錬用フラックスを不活性ガスをキャリアーガスとして溶鋼に吹込む場合にも適応できることは勿論である。
【0105】
以上フラックス精錬法として主に脱硫処理について説明したが、これに限らず、本発明は溶鋼精錬作用を有する副原料、例えば極低酸素化や極低燐化等を図るフラックス粉体の吹込みにも利用される。
【0106】
また、真空精錬装置もRH型真空脱ガス槽以外にDH型、直胴型などの他の真空脱ガス槽を用いることができる。
【0107】
実施例
実施例1
第1図、第2図及び第3図、第4図で示すRH真空脱ガス装置及びフラックス−ガス送入システムを用い、溶鋼中の〔S〕濃度が10ppm以下を目標に真空精錬処理を実施した。
【0108】
装置規模は容量100tonであり、第5表の組成の溶鋼を脱硫処理した。脱硫処理条件および処理結果を第6表および第7表に示した。使用したフラックスは、石灰80%−ホタル石20%の組成で、粒度は100メッシュ以下であった。上吹ランス1の形状はスロート径18mm、出口径90mmのラバール構造のものを使用した。フラックス粉体供給速度は30kg/minで実施した。スラグのT.Feは6%未満であった。処理前の溶鋼温度は約1590℃であった。
【0109】
また比較例として第3図、第4図に示す精錬用フラックス導入管5を内蔵する上吹ランス1を槽頂部に昇降可能に配置したRH真空脱ガス装置を用いて、アルゴンガスを精錬用フラックスキャリアーにした場合も同様に実施した。
【0110】
第6表の試料No.1〜5の本発明例において、バーナー火炎中を通過した粉体を回収したところ、第13(A)図に示すように外観が光沢を帯びた球状を示し、その断面の観察で、第13(B)図で示すようにCaの他、F.Oの元素分布が一様であり、粉体が溶融状体にあることが確認された。
【0111】
第7表から試料No.1〜5の本発明例はバーナー火炎の高温化による精錬用フラックスの高温化で試料No.6および7の比較例よりも精錬用フラックスが効率よく反応して、原単位が低減し、処理時間が短縮していることが明らかとなった。また試料No.4,5の方が試料No.1〜3よりも原単位が小さく、処理時間も短くなっていることがわかる。この試料No.4,5と試料No.1〜3との効果差は、粉体の高温火炎中の分散による精錬用フラックスの更なる高温化ないしは溶融化によってもたらされているのである。
【0112】
【表5】
Figure 0003708966
【0113】
【表6】
Figure 0003708966
【0114】
【表7】
Figure 0003708966
【0115】
実施例2
第2図に示す上吹ランス1を備える第1図の100トンRH真空脱ガス設備において、酸素含有ガスとして純酸素ガスを用いて、第2表の組成の溶鋼を真空脱硫処理した。真空脱硫処理条件を第8表に示す。
【0116】
使用したフラックスは石灰60%−ホタル石40%の組成で、粒度は100メッシュ以下である。ランス形状はスロート径18mm、出口径90mmの形状ものを使用した。純酸素ガス流量は460Nm3/hrであり、LNG200Nm3/hrを燃料供給孔から噴出させた。なお、スラグのT.Fe+MnOは5.0%以下の条件で実施した。また、処理後の〔S〕濃度が10ppm以下になった。
【0117】
【表8】
Figure 0003708966
【0118】
さらに、処理開始前にその都度、RH浸漬管内径を測定し、溶鋼環流量を推定計算し、フラックス供給速度(kg/min)と溶鋼環流量(t/min)との比が1.5になるようにフラックス供給速度を調整した。また比較例として、RH浸漬管内径を測定せず、フラックス供給速度はRH真空槽一炉代にわたって一定値(フラックス供給速度の設備能力最大値)で処理した場合の例を比較例に示した。
【0119】
実施例のフラックス原単位は一炉代で低位安定した処理が可能となっている。また処理時間も比較例と比べて、特に炉初期や中期での短縮効果が実施例では明らかである。
【0120】
産業上の利用可能性
以上のように本発明によれば、従来のバーナー加熱・精錬用フラックス投射法よりも精錬用フラックスの反応効率を向上させて、精錬用フラックス使用原単位を好ましくは真空槽耐火物の一炉代を通じて低減できるので処理時間の短縮ならびに耐火物溶損の軽減が図れる等、産業上の利用可能性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明を実施するRH真空脱ガス装置の一実施例を示す一部断面正面図である。
【図2】第2図は第1図で示す上吹ランスの端部の断面図である。
【図3】第3図は本発明を実施するRH真空脱ガス装置の他の実施例を示す一部断面正面図である。
【図4】第4図は第3図で示す上吹ランスの先端部の断面図である。
【図5】第5図はRH真空脱ガス装置の一部断面正面図である。
【図6】第6図は第5図で示す上吹ランスの先端部の断面図である。
【図7】第7図は第5図の装置における浸漬管内径と溶鋼環流量の関係及び上記装置の炉代時期と溶鋼環流量の関係を示す図である。
【図8】第8図は第5図の装置におけるフラックス供給速度と脱硫率との関係を示す図である。
【図9】第9図は第5図の装置におけるフラックス供給速度と溶鋼環流量の比に対する脱硫率の関係を示す図である。
【図10】第10図は第1図の装置におけるフラックス供給速度と溶鋼環流量の比に対する脱硫率の関係を示す図である。
【図11】第11図は第3図の装置におけるフラックス供給速度と溶鋼環流量の比に対する脱硫率の関係を示す図である。
【図12(A)】第12(A)図は溶融前のフラックス粉体の断面を示す反射電子顕微鏡写真である。
【図12(B)】第12(B)図は第12(A)図のフラックス粉体を構成するCaの元素分布を示す反射電子顕微鏡写真である。
【図13(A)】第13(A)図は溶融後のフラックス粉体の断面を示す反射電子顕微鏡写真である。
【図13(B)】第13(B)図は第13(A)図のフラックス粉体を構成するCaの元素分布を示す反射電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 溶鋼の真空精錬方法であって、以下の工程からなる:
    真空精錬装置の真空脱ガス槽の頂部に昇降自在に設けた上吹ランスの中央部に酸素ガス流路を設け、該酸素ガス流路内に、精錬用フラックスを燃料ガス燃焼用酸素ガスをキャリアーガスとして供給すること;
    前記上吹ランスの酸素ガス流路内で前記燃料ガス燃焼用酸素ガスと前記精錬用フラックスを混合せしめること;
    前記上吹ランスの壁体内に設け、かつ前記上吹ランスの開口部に開口せしめた燃料ガス流路に燃料ガスを供給すること;
    前記上吹ランスの開口部と前記溶鋼との間に前記酸素ガスと燃料ガスで火炎を形成するとともに、該火炎内に前記精錬用フラックスを通過せしめて該精錬用フラックスを加熱溶融すること;
    次いで、前記加熱溶融した精錬用フラックスを前記溶鋼表面に到達せしめて、該精錬用フラックスの溶鋼への供給速度と前記真空精錬装置内の溶鋼の環流量が下記式の条件を満たすように、該溶鋼を精錬すること。
    0.5≦精錬用フラックス供給速度(kg/min)/溶鋼環流量(ton/min)≦1.5
  2. 前記上吹ランスの酸素ガス流路に開口した酸素キャリアーガス供給管に、前記精錬用フラックスを精錬用フラックスタンクから酸素キャリアーガスを介して供給し、次いで該精錬用フラックスを酸素キャリアーガスによって前記酸素ガス流路に供給する請求の範囲記載の方法。
  3. 溶鋼の真空精錬方法であって、以下の工程からなる:
    真空精錬装置の真空脱ガス槽の頂部に昇降自在に設けた上吹ランスの中央部に酸素ガス流路を設け、該酸素ガス流路内に設けた精錬用フラックス導入管に、精錬用フラックスを酸素キャリアーガスとともに供給すること;
    前記酸素ガス流路に燃料ガス燃焼用酸素ガスを供給すること;
    前記上吹ランスの壁体内に設け、かつ前記上吹ランスの開口部に開口せしめた燃料ガス流路に燃料ガスを供給すること;
    前記上吹ランス開口部近傍で前記精錬用フラックスと前記酸素ガスと前記燃料ガスを同時に混合せしめて火炎を形成するとともに、該火炎内に前記精錬用フラックスを通過せしめて該精錬用フラックスを加熱溶融すること;
    次いで、前記加熱溶融した精錬用フラックスを前記溶鋼表面に到達せしめて、該精錬用フラックスの溶鋼への供給速度と前記真空精錬装置内の溶鋼の環流量が下記式の条件を満たすように、該溶鋼を精錬すること。
    0.5≦精錬用フラックス供給速度(kg/min)/溶鋼環流量(ton/min)≦1.5
  4. 前記精錬用フラックス導入管に開口した酸素キャリアーガス供給管に、前記精錬用フラックスを精錬用フラックスタンクから酸素キャリアーガスを介して供給し、次いで該精錬用フラックスを酸素キャリアーガスによって前記精錬用フラックス導入管に供給する請求の範囲記載の方法。
  5. 前記真空脱ガス槽内の雰囲気を3〜200torrの範囲に減圧する請求の範囲1〜のいずれかの項に記載の方法。
  6. 前記精錬用フラックスを加熱する際に、該精錬用フラックスの粉体1kg当り670kcal以上の熱量を前記火炎に供給する請求の範囲1〜のいずれかの項に記載の方法。
  7. 前記精錬用フラックスの粉体の粒径を0.25mm以下の範囲とする請求の範囲1〜のいずれかの項に記載の方法。
  8. 前記精錬用フラックスの融点が2000℃以下である請求の範囲1〜のいずれかの項に記載の方法。
  9. 溶鋼の真空精錬装置であって、以下の構成によりなる:
    真空脱ガス槽の頂部に上吹ランスを昇降自在に設け、前記真空脱ガス槽の下端部を取鍋内の溶鋼に浸漬して真空精錬装置を構成すること;
    前記上吹ランスの中央部に酸素ガス流路を設け、該酸素ガス流路に酸素キャリアーガス供給管を連結すること;
    前記酸素キャリアーガス供給管にバルブを介して精錬用フラックスタンクを連結し、該精錬用フラックスタンクから精錬用フラックスを前記酸素キャリアーガス供給管に供給し、更に該精錬用フラックスを前記酸素ガス流路に供給すること;および
    前記上吹ランスの壁体内に燃料ガス流路を設けるとともに前記上吹ランスの開口部の末広がり面に燃料ガス噴出口を開口せしめること。
  10. 前記酸素ガス流路内に精錬用フラックス導入管を配設し、該精錬用フラックス導入管に前記酸素キャリアーガス供給管を連絡すると共に該精錬用フラックス導入管の噴出口を前記燃料ガス噴出口の近傍に開口し、更に前記酸素ガス流路に前記燃料用ガスを燃焼する酸素ガスを供給する酸素ガス供給管を連結した請求の範囲記載の装置。
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