JP3706556B2 - 永久磁石モータの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石モータに接続されたインバータをホール素子等の位置センサーからの位置信号に基づいてPWM制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、洗濯機のパルスエータ駆動用のモータとして、永久磁石モータが採用されている。
図5は、一般的な永久磁石モータの構造を表わしており、該永久磁石モータは、図示の如く、円筒状の固定子(20)の中央部に形成された空間に、円柱状の永久磁石からなる回転子(21)を回転可能に収容して構成されている。固定子(20)の内周面には、複数のスロット(22)が凹設され、これら複数のスロットには、U相巻線(23)、V相巻線(24)及びW相巻線(25)が巻き付けられている。永久磁石モータにおいては、これら複数相の巻線(23)(24)(25)に通電することによって、回転子(21)を回転させる。
【0003】
永久磁石モータは、例えば図6に示す制御装置によって制御される。
図6は、永久磁石モータの制御装置の全体構成を表わしており、商用電源(4)からの交流電力が、整流回路(5)によって一旦、直流電力に変換された後、インバータ(6)によって交流電力に変換され、該交流電力が永久磁石モータ(2)に供給されて、モータの駆動が行なわれる。
永久磁石モータ(2)には、その回転軸を中心とする円周上に、ホール素子からなる位置センサー(3)が120度の位相差で3箇所に配備されており、これら3つの位置センサー(3)(3)(3)から得られる3つの位置信号(Hu,Hv、Hw)がインバータ制御回路(7)に供給され、該インバータ制御回路(7)によってインバータ(6)が制御されている。
【0004】
永久磁石モータの駆動方式としては、U相巻線、V相巻線及びW相巻線の内、2相の巻線に順次通電を行なう所謂120度通電方式と、正弦波状の電圧指令信号を用いたPWM制御によりU相巻線、V相巻線及びW相巻線の3相の巻線に同時に通電を行なう所謂正弦波駆動方式が知られている。
【0005】
前記インバータ制御回路(7)は、120度通電モードと正弦波駆動モードとの間で切換えが可能であって、図7は、該インバータ制御回路(7)の具体的な構成を表わしている。
該インバータ制御回路(7)は、120度通電用回転数制御回路(71)と正弦波駆動用回転数制御回路(72)とを具えており、これらの回路(71)(72)には、前記3つの位置センサーから得られる位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数を検出する回転数検出回路(79)が接続されている。
又、120度通電用回転数制御回路(71)及び正弦波駆動用回転数制御回路(72)には、マイクロコンピュータから目標回転数信号が供給され、これらの回路(71)(72)は、該目標回転数信号と前記回転数検出回路(79)から供給される回転数検出信号とに基づいて後述のスイッチング信号の生成に必要な信号を作成する。
【0006】
又、120度通電用回転数制御回路(71)及び正弦波駆動用回転数制御回路(72)には夫々、120度通電用スイッチング信号生成回路(73)及び正弦波駆動用スイッチング信号生成回路(74)が直列に接続されている。
120度通電用スイッチング信号生成回路(73)には、前記3つの位置センサーから得られる位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて所定の通電パターンを生成する通電パターン生成回路(75)が接続されており、該スイッチング信号生成回路(73)は、前記120度通電用回転数制御回路(71)から供給される信号と通電パターン生成回路(75)から供給される通電パターン信号に基づいて、インバータに対するスイッチング信号SWを生成する。この様にして、U相、V相、W相についてのスイッチング信号が作成される。
【0007】
一方、正弦波駆動用スイッチング信号生成回路(74)には、前記3つの位置センサーから得られる位置信号(Hu,Hv、Hw)に基づいて永久磁石モータの回転子の回転位置を演算する位置演算回路(78)が接続されており、該スイッチング信号生成回路(74)は、前記正弦波駆動用回転数制御回路(72)から供給される信号と前記位置演算回路(78)から供給される位置演算信号とに基づいて、インバータに対するスイッチング信号SWを生成する。この様にして、U相、V相、W相についてのスイッチング信号が作成される。
【0008】
前記両スイッチング信号生成回路(73)(74)は、1つのスイッチ(77)を介して前記インバータに接続されている。スイッチ(77)は、120度通電用スイッチング信号生成回路(73)がインバータに接続された第1状態と正弦波駆動用スイッチング信号生成回路(74)がインバータに接続された第2状態との間で切換えが可能であって、該スイッチ(77)には、前記3つの位置センサーから得られる位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて該スイッチ(77)の切換えを制御する切換え制御回路(76)が接続されている。
【0009】
上記インバータ制御回路(7)においては、モータの低速回転時には、前記スイッチ(77)は120度通電用スイッチング信号生成回路(73)がインバータに接続された第1状態に切り換えられて、該回路(73)にて上述の如く生成されたU相、V相、W相のスイッチング信号SWがインバータに供給される。この結果、永久磁石モータが、120度通電方式により駆動されることになる。
一方、モータの高速回転時には、前記スイッチ(77)は正弦波駆動用SW信号生成回路(74)がインバータに接続された第2状態に切り換えられて、該回路(74)にて上述の如く生成されたU相、V相、W相のスイッチング信号SWがインバータに供給される。この結果、永久磁石モータが、正弦波駆動方式により駆動されることになる。
この様に、モータの低速回転時には120度通電方式によりモータを制御する理由は、仮に低速回転時に正弦波駆動方式によりモータを制御した場合、3つの位置センサーから得られる位置信号(Hu、Hv、Hw)の切り替わりの周期が長く、かかる位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいて作成された正弦波状の電圧指令信号には大きな誤差が含まれることとなって、制御精度が低下するためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のインバータ制御回路(7)においては、モータの低速回転時と高速回転時で夫々、120度通電方式及び正弦波駆動方式の2つの異なる制御方式が採用されているため、図7に示す如く、低速回転時と高速回転時で異なる回転数制御回路(71)(72)及びスイッチング信号生成回路(73)(74)を構成する必要があると共に、回路系統を切り換えるためのスイッチ(77)を設ける必要があり、装置の構成が複雑となる問題があった。
又、低速回転時と高速回転時で回路系統を切り換えるため、制御の切換えをスムーズに行なうことが出来ない問題があった。
【0011】
そこで、モータの低速回転時には矩形波状の電圧指令信号を用いたPWM制御によりモータを制御する一方、モータの高速回転時には正弦波状の電圧指令信号を用いたPWM制御によりモータを制御するインバータ装置が提案されている(特開平10-164886[H02P 6/14])。
しかし、かかるインバータ装置においても、低速回転時に矩形波状の電圧指令信号を作成するための演算式と高速回転時に正弦波状の電圧指令信号を作成するための演算式とが異なるため、依然として、制御の切換えをスムーズに行なうことが出来ない問題がある。又、論理演算により矩形波状の電圧指令信号を作成するので、電圧指令信号の位相を調整することが出来ず、巻線に通電される電流と該巻線に発生する誘起電圧との間に位相のずれが生じて、磁石から発生する磁束が有効に利用されず、これによってトルクが低下する問題がある。
そこで、本発明の目的は、装置の構成が簡易で、モータの低速回転時と高速回転時で制御の切換えをスムーズに行なうことが出来、然も発生トルクを最大化することが可能なモータ制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る永久磁石モータの制御装置は、永久磁石モータに交流の電力を供給するインバータと、該永久磁石モータの回転角度と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサーと、該位置センサーから得られる位置信号に基づいて前記インバータを制御するPWM制御回路とを具えている。
ここで、PWM制御回路は、
前記位置信号に基づいて永久磁石モータの回転速度を検出する速度検出手段と、
前記位置信号に基づいて永久磁石モータの回転角度を導出する第1演算手段と、
永久磁石モータの低速回転時であるか高速回転時であるかに拘わらず、永久磁石モータの回転角度を変数として電圧指令信号の変化を表わす正弦波関数、若しくは永久磁石モータの回転角度と電圧指令信号の関係を表わすテーブルに基づき、前記第1演算手段により導出された回転角度及び所定の位相進め角から電圧指令信号を生成する第2演算手段と、
前記生成された電圧指令信号に基づいてPWM信号を作成し、該PWM信号をインバータに供給する信号処理手段
とを具えている。
前記第1演算手段は、
永久磁石モータの回転速度が低いときに、前記位置信号の位相に基づいて、粗い刻み幅で変化する回転角度を導出する低速時回転角度導出手段と、
永久磁石モータの回転速度が高いときに、前記位置信号の位相に基づいて回転角度を導出すると共に、導出された回転角度に対し補間を施して、細かい刻み幅で変化する回転角度を導出する高速時回転角度導出手段
とを具えている。
【0013】
上記本発明の永久磁石モータの制御装置においては、永久磁石モータの回転速度が低いときと高いときとで、モータの回転角度を導出する際の基礎となるデータが切り換えられる。
即ち、低速時には、前記位置信号の位相が1対1の対応関係で回転角度に変換されて、高速時よりも粗い刻み幅でレベルが変化する回転角度が導出される。これに対し、高速時には、前記位置信号の位相が1対1の対応関係で回転角度に変換されると共に、これによって得られる回転角度に対し補間が施されて、低速時よりも細かい刻み幅でレベルが変化する回転角度が導出される。
この様にして導出された回転角度には、低速時であるか高速時であるかに拘わらず、第2演算手段によって共通の正弦波関数若しくはテーブルを用いた演算が施されて、電圧指令信号が作成される。従って、低速時と高速時の間の切り替わり過程において、第2演算手段の動作に変化はない。
更に、この様にして作成された電圧指令信号には、低速時であるか高速時であるかに拘わらず、信号処理手段による共通の信号処理が施されて、PWM信号が作成され、インバータに供給される。従って、低速時と高速時の間の切り替わり過程において、信号処理手段の動作に変化はない。
この結果、低速時と高速時で制御の切り換えがスムーズに行なわれる。
【0014】
尚、低速時には、位置信号の切り替わりの周期が長く、該信号に基づいて導出される回転角度は、粗い刻み幅でレベルが変化するため、仮に低速時に、補間によって正弦波状に変化する回転角度を導出した場合、該回転角度の変化には、大きな誤差を伴うことになる。従って、この様な大きな誤差を伴う回転角度に基づいて電圧指令信号を生成し、PWM制御を行なった場合、制御精度はかえって低いものとなる。これに対し、本発明においては、低速時に導出される回転角度に補間を施すことなく、第2演算手段によって、例えば矩形波状に変化する回転角度から電圧指令信号を生成するので、上述の回転角度の誤差に伴う制御精度の低下はない。一方、高速時には、位置信号の切り替わりの周期が短く、該信号に基づいて導出される回転角度は、細かい刻み幅でレベルが変化するので、補間によって例えば正弦波状に変化する回転角度を導出した場合、回転角度には高い精度が得られ、ひいては高い制御精度が実現される。
【0015】
具体的には、第2演算手段には、電圧指令信号をV*、電圧振幅指令をVa、永久磁石モータの回転角度をθ、ゼロ以上の所定の進め角をψとして、下記数2の正弦波関数が規定されている。
【数2】
V*=Va・cos(θ+ψ)
【0016】
該具体的構成によれば、所定の進め角ψを与えることにより、電圧指令信号の位相(電圧位相)を進ませて、巻線に通電される電流と該巻線に発生する誘起電圧との位相差をゼロとすることが可能であり、これによってモータのトルクを最大化することが出来る。
【0017】
ここで、電圧振幅指令Vaは、前記検出された回転速度と目標回転速度との偏差に基づいて作成される。これによって、永久磁石モータの回転速度を目標回転速度に追従させるための電圧振幅指令Vaが作成されて、永久磁石モータの回転速度が制御される。
【0018】
【発明の効果】
本発明に係る永久磁石モータの制御装置によれば、低速時と高速時で共通の制御方式が採用されているので、従来の如く低速時と高速時で異なる制御回路を構成する必要はなく、これによって装置の簡易化を図ることが出来ると共に、制御の切換えをスムーズに行なうことが出来る。更に、永久磁石モータの回転角度と電圧指令信号の関係が正弦波関数若しくはテーブルによって規定されているので、該関係において電圧指令信号の位相を任意の位相差だけ進ませることが可能であり、これによって発生トルクを最大化することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明に係る永久磁石モータの制御装置の全体構成を表わしており、商用電源(4)から得られる交流電力が、整流回路(5)によって一旦、直流電力に変換された後、インバータ(6)によって交流電力に変換され、該交流電力が永久磁石モータ(2)に供給されて、モータの駆動が行なわれる。
永久磁石モータ(2)には、その回転軸を中心とする円周上に、ホール素子からなる位置センサー(3)が120度の位相差で3箇所に配備されており、これら3つの位置センサー(3)(3)(3)から得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)がPWM制御回路(1)に供給され、該PWM制御回路(1)によってインバータ(6)が制御されている。
【0020】
図3(a)は、永久磁石モータの3相巻線に誘起される電圧(Eu、Ev、Ew)の波形を表わしており、各電圧波形は、360度を1周期として正弦波状に変化し、3つの電圧波形は互いに120度の位相差を有している。
又、同図(b)は、3つの位置センサーから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の波形を表わしている。各位置信号は、360度を1周期として、ハイとローに切り替わる矩形波であって、3つの位置信号は互いに120度の位相差を有している。
【0021】
図2は、PWM制御回路(1)の具体的な構成を表わしている。
前記位置センサー(3)(3)(3)から得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、位置演算回路(13)へ供給されると共に、回転数検出回路(14)へ供給される。回転数検出回路(14)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数が検出され、その結果が正弦波/矩形波駆動制御回路 (12)を構成する位相制御回路(12a)、位置演算回路(13)、及びモード切換え制御回路(15)に供給される。
モード切換え制御回路(15)では、回転数検出回路(14)から供給される回転数ωが所定の閾値以下の低速モードであるか、回転数ωが所定の閾値を越える高速モードであるかを判断し、その判断結果を位置演算回路(13)へ供給する。
【0022】
位置演算回路(13)では、低速モードにおいては、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相からモータの回転角度θを算出する。例えば、下記表1は、モータの回転に伴って得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)のハイ(“1”)及びロー(“0”)の組合せと回転角度θとの関係を表わしており、この表に基づいて、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相に対応するモータの回転角度θを導出することが出来る。これによって、60°を刻み幅として矩形波状に変化する回転角度θが得られることになる。
【0023】
【表1】
Figure 0003706556
【0024】
高速モードにおいては、低速モードと同様に3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相からモータの回転角度を導出すると共に、これらの回転角度θを正弦波に基づいて補間することにより、60°よりも十分に小さな刻み幅(例えば1°)で正弦波状に変化する回転角度θを算出する。尚、図2に示す回転数検出回路(14)から得られる回転ωは、前記補間処理に利用される。
低速モード或いは高速モードにて、前の如く算出された回転角度θは、位相制御回路(12a)へ供給される。
【0025】
回転数検出回路(14)から得られる回転数ωは、回転数制御回路(11)へ供給され、該回転数制御回路(11)にて、モータ回転数の目標値ω*との偏差に基づき、電圧振幅指令Vaが作成される。
電圧振幅指令Vaは位相制御回路(12a)へ供給され、位相制御回路(12a)においては、回転数制御回路(11)から得られる電圧振幅指令Vaと、位置演算回路(13)から供給される回転角度θとに基づき、下記数3から、永久磁石モータのU相についての電圧指令信号Vu*が算出される。
【0026】
【数3】
Vu*=Va・cos(θ+ψ)
尚、ψは、位相進め角であって、回転数検出回路(14)から得られる回転数ωに応じてゼロ以上の適切な値に設定される。
【0027】
これによって、低速モードにおいては、図3(c)に示す如く60°の粗い刻み幅で矩形波状に変化する電圧指令信号Vu*が得られる。一方、高速モードにおいては、図4(c)に示す如く細かい刻み幅で正弦波状に変化する電圧指令信号Vu*が得られる。
そして、このU相の電圧指令信号Vu*に対して120°の位相差を与えることによって、V相の電圧指令信号V*が作成され、更にこのV相の電圧指令信号Vv*に対して120°の位相差を与えることによって、W相の電圧指令信号Vw*が作成される。
【0028】
この様にして算出された3相の電圧指令信号(Vu*、Vv*、Vw*)は、図2に示す正弦波/矩形波駆動制御回路(12)を構成するPWM信号生成回路(12b)へ供給されて、U相、V相、W相についてのPWM信号が生成される。
即ち、低速モードにおいては、図3(c)に示す如く、U相の電圧指令信号Vu*と所定の搬送波(三角波)とが比較され、該比較結果に基づいて、同図(d)に示すU相の駆動信号(PWM信号)が作成される。同様にして、V相の電圧指令信号Vv*と所定の搬送波とが比較されて、V相の駆動信号が作成され、W相の電圧指令信号Vw*と所定の搬送波とが比較されて、W相の駆動信号が作成される。高速モードにおいても同様に、図4(c)に示す如く、U相の電圧指令信号Vu*と所定の搬送波(三角波)とが比較され、該比較結果に基づいて、同図(d)に示すU相の駆動信号(PWM信号)が作成される。同様にして、V相の電圧指令信号Vv*と所定の搬送波とが比較されて、V相の駆動信号が作成され、W相の電圧指令信号Vw*と所定の搬送波とが比較されて、W相の駆動信号が作成される。
【0029】
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図1に示す如くインバータ(6)へ供給されて、インバータ(6)がPWM制御される。この結果、永久磁石モータ(2)は、低速モードにおいては3つの位置センサーの出力から作成された矩形波状の電圧指令信号に基づいて駆動される一方、高速モードにおいては3つの位置センサーの出力から作成された正弦波状の電圧指令信号に基づいて駆動されることになる。
【0030】
上述の永久磁石モータの制御装置においては、低速モードの制御、即ち、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相差に基づいて、粗い刻み幅(60°)でレベルが変化する矩形波状の回転角度θを導出し、該回転角度θに基づいて電圧指令信号を作成する制御と、高速モードの制御、即ち、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)の位相差に基づいて回転角度を導出すると共に、これらの回転角度を補間して、細かい刻み幅(例えば1°)でレベルが変化する正弦波状の回転角度を導出し、該回転角度θに基づいて電圧指令信号を作成する制御とが、永久磁石モータ(2)の回転数に応じて切り換えられるが、何れのモードにおいても、正弦波/矩形波駆動制御回路(12)の位相制御回路(12a)は、前記数3に示す共通の正弦波関数を用いた演算を実行して、電圧指令信号を作成する動作を行なうので、低速モードと高速モードの間の切り替わりに伴う動作の変化はない。
【0031】
又、正弦波/矩形波駆動制御回路(12)のPWM信号生成回路(12b)は、何れのモードにおいても、電圧指令信号からPWM信号を作成してインバータに供給する動作を行なうので、低速モードと高速モードの間の切り替わりに伴う動作の変化はない。
【0032】
従って、図7に示す従来のインバータ制御回路(7)の如く2つのスイッチング信号生成回路(73)(74)や2つの回転数制御回路(71)(72)を設けて低速時と高速時で回路系統を切り換える方式に比べて、構成が簡易となるばかりでなく、低速時と高速時の間の制御の切換えがスムーズに行なわれる。
【0033】
又、図2に示す正弦波/矩形波駆動制御回路(12)の位相制御回路(12a)においては、前記数3の正弦波関数に規定されている位相進め角ψを回転数ωに応じた適切な値に設定することによって、永久磁石モータ(2)の巻線に通電される電流と該巻線に発生する誘起電圧との位相差をゼロに設定することが可能であり、これによってモータのトルクを最大化することが出来る。
【0034】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、永久磁石モータ(2)に3つの位置センサー(3)(3)(3)を設けているが、これに拘わらず、任意の個数の位置センサーを設けることが可能である。永久磁石モータ(2)に2つの位置センサーを設けた場合には、90°を刻み幅として矩形波状に変化する回転角度θが得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る永久磁石モータの制御装置の全体構成を表わすブロック図である。
【図2】該制御装置を構成するPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。
【図3】該PWM制御回路において低速時に作成される各種信号の波形図である。
【図4】該PWM制御回路において高速時に作成される各種信号の波形図である。
【図5】永久磁石モータの構造を示す図である。
【図6】従来の永久磁石モータの制御装置の全体構成を表わすブロック図である。
【図7】従来のインバータ制御回路を表わすブロック図である。
【符号の説明】
(1) PWM制御回路
(2) 永久磁石モータ
(3) 位置センサー
(4) 商用電源
(5) 整流回路
(6) インバータ
(11) 回転数制御回路
(12) 正弦波/矩形波駆動制御回路
(12a) 位相制御回路
(12b) PWM信号生成回路
(13) 位置演算回路
(14) 回転数検出回路
(15) モード切換え制御回路

Claims (5)

  1. 永久磁石モータに交流の電力を供給するインバータと、該永久磁石モータの回転角度と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサーと、該位置センサーから得られる位置信号に基づいて前記インバータを制御するPWM制御回路とを具えた永久磁石モータの制御装置において、前記PWM制御回路は、
    前記位置信号に基づいて永久磁石モータの回転速度を検出する速度検出手段と、
    前記位置信号に基づいて永久磁石モータの回転角度を導出する第1演算手段と、
    永久磁石モータの低速回転時であるか高速回転時であるかに拘わらず、永久磁石モータの回転角度を変数として電圧指令信号の変化を表わす正弦波関数、若しくは永久磁石モータの回転角度と電圧指令信号の関係を表わすテーブルに基づき、前記第1演算手段により導出された回転角度及び所定の位相進め角から電圧指令信号を生成する第2演算手段と、
    前記生成された電圧指令信号に基づいてPWM信号を作成し、該PWM信号をインバータに供給する信号処理手段
    とを具え、前記第1演算手段は、
    永久磁石モータの回転速度が低いときに、前記位置信号の位相に基づいて、粗い刻み幅で変化する回転角度を導出する低速時回転角度導出手段と、
    永久磁石モータの回転速度が高いときに、前記位置信号の位相に基づいて回転角度を導出すると共に、導出された回転角度に対し補間を施して、細かい刻み幅で変化する回転角度を導出する高速時回転角度導出手段
    とを具えていることを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
  2. 位置センサーは、永久磁石モータの回転軸を中心とする円周上の複数箇所に配備され、第1演算手段は、複数の位置センサーから得られる複数の位置信号の位相差に基づいて、回転角度を算出する請求項1に記載の制御装置。
  3. 第2演算手段は、永久磁石モータの複数相の巻線についての複数相の電圧指令信号を生成し、信号処理手段は、永久磁石モータの複数相の巻線についての複数相のPWM信号を作成する請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
  4. 第2演算手段には、電圧指令信号をV*、電圧振幅指令をVa、永久磁石モータの回転角度をθ、ゼロ以上の所定の位相進め角をψとして、数1の正弦波関数が規定されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の制御装置。
    Figure 0003706556
  5. 更に、前記検出された回転速度と目標回転速度との偏差に基づいて電圧振幅指令Vaを作成する速度制御手段を具えている請求項4に記載の制御装置。
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