JP3705863B2 - 高さ測定装置及び高さ測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水準測量の分野にかかり、特に、平面光を使用して測定点の高さを測定する測定点の高さ測定装置及び測定点の高さ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、測定点の高さを測定するために、図5に示すようなレーザプレーナ102と、受光装置103が用いられていた。このレーザプレーナ102は、所定径の平行光線束111を、基準点101を通る鉛直線112と垂直に交差するように射出し、かつ該鉛直軸線112の回りに回転させて水準面を設定するものであり、前記平行光線束111を、測定点113上に配置された受光装置103の有する複数の受光素子115で受光するものであり、前記受光素子115を前記測定点113を通る鉛直線上に位置するように配置すれば、前記平行光線束111が照射された受光点116を検出し、測定点113からの高さを求めれば、その値と前記平行光線束111の前記基準点101からの高さとから、水準測量を行なえる。
【0003】
しかし、このようなレーザプレーナによる水準測量では、測定できる高さの範囲は、受光装置上に受光素子が配置された範囲に限定されてしまう。一般の受光装置では、受光素子は高々数センチメートルの範囲にしか配置されておらず、平行光線束を検出できる範囲が非常に狭い。そのため、基準点と測定点との高さの差が大きく、測定点上に直接受光装置を置くと平行光線束が前記受光素子に照射されないような場合は、専用の微動装置の付いた架台を用い、その上にレーザプレーナや受光装置を置いたが、それでも平行光線束を受光素子に照射させるのは容易ではなかった。
【0004】
この場合、受光装置にフォトダイオード等の受光素子を多数配置したり、長いリニアセンサを装着すれば、平行光線束を検出し得る範囲は大きくなるが、コスト高となることは避けられない(例えば実開平2-133608号参照)。
【0005】
このような不都合を解消するために、三次元座標測定システムにより高さ測量を行なうことが考えられる。図6に、三次元座標測定システムの例を示す。このシステム201は、基準点210に2つの交差する平面光2071、2072を回転軸線208を中心に回転させつつ射出する射出装置202を配置し、測定点203上に反射装置204の先端を置き、該反射装置204に配置された反射プリズム2091、2092、2093で前記2つの平面光2071、2072を反射して、前記射出装置202の備える図示しない光検出手段により受光するものであり、光検出手段の受光した信号をコンピュータで解析すれば、前記測定点203の三次元座標の値が算出できるので、測定点203の高も求めることが可能である(例えば特願平5-308035号参照)。
【0006】
しかし、このようなシステムでは、反射プリズム等の光学部品を必須とするため、受光装置が大型化せざるを得ず、取扱いに不便であるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような従来技術にみられる問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、システム構成が簡潔で、広い測定範囲を有し、極めて簡単に作業が行える測定点の高さ測定装置、及び高さ測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明装置は、平面光射出装置と、受光装置と、演算装置とを有し、前記平面光射出装置が配置される基準点の高さと測定点の高さの差を求める高さ測定装置であって、前記平面光射出装置は、所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る垂線と垂直に交わるように射出する発光手段と、前記2つの平面光を前記垂線を回転軸線として所定速度で回転させる回転手段とを有し、前記受光装置は所定位置に固定された2つの光検出手段を有し、前記演算装置は、前記光検出手段を結ぶ直線が測定点を通る鉛直線となるように前記受光装置を配置したときに、前記各光検出手段が前記2つの平面光を受光した受光時刻と、前記各光検出手段の測定点からの高さと、前記交線の基準点の高さとから、前記基準点と測定点との高さの差を算出することを特徴とし、
請求項2記載の発明装置は、請求項1記載の高さ測定装置であって、前記各光検出手段は、前記直線と垂直方向に密着配置された2つの受光素子を有することを特徴とし、
請求項3記載の発明方法は、高さ測定方法であって、所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る鉛直線と垂直に交わるように射出し、前記2つの平面光を前記鉛直線を回転軸線として一定速度で回転させ、前記測定点を通る鉛直線上の所定位置に配置された複数の受光点で前記2つの平面光を受光して受光時刻を検出し、前記2つの平面光の前記交線の前記基準点からの高さと、前記受光時刻と、前記所定位置とから測定点と基準点の高さの差を求めることを特徴とする。
【0009】
本発明の測定原理を図面を用いて説明する。
【0010】
図3を参照し、A1、A2は、所定角度で交差する2つの平面光であり、一の交線で交わっている。該2つの平面光A1、A2の交線は、図示しない基準点を通る垂線と垂直に交わるようにされており、前記2つの平面光A1、A2は、図面右方向に一定の角速度ωで回転しているものとする。
【0011】
2つの受光点PA、PBは、測定点P0を通る鉛直線J上に位置し、前記受光点PBは、前記測定点P0から高さbの位置に固定され、前記受光点PAは、前記受光点PBから高さdの位置に固定されている。
【0012】
前記2つの平面光A1、A2が回転した場合、前記受光点PAは前記平面光A1、A2とそれぞれ点S1、S4で交わり、前記受光点PBはそれぞれ点S2、S3で交わるものとする。このとき、前記点S1、S2、S3、S4は一つの垂直面を張る。その垂直面と前記2つの平面光A1、A2の交線とが交わる点を点S0とする。
【0013】
前記2つの平面光A1、A2が回転し、前記鉛直線Jと交差すると、受光点PAと時間間隔tAをおいて2回交わり、受光点PBと時間間隔tBをおいて2回交わる。この場合、基準点と測定点との距離をLとすると、
S1S4 = L・ω・tA (1)
S3S2 = L・ω・tB (2)
が成立する。
【0014】
ここで、三角形S1S0S4と三角形S3S0S2に着目すると、両三角形は相似形であることから、辺S1S4と辺S3S2の比は、該辺S1S4、辺S3S2を底辺としたときの高さの比に等しい。従って、前記(1)、(2)式により、次式、
S3S2/S1S4 = tB/tA = a/(d−a) (3)
が成立する。
【0015】
ところで、基準点の高さをh0、前記2つの平面光の交線の基準点からの高さをh1とすると、測定点P0の高さHは、
H = h0 + h1 − a − b (4)
で表わされるから、(3)式を(4)式に用いてaを消去すると、
H = h0 + h1 −d・tB/(tA+tB) − b (5)
が得られる。基準点からの前記交線の高さh1は巻尺等により測定可能であり、受光点PA、PBの位置b、dは予め決まっている値であるから、結局、前記時間間隔tA、tBを測定すれば、測定点の高さHを求めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に本発明装置の一実施の形態の高さ測定装置を示す。
【0017】
この高さ測定装置2は、平面光射出装置10と、受光装置20と、信号処理装置23を有しており、前記平面光射出装置10は基準点3上に配置され、前記受光装置20は測定点4上に配置され、前記信号処理装置23は前記受光装置20に取付けられている。
【0018】
前記平面光射出装置10内の回転板13上には、図2に示す光学系4a、4bを有する発光手段が設けられており、該光学系4a、4bは、それぞれ発光素子6a、6bと、コリメータレンズ7a、7bと、シリンドリカルレンズ8a、8bとが設けられている。前記発光素子6a、6bからは強度変調がかけられた光が射出され、その光は、それぞれ前記コリメータレンズ7a、7bによって平行光にされ、更に前記シリンドリカルレンズ8a、8bによって、それぞれ適当な角度をもって一定平面内で扇状に広がる2つの平面光12a、12bにされて前記平面光射出装置10から射出されるように構成されている。
【0019】
このとき、前記コリメータレンズ7a、7bの光軸11a、11bは、前記回転板13の回転軸線5と垂直に交差する平面内に位置し、互いに平行になるように配置されており、且つ前記光軸11aと前記回転軸線5との間隔と、前記光軸11bと前記回転軸線5との間隔は等しくなるように配置されている。また、前記シリンドリカルレンズ8a、8bの円筒面の中心軸線は、前記光軸11a、11bとそれぞれ直角に交わるように配置され、且つ、前記回転軸線5と垂直に交わる平面に対して互いに逆向きに45°の角度を成すように傾けられている。
【0020】
従って、前記回転軸線5を前記基準点3を通る鉛直線となるように整準すると、前記2つの平面光12a、12bは、水準面に対して互いに逆向きに45°傾くこととなる。この場合、前記平面光12aと前記平面光12bとは互いに直角に交わり、両平面光が交差してできる交線16は前記回転軸線5と直角に交差する。
【0021】
なお、前記平面光12aと前記平面光12bとは、必ずしも直角に交わる必要はないが、測定の分解能を上げるためには大きく広がっている方が好ましい。
【0022】
また、前記平面光12a、12bは扇形状をしているが、その発散角は基準点と測定点の距離と、測定しなければならない高さに応じて決められる。例えば、距離が3mで500mmの高さまで測定したい場合には、発散角は約27°程でよい。
【0023】
前記平面光射出装置10には、モータを有する回転手段が設けられており、該回転手段により、前記回転板13が一定の速度で前記回転軸線5を中心に回転し得るように構成されている。
【0024】
測定点4上には、両端に光検出手段21、22が間隔dで固設された柱状の受光装置20が置かれ、該光検出手段21、22の受光面を通る軸線24が前記測定点4を通り、且つ、鉛直になるように、図示しない気泡管により整準されているので、前記回転手段の起動により、前記2つの平面光12a、12bは、回転軸線5を中心に一定速度で回転し始めると、該2つの平面光12a、12bが前記光検出手段21、22の受光面に照射される。
【0025】
この受光装置20の測定限界は、前記間隔dの大きさの半分になるので、例えば500mmの範囲の測定を行ないたい場合は、前記間隔dは1m以上必要となる。
【0026】
前記光検出手段21、22は、2つの受光素子をそれぞれ有しており、該2つの受光素子は、前記平面光12a、12bの進行方向に密着配置されている。
【0027】
この2つの受光素子を説明すると、図4を参照し、21a、21bは前記光検出手段21の有する2つの受光素子であり、前記2つの平面光12a、12bの進行方向である図面下方向に、密着配置されている。
【0028】
前記受光素子21aが出力する信号は増幅器31の反転入力端子に入力され、前記受光素子21bが出力する信号は前記増幅器31の非反転入力端子に入力されるので、前記受光素子21aと前記受光素子21bに入射する平面光の光量がほぼ等しくなったときに、前記増幅器31はパルス回路32にパルス信号を出力する。
【0029】
前記パルス信号は演算装置33に入力され、該演算装置33には、クロック回路34からクロック信号も入力されるので、前記演算装置33は前記パルス信号が入力された時刻を検出でき、この時刻を記憶装置35に記憶させる。
【0030】
従って、前記記憶装置35には、平面光が前記受光素子21aと前記受光素子21bの中央に照射されたときの時刻が記憶されるので、精度よく照射時刻を記憶することができる。
【0031】
前記光検出手段22の有する2つの受光素子も図4で示したのと同様のブロック図で演算装置33に接続されており、前記2つの平面光12a、12bが前記光検出手段21、22に照射される度にこれを行なえば、前記各光検出手段21、22に平面光が照射された時間間隔tA、tBを算出することができる。
【0032】
該記憶装置35には、基準点の高さh0と、前記光検出手段21、22の間隔dと、前記光検出手段22の底面からの高さbとが記憶されており、前記基準点3の高さh0と、基準点と平面光12a、12bの交線16の高さh1を入力しておき、前記時間間隔tA、tBを算出すれば、測定点4の高さHは、前記(5)式、
H = h0 + h1 −d・tB/(tA+tB) − b
から求めることができる。
【0033】
なお、前記演算装置33、記憶装置35は前記受光装置20の中央に取付けられた信号処理装置23中に配置されており、前記測定点の高さHは、該信号処理装置23に設けられた表示装置により表示されるように構成されており、該信号処理装置23には、前記光検出手段21、22が配置された中央の位置にマーク14が刻まれている。
【0034】
以上は光検出手段が2個配置された実施の形態について説明したが、同一の直線上に光検出手段を3個以上配置し、測定誤差を少なくするようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
測定可能な高さの範囲が従来よりも広くでき、測定作業の高能率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の一実施の形態を示す図
【図2】 本発明の平面光射出装置の光学系の配置の一例を示す図
【図3】 本発明の測定原理を説明するための図
【図4】 本発明の測定回路の一例を示すブロック図
【図5】 レーザプレーナを使用した従来技術の高さ測定装置
【図6】 平面光と反射光を使用した従来技術の座標測定装置
【符号の説明】
3 基準点
4 測定点
5 回転軸線
6a、6b 発光手段
10 平面光射出装置
16 交線
12a、12b 平面光
20 受光装置
21、22 光検出手段
21a、21b 受光素子
33 演算装置
【発明の属する技術分野】
本発明は水準測量の分野にかかり、特に、平面光を使用して測定点の高さを測定する測定点の高さ測定装置及び測定点の高さ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、測定点の高さを測定するために、図5に示すようなレーザプレーナ102と、受光装置103が用いられていた。このレーザプレーナ102は、所定径の平行光線束111を、基準点101を通る鉛直線112と垂直に交差するように射出し、かつ該鉛直軸線112の回りに回転させて水準面を設定するものであり、前記平行光線束111を、測定点113上に配置された受光装置103の有する複数の受光素子115で受光するものであり、前記受光素子115を前記測定点113を通る鉛直線上に位置するように配置すれば、前記平行光線束111が照射された受光点116を検出し、測定点113からの高さを求めれば、その値と前記平行光線束111の前記基準点101からの高さとから、水準測量を行なえる。
【0003】
しかし、このようなレーザプレーナによる水準測量では、測定できる高さの範囲は、受光装置上に受光素子が配置された範囲に限定されてしまう。一般の受光装置では、受光素子は高々数センチメートルの範囲にしか配置されておらず、平行光線束を検出できる範囲が非常に狭い。そのため、基準点と測定点との高さの差が大きく、測定点上に直接受光装置を置くと平行光線束が前記受光素子に照射されないような場合は、専用の微動装置の付いた架台を用い、その上にレーザプレーナや受光装置を置いたが、それでも平行光線束を受光素子に照射させるのは容易ではなかった。
【0004】
この場合、受光装置にフォトダイオード等の受光素子を多数配置したり、長いリニアセンサを装着すれば、平行光線束を検出し得る範囲は大きくなるが、コスト高となることは避けられない(例えば実開平2-133608号参照)。
【0005】
このような不都合を解消するために、三次元座標測定システムにより高さ測量を行なうことが考えられる。図6に、三次元座標測定システムの例を示す。このシステム201は、基準点210に2つの交差する平面光2071、2072を回転軸線208を中心に回転させつつ射出する射出装置202を配置し、測定点203上に反射装置204の先端を置き、該反射装置204に配置された反射プリズム2091、2092、2093で前記2つの平面光2071、2072を反射して、前記射出装置202の備える図示しない光検出手段により受光するものであり、光検出手段の受光した信号をコンピュータで解析すれば、前記測定点203の三次元座標の値が算出できるので、測定点203の高も求めることが可能である(例えば特願平5-308035号参照)。
【0006】
しかし、このようなシステムでは、反射プリズム等の光学部品を必須とするため、受光装置が大型化せざるを得ず、取扱いに不便であるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような従来技術にみられる問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、システム構成が簡潔で、広い測定範囲を有し、極めて簡単に作業が行える測定点の高さ測定装置、及び高さ測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明装置は、平面光射出装置と、受光装置と、演算装置とを有し、前記平面光射出装置が配置される基準点の高さと測定点の高さの差を求める高さ測定装置であって、前記平面光射出装置は、所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る垂線と垂直に交わるように射出する発光手段と、前記2つの平面光を前記垂線を回転軸線として所定速度で回転させる回転手段とを有し、前記受光装置は所定位置に固定された2つの光検出手段を有し、前記演算装置は、前記光検出手段を結ぶ直線が測定点を通る鉛直線となるように前記受光装置を配置したときに、前記各光検出手段が前記2つの平面光を受光した受光時刻と、前記各光検出手段の測定点からの高さと、前記交線の基準点の高さとから、前記基準点と測定点との高さの差を算出することを特徴とし、
請求項2記載の発明装置は、請求項1記載の高さ測定装置であって、前記各光検出手段は、前記直線と垂直方向に密着配置された2つの受光素子を有することを特徴とし、
請求項3記載の発明方法は、高さ測定方法であって、所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る鉛直線と垂直に交わるように射出し、前記2つの平面光を前記鉛直線を回転軸線として一定速度で回転させ、前記測定点を通る鉛直線上の所定位置に配置された複数の受光点で前記2つの平面光を受光して受光時刻を検出し、前記2つの平面光の前記交線の前記基準点からの高さと、前記受光時刻と、前記所定位置とから測定点と基準点の高さの差を求めることを特徴とする。
【0009】
本発明の測定原理を図面を用いて説明する。
【0010】
図3を参照し、A1、A2は、所定角度で交差する2つの平面光であり、一の交線で交わっている。該2つの平面光A1、A2の交線は、図示しない基準点を通る垂線と垂直に交わるようにされており、前記2つの平面光A1、A2は、図面右方向に一定の角速度ωで回転しているものとする。
【0011】
2つの受光点PA、PBは、測定点P0を通る鉛直線J上に位置し、前記受光点PBは、前記測定点P0から高さbの位置に固定され、前記受光点PAは、前記受光点PBから高さdの位置に固定されている。
【0012】
前記2つの平面光A1、A2が回転した場合、前記受光点PAは前記平面光A1、A2とそれぞれ点S1、S4で交わり、前記受光点PBはそれぞれ点S2、S3で交わるものとする。このとき、前記点S1、S2、S3、S4は一つの垂直面を張る。その垂直面と前記2つの平面光A1、A2の交線とが交わる点を点S0とする。
【0013】
前記2つの平面光A1、A2が回転し、前記鉛直線Jと交差すると、受光点PAと時間間隔tAをおいて2回交わり、受光点PBと時間間隔tBをおいて2回交わる。この場合、基準点と測定点との距離をLとすると、
S1S4 = L・ω・tA (1)
S3S2 = L・ω・tB (2)
が成立する。
【0014】
ここで、三角形S1S0S4と三角形S3S0S2に着目すると、両三角形は相似形であることから、辺S1S4と辺S3S2の比は、該辺S1S4、辺S3S2を底辺としたときの高さの比に等しい。従って、前記(1)、(2)式により、次式、
S3S2/S1S4 = tB/tA = a/(d−a) (3)
が成立する。
【0015】
ところで、基準点の高さをh0、前記2つの平面光の交線の基準点からの高さをh1とすると、測定点P0の高さHは、
H = h0 + h1 − a − b (4)
で表わされるから、(3)式を(4)式に用いてaを消去すると、
H = h0 + h1 −d・tB/(tA+tB) − b (5)
が得られる。基準点からの前記交線の高さh1は巻尺等により測定可能であり、受光点PA、PBの位置b、dは予め決まっている値であるから、結局、前記時間間隔tA、tBを測定すれば、測定点の高さHを求めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に本発明装置の一実施の形態の高さ測定装置を示す。
【0017】
この高さ測定装置2は、平面光射出装置10と、受光装置20と、信号処理装置23を有しており、前記平面光射出装置10は基準点3上に配置され、前記受光装置20は測定点4上に配置され、前記信号処理装置23は前記受光装置20に取付けられている。
【0018】
前記平面光射出装置10内の回転板13上には、図2に示す光学系4a、4bを有する発光手段が設けられており、該光学系4a、4bは、それぞれ発光素子6a、6bと、コリメータレンズ7a、7bと、シリンドリカルレンズ8a、8bとが設けられている。前記発光素子6a、6bからは強度変調がかけられた光が射出され、その光は、それぞれ前記コリメータレンズ7a、7bによって平行光にされ、更に前記シリンドリカルレンズ8a、8bによって、それぞれ適当な角度をもって一定平面内で扇状に広がる2つの平面光12a、12bにされて前記平面光射出装置10から射出されるように構成されている。
【0019】
このとき、前記コリメータレンズ7a、7bの光軸11a、11bは、前記回転板13の回転軸線5と垂直に交差する平面内に位置し、互いに平行になるように配置されており、且つ前記光軸11aと前記回転軸線5との間隔と、前記光軸11bと前記回転軸線5との間隔は等しくなるように配置されている。また、前記シリンドリカルレンズ8a、8bの円筒面の中心軸線は、前記光軸11a、11bとそれぞれ直角に交わるように配置され、且つ、前記回転軸線5と垂直に交わる平面に対して互いに逆向きに45°の角度を成すように傾けられている。
【0020】
従って、前記回転軸線5を前記基準点3を通る鉛直線となるように整準すると、前記2つの平面光12a、12bは、水準面に対して互いに逆向きに45°傾くこととなる。この場合、前記平面光12aと前記平面光12bとは互いに直角に交わり、両平面光が交差してできる交線16は前記回転軸線5と直角に交差する。
【0021】
なお、前記平面光12aと前記平面光12bとは、必ずしも直角に交わる必要はないが、測定の分解能を上げるためには大きく広がっている方が好ましい。
【0022】
また、前記平面光12a、12bは扇形状をしているが、その発散角は基準点と測定点の距離と、測定しなければならない高さに応じて決められる。例えば、距離が3mで500mmの高さまで測定したい場合には、発散角は約27°程でよい。
【0023】
前記平面光射出装置10には、モータを有する回転手段が設けられており、該回転手段により、前記回転板13が一定の速度で前記回転軸線5を中心に回転し得るように構成されている。
【0024】
測定点4上には、両端に光検出手段21、22が間隔dで固設された柱状の受光装置20が置かれ、該光検出手段21、22の受光面を通る軸線24が前記測定点4を通り、且つ、鉛直になるように、図示しない気泡管により整準されているので、前記回転手段の起動により、前記2つの平面光12a、12bは、回転軸線5を中心に一定速度で回転し始めると、該2つの平面光12a、12bが前記光検出手段21、22の受光面に照射される。
【0025】
この受光装置20の測定限界は、前記間隔dの大きさの半分になるので、例えば500mmの範囲の測定を行ないたい場合は、前記間隔dは1m以上必要となる。
【0026】
前記光検出手段21、22は、2つの受光素子をそれぞれ有しており、該2つの受光素子は、前記平面光12a、12bの進行方向に密着配置されている。
【0027】
この2つの受光素子を説明すると、図4を参照し、21a、21bは前記光検出手段21の有する2つの受光素子であり、前記2つの平面光12a、12bの進行方向である図面下方向に、密着配置されている。
【0028】
前記受光素子21aが出力する信号は増幅器31の反転入力端子に入力され、前記受光素子21bが出力する信号は前記増幅器31の非反転入力端子に入力されるので、前記受光素子21aと前記受光素子21bに入射する平面光の光量がほぼ等しくなったときに、前記増幅器31はパルス回路32にパルス信号を出力する。
【0029】
前記パルス信号は演算装置33に入力され、該演算装置33には、クロック回路34からクロック信号も入力されるので、前記演算装置33は前記パルス信号が入力された時刻を検出でき、この時刻を記憶装置35に記憶させる。
【0030】
従って、前記記憶装置35には、平面光が前記受光素子21aと前記受光素子21bの中央に照射されたときの時刻が記憶されるので、精度よく照射時刻を記憶することができる。
【0031】
前記光検出手段22の有する2つの受光素子も図4で示したのと同様のブロック図で演算装置33に接続されており、前記2つの平面光12a、12bが前記光検出手段21、22に照射される度にこれを行なえば、前記各光検出手段21、22に平面光が照射された時間間隔tA、tBを算出することができる。
【0032】
該記憶装置35には、基準点の高さh0と、前記光検出手段21、22の間隔dと、前記光検出手段22の底面からの高さbとが記憶されており、前記基準点3の高さh0と、基準点と平面光12a、12bの交線16の高さh1を入力しておき、前記時間間隔tA、tBを算出すれば、測定点4の高さHは、前記(5)式、
H = h0 + h1 −d・tB/(tA+tB) − b
から求めることができる。
【0033】
なお、前記演算装置33、記憶装置35は前記受光装置20の中央に取付けられた信号処理装置23中に配置されており、前記測定点の高さHは、該信号処理装置23に設けられた表示装置により表示されるように構成されており、該信号処理装置23には、前記光検出手段21、22が配置された中央の位置にマーク14が刻まれている。
【0034】
以上は光検出手段が2個配置された実施の形態について説明したが、同一の直線上に光検出手段を3個以上配置し、測定誤差を少なくするようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
測定可能な高さの範囲が従来よりも広くでき、測定作業の高能率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の一実施の形態を示す図
【図2】 本発明の平面光射出装置の光学系の配置の一例を示す図
【図3】 本発明の測定原理を説明するための図
【図4】 本発明の測定回路の一例を示すブロック図
【図5】 レーザプレーナを使用した従来技術の高さ測定装置
【図6】 平面光と反射光を使用した従来技術の座標測定装置
【符号の説明】
3 基準点
4 測定点
5 回転軸線
6a、6b 発光手段
10 平面光射出装置
16 交線
12a、12b 平面光
20 受光装置
21、22 光検出手段
21a、21b 受光素子
33 演算装置
Claims (3)
- 平面光射出装置と、受光装置と、演算装置とを有し、前記平面光射出装置が配置される基準点の高さと測定点の高さの差を求める高さ測定装置であって、
前記平面光射出装置は、
所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る垂線と垂直に交わるように射出する発光手段と、
前記2つの平面光を前記垂線を回転軸線として所定速度で回転させる回転手段とを有し、
前記受光装置は所定位置に固定された2つの光検出手段を有し、
前記演算装置は、
前記光検出手段を結ぶ直線が測定点を通る鉛直線となるように前記受光装置を配置したときに、前記各光検出手段が前記2つの平面光を受光した受光時刻と、前記各光検出手段の測定点からの高さと、前記交線の基準点の高さとから、前記基準点と測定点との高さの差を算出することを特徴とする高さ測定装置。 - 前記各光検出手段は、前記直線と垂直方向に密着配置された2つの受光素子を有することを特徴とする請求項1記載の高さ測定装置。
- 所定角度で交差する2つの平面光を、該2つの平面光の交線が基準点を通る鉛直線と垂直に交わるように射出し、
前記2つの平面光を前記鉛直線を回転軸線として一定速度で回転させ、
測定点を通る鉛直線上の所定位置に配置された複数の受光点で前記2つの平面光を受光して受光時刻を検出し、
前記2つの平面光の前記交線の前記基準点からの高さと、前記受光時刻と、前記所定位置とから測定点と基準点の高さの差を求めることを特徴とする高さ測定方法。
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JP10909496A JP3705863B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 高さ測定装置及び高さ測定方法 |
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-
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- 1996-04-30 JP JP10909496A patent/JP3705863B2/ja not_active Expired - Fee Related
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