JP3498587B2 - 積層包装体 - Google Patents
積層包装体Info
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Description
い積層包装体に関し、更に詳細には、溶解度パラメータ
ー値の大きい極性基を有する親水性樹脂からなる最内
層、高防湿性樹脂からなる中間層を有する多層容器に油
成分と水成分、必要に応じて界面活性剤成分や薬効成分
を含む内容物を充填してなる耐油性及び耐水性に優れた
積層包装体に関する。
取り扱いが容易であることからガラス容器等に代わって
種々の内容物を入れる包装容器として広く使用されてい
る。特に、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィ
ン系樹脂製容器は比較的安価で容器への成形加工も容易
であることから、食料品、液体飲料、調味料、液体洗
剤、化粧品等の幅広い分野における包装容器として使用
されている。
ル共重合体層にした多層容器として特開昭54−486
1号公報、特公平3−64389号公報等で提案されて
いる。また、環状オレフィン層を中間層に設けた多層容
器として特開平7−266517号公報、特開平10−
59344号公報等で提案されている。
号公報、特公平3−64389号公報等で提案された発
明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体が耐薬品
性、耐溶剤性に優れていることに着目して最内層をエチ
レン−ビニルアルコール共重合体層にした多層容器に関
するものである。しかしながら、エチレン−ビニルアル
コール共重合体は吸湿性、吸水性が大きく、水分を含む
内容物ではエチレン−ビニルアルコール共重合体層が直
接内容物に接すると、エチレン−ビニルアルコール共重
合体層が吸水するため内容物の保存性に問題があった。
そのため、耐湿性樹脂層を内外層に配置し、エチレン−
ビニルアルコール共重合体層を中間層に配置した多層容
器が用いられていた。
薬用クリーム等の包装用器として、ガラス容器に代わっ
て軽量で破損しないプラスチック容器が使われるように
なってきたが、耐薬品性、耐溶剤性に加えて、耐油性及
び水分保存性に優れた包装容器が強く要望されてきた。
油成分と水成分、さらに界面活性剤成分や薬効成分を含
む内容物を充填・密封して保存すると、最内層をポリオ
レフィン系樹脂とした多層容器では油成分が外表面まで
滲み出す問題があり、また、最内層をエチレン−ビニル
アルコール共重合体とした多層容器では十分な保水性が
得らず、さらに、オイル イン ウォーターのミセル構
造の内容物においては親水性内容物成分がエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体層を透過するという問題があっ
た。
を特定の親水性樹脂で形成し、中間層を高防湿性樹脂で
形成することによって上記問題点を解決し、耐油性及び
耐水性に優れた積層包装体を提供する。
9.0以上の極性基を有するエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂から選
ばれた1種又は複数種の親水性樹脂からなる最内層と、
高防湿性樹脂である環状オレフィン系樹脂からなる中間
層と、オレフィン系樹脂からなる外層と、中間層と最内
層及び/又は外層との間に介在させた接着剤層とを備え
た多層容器に、油成分と水成分と界面活性剤成分とを含
有する内容物であって、その形態がオイル インウォー
ターの乳化系である内容物、または、ランダムに混じり
合っている混合系である内容物を充填してなる耐油性及
び耐水性に優れた積層包装体が提供される。
9.0以上の極性基を有する親水性樹脂がエチレン含有
量30〜55モル%のエチレン−ビニルアルコール共重
合体、高防湿性樹脂層がエチレン−環状オレフィン共重
合体、オレフィン系樹脂が密度0.880〜0.935
g/ccの低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエ
チレン、接着性樹脂が酸変性オレフィン系樹脂からなる
多層構成が好適である。
剤を透して水成分に覆われているオイル イン ウォー
ターのミセル構造(ウォーターベース乳化系)の内容物
を、内層が親水性樹脂、中間層が高防湿性樹脂、外層が
オレフィン系樹脂からなる多層容器に充填密封してなる
耐油性及び耐水性に優れた積層包装体が提供される。
分がランダムに混じり合っている混合系の内容物を、内
層が親水性樹脂、中間層が高防湿性樹脂、外層がオレフ
ィン系樹脂からなる多層容器に充填密封してなる耐油性
及び耐水性に優れた積層包装体が提供される。
脂、中間層が高防湿性樹脂、外層がオレフィン系樹脂か
らなり、さらにガスバリヤー性樹脂層や成形くずや再生
材料等のスクラップ樹脂層を付加した多層容器に上記内
容物を充填密封してなる耐油性及び耐水性に優れた積層
包装体が提供される。
9.0以上の極性基を有するエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂から選
ばれた1種又は複数種の親水性樹脂からなる最内層と、
高防湿性樹脂である環状オレフィン系樹脂からなる中間
層と、オレフィン系樹脂からなる外層と、中間層と最内
層及び/又は外層との間に介在させた接着剤層とを備え
た多層容器に、油成分と水成分と界面活性剤成分とを含
有する内容物であって、その形態がオイル イン ウォ
ーターの乳化系である内容物、または、ランダムに混じ
り合っている混合系である内容物を充填し、耐油性及び
耐水性に優れた積層包装体を得ることができるという知
見に基づくものである。
解度パラメーターが9.0以上の極性基を有する親水性
樹脂、特にエチレン含有量が30〜55モル%のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6,ナイロン
66,ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂から選ばれた1種又は複数種の樹脂が挙げられる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体中のエチレン含有
量が55モル%を超えると、内容物中の水成分の吸収量
がが少なくなるため、エチレン−ビニルアルコール共重
合体の耐油性が低下し、エチレン含有量が30モル%未
満では、耐衝撃性、耐落下強度、耐環境ストレスクラッ
キング性等が低下する。
ギー密度(cal/cc)を1/2乗したもので、単位
体積当たりの極性の大きさを示す。主な熱可塑性樹脂の
溶解度パラメーターを表1に示す。
としては、環状オレフィン系樹脂、特にエチレン含有量
が5〜50モル%、特に15〜45モル%のエチレン−
環状オレフィン共重合体が好適である。エチレン−環状
オレフィン共重合体中のエチレン含有量が50モル%を
超えると、耐湿性が低下し、エチレン含有量が5モル%
未満では、成形加工性、耐衝撃性等が低下する。
は、特開平3−726号公報、特開平2−196832
号公報等に記載されている環状オレフィン樹脂及びその
共重合体が使用できる。
としては、密度0.880〜0.935g/ccの低密
度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが柔軟
性、スクイズ性、シール性等の面から好ましく、メタロ
セン触媒を用いて重合された低密度ポリエチレン又は線
状低密度ポリエチレンが有効に使用できる。密度が0.
935g/ccを超えると柔軟性や透明性が低下し、密
度が0.880g/cc未満では成形加工性が低下す
る。ここで、線状低密度ポリエチレンはエチレンと少量
のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィン
に基づく短い側鎖を有し、その重合体構造が線状になっ
ている。共重合体中に含有されるα−オレフィンとして
は、炭素数が4以上のα−オレフィンが好適であり、例
えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1等が挙げられる。
マレイン酸等のカルボン酸又はその無水物でグラフト重
合等により酸変性された変性オレフィン系樹脂が好まし
く、カルボニル基濃度が5〜100meq/100gの
変性オレフィン系樹脂が好ましい。これ以外にもポリエ
スレル系接着剤、エポキシ系接着剤、イソシアネート系
接着剤等も用いることができ、ガスバリヤー性樹脂を含
む層、スクラップ樹脂を含む樹脂組成物層、表面光沢性
樹脂層、表面フロスト樹脂層等を付加することもでき
る。
と、必要に応じて界面活性剤成分とを含む乳化状または
クリーム状で、油成分及び界面活性剤成分の周りを水成
分が覆っているオイル イン ウォーター系形態(O/
W)の乳化系物品又は油成分と水成分とがランダムに混
じり合っている混合系形態(O+W)の物品である。
中に発明の目的を損なわない範囲で各種物質、例えば、
酸化防止剤、帯電防止剤、着色顔料、フィラー、抗菌性
樹脂等を配合することができる。
いて、多層容器1は口頚部2、肩部3、胴部4、底部5
及び内容物6からなる。底部5はその内面同士が重ね合
わされて、ヒートシール、超音波シール、高周波シール
等により融着されている。
最内層7が親水性樹脂、中間層8が高防湿性樹脂、外層
9がオレフィン系樹脂、接着剤層10,10が変性ポリ
エチレンからなっている。
0〜60μm、中間層の厚みは20〜60μm、接着剤
層の厚みは5〜30の範囲が好適であり、また、外層の
厚みは容器自体に要求される強度、保形性等によって決
定されるが、200〜500μmの範囲が好ましい。
165℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EV
OH)を第1押出機に供給し、中間層を形成する環状オ
レフィン含有量22モル%のエチレン−環状オレフィン
共重合体(COC)を第2押出機に供給し、外層を構成
するメルトフローレイト(MFR)が1g/10分で密
度が0.918g/ccの低密度ポリエチレンエチレン
(LDPE)を第3押出機に供給し、接着性樹脂層とし
てカルボニル基濃度が40meq/100gの無水マレ
イン酸変性ポリエチレン(MPE)を第4押出機に供給
して溶融押出成形し、得られた5層構造のパリソンを金
型内で溶融ブロー成形して多層容器を得た。得られた多
層容器の胴部における各層の厚みは何れも最内層が40
μm、中間層の厚みが30μm、接着性樹脂層が15μ
m、外層が350μmであった。この多層容器の底部末
端を切断し、内容量が120mlである多層チューブ容
器とした。この多層チューブ容器の口部をキャップやシ
ール材等により密封し、底部より表2に示す成分の内容
物を充填した後、底部切断箇所の内面に温度400℃の
ホットエアを吹き付けて内面をヒートシール可能な温度
に加熱し、ヒートシールを行って積層包装体を得た。そ
の評価結果を表2に示す。
機に供給し、中間層を形成する環状オレフィン含有量2
2モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体(CO
C)を第2押出機に供給し、外層を構成するMFRが1
g/10分で密度が0.918g/ccの低密度ポリエ
チレンエチレン(LDPE)を第3押出機に供給し、接
着性樹脂層としてカルボニル基濃度が40meq/10
0gの無水マレイン酸変性ポリエチレン(MPE)を第
4押出機に供給して溶融押出成形し、得られた5層構造
のパリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層容器を得
た。得られた多層容器の胴部における各層の厚みは何れ
も最内層が40μm、中間層の厚みが30μm、接着性
樹脂層が15μm、外層が350μmであった。この多
層容器の底部末端を切断し、内容量が120mlである
多層容器とした。この多層容器に表2に示す成分の内容
物を充填した後、口部を密封して積層包装体を得た。そ
の評価結果を表2に示す。
0.918g/ccの低密度ポリエチレンエチレンを第
1押出機に供給し、中間層として環状オレフィン22モ
ル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第2押出機
に供給し、接着性樹脂層としてマレイン酸変性ポリエチ
レンを第3押出機に供給して溶融押出成形された5層構
造のパリソンを金型内で溶融ブロー成形して得られた多
層容器の胴部における各層の厚みは内層が200μm、
接着性樹脂層が各15μm、中間層が30μm、外層が
200μmであった。この多層容器の底部末端を切断
し、内容量が120mlである多層チューブ容器とし
た。この多層チューブ容器の口部をシール材で密封し、
底部の切断箇所より表1に示す内容物を充填した後、温
度を220℃のヒートシールバーを用いてヒートシール
を行って積層包装体を得た。その評価結果を表2に示
す。
5℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第1押出
機に供給し、外層としてMFRが1g/10分で密度が
0.918g/ccの低密度ポリエチレンエチレンを第
2押出機に供給し、内層と外層との間に介在する接着剤
層としてマレイン酸変性ポリエチレンを第3押出機に供
給して溶融押出成形された3層構造のパリソンを金型内
で溶融ブロー成形して得られた多層容器の胴部における
各層の厚みは内層が40μm、接着性樹脂層が15μ
m、外層が350μmであった。この多層容器の底部末
端を切断し、内容量が120mlである多層容器とし
た。この多層チューブ容器に表2に示す成分の内容物を
充填した後、口部を密封して積層包装体を得た。その評
価結果を表2に示す。
シャー法その重量分率を求め、油分含有量は石油エーテ
ルに分離後、蒸留水を添えて分液ロートにて液−液分離
後、石油エーテル分画成分のみ蒸発皿にて乾燥後、その
重量分率を求めた。
填してシール材で口部を密封し、温度40℃、湿度30
%RHの条件下で6時間保存して調温調湿した後、容器
の重量を測定する。引き続きこの容器を同一条件下で6
ヶ月間保存した後、容器の重量測定して、水分の減少量
を測定する。水分透過量が3%を超えると、内容物の保
水性が悪くなる。
密封し、37℃で4週間保存した後、ガラス容器中のガ
スを採取してガスクロマトグラフィー用試料(1mg)
とした。この試料中のL−menthol濃度から容器
1本当たりのL−menthol透過量を換算し、保香
性を判定した。L−menthol透過量が30μg/
本を超える(評点:×)と保香性が悪くなり、30μg
/本以下(評点:○)、特に5μg/本以下(評点:
◎)にするのが好ましい。
剤及びその他の添加物で、合計量が100である。
ざり合っている混合系形態、O/Wは、水成分の周りを
油成分が覆っているオイル イン ウォーター系形態、
W/Oは、油成分の周りを水成分が覆っているウォータ
ー イン オイル系形態を表す。
「溶解」とはCOC層が油成分に溶けて層間接着強度が
殆どない状態である。
(表面のべとつき状態)をみる。
ターが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂からなる
最内層と、高防湿性樹脂からなる中間層と、オレフィン
系樹脂からなる外層と、中間層と最内層及び/又は外層
との間に介在させた接着剤層とを備えた多層容器に、油
成分と水成分と必要に応じて界面活性剤成分を含む内容
物を充填することによって、油成分が外表面ににじみ出
してべとつくことがなく、内容物の保水性も十分保持す
ることが可能であり、優れた耐油性及び耐水性を兼備し
ている。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 溶解度パラメーターが9.0以上の極性
基を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれた1種又は複
数種の親水性樹脂からなる最内層と、高防湿性樹脂であ
る環状オレフィン系樹脂からなる中間層と、オレフィン
系樹脂からなる外層と、中間層と最内層及び/又は外層
との間に介在させた接着剤層とを備えた多層容器に、油
成分と水成分と界面活性剤成分とを含有する内容物であ
って、その形態がオイル イン ウォーターの乳化系で
ある内容物、または、ランダムに混じり合っている混合
系である内容物を充填してなる耐油性及び耐水性に優れ
た積層包装体。 - 【請求項2】 オレフィン系樹脂が密度0.880〜
0.930g/cc低密度ポリエチレン又は直鎖状低密
度ポリエチレンである請求項1に記載の耐油性及び耐水
性に優れた積層包装体。 - 【請求項3】 溶解度パラメーターが9.0以上の極性
基を有する親水性樹脂がエチレン含有量30〜55モル
%のエチレン−ビニルアルコール共重合体、高防湿性樹
脂層がエチレン−環状オレフィン共重合体、オレフィン
系樹脂が密度0.880〜0.930g/ccの低密度
ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン、接着性樹
脂が変性オレフィン系樹脂である請求項1または2に記
載の耐油性及び耐水性に優れた積層包装体。 - 【請求項4】 ガスバリヤー性樹脂を含む層を備えた請
求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐油性及び耐水
性に優れた積層包装体。 - 【請求項5】 スクラップ樹脂を含む樹脂組成物層を備
えた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の耐油性及
び耐水性に優れた積層包装体。
Priority Applications (1)
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JP27249398A JP3498587B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 積層包装体 |
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JP27249398A JP3498587B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 積層包装体 |
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JP2000085077A JP2000085077A (ja) | 2000-03-28 |
JP3498587B2 true JP3498587B2 (ja) | 2004-02-16 |
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ID=17514692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006082852A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 酸化染料用容器 |
JP4547216B2 (ja) * | 2004-09-17 | 2010-09-22 | 東洋製罐株式会社 | ガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器 |
JP5615623B2 (ja) * | 2010-08-20 | 2014-10-29 | 株式会社クラレ | ヒートシール用フィルム及び包装袋 |
-
1998
- 1998-09-10 JP JP27249398A patent/JP3498587B2/ja not_active Expired - Fee Related
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