JP3701765B2 - 高弾性球状体よりなる応力拡散性の改善された成形品 - Google Patents

高弾性球状体よりなる応力拡散性の改善された成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維球状体(fiber ball)よりなる成形品に関し、さらに詳しくは原綿が製造し易く、繊維球状体化し易く、嵩高性が良好で、優れた弾力性と回復性を持ち、羽毛のような風合いを有し、取扱い性に優れた中綿材料やクッション材の基本素材としての繊維球状体よりなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、寝具、枕、クッションなどに充填材としてポリエステル系短繊維が用いられてきた。その充填方法は、ポリエステル短繊維をカードなどで開繊しウェッブを層状に積層したシートを側地で覆う方法がよく知られているが、この方法では、層状ウェッブ積層体を覆うのに手間がかかり、得られたクッション材も厚み方向に方向性が強く、クッション材としては好ましくない。一方、作業性を良くしクッション材の方向性をなくす方法として特開昭56−85453号公報および特開昭57−192387号公報などに示された繊維の粒状体を側地の中に吹き込みなどの手段で充填する方法があるが、風合いが硬く、繊維間に結合点がないため使用中に繊維が移動したりへたり易く問題がある。さらに、特開昭61−125377号公報では、バインダー繊維を含有した玉状綿を側地内に吹き込んだ後熱処理する方法があるが、後から熱処理をするために、個々の玉状綿が移動できず、使用中に移動変形出来ず、使用形状に容易に変わらず、風合いも硬く、弾力性や回復性も悪い。
【0003】
さらにバインダー繊維とらせん状ポリエステルと混綿されたファイバーボールを熱処理により一体化したファイバーバールが特開昭63−190057号公報に提案されているが、非接着湾曲繊維にポイントをおき、接着成分のバインダーの特性が十分でなく、繊維の球状化に時間がかかり、特別の装置を必要とし、しかも非弾性の低融点ポリマーからなる繊維で熱固着されているため、熱固着部が可撓性でないために変形しにくく、固着部が破壊や変形してもとに戻りにくかったり、固着部を形成する繊維が破壊などされやすいために耐久性などが好ましくない。
【0004】
先に、本発明者らは、熱可塑性エラストマーが表面に露出した複合繊維の使用に関する提案(公表特許公報WO91/19032号参照)を行なった。しかし、表面にエラストマーがあるために、複合繊維を製造する際に、エラストマーが滑りにくく、また圧縮によって融着を起こし易いため、単繊維が多数帯状に集合したトウを延伸したり、押し込み捲縮を付与する工程通過性が著しく悪い場合が多い。また、これらは、カードなどで繊維を開繊、混綿しウェッブ化し不織布化する場合にも、表面のエラストマーが滑りにくく、まら柔らかいポリマーのため工程での問題がでてくる場合も多い。また、この複合繊維は基本的にウェッブ積層によるクッションを作るためのバインダー繊維であるために、繊維の球状体化は容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、風合いもソフトで、弾力性も高く、圧縮耐久性に優れた繊維球状体よりなる成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、繊維球状体を型内において熱成形して得られる成形品であって、該繊維球状体が、下記(a)で表される複合短繊維と、ループ形状を有する非弾性ポリエステル短繊維とが混合された複数の短繊維から構成されており、その繊維交絡点の一部が可撓性熱固着点で熱固着されていることを特徴とする、高弾性球状体よりなる応力拡散性の改善された成形品である。
(a)非弾性ポリエステルと該非弾性ポリエステルの融点より40℃以上低い融点を有する弾性熱可塑性エラストマーとが配された複合短繊維であって、該非弾性ポリエステルが複合短繊維表面の25〜49%を占めるように露出しており、且つ繊維断面において該非弾性ポリエステルと該弾性熱可塑性エラストマーとが湾曲度1.1〜2.5で一体化した複合短繊維。
【0007】
以下、本発明の繊維球状体よりなる成形品についてさらに具体的に説明する。
本発明の非弾性ポリエステルとは、ポリエステルであって非弾性のポリマーであればなんでもよいが、通常のポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合体エステルからなるポリマーであるが、繰り返し歪みがかかる用途であるため歪みの残しにくいポリブチレンテレフタレートが好ましい。特に、複合繊維の融着成分にもちいられるエラストマ−のハードセグメントがポリブチレンテレフタレートの場合は特に剥離などの問題がなく良好である。
【0008】
本発明における弾性熱可塑性エラストマーは、非弾性ポリエステルの融点より40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマーであればなんでもよいが、紡糸適正や物性の面からポリウレタン系エラストマーやポリエステル系エラストマーが好ましい。
【0009】
ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネイト、ジヒドロキシポリエステルアミドなどと、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばP,P−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどと、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコール、アミノアルコールあるいはトリオールとの反応で得られるポリマーである。これらのポリマーのうち、特に好ましいものはポリオールとしてポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクトンである。有機ジイソシアネートとしては、p,p’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好適である。また、鎖伸長剤としては、p,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールが好適である。
【0010】
一方、ポリエステル系エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルフォイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも一種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、あるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール、またはこれらのエステル形成誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも一種、および平均分子量が約400〜5,000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体などのポリ(アルキレンオキシド)グリコールのうち少なくとも一種から構成される三元共重合体である。
【0011】
しかしながら、ポリエステル複合成分との接着性や耐熱特性、強度など物性の面などから、ポリエステル系エラストマーが好ましく、とりわけポリブチレン系テレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルポリエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。勿論、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されてもよく、同様にグリコール成分の一部はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分に置換されてもよい。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル成分は、テトラメチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってもよい。なお、ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消剤、着色剤、その他各種の改良剤なども必要に応じて配合されていてもよい。
【0012】
このうち、ウェッブ形成後、熱処理により融着結合点を形成するために,熱安定性の優れたポリエステル系エラストマーが特に好ましい。
【0013】
この非弾性ポリエステルとそれよりも融点の低い熱可塑性エラストマーが複合され繊維化されるのであるが、非弾性ポリエステルが繊維表面の25〜49%露出することが必要であり、さらに好ましくは28〜40%である。この露出度が低いと複合繊維を製造する際に繊維同士が融着や圧着され易く製造でのトラブルとなり易く、さらにポリマーが柔らかいため繊維の球状体化の準備での開繊や混綿などに使われる回転ガーネットワイヤーに食い込んだり、ひっついたりして通過性が悪く長時間の製造が困難になったり、均一な混綿嵩高綿が得られにくくなったりして問題となる。また、接着部分が多くなるため周りの繊維と熱固着点を多くつくり易くなり、細かいネットワーク構造となり弾力性が出にくくなる。一方、この露出度が大きすぎると、繊維表面の熱融着成分が覆っている面積が少なくなり接着が起きにくくなり、弾力性や耐久性が小さくなってしまう。
【0014】
さらにこの非弾性ポリエステルと弾性熱可塑性ポリマーの繊維断面でこの2成分が湾曲度(図1に示す繊維断面における非弾性ポリエステルの露出点を結ぶ直線に対する接着部の境界線長さの比)が1.1〜2.5で張り合わせ接合されていることが好ましい。さらに好ましくは1.2〜2.0が好ましい。この湾曲度が1に近い直線に近くなると剥離し易くなったり、捲縮の発現が小さくなったり、熱処理での捲縮発現が少なくなり繊維の球状化が容易でなくなり、非弾性捲縮短繊維を巻き込みながらの可撓性熱固着点を形成できにくく好ましくない。また一方この湾曲度が大きすぎると、捲縮が大きくなり過ぎたり、熱処理での捲縮も極端に起きやすく繊維球状体の嵩などが小さくなったり、風合いにゴロゴロ感が生じ好ましくない。一方、この二つのポリマーの断面での厚い部分の肉厚比が(図1に示す)1.2〜3.0の範囲が好ましい。肉厚比のさらにに好ましい値は1.5〜2.9である。この肉厚比が1に近くなると捲縮の発現が小さくなったり、熱処理での捲縮発現が少なくなり、同様に繊維が球状化しにくくなり、非弾性捲縮短繊維を巻き込みながらの融着が起きにくく好ましくない。また一方この肉厚比が大きすぎると、捲縮が大きくなり過ぎたり、熱処理での捲縮も極端に起きやすく嵩などが小さくなったり、風合いにゴロゴロ感が出て好ましくない。
【0015】
この湾曲度や肉厚度が適正でないと、繊維を球状体化したりする際の捲縮が適切でなく、球状体化しにくく、熱処理による捲縮発現をしながら、非弾性ポリエステル短繊維を巻き込みながら可撓性熱固着点を形成して強固な構造をつくりにくくなる。
【0016】
一方、この複合短繊維の繊維断面における非弾性ポリエステルと弾性熱可塑性エラストマーの面積比率は25/75〜75/25の比率が好ましい。この比率のさらに好ましい値は30/70〜65/35である。この比率が小さ過ぎると繊維球状体中での可撓性熱固着点が十分に強靭で弾力性を発揮出来なくなるために耐久性や弾力性が期待できなくなってしまう。また、この比率が高すぎると、繊維の可撓性熱固着点が強固になりすぎて、弾力性を発揮できなくなったり、繊維の交点での変形がしにくく周りの繊維が歪んだり、破損する現象が起こったりするなどかえって耐久性が低下する現象を起こしてしまう。
【0017】
また、この複合短繊維の繊度は2〜100デニール、好ましくは4〜100デニールの範囲が適当である。
【0018】
本発明におけるループ形状を持つ非弾性ポリエステル短繊維とは、捲縮形態が螺旋状やオメガ型あるいは一部にそれら形状を持つ非弾性ポリエステル短繊維であれば何でもよい。また非弾性ポリエステル短繊維とは、通常のポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合体エステルからなる短繊維ないしそれら繊維の混綿体、または上記のポリマーのうち2種以上のポリマーの重合度や共重合成分を変えたサイドバイサイド型の繊維断面左右非対象に構成された螺旋形状の捲縮を発現した複合繊維の捲縮短繊維などである。勿論、ループ形状を発現するために、紡糸の際に繊維の片面を強く冷却する異方冷却により延伸、弛緩熱処理の際に螺旋状やオメガ型捲縮を発現したものも好ましい。これらの短繊維の断面形状は円形、偏平、異形または中空のいずれであってもよい。
【0019】
このループ状捲縮短繊維が繊維球状体の骨格になるために、該ポリエステル短繊維単独でも嵩高いこと、反撥性が発揮されることが必要である。単独の嵩高性(JIS L−1097)は、0.5g/cm2の荷重下で35cm3/g以上、10g/cm2の荷重下で15cm3/g以上あることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ、40cm3/g以上、20cm3/g以上あることが望ましい。これらの嵩高性が低いと、得られた繊維成型クッション材の弾力性や圧縮反撥性が低いといった問題が顕著になってくる。
【0020】
該捲縮短繊維は、その繊度が1〜100デニールの範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜50デニールである。繊度が1デニールより小さいと嵩高性が発揮されず、空気などによって側地内に吹き込まれたときに圧縮されて旨く均一に吹き込みにくくなり、得られたクッション材のクッション性や反撥力が乏しくなってしまう。また100デニールよりも大きくなると繊維が曲がりにくく球状体化が難しく、得られた繊維球状体の構成本数が少なくなり過ぎ、風合いが硬くなってしまう。
【0021】
一方、該ポリエステル短繊維の捲縮は、捲縮数4〜50個/インチ、捲縮度は10〜50%のループ状捲縮が好ましい。この捲縮数や捲縮度が小さ過ぎると繊維の球状体化をしにくく、繊維球状体の嵩が出にくくなり好ましくなく、得られる繊維球状体の反撥性も乏しかったり、耐久性の低い繊維球状体しか得られない。また、逆に捲縮数や捲縮度が大きすぎると繊維球状体の嵩高性が大きくならず高密度の繊維球状体しか得られなかったり、繊維球状体化の際に繊維の絡みが強く球状化が困難になる。
【0022】
また、この非弾性ポリエステル短繊繊維の表面には平滑材が処理され、滑り易い加工剤が処理されていることが好ましい。表面が滑り易くなることによって空気乱流などによる繊維球状体化が行ない易くなる。また得られた繊維球状体の風合いが柔らかく、羽毛やフェザータッチの風合いが得られ易くなる。これらの処理剤は、剤を付与し乾燥あるいは硬化処理によって滑り易くなる物であればなんでもよいが、例えばポリエチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドのセグメント化ポリマーで被覆することにより表面摩擦も少なくすることが可能である。さらに、シリコン系樹脂の平滑剤としてジメチルポリシロキサン、エポキシ変成ポリシロキサン、アミノ酸変成ポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メトキシポリシロキサンなどのシリコン樹脂を主たる成分とする処理剤を任意の段階で付与することにより平滑性を大幅に向上するので好ましい。付着量は、通常0.1〜0.3重量%が適当である。勿論シリコン樹脂中に帯電防止剤を添加したりシリコン樹脂処理後、帯電防止剤処理を施すことは、繊維を球状体化する際の空気との摩擦や、融着処理する際の高温空気乱流処理などで静電気を防止するのに必要な場合が多い。
【0023】
このような平滑処理は一般的には、低融点繊維との融着を阻害することになるが、前に述べた本発明の構成要素となっている弾性熱可塑性エラストマーから構成される特定の複合繊維は、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドによるポリマー被覆短繊維はもちろん、シリコン樹脂でも比較的よく融着し、しかも形態的に程よく非弾性ポリエステル系短繊維をらせん状にかかえこみ、見かけ上接着強度を上げることが可能である。勿論、一般的な低融点複合繊維のこれらの作用は少ない。
【0024】
本発明では、非弾性ポリエステル短繊維の混率は、95〜51%の混率が好ましく、さらに好ましくは90〜55%である。この混率が高すぎると、熱融着複合繊維の量が少ない場合は、結合点が少なくなるために反撥性が少なく、形態安定性がすくない。また、混率が低すぎると、結合点の数が多すぎて繊維球状体が硬くなり、クッション材の材料にするには問題がある。また後から述べるように、熱処理により融着点を形成する際に、捲縮発現しながら融着結合点を形成するために繊維球状体が高密度化しさらに好ましくない。
【0025】
本発明では特定の条件を持つ複合短繊維とループ状形態をもつ非弾性短繊維を混綿し、後で述べる方法などで繊維球状体化を行なうが、その繊維球状体表面には、非弾性短繊維や非弾性短繊維の毛羽が多く存在することが、吹き込みや、吹き込まれたあとのクッション風合いが、表面の平滑性が寄与して非常に良好となる。また特に変形が大きいときには、最初滑る平滑な感触と大きな変形時にはエラストマーによる可撓性熱固着点の弾力性と摩擦の大きくなる感触が加わり、良好な風合いが得られる。しかも、繰り返し大変形が繰り返されても、エラストマーの可撓性熱固着点が変形回復し、弾力性が維持されるとともに、耐久性も良好となる。
【0026】
本発明の繊維球状体の形成方法は、非弾性ポリエステル短繊維と低融点の熱可塑性エラストマーと非弾性ポリエステルとからなる複合短繊維を所定の混綿比率(複合短繊維の混率が5〜49%)になるように原綿を配合し、均一に十分混綿するように、ガーネットワイヤーが表面に設けられた複数のローラが設けられたカードなどで、開繊と混綿を十分にして混綿嵩高綿を得、空気の乱流の起きやすい円筒状の空間の中で複数のフィンが着いて回転する回転体が設けられた部屋の中に、混綿嵩高綿を吹き込み所定時間乱流撹拌後に取り出せるようにした装置などで繊維を球状体化したり、混綿嵩高綿をある程度大きな部屋に空気の渦流を起こさせながら滞留させて混綿嵩高綿を球状体化したりして、非弾性ポリエステル短繊維のループ状捲縮と熱可塑性エラストマーを一部に持ち、捲縮の発現しやすい複合短繊維が均一に混綿され絡んだ混綿嵩高綿が、空気や力学的な力を受けながら、特にその複合短繊維の特性からループ状の捲縮が進行し易く、繊維の球状体が早く形成される。また、この複合短繊維の低融点エラストマーの融点以上で熱処理をし、繊維球状体に熱可撓性熱固着点をつくることにより、弾力性、耐久性に優れた風合いに優れた繊維球状体が得られる。また、捲縮は熱処理によっても進行し球状体化しやすい作用が進行され易くなる。このような作用を起こさせ繊維を球状体化が進めやすい方法であればいかなる方法でも構わない。また、非弾性ポリエステル短繊維表面が平滑性をもち滑り易いほど球状体化がし易くなる。勿論、この球状体化処理の初期から熱風により球状体化と捲縮発現と低融点ポリマーを溶融させ熱融着を同時に進める方法や、まず、球状化の初期は常温で処理し、球状化の核が出来始めた時点で熱風を吹き込み捲縮発現と融着を起こさせたり、球状化したのち後から緩い熱風で捲縮発現と融着処理を行なう方法などが考えられる。
【0027】
特に好ましい場合には、非弾性ポリエステル短繊維の捲縮発現性が複合繊維の捲縮発現性よりも低くて、非弾性ポリエステル短繊維が繊維球状体の表面に出やすくなり、平滑表面をもつ非弾性ポリエステル短繊維が繊維球状体表面にでて、繊維球状体が全体に平滑性を示し、吹き込み易く、吹き込まれたクッションの風合いもソフトで良好となる。
【0028】
本発明の繊維球状体を形成する複合短繊維および非弾性ポリエステル短繊維の繊維長は、それぞれ、10〜100mm、好ましくは15〜90mmの範囲が適当である。
また、繊維球状体の大きさは、平均径2〜15mm、好ましくは3〜13mmの範囲が有利である。
【0029】
本発明の繊維球状体は、それ自体でクッション素材や詰め物として利用できるが、さらにこの繊維球状体を椅子や座席、平板状のものなど各種の金型中で熱成形して成形品として利用する。すなわち、金型中で繊維球状体を互いに表面で熱接着して所望の形状に成形してクッション構造体とする。その成形体を得る方法および装置の一例を図2により説明する。
【0030】
図2は、本発明の成形品を成形するための装置の一例を示す断面図であり、1は繊維球状体供給装置であり、この供給装置から吹込み口4を通して吹き出された繊維球状体2は、3の金型内に吹き込まれ充填される。
3の金型は空気透過性の金型であり、繊維球状体を含んだ気流は、この透過性の金型により、球状体のみが金型内に堆積され、空気は金型を透過して外部に放出される。
金型内に球状体が必要量充填後、該金型に熱風を通し、内部のバインダー繊維が他のバインダー繊維やマトリックス繊維と熱融着し、繊維成形構造体が形成されるのである。そして、加熱サイクルが終了すると、直ちに冷却サイクルに入り、成形品は冷却されて金型から取り出され、熱成形を終了する。この際使用する通気性金型の材質は、熱成形されることや金型として要求される剛性を考慮するとステンレスのパンチングプレートなどが好ましいが、特にこの材質に限定する必要はない。また、熱成形後の成形物の取り出し性を考慮して、離型性をよくするため、表面を梨地としたり、テフロン被覆しておいてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明における繊維球状体よりなる成形品は、繊維球状体が繊維の捲縮特性や曲げ特性のために繊維球状体化が行い易く且つ熱処理によってつくられる可撓性熱固着により弾力性と圧縮などの耐久性が良好であり、吹き込み特性に優れ作業性もよいことから、得られる成形品は、弾力性や耐久性が良好であり、且つ応力拡散性が良好でさらに圧縮特性が等方向であるほか風合いが非常にソフトなクッションや詰め物、中綿などの材料として最適である。
【0032】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明する。なお、実施例における各評価項目はそれぞれ下記の方法に従って評価した。
【0033】
(a) 捲縮性能;捲縮数、捲縮度
JIS L−1015により測定した。
【0034】
(b) 硬さ(kgf)
試作された繊維球状体を直方体30cm×30cm、1g/cm2の荷重で計測して厚み5cmになるように側地に詰め、JIS K−6401による25%圧縮硬さを測定する方法を流用して求めた。
【0035】
(c) 融点
Du Pont 社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークを求めた。融解温度がハッキリ観測されない場合は、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、約3gのポリマーを2枚のカバーガラスに挟み、ピンセットで軽く押さえながら、昇温速度20℃/分で昇温し、ポリマーの熱変化を観測する。その際ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)をここでは融点とする。
【0036】
(d) 複合短繊維断面形状の測定
複合短繊維の繊維軸に直角に薄く切断された断面を透明型の顕微鏡で観察し、写真撮影をして図1に示した模式図の直線および曲線の長さから算出した。断面は20個取り、その平均値を用いた。
(i) 露出度 − 断面全周の曲線(A+B)の長さに対する複合短繊維の芯成分の非弾性ポリエステルが断面の周に占める曲線の長さ(B)の比率:
B/(A+B)×100%
【0037】
(ii) 湾曲度 − 複合短繊維の芯成分の非弾性ポリエステルが断面の周に露出する2点(P1とP2)を直線で結んだ直線距離(L)と複合繊維の芯成分の非弾性ポリエステルが露出しない熱可塑性エラストマーと接する曲線の長さ(C)の比率:
C/L
【0038】
(iii) 肉厚度 − 複合短繊維の芯成分の非弾性ポリエステルの最大厚み(Lp)と弾性熱可塑性エラストマーの最大厚み(LE)の比率:
p/LE
【0039】
(f) 8万回硬さ保持率
75%予備圧縮後、再び25% 10cm×10cmの側地に試作された繊維球状体を15g詰め、初期厚みの75%まで予備圧縮をしたのち再び厚み(T1)を計り厚みの25%まで圧縮したときの圧縮応力を(F1)とし、T1の50%まで毎秒1回の割合で8万回圧縮をし、30分放置後、75%予備圧縮したのち厚み(T2)を計り厚みの25%まで圧縮したときの圧縮応力(F2)を求め、〔(F2 /F1)×100%〕で算出した。
【0040】
(g) ウェッブの嵩性
JIS L−1097により測定した。
【0041】
実施例1
テレフタル酸とイソフタル酸とを80/20(モル%)で混合した酸成分とブチレングリコールとを重合し、得られたポリブチレン系テレフタレート40%(重量%)をさらにポリテトラメチレングリコール(分子量2000)60%(重量%)と加熱反応させ、ブロック共重合ポリエーテルポリエステルエラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの融点は157℃であった。この熱可塑性エラストマーをシースに、常法で得られたポリブチレンテレフタレート(融点224℃)をコアに、シース/コアの重量比で50/50に成るように特殊口金とポリマー吐出配分を調整して複合短繊維を得た。この繊維を2.0倍に延伸したのち、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドのセグメント化ポリマーのエマルジョンを付与し120℃で乾燥固化捲縮発現し、64mmに切断した。ここで得られた複合短繊維のデニールは6デニール、捲縮数は18個/インチ、捲縮度は30%であった。
【0042】
ここで得られた複合短繊維の非弾性ポリエステルの露出度は34%であり、湾曲度は1.62で、肉厚度は2.7であった。
次に、常法にて得られたポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、融点254℃)を中空口金で紡糸し、紡糸された直後に一方方向が良く冷却したのち3.1倍延伸し、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドのセグメント化ポリマーのエマルジョンを付与し160℃で乾燥固化とスパイラル捲縮発現をしたのち64mmにカットして非弾性ポリエステル短繊維を得た。この繊維の繊度は6デニールで捲縮数9個/インチ 捲縮度30%、0.5g/cm2の荷重で100cm3/g、10cm2/gの荷重で34cm3/g、断面形状は中空、中空率29%を得た。
【0043】
ここで得られた複合短繊維30%と非弾性ポリエステル短繊維70%の混綿比率になるようにローラーカードを2回通過させて、混綿嵩高綿を得た。この綿をブロワーと貯綿ボックスをダクトで結ぶ装置に投入し、空気で30秒ブロアーで撹拌を行い、繊維球状体化した綿を得た。こののち別の貯綿ボックス内に移し、195℃の弱い空気流によって撹拌して、弾性熱可塑性エラストマーを溶融させながら、繊維球状体の内部に可撓性熱固着点を形成させ、続いて常温の空気を送り、冷却後形成された繊維球状体(fiber ball)を得た。この繊維球状体を顕微鏡で観察したところ、球状体表面には非弾性ポリエステル短繊維が70%の以上の確率で観察された。しかも、側地の中に吹き込む吹き込み機にて、クッション側地に吹き込んでみたが、吹き込みのトラブルがなく良好で、得られたクッションの感触もソフトで弾力性がよく、8万回の圧縮硬さ保持率はシリコンを表面に付与した綿や、表面にポリエチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドのセグメン化ポリマーエマルジョウンを付与・固化した綿を詰めたクッション材の35%や32%よりはるかに高く、繊維球状体は55%と高かった。また圧縮硬さは、上記シリコン綿、エマルジョン表面固化綿の0.6kgや0.9kgより繊維球状体は高く2.2kgであり、ソフトな感触でありながら反撥性が高く良好であった。
さらに、得られた繊維球状体を用いて熱成形したところ、得られた成形品は応力拡散性に優れており、また圧力特性にも異方性はなかった。
【0044】
比較例1〜4
実施例1と同様にして、複合短繊維を紡糸する条件を変えた以外は、同様にして複合短繊維を得て、実施例1と同様に繊維球状体を得ようとした。
表面露出度を22%とした複合短繊維(比較例1)は、紡糸した後延伸後、繊維の膠着を起こし、油剤の付与、カット後も繊維が外れにくく、カード通過後も繊維が集合状態にあり、繊維の球状体化が著しく悪かった。一方、この表面露出度を55%にした複合短繊維(比較例2)は原綿製造時のトラブルなどの問題もなく非常に良好であった。しかし、実施例1と同様な繊維球状体処理において球状化しにくく、熱処理後得られた繊維球状体も緩くしまりの悪い物であった。得られた圧縮硬さは1.5kgと低く、8万回圧縮硬さ保持率も42%と低く、クッション性能として劣っていた。
【0045】
一方、複合短繊維の2つの成分の湾曲度を1.02とした以外は実施例1と同様にした複合短繊維(比較例3)は、延伸途中で一部が剥離しているところが見られた。また、繊維の球状化処理のときに球状体化しにくく、熱処理によっても球状体としてのまとまりがなく、ルーズな繊維球状体しか得られなかった。この得られた圧縮硬さは1.1と低く、8万回圧縮硬さ保持率は37%と低かった。また、露出度を27%で、湾曲度を2.60とした複合短繊維(比較例4)は、複合短繊維の捲縮が55個/インチと高く、カードでの混綿がうまく行かず、球状体の形成においても大きいものと小さい物が混在し、熱処理後はさらにその傾向が強く、非常に硬いものが混入したものとなり、均一性で劣り、側地に吹き込まれたクッションでもそのざらざら感が分かり好ましくなかった。
【0046】
実施例2
非弾性ポリエステル短繊維として〔η〕が0.65と0.50の2種のポリエチレンテレフタレートを50/50の比率のサイドバイサイド型のコンジュゲートを紡糸し、延伸後、エポキシ変成ポリシロキサンを繊維重量に対し0.6%になるように付与し、押し込み捲縮を付与したのち、160℃でキュアリングと捲縮発現を行ない、カットしてループで構成されオメガ型の捲縮形態を持つ非弾性ポリエステル短繊維を得た。この繊維の繊度は4デニールであり、捲縮は15個/インチ、捲縮度35%、0.5g/cm2の荷重で、嵩は55cm3/g、10g/cm2の荷重で25cm3/gであった。この繊維70%と実施例1で用いた複合短繊維30%を混綿し、実施例1と同様に繊維の球状体化を行なった。繊維の球状体は実施例1より均一で形状的に真球に近いそろった球状体(fiber ball)が得られた。また、繊維球状体の表面を顕微鏡で観察したところ、球状体表面には非弾性ポリエステル短繊維の毛羽や繊維がほとんどであった。また複合短繊維は非弾性ポリエステル短繊維に絡みながら融着しており、可撓性熱固着点が強固にできていた。これらは、8万回圧縮テスト後の繊維球状体の可撓性熱固着点はあまり破壊や剥離を大きく進行していないことから推定された。この現象は熱可塑性エラストマーの代わりに一般的に用いられる低融点ポリエステル(例えば比較例5に示す複合繊維使用の場合)には熱固着点は剥離や破壊が極めて多く観測される。
【0047】
8万回圧縮テストの硬さ保持率は65%と非常に優れていた。圧縮硬さは1.5kgでそこそこであり、感触も羽毛の様な風合いと弾力性がある素晴らしい物であった。
【0048】
比較例5
実施例1の熱可塑性エラストマーの代わりに、テレフタル酸とイソフタル酸を60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とから共重合された低融点ポリエステル、固有粘度0.78、融点110℃を用いて同様に試作した複合短繊維では、繊維球状体化し、熱固着点を形成した繊維球状体の8万回圧縮テスト後は剥離が激しく、また熱固着点の破壊も非常に進行していた。8万回圧縮硬さ保持率は15%と非常に悪く、弾力性がなく、風合いも極めて悪かった。
【0049】
比較例6
実施例1の非弾性ポリエステル短繊維を作成する際の一方向がよく冷却される条件から比較的均一に冷却される条件に変更して紡糸し、延伸倍率を3.6倍としたのち、実施例1の油剤と付与し、押し込み捲縮を付与した以外は同様に処理し非弾性ポリエステル短繊維を得た。この繊維は直線の折り曲がり構造でループ形状のところが少なかった。繊度は6デニールで中空率は30%であった。この短繊維を用いて実施例1と同様に繊維の球状体化を試みたが、うまく繊維球状体化できなかった。
【0050】
実施例3
実施例2の繊維構成で球状体化を190℃の熱風を使って、風速を通して、乱流を少なくして一段の処理で行なった。その結果、実施例2よりやや小さな径の繊維球状体が20秒と少ない時間で効率よく得られた。繊維球状体の表面は、毛羽や繊維はほとんど非弾性ポリエステル短繊維であった。また吹き込み性も良好で、風合いも羽毛の様な感触と弾力性が優れていた。また8万回圧縮硬さ保持率は68%と優れ、可撓性熱固着点の剥離や破壊は少なく良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複合短繊維の断面を示す模式図である。
【図2】 繊維球状体から成形品を熱成形するための装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
E 弾性熱可塑性エラストマー
P 非弾性ポリエステル
A 露出しているEの長さ
B 露出しているPの長さ
E Eの最大厚み
P Pの最大厚み
L 周囲におけるPとEの接点(P1とP2)を結んだ直線距離
C Pの露出しないEと接する曲線の長さ
1 繊維球状体供給装置
2 繊維球状体
3 金型
4 吹込み口

Claims (7)

  1. 繊維球状体を型内において熱成形して得られる成形品であって、該繊維球状体が、下記(a)で表される複合短繊維と、ループ形状を有する非弾性ポリエステル短繊維とが混合された複数の短繊維から構成されており、その繊維交絡点の一部が可撓性熱固着点で熱固着されていることを特徴とする、高弾性球状体よりなる応力拡散性の改善された成形品。
    (a)非弾性ポリエステルと該非弾性ポリエステルの融点より40℃以上低い融点を有する弾性熱可塑性エラストマーとが配された複合短繊維であって、該非弾性ポリエステルが複合短繊維表面の25〜49%を占めるように露出しており、且つ繊維断面において該非弾性ポリエステルと該弾性熱可塑性エラストマーとが湾曲度1.1〜2.5で一体化した複合短繊維。
  2. 複合短繊維表面における非弾性ポリエステルと弾性熱可塑性エラストマーの肉厚比が1.2〜3.0である、請求項1記載の成形品。
  3. 複合短繊維における非弾性ポリエステルと弾性熱可塑性エラストマーとの繊維断面積比率が(25/75)〜(75/25)である、請求項1記載の成形品。
  4. 繊維球状体の表面に突出している毛羽が複合繊維よりも非弾性ポリエステル短繊維の割合が大きい請求項1記載の成形品。
  5. 非弾性ポリエステル短繊維の繊維表面に平滑剤が付与されている、請求項4記載の成形品。
  6. 弾性熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである、請求項1記載の成形品。
  7. 非弾性ポリエステルがポリブチレンテレフタレートである、請求項1記載の成形品。
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