JP3701342B2 - 保護層転写フィルム及び印画物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、剥離可能に保護層が設けられた保護層転写フィルムに関し、更に詳しくは感熱転写記録方式によって形成された画像に対して、優れた耐久性を与え、かつそれ自体の保存性に優れた保護層転写フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で基材フィルム上に昇華性染料とバインダーを含有する染料層を設けた転写シートを用い、画像情報に応じてサーマルヘッド、レーザー等の加熱手段により染料層中の染料を昇華(熱移行)させて、記録を行う昇華型感熱記録方式が知られている。
また、基材フィルム上に顔料等の着色剤及びワックス等のビヒクルを含有する熱溶融性インク層を設けた転写シートを用い、同様の加熱手段により軟化した溶融インク層成分を転写させて画像を形成する熱溶融型感熱記録方式が知られている。
これらの熱転写方法では、各種の画像を簡便に形成することができるので、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えば身分証明書等のカードや各種証明書等に利用されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような熱転写シートを使用して身分証明書等のIDカードを作成した場合、熱溶融型の熱転写シートを使用すると、文字や数字等の如き単調な画像の形成は容易であるが、これらの画像は、耐久性、特に耐磨耗性に劣るという欠点がある。
一方、昇華転写型の熱転写シートを使用した場合には、顔写真等の階調性画像を精密に形成することができるが、形成された画像は、通常の印刷インキによるものとは異なり、ビヒクルが無い為、耐光性、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に劣るという欠点がある。
【0004】
上記の問題を解決する手段として、熱溶融性着色剤層あるいは昇華性(熱移行性)染料の熱転写によって得られた画像上に、熱転写性樹脂層を有する保護層転写フィルムを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて熱転写性樹脂層(保護層)を転写させ、画像上に保護層を形成する方法が知られている。
【0005】
この保護層を設けることによって、画像の耐摩擦性、耐薬品性、耐溶剤性等を向上させることができる。また更に耐光性を向上させるために、保護層中に紫外線吸収剤等の添加剤を添加したり、偽造防止や印画物の白色度を向上させるといった特殊な機能を付与するために、保護層中に蛍光増白剤を添加したりする方法が知られている。
【0006】
また、保護層の転写を安定且つ確実に達成させる為には、保護層がサーマルヘッドや熱ロール、レーザー光などの加熱手段によって、速やかに且つ確実に被転写体に転写、接着しなければならない。この為には保護層の最表面を構成する熱転写性樹脂層のガラス転移温度や熱軟化温度、分子量等に制約を受け、その結果、保護層転写フィルム自体の保存性が低下してしまい、ブロッキング等のトラブルの原因となることがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意努力した結果、保護層を構成する熱転写性樹脂層の最表面を、樹脂粒子により粗面化したことにより、保護層転写フィルムを巻取り保存した時にも、フィルム同士の密着を防止し、保存性を向上できることを見出し、本発明の完成に至った。即ち、本請求項1の発明は、耐熱性基材フィルム上に、少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された保護層転写フィルムにおいて、水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmであり、該熱転写性樹脂層の最表面が該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする保護層転写フィルムである。
【0008】
請求項2の発明は、前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、増粘剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の保護層転写フィルムである。請求項3の発明は、前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、スチレン/アクリル共重合体樹脂を主成分とする層からなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項4の発明は、前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、熱接着性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項5の発明は、熱転写性樹脂層を構成する少なくとも1つの層が、電子線により硬化された硬化性樹脂層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。
【0009】
請求項6の発明は、熱転写性樹脂層を構成する少なくとも1つの層が、紫外線を遮断する材料を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項7の発明は、熱転写性樹脂層が、基材フィルム側から順次、透明性樹脂層、紫外線遮断層、熱接着性樹脂層を積層したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項8の発明は、耐熱性基材フィルムと熱転写性樹脂層との間に離型層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項9の発明は、前記熱転写性樹脂層が、同一の基材フィルム上に、熱移行性色材層、熱溶融性着色剤層の少なくとも1層と隣接して形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の保護層転写フィルムである。請求項10の発明は、着色剤によって形成された画像を有する印画物の画像形成面の少なくとも一部に、請求項1〜9のいずれかに記載の熱転写性樹脂層が積層されていることを特徴とする印画物である。
【0010】
【作用】
本発明では保護層転写フィルムにおける熱転写性樹脂層最表面を、水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmとし、該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化したことにより、表面に凹凸が形成され、保護層転写フィルムを巻取り保存した時にも接触面積が低下することから、ブロッキングを発生することがなく、極めて保存性に優れた保護層転写フィルムを得ることができる。また、表面凹凸は、最表面層を構成する樹脂粒子の粒子径や成膜温度を調整することにより簡便に表面状態をコントロールすることができる。
【0011】
さらに熱転写性樹脂層最表面を、水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂粒子を主成分として構成し、耐光性や記録画像の鮮明性、品位を良好なものとする為に、熱転写性樹脂層中に、有機系蛍光増白剤や紫外線吸収剤を含有した樹脂層を含む構成であっても、それらによる悪影響を防止できる。これは本発明の転写性樹脂層を転写した印画物では、画像形成面と熱転写性樹脂層の間に蛍光増白剤や紫外線吸収剤の移行を防止する効果の高い、前記粒子を主成分とする層が存在する為、蛍光増白剤や紫外線吸収剤が画像を形成する色材と接触して画像の耐久性、特に耐光性を低下させてしまうことを防止できるからである。
【0012】
次に好ましい実施例を図解的に示す添付図面を参照して本発明を更に具体的に説明する。図1、図2、図3、図4はそれぞれ本発明の保護層転写フィルムの一実施例を説明する模式断面図である。図1は最も単純な層構成の例であり、基材フィルム1の一方の面に熱転写性樹脂層2が単一層として設けられ、その最表面が樹脂粒子により粗面化されている構成である。
【0013】
図2は、基材フィルム1の一方の面に熱転写性樹脂層2を基材フィルム側から順に、透明性樹脂層4、熱接着性樹脂層6の2層に分けて積層した構成であり、熱接着性樹脂層6の最表面が水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmとし、該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする。図3は、基材フィルム1の一方の面に、熱転写性樹脂層2を基材フィルム側から順に、透明性樹脂層4、紫外線遮断層5、熱接着性樹脂層6の3層に分けて積層した構成である。この場合も、熱接着性樹脂層6の最表面が水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmとし、該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする。図4は、基材フィルムの一方の面に、基材フィルム1側から順に、離型層3、透明性樹脂層4、紫外線遮断層5、熱接着性樹脂層6を積層し、もう一方の面には耐熱性、スリップ性を付与する背面層7を設けた構成である。尚、背面層7は、プリンターのサーマルヘッドの融着を防止する作用を有しており、図1〜図3の構成の場合、図示してはいないが、必要に応じて設けることができ、また基材フィルムの耐熱性やスリップ性が良好である場合には不要である。
【0014】
なお、基材フィルムと熱転写性樹脂層の間の剥離性が適当でない場合に、離型層3を設けてもよい。これは熱転写性樹脂層と基材フィルムとの接着力を調整し、熱転写性樹脂層の剥離を良好に行うためであり、この層も図1〜図3の場合、図示していないが必要に応じて設けることができる。勿論基材フィルムと熱転写性樹脂層との剥離性が良好な場合には離型層3は不要である。尚、離型層3を設ける場合は、熱転写性樹脂層2は転写により離型層との界面から剥離され、離型層3自体は基材フィルム側に残るようにすることが望ましい。図4の場合も最表面を構成する熱接着性樹脂層6は、図1〜図3の説明で述べた最表面と同様に水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmとし、該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする。
【0015】
以下に本発明の保護層転写フィルム及びこれを転写して得られる印画物の構成材料と製造方法について説明する。
【0016】
(基材フィルム)
本発明の保護層転写フィルムに用いられている基材フィルムとしては、従来の熱転写フィルムに使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができると共に、フィルムの表面に易接着処理のしてあるものやその他のものも使用することができ、特に制限はされない。
好ましい基材フィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、及びグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども挙げられる。
これらの基材フィルムの厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更しているが、通常は3〜100μm程度が好ましい。
【0017】
(離型層)
通常、基材フィルムの一方の面に熱転写性樹脂層2を設けて転写フィルムを作成するが、基材フィルムと熱転写性樹脂層2の材質の組合せによっては熱転写の際の離型性が良好でない場合がある。このような場合、基材フィルム面に予め離型層3を設けることができる。(図4)
離型層3は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体樹脂等を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成でき、塗膜の厚さは、0.1〜2μm程度で十分である。
離型層3に使用する材料を選定する際に注意しなければならない点としては、熱転写性樹脂層2と適切な離型性を有することは勿論のことであるが、更に熱転写性樹脂層2との接着力よりも、基材フィルムとの接着力を高くすることが大切であり、もし、基材フィルムとの接着力が十分でない場合には、離型層ごと転写性樹脂層が転写される等の異常転写の原因となる。
【0018】
また、転写後の印画物において艶消し保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、または離型層側表面をマット処理した基材フィルムを使用することにより、保護層を転写した印画物の表面をマット状にすることもできる。
【0019】
(熱転写性樹脂層)
本発明の保護層転写フィルムにおいて、熱転写性樹脂層2は熱転写により被転写体の印画面に転写されて保護層を形成するものである。従って熱転写性樹脂層2が具備すべき機能としては、熱転写の際、基材フィルムまたはその上に設けられた離型層3から確実に箔切れ性よく剥がれること、被転写体に対する熱接着性がよいこと、印画面の保護層として耐摩擦性、耐スクラッチ性等の各種耐性、特に本発明では優れた耐光性を付与できること、また透明性がよく転写面の画像の鮮明さを損なわないことなどが挙げられる。
この点から図1に示したような熱転写性樹脂層2を単層で設けることもできるが、図2〜図4のように基材フィルム側から透明性樹脂層4、熱接着性樹脂層6の順、あるいは透明性樹脂層4、紫外線遮断層5、熱接着性樹脂層6の順のように2層または3層の多層構成で設けることも好ましい。このような場合の各層について以下に説明する。
【0020】
(透明性樹脂層)
前記基材フィルムまたは離型層3の上に設ける透明性樹脂層4、即ち熱転写性樹脂層2の基材フィルム側の層は、耐摩擦性、透明性、硬さなどに優れた樹脂、例えばポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、及びこれらの樹脂のシリコーン変性樹脂、そしてこれらの樹脂の混合物のほか、後述の如き重合性モノマー、オリゴマー、反応性重合体等の少なくとも1種を電子線等の電離放射線照射により架橋、硬化した樹脂等を用いることができる。またこの硬化性樹脂層には、可とう性及び接着性を向上させるために相溶性のよい熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。
【0021】
これらの樹脂は透明性に優れているが、比較的強靱な皮膜を形成する傾向があるので、転写時における箔切れが充分ではない。そこでこれらの透明性樹脂層の箔切れ性や、転写によって被覆される印画面の耐摩擦性、耐スクラッチ性などを向上させるために、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を樹脂の透明性を損なわない程度に添加することができる。尚、用いる微粒子の粒径は0.1〜10μm程度のものが好ましい。
また、耐摩擦性、耐スクラッチ性を更に向上させるために、シリコーン変性樹脂、滑剤等の添加剤を含有させてもよい。
【0022】
このような透明性樹脂層4を形成する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、その他多くの手段が利用でき、上記の樹脂を含む塗工液を塗布・乾燥することによって形成することができる。この透明性樹脂層4の厚さは乾燥時の皮膜で0.1〜50μm程度であり、好ましくは1〜10μm程度である。
【0023】
(紫外線遮断層)
本発明において、保護層を転写する印画物に形成された画像が、太陽光等に含まれる紫外線によって、褪色や変色するのを抑制するために、熱転写性樹脂層にに紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
使用する紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子を樹脂層中に添加することができる。
使用する樹脂としては、特に制限されず、あらゆる樹脂が使用可能であるが、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ハロゲン化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレン等の炭化水素系樹脂、ポリビニルアルコールや、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられ、また、紫外線遮断層を特別に設けず、透明樹脂層中に添加してもよい。
【0024】
また、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂のモノマー、オリゴマー反応性重合体の少なくとも一種と反応結合させてなる樹脂を単独または混合して用いて、透明性樹脂層を構成するいずれかの層に含有させてもよい。
反応性紫外線吸収剤を樹脂に反応固定する方法としては、種々の方法が利用可能であるが、例えば従来公知のモノマー、オリゴマー、又は反応性重合体の樹脂成分と下記の如き付加重合性二重結合を有する反応性紫外線吸収剤とラジカル重合することにより、共重合体を得ることができる。
【0025】
【化1】
Figure 0003701342
【化2】
Figure 0003701342
【0026】
また、反応性紫外線吸収剤が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を有する場合には、上記の反応性基と反応性の基を有する熱可塑性樹脂を使用し、必要に応じて触媒を用いて、熱等によって反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に反応固定することができる。
反応性紫外線吸収剤と共重合させるモノマー成分としては、以下のようなものが挙げられる。
【0027】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セリルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレン(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールペンタ(メタ)アクリレート、ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレート等が使用できる。
【0028】
また、上記の物質はモノマーに限らずオリゴマーとして使用してもよく、更に上記物質の重合体またはその誘導体からなるポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系等のアクリル系反応性重合体も使用可能である。
これらのモノマー、オリゴマー、アクリル系反応性重合体は、単独でも混合して用いてもよい。
【0029】
以上の如き熱可塑性樹脂のモノマー、オリゴマー、又はアクリル系反応性重合体と反応性紫外線吸収剤とを共重合することにより、反応性紫外線吸収剤を反応固定した熱可塑性の共重合樹脂が得られるが、この共重合性樹脂中には10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%の反応性紫外線吸収剤を含有していることが望ましい。含有量がこれより少ないと満足できる耐候性が得難く、これより大きくなると塗布時のベトつきや、染料画像への接着時の画像のにじみ等の問題を生じる等の問題がある。
また、この共重合樹脂の分子量は5000〜300000程度が好ましく、更には9000〜250000程度が良い。分子量が5000未満であると、皮膜強度に劣るため、ラミネートシートとして十分な強靱性が得られない。また、300000を越えると粘度が上がり、取扱いが煩雑になるという問題がある。
本発明の紫外線遮断層は、上記の如き反応性紫外線吸収剤を反応結合させてなる樹脂を含有することを特徴としているが、この層は前記樹脂単独で形成してもよいし、必要であれば他の樹脂を混合してもよい。
尚、前記反応性紫外線吸収剤を共重合してなる熱可塑性樹脂の構造式の一例を示すが、本発明の共重合樹脂はこれに限定されるべきものではない。
【0030】
【化3】
Figure 0003701342
【0031】
前記の如き紫外線吸収層を、前記透明性樹脂層上に形成する場合、接着性が悪い場合には、プライマー層を形成することができる。
かかるプライマー層を形成する樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオール樹脂、及びこれらの樹脂とイソシアネート類との反応物等を使用することができる。使用するイソシアネート類としては従来使用されている、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物等を使用することができる。
前述の如きプライマー層は、厚さ0.1〜10μmの範囲となるように形成することが好ましい。
【0032】
以上の如き紫外線遮断層は、透明性樹脂層4と熱接着性樹脂層6の間に設けるか、基材フィルムまたは離型層3と透明性樹脂層4の間に設けるかは限定しないが、通常、透明性樹脂層と熱接着性樹脂層の間に設けることが好ましい。紫外線遮断層5の形成方法は、前記透明性樹脂層の形成方法と同じ方法でよく、その厚さは0.1〜5μm程度で充分である。
【0033】
(最表面層)
本発明の保護層転写フィルムは、熱転写性樹脂層の最表面層が水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmとし、該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする。最表面層は、印画物に転写、接着する機能を持つ為、熱時接着性の良好な樹脂から形成することが望ましい。このような最表面層(熱接着性樹脂層)を樹脂粒子により粗面化する方法としては、熱転写性樹脂層を構成する最表面層を水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することによって形成することができる。この層は例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂等のような熱時接着性の良好な樹脂を水やアルコールに分散させ、これを前記透明性樹脂層等と同様な方法で塗布、乾燥することにより形成できる。特に好ましい形態は乾燥によって樹脂粒子を完全に成膜させるのではなく、ある程度粒子の形状を残すように乾燥させたものであり、これによって保護層転写フィルムの表面に凹凸を形成させることができ、フィルム同士の密着を防止し、高い保存性を有する保護層転写フィルムが得られる。その際、分散させた上記樹脂の物性は、成膜温度が80℃以上、好ましくは100℃以上のものが好適である。これよりも低い成膜温度の樹脂では、樹脂自体の保存性が低い上に、乾燥後に適当な凹凸を維持することができないという問題がある。
【0034】
また、分散させた樹脂の粒径に関して、平均粒子径が0.05〜2.0μm程度の大きさが好ましい。これより大きな粒径であると保護層の透明性が低く、印画物の品質が損なわれてしまう。逆にこれより小さな粒径では保存性を向上させることができるような凹凸を形成することができず、保存性が低下してしまうおそれがある。
以上の項目を満足させる熱転写性樹脂インキとしては、昭和高分子社製、ポリゾールAT−2000、AT−2011、C−10等が挙げられる。
上記の如き熱接着性樹脂層には、インキの粘度を調整するための増粘剤や、耐光性を向上させるための紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等のラジカルトラップ剤、酸化防止剤等を添加することができ、その添加量はそれぞれ熱転写性樹脂の0.1〜10%程度である。
熱接着性樹脂層の厚さは、0.1〜5μm程度の範囲が好ましい。
【0035】
また、この熱接着性樹脂層を形成する樹脂含有塗布液中に、塗布液の粘度を調整する為の増粘剤を添加することも可能であり、これによって熱接着性樹脂層の面質を向上、安定させたり、膜強度を向上させることができる。
増粘剤に使用される樹脂としては、特に制限はなく、粘度を調整することができる材料であれば、あらゆる材料が使用できるが、好ましい材料としては、例えばカルボキシメチルセルロースや、アルキルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの増粘剤を添加する割合としては、重量換算で熱接着性樹脂層全体の0.1〜30%、特に好ましくは0.5〜10%の範囲である。
【0036】
(背面層)
また、本発明の保護層転写フィルムにおいて、熱転写性樹脂層2を設けた反対側の面には、必要に応じてプリンターのサーマルヘッドや転写用熱板等との粘着を防止し、且つ滑り性を良くする目的で背面層7(耐熱スリップ層)を設けることができる。背面層7の材質は、ポリビニルブチラール樹脂等活性水素を有する樹脂をイソシアネート化合物で硬化した樹脂、シリコーン樹脂等従来公知のものがそのまま使用でき、その厚さは0.1〜5μm程度で十分である。
尚、タルク等の滑性に優れる無機粒子や、燐酸エステル系界面滑性剤の如き滑剤を添加してもよい。
【0037】
(保護層転写フィルムの製造及び転写方法等)
以上、本発明の保護層転写フィルムを構成する各層について説明したが、これらの中で、熱転写性樹脂層2の全体の厚さは0.5〜50μm程度の範囲が好ましい。
そしてこのような熱転写性樹脂層2は、基材フィルム上に単独で設けて保護層のみの転写フィルムとしてもよいが、昇華性染料インキ層や熱溶融性インキ層を面順次に隣接して設けてインキ層と保護層とが一体に形成された転写フィルムとしてもよい。
このように一体に設ける場合、保護層を形成する各層が実質的に無色透明であるために、製造時に塗布するそれぞれの層の見当を合わせる為に、各層中に蛍光剤、好ましくは蛍光増白剤を添加し、これによって生じる紫外線領域の吸収帯を検知機で確認することにより、見当合わせを機械化し、簡便にすることができる。
以上の如き保護層転写フィルムを用いて保護する画像は、通常は昇華型熱転写方法及び/又は溶融型熱転写方法により形成された画像であるが、これに限定されるものではなく、広く利用できるものである。
特に昇華型熱転写による画像に適用する場合には、該画像に保護層が形成されると共に、転写時の熱によって画像を形成している染料が再発色処理されるので画像が一層鮮明になるという効果がある。
【0038】
また、昇華型熱転写画像及び/又は熱溶融型転写方法による画像は、ポリエステル樹脂や塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックシートを基材とする受像シートやカード基材等どのような被転写材に形成されたものであってもよい。
例えば染料受容性のある樹脂層(受容層)を基材シート上に設けた熱転写受像シートやこれらの樹脂類からなるフィルム、シート、成形物等を用いることができる。
染料受容性のある樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、各種ポリアクリレート等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレンまたはその共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、そしてアイオノマー、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられ、これらの樹脂層中に、熱転写シートとの融着を防止するためにシリコーンオイル等の離型剤を添加してもよい。
上記のような熱転写受像シートに使用するシート状基材としては、▲1▼合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、▲2▼上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂溶液もしくはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、その他セルロース繊維紙等も使用でき、特に限定されない。また、上記基材フィルム等の任意の組合せによる積層体も使用できる。
代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、あるいはセルロース繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシートとの積層体が挙げられる。
【0039】
また、被転写体としてカードを用いる場合の材料について説明する。
本発明のカードに使用するカード基材は、その表面に昇華性染料が染着される染料受容層が形成されている限り、従来公知のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックのフィルムまたはシート等が使用でき、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明のフィルム又はシート、あるいは発泡させた発泡シート等も使用でき、更に前述の熱転写受像シートの基材に用いられている物等を使用することができる。
本発明における好ましいカード基材の一例を示すと、白色顔料を含むポリ塩化ビニル系の中心層の両面に透明なポリ塩化ビニル層が積層された構成を有しており、少なくとも画像形成面である透明塩化ビニル層には適当な量の可塑剤が含有されて染料の染着性が良好にされている。
これら可塑剤の量の好ましい範囲は、染料受容面を形成するポリ塩化ビニル100重量部当たり0.1〜10重量部であり、特に好ましい範囲は3〜5重量部である。可塑剤の使用量が少なすぎると昇華性染料に対する染着性が不十分であり、一方可塑剤の量が多すぎると染料受容面が柔らかくなり、熱転写時に熱転写シートの染料層と密着し易くなるため、染料層が剥離し、そのまま転写するという異常転写が発生し易くなり、また保存中に印字画像に滲みが生じ、鮮明な画像が得られないので好ましくない。
また、別の態様として、受容層転写シートを用いて、予め受容層を転写したものを用いてもよい。
特にカード基材の場合など、予めエンボス、サイン、ICメモリー、磁気層、その他印刷等が儲けられていてもよく、また、保護層転写後にエンボス、サイン、ICメモリー、磁気層等を設けることもできる。
【0040】
受像シートもしくはカード等にサーマルプリンタによってカラー画像及び/又は文字画像を形成し、その上に本発明の保護層転写フィルムを用いて熱転写性樹脂層を転写して保護層を形成するが、転写に際しては、サーマルプリンターは昇華転写用、溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共通のプリンターでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。
【0041】
尚、本発明の保護層転写フィルムでは、加熱手段としてサーマルプリンターに限定されず、その他熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒータ、アイロン等でも転写できる。
また、保護層は形成された画像の前面に転写してもよいし、特定の部分のみに転写してもよい。
【0042】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
(昇華型熱転写シートの作成)
下記組成の昇華性染料を含む3色のインキを調整した。
イエローインキ
下記構造式で表されるキノフタロン系染料 5.5部
ポリビニルブチラール(エスレックBX−1・積水化学工業製) 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90.0部
【0043】
【化4】
Figure 0003701342
【0044】
マゼンタインキ
イエローインキにおいて染料をC.I.Disperese Red 60にかえ、その他は同様にしてマゼンタインキを得た。
シアンインキ
イエローインキの組成において、染料の種類のみをシアン染料C.I.Solvent Blue 63 にかえ、その他はイエローインキと同様にしてシアンインキを調整した。
上記のインキ組成物をグラビア印刷方式により、背面に耐熱性スリップ層を厚さ1 μmに設け、且つ表面にウレタン系樹脂からなるプライマー層を厚さ0.5μmに設けた厚さ6μmのポリエステルフィルム(ルミラー・東レ製)のプライマー層面に、塗布量が約3g/m2 (固形分)になるようにそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンの順に面順次にポリエステルフィルムの流れ方向に各色の長さ15cmで繰り返し印刷、乾燥して3色の昇華性インキ層を形成し、昇華型熱転写シートを得た。
【0045】
〔実施例1〕
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミラー・東レ製)を基材フィルムとし、その一方の面に耐熱スリップ層としてシリコーン樹脂を厚さ1μmとなるようにグラビアコート方式により形成し、もう一方の面に下記組成の透明性樹脂層形成用インキをグラビアコート方式で乾燥時の塗布量が2g/m2 となるように塗布、乾燥して透明性樹脂層を形成した。
透明性樹脂層用塗布液
アクリル樹脂(LP−45M・綜研化学社製) 20部
蛍光増白剤(ユビテックスOB チバガイギー社製) 0.1部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 80部
次に上記透明性樹脂層の上に、表面層として下記の組成の熱接着性樹脂層用塗布液をグラビアコート方式で、乾燥時塗布量が1g/m2 となるように塗布、乾燥して熱接着性樹脂層を形成した。
熱接着性樹脂層(最表面層)用塗布液
スチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョン 50部
(ポリゾールAT2011・昭和高分子社製)
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
【0046】
〔実施例2〕
実施例1において、透明性樹脂層と熱接着性樹脂層の間に、下記組成の紫外線遮断層を乾燥時の塗布量が1.5g/m2 になるように設けた他は実施例1と同様に加工して保護層転写フィルムを得た。
紫外線遮断層形成用塗布液
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂
(UVA−635L・BASFジャパン製) 30部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 70部
【0047】
〔実施例3〕
実施例1において、透明性樹脂層塗布液を下記の電子線硬化型樹脂層用組成とした以外は実施例1と同様に加工して、実施例3の保護層転写フィルムを得た。電子線硬化性樹脂用塗布液
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 7部
ポリメタクリル酸メチル 14部
蛍光増白剤(ユビテックスOB・チバガイギー社製) 0.1部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 80部
【0048】
〔実施例4〕
前述の昇華型熱転写フィルムの製造工程に関して、前述の3色の染料インキ層及び保護層をイエロー、マゼンタ、シアン、保護層の順に面順次にポリエステルフィルムの流れ方向に、長さ15cmで繰り返し印刷、乾燥して3色の昇華性染料によるインキ層及び保護層を形成し、染料層一体型保護層転写フィルムを作成した。
保護層の構成は基材フィルム上に設けられたウレタン系樹脂からなるプライマー層の上に下記の組成からなる離型層を設け、更にその上に実施例1に記載の熱転写性樹脂層を設けることによって形成した。離型層の塗布量は乾燥時0.4g/m2 とした。
離型層形成用塗布液
ポリビニルアルコール樹脂 3部
ウレタン樹脂 2部
蛍光増白剤(ユビテックスCF チバガイギー社製) 0.1部
水 60部
エチルアルコール 30部
【0049】
〔実施例5〕
実施例4の構成において、離型層上に設けた熱転写性樹脂層を実施例2に記載の樹脂層とした以外は実施例4と同様に加工して、実施例5の保護層を形成した。
〔実施例6〕
実施例4の構成において、離型層上に設けた熱転写性樹脂層を実施例3に記載の塗布液を用いて形成した以外は、実施例4と同様に加工して、実施例6の保護層を形成した。
【0050】
〔実施例7〕
実施例5の構成において、最表面を構成する熱接着性樹脂層を下記に記載の塗布液を用いて形成した以外は、実施例5と同様にして、実施例7の保護層を形成した。
熱接着性樹脂層(最表面層)用塗布液
スチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョン 50部
(ポリゾールAT2011 昭和高分子社製)
増粘剤(ポリビニルピロリドン樹脂、ISP社製) 1部
蛍光増白剤(ユビテックスCF チバガイギー社製) 0.1部
ポリビニルアルコール 1部
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
【0051】
〔比較例1〕
実施例1の構成において、熱接着性樹脂層(最表面層)用塗布液を下記の組成とした他は、実施例1と同様にして、比較例1の保護層を形成した。
熱接着性樹脂層用塗布液
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20部
(電化ビニル1000ALK 電気化学工業社製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 40部
【0052】
〔比較例2〕
比較例1の構成において、熱接着性樹脂層用塗布液を下記組成の塗布液とした以外は比較例1と同様にして、比較例2の保護層を形成した。
熱接着性樹脂層用塗布液
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20部
(電化ビニル#1000ALK 電気化学工業社製)
蛍光増白剤(ユビテックスOB・チバガイギー社製) 0.1部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 40部
【0053】
〔比較例3〕
実施例2の構成において、熱接着性樹脂層用塗布液を比較例2に記載の塗布液とした以外は、実施例2と同様に加工して、比較例3の保護層を形成した。
【0054】
実施例3及び6に関しては、熱転写性樹脂層を塗布、乾燥後、塗布面側から窒素ガス雰囲気中で175kVに加速された電子線を5Mrads照射して硬化、架橋させた。
下記に示す熱転写受像シートの受容層側及びカード基材上に、前述の昇華型熱転写フィルム或いは染料層一体型保護層転写フィルムの染料塗布面を重ね合わせ、顔写真を色分解して得た電気信号に連結したプリンターのサーマルヘッドを用いて熱エネルギーを付与し、フルカラー画像を形成した。
【0055】
(熱転写受像シートの作成)
基材シートとして合成紙(ユポFRG−150、厚さ150μm・王子油化合成紙製)を用い、その一方の面に下記の組成の染料受容層塗布液をバーコーターにより、乾燥時塗布量が4g/m2 となるように塗布、乾燥して、染料受容層を形成し、熱転写受像シートを作成した。また、カード基材として下記組成のものを使用した。
染料受容層形成用塗布液
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(電化ビニル1000A 電気化学社製)
エポキシ変性シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T・信越化学社製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 80部
【0056】
カード基材の材料組成
ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定剤等の添加剤を約10%含有)
白色顔料(酸化チタン) 10部
可塑剤(ジオクチルフタレート) 0.5部
上記の方法により得られたフルカラー画像上に、実施例1〜7及び比較例1〜3の保護層転写フィルムを重ね合わせ、フルカラー画像を形成したプリンターと同じプリンターを用いて、それぞれの熱転写性樹脂層を転写し、保護層付フルカラー画像を形成した。
【0057】
(転写画像の耐光性試験)
上記で得られたカラー画像に保護層の転写された各カード基材及び受像シートを試料として、画像面の耐光性をキセノンフェードメータ(アトラス社製 Ci−35A)で200kJ/m2 及び300kJ/m2 照射し、照射前後の光学濃度の変化を光学濃度計(マクベス社製 RD−918)により測定し、下記式により光学濃度の残存率を算出した。
Figure 0003701342
尚、耐光性試験の結果としては、上記残存率を下記の区分の記号に換えて表1に示した。
◎:90%以上の残存率
○:残存率が80%以上90%未満
△:残存率が70%以上80%未満
×:残存率が70%未満
【0058】
(ブロッキング試験)
実施例及び比較例の保護層転写フィルムを5cm×5cmの大きさに各々10枚切って重ね合わせ、60℃の環境下で1kgf/cm2 の荷重をかけて48時間保存試験を行い、ブロッキングの有無を確認した。
○・・・ブロッキング有り
×・・・ブロッキング無し
【0059】
【表1】
Figure 0003701342
【0060】
【発明の効果】
本発明における保護層転写フィルムの熱転写性樹脂層の最表面を、上記の如く樹脂粒子により粗面化することにより、巻取り保存した時にもブロッキングを発生することがなく、極めて保存性に優れた保護層転写フィルムを得ることができる。さらに熱転写性樹脂層が、耐光性や記録画像の鮮明性や品位を良好なものとする為に有機系蛍光増白剤や紫外線吸収剤を含有した樹脂層を含む構成であっても、水又はアルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを用いて粗面化した層を形成し、蛍光増白剤や紫外線吸収剤の画像への悪影響を遮断することができ、印画物の品質を高く保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護層転写フィルムの一実施例を図解的に説明する断面図
【図2】本発明の保護層転写フィルムの別の一実施例を図解的に説明する断面図
【図3】本発明の保護層転写フィルムの別の一実施例を図解的に説明する断面図
【図4】本発明の保護層転写フィルムの別の一実施例を図解的に説明する断面図
【符号の説明】
1:基材フィルム
2:熱転写性樹脂層
3:離型層
4:透明性樹脂層
5:紫外線遮断層
6:熱接着性樹脂層(最表面層)
7:背面層

Claims (10)

  1. 耐熱性基材フィルム上に、少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された保護層転写フィルムにおいて、水、アルコールの少なくとも一方を分散媒とした樹脂含有インキを塗布、乾燥することにより、かつ分散された樹脂の粒径が平均粒子径で0.05〜2.0μmであり、該熱転写性樹脂層の最表面が該分散された樹脂粒子の形状を残して、粗面化されていることを特徴とする保護層転写フィルム。
  2. 前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、増粘剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の保護層転写フィルム。
  3. 前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、スチレン/アクリル共重合体樹脂を主成分とする層からなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  4. 前記最表面を構成する熱転写性樹脂層が、熱接着性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  5. 熱転写性樹脂層を構成する少なくとも1つの層が、電子線により硬化された硬化性樹脂層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  6. 熱転写性樹脂層を構成する少なくとも1つの層が、紫外線を遮断する材料を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  7. 熱転写性樹脂層が、基材フィルム側から順次、透明性樹脂層、紫外線遮断層、熱接着性樹脂層を積層したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  8. 耐熱性基材フィルムと熱転写性樹脂層との間に離型層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  9. 前記熱転写性樹脂層が、同一の基材フィルム上に、熱移行性色材層、熱溶融性着色剤層の少なくとも1層と隣接して形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の保護層転写フィルム。
  10. 着色剤によって形成された画像を有する印画物の画像形成面の少なくとも一部に、請求項1〜9のいずれかに記載の熱転写性樹脂層が積層されていることを特徴とする印画物。
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