JP3701186B2 - 遮水シートの補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば廃棄物処分場に敷設される遮水シートの補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、管理型廃棄物処分場では、敷地内の全面に亘り、アスファルト含浸シート若しくはアスファルト積層シート等のアスファルト系シート材料からなる遮水シートを敷詰めることで、処分場内に発生した滲出水の地盤内への漏洩を防止する一方で、内部に溜った滲出水を専用の配管経路および汚水処理設備を通じて無害化した上で外部に放流している。
【0003】
ところが、遮水シートが何らかの原因で破損し、一部に孔があいた場合には、遮水シートとしての機能を果せなくなり、汚染水の地下水への拡散が問題となる。このような不具合に対処する方法として、滲出水検出用センサを配備することで、破損箇所および破損規模の特定を行う方法も知られている。センサとしては、各種の方式のものがあるが、主として、電極電位の変化により滲出水の漏洩を検出する方式と、遮水シートをエアバッグ式とし、これを常時真空吸引し、水が吸引された場合には漏洩があると判定する方式がある。
【0004】
そして、破損個所が特定された場合には、その箇所を目指して廃棄物を掘削し、破損個所の周辺を開削した後、破損部に新たに遮水シートを溶着するか又は薬液等の注入により破損部を塞ぎ、次いで埋め戻す作業を行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の遮水シートの補修方法にあっては、破損個所に至るまでの掘削作業及び埋戻し作業が大がかりになって面倒であるし工期及びコストがかかるといった課題がある。特に、破損部に新たに遮水シートを溶着する場合にあっては、破損部周辺を大規模に掘削してトーチ(ガスバーナなどでシートを融かして貼り付ける)工法により補修する作業を行うに際し、破損部周辺をドライ(乾燥状態)にする必要があるため、当該破損個所が水面下に位置する場合には手間がかかるという課題がある。このような課題があることは、廃棄物処分場以外の遮水シートにあっても同様である。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、補修のための大規模掘削が不要で、しかも補修作業も簡単に行えるようにした遮水シートの補修方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る遮水シートの補修方法は、廃棄物処分場の底面全体に敷設され、上部に廃棄物が堆積される遮水シートの補修方法であって、前記遮水シートを、アスファルト含浸シート、アスファルト積層シート、又はゴム系アスファルト積層シートによって形成し、漏洩検出手段によって前記遮水シートの破損箇所を検出し、該破損箇所に対応する前記廃棄物の部分を掘削して取り除くことにより、該破損箇所に対応する前記遮水シートの部分を露出させ、該露出させた遮水シートの上部に改質アスファルトからなる固化材を投入し、該固化材の上部に取り除いた廃棄物を埋め戻すことを特徴とする。
【0008】
本発明による遮水シートの補修方法によれば、遮水シートの破損箇所の上部に固化材を投入し、その上部に取り除いた廃棄物を埋め戻すことにより、埋め戻した廃棄物の圧力によって固化材が遮水シートの表面に押し付けられ、固化材が遮水シートのアスファルト分に相溶しつつ含浸され、固化材が遮水シートと一体のシート状固化体となり、破損箇所が閉塞されることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明方法を廃棄物処分場の遮水シートの補修方法に適用した例を示し、同図は廃棄物処分場の縦断面を示している。
【0010】
図において、1は例えば山間地における谷間の地形などを利用して造成された廃棄物処分場、2は処分場1の底面全体に敷設され周縁を処分場1の凹地形に沿って敷設された遮水シート、3は遮水シート2上に配管された多孔管などからなる集水管、4は処分場1の内部に所定厚さ毎に交互に堆積される廃棄物および覆土である。
【0011】
集水管3の下流側は図示しない汚水処理設備に接続されている。また、遮水シート2の下部には複数の漏洩センサ5が配置されている。各センサ5は処理場内を縦横碁盤目状に仕切った区画毎に配置されるもので、それぞれ処分場1の近傍に構築された管理棟6内に接続され、ここに設けた図示しない表示パネルに検出の有無が表示されるようになっており、センサ5が漏洩を検知すると、パネルに汚水漏洩箇所の区画が表示されるとともに、その漏洩規模なども表示される。
【0012】
遮水シート2は、アスファルト含浸シート、アスファルト積層シート、ゴム系アスファルト積層シートなどの軟質であって、弾性に富む不透水性材料であって安価であることから、廃棄物処分場の遮水シートとして好適な材料であり、通常の使用形態ではその遮水機能により処分場内外を完全に水密遮蔽する。一方、覆土に伴う土圧により引張り破断が生じたり、鋭利な廃棄物の突き刺さりなどにより部分的に破損する場合もある。
【0013】
このような場合には、前記センサ5により遮水シート2の破損区画および破損規模が検出される。検出された時点で、破損検出区画の上部から鉛直に又は斜めに深礎工法によりオープン掘削される。この工法は、一般には、杭基礎工法の一種であり、図2(a)に示すように、掘削作業を行いつつ、堰板10と鋼製リング11により検出区画の周囲を山留めするもので、掘削廃棄物は小型バケット12により、順次地表部に排出される。バケット12は地表部における孔上に組まれた櫓13に組付けられ、ウインチ14で巻上げられる。
【0014】
なお、以上の作業を実施する際には、予め処分場内の地下水を強制排出して地下水位を下げ、湧水が生じた場合には高揚程ポンプなどにより排水しながら作業を行うことが望ましい。掘削作業は、人力又は機械によって行われる。
【0015】
以上の作業により、孔底部である遮水シート2上まで掘削し、表面を露出することによって、破損個所2aおよびその破損規模が最終確定される。最終確定後は、(b)に示すように、その破損個所2aの上面のみに覆い被さるように固化材15を投入するか、破損規模が大きい場合には、図示のごとく孔底部全面に広がるように投入する。
【0016】
固化材15としては、遮水シート2に対して親和性のある材料である改質アスファルトを用いることが好ましい。この改質アスファルトは、例えば、SBS(スチレン−ブタジェン−スチレン)改質アスファルト等があり、被着体である遮水シートの材質であるアスファルト分に対して十分な親和性と強力な接着性を有する材料である。投入方法としては、前記バケット12を利用して孔底部に撒きだしても良いし、ポンプおよびホースなどを利用して連続投入しても良い。また、破損部より大きな形状を有する固化した改質アスファルトを破損箇所に置いてもよい。
【0017】
投入後は、(c)に示すように、直ちに既に掘削され周囲に野積みされた廃棄物4aを孔内に埋め戻すことにより、その埋め戻し廃棄物4aの土圧によって固化材15は流動拡散しながら遮水シート2の表面に押しつけられて遮水シート2のアスファルト分に相溶しつつ含浸され、冷却により遮水シート2と一体のシート状固化体となり、破損個所2aを完全に閉塞し、再び水密遮蔽状態に復帰することになる。
【0018】
なお、本実施の形態では、本発明方法を廃棄物処分場に用いられる遮水シートの補修方法に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ため池等の遮水構造物に用いられる遮水シート全般に採用することができることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明による遮水シートの補修方法によれば、遮水シートを、アスファルト含浸シート、アスファルト積層シート、又はゴム系アスファルト積層シートによって形成し、破損した箇所の遮水シートの部分に改質アスファルトからなる固化材を投入し、固化材の上部に取り除いた廃棄物を埋め戻して、廃棄物の圧力により固化材を遮水シートに押し付けるように構成したことにより、固化材を遮水シートのアスファルト分に相溶しつつ含浸させて固化材を遮水シートと一体化し、遮水シートの破損箇所を完全に閉塞することができる。
また、遮水シートをアスファルト含浸シート、アスファルト積層シート、又はゴム系アスファルト積層シートによって形成し、その破損箇所を改質アスファルトからなる固化材で閉塞するように構成したので、破損箇所の周辺をドライにする必要がなく、水面下であっても簡単にかつ確実に補修作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する廃棄物処分場の断面説明図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の施工手順を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処分場
2 遮水シート
2a 破損個所
4 廃棄物
4a 埋め戻し廃棄物
5 漏洩センサ(検出手段)
15 固化材
Claims (1)
- 廃棄物処分場の底面全体に敷設され、上部に廃棄物が堆積される遮水シートの補修方法であって、
前記遮水シートを、アスファルト含浸シート、アスファルト積層シート、又はゴム系アスファルト積層シートによって形成し、
漏洩検出手段によって前記遮水シートの破損箇所を検出し、
該破損箇所に対応する前記廃棄物の部分を掘削して取り除くことにより、該破損箇所に対応する前記遮水シートの部分を露出させ、
該露出させた遮水シートの上部に改質アスファルトからなる固化材を投入し、
該固化材の上部に取り除いた廃棄物を埋め戻すことを特徴とする遮水シートの補修方法。
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