JP3699411B2 - 印刷金属板の製造方法およびその印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板の表面に装飾模様が印刷された印刷金属板の製造方法とその印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば壁パネル等を形成するための前段材料として、木目模様や波紋状の模様を多色印刷した塗装鋼板が用いられている。この種の塗装鋼板は、例えば特開2000−246881公報にみられるように、グラビアオフセット法によってウェブ状の金属板に印刷を施して形成し、あるいは所定サイズに切断した金属板にシルク印刷を施して形成される。グラビアオフセット法では、金属製の版ロールに付着しているインキをオフセットロールに転写したうえで、金属板に再転写する。多色印刷を行う場合には、複数基の印刷装置を隣接配置して印刷色を重ねる。なお、先のオフセットロールは、金属ロールの表面にゴム層を巻装して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、版ロールの印刷模様をオフセットロールを介して金属板に転写するグラビアオフセット印刷法では、次のような問題を生じる。第1に、印刷途中にオフセットロールの表面のゴム層が溶剤を吸収して膨潤し、オフセットロールの外径が変動し、版ロールとのニップ圧が変化しやすい。ニップ圧が設定値より大きいと網点がつぶれ、色彩の強弱・濃淡の調子等の色調が不鮮明になる。逆にニップ圧が設定値より小さいと、版ロールからオフセットロールへのインキ転移が不十分になり、印刷ムラを生じやすい。第2に、印刷位置のずれ、すなわち柄ずれを生じやすい。柄ずれの主な原因は、テンション調整等に伴う金属板の搬送速度の僅かな変動や、各ロールを駆動する動力伝動系のギヤ等のバックラッシュやクリアランス等によるロール位相の遅れや進みであるが、いずれの変動も解消するのが困難であった。因みに、所定サイズの金属板にシルク印刷を施して塗装鋼板を形成すると、柄ずれは生じないが、個別の金属板毎に印刷を行う必要があるので、コストが高く付く。
【0004】
上記のような柄ずれを避けるために、従来の印刷装置においては、版ロールとオフセットロールとの周速度を金属板の搬送速度に一致させ、しかも両ロールの周速度を完全に一致させている。しかし両ロールの周速度を一致させると、ごく僅かな外乱によっていずれか一方のロールの周速度が増減変動するとき、他方のロールの周速度がギヤ等のバックラッシュやクリアランスの範囲内で遅れたり、進んだりすることがあり、その分だけ印刷模様にずれを生じる。つまり、ギヤやカップリング等が、外乱を受けてバックラッシュやクリアランスの範囲内で回転方向前後に揺れ動いていた。
【0005】
本発明の目的は、版ロールとオフセットロールとの周速度が、ギヤ等のバックラッシュやクリアランスの範囲内で遅れたのち進むような、速度の揺らぎを防止して印刷模様のずれを解消し、以て印刷金属板の印刷品質の向上と、歩留まりの向上とを同時に実現することにある。本発明の目的は、表面にゴム層を有するオフセットロールの膨潤に伴うニップ圧の変化を解消して、オフセットロールのニップ圧を常に一定に保持でき、従って印刷金属板を安定した色調で形成してその印刷品質の向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷金属板の製造方法では、一方向へ送給される金属板Wの上下を、バックアップロール30と表面にゴム層が巻装してあるオフセットロール29とで挟んで、版ロール28を、搬送方向上手に配置した板速計36からの出力信号に基づき金属板Wの搬送速度に合致する状態で回転駆動しながら、版ロール28の周面の印刷模様をオフセットロール29で金属板Wに転写する。モーター32・33で伝動機構を介して駆動される版ロール28およびオフセットロール29を、V1=V±V×(1/20〜1/600)の式を満足する状態で駆動しながら印刷を行うことを特徴とする。但し、Vは版ロール28の周速度であり、V1はオフセットロール29の周速度である。
【0007】
版ロール28とオフセットロール29とのニップ圧をニップ圧検出センサー51で検出し、ニップ圧検出センサー51の検出信号と設定ニップ圧とをニップ圧制御用の制御装置50で比較し、比較結果に応じて版ロール28とオフセットロール29とのいずれか一方を移動操作して、両ロール28・29の軸間距離を変更調整することによりニップ圧を設定ニップ圧に一致させ、同時に、移動操作された一方のロールの移動量を検出し、この検出信号に基づいてバックアップロール30を移動操作して、両ロール29・30のギャップ量を設定ギャップに一致させる。
【0008】
オフセットロール29の周速度V1は、版ロール28の周速度Vより大きい状態で印刷を行う。つまり、V1=V+V×(1/20〜1/600)を満足する状態で印刷を行うことが望ましい。
【0009】
本発明の印刷金属板の製造装置は、金属製の版ロール28と、版ロール28の周面の印刷模様を金属板Wに転写する、表面にゴム層が巻装してあるオフセットロール29と、版ロール28およびオフセットロール29を伝動機構を介して駆動するモーター32・33と、オフセットロール29と協働して金属板Wの上下を挟持するバックアップロール30と、版ロール28より搬送方向上手に配置されて、金属板Wの搬送速度を検知する板速計36とを備えており、板速計36の出力信号を受けて版ロール28の回転速度を金属板Wの搬送速度に合致させ、かつオフセットロール29の周速度V1を次式が満足される状態で駆動制御する制御装置38を備えている。V1=V±V×(1/20〜1/600)但し、Vは版ロール28の周速度である。
【0010】
【発明の作用効果】
本発明の印刷方法とその装置によれば、版ロール28を金属板Wの搬送速度に合致する状態で回転駆動しながら、オフセットロール29の周速度V1を版ロール28の周速度Vより僅かに小さく、あるいは僅かに大きく設定して印刷を行うようにした。このように周速度に僅かな差がある状態で印刷を行うと、両ロール28・29の周速度の差分だけ、周速度の小さいほうのロールが引きずられ、あるいは、周速度の大きいほうのロールに抵抗力が作用するので、外乱によってギヤやカップリング等がバックラッシュやクリアランスの範囲内で回転方向前後に揺れ動くことを防止できる。従って、本発明の印刷方法および印刷装置によれば、版ロール28とオフセットロール29速度の揺らぎを防止して印刷模様のずれを解消でき、印刷金属板の印刷品質の向上と、歩留まりの向上とを同時に実現できる。オフセットロール29の周速度V1と版ロール28の周速度Vとの差が、V±V×1/600より小さくなると、伝動機構のバックラッシュやクリアランスの影響が、周速度の差分より大きくなるので、電気的な速度制御が困難になる。また、オフセットロール29の周速度V1と版ロール28の周速度Vとの差が、V±V×1/20より大きくなるとスリップなどによる柄ののり移りが変ってしまう。つまり、柄が変形する。
【0011】
請求項2に係る本発明の印刷方法においては、オフセットロール29のゴム層が印刷インキに含まれる溶剤を含浸して膨潤するとき、例えば版ロール28に設けたニップ圧検出センサー51で検出したニップ圧が設定ニップ圧と一致するように、版ロール28とオフセットロール29とのいずれか一方を移動操作して、ニップ圧を適正値に保持した状態で金属板Wに印刷できるので、ニップ圧が大小に変化することに伴う網点のつぶれや、色彩の強弱、濃淡の調子等の色調の不鮮明さ、あるいは版ロールからオフセットロールへのインキ転移が不十分になることに伴う印刷むら等を一掃して、安定した色調で高い印刷品質の印刷金属板を製造できる。
【0012】
上記のようにオフセットロール29の周面のゴム層が印刷インキの溶剤を含浸して膨潤すると、膨潤量が僅かとは言え、その分だけロール周速度が増加する。従って、オフセットロール29の周速度V1が版ロール28の周速度Vより小さく設定されていると、版ロール28の周速度Vからオフセットロール29の周速度V1を差し引いた減少速度分と、オフセットロール29のゴム層の膨潤による周速度の増加速度分とが相殺され、版ロール28とオフセットロール29との周速度が同じになることがある。しかし、オフセットロール29の周速度V1を版ロール28の周速度Vより大きな状態で印刷を行うようにすると、ゴム層が膨潤しても両ロール28・29の周速度の差が大きくなるだけで、膨潤に伴う周速度の増加分が相殺されるのを確実に解消できる。従って、外乱を受けたギヤがバックラッシュやクリアランスの範囲内で進んだのち遅れ、あるいは逆に遅れたのち進むなどの速度の揺らぎを解消し、印刷模様のずれをさらに確実に解消できる。
【0013】
【実施例】
図2は本発明を適用した印刷金属板の連続印刷ラインを示す。そこではアンコイラー1から繰り出した鋼板ウエブ等の金属板Wは、前処理部2と、それぞれ金属板Wの表面に塗装を施す第1塗装部4および第2塗装部5と、印刷部6とに順に送給された後、テンションレベラー7を介してリコイラー8でロール状に巻き取られる。前処理部2では、金属板を必要に応じてクロム酸やリン酸液中に浸漬して表面処理を行う。
【0014】
両塗装部4・5の前段と中間と後段、および印刷部6の後段には、それぞれ金属板Wを送給操作する4個のブライドルロール9・10・11・12が配置されており、最後段のブライドルロール12の周速度を基準にして、各ブライドルロール9・10・11の周速度を大小に変化させることにより、両塗装部4・5および印刷部6を通過する金属板Wのテンション状態を制御している。
【0015】
図3において第1塗装部4では、ロールコータ13で金属板Wの表面(上面)および裏面(下面)のそれぞれに塗装を施した後、塗材を下地用のオーブン14で強制的に乾燥してプライマー層15a・16aを形成する。第2塗装部5では、図4に示すごとく第1塗装部4と同様にロールコータ17で塗装を行って、先のプライマー15aの表面に着色ベース層15bを形成した後、塗料をオーブン18で強制的に乾燥させる。つまり表面側の下地層15は、プライマー層15aと着色ベース層15bとで形成する。場合によっては着色ベース層15bのみで形成することもある。第2塗装部5においては、既に形成してある裏面側のプライマー層16aの表面に、ロールコータ17で塗膜層16bを塗布形成して、裏面側の下地層16を内外二層の塗膜層16a・16bで形成することもある。第1・第2の両塗装部4・5で使用する塗料としては、例えばポリエステル系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、アクリル系樹脂塗料、フッ素系樹脂塗料等があり、プライマー層を形成する塗料には、必要に応じて防錆顔料が配合される。
【0016】
印刷部6には、本発明に係る印刷装置を用いる。その印刷装置は、図5に示すように金属板Wの搬送路に沿って隣接配置した2基のロール印刷機20・21を含み、金属板Wの上面側の下地層15上に、各ロール印刷機20・21で例えば木目状の模様等の印刷層22を多色印刷する。印刷層22を形成するインキとしては、ポリエステル系樹脂、あるいはアルキッド系樹脂、フッ素系樹脂等のインキを使用する。印刷部6で印刷を施した後に、印刷層22を含む下地層15の表面全体に、図4に示すようにクリア塗料をローラカーテンコータ23、あるいはロールコータ等で塗布して保護層を形成し、印刷層22および保護層をオーブン25で同時に強制的に乾燥させる。各印刷機20・21の後段には、図5に示すように熱風を吹き出す補助乾燥器26が配置してある。保護層を形成するクリア塗料としては、例えばポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等の塗料を適用できる。
【0017】
図1および図5において各ロール印刷機20・21は、グラビアオフセット印刷機からなり、グラビアロールからなる鋼製の版ロール28と、版ロール28の表面の印刷模様を金属板Wへ転写するオフセットロール29と、オフセットロール29と協働して金属板Wを挟圧する鋼製のバックアップロール30とで構成してある。オフセットロール29は鋼製ロールの周面に、例えば硬度が45度に調整されたゴム層を巻装して構成してあり、その形成素材としてウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム等が使用される。図1において符号31は加圧送給された印刷インクを版ロール28の周面に直接チャージするインキングヘッドである。図6に示すように版ロール28およびオフセットロール29は、それぞれ減速機付きのサーボモーター32・33を駆動源にして、カップリング(オルダム継手)34とインターナルギヤ35を介して回転駆動する。バックアップロール30は、金属板Wを支持するのに大きな力を要するので、先のロール駆動系から独立した駆動系によって、詳しくはサーボモーター45で継手を介して回転駆動される。その周速度は金属板Wの搬送速度に一致させるが、制御はおおまかでよい。
【0018】
オフセットロール29は周面のゴム層が傷付きやすいため、ロール交換を頻繁に行う必要があるが、サーボモーター32・33、カップリング34、インターナルギヤ35などの駆動系を、図6に符号Sで示すストローク分だけ後退操作して、インターナルギヤ35を各ロール28・29のロール軸から抜き取り操作すると、駆動系と各ロール28・29とを分離できるので、ロール交換作業を迅速かつ簡便に行える。交換したロールの直径が異なる場合には、駆動系側の軸心とロール軸の中心とにずれを生じるが、このずれはカップリング34で吸収できる。
【0019】
版ロール28とオフセットロール29とは、基本的には両ロール28・29の周速度を金属板Wの搬送速度に一致させる。しかし、両ロール28・29の周速度を同一に設定すると、例えば各ロール28・29を駆動するサーボモーター32・33のいずれか一方の出力が変動するような場合に、変動を生じた側のロールの位相位置は、動力伝動機構を構成するギヤのバックラッシュやクリアランスの分だけ、遅れるか進むかいずれかに変化し、その結果、印刷模様が局部的に伸び縮みする。このような局部的な模様の伸び縮みを防ぐために、オフセットロール29の周速度は、版ロール28の周速度を基準にして、基準周速度より僅かに大きく設定するか、僅かに小さく設定してバックラッシュ分のずれが生じるのを防いでいる。具体的には、基準周速度をVとし、オフセットロール29の周速度をV1とするとき、
V1=V±V×(1/20〜1/600)
となるように、各ロール28・29を駆動するためのサーボモーター32・33を後述する制御装置38で制御する。例えば、金属板Wの搬送速度が40m/分であるときは、基準周速度Vを40m/分とし、オフセットロール29を増速する場合の周速度V1を42〜40.067m/分とする。また、オフセットロール29を減速する場合の周速度V1は38〜33.933m/分とする。
【0020】
因みに、連続して金属板の印刷を行う際には、後述するようにオフセットロール29の周面のゴム層が印刷インキの溶剤を含浸して膨潤し、その分だけ周速度が増加する傾向にある。従って、オフセットロール29の周速度V1を基準周速度Vより小さく設定してあると、基準周速度Vからオフセットロール29の周速度V1を差し引いた減少速度分と、オフセットロール29のゴム層の膨潤による周側度の増加速度分とが相殺され、版ロール28とオフセットロール29との周速度が同じになることがある。このような状況を避けるために、オフセットロール29の周速度V1は、
V1=V+V×(1/20〜1/600)
としておくことが好ましい。さらに好ましくは、オフセットロール29のゴム層の膨潤による周速度の増加速度分が加わっても、先の式を満足できるように、オフセットロール29の周速度V1を小さめに設定しておく。この設定は制御装置38に入力されるパラメーターを変更することで簡単に行うことができる。
【0021】
長尺の金属板Wは各ブライドルロール9〜12(図2参照)によってテンション制御されているため、各ロール印刷機20・21を通過する金属板Wの送り速度は必ずしも一定せず、テンション制御を行う毎に変動する。こうした送り速度の変動に伴う模様の伸縮を防ぐために、図1に示すように前段のロール印刷機20の印刷位置の近傍で、しかも印刷位置より金属板Wの搬送方向上手側に、金属板Wの送りピッチを検知する非接触式の板速計36を配置する。この板速計36で検知した信号と、サーボモーター32のパルス信号とを、速度制御用の制御装置37のコンピューターで対比演算することによって、版ロール28の回転ピッチが金属板Wの送り速度と合致するよう、サーボモーター32の駆動回転数を増減制御する。これで前後段のロール印刷機20・21の版ロール28・28およびオフセットロール29・29の回転ピッチを金属板Wの送り速度に合致させる。
【0022】
図1に示すように各位相センサー40・41は、それぞれ各版ロール28・28の周面の一側端部に設けた位相基準を検知して、版ロール28・28の位相を特定する。位相基準は例えば刻印として形成してあって、イメージセンサー、フォトセンサー、光電スイッチ等の位相センサー40・41で光学的に検知される。各版ロール28に設ける位相基準の形成位置は、版ロール面の同一個所、例えば版の基準位置から同じ距離だけ離れた位置に形成してある。
【0023】
上記の印刷装置においては、オフセットロール29の表面の被覆ゴムがインキに含まれる溶剤を含浸して膨潤し、膨潤した分だけロール外径が変化(増加)する。さらにロール外径の変化に伴ってオフセットロール29と版ロール28とのニップ圧が変化(増加)し、その結果インキの転移性が変化して印刷色調の変化および印刷ムラを生じてしまう。バックアップロール30のニップ圧も同様に変化(増加)する。このような被覆ゴム層の膨潤に伴うニップ圧の変化を解消するために、オフセットロール29を調整基準にして、版ロール28とバックアップロール30をそれぞれ接近・離反操作し、ニップ圧を一定に保持する。
【0024】
具体的には、オフセットロール29を定位置に固定したうえで、図7の矢印A・Bで示すように、版ロール28とバックアップロール30とをオフセットロール29に対して、接近あるいは離反方向に移動可能に設置する。そして版ロール28にニップ圧検出用センサー51を付設して、オフセットロール29の膨潤に伴うニップ圧の増加を検出し、この検出信号と予め設定された適正なニップ圧の値とをニップ圧制御用の制御装置50で比較して、比較結果に応じて版ロール28を移動用モーター52で駆動軸ごと後退移動させて、ニップ圧が設定値になるように制御する。図7ではオフセットロール29の膨潤状態を破線Eで示し、二点鎖線Fで版ロール28の移動位置を示している。ニップ圧検出用センサー51は例えばロードセルからなり、移動用モーター52はサーボモーターからなる。このように版ロール28とオフセットロール29との間のニップ圧、およびオフセットロール29とバックアップロール30との間のギャップ量の制御を行うことによって、オフセットロール29が印刷インキ中の溶剤により膨潤する場合であっても、安定した印刷品質の保持が可能となった。
【0025】
バックアップロール30のギャップ量の制御は、先に説明した版ロール28の移動用モーター52の回転数を制御装置50のコンピューターで演算し、その結果をバックアップロール30の軸架台等に設置した移動用モーター53にフィードバックさせ、移動用モーター53によりバックアップロール30を、図7の二点鎖線Gで示すようにオフセットロール29から後退移動させて、バックアップロール30とオフセットロール29との間のギャップ量が設定ギャップ量に一致するように制御する。
【0026】
上記の連続印刷ラインにおいては、鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板を母材にして、その表面に必要な塗装および印刷を施すことができる。版ロール28、オフセットロール29、バックアップロール30は、それぞれ専用のモーター32・33・34で駆動することが好ましいが、版ロール28を駆動する1個のモーター32を駆動源にして、ギヤ伝動機構を介してオフセットロール29およびバックアップロール30を同期駆動することがきる。
【0027】
上記の実施例で説明したように、オフセットロール29の版ロール28と周速度を僅かに異ならせた状態でロール印刷機を試験運転し、柄ずれ状況を確認した。具体的には、金属板Wの搬送速度が40m/分、搬送速度の変動幅は±0.1/m、オフセットロール28の外直径が300mmであるとき、オフセットロール28の周速度V1を40.5m/分に設定して、柄のずれ量Eを計測した。その結果、柄ずれ量はE≦0.1mm/mで、搬送時における金属板Wのスリップ程度のずれしか生じないことが判った。因みに、版ロール28とオフセットロール29の周速度を一致させた、従来の印刷法でロール印刷機を運転した場合の柄ずれ量は、E=0.5mm/mであった。
【0028】
本発明のロール印刷機は、グラビア印刷機に限られず、凸版ロールを版ロール28とする印刷機を含む。ロール印刷機は1基、あるいは2基以上が隣接配置してある場合を含む。板速計36は、非接触型であることが好ましいが、金属板Wに接触するタイプ、例えばタッチローラで板速を検知する接触型であってもよい。前段に設けたロール印刷機20の印刷位置の近傍で、しかも印刷位置より金属板送り方向上手側にガイドロールを配置しておき、このガイドロールの回転数を基に金属板Wの送りピッチを検知してもよい。位相センサー40・41としては、光学的なセンサー以外に磁気センサーや近接スイッチ、あるいは回転数センサー等の他のセンサーを適用できる。
【0029】
ニップ圧の制御は、バックアップロール30を定位置に固定し、オフセットロール29を移動させて行うことができ、あるいは版ロール28を定位置に固定し、オフセットロール29を移動させて版ロール28とのニップ圧を制御し、さらにオフセットロール29の移動量の検出信号に基づいてバックアップロール30を移動させて行うことができる。前者の場合には、オフセットロール29と版ロール28とのニップ圧を制御し、同時にオフセットロール29とバックアップロール30とのギャップを制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内容を概念的に示す原理説明図である。
【図2】印刷ラインの概要を示す正面図である。
【図3】塗装部の概念図である。
【図4】印刷部の概念図である。
【図5】印刷部の正面図である。
【図6】印刷部の駆動系を示す概略平面図である。
【図7】ニップ圧制御装置の概略構造を示す説明図である。
【符号の説明】
28 版ロール
29 オフセットロール
30 バックアップロール
32・33 サーボモーター
36 板速計
37 速度の制御装置
38 位相の制御装置
40・41 位相センサー
50 ニップ圧の制御装置
51 ニップ圧検出センサー
52・53 移動用モーター
W 金属板
V 版ロールの周速度
V1 オフセットロールの周速度

Claims (4)

  1. 一方向へ送給される金属板Wの上下を、バックアップロール30と表面にゴム層が巻装してあるオフセットロール29とで挟んで、版ロール28を、搬送方向上手に配置した板速計36からの出力信号に基づき金属板Wの搬送速度に合致する状態で回転駆動しながら、版ロール28の周面の印刷模様をオフセットロール29で金属板Wに転写する印刷金属板の製造方法であって、
    モーター32・33で伝動機構を介して駆動される版ロール28およびオフセットロール29を、以下の式を満足する状態で駆動しながら印刷を行うことを特徴とする印刷金属板の製造方法。
    V1=V±V×(1/20〜1/600)
    但し、Vは版ロール28の周速度であり、V1はオフセットロール29の周速度である。
  2. 版ロール28とオフセットロール29とのニップ圧をニップ圧検出センサー51で検出し、
    ニップ圧検出センサー51の検出信号と設定ニップ圧とをニップ圧制御用の制御装置50で比較し、
    比較結果に応じて版ロール28とオフセットロール29とのいずれか一方を移動操作して、両ロール28・29の軸間距離を変更調整することによりニップ圧を設定ニップ圧に一致させ、
    同時に、移動操作された一方のロールの移動量を検出し、この検出信号に基づいてバックアップロール30を移動操作して、両ロール29・30のギャップ量を設定ギャップに一致させることを特徴とする請求項1記載の印刷金属板の製造方法。
  3. オフセットロール29の周速度V1が、版ロール28の周速度Vより大きい状態で印刷を行う請求項1または2記載の印刷金属板の製造方法。
  4. 金属製の版ロール28と、版ロール28の周面の印刷模様を金属板Wに転写する、表面にゴム層が巻装してあるオフセットロール29と、版ロール28およびオフセットロール29を伝動機構を介して駆動するモーター32・33と、オフセットロール29と協働して金属板Wの上下を挟持するバックアップロール30と、版ロール28より搬送方向上手に配置されて、金属板Wの搬送速度を検知する板速計36とを備えており、
    板速計36の出力信号を受けて版ロール28の回転速度を金属板Wの搬送速度に合致させ、かつオフセットロール29の周速度V1を次式が満足される状態で駆動制御する制御装置38を備えている印刷金属板の印刷装置。
    V1=V±V×(1/20〜1/600)
    但し、Vは版ロール28の周速度である。
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