JP3696713B2 - 減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の旋回装置に用いて好適な減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、油圧クレーン等の上部旋回体を下部走行体上で旋回させるための旋回装置には、一般に、回転源の出力を増大するための減速装置が搭載されている。
【0003】
そこで、この種の従来技術による減速装置を、図4および図5に示す油圧ショベルの旋回装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0004】
図中、1は油圧ショベルの下部走行体と上部旋回体(いずれも図示せず)との間に配設された旋回装置を示し、該旋回装置1は、外部から圧油が給排されることにより出力軸2Aを回転駆動する回転源としての油圧モータ2と、該油圧モータ2の出力軸2Aの回転を減速して旋回輪3に伝達する減速装置4とから大略構成されている。
【0005】
ここで、旋回輪3は下部走行体の丸胴5と上部旋回体の旋回フレーム6との間に設けられ、丸胴5に固着された内輪7と、旋回フレーム6に固着された外輪8と、該外輪8と内輪7との間に配設された複数の鋼球9(1個のみ図示)とからなっている。そして、外輪8が内輪7の周囲を各鋼球9を介して回転し、該外輪8と共に旋回フレーム6が回転することにより、上部旋回体が下部走行体に対して旋回するようになっている。
【0006】
10は旋回輪3の内周側に設けられたグリースバスで、該グリースバス10は丸胴5の内周面に全周に亘って凹環状に形成され、内輪7の内周側に形成された内歯7Aと後述のピニオン19との噛合部を潤滑するグリースを保持するものである。
【0007】
11は減速装置4の外殻をなし、旋回フレーム6上に上下方向に配置されたハウジングを示し、該ハウジング11は、内周側が減速機構収容部12となった上側ハウジング13と、内周側に軸支持部14が設けられた下側ハウジング15とから構成され、上側ハウジング13の上端側には油圧モータ2が固着されている。そして、上側ハウジング13と下側ハウジング15とは複数のボルトによって固着され、下側ハウジング15は複数のボルトによって旋回フレーム6上に固着されている。ここで、上側ハウジング13の内周側には全周に亘って内歯13Aが形成されている。
【0008】
16は下側ハウジング15に設けられた軸支持部14と出力軸18との間に設けられた上側軸受で、該上側軸受16は、図2に示すように、出力軸18に嵌合した内輪16Aと、軸支持部14の上部中央に取付けられた外輪16Bと、内輪16Aと外輪16Bとの間に設けられた複数の転動体16Cとにより、円すいころ軸受として構成されている。17は上側軸受16の下方に位置して軸支持部14と出力軸18との間に設けられた下側軸受で、該下側軸受17は、出力軸18に嵌合した内輪17Aと、軸支持部14の下部中央に取付けられた外輪17Bと、内輪17Aと外輪17Bとの間に設けられた複数の転動体17Cとにより、円すいころ軸受として構成されている。
【0009】
18は下側ハウジング15の軸支持部14に挿通され、上側軸受16、下側軸受17によって回転可能に支持された出力軸を示し、該出力軸18の上端側外周には、後述する遊星歯車機構28のキャリア32とスプライン結合する歯部18Aが形成され、該歯部18Aの下側には後述するナット部材33が螺合するねじ部18Bが螺設されている。また、該出力軸18の下端側は旋回フレーム6の下側に突出してピニオン19となり、該ピニオン19は旋回輪3の内輪7に形成された内歯7Aと噛合している。これにより、出力軸18はピニオン19と共に内輪7の内歯7Aを介して自転しつつ公転し、この公転力によりハウジング11を介して旋回フレーム6を旋回させるようになっている。
【0010】
20は出力軸18の下端側に挿嵌された環状のリテーナで、該リテーナ20は、出力軸18のピニオン19と下側軸受17との間に位置して該下側軸受17の内輪を保持している。21は下側軸受17とリテーナ20との間に設けられた環状の仕切板で、該仕切板21は、グリースバス10内に充填されたグリースが旋回輪3の内歯7Aとピニオン19との噛合によるポンプ作用によって噴出し、ハウジング11内に侵入するのを防止するものである。
【0011】
22は上側軸受16と下側軸受17との間に位置してハウジング11内に設けられた環状のシール部材で、該シール部材22は、外周側が下側ハウジング15の軸支持部14に嵌着し、内周側が出力軸18に適度な弾性力をもって液密に摺接している。そして、シール部材22は遊星歯車機構23,28等を潤滑する潤滑油を減速機構収容部12内に封止し、グリースバス10内に充填されたグリースから隔絶するものである。
【0012】
23は油圧モータ2の下方に位置して上側ハウジング13の減速機構収容部12内に配設された1段目の遊星歯車機構を示し、該遊星歯車機構23は、油圧モータ2の出力軸2Aにスプライン結合された太陽歯車24と、該太陽歯車24と上側ハウジング13の内歯13Aとに噛合し、該太陽歯車24の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車25(1個のみ図示)と、該各遊星歯車25をピン26を介して回転可能に支持するキャリア27とから大略構成されている。
【0013】
28は遊星歯車機構23の下方に位置して上側ハウジング13の減速機構収容部12内に配設された2段目の遊星歯車機構を示し、該遊星歯車機構28は、遊星歯車機構23のキャリア27に設けられた内歯にスプライン結合する太陽歯車29と、該太陽歯車29と上側ハウジング13の内歯13Aとに噛合し、該太陽歯車29の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車30(1個のみ図示)と、該各遊星歯車30をピン31を介して回転可能に支持するキャリア32とから大略構成されている。
【0014】
そして、キャリア32に形成された内歯は出力軸18の歯部18Aにスプライン結合し、各遊星歯車30の公転を出力軸18に伝達するようになっている。これにより、油圧モータ2の出力軸2Aの回転は、遊星歯車機構23,28によって2段階に減速され、出力軸18を大きなトルクをもって回転させる。
【0015】
33は上側軸受16の上方に位置して出力軸18の外周側に配設されたナット部材を示し、該ナット部材33は、出力軸18のねじ部18Bに螺合することにより該出力軸18の軸方向に移動し、下側ハウジング15の軸支持部14との間で上側軸受16を軸方向に位置決めしている。
【0016】
従来技術による減速装置4は上述の如き構成を有するもので、油圧モータ2に外部から圧油を給排して出力軸2Aを回転駆動すると、この回転は減速装置4のハウジング11内で遊星歯車機構23,28により2段階に減速され、出力軸18に高トルクの回転力が伝達される。
【0017】
そして、該出力軸18のピニオン19は旋回輪3の内歯7Aに噛合し、該旋回輪3は内輪7が下部走行体の丸胴5に固着され、外輪8が上部旋回体の旋回フレーム6に固着されているから、ピニオン19は内輪7の内歯7Aを介して自転しつつ公転し、この公転が出力軸18からハウジング11を介して旋回フレーム6に伝達され、上部旋回体が下部走行体上で旋回する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による減速装置4では、ハウジング11内に貯えられた潤滑油によって遊星歯車機構23,28等が常時潤滑されるようになっているが、該遊星歯車機構23,28を構成する各歯車が噛合することにより生じた摩耗粉等の異物Aは、図5に示すように潤滑油中を沈降して上側軸受16の内輪16Aと外輪16Bとの間に侵入する。これにより、上側軸受16の転動体16C等が損傷してしまい、出力軸18の円滑な回転が妨げられるという問題がある。
【0019】
また、上側軸受16を通過した異物Aが、シール部材22と出力軸18との摺接部等に侵入した場合には、該シール部材22が早期に摩耗または損傷してハウジング11内から潤滑油が漏洩することにより、遊星歯車機構23,28等の安定した作動が損なわれるという問題がある。
【0020】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、摩耗粉等の異物によって軸受等が損傷するのを防止し、回転軸あるいは減速機構等を長期に亘って安定して作動させることができる減速装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、上部側が減速機構収容部となり下部側が軸支持部となって上下方向に配置されるハウジングと、該ハウジングの減速機構収容部内に設けられ回転源の回転を減速する減速機構と、前記ハウジングの軸支持部を挿通して設けられ該減速機構によって減速された回転を出力する出力軸と、前記ハウジングの軸支持部に設けられ該出力軸を回転可能に支持する軸受と、該軸受の上側に位置して前記出力軸の外周側に設けられ、前記ハウジングの軸支持部との間で該軸受を位置決めするナット部材とからなる減速装置に適用される。
【0022】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ハウジング内で前記減速機構を潤滑する潤滑油中に混入した異物が前記軸受内に侵入するのを防止するため、前記ナット部材の外径寸法を前記軸受を構成する外輪の直径以上に設定したことにある。
【0023】
このように構成したことにより、軸受を構成する外輪の直径以上の外径寸法を有するナット部材によって軸受の上側が覆われるから、減速機構を潤滑する潤滑油中に異物が混入したとしても、該異物が軸受内に侵入するのをナット部材によって防止できる。
【0024】
また、請求項2の発明は、前記ナット部材の上面には、外周側が漸次下向きに傾斜するテーパ面を設ける構成としたことにある。
【0025】
このように構成したことにより、ナット部材の上面に落下した異物をテーパ面に沿って軸受の外周側に導くことができる。
【0026】
さらに、請求項3の発明は、前記ハウジングの軸支持部には、前記ナット部材の外周側から飛散する異物を捕捉するため前記軸受の外周側に位置して環状の凹陥溝を設ける構成としたことにある。
【0027】
このように構成したことにより、潤滑油中に混入した異物は、ナット部材の外周側から飛散して凹陥溝内に捕捉される。この場合、凹陥溝内に捕捉された異物はその自重によって該凹陥溝内で堆積するから、減速機構の作動によって潤滑油が攪拌されたとしても、異物が軸受内に侵入するのを防止できる。
【0028】
また、請求項4の発明は、前記回転軸と噛合する前記減速機構のキャリア下面には前記ナット部材に設けたピン穴に挿通される廻止めピンを設け、該廻止めピンはその下面の少なくとも一部が前記軸受を構成する内輪の上面と対面する構成としたことにある。
【0029】
このように構成したことにより、例えば減速機構の作動時等において廻止めピンがキャリアに対して緩みを生じたとしても、該廻止めピンの下面が軸受の内輪上面に当接することにより、廻止めピンがキャリアから離脱するのを防止でき、ナット部材を廻止め状態に保つことができる。
【0030】
さらに、請求項5の発明は、前記ナット部材には一定の半径をもった円周上に複数のピン穴を設け、前記廻止めピンは該各ピン穴のいずれかに挿通する構成としたことにある。
【0031】
上記構成によれば、減速機構のキャリアに設けた廻止めピンをナット部材に設けた複数のピン穴のうちいずれかに挿通することにより、回転軸に対するナット部材の廻止めを簡単に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1および図2は本発明による減速装置を油圧ショベルの旋回装置に用いた場合を例に挙げて示している。なお、本実施例では上述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
図中、41は本実施例による減速装置を示し、該減速装置41のハウジング42は、従来技術によるハウジング11と同様に、内周側が減速機構収容部12となった上側ハウジング13と、下側ハウジング43とから構成されるものの、該下側ハウジング43の構成が従来技術とは異なっている。
【0035】
43は従来技術による下側ハウジング15に代えて本実施例に適用される下側ハウジングで、該下側ハウジング43は、従来技術による下側ハウジング15と同様に上端側が複数のボルトによって上側ハウジング13に固着され、下端側が複数のボルトによって旋回フレーム6上に固着されている。そして、下側ハウジング43の内周側には、上側軸受16、下側軸受17を介して出力軸18を支持する軸支持部44が設けられているものの、該軸支持部44の上面側には環状の凹陥溝45が形成されている。
【0036】
ここで、凹陥溝45は、上側軸受16の外輪16Bよりも外周側に位置して軸支持部44の上面側に全周に亘って凹設され、後述するナット部材46の外周側から飛散する異物Aを捕捉するものである。
【0037】
46は従来技術によるナット部材33に代えて本実施例に適用されるナット部材を示し、該ナット部材46は、図3に示す如くほぼ中空の円板状に形成され、その内周側には出力軸18のねじ部18Bに螺合するめねじが螺設されている。ここで、ナット部材46は、その外径寸法Dが上側軸受16の外輪16Bの直径d以上(D≧d)に設定され、上側軸受16を全周に亘って上側から覆う構成となっている(図2参照)。
【0038】
47はナット部材46の上面に形成されたテーパ面で、該テーパ面47は、外周側に向けて漸次下向きに傾斜するように形成され、ハウジング42内に封入された潤滑油内に混入した異物Aが自重によってナット部材46上に落下したときに、該異物Aをナット部材46の外周側に導くものである。
【0039】
48,48,…はナット部材46に穿設された4個のピン穴で、該各ピン穴48は、ナット部材46の軸中心から一定の半径をもった円周49(図3中に一点鎖線で示す)上に90度の間隔をもって配設されている。そして、各ピン穴48のうちいずれか1個に後述の廻止めピン50を挿通することにより、ナット部材46が出力軸18に対して廻止めされる構成となっている。
【0040】
50は遊星歯車機構28を構成するキャリア32の下面に設けられて下向きに伸長した廻止めピンで、該廻止めピン50は、ナット部材46の各ピン穴48よりも小径に形成されている。そして、廻止めピン50の上端側はキャリア32の下面に穿設された嵌合穴51内に圧入嵌合され、キャリア32を出力軸18の歯部18Aに噛合させるときに、廻止めピン50の下端側をナット部材46の各ピン穴48のうちいずれか1個に挿通することにより、ナット部材46が出力軸18に対して廻止めされる。
【0041】
この場合、ナット部材46の各ピン穴48は一定の半径をもった円周49上に4個設けられているから、キャリア32を出力軸18の歯部18Aに噛合させたときに、廻止めピン50を4個のピン穴48のうち1個に確実に挿通することができる。これにより、例えば廻止めピン50とピン穴48とを位置合わせするために、ナット部材46を出力軸18のねじ部18Bに締込む作業等を不要にでき、ナット部材46に対する廻止めを簡単に行うことができると共に、ナット部材46の過剰な締付けによって上側軸受16等の円滑な回転が阻害されるのを防止できる。
【0042】
また、廻止めピン50は、図2に示すように、その下面50Aの一部が上側軸受16の内輪16A上面と対面するように、キャリア32に対する取付位置が考慮されている。これにより、廻止めピン50がキャリア32の嵌合穴51内で緩みを生じた場合でも、該廻止めピン50の下面50Aが上側軸受16の内輪16A上面に当接することにより、廻止めピン50がキャリア32から離脱するのを防止し、ナット部材46を廻止め状態に保つことができる構成となっている。
【0043】
本実施例による減速装置41は上述の如き構成を有するもので、油圧モータ2に外部から圧油を給排すると出力軸2Aが回転し、この回転は減速装置41のハウジング42内で遊星歯車機構23,28によって2段階に減速され、出力軸18に高トルクの回転力が伝達される。これにより、ピニオン19が内輪7の内歯7Aを介して自転しつつ公転し、この公転が出力軸18からハウジング42を介して旋回フレーム6に伝達され、上部旋回体が下部走行体上で旋回動作を行う。
【0044】
このとき、油圧モータ2の出力軸2Aの回転を減速すべく作動する遊星歯車機構23,28は、ハウジング42内に封入された潤滑油によって常時潤滑され、該遊星歯車機構23,28を構成する各歯車の噛合によって生じた摩耗粉等の異物Aは、自重によって潤滑油中を沈降する。
【0045】
しかし、本実施例では、上側軸受16の上側を、該上側軸受16を構成する外輪16Bの直径d以上の外径寸法Dを有するナット部材46によって覆う構成としたから、潤滑油中を沈降する異物Aは、ナット部材46の上面に達した後、出力軸18と共に回転するナット部材46の遠心力によって該ナット部材46の外周側に飛散するようになる。これにより、異物Aは上側軸受16内に侵入することなく、下側ハウジング43の軸支持部44に設けられた凹陥溝45内に捕捉される。
【0046】
この場合、ナット部材46の上面には、外周側に向けて下向きに傾斜するテーパ面47が形成されているから、ナット部材46の上面に達した異物Aを、テーパ面47に沿って確実に凹陥溝45内に導くことができる。
【0047】
そして、凹陥溝45内に捕捉された異物Aは、その自重によって上側軸受16の外輪16B上面よりも低い位置にある凹陥溝45内に堆積するから、遊星歯車機構23,28の作動によって潤滑油が攪拌されたとしても、該異物Aが凹陥溝45を越えて上側軸受16内に侵入するのを防止できる。
【0048】
従って、潤滑油中の異物Aが上側軸受16の内輪16Aと外輪16Bとの間に侵入し、該上側軸受16の転動体16C等を損傷させるのを防止でき、出力軸18を長期に亘って円滑に回転させることができる。また、上側軸受16の下方に配設されたシール部材22と出力軸18との摺接部等への異物Aの侵入をも防止でき、シール部材22のシール性を良好に保つことができる。
【0049】
また、ナット部材46の外径寸法Dを大きく設定することにより、該ナット部材46を出力軸18のねじ部18Bに締込むときのトルクを大きくすることができる。これにより、ナット部材46に対する締付けトルクの管理がし易くなり、該ナット部材46とハウジング42の軸支持部44との間で位置決めされる上側軸受16等の作動を安定させることができる。
【0050】
しかも、本実施例では、ハウジング42の軸支持部44との間で上側軸受16等を位置決めするナット部材46を用いて、潤滑油中に混入した異物Aが上側軸受16等に侵入するのを防止できる構成としたから、例えば異物Aが上側軸受16内等に侵入するのを防止するためだけの別部品を設ける場合に比較して、部品点数や組付工数の増加を防止できる。
【0051】
なお、前記実施例では、2段の遊星歯車機構を備えた減速装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、1段の遊星歯車機構または3段以上の遊星歯車機構を備えた減速装置に適用してもよく、さらに、例えば遊星歯車を用いない型式の減速機構を備えた減速装置に適用してもよい。
【0052】
また、前記実施例では、出力軸18を支持する軸受として上側軸受16と下側軸受17とを用いた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、1個の軸受、あるいは3個以上の軸受によって出力軸を支持する構成としてもよい。
【0053】
さらに、前記実施例では、上側軸受16および下側軸受17として円すいころ軸受を用いた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、ラジアル方向およびスラスト方向の荷重を受承しナット部材によって位置決めされる玉軸受等の他の型式の軸受を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、ハウジングの軸支持部との間で軸受を位置決めするナット部材の外径寸法を軸受を構成する外輪の直径以上に設定する構成としたから、減速機構を潤滑する潤滑油中に摩耗粉等の異物が混入したとしても、軸受の上側を覆うナット部材によって該異物が軸受内に侵入するのを確実に防止できる。この結果、潤滑油中の異物によって軸受が損傷するのを防止でき、回転軸を円滑に回転させることができる。また、軸受の下方に配設されたシール部材が異物によって損傷してハウジング内から潤滑油が漏洩するのを防止でき、減速機構を長期に亘って安定して作動させることができる。
【0055】
また、請求項2の発明によれば、ナット部材の上面に外周側が漸次下向きに傾斜するテーパ面を設ける構成としたから、ナット部材の上面に落下した異物をテーパ面に沿って軸受の外周側に導くことができ、軸受内へ異物の侵入を一層確実に防止できる。
【0056】
さらに、請求項3の発明によれば、ハウジングの軸支持部には、ナット部材の外周側から飛散する異物を捕捉する環状の凹陥溝を設ける構成としたから、ナット部材の外周側から飛散して凹陥溝内に捕捉された異物は、その自重によって該凹陥溝内で堆積するから、減速機構の作動によって潤滑油が攪拌されたとしても、異物が軸受内に侵入するのを防止できる。
【0057】
また、請求項4の発明によれば、回転軸と噛合する減速機構のキャリア下面にはナット部材に設けたピン穴に挿通される廻止めピンを設け、該廻止めピンは、その下面の少なくとも一部が軸受の内輪上面と対面する構成としたから、例えば減速機構の作動時等において廻止めピンがキャリアに対して緩みを生じたとしても、該廻止めピンの下面が軸受の内輪上面に当接することにより、廻止めピンがキャリアから離脱するのを防止でき、ナット部材を廻止め状態に保つことができる。
【0058】
さらに、請求項5の発明によれば、ナット部材には一定の半径をもった円周上に複数のピン穴を設け、廻止めピンは該各ピン穴のいずれかに挿通する構成としたから、キャリアを回転軸に噛合させたときに、廻止めピンを複数のピン穴のうち1個に確実に挿通することができる。これにより、例えば廻止めピンとピン穴とを位置合わせするために、ナット部材を回転軸に締込む作業等を不要にでき、ナット部材に対する廻止めを簡単に行うことができると共に、ナット部材の過剰な締付けによって軸受の円滑な回転が阻害されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による減速装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の上側軸受、ナット部材等を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図3】図1中のナット部材を拡大して示す斜視図である。
【図4】従来技術による減速装置を示す縦断面図である。
【図5】図5中の上側軸受、ナット部材等を拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2 油圧モータ(回転源)
12 減速機構収容部
16 上側軸受
16A 内輪
16B 外輪
17 下側軸受
18 出力軸
23,28 遊星歯車機構(減速機構)
42 ハウジング
44 軸支持部
45 凹陥溝
46 ナット部材
47 テーパ面
48 ピン穴
50 廻止めピン
50A 下面
51 嵌合穴

Claims (5)

  1. 上部側が減速機構収容部となり下部側が軸支持部となって上下方向に配置されるハウジングと、該ハウジングの減速機構収容部内に設けられ回転源の回転を減速する減速機構と、前記ハウジングの軸支持部を挿通して設けられ該減速機構によって減速された回転を出力する出力軸と、前記ハウジングの軸支持部に設けられ該出力軸を回転可能に支持する軸受と、該軸受の上側に位置して前記出力軸の外周側に設けられ、前記ハウジングの軸支持部との間で該軸受を位置決めするナット部材とからなる減速装置において、
    前記ハウジング内で前記減速機構を潤滑する潤滑油中に混入した異物が前記軸受内に侵入するのを防止するため、前記ナット部材の外径寸法を前記軸受を構成する外輪の直径以上に設定したことを特徴とする減速装置。
  2. 前記ナット部材の上面には、外周側が漸次下向きに傾斜するテーパ面を設ける構成としてなる請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記ハウジングの軸支持部には、前記ナット部材の外周側から飛散する異物を捕捉するため前記軸受の外周側に位置して環状の凹陥溝を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の減速装置。
  4. 前記回転軸と噛合する前記減速機構のキャリア下面には前記ナット部材に設けたピン穴に挿通される廻止めピンを設け、該廻止めピンはその下面の少なくとも一部が前記軸受を構成する内輪の上面と対面する構成としてなる請求項1,2または3に記載の減速装置。
  5. 前記ナット部材には一定の半径をもった円周上に複数のピン穴を設け、前記廻止めピンは該各ピン穴のいずれかに挿通する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の減速装置。
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