JP3696420B2 - プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラスチック成形品の製造方法に関するものであり、特に高精度な鏡面を有するプラスチックレンズ、プラスチックミラー等の光学素子の製造方法に利用して有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ方式のデジタル複写機、プリンター、又はファクシミリ装置の光書き込みユニットには、レーザービームの結像、及び各種補正機能を有する矩形状のレンズ、或いはミラー等の光学素予が用いられている。近年これらの光学素子は、製品のコストダウンのためにガラス製からプラスチック製へと変化し、また複数の機能を最小限の素子で補うため、その転写面形状も球面のみならず複雑な非球面形状を有するようになってきており、また、レンズの場合には、そのレンズ形状はレンズ厚が厚く、また長手方向でレンズ厚が一定ではない偏肉形状である場合が多い。
他方、これらのプラスチック製光学素子の製造方法は、製造コストが低く、大量生産に適した射出成形法、或いは金型内に配置された転写面を形成する入子を移動可能にし、金型内に充填された樹脂の冷却に伴う体積収縮に対して可動入子が前進することで圧力を補って形状精度を確保する方法、いわゆる射出圧縮成形法が一般的に用いられている。
こうした射出成形法、或いは射出圧縮成形法で製造する際は、加熱溶融された樹脂材料を金型内に射出充填し、冷却固化させる工程において、金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になることが、所望の形状精度を確保するために必要である。
しかし、レンズ厚みが偏肉形状の場合、レンズ厚みの偏差によって充填された樹脂の冷却速度が長手方向の各部で異なり、体積収縮量に差が生じるため、形状精度が悪化したり、レンズ厚みの厚いところで局部的に冷却が遅延するためにこの部分にひけが発生してしまうという不具合があり、また、厚肉な成形品の場合には、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いためにひけが発生しやすく、他方、ひけの発生を防止するために射出圧力を大きくする(樹脂の充填量を多くする)方法もあるが、この方法によると内部歪みが大きくなり、光学性能に悪影響を及ぼすことが避けられない。また、射出圧縮成形法を用いて製造する場合、前記射出成形法より射出圧力を低くして成形することができるが、レンズ厚みに偏差があると長手方向の各部で体積収縮量に差が生じ、このことにより可動入子が樹脂の体積収縮に追従できず、このために均等な圧力をかけることができないので、転写面の一部にひけが発生してしまい、形状精度が低下するという問題がある。
【0003】
こうした射出成形法、或いは射出圧縮成形法の問題をできるだけ解消する方法として、溶融樹脂を金型に充填して後、軟化温度末満まで冷却する間に、移動可能なキャビティ駒(以下これを「可動駒」という)を後退させて樹脂から離隔させることによってキャビティ壁面と樹脂の間に空隙を画成する成形方法が開発されている(特願平9ー164316号)。これにより、冷却によって生じる収縮を、上記空隙に面する部分の樹脂が動くことによって補償し、上記空隙に面した樹脂を優先的にひけさせて転写面にひけが生じるのを回避することができる。なお、この場合、樹脂をキャビティに射出・充填する際には前記離隔させる可動駒が動かないようにキャビティ内の樹脂の圧力に抗してこれを固定する必要がある。
【0004】
他方、図1に示すように、可動駒をキャビティ内樹脂から離隔させる面積が小さいと、それに伴って画成される空隙(8)が小さいので、その部分だけに優先的に十分な大きさのヒケを誘導して不均一な樹脂の収縮を十分に補償することができず、その結果、転写面にもヒケが発生してしまう可能性がある。特に転写面積が大きい場合には、それに対応してヒケを誘導する面積(空隙を画成する面積)も大きくする必要があるが、そのためには、図2(a)に示すように、キャビティ(1)内の樹脂(7)の側面全面を隔離させるなどして離隔させる面積を大きくする他はない。しかしこのようにすると、可動駒が樹脂の射出・充填時に動かないように上記樹脂(7)の圧力に抗してこれを固定しておくのに大きな力で押さえる必要があり、この大きな押さえ力を発生させるための、圧力制御装置(4)が大きくなって、金型( 12 ) 構造を複雑にしてしまうことになる。更には成形品の形状上の制約や金型の構造上の制約により、隔離させる面積を大きくすることができない場合もある。さらに、離隔させる面積が大きいと、離隔時に成形品と可動駒(3)との密着力が強くなり、空隙が所望の場所に画成されず、図2(b)に示すように、成形品が後退する可動駒に引っ張られて、その全体形状が変形してしまうと言った問題も生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のとおりの従来技術における問題の可及的な解消を目的として、プラスチック成形品の転写面外の位置に画成される空隙の位置及び当該空隙の大きさを自在に拡大させて、より高精度な転写性を有するプラスチック部品を安価に製造できるように、その成形方法を工夫することである。
【0006】
【課題解決のために講じた手段】
上記課題を解決するために講じた手段は、所定容積のキャビティを画成するキャビティ面に少なくとも1つ以上の転写面を有し、前記キャビティ内に発生する樹脂圧力によって成形品に転写面を転写する射出成形用金型によるプラスチック成形品の製造方法を前提として、(イ)溶融樹脂をその軟化温度以下に加熱された前記金型に射出充填後、可動駒を後退させて、前記キャビティを画成する少なくとも1つ以上の面と樹脂の間に空隙を画成する第1の工程と、(ロ)樹脂がその軟化温度以下に冷却されるまでの間に、当該空隙を所定の大きさに拡大させる第2の工程を経て、上記キャビティ内の樹脂を冷却、固化させることである。
【0007】
【作用】
第1の工程によって形成された空隙は、高圧気体を圧入する第2の工程によって拡大され、適宜任意の大きさまで拡大されるから、第1の工程で形成される空隙は極めて小さくてよい。したがって、可動駒の後退によって大きな空隙を形成する場合の上記の問題は解消される。また、空隙の拡大操作は空気圧等の適宜の手段で自在に行われるから、その制御は、成形品の形状、転写面の位置、広さ、樹脂の種類、充填温度などに応じて適切に対応でき、したがって、転写面へのヒケの発生を確実に回避するに必要な所要の大きさの空隙を容易かつ高精度に画成させることができ、成形品の形状、転写面の位置、広さ、樹脂の種類、充填温度の如何に関わらず、高精度でプラスチック成形品を製造することができる。
【0008】
【実施態様1】
解決手段における上記空隙を画成するキャビティ面に金型外部と連通する通気口を設け、前記通気口より高圧気体をキャビティ内に圧入することよって、前記キャビティ面に画成させた空隙を所定の大きさに拡大させること。
【実施態様2】
実施態様1における上記キャビティ面に設けられた通気口を空隙を広げたい位置に配すること。
【実施態様3】
実施態様1または実施態様2における上記高圧気体の圧力、圧入時間、圧入量のいずれか1以上を調節することによって、前記空隙の大きさを加減すること。
【実施態様4】
実施態様1乃至実施態様3において、可動駒と当該可動駒の嵌合孔との間の間隙を上記通気口としたこと。
【実施態様5】
実施態様1乃至実施態様3において、可動駒に連通孔を設け、当該連通孔を上記通気口としたこと。
【実施態様6】
実施態様1乃至実施態様5における上記通気口の幅の大きさを0.001〜0.5mmに形成したこと。
【実施態様7】
上記解決手段における上記の空隙を広げたい部分のキャビティ壁面温度を他のキャビティ壁面温度よりも低くすること。
【実施態様8】
上記解決手段または実施態様7における上記空隙を画成するキャビティ面の温度を調節することによって、前記空隙の大きさを加減すること。
【実施態様9】
上記解決手段における上記空隙を広げたい部分のキャビティ壁面と樹脂の密着強度が小さくなるような表面処理を上記キャビティ壁面に施したこと。
【実施態様10】
上記解決手段または実施態様8における上記の空隙を画成するキャビティ面への上記の表面処理範囲を調節することによって、前記空隙の大きさを調整すること。
【実施態様11】
上記の解決手段において、実施態様1乃至実施態様10のいずれか2以上を併用すること。
【0009】
【実施例】
次いで、上記解決手段及び上記実施態様を具体的に明確にするために、本発明の実施例を図面を参照しつつ順次説明する。
まず、図3に示す一つの実施例のプラスチック成形金型( 12 )の構成について説明する。
このものにおける所定容積のキャビティ(1)は、成形品に鏡面を転写する転写面(2)を有し、前記成形面に開口していて、キャビティ内に溶融した樹脂材料を射出充填するゲート(図示せず)を有し、前記転写面(2)以外の少なくとも1つのキャビティ壁面に端面面積が小さい可動駒(3)を設けており、この可動駒(3)に圧力制御装置(4)が連結されている。他方、前記可動駒(3)と当該可動駒(3)が遊嵌されている嵌合孔との間のクリアランス(5)が、キャビティ(1)と金型( 12 )外部を連通させる連通口となっている。そしてこのクリアランス(5)は金型外の高圧気体源(6)と連結されている。
【0010】
次いで、図3の実施例の動作について説明する。
図3におけるキャビティ(1)内に溶融樹脂がゲートを介して射出充填され、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって成形品に転写面が転写され、冷却固化して成形品が成形される。射出成形法により成形を行う場合には、前記可動駒(3)は前記圧力制御装置4と連結されており、キャビティ(1)内に溶融樹脂を射出充填する際に当該キャビティ内に発生する最大樹脂圧力よりも大きい圧力を前記可動駒に加えて、前記樹脂圧力によって可動駒(3)が移動しないように押さえている。前記可動駒(3)とその嵌合孔とのクリアランスのキャビティ(1)ヘの開口幅は0.001〜0.5mm、好ましくは0.001から0.05mmにして、射出・充填時に樹脂が侵入すること(侵入した樹脂により成形品にばりかできること)を回避している。
樹脂充填後、キャビティ(1)内の樹脂(7)の冷却、固化が進み、樹脂圧力が所定圧力になった時に可動駒(3)をその先端面がキャビティ(1)の成形面から離れるように移動(後退)させて可動駒(3)とキャビティ内の成形品の表面のと間に小さな空隙(8)を生じさせる(図4参照。第1の工程)。次いで、図5に示すように前記金型( 12 )外に設置させられた高圧気体源(6)より、可動駒(3)とその嵌合孔とのクリアランス(5)を介して、高圧気体をキヤビティ(1)内に圧入する(図5参照。第2の工程)。圧入された気体が樹脂とキャビティ面を隔離させながらキャビティ(1)内に侵入し、キャビティ面と成形品との間に既に画成されている上記空隙が拡大され、これにより、不均一な樹脂の収縮を吸収できるだけの十分な広さに上記空隙(8)が拡大される。前記高圧気体によって圧力を加える時間、その圧力、高圧気体の圧入量のいずれか1つ以上を調節することによって、上記空隙(8)が適宜の大きさ、深さに調整される。
本発明によれば、空隙を画成するための上記可動駒(3)の端面面積が小さくても、高圧気体を上記クリアランス(5)から圧入することで、キャビティ内の樹脂の冷却によって生じる当該樹脂の収縮分を補償するだけの十分な大きさの空隙が画成される。したがって、転写面に上記収縮による変形、歪みが生じることはなく、転写面の転写精度が向上され、また、樹脂をキャビティ内に射出・充填する際に可動駒(3)が受ける力が小さいので、キャビティ内圧に抗して可動駒(3)を不動に押さえるための圧力制御装置(4)は比較的小さく、かつ単純な機構のものでよい。また、可動駒(3)が小さくて済むので、可動駒の配置のレイアウト上の自由度が高くなる。さらに、可動駒(3)を小さくできること、及び高圧気体を圧入することの効果により、可動駒(3)が後退するとき樹脂が可動駒から容易に離隔するから、可動駒(3)との密着力によってキャビティ(1)内の樹脂(7)が引っ張られて成形品が変形し、その全体形状が歪むことは回避される。なお、本成形法においては、成形品のヒケを抑制するために樹脂を高圧充填することは必要ないので、この成形方法でプラスチックレンズ、プリズム等の透過系光学部品を成形すれば、歪みの少ない極めて高精度な透過系光学部品が得られる。
【0011】
以上説明したように高圧気体を前記可動駒(3)とのその嵌合孔との間隙(クリアランス)から圧入するのに限らず、例えば図6に示すように可動駒(3)の中心に気体を圧入するための連通孔(9)を設けても同様な効果を得ることができる。また、図7は空隙を画成するキャビティ部非転写面(10)を示したものであるが、当該図7に示すように可動駒(3)の連通孔(9)に連通した通気溝(11)をキャビティの非転写面(10)に配置することもできる。この場合、空隙を広げたい位置に通気溝(11)を配設すれば、より効率的に上記空隙を拡大して、所望の位置に画成することができる。
【0012】
前記キャビティ内に温度分布がある場合、可動駒を摺動させて上記空隙を画成した後、前記空隙はキャビテイの温度が低いところへ浸攻して拡大する。これは、低温部から樹脂の冷却・固化が進み、樹脂が収縮するからである。従って、空隙を広げたい場所のキャビティ温度を他の部分より低くすることで、空隙の画成位置をコントロールすることができる。この場合には、気体を圧入する場合に比べると、高圧気体源等の設備が要らず、例えば、冷却配管のレイアウトを変え、あるいは分割ヒーターを使用する等により簡便で安価な設備で対応できる。この場合は、低温部と高温部での温度差をコントロールすることによって空隙の深さや位置、大きさを所望に制御することができる。
【0013】
また、空隙を広げたい場所における密着強度(単位面積当たりの密着力)を他のキャビティ面の密着強度よりも小さくすることで、所望の位置に空隙を形成し、かつその空隙の大きさを適宜ひろげることができる。キャビティ面の密着強度を小さくする方法としては、当該キャビティ面を樹脂材料との密着性が低い材料で表面処理(コーティング)する方法を採用できる。そして、樹脂材料との密着性が低い材料としては、TiN(窒化チタン)、TiCN(シアン化チタン)、WC(タングステンカーバイト)、テフロン系樹脂等がある。上記の表面処理を施す範囲を加減することによって、空隙の位置、深さ、大きさを所望に調整、制御することができる。密着強度を上記の表面処理で低下させる方法による場合は、ヒーター等の加熱コントロール手段は必ずしも必要ではなく、前述の温度差をつける方法による場合よりも一層金型を簡略な構造にすることができる。
【0014】
なお、以上述べた高圧気体を圧入する方法、温度差をつける方法、表面処理を施す方法は、いずれも単独で実施可能であるのはもちろんであるが、これらを適宜組み合わせて併用することも可能であり、これらを併用することで、成形品が複雑な形状を有するものであっても、確実に所望の位置に、所望の大きさの空隙を確実に画成させることができる。これらの組み合わせについては、それぞれの特質を勘案し、成形品の材質、形状、樹脂充填温度等を勘案して、選択すればよい。
【0015】
【発明の作用効果】
本発明、及び実施態様の作用効果は、以上述べてきたところから既に明らかであるが、主な請求項に係る発明毎に、その作用効果の要点を整理すると次のとおりである。
【0016】
〔請求項1に係る発明について〕
小さな可動駒を用いて非転写面に小さな空隙を形成し、これを所望の大きさに拡大させることにより、必要な位置に必要な大きさの空隙を適宜、自在に介在させることができる。したがって、不均一な樹脂の熱収縮分を上記空隙によるヒケで十分に補償し、最適な位置に最適な大きさのヒケを確実に非転写面に誘導できるから、転写面の転写精度を確実に高くすることがき、また、可動駒を小さいものにすることができるから、射出・充填時にキャビティ内の樹脂圧力に抗して可動駒を保持、固定するための力が小さくてすみ、それだけ金型が簡素化される。
【0017】
〔請求項2に係る発明について〕
小さな可動駒の後退によって樹脂表面に形成された小さな空隙を、高圧気体を圧入することによって、これを適宜、自在に拡大することにより、空隙を正確、かつ簡便に行うことができる。したがって、最適な位置に最適な大きさの空隙が容易、確実に画成され、この空隙の位置、大きさを自在に調整して非転写面へのヒケの誘導、ヒケの大きさ、深さの調整が確実になされるから、確実に高精度の転写面を得ることができる。
また、高圧気体の圧入によるものであるから、この空隙拡大のための操作、制御の応答性が極めて良好である。
【0018】
〔請求項3に係る発明について〕
小さな可動駒の後退によって形成された小さな空隙を広げたい位置に連通孔を配すればよいから、所要の位置に容易、確実に上記空隙を画成することができる。
【0019】
〔請求項4に係る発明について〕
高圧気体の圧力、圧入時間、圧入量のいずれか1つ以上を調節することによって、空隙の広さ、深さを容易かつ自在に加減することができる。したがって、ヒケの誘導による、高精度の転写面の形成を容易、確実にすることができる。
【0020】
〔請求項5または請求項6に係る発明について〕
可動駒と当該可動駒が嵌合される嵌合孔との間の間隙を、キャビティ内へ高圧気体を圧入する通気口にすること、あるいは可動駒に連通孔を設けてこれを上記通気口とするものであるが、これによって、金型に特別な加工を施すこと無しに、上記通気口を簡単、容易に形成することができる。
【0021】
〔請求項7に係る発明について〕
高圧気体を圧入する上記通気口にキャビティ内の樹脂が侵入し、これによって成形品にばりが形成されることを確実に回避することができる。
【0022】
〔請求項8に係る発明について〕
空隙を広げたい部分のキャビティ壁面温度を低くすることによるものであるが、キャビティ壁面の局部的な温度制御は比較的簡便な手段によって行えるので、高圧気体の圧入によって上記空隙を拡大させる方法に比して、生産設備が安価である。
【0023】
〔請求項9に係る発明について〕
キャビティ面の温度を調節することによるものであるが、キャビティ壁面の局部的な温度制御は比較的簡便な手段によって行えるので、高圧気体の圧入によって上記空隙を拡大させる方法に比して、生産設備が安価であり、また、キャビティ壁面の局部的な温度制御は比較的迅速になされるので、空隙拡大のための操作、制御の応答性が良好であり、ヒケの誘導、ヒケの大きさの加減も比較的容易、正確に行える。
【0024】
〔請求項10に係る発明について〕
空隙を広げたい部分のキャビティ壁面に、樹脂との密着強度が小さくなるような表面処理を施すことによるものであるが、高圧気体源や通気口、あるいはキャビティ壁面の局部的な温度制御手段などの特別な手段を設ける必要がないので、この発明を実施するためコストは極めて低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は従来の射出成形装置の断面図である。
【図2】(a)は他の従来の射出成形装置における可動駒と空隙と成形品のヒケとの関係を模式的に示す断面図であり、(b)は同従来の射出成形装置における可動駒後退時の成形品の変形状態を模式的に示す断面図である。
【図3】は本発明の実施例の断面図である。
【図4】は図3の実施例における可動駒と空隙と成形品のヒケとの関係を模式的に示す断面図である。
【図5】は図3の実施例における拡大された空隙とヒケとの関係を模式的に示す断面図である。
【図6】は本発明の他の実施例の断面図である。
【図7】は図6の実施例における空隙を画成するキャビティ部非転写面の平面図である。
【符号の説明】
(1)キャビティ
(2)転写面
(3)可動駒
(4)圧カ制御装置
(5)クリアランス
(6)気体発生源
(7)樹脂(成形品)
(8)空隙
(9)連通孔
(10)非転写面
(11)通気溝
(12)金型

Claims (12)

  1. 所定容積のキャビティを画成するキャビティ面に少なくとも1つ以上の転写面を有し、前記キャビティ内に発生する樹脂圧力によって成形品に転写面を転写する射出成形用金型によるプラスチック成形品の製造方法において、
    溶融樹脂をその軟化温度以下に加熱された前記金型に射出充填後、可動駒をキャビティの成形面から離れるように後退させて、前記キャビティを画成する少なくとも1つ以上の面と樹脂の間に空隙を画成する第1の工程と、樹脂がその軟化温度以下に冷却されるまでの間に、前記空隙を所定の大きさに拡大させる第2の工程を経て、キャビティ内樹脂を冷却、固化させることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  2. 上記空隙を画成するキャビティ面に金型外部と連通する通気口を設け、上記通気口より高圧気体をキャビティ内に圧入することよって、上記キャビティ面に画成させた空隙を所定の大きさに拡大させることを特徴とする請求項1のプラスチック成形品の製造方法。
  3. 上記キャビティ面に設けられた通気口を空隙を広げたい位置に配することを特徴とする請求項2のプラスチック成形品の製造方法。
  4. 上記高圧気体の圧力、圧入時間、圧入量のいずれか1以上を調節することによって、前記空隙の大きさを加減することを特徴とする請求項2又は請求項3のプラスチック成形品の製造方法。
  5. 可動駒と当該可動駒の嵌合孔との間の間隙を上記通気口としたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  6. 可動駒に連通孔を設け、この連通孔を上記通気口としたことを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  7. 上記通気口の幅の大きさを0.001〜0.5mmに形成したことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  8. 上記の空隙を広げたい部分のキャビティ壁面温度を他のキャビティ壁面温度より低くすることを特徴とする請求項1のプラスチック成形品の製造方法。
  9. 上記空隙を画成するキャビティ面の温度を調節することによって、前記空隙の大きさを加減することを特徴とする請求項1又は請求項8のプラスチック成形品の製造方法。
  10. 上記の空隙を広げたい部分のキャビティ壁面と樹脂の密着強度が小さくなるような表面処理を上記キャビティ壁面に施したことを特徴とする請求項1のプラスチック成形品の製造方法。
  11. 上記の空隙を画成するキャビティ面への上記の表面処理範囲を調節することによって、前記空隙の大きさを調整することを特徴とする請求項1又は請求項9のプラスチック成形品の製造方法。
  12. 前記請求項2乃至請求項11の製造方法のいずれか2以上を併用することを特徴とする請求項1のプラスチック成形品の製造方法。
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